JPH08285609A - 圧電振動ジャイロ用振動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立時の入出力用リード線の断線や、組立時
の特性のばらつき等の欠点のない、特性的に安定で、量
産に適した圧電振動ジャイロ用振動子を供する。 【構成】 振動子の固定に軟弾性体支持具１２とフレキ
シブル基板１４をホルダー１８にはめ込んで用いる。こ
の基板１４は、振動子より僅かに大きい貫通孔１７を持
ち、貫通孔１７の縁から回路基板への接続端子１０とを
繋ぐパターンが形成されており、振動子の帯状電極に接
する部分をＬ字形の端子１５により接続する構造とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラ一体型ＶＴＲの
手振れ防止や、自動車のナビゲーションシステムなどに
用いられるジャイロスコープの内、特に圧電振動子の超
音波振動を用いた、いわゆる圧電振動ジャイロに関し、
特に棒状屈曲振動子の支持具および振動子に関する。

【０００２】

【従来の技術】圧電振動ジャイロは、振動している物体
に回転角速度が与えられると、その振動方向と直角な方
向にコリオリ力を生ずるという力学現象を利用したジャ
イロスコープである。互いに直交する二つの方向の励振
と検出が可能であるように構成した振動系において、一
方の振動を励振した状態で、振動子自身を二つの振動面
が交わる線と平行な軸を中心軸として回転させると、前
述のコリオリ力の作用によりこの振動と直角な方向に力
が働き、他方の振動が励振される。この振動の大きさは
入力側の振動の大きさおよび回転角速度に比例するた
め、入力電圧が一定の場合、出力電圧の大きさから回転
角速度の大きさを求めることができる。

【０００３】図３は、圧電振動ジャイロの本体である円
柱状圧電振動子の構造概略を示す図である。円柱状圧電
セラミックス１の外周面に長さ方向に平行な帯状電極２
が数本形成され、この円柱状圧電セラミックス１の長手
方向に対して、両端から２２.４％の位置にある屈曲振
動の節点を結ぶ線（以下、節点線と略称）５上で、且
つ、各帯状電極の幅方向中央部に、入出力用リード線３
が半田点４で固定されており、前記の帯状電極２を用い
て分極処理を施す。

【０００４】図４は、前記の圧電ジャイロ用振動子をそ
の節点線上で支持するために用いる従来の軟弾性体の支
持具６の斜視図である。

【０００５】また、図５および図６は、従来の圧電振動
ジャイロ用振動子の斜視図で、図５は振動子をホルダー
８に装着する前の、図６は振動子をホルダー８に装着し
て組立てた後の状態を示す。支持具６は、中央に円柱状
圧電セラミックス１の外径と同じ径の貫通孔７を有する
絶縁性のゴム状弾性材料からなる環状体で、この環状の
支持具６の外径と同じ径をもつホルダー８の貫通孔９に
はめ込み接着する。このホルダー８にはめ込まれて接着
された支持具６の貫通孔７に上述のリード線３が付され
た振動子を挿入し、支持具６の貫通孔７の縁部で円柱状
圧電セラミックス１の屈曲振動の節点線５（図３参照）
を支持し、この環状の支持具６と振動子の接する部分に
シリコーンを注入し、接着する。次に、駆動あるいは検
出用の電極に接続された入出力用リード線３を回路基板
と接続する金属端子棒１０に半田付けする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の図５および図６
に示した圧電振動ジャイロ用振動子においては、振動子
の組立時または組立後にリード線に触れたり、リード線
自体の重さによるリード線の引き回しの影響により特性
が変化しやすく、また振動子の組立時にリード線が断線
しやすい等の欠点を有していた。

【０００７】本発明の課題は、以上に示した従来の圧電
振動ジャイロ用振動子における入出力用のリード線の影
響を除去し、組立が容易で量産に適し、特性的にも安定
した圧電振動ジャイロ用振動子を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、駆動及
び検出用の電極を具備し、１波長共振で振動する棒状屈
曲振動子を用いた振動ジャイロの回路基板と振動子間の
電気的接続と支持固定を、振動の節点あるいは節点線上
をフレキシブル基板と前記振動子と同径の貫通孔を持つ
軟弾性体からなる支持具とホルダーとから構成した振動
子用支持具により行ったことを特徴とする圧電振動ジャ
イロ用振動子が得られる。

【０００９】また、本発明によれば、前記の振動子用支
持具を構成するフレキシブル基板には、振動子の電極と
ホルダーに設けられた回路基板への接続端子とを繋ぐパ
ターンが形成されており、振動子を通すための振動子断
面より僅かに大きい貫通孔があり、振動子の電極に接す
る部分にＬ字形の端子を設けて振動子の電極と回路基板
とを接続したことを特徴とする圧電振動ジャイロ用振動
子が得られる。

【００１０】

【作用】振動子用支持具を軟弾性体支持具、フレキシブ
ル基板およびホルダーの３つの部分から構成し、回路パ
ターンを印刷し、振動子を通す孔を設けたフレキシブル
基板と軟弾性体支持具をホルダーにはめ込む方式とし
て、振動子を通したフレキシブル基板のＬ字形端子によ
って、振動子の電極とホルダー端子（金属端子棒）との
接続を行う。この方式によると、リード線を必要とせず
に電気的な接続が可能で、従来の微細なリード線に由来
する種々のトラブルを避けることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。

【００１２】図１は、本発明の振動子用支持具を構成す
る部品の斜視図であり、図２は、圧電振動ジャイロ用振
動子の軸方向の断面を示す図である。

【００１３】振動子用支持具は、貫通孔１３を有する軟
弾性体支持具１２と、中央に円柱状圧電セラミックス１
（振動子）の外径より僅かに大きい径の貫通孔１７を有
するフレキシブル基板１４とホルダー１８からなる。フ
レキシブル基板１４の貫通孔１７の縁にＬ字形の端子１
５が設けられており、フレキシブル基板の外縁の端子１
６とパターンによりつながっている。また、ホルダー１
８は、円柱状圧電セラミックス１の外径より若干大きめ
の貫通孔１９を有し、軟弾性体支持具１２は、振動子１
の外径と同じ径の貫通孔１３を有するゴム状弾性絶縁性
材料からできている。

【００１４】このフレキシブル基板１４をホルダー１８
の側面にはめ込み、端子１６を回路基板への接続端子で
ある金属端子棒１０に半田付けし、貫通孔１７および１
９に円柱状圧電セラミック１を挿入して節点線５でＬ字
形の端子１５を帯状電極２に半田付けする。さらに、軟
弾性体支持具１２の貫通孔１３に前記振動子１を挿入し
てフレキシブル基板１４のはめ込まれたホルダー１８の
側面に押し込み、ホルダー１８とフレキシブル基板１４
と軟弾性体支持具１２とを接着し、この支持具１２と振
動子１の接する部分にはシリコーンゴム１１を注入し、
接着することにより圧電振動ジャイロ用振動子が得られ
る。

【００１５】

【発明の効果】以上に示したように、本発明によれば、
圧電振動ジャイロ用振動子において、振動子とホルダー
間をパターンが形成されたフレキシブル基板を用いるこ
とにより、リード線を使用しないので、従来に比べて、
組立時の入出力用リード線の断線や組立時の特性のばら
つきなどの欠点がない、特性的にも安定し量産に適した
圧電振動ジャイロ用振動子が製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の振動子用支持具の斜視図。

【図２】本発明の振動ジャイロ用振動子を振動子用支持
具に装着した状態を示す断面図。

【図３】円柱状圧電セラミックスの外観を示す斜視図。

【図４】従来の支持具の外観を示す斜視図。

【図５】従来の圧電振動ジャイロ用振動子の外観斜視図
で、ホルダーに振動子を装着する前の状態を説明する
図。

【図６】従来の圧電振動ジャイロ用振動子で、ホルダー
に振動子を装着した状態を示す外観斜視図。

【符号の説明】

１ 円柱状圧電セラミックス（振動子） ２ 帯状電極 ３ （入出力用）リード線 ４ 半田点 ５ 節点線 ６ （軟弾性体の）支持具 ７ （支持具）貫通孔 ８ ホルダー（従来用） ９ （ホルダー）貫通孔 １０ 金属端子棒（回路基板への接続端子） １１ （接着用）シリコーンゴム １２ （軟弾性体）支持具 １３，１７，１９ 貫通孔 １４ （フレキシブル）基板 １５ （Ｌ字形の）端子 １６ （外縁の）端子 １８ ホルダー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動及び検出用の電極を具備し、１波長
   共振で振動する棒状屈曲振動子を用いた振動ジャイロの
   回路基板に、前記振動子を、前記振動子の振動の節点線
   上で、フレキシブル基板と、前記振動子と同径の貫通孔
   を持つ軟弾性体支持具と、ホルダーとからなる振動子用
   支持具により固定して、電気的に接続したことを特徴と
   する圧電振動ジャイロ用振動子。
2. 【請求項２】 請求項１記載のフレキシブル基板に、振
   動子断面より僅かに大きい貫通孔と、該貫通孔の縁辺の
   振動子の電極に接する部分にＬ字形の端子と、回路基板
   に接続するためホルダーに設けた接続端子から前記Ｌ字
   形の端子へ導通するパターンとを設けたことを特徴とす
   る圧電振動ジャイロ用振動子。