JPH08285459A - 真空加圧炉 - Google Patents
真空加圧炉Info
- Publication number
- JPH08285459A JPH08285459A JP8517195A JP8517195A JPH08285459A JP H08285459 A JPH08285459 A JP H08285459A JP 8517195 A JP8517195 A JP 8517195A JP 8517195 A JP8517195 A JP 8517195A JP H08285459 A JPH08285459 A JP H08285459A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heaters
- heater
- furnace
- power
- electrodes
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)
- Furnace Details (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】対流による温度差の発生を簡単な構成で確実に
抑制する。 【構成】スイッチ8a、8bを用いて、下方に位置する
ヒータ5に上方に位置するヒータ5よりも大電力が供給
されるように結線状態を切り換える。これにより、対流
の温度差と逆の温度分布を作り、対流の影響を相殺する
ことができる。
抑制する。 【構成】スイッチ8a、8bを用いて、下方に位置する
ヒータ5に上方に位置するヒータ5よりも大電力が供給
されるように結線状態を切り換える。これにより、対流
の温度差と逆の温度分布を作り、対流の影響を相殺する
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結炉や、シンター・
ヒップ炉等として利用される真空加圧炉に関するもので
ある。
ヒップ炉等として利用される真空加圧炉に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の真空加圧炉は、炉内を真空排気
した状態で処理物を加熱処理し、続いて各種の処理ガス
を加圧雰囲気となるまで導入し、その状態で処理物を加
熱して熱処理を行うものである。その際に、処理物を均
一に加熱する必要があることから、ヒータは処理物を包
囲する位置に処理物を基準として互いに略点対称な位置
関係で配置され、各ヒータへの電力供給を処理物を基準
として水平方向及び鉛直方向に均等に行うようにしてい
る。
した状態で処理物を加熱処理し、続いて各種の処理ガス
を加圧雰囲気となるまで導入し、その状態で処理物を加
熱して熱処理を行うものである。その際に、処理物を均
一に加熱する必要があることから、ヒータは処理物を包
囲する位置に処理物を基準として互いに略点対称な位置
関係で配置され、各ヒータへの電力供給を処理物を基準
として水平方向及び鉛直方向に均等に行うようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、炉内にガス
を導入して処理物を高圧下で加熱するとき、ガスによる
対流が生じる。このため、各電極やヒータを処理物の周
囲に点対称に配置しても、対流によって炉内の上層空間
の方が下層空間よりも高温にならざるを得ない。このた
め、加圧時に処理物に対する加熱むらを生じ、ひいては
製品品質のばらつきや不良品の増加を招く不具合に繋が
る。
を導入して処理物を高圧下で加熱するとき、ガスによる
対流が生じる。このため、各電極やヒータを処理物の周
囲に点対称に配置しても、対流によって炉内の上層空間
の方が下層空間よりも高温にならざるを得ない。このた
め、加圧時に処理物に対する加熱むらを生じ、ひいては
製品品質のばらつきや不良品の増加を招く不具合に繋が
る。
【0004】このような不具合を解決するために、配電
回路を複数の回路から構成し、各回路ごとにそれぞれ熱
電対、サイリスタ、トランス等からなる温度制御回路を
接続して各回路への給電状態を個々に制御することも考
えられるが、このような対策は構造の複雑化やコストア
ップを招くため好ましくなく、既存設備への適用も困難
である。
回路を複数の回路から構成し、各回路ごとにそれぞれ熱
電対、サイリスタ、トランス等からなる温度制御回路を
接続して各回路への給電状態を個々に制御することも考
えられるが、このような対策は構造の複雑化やコストア
ップを招くため好ましくなく、既存設備への適用も困難
である。
【0005】本発明は、このような課題を簡単且つ効果
的に解決することを目的としている。
的に解決することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0007】すなわち、本発明に係る真空加圧炉は、処
理物を包囲する位置に処理物を基準として互いに略点対
称な位置関係で複数のヒータを配置し、これらのヒータ
間を環状に結線するとともに、各ヒータ間に電極及び配
電回路を介して三相電源を接続し、各ヒータへの電力供
給を処理物を基準として水平方向及び鉛直方向に略均等
に行い得るように構成してなるものにおいて、前記配電
回路に、各ヒータへの電力供給を処理物を基準として水
平方向に均等を保ち鉛直方向に不均等とするように結線
状態を切換える切換部を設け、この切換部により下方に
位置するヒータに上方に位置するヒータよりも大電力を
供給し得るようにしたことを特徴とする。
理物を包囲する位置に処理物を基準として互いに略点対
称な位置関係で複数のヒータを配置し、これらのヒータ
間を環状に結線するとともに、各ヒータ間に電極及び配
電回路を介して三相電源を接続し、各ヒータへの電力供
給を処理物を基準として水平方向及び鉛直方向に略均等
に行い得るように構成してなるものにおいて、前記配電
回路に、各ヒータへの電力供給を処理物を基準として水
平方向に均等を保ち鉛直方向に不均等とするように結線
状態を切換える切換部を設け、この切換部により下方に
位置するヒータに上方に位置するヒータよりも大電力を
供給し得るようにしたことを特徴とする。
【0008】
【作用】このような構成において、炉内が真空状態にあ
るときは、各ヒータへの電力供給を水平方向及び鉛直方
向に均等に行う。これにより、処理物は周囲から放射に
よって加熱され、均一加熱に供される。一方、炉内が導
入ガスによる加圧雰囲気にあるときは、切換部において
各ヒータへの電力供給を水平方向に均等で鉛直方向に不
均等となるように切換える。具体的には、炉の下方に位
置するヒータに、炉の上方に位置するヒータよりも大電
力を供給する。これにより、対流で処理物の下部よりも
上部の方が過熱ぎみになっても、ヒータの加熱は下方を
上方よりも相対的に高温とする温度分布を形成すべく行
われるため、結果的に温度分布が相殺して、対流に起因
した鉛直方向への温度差が縮小されることになる。
るときは、各ヒータへの電力供給を水平方向及び鉛直方
向に均等に行う。これにより、処理物は周囲から放射に
よって加熱され、均一加熱に供される。一方、炉内が導
入ガスによる加圧雰囲気にあるときは、切換部において
各ヒータへの電力供給を水平方向に均等で鉛直方向に不
均等となるように切換える。具体的には、炉の下方に位
置するヒータに、炉の上方に位置するヒータよりも大電
力を供給する。これにより、対流で処理物の下部よりも
上部の方が過熱ぎみになっても、ヒータの加熱は下方を
上方よりも相対的に高温とする温度分布を形成すべく行
われるため、結果的に温度分布が相殺して、対流に起因
した鉛直方向への温度差が縮小されることになる。
【0009】しかも、本発明は、既存の配電回路にスイ
ッチ等の切換部を付加するだけで構成できるため、配電
回路自体を複雑にしたり、複数対の温度制御回路を設け
る必要などが一切ない。
ッチ等の切換部を付加するだけで構成できるため、配電
回路自体を複雑にしたり、複数対の温度制御回路を設け
る必要などが一切ない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
説明する。
【0011】図1および図2に示す真空加圧炉は、炉胴
1の内部に断熱材2により閉成される処理空間3を有
し、その処理空間3の略中心位置に処理物Wを収容して
熱処理に供するように構成される。
1の内部に断熱材2により閉成される処理空間3を有
し、その処理空間3の略中心位置に処理物Wを収容して
熱処理に供するように構成される。
【0012】前記処理空間3内であって、処理物Wを包
囲する位置には、円周方向に60°間隔でT字状の腕部
4aを有した6本の電極4が炉の軸心に垂直な平面内に
おいて左右対称および上下対称となるように等角に配置
されており、これらの電極4の基端側は断熱材2及び炉
胴1を貫通して外部に引き出され、その貫通部分が炉胴
1に気密に支持されている。各電極4の腕部4aの左右
両端には、炉の軸心方向に沿って伸びるロッドヒータ5
aがそれぞれ支持されており、全部で12本のロッドヒ
ータ5aが円周方向に30°間隔で処理空間3を包囲し
ている。また、互いに隣接し且つ異なる電極4によって
支持された一対のロッドヒータ5a、5a間は、端部に
配設した渡りヒータ5bによって連結されている。つま
り、ロッドヒータ5の抵抗をr1 、渡りヒータの抵抗を
r2 とした場合、電極4、4間には(r1 +r2 )の抵
抗が2本並列に入っていることになり、r=(r1 +r
2)/2なる値が電極4、4間の抵抗となる。したがっ
て、この炉は、図3に示すように、各電極4、4間を抵
抗rのヒータ5で環状に接続した回路と等価になる。
囲する位置には、円周方向に60°間隔でT字状の腕部
4aを有した6本の電極4が炉の軸心に垂直な平面内に
おいて左右対称および上下対称となるように等角に配置
されており、これらの電極4の基端側は断熱材2及び炉
胴1を貫通して外部に引き出され、その貫通部分が炉胴
1に気密に支持されている。各電極4の腕部4aの左右
両端には、炉の軸心方向に沿って伸びるロッドヒータ5
aがそれぞれ支持されており、全部で12本のロッドヒ
ータ5aが円周方向に30°間隔で処理空間3を包囲し
ている。また、互いに隣接し且つ異なる電極4によって
支持された一対のロッドヒータ5a、5a間は、端部に
配設した渡りヒータ5bによって連結されている。つま
り、ロッドヒータ5の抵抗をr1 、渡りヒータの抵抗を
r2 とした場合、電極4、4間には(r1 +r2 )の抵
抗が2本並列に入っていることになり、r=(r1 +r
2)/2なる値が電極4、4間の抵抗となる。したがっ
て、この炉は、図3に示すように、各電極4、4間を抵
抗rのヒータ5で環状に接続した回路と等価になる。
【0013】一方、これらのヒータ5を駆動するため
に、各電極4に配電回路6を介して三相トランスの2次
側電源7を接続している。三相電源の第1相をR、第2
相をS、第3相をTで表わすと、第1相Rを任意の電極
4に接続した場合に、第2相Sを隣接する電極4を飛ば
して反時計回りに120°離間位置にある電極4に、第
3相Tを隣接する電極4を飛ばして反時計回りに更に1
20°離間位置にある電極4にそれぞれ配線6a、6
b、6cを介して接続している。
に、各電極4に配電回路6を介して三相トランスの2次
側電源7を接続している。三相電源の第1相をR、第2
相をS、第3相をTで表わすと、第1相Rを任意の電極
4に接続した場合に、第2相Sを隣接する電極4を飛ば
して反時計回りに120°離間位置にある電極4に、第
3相Tを隣接する電極4を飛ばして反時計回りに更に1
20°離間位置にある電極4にそれぞれ配線6a、6
b、6cを介して接続している。
【0014】以上の構成に加えて、本実施例では、前記
配電回路6に切換部たる2つのスイッチ8a、8bを付
設している。第1のスイッチ8aは、配線6a上にあっ
て、第1相Rを正規の配電先の電極4から切り離して反
時計方向に隣接する電極4に接続する機能を有し、第2
のスイッチ8bは、配線6c上にあって、第3相Tを正
規の配電先の電極4に対して反時計方向に隣接する電極
4にも接続する機能を有している。
配電回路6に切換部たる2つのスイッチ8a、8bを付
設している。第1のスイッチ8aは、配線6a上にあっ
て、第1相Rを正規の配電先の電極4から切り離して反
時計方向に隣接する電極4に接続する機能を有し、第2
のスイッチ8bは、配線6c上にあって、第3相Tを正
規の配電先の電極4に対して反時計方向に隣接する電極
4にも接続する機能を有している。
【0015】次に、本実施例の作動を説明する。炉内が
真空状態にあるときは、図3に示すように、第1のスイ
ッチ8aを正規の配電先の電極4に接続し、第2のスイ
ッチ8bをOFFにする。この状態で、三相電源7から
線間電圧eを掛けると、何れの相間においても、電極
4、4間には、それぞれ(e2 /2r)の電力が供給さ
れ、各ヒータ5への電力供給はその半分の(e2 /4
r)となる。そして、全てのヒータ5は処理物Wを基準
にして水平方向及び鉛直方向に均等に分布して機能して
いるため、処理物Wは周囲から放射によって均一加熱に
供される。なお、必要に応じて余った電極4を結んでス
ター結線しておいてもよい。その時にヒータ5に供給さ
れる電力は3/4になる。
真空状態にあるときは、図3に示すように、第1のスイ
ッチ8aを正規の配電先の電極4に接続し、第2のスイ
ッチ8bをOFFにする。この状態で、三相電源7から
線間電圧eを掛けると、何れの相間においても、電極
4、4間には、それぞれ(e2 /2r)の電力が供給さ
れ、各ヒータ5への電力供給はその半分の(e2 /4
r)となる。そして、全てのヒータ5は処理物Wを基準
にして水平方向及び鉛直方向に均等に分布して機能して
いるため、処理物Wは周囲から放射によって均一加熱に
供される。なお、必要に応じて余った電極4を結んでス
ター結線しておいてもよい。その時にヒータ5に供給さ
れる電力は3/4になる。
【0016】一方、炉内を、処理ガスを導入して例えば
1MPascal程度の加圧雰囲気にするときは、図4に示す
ように、第1のスイッチ8aを正規の配電先の電極4か
ら切り離して隣接する電極4側に倒し、第2のスイッチ
をONにする。この状態で、三相電源7から線間電圧e
を掛けると、第1、第2相間(RS間)に介挿されるの
は1個のヒータ5だけとなり、(e2 /r)の電力が供
給される。この電力は図3で各ヒータ5が受ける電力の
4倍である。また、第2、第3相間(ST間)、及び、
第3、第1相間(TR間)は図3における各相間と同様
に2つのヒータ5が介挿された状態になるため、各ヒー
タ5への供給電力は図3の値と同一となる。更に、同相
の部分は全て同一電位であるため供給電力は0である。
すなわち、各ヒータ5における電力供給比率は図3に括
弧書きで示す分布から図4に括弧書きで示す分布に変化
する。この給電状態を、処理物Wの中心を通る水平面を
境にして上部と下部に分けて考えると、図3の電力供給
比率が3:3であるのに対して、図4のそれは2:6と
なる。つまり、対流により処理物Wの上部が下部よりも
過熱ぎみになっても、ヒータ5の機能に積極的に鉛直方
向への温度分布を形成することによって、処理物Wの下
部をより強く加熱して、対流の影響を相殺することがで
きる。このため、処理物Wに対する処理むらをなくし
て、製品品質や歩留まりを確実に向上させることが可能
になる。本実施例では、実際の実験で上下の温度差を例
えば60℃→7℃程度に低減できる効果がある事を確認
している。しかも、このような構成は、炉外において既
存の配電回路に2つのスイッチ8a、8bを付加するだ
けで実現でき、配電回路6には一切手を加える必要がな
く、多くの温度制御回路を改めて外付けする必要なども
ないため、新規設備のみならず既存設備にも極めて簡単
に適用することが可能になる。
1MPascal程度の加圧雰囲気にするときは、図4に示す
ように、第1のスイッチ8aを正規の配電先の電極4か
ら切り離して隣接する電極4側に倒し、第2のスイッチ
をONにする。この状態で、三相電源7から線間電圧e
を掛けると、第1、第2相間(RS間)に介挿されるの
は1個のヒータ5だけとなり、(e2 /r)の電力が供
給される。この電力は図3で各ヒータ5が受ける電力の
4倍である。また、第2、第3相間(ST間)、及び、
第3、第1相間(TR間)は図3における各相間と同様
に2つのヒータ5が介挿された状態になるため、各ヒー
タ5への供給電力は図3の値と同一となる。更に、同相
の部分は全て同一電位であるため供給電力は0である。
すなわち、各ヒータ5における電力供給比率は図3に括
弧書きで示す分布から図4に括弧書きで示す分布に変化
する。この給電状態を、処理物Wの中心を通る水平面を
境にして上部と下部に分けて考えると、図3の電力供給
比率が3:3であるのに対して、図4のそれは2:6と
なる。つまり、対流により処理物Wの上部が下部よりも
過熱ぎみになっても、ヒータ5の機能に積極的に鉛直方
向への温度分布を形成することによって、処理物Wの下
部をより強く加熱して、対流の影響を相殺することがで
きる。このため、処理物Wに対する処理むらをなくし
て、製品品質や歩留まりを確実に向上させることが可能
になる。本実施例では、実際の実験で上下の温度差を例
えば60℃→7℃程度に低減できる効果がある事を確認
している。しかも、このような構成は、炉外において既
存の配電回路に2つのスイッチ8a、8bを付加するだ
けで実現でき、配電回路6には一切手を加える必要がな
く、多くの温度制御回路を改めて外付けする必要なども
ないため、新規設備のみならず既存設備にも極めて簡単
に適用することが可能になる。
【0017】なお、図1及び図2に示す真空加圧炉が、
例えば4M〜6MPascal程度の加圧雰囲気を形成する必
要がある場合には、上述した雰囲気よりも対流の影響が
より大きく現われる。そこで、このような場合には、切
換部に図3の構成に代えて図5の構成を採用しておくこ
とが有効となる。この構成も、2つのスイッチ9a、9
bを若干の配線を用いて付加するだけのものであって、
第1のスイッチ9aは、第1相Rを正規の配電先の電極
4の180°対向位置にある電極4にも接続する機能を
有し、第2のスイッチ9bは第3相を正規の配電先の電
極4から切り離して180°対向位置にある電極4に接
続する機能を有している。
例えば4M〜6MPascal程度の加圧雰囲気を形成する必
要がある場合には、上述した雰囲気よりも対流の影響が
より大きく現われる。そこで、このような場合には、切
換部に図3の構成に代えて図5の構成を採用しておくこ
とが有効となる。この構成も、2つのスイッチ9a、9
bを若干の配線を用いて付加するだけのものであって、
第1のスイッチ9aは、第1相Rを正規の配電先の電極
4の180°対向位置にある電極4にも接続する機能を
有し、第2のスイッチ9bは第3相を正規の配電先の電
極4から切り離して180°対向位置にある電極4に接
続する機能を有している。
【0018】このような構成により、図6に示すよう
に、第1のスイッチ9aをONにし、第2のスイッチ9
bを正規の配電先の電極4から切り離して180°対向
位置にある電極4に接続すると、各相間電圧eは全て下
方に配置された各ヒータ5に単独で掛かるため、それら
のヒータ5への供給電力は(e2 /r)となる。また、
上方に配置されたヒータ5は全て同電位に保持されるた
め、供給電力は0である。すなわち、各ヒータ5におけ
る電力供給比率は図5に括弧書きで示す分布から図6に
括弧書きで示す分布に変化する。この給電状態を、処理
物Wの中心を通る水平面を境にして上部と下部に分けて
考えると、図5の電力供給比率が3:3であったのに対
して、図4のそれは0:12となる。つまり、対流が支
配的になっても、ヒータ5の機能に更に大きな温度勾配
をつけることによって、対流による不具合を克服して処
理を均一処理に近づけることができる。
に、第1のスイッチ9aをONにし、第2のスイッチ9
bを正規の配電先の電極4から切り離して180°対向
位置にある電極4に接続すると、各相間電圧eは全て下
方に配置された各ヒータ5に単独で掛かるため、それら
のヒータ5への供給電力は(e2 /r)となる。また、
上方に配置されたヒータ5は全て同電位に保持されるた
め、供給電力は0である。すなわち、各ヒータ5におけ
る電力供給比率は図5に括弧書きで示す分布から図6に
括弧書きで示す分布に変化する。この給電状態を、処理
物Wの中心を通る水平面を境にして上部と下部に分けて
考えると、図5の電力供給比率が3:3であったのに対
して、図4のそれは0:12となる。つまり、対流が支
配的になっても、ヒータ5の機能に更に大きな温度勾配
をつけることによって、対流による不具合を克服して処
理を均一処理に近づけることができる。
【0019】なお、各部の具体的な構成は上述した実施
例のみに限定されるものではない。例えば、前記実施例
では各電極間が全て炉内において渡りヒータ7で接続さ
れているが、図7に示すように処理物の中心を通る水平
面に空間を確保するために、渡りヒータ7を炉外に配置
してもよい。このようにすると、その開放された空間に
仕切板10を入れて炉内を上層空間と下層空間及び処理
空間に明確に区成することができ、対流の影響をより効
果的に低減することができる。また、切換部の構成や、
電極・ヒータの数、配設場所なども、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形が可能である。
例のみに限定されるものではない。例えば、前記実施例
では各電極間が全て炉内において渡りヒータ7で接続さ
れているが、図7に示すように処理物の中心を通る水平
面に空間を確保するために、渡りヒータ7を炉外に配置
してもよい。このようにすると、その開放された空間に
仕切板10を入れて炉内を上層空間と下層空間及び処理
空間に明確に区成することができ、対流の影響をより効
果的に低減することができる。また、切換部の構成や、
電極・ヒータの数、配設場所なども、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の真空加圧炉は、以上説明したよ
うに、配電回路に結線状態を切換える切換部を設けて、
各ヒータへの電力供給を均等な状態から鉛直方向に不均
等となるように切換え、下方に位置するヒータに上方に
位置するヒータよりも大電力を供給するようにしたもの
である。このため、ヒータの加熱能力に、対流によって
生じる温度差とは逆の温度分布を形成して、対流による
影響を相殺することができ、処理物の熱処理の均一性、
均質性を確実に向上させることが可能になる。しかも、
配電回路にスイッチ等の簡単な切換部を付加するだけで
構成できるため、新規設備のみならず既存設備にも簡単
に適用でき、コスト的にも安価に構成することが可能に
なる。
うに、配電回路に結線状態を切換える切換部を設けて、
各ヒータへの電力供給を均等な状態から鉛直方向に不均
等となるように切換え、下方に位置するヒータに上方に
位置するヒータよりも大電力を供給するようにしたもの
である。このため、ヒータの加熱能力に、対流によって
生じる温度差とは逆の温度分布を形成して、対流による
影響を相殺することができ、処理物の熱処理の均一性、
均質性を確実に向上させることが可能になる。しかも、
配電回路にスイッチ等の簡単な切換部を付加するだけで
構成できるため、新規設備のみならず既存設備にも簡単
に適用でき、コスト的にも安価に構成することが可能に
なる。
【図1】本発明の一実施例を示す横断面図。
【図2】同縦断面図。
【図3】同実施例において真空時の配線状態を示す回路
図。
図。
【図4】同実施例において加圧時の配設状態を示す回路
図。
図。
【図5】本発明の他の実施例を示す図3に対応した回路
図。
図。
【図6】同実施例を示す図4に対応した回路図。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す模式的な横断面
図。
図。
W…処理物 4…電極 5、5a、5b…ヒータ 6…配電回路 7…三相電源 8a、8b…切換部(スイッチ) 9a、9b…切換部(スイッチ)
Claims (1)
- 【請求項1】処理物を包囲する位置に処理物を基準とし
て互いに略点対称な位置関係で複数のヒータを配置し、
これらのヒータ間を環状に結線するとともに、各ヒータ
間に電極及び配電回路を介して三相電源を接続し、各ヒ
ータへの電力供給を処理物を基準として水平方向及び鉛
直方向に略均等に行い得るように構成してなるものにお
いて、前記配電回路に、各ヒータへの電力供給を処理物
を基準として水平方向に均等を保ち鉛直方向に不均等と
するように結線状態を切換える切換部を設け、この切換
部により下方に位置するヒータに上方に位置するヒータ
よりも大電力を供給し得るようにしたことを特徴とする
真空加圧炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8517195A JPH08285459A (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 真空加圧炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8517195A JPH08285459A (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 真空加圧炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08285459A true JPH08285459A (ja) | 1996-11-01 |
Family
ID=13851224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8517195A Withdrawn JPH08285459A (ja) | 1995-04-11 | 1995-04-11 | 真空加圧炉 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH08285459A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014122735A (ja) * | 2012-12-20 | 2014-07-03 | Ipsen Inc | 真空熱処理炉用の加熱素子配列構造 |
CN108253780A (zh) * | 2018-04-02 | 2018-07-06 | 宁波恒普真空技术有限公司 | 一种实现四区域控温的真空烧结炉 |
CN118031636A (zh) * | 2024-03-22 | 2024-05-14 | 拉普拉斯(广州)半导体科技有限公司 | 加热模块和加工设备 |
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1995
- 1995-04-11 JP JP8517195A patent/JPH08285459A/ja not_active Withdrawn
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