JPH08285458A - 加熱炉の燃料供給方法 - Google Patents

加熱炉の燃料供給方法

Info

Publication number
JPH08285458A
JPH08285458A JP7088902A JP8890295A JPH08285458A JP H08285458 A JPH08285458 A JP H08285458A JP 7088902 A JP7088902 A JP 7088902A JP 8890295 A JP8890295 A JP 8890295A JP H08285458 A JPH08285458 A JP H08285458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
natural gas
heating furnace
reformed
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7088902A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Hiroshi Iida
洋 飯田
Koji Nishimura
幸次 西村
Hideaki Tsubokura
英明 坪倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP7088902A priority Critical patent/JPH08285458A/ja
Publication of JPH08285458A publication Critical patent/JPH08285458A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/143Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions of methane [CH4]

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱炉の燃料天然ガスを加熱炉排ガス顕熱を
用いて水蒸気改質する場合の、熱バランスのとれた天然
ガス改質方法、制御方法を提供するものである。 【構成】 加熱炉に供給する天然ガスの一部を水蒸気添
加して水蒸気改質器に導入し、加熱炉排ガスで550℃
以上に加熱された水蒸気改質器内の改質触媒により、前
記天然ガス中の炭化水素成分を水蒸気改質し、当該改質
燃料を加熱炉に供給するとともに、残りの天然ガスを直
接加熱炉に供給して燃焼させることを特徴とする加熱炉
の燃料供給方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然ガスを空気などの酸
素含有ガスと混合して燃焼する加熱炉において、550
〜1500℃の加熱炉燃焼排ガスの顕熱を利用して水蒸
気改質触媒を加熱し、天然ガスの一部を水蒸気改質して
加熱炉に燃料として供給する方法に関するものである。
本発明の具体的な利用分野は製鉄所の熱間圧延工程、厚
板・形鋼・棒鋼・線材・鋼管・薄板・電磁鋼板の製造工
程および鍛造工程における鋼材加熱炉および熱処理炉で
ある。その他の利用分野としてはボイラーをはじめとす
る蒸発器、熱風発生炉、各種金属溶融炉、廃棄物溶融処
理炉が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】工業加熱炉の多くは、レキュペレータと
呼ばれる排ガスと燃焼空気の熱交換器を装備し、加熱炉
排ガス顕熱の30〜60%を回収して、燃焼空気を40
0〜600℃に予熱している。特願平7−1867号の
加熱炉排ガス顕熱回収方法では、さらに燃料の水蒸気改
質を行い、水蒸気改質反応に伴う吸熱作用によって加熱
炉排ガスからの顕熱回収量を増加させ、排ガス顕熱の約
80%を回収して加熱炉で再利用する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特願平7−1867号
の加熱炉排ガス顕熱回収方法の実施例では、コークス炉
ガス(以下COGと略)を例にとり、水蒸気改質反応に
伴って1Nm3 のCOGの燃焼潜熱量が、19.4MJ
から22.1MJに2.8MJ増加することが示されて
いる。図2(a)に示すように、COGにはメタン、エ
タン、プロパンが約30%含まれている。これらの炭化
水素が水蒸気と反応して一酸化炭素と水素に分解するの
が水蒸気改質反応であるが、吸熱反応であるため、外部
から熱を奪って反応が進行する。このため、熱源である
加熱炉排ガスから2.8MJの熱量が奪われる。加熱炉
を出た直後の900℃の排ガスは、11.5MJの顕熱
を保有しているので、2.8MJの熱量を奪われても、
その後に空気予熱などを行うのに十分な熱量が残されて
いる。この場合の加熱炉排ガス顕熱の配分先を図3
(a)に示す。
【0004】排ガス顕熱のうち、水蒸気改質に伴うCO
Gの燃焼潜熱量の増加に24%、改質COGを800℃
まで予熱するのに10%、改質前にCOGと水蒸気を5
00℃に予熱するのに9%、加熱炉燃焼空気を544℃
まで予熱するのに36%の熱量が消費され、合計79%
の排ガス顕熱が回収されている。よって約200℃で大
気中に放散される排ガスの残存顕熱は、加熱炉から排出
された直後の排ガス顕熱の21%に低減する。
【0005】天然ガスは図2(b)に示すように90%
以上がメタンであり、1体積の天然ガスにはCOG1体
積に含まれる炭化水素の約3倍量のメタンが含まれてい
る。このため天然ガスを水蒸気改質するには、COGの
約3倍の熱量を加熱炉排ガスから奪い去る必要があり、
図3の(b)に示すように排ガス顕熱に不足が生ずるた
め、燃焼空気の予熱や改質前の原料天然ガスの予熱が行
えなくなる。原料天然ガスの予熱が行えないため、実際
上、加熱炉排ガスを熱源として天然ガスを水蒸気改質す
るプロセスは成り立たない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため、 (1)加熱炉に供給する天然ガスの一部を水蒸気添加し
て水蒸気改質器に導入し、加熱炉排ガスで550℃以上
に加熱された水蒸気改質器内の改質触媒により、前記天
然ガス中の炭化水素成分を水蒸気改質し、当該改質燃料
を加熱炉に供給するとともに、残りの天然ガスを直接加
熱炉に供給して燃焼させることを特徴とする。 (2)(1)において加熱炉排ガスの大気放散温度およ
び/または酸素含有ガスの予熱温度を検出し、該検出値
が一定になるように、加熱炉供給する全ての天然ガス量
に対する水蒸気改質する天然ガス量の割合を制御するこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】天然ガスの水蒸気改質における多量の吸熱を抑
制するには、加熱炉で消費される天然ガスの全てを水蒸
気改質せずに、一部のみを水蒸気改質する方法が有効で
ある。天然ガスを二分し、一方はそのまま加熱炉に供給
し、残る一方に水蒸気を添加して水蒸気改質器に導入す
る。水蒸気改質器には、水蒸気改質しない天然ガスの燃
焼排ガスと、水蒸気改質した天然ガスの燃焼排ガスの両
方を導入し、改質器内の改質触媒を550℃以上に加熱
する。これにより水蒸気改質する天然ガスには十分な熱
量が排ガスから供給され、加熱炉で消費される天然ガス
の全てを改質する場合に起こる排ガス顕熱の熱量不足の
問題が回避できる。
【0008】天然ガスの水蒸気改質反応を抑制する他の
手段として、反応条件を変更して、水蒸気改質反応の転
化率を低下させる方法がある。具体的には、反応圧力の
増加、反応温度の低下、水蒸気添加量の削減などの操作
が考えられる。しかし、いずれの操作も、天然ガスの水
蒸気改質反応の転化率を2分の1から3分の1に大幅に
低減できるような効果は得られない。
【0009】その理由について以下に詳細に説明する。
まず反応圧力の増加については、反応転化率の低下にあ
まり寄与しないことを本発明者らは実験によって確認し
ている。水蒸気改質の反応理論当量に対して3倍量の水
蒸気を天然ガスに加え、843℃で水蒸気改質を行った
実験では、大気圧での反応転化率はほぼ100%、12
気圧での反応転化率は92%であった。よって、圧力を
増加しても反応転化率を大幅に低減するような効果は得
られず、むしろ耐圧構造をとるための設備費用の増加が
問題となることが判った。
【0010】次いで反応温度の低下と水蒸気添加量の削
減であるが、これらの操作はいずれも改質触媒表面への
炭素析出を引き起こし、触媒活性が失われる危険が大き
いことが判った。炭素析出の原因は、以下の3つの反応
によるものと考えられる。 CH4 →C+2H2 ・・・・・・・・・・(1) 2CO→C+CO2 ・・・・・・・・・・(2) CO+H2 →C+H2 O ・・・・・・・・・・(3) このうち(1)式は吸熱反応であるため、反応温度が高
くなるほど炭素析出量が増加するが、(2)、(3)式
は発熱反応であり、反応温度が下がるほど炭素析出量が
増加する。水蒸気改質温度を下げると(2)、(3)式
の反応が顕著になり、550℃以下では相当量の炭素が
改質触媒表面上に析出して触媒を失活させてしまう。
【0011】図4に、改質反応温度によって天然ガス1
Nm3 から析出する炭素量が変化する様子の一例を示す
が、改質反応の理論当量に対して1.4倍量の水蒸気を
天然ガスに加え、大気圧で水蒸気改質する場合は、66
0℃以下で激しい炭素析出が起こる。図示しないが、水
蒸気添加量を反応理論等量の5倍量まで増加すると、5
50℃まで反応温度が低下しても炭素析出は起こらな
い。このように水蒸気添加量の削減は、反応温度低下と
同様に炭素析出を誘因する操作であるが、これは(3)
式の右辺の水蒸気の量が減ることによって、反応が右辺
に進み易くなるからである。
【0012】炭素析出が起こらない条件で反応温度と水
蒸気添加量を操作できる範囲は、反応温度に関しては5
50〜950℃、水蒸気添加量に関しては反応理論当量
の1.4〜5倍量である。この範囲では、改質反応の転
化率は78〜100%の間で変化するにすぎない。すな
わち反応転化率を2分の1から3分の1に大幅に低減で
きるような効果は得られない。反応条件の変更だけで
は、水蒸気改質反応の転化率を大幅に低下させ、天然ガ
スの水蒸気改質における多量の吸熱を抑制することは困
難である。よって水蒸気改質する天然ガスを減量する方
法が有効であるとの結論に至った。
【0013】以下に、反応条件、関連する操業パラメー
タについて整理し、加熱炉で消費する全天然ガス量の何
%を水蒸気改質すべきか、どのように改質装置を制御す
るかについて説明する。加熱炉に任意の組成の天然ガス
が供給されると、その天然ガス組成、及び反応温度、反
応圧力、添加する水蒸気量、改質触媒の種類などの種々
の反応条件によって水蒸気改質反応に伴う加熱炉排ガス
からの吸熱量が変化する。例えば、550〜950℃の
反応温度範囲で図2(b)に示す組成の天然ガスを常圧
で水蒸気改質すると、反応転化率は78〜100%の範
囲で変化する。低温での改質により炭化水素の78%が
水素、一酸化炭素に転化する場合には、天然ガス1Nm
3当たり約2600kcalの吸熱量を必要とするが、
高温で100%転化する場合には約3100kcalの
熱量が必要となる。
【0014】このように反応条件に応じて吸熱量が変化
するものの、水蒸気改質される天然ガス分量が増減すれ
ば、それに応じて比例的に排ガスからの吸熱量も増減す
るはずである。よって、水蒸気改質反応に充当される熱
量の増減にリンクした変量を見いだし、その値をモニタ
しながら改質する天然ガス分量を調整すれば、安定に改
質装置を運転できるはずである。以下に、改質する天然
ガス分量と各種変量との関係について説明する。
【0015】水蒸気改質反応に必要な熱は全て加熱炉排
ガスから充当されるが、図3に示す排ガス顕熱の配分先
のうち、水蒸気改質に伴う燃焼潜熱の増加量、改質前の
天然ガス・水蒸気の予熱に必要な熱量、改質後の天然ガ
スの予熱に消費される熱量の3つは、いずれも改質する
天然ガス分量に応じて変化する従属変数である。他の排
ガス顕熱配分先は、空気予熱に消費される熱量と、大気
放散される排ガス顕熱量の2つであるが、この2つの変
量も、加熱炉排ガス顕熱の総量が一定の場合には改質す
る天然ガスの分量が増加すれば減少し、減少すれば増加
する単調な関係にある。
【0016】ここで独立な制御パラメータである燃焼空
気比を任意に設定すると、空気量とともに燃焼排ガスの
生成量を決めることができる。例えば空気比1.0で図
2(b)の組成の天然ガス1Nm3 を燃焼する例では、
空気量は約10Nm3 、排ガス量は約11Nm3 とな
る。このように空気と排ガスの量が判れば、それぞれの
温度を検出することにより空気予熱に消費される排ガス
顕熱量、及び大気放散される排ガスの顕熱量が計算でき
る。
【0017】図5に、空気予熱温度、排ガス温度と、水
蒸気改質する天然ガス分量との関係を示す。水蒸気改質
する天然ガス分量の増加に対し、空気予熱温度、排ガス
の大気放散温度はともに単調に減少する関係にあること
が確認できる。図5は、図2(b)に示す組成の天然ガ
スを空気比1.02で燃焼する加熱炉において、加熱炉
から排出された直後の排ガス温度が約900℃、水蒸気
改質反応温度が約800℃、水蒸気添加量が反応理論当
量の1.4倍量、反応圧力はほぼ大気圧、空気予熱器の
温度効率が約80%などの諸条件が決まっている場合の
線図である。これらの条件の変化にともない図中の曲線
の位置はシフトするが、水蒸気改質する天然ガスの分量
が増加すると空気予熱温度、排ガスの大気放散温度が単
調に減少するという定性的な関係は変わらない。よって
空気予熱温度および/または排ガスの大気放散温度を常
時モニタし、それらの値に変動が生じたならば、改質す
る天然ガス分量を調整して一定の値になるよう制御すれ
ば、安定な水蒸気改質装置の運転が可能である。
【0018】このような簡単な制御で水蒸気改質装置の
安定な操業が可能であるが、排ガスの大気放散温度に関
してはさらに、適正な値に制御することが重要である。
排ガスの大気放散温度が低いほど加熱炉排ガス顕熱の回
収効率が高くなるので、なるべく低温に設定して水蒸気
改質する天然ガス量を制御するのが望ましいが、実際に
は熱交換器等の設備能力や設備費用の制限などにより2
00℃前後が下限界となっている。さらに低温で排ガス
を大気放散しようとすると、空気予熱用レキュペレータ
などの設備が巨大化し、設備費用が増大する。図5にお
いては、排ガスの大気放散温度を200℃に設定するた
めには、加熱炉で消費される天然ガスの約55%を水蒸
気改質すればよいことが判る。
【0019】鋼材加熱炉では、加熱炉に装入する鋼材の
重量、炉内搬送速度などによって加熱炉から排出される
排ガスの温度は刻々変化する。このような変動に対して
も、空気予熱温度および/または排ガスの大気放散温度
を検知し、それらの値が一定になるように水蒸気改質す
る天然ガスの分量を調整する。本発明の加熱炉への燃料
供給方法や制御方法は、天然ガスのみならず他の燃料を
使用する加熱炉にも適用可能であるが、とくに天然ガス
やLPGなどのように、メタン、エタン、プロパン、ブ
タン等炭化水素の成分分率合計が100%に近い燃料ガ
スを使用する加熱炉への適用が望ましい。上記の説明で
は空気を代表的な支燃ガスとして用いているが、空気に
酸素を富化したような酸素含有ガスに置き換えることも
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について図
1に従って説明する。図1は本発明の実施例を示し、加
熱炉で消費される天然ガスの50Vol%を改質器1で
水蒸気改質して鋼材加熱炉2に供給するケースについて
の物質及びエネルギーフローを示す図である。加熱炉の
燃料には図2(b)に示す組成の天然ガスを使用し、全
体で5000Nm3 /hrの流量が鋼材加熱炉2に供給
される。全体の50Vol%に当たる天然ガス3には水
蒸気4が添加され、原料予熱器5によって450℃に予
熱されてから水蒸気改質器1の内部に配設された改質反
応管6の内部に導入される。水蒸気改質器1には鋼材加
熱炉2から燃焼排ガス7が供給され、900℃の排ガス
顕熱によって改質反応管6の内部に充填されたニッケル
−アルミナ触媒が800℃以上に加熱されている。改質
反応管6の内部に導入された天然ガス3と水蒸気4は、
加熱された触媒層を通過中に改質反応を起こし、天然ガ
ス中のメタン等の炭化水素類が水素、一酸化炭素、二酸
化炭素に転化する。この際の吸熱により、水蒸気改質器
に導入された排ガス7の温度は低下し、水蒸気改質器1
の出側排ガス温度は510℃に低下している。
【0021】一方、反応後の改質天然ガス8は800℃
に昇温されており、その顕熱量と燃焼潜熱量の合計は3
3Gcal/hr(ギガカロリー毎時)に増加してい
る。改質反応前の天然ガス3の燃焼潜熱量は23Gca
l/hrであるから、熱量が約43%増加している。反
応後の改質天然ガス8の組成は、水素71%、一酸化炭
素18%、二酸化炭素5%、未反応水蒸気5%、未反応
メタン1%である。この混合ガスを原料予熱器5に導入
して、改質反応前の天然ガス3と水蒸気4からなる原料
ガスと熱交換する。原料予熱器出側の改質天然ガス8の
温度は約600℃であった。改質天然ガス8はこの後、
鋼材加熱炉のバーナ9に供給され、燃焼される。本実施
例では、水蒸気改質された天然ガス8と、水蒸気改質し
ていない天然ガス10は、別々の加熱炉バーナで燃焼す
る構造となっているが、水蒸気改質する天然ガス分量が
大幅に増加する場合に改質天然ガスバーナ9の容量以上
に改質天然ガス8が供給されるといった問題が生ずる。
よって、加熱炉に天然ガスを供給する2本の配管11、
12の間に連結管13を設け、図示しない制御バルブ、
コンプレッサーによって水蒸気改質した天然ガス8と水
蒸気改質していない天然ガス10との間でガスの授受を
行えるようにしてある。
【0022】天然ガスの元配管圧力は約0.8MPaで
あり、水蒸気改質する天然ガス3は図示しないコンプレ
ッサーによって1.5MPaに昇圧され、水蒸気改質器
1に導入される。一方、水蒸気改質していない天然ガス
10は図示しない減圧弁によって0.02MPaに減圧
されてから加熱炉2に供給されている。よって、水蒸気
改質された天然ガス8を水蒸気改質していない天然ガス
10に混入する場合には動力が不要であり、連結管13
を開放するだけでよいが、逆に水蒸気改質していない天
然ガス10を改質天然ガス8に混入する場合にはコンプ
レッサーを使用する必要がある。連結管13は通常時に
は制御バルブにより閉鎖されており、配管11、12に
配置された図示しない流量計の指示値が設定値を超えた
ときに遠隔操作により開放される。
【0023】水蒸気改質器1の出側の排ガス温度は51
0℃であり、11Gcal/hrの顕熱量を保有してい
るので、レキュペレータ14に導入して燃焼空気15を
420℃まで予熱するのに利用される。この結果、煙突
から大気放散される排ガス16の温度は220℃に低下
している。本実施例では加熱炉排ガス7の全量を水蒸気
改質器1に導入しているが、水蒸気改質する天然ガスの
量に応じては一部の排ガスのみ水蒸気改質器1に供給
し、残りは放散したり、水蒸気改質器1を通さずにレキ
ュペレータ14に直接送る方法もある。
【0024】
【発明の効果】本発明による天然ガスの部分的な水蒸気
改質方法により、従来は熱的にバランスの取れなかっ
た、天然ガスの水蒸気改質による加熱炉排ガス顕熱回収
が可能となった。本発明の実施例では加熱炉に供給され
る熱量は合計62Gcal/hrで、その内訳は、改質
天然ガスの顕熱及び燃焼潜熱が33Gcal/hr、改
質していない常温の天然ガスの燃焼潜熱量が23Gca
l/hr、予熱空気の顕熱が6Gcal/hrである。
これに対し、水蒸気改質を行わない従来の加熱炉では合
計56Gcal/hrの熱量しか供給されていなかっ
た。その内訳は5000Nm3 /hrの常温天然ガスの
燃焼潜熱量が46Gcal/hr、約600℃に予熱さ
れていた空気の顕熱量が10Gcal/hrである。結
果として本発明の方法により加熱炉入熱が6Gcal/
hr増加し、炉の加熱能力が11%増強された。加熱能
力の増強でなく、単位被加熱鋼材重量当たりの燃料天然
ガス消費量の削減を行ったと仮定すると、11.5%の
省天然ガスに相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱炉で燃焼する天然ガスの50%を水蒸気改
質する、本発明の実施例の物質及びエネルギーフローを
示す図、
【図2】コークス炉ガスと天然ガスの組成を示す図、
【図3】コークス炉ガスと天然ガスをそれぞれ加熱炉の
燃焼排ガスを熱源として水蒸気改質し、改質されたガス
を加熱炉で燃料として燃焼する場合の、燃焼排ガス顕熱
の配分先を示す図、
【図4】天然ガスから析出する炭素量の水蒸気改質反応
温度への依存性を示す図、
【図5】水蒸気改質する天然ガス分量(加熱炉で消費さ
れる全天然ガス量に対する水蒸気改質する天然ガス量の
割合)に対する、空気予熱温度、大気放散する排ガス温
度の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 水蒸気改質器 2 鋼材加熱炉 3 水蒸気改質する天然ガス 4 水蒸気 5 原料予熱器 6 改質反応管 7 鋼材加熱炉から排出された直後の燃焼排ガス 8 改質反応後の天然ガス 9 バーナ 1 0 水蒸気改質していない天然ガス 1 1 水蒸気改質後の天然ガス配管 1 2 水蒸気改質していない天然ガス配管 1 3 連結管 1 4 レキュペレータ 1 5 燃焼空気 1 6 大気放散される排ガス
フロントページの続き (72)発明者 坪倉 英明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱炉に供給する天然ガスの一部を水蒸
    気添加して水蒸気改質器に導入し、加熱炉排ガスで55
    0℃以上に加熱された水蒸気改質器内の改質触媒によ
    り、前記天然ガス中の炭化水素成分を水蒸気改質し、当
    該改質燃料を加熱炉に供給するとともに、残りの天然ガ
    スを直接加熱炉に供給して燃焼させることを特徴とする
    加熱炉の燃料供給方法。
  2. 【請求項2】 加熱炉排ガスの大気放散温度および/ま
    たは酸素含有ガスの予熱温度を検出し、該検出値が一定
    になるように、加熱炉供給する全ての天然ガス量に対す
    る水蒸気改質する天然ガス量の割合を制御することを特
    徴とする請求項1記載の加熱炉の燃料供給方法。
JP7088902A 1995-04-14 1995-04-14 加熱炉の燃料供給方法 Withdrawn JPH08285458A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7088902A JPH08285458A (ja) 1995-04-14 1995-04-14 加熱炉の燃料供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7088902A JPH08285458A (ja) 1995-04-14 1995-04-14 加熱炉の燃料供給方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08285458A true JPH08285458A (ja) 1996-11-01

Family

ID=13955891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7088902A Withdrawn JPH08285458A (ja) 1995-04-14 1995-04-14 加熱炉の燃料供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08285458A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4315893A (en) Reformer employing finned heat pipes
US5229102A (en) Catalytic ceramic membrane steam-hydrocarbon reformer
CA1286354C (en) Integrated fuel cell and fuel conversion apparatus
KR100418311B1 (ko) 열화학적 재생열의 회수 방법
JP4602546B2 (ja) 無炎燃焼器プロセスヒーター
US4985231A (en) Production of hydrogen-containing gas streams
US6296679B1 (en) Method for hydrocarbon steam reforming
JP6717629B2 (ja) 高炉シャフト部への水素含有還元ガス供給方法
CN1318798C (zh) 燃料转化器燃烧方法
CN102656112B (zh) 用于操作重整炉的方法和重整设备
CN108699612B (zh) 向高炉炉身部供给含氢气的还原气体的方法
JP6980795B2 (ja) 燃焼のための酸素および燃料の予熱と組み合わせてプレ−リフォーマーを使用する強化された廃熱回収
EP0262727B1 (en) A method of carrying out a gas combustion process with recovery of a part of the heat present in the combustion gases
US20220081308A1 (en) Process for producing potassium sulphate
JP3771357B2 (ja) 水素製造方法
US4321131A (en) Process for heat carrier generation
JPH08285458A (ja) 加熱炉の燃料供給方法
JPS5819601B2 (ja) 還元ガスの製造方法
KR101684484B1 (ko) 용융슬래그로부터 회수한 현열의 활용을 극대화한 개질 촉매반응 공정 및 설비
JPH08247409A (ja) 加熱炉の排ガス顕熱回収方法
JPH0665601B2 (ja) 炭化水素の水蒸気改質法
JP2005187265A (ja) Co含有還元ガス製造装置
JPS5823168A (ja) 燃料電池発電システム
JPH08188784A (ja) 加熱炉燃料の改質方法
KR20080075130A (ko) 스팀 발생 장치 및 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020702