JPH08285081A - 金属製ガスケット - Google Patents
金属製ガスケットInfo
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- JPH08285081A JPH08285081A JP11411795A JP11411795A JPH08285081A JP H08285081 A JPH08285081 A JP H08285081A JP 11411795 A JP11411795 A JP 11411795A JP 11411795 A JP11411795 A JP 11411795A JP H08285081 A JPH08285081 A JP H08285081A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属製ガスケットにおいて、一枚の中間板に
めっきによるコーティング層を形成し、両ビード基板の
ビードに対する全圧縮を防止する。 【構成】 この金属製ガスケットは、燃焼室孔10に沿
ったビード4,5を有するビード基板1,2と、ビード
基板1,2間に介在した一枚の中間板3とから成る。中
間板3には、ビード対向領域の面9を除く燃焼室孔10
の回りに沿ってめっきによるコーティング層6,7,8
を形成し、ビード基板1,2のビード4,5のための補
償部を形成する。補償部は、締め付け時のビード基板
1,2の全圧縮を防止するストッパー機能として作用
し、シリンダヘッドとシリンダブロックの対向面の不整
の吸収をして、両対向面間のシール性を向上させる。
めっきによるコーティング層を形成し、両ビード基板の
ビードに対する全圧縮を防止する。 【構成】 この金属製ガスケットは、燃焼室孔10に沿
ったビード4,5を有するビード基板1,2と、ビード
基板1,2間に介在した一枚の中間板3とから成る。中
間板3には、ビード対向領域の面9を除く燃焼室孔10
の回りに沿ってめっきによるコーティング層6,7,8
を形成し、ビード基板1,2のビード4,5のための補
償部を形成する。補償部は、締め付け時のビード基板
1,2の全圧縮を防止するストッパー機能として作用
し、シリンダヘッドとシリンダブロックの対向面の不整
の吸収をして、両対向面間のシール性を向上させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関におけるシ
リンダヘッドとシリンダブロックの対向面間をシールす
るために使用される金属製ガスケットに関し、特に、燃
焼室孔に沿ってビードを形成した弾性金属板から成る二
枚のビード基板間に中間板を介在させた金属製ガスケッ
トに関する。
リンダヘッドとシリンダブロックの対向面間をシールす
るために使用される金属製ガスケットに関し、特に、燃
焼室孔に沿ってビードを形成した弾性金属板から成る二
枚のビード基板間に中間板を介在させた金属製ガスケッ
トに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム合金製のシリンダヘ
ッドとシリンダブロックとのようなエンジンの構造部材
は、軽量である反面、剛性が低いためにエンジン運転時
に両者の間に相対変位が大きくなる傾向にあるので、両
構造部材の対向取付面間をシールする金属製ガスケット
は、シリンダボア即ち燃焼室、水、油等の通路に対応す
る貫通孔の周囲近傍にビードを形成した金属材料で製作
されている。金属製ガスケットを対向取付面間に配置
し、ボルト等により両構造部材を締め付けて固定すると
き、金属製ガスケットはビードが対向取付面に対して弾
性的な環状接触面を形成して両対向取付面間をシールす
る。
ッドとシリンダブロックとのようなエンジンの構造部材
は、軽量である反面、剛性が低いためにエンジン運転時
に両者の間に相対変位が大きくなる傾向にあるので、両
構造部材の対向取付面間をシールする金属製ガスケット
は、シリンダボア即ち燃焼室、水、油等の通路に対応す
る貫通孔の周囲近傍にビードを形成した金属材料で製作
されている。金属製ガスケットを対向取付面間に配置
し、ボルト等により両構造部材を締め付けて固定すると
き、金属製ガスケットはビードが対向取付面に対して弾
性的な環状接触面を形成して両対向取付面間をシールす
る。
【0003】従来、この種の金属製ガスケットには、特
開昭63−293363号公報に開示されているものが
ある。該金属製ガスケットは、図6に示すように、燃焼
室孔40の周縁に沿って凸部が互いに向き合う環状のビ
ード43,44を形成した弾性金属板からなる二枚のビ
ード基板41,42の間に二枚の中間板45,46を積
層するとともに、中間板のうちビード43,44が当接
する部位よりも燃焼室孔40側寄りの領域において前記
二枚の中間板45,46間にスペーサ部材47を抱持さ
せて、ビード基板41,42の全圧縮を防止するととも
に、両対向取付面間の間隙の不整を補償する補償部を設
けたものである。
開昭63−293363号公報に開示されているものが
ある。該金属製ガスケットは、図6に示すように、燃焼
室孔40の周縁に沿って凸部が互いに向き合う環状のビ
ード43,44を形成した弾性金属板からなる二枚のビ
ード基板41,42の間に二枚の中間板45,46を積
層するとともに、中間板のうちビード43,44が当接
する部位よりも燃焼室孔40側寄りの領域において前記
二枚の中間板45,46間にスペーサ部材47を抱持さ
せて、ビード基板41,42の全圧縮を防止するととも
に、両対向取付面間の間隙の不整を補償する補償部を設
けたものである。
【0004】また、特開昭64−65367号公報に開
示されている金属製ガスケットもある。該金属製ガスケ
ットは、図7に示すように、燃焼室孔50の周縁に沿っ
て凸部が互いに向き合う環状のビード53,54を形成
した弾性金属板からなる二枚のビード基板51,52の
間に二枚の中間板55,56を積層した金属製ガスケッ
トにおいて、一方の中間板55の燃焼室孔縁部57を他
方の中間板56の燃焼室孔縁部58でグロメット状に抱
持して両面に略同一の段差を形成し、ビード基板51,
52の全圧縮を防止するとともに、両対向取付面間の間
隙の不整を補償する補償用折返し部59を設けたもので
ある。
示されている金属製ガスケットもある。該金属製ガスケ
ットは、図7に示すように、燃焼室孔50の周縁に沿っ
て凸部が互いに向き合う環状のビード53,54を形成
した弾性金属板からなる二枚のビード基板51,52の
間に二枚の中間板55,56を積層した金属製ガスケッ
トにおいて、一方の中間板55の燃焼室孔縁部57を他
方の中間板56の燃焼室孔縁部58でグロメット状に抱
持して両面に略同一の段差を形成し、ビード基板51,
52の全圧縮を防止するとともに、両対向取付面間の間
隙の不整を補償する補償用折返し部59を設けたもので
ある。
【0005】更に、実開平4−66457号公報に開示
されている金属製ガスケットもある。該金属製ガスケッ
トは、図8に示すように、燃焼室孔60の周縁に沿って
凸部が互いに向き合う環状のビード63,64を形成し
た弾性金属板からなる二枚のビード基板61,62の間
に二枚の中間板65,66を積層した金属製ガスケット
において、第1中間板65の燃焼室孔縁部に沿って第2
中間板66の厚み未満の段差67を形成し、段差67の
形成により凹面となった外面に第2中間板66を積層す
るとともに第2中間板66の縁部を第2中間板66と第
1中間板65の燃焼室孔縁部の間に折り返して、燃焼室
孔60の周囲にビードの頂部が接する部分の二枚の中間
板板厚よりも厚い補償部69を形成したものである。補
償部69は、ビード基板61,62の全圧縮を防止する
とともに、両対向取付面間の間隙の不整を補償するもの
である。
されている金属製ガスケットもある。該金属製ガスケッ
トは、図8に示すように、燃焼室孔60の周縁に沿って
凸部が互いに向き合う環状のビード63,64を形成し
た弾性金属板からなる二枚のビード基板61,62の間
に二枚の中間板65,66を積層した金属製ガスケット
において、第1中間板65の燃焼室孔縁部に沿って第2
中間板66の厚み未満の段差67を形成し、段差67の
形成により凹面となった外面に第2中間板66を積層す
るとともに第2中間板66の縁部を第2中間板66と第
1中間板65の燃焼室孔縁部の間に折り返して、燃焼室
孔60の周囲にビードの頂部が接する部分の二枚の中間
板板厚よりも厚い補償部69を形成したものである。補
償部69は、ビード基板61,62の全圧縮を防止する
とともに、両対向取付面間の間隙の不整を補償するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6に示された金属製
ガスケットは、ビード43,44の当接する部位よりも
燃焼室孔40よりの領域において二枚の中間板45,4
6間にスペーサ部材47が抱持されているので、両中間
板45,46間に存在する接合面がスペーサ部材47の
存在のために一面増加し、シール性能を低下させる原因
となっている。スペーサ部材47を溶接、接着等の手段
で固定しなければならず、これがために、加工費が嵩む
だけでなく、補償部の厚さの精度が出し難く、シール性
能の低下の一因となっている。
ガスケットは、ビード43,44の当接する部位よりも
燃焼室孔40よりの領域において二枚の中間板45,4
6間にスペーサ部材47が抱持されているので、両中間
板45,46間に存在する接合面がスペーサ部材47の
存在のために一面増加し、シール性能を低下させる原因
となっている。スペーサ部材47を溶接、接着等の手段
で固定しなければならず、これがために、加工費が嵩む
だけでなく、補償部の厚さの精度が出し難く、シール性
能の低下の一因となっている。
【0007】また、図7に示された金属製ガスケット
は、一方の中間板55の縁部57が他方の中間板56の
縁部58によってグロメット状に抱持され、中間板5
5,56の両面に略同一の段差が設けられているが、両
側のビード基板51,52で挟着し、シリンダヘッドと
シリンダブロックとの間で全屈状態に圧縮すると、グロ
メット状に抱持した折返し部59がビード53,54の
シムとして作用するようになり、ビード基板51,52
の応力振幅は低下する。しかし、上下のビード基板5
1,52の作動の差から、折返し部59に曲げ応力及び
応力振幅が発生する。このため折返し部59に亀裂やヘ
タリが発生し、さらにはビード基板51,52にも亀裂
やヘタリを招来するという不具合がある。
は、一方の中間板55の縁部57が他方の中間板56の
縁部58によってグロメット状に抱持され、中間板5
5,56の両面に略同一の段差が設けられているが、両
側のビード基板51,52で挟着し、シリンダヘッドと
シリンダブロックとの間で全屈状態に圧縮すると、グロ
メット状に抱持した折返し部59がビード53,54の
シムとして作用するようになり、ビード基板51,52
の応力振幅は低下する。しかし、上下のビード基板5
1,52の作動の差から、折返し部59に曲げ応力及び
応力振幅が発生する。このため折返し部59に亀裂やヘ
タリが発生し、さらにはビード基板51,52にも亀裂
やヘタリを招来するという不具合がある。
【0008】更に、図8に示された金属製ガスケットに
おいては、第2中間板66の厚み未満の段差67に形成
した凹面となった外面に第2中間板66が積層されてい
るから、第2中間板66の板厚は第1中間板65の板厚
と比較して薄いものであり、従って第2中間板66の折
返し部69に加工時に亀裂が発生し易いという不具合が
ある。
おいては、第2中間板66の厚み未満の段差67に形成
した凹面となった外面に第2中間板66が積層されてい
るから、第2中間板66の板厚は第1中間板65の板厚
と比較して薄いものであり、従って第2中間板66の折
返し部69に加工時に亀裂が発生し易いという不具合が
ある。
【0009】上記のように、従来の金属製ガスケット
は、燃焼室孔の周縁において、二枚のビード基板のビー
ドの全圧縮防止機能と締め付け時の対向取付面の不整吸
収機能とを有する補償部については、基本的に二枚の中
間板を必要としている。また、スペーサのような別部材
を用いたり、中間板を構成する金属板の一部に折返し部
を形成することにより当該補償部が形成されており、製
造上の工程増や品質管理を必要とし、その結果コスト上
昇が避けられない。このように、中間板や補償部につい
てはこれらの点での改善を行う必要があるという課題が
ある。
は、燃焼室孔の周縁において、二枚のビード基板のビー
ドの全圧縮防止機能と締め付け時の対向取付面の不整吸
収機能とを有する補償部については、基本的に二枚の中
間板を必要としている。また、スペーサのような別部材
を用いたり、中間板を構成する金属板の一部に折返し部
を形成することにより当該補償部が形成されており、製
造上の工程増や品質管理を必要とし、その結果コスト上
昇が避けられない。このように、中間板や補償部につい
てはこれらの点での改善を行う必要があるという課題が
ある。
【0010】この発明の目的は、上記の問題点を解決す
ることであり、一枚の中間板の構造を工夫することによ
り、ビード基板又は中間板にビード基板のビードに対す
る補償部の機能を持たせ、別部材を用いたり折返し部を
形成することなく、補償部の厚みをめっきによるコーテ
ィング層を形成することによって任意に設定し、該コー
ティング層にビードに対するストッパー機能を持たせて
面圧バランスを良好にし、ビード基板の応力変動と補償
部にかかる曲げ応力を軽減し、ビードの破損や補償部の
破損、シール効果の低減を防止して安定したシール効果
を発揮する優れた金属製ガスケットを提供することであ
る。
ることであり、一枚の中間板の構造を工夫することによ
り、ビード基板又は中間板にビード基板のビードに対す
る補償部の機能を持たせ、別部材を用いたり折返し部を
形成することなく、補償部の厚みをめっきによるコーテ
ィング層を形成することによって任意に設定し、該コー
ティング層にビードに対するストッパー機能を持たせて
面圧バランスを良好にし、ビード基板の応力変動と補償
部にかかる曲げ応力を軽減し、ビードの破損や補償部の
破損、シール効果の低減を防止して安定したシール効果
を発揮する優れた金属製ガスケットを提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するため以下のように構成されている。即ち、こ
の発明は、並列する燃焼室孔に沿ってビードをそれぞれ
形成した弾性金属板から成る一対のビード基板、及び前
記ビードを対向して配置した前記ビード基板の間に介在
され且つ前記ビード基板の板厚よりも厚い板厚を有する
中間板を有し、前記ビード基板に対向した前記中間板の
少なくとも前記ビードに対向した領域を除く表面、又は
前記中間板に対向した前記ビード基板の少なくとも前記
ビードの領域を除く表面にめっきによるコーティング層
が形成され、前記コーティング層の高さは前記ビードの
高さ未満に設定されていることを特徴とする金属製ガス
ケットに関する。
を達成するため以下のように構成されている。即ち、こ
の発明は、並列する燃焼室孔に沿ってビードをそれぞれ
形成した弾性金属板から成る一対のビード基板、及び前
記ビードを対向して配置した前記ビード基板の間に介在
され且つ前記ビード基板の板厚よりも厚い板厚を有する
中間板を有し、前記ビード基板に対向した前記中間板の
少なくとも前記ビードに対向した領域を除く表面、又は
前記中間板に対向した前記ビード基板の少なくとも前記
ビードの領域を除く表面にめっきによるコーティング層
が形成され、前記コーティング層の高さは前記ビードの
高さ未満に設定されていることを特徴とする金属製ガス
ケットに関する。
【0012】また、前記コーティング層は前記中間板の
両側の表面と前記中間板の前記燃焼室孔を形成する端面
又は前記各ビード基板の前記中間板側の表面に沿って形
成されている。
両側の表面と前記中間板の前記燃焼室孔を形成する端面
又は前記各ビード基板の前記中間板側の表面に沿って形
成されている。
【0013】或いは、前記コーティング層は前記中間板
のシリンダヘッド側の表面と前記中間板の前記燃焼室孔
を形成する端面又は前記シリンダヘッド側に位置する前
記ビード基板の前記中間板側の表面に沿って形成されて
いる。
のシリンダヘッド側の表面と前記中間板の前記燃焼室孔
を形成する端面又は前記シリンダヘッド側に位置する前
記ビード基板の前記中間板側の表面に沿って形成されて
いる。
【0014】また、前記中間板又は前記ビード基板の表
面にめっきを施す前記コーティング層の材料はニッケ
ル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、アン
チモンから選定される。更に、前記コーティング層は前
記中間板又は前記ビード基板の表面にニッケル合金の電
気めっき又は無電解めっきのいずれかで形成されている
ものである。
面にめっきを施す前記コーティング層の材料はニッケ
ル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、アン
チモンから選定される。更に、前記コーティング層は前
記中間板又は前記ビード基板の表面にニッケル合金の電
気めっき又は無電解めっきのいずれかで形成されている
ものである。
【0015】
【作用】この発明による金属製ガスケットは、上記のよ
うに構成されており、次のように作用する。即ち、この
金属製ガスケットは、弾性金属板から成る一対のビード
基板をビードを対向して配置し、前記ビード基板の間に
中間板を配置し、前記ビード基板に対向した前記中間板
の少なくとも前記ビードに対向した領域を除く表面、或
いは前記中間板に対向した前記ビード基板の少なくとも
前記ビードの領域を除く表面にめっきによるコーティン
グ層を形成し、前記コーティング層の高さを前記ビード
の高さ未満に設定したので、二枚の前記ビード基板のそ
れぞれの前記ビードが当接する一枚の前記中間板の両面
において、締め付け前の自由状態では前記ビード基板又
は前記中間板と前記コーティング層との間に間隙を形成
し、前記コーティング層が対面する前記各ビード基板の
前記ビードのためのストッパー機能を果たすことができ
る。即ち、この金属製ガスケットでは、前記中間板又は
前記ビード基板の前記コーティング層は、燃焼室孔回り
の環状領域においてデッキ面間の補償部として作用す
る。
うに構成されており、次のように作用する。即ち、この
金属製ガスケットは、弾性金属板から成る一対のビード
基板をビードを対向して配置し、前記ビード基板の間に
中間板を配置し、前記ビード基板に対向した前記中間板
の少なくとも前記ビードに対向した領域を除く表面、或
いは前記中間板に対向した前記ビード基板の少なくとも
前記ビードの領域を除く表面にめっきによるコーティン
グ層を形成し、前記コーティング層の高さを前記ビード
の高さ未満に設定したので、二枚の前記ビード基板のそ
れぞれの前記ビードが当接する一枚の前記中間板の両面
において、締め付け前の自由状態では前記ビード基板又
は前記中間板と前記コーティング層との間に間隙を形成
し、前記コーティング層が対面する前記各ビード基板の
前記ビードのためのストッパー機能を果たすことができ
る。即ち、この金属製ガスケットでは、前記中間板又は
前記ビード基板の前記コーティング層は、燃焼室孔回り
の環状領域においてデッキ面間の補償部として作用す
る。
【0016】更に、この金属製ガスケットでは、前記コ
ーティング層は、燃焼室からの高温燃焼ガスの前記ビー
ドの領域への侵入を防止して前記ビードを腐食等から防
止し、しかも前記コーティング層によって燃焼室孔回り
のデッドスペースを低減でき、前記ビードの全圧縮を防
止して前記ビードのへたりや損傷を防止でき、耐久性を
向上できる。
ーティング層は、燃焼室からの高温燃焼ガスの前記ビー
ドの領域への侵入を防止して前記ビードを腐食等から防
止し、しかも前記コーティング層によって燃焼室孔回り
のデッドスペースを低減でき、前記ビードの全圧縮を防
止して前記ビードのへたりや損傷を防止でき、耐久性を
向上できる。
【0017】また、前記中間板に前記コーティング層を
設けた場合には、前記中間板への前記コーティング層
は、前記燃焼室孔の縁部端面にも施されているので、前
記中間板自体は燃焼ガスに晒されることから阻止され、
前記中間板はその材料として低コストの材料を選定で
き、材料選定が容易であり、製造コストを低減できる。
設けた場合には、前記中間板への前記コーティング層
は、前記燃焼室孔の縁部端面にも施されているので、前
記中間板自体は燃焼ガスに晒されることから阻止され、
前記中間板はその材料として低コストの材料を選定で
き、材料選定が容易であり、製造コストを低減できる。
【0018】更に、前記中間板又は前記ビード基板に形
成する前記コーティング層は、めっきで形成されるの
で、所望の任意に厚さに高精度に且つ緻密な皮膜に形成
することができる。また、前記中間板又は前記ビード基
板の表面にめっきを施す前記コーティング層の材料は、
ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、
銅、アンチモンから選定される。或いは、前記コーティ
ング層は前記中間板又は前記ビード基板の表面に、例え
ば、ニッケル合金の電気めっき、又は無電解めっき、或
いは、電気めっき後に無電解めっきで形成することがで
き、前記中間板又は前記ビード基板の表面に緻密な且つ
高強度の前記コーティング層を形成することができる。
成する前記コーティング層は、めっきで形成されるの
で、所望の任意に厚さに高精度に且つ緻密な皮膜に形成
することができる。また、前記中間板又は前記ビード基
板の表面にめっきを施す前記コーティング層の材料は、
ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、
銅、アンチモンから選定される。或いは、前記コーティ
ング層は前記中間板又は前記ビード基板の表面に、例え
ば、ニッケル合金の電気めっき、又は無電解めっき、或
いは、電気めっき後に無電解めっきで形成することがで
き、前記中間板又は前記ビード基板の表面に緻密な且つ
高強度の前記コーティング層を形成することができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による金属
製ガスケットの実施例について説明する。図1はこの発
明による金属製ガスケットの部分平面図、及び図2はこ
の発明による金属製ガスケットの一実施例を示すもので
あって、図1の線A−A線における拡大断面図である。
製ガスケットの実施例について説明する。図1はこの発
明による金属製ガスケットの部分平面図、及び図2はこ
の発明による金属製ガスケットの一実施例を示すもので
あって、図1の線A−A線における拡大断面図である。
【0020】この金属製ガスケットは、図示していない
が、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持さ
れて、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間
をシールするものである。金属製ガスケットには、シリ
ンダブロックに形成されたシリンダボアに対応してシリ
ンダボア孔即ち燃焼室孔10が形成されている。金属製
ガスケットは、図1には、燃焼室孔10が複数個を並列
されており、4気筒や6気筒のような多気筒エンジンに
適用するものである。燃焼室孔10の周囲にはボルト穴
11の他、図示していないが、冷却水を通す水孔、オイ
ルを通すオイル孔やオイル戻り孔、ノック孔等の各種の
孔が穿設されている。
が、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持さ
れて、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間
をシールするものである。金属製ガスケットには、シリ
ンダブロックに形成されたシリンダボアに対応してシリ
ンダボア孔即ち燃焼室孔10が形成されている。金属製
ガスケットは、図1には、燃焼室孔10が複数個を並列
されており、4気筒や6気筒のような多気筒エンジンに
適用するものである。燃焼室孔10の周囲にはボルト穴
11の他、図示していないが、冷却水を通す水孔、オイ
ルを通すオイル孔やオイル戻り孔、ノック孔等の各種の
孔が穿設されている。
【0021】図2の金属製ガスケットは、2枚の同じ板
厚を有する弾性金属板から成るビード基板1,2と、ビ
ード基板1,2の板厚よりも厚い板厚を有し、両ビード
基板1,2間に介在された中間板3とを積層した積層形
の金属製ガスケットである。ビード基板1,2と中間板
3には、燃焼室孔10がシリンダブロックのシリンダボ
アと共通して同じ位置に形成されている。ビード基板1
はシリンダヘッド側に位置し、また、ビード基板2はシ
リンダブロック側に位置している。ビード基板1,2の
燃焼室孔10を囲繞する位置には、燃焼室孔10と略同
心に且つ環状に取り巻く断面凸形のビード4,5が形成
されている。ビード4,5は、同じ形状の凸部が互いに
向き合う対向方向に形成され、積層挟着した時に、ビー
ド4,5が中間板3の各ビード対向領域9の表面に当接
している。
厚を有する弾性金属板から成るビード基板1,2と、ビ
ード基板1,2の板厚よりも厚い板厚を有し、両ビード
基板1,2間に介在された中間板3とを積層した積層形
の金属製ガスケットである。ビード基板1,2と中間板
3には、燃焼室孔10がシリンダブロックのシリンダボ
アと共通して同じ位置に形成されている。ビード基板1
はシリンダヘッド側に位置し、また、ビード基板2はシ
リンダブロック側に位置している。ビード基板1,2の
燃焼室孔10を囲繞する位置には、燃焼室孔10と略同
心に且つ環状に取り巻く断面凸形のビード4,5が形成
されている。ビード4,5は、同じ形状の凸部が互いに
向き合う対向方向に形成され、積層挟着した時に、ビー
ド4,5が中間板3の各ビード対向領域9の表面に当接
している。
【0022】この金属製ガスケットは、特に、ビード基
板1,2に対向した中間板3の少なくともビード4,5
に対向した領域を除く表面にめっきによるコーティング
層6,8が形成され、コーティング層6,8の高さがビ
ード4,5の高さ未満に設定されていることである。更
に、コーティング層7は、中間板3の両側の表面と中間
板3の燃焼室孔10を形成する端面にも形成されてい
る。この場合、中間板3の表面にめっきを施すコーティ
ング層6,7,8の材料は、ニッケル、ニッケル合金
(Ni−Co,Ni−Fe−P)、コバルト、コバルト
合金(Co−Fe)、銅、アンチモンから選定すること
ができる。コーティング層6,7,8は、中間板3の表
面に電気めっき、又は電気めっき後に無電解めっきで形
成することができるものである。コーティング層6,
7,8は、上記のような材料を選定し、電気めっき又は
無電解めっき、或いは電気めっき後に無電解めっきによ
って中間板3の表面に形成することによって、緻密で且
つ所望の硬さのめっき層を得ることができる。
板1,2に対向した中間板3の少なくともビード4,5
に対向した領域を除く表面にめっきによるコーティング
層6,8が形成され、コーティング層6,8の高さがビ
ード4,5の高さ未満に設定されていることである。更
に、コーティング層7は、中間板3の両側の表面と中間
板3の燃焼室孔10を形成する端面にも形成されてい
る。この場合、中間板3の表面にめっきを施すコーティ
ング層6,7,8の材料は、ニッケル、ニッケル合金
(Ni−Co,Ni−Fe−P)、コバルト、コバルト
合金(Co−Fe)、銅、アンチモンから選定すること
ができる。コーティング層6,7,8は、中間板3の表
面に電気めっき、又は電気めっき後に無電解めっきで形
成することができるものである。コーティング層6,
7,8は、上記のような材料を選定し、電気めっき又は
無電解めっき、或いは電気めっき後に無電解めっきによ
って中間板3の表面に形成することによって、緻密で且
つ所望の硬さのめっき層を得ることができる。
【0023】この金属製ガスケットでは、隣接する燃焼
室孔10間は、例えば、約6.00mmの距離L1 に対
して二枚のビード基板の板厚を0.2〜0.3mmと
し、ビード4の半径方向で見た幅L2 を約2.5mmと
し、ビード4の高さHを0.25mmに設定されてい
る。また、中間板3の板厚は0.5〜1.0mmに設定
されており、ビード基板1,2の2倍以上の板厚に設定
されている。コーティング層6,7,8は、例えば、
0.04〜0.15mmに設定されている。
室孔10間は、例えば、約6.00mmの距離L1 に対
して二枚のビード基板の板厚を0.2〜0.3mmと
し、ビード4の半径方向で見た幅L2 を約2.5mmと
し、ビード4の高さHを0.25mmに設定されてい
る。また、中間板3の板厚は0.5〜1.0mmに設定
されており、ビード基板1,2の2倍以上の板厚に設定
されている。コーティング層6,7,8は、例えば、
0.04〜0.15mmに設定されている。
【0024】中間板3は、中間板3のビード4,5と当
接する表面9が示されている部位よりも燃焼室孔10側
の領域においては、ビード4,5に近い側に、一方のビ
ード基板1に向かってビード3の高さHよりも低く且つ
中間板3の厚み未満の高さEを有するめっきによるコー
ティング層6,8が燃焼室孔10を取り囲む環状形状に
形成されている。コーティング層6,8は電気めっきに
よって形成される。この結果、コーティング層6,8の
環状領域は、平坦な段丘部となり、ビード基板1,2の
ための補償部を形成している。また、中間板3の燃焼室
孔10に沿う端面にもコーティング層7が形成され、中
間板3自体が高温の燃焼ガスに直接晒されないように形
成されている。コーティング層6,8は、ビード基板
1,2のビード高さHよりも小さくしてあるので、締め
付け前の自由状態では補償部とビード基板1,2との間
には間隙Sがそれぞれ形成されている。
接する表面9が示されている部位よりも燃焼室孔10側
の領域においては、ビード4,5に近い側に、一方のビ
ード基板1に向かってビード3の高さHよりも低く且つ
中間板3の厚み未満の高さEを有するめっきによるコー
ティング層6,8が燃焼室孔10を取り囲む環状形状に
形成されている。コーティング層6,8は電気めっきに
よって形成される。この結果、コーティング層6,8の
環状領域は、平坦な段丘部となり、ビード基板1,2の
ための補償部を形成している。また、中間板3の燃焼室
孔10に沿う端面にもコーティング層7が形成され、中
間板3自体が高温の燃焼ガスに直接晒されないように形
成されている。コーティング層6,8は、ビード基板
1,2のビード高さHよりも小さくしてあるので、締め
付け前の自由状態では補償部とビード基板1,2との間
には間隙Sがそれぞれ形成されている。
【0025】金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリ
ンダブロックとの対向面間に設置してボルトで締め付け
たときに、ビード基板1,2のビード4,5は潰れるよ
うに変形して中間板3に対して漸次接近当接しようとす
るが、ビード基板1に対しては中間板3のコーティング
層6が、ビード基板2に対しては中間板3のコーティン
グ層8が、それぞれ当接後の変位量を制限してビード
4,5の全圧縮を防止し、ビード4,5としての機能を
保持するように働く。補償部を構成するコーティング層
6,8の程度は、中間板3の表面に対してビード4,5
の高さ未満であるから、コーティング層6,8自体及び
それらの剛性は高く、上記締め付けに伴って変形するこ
とがあってもコーティング層6,8としての機能を損な
うことはない。ビード4,5の全圧縮状態を防止するこ
とができれば、良好なシール性を確保することができる
と共に、ビード基板1,2の応力振幅が小さくなり、コ
ーティング層6,8に大きな曲げ応力及び応力振幅を発
生せず、結果としてビード基板1,2に亀裂やヘタリを
発生させない。また、コーティング層6,8は、金属製
ガスケットを締め付け時におけるシリンダヘッドとシリ
ンダブロックとの対向面に存在する不整を吸収する機能
も有する。
ンダブロックとの対向面間に設置してボルトで締め付け
たときに、ビード基板1,2のビード4,5は潰れるよ
うに変形して中間板3に対して漸次接近当接しようとす
るが、ビード基板1に対しては中間板3のコーティング
層6が、ビード基板2に対しては中間板3のコーティン
グ層8が、それぞれ当接後の変位量を制限してビード
4,5の全圧縮を防止し、ビード4,5としての機能を
保持するように働く。補償部を構成するコーティング層
6,8の程度は、中間板3の表面に対してビード4,5
の高さ未満であるから、コーティング層6,8自体及び
それらの剛性は高く、上記締め付けに伴って変形するこ
とがあってもコーティング層6,8としての機能を損な
うことはない。ビード4,5の全圧縮状態を防止するこ
とができれば、良好なシール性を確保することができる
と共に、ビード基板1,2の応力振幅が小さくなり、コ
ーティング層6,8に大きな曲げ応力及び応力振幅を発
生せず、結果としてビード基板1,2に亀裂やヘタリを
発生させない。また、コーティング層6,8は、金属製
ガスケットを締め付け時におけるシリンダヘッドとシリ
ンダブロックとの対向面に存在する不整を吸収する機能
も有する。
【0026】また、図示していないが、金属製ガスケッ
トは、ビード基板1,2及び中間板3を形成する弾性金
属板の少なくとも一方の表面に耐熱性及び耐油性の非金
属材料をコーティングしたものであってもよい。この
時、中間板3のめっきを行う領域には、マスキングを剥
がした後に、電気めっき又は無電解めっきを行ってコー
ティング層6,7,8を形成すればよい。
トは、ビード基板1,2及び中間板3を形成する弾性金
属板の少なくとも一方の表面に耐熱性及び耐油性の非金
属材料をコーティングしたものであってもよい。この
時、中間板3のめっきを行う領域には、マスキングを剥
がした後に、電気めっき又は無電解めっきを行ってコー
ティング層6,7,8を形成すればよい。
【0027】次に、図3を参照して、この発明による金
属製ガスケットの別の実施例について説明する。この実
施例の金属製ガスケットは、中間板3のシリンダブロッ
ク側の表面に対してコーティング層が設けられていない
以外は、上記実施例と同一の構成を有するので、図2に
示すものと同一部品には同一の符号を付している。この
金属製ガスケットでは、コーティング層6,7は中間板
3のシリンダヘッド側の表面と中間板3の燃焼室孔10
を形成する端面に沿って形成され、中間板3とシリンダ
ブロック側に位置するビード基板2との隙間はビード基
板2のビード5の高さと同一である。コーティング層
6,7の機能は、上記実施例と同等であるので、ここで
はその説明は省略する。
属製ガスケットの別の実施例について説明する。この実
施例の金属製ガスケットは、中間板3のシリンダブロッ
ク側の表面に対してコーティング層が設けられていない
以外は、上記実施例と同一の構成を有するので、図2に
示すものと同一部品には同一の符号を付している。この
金属製ガスケットでは、コーティング層6,7は中間板
3のシリンダヘッド側の表面と中間板3の燃焼室孔10
を形成する端面に沿って形成され、中間板3とシリンダ
ブロック側に位置するビード基板2との隙間はビード基
板2のビード5の高さと同一である。コーティング層
6,7の機能は、上記実施例と同等であるので、ここで
はその説明は省略する。
【0028】次に、図4を参照して、この発明による金
属製ガスケットの更に別の実施例について説明する。こ
の実施例の金属製ガスケットは、一対のビード基板1,
2の中間板3側の表面に対してコーティング層12,1
3が設けられ、中間板3にはコーティング層が設けられ
ていない以外は、上記各実施例と同一の構成を有するの
で、図2に示すものと同一部品には同一の符号を付して
いる。この金属製ガスケットでは、コーティング層1
2,13は中間板3側の表面に燃焼室孔10に沿って形
成され、中間板3とビード基板1,2との各隙間Sはビ
ード基板2のビード5の高さHより小さく設定されてい
る。コーティング層12,13の機能は、上記各実施例
と同等であるので、ここではその説明は省略する。
属製ガスケットの更に別の実施例について説明する。こ
の実施例の金属製ガスケットは、一対のビード基板1,
2の中間板3側の表面に対してコーティング層12,1
3が設けられ、中間板3にはコーティング層が設けられ
ていない以外は、上記各実施例と同一の構成を有するの
で、図2に示すものと同一部品には同一の符号を付して
いる。この金属製ガスケットでは、コーティング層1
2,13は中間板3側の表面に燃焼室孔10に沿って形
成され、中間板3とビード基板1,2との各隙間Sはビ
ード基板2のビード5の高さHより小さく設定されてい
る。コーティング層12,13の機能は、上記各実施例
と同等であるので、ここではその説明は省略する。
【0029】次に、図5を参照して、この発明による金
属製ガスケットの他の実施例について説明する。この実
施例の金属製ガスケットは、ビード基板1の中間板3側
の表面に対してコーティング層12が設けられ、シリン
ダブロック側のビード基板2と中間板3にはコーティン
グ層が設けられていない以外は、図4に示す実施例と同
一の構成を有するので、図4に示すものと同一部品には
同一の符号を付している。この金属製ガスケットでは、
コーティング層12は中間板3側の表面に燃焼室孔10
に沿って形成され、中間板3とビード基板1との隙間S
はビード基板2のビード5の高さより小さく設定され、
また中間板3とビード基板2との隙間はビード基板2の
ビード5の高さと同一である。コーティング層12の機
能は、上記各実施例と同等であるので、ここではその説
明は省略する。
属製ガスケットの他の実施例について説明する。この実
施例の金属製ガスケットは、ビード基板1の中間板3側
の表面に対してコーティング層12が設けられ、シリン
ダブロック側のビード基板2と中間板3にはコーティン
グ層が設けられていない以外は、図4に示す実施例と同
一の構成を有するので、図4に示すものと同一部品には
同一の符号を付している。この金属製ガスケットでは、
コーティング層12は中間板3側の表面に燃焼室孔10
に沿って形成され、中間板3とビード基板1との隙間S
はビード基板2のビード5の高さより小さく設定され、
また中間板3とビード基板2との隙間はビード基板2の
ビード5の高さと同一である。コーティング層12の機
能は、上記各実施例と同等であるので、ここではその説
明は省略する。
【0030】
【発明の効果】この発明による金属製ガスケットは、上
記のように構成されているので、次のような効果を有す
る。即ち、この金属製ガスケットは、上記のように、ビ
ード基板又は中間板に電気めっき又は無電解めっきによ
るコーティング層を形成したので、二枚の前記ビード基
板のそれぞれのビードが当接する一枚の前記中間板の両
面又は前記ビード基板の表面において、前記コーティン
グ層の存在で自由状態におけるボアまわりの隙間即ちデ
ッドスペースが低減でき、前記コーティング層が両ビー
ド基板のビードに対する全圧縮を防止するストッパー機
能として作用すると共に、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの対向取付面の不整を吸収する機能を有する補
償部が形成される。
記のように構成されているので、次のような効果を有す
る。即ち、この金属製ガスケットは、上記のように、ビ
ード基板又は中間板に電気めっき又は無電解めっきによ
るコーティング層を形成したので、二枚の前記ビード基
板のそれぞれのビードが当接する一枚の前記中間板の両
面又は前記ビード基板の表面において、前記コーティン
グ層の存在で自由状態におけるボアまわりの隙間即ちデ
ッドスペースが低減でき、前記コーティング層が両ビー
ド基板のビードに対する全圧縮を防止するストッパー機
能として作用すると共に、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの対向取付面の不整を吸収する機能を有する補
償部が形成される。
【0031】また、この金属製ガスケットでは、前記中
間板は、前記コーティング層の皮膜で覆われているた
め、燃焼ガスに直接晒されることなく、燃焼ガスによる
腐食等の発生を避けることができるから、前記中間板を
作製するのに前記中間板自体を構成する材料として、低
コストの材料を選定することができ、しかも耐久性を大
幅に向上させることができる。
間板は、前記コーティング層の皮膜で覆われているた
め、燃焼ガスに直接晒されることなく、燃焼ガスによる
腐食等の発生を避けることができるから、前記中間板を
作製するのに前記中間板自体を構成する材料として、低
コストの材料を選定することができ、しかも耐久性を大
幅に向上させることができる。
【0032】また、この金属製ガスケットでは、前記ビ
ード基板又は前記中間板に形成する前記コーティング層
は、少なくとの一方の前記ビード基板、又は前記中間板
の両側と前記燃焼室孔の端面側、場合によっては、熱応
力の厳しいシリンダヘッド側と前記燃焼室孔の端面側に
形成すれば、補償部としての機能を果たすことができ
る。更に、前記コーティング層を形成するため、前記ビ
ード基板又は前記中間板へのめっき材料としては、各種
の材料を使用でき、金属製ガスケットを適用するエンジ
ンに対応させ、即ち、使用目的に適合させて選定でき、
また、前記コーティング層の厚みも最適厚さに調整する
ことができる。
ード基板又は前記中間板に形成する前記コーティング層
は、少なくとの一方の前記ビード基板、又は前記中間板
の両側と前記燃焼室孔の端面側、場合によっては、熱応
力の厳しいシリンダヘッド側と前記燃焼室孔の端面側に
形成すれば、補償部としての機能を果たすことができ
る。更に、前記コーティング層を形成するため、前記ビ
ード基板又は前記中間板へのめっき材料としては、各種
の材料を使用でき、金属製ガスケットを適用するエンジ
ンに対応させ、即ち、使用目的に適合させて選定でき、
また、前記コーティング層の厚みも最適厚さに調整する
ことができる。
【0033】この金属製ガスケットでは、前記中間板を
二枚とする必要がなく、一枚の中間板でその両側に前記
ビードの補償部を形成することができ、従来のものに比
較して部品数を減らすことができる。即ち、この金属製
ガスケットは、中間板に補償部を形成するのに、従来の
技術のように中間板間に挟持するスペーサのような別部
材を用いていない。このことは、別部材を製作する必要
もなく、中間板に対して組立てや固定をする必要もな
く、組立てや固定が不完全である場合に予想される不具
合の問題も発生しない。このように、この金属製ガスケ
ットは、別部材を用いることによる諸問題に煩わされる
ことがないばかりでなく、別部材を使用しないことより
金属製ガスケットとしてのコスト削減に達成することが
できる。
二枚とする必要がなく、一枚の中間板でその両側に前記
ビードの補償部を形成することができ、従来のものに比
較して部品数を減らすことができる。即ち、この金属製
ガスケットは、中間板に補償部を形成するのに、従来の
技術のように中間板間に挟持するスペーサのような別部
材を用いていない。このことは、別部材を製作する必要
もなく、中間板に対して組立てや固定をする必要もな
く、組立てや固定が不完全である場合に予想される不具
合の問題も発生しない。このように、この金属製ガスケ
ットは、別部材を用いることによる諸問題に煩わされる
ことがないばかりでなく、別部材を使用しないことより
金属製ガスケットとしてのコスト削減に達成することが
できる。
【0034】また、この金属製ガスケットによれば、中
間板に補償部を形成するのに、もう一つの従来技術が用
いている中間板に折返し部を設けるという構成を採用し
ていない。また、当然にビード基板の燃焼室孔側端縁に
も折返し部を設ける構成は採っていない。このことは、
中間板やビード基板に折返し部を形成するという製造上
の工程を必要とせず、製造コストを低減でき、折返し部
に発生するへたりや亀裂の発生による問題を回避でき
る。この金属製ガスケットは、ビード基板のビードのた
めの補償部は、中間板に電気めっき又は無電解めっきに
よるコーティング層を形成するのみであり、従来技術に
発生するような上記問題が解消され、中間板の加工の程
度が少なくて済み、コストを低減させることができ且つ
中間板に亀裂を生じることなく破損の可能性を少なくす
ることができる。
間板に補償部を形成するのに、もう一つの従来技術が用
いている中間板に折返し部を設けるという構成を採用し
ていない。また、当然にビード基板の燃焼室孔側端縁に
も折返し部を設ける構成は採っていない。このことは、
中間板やビード基板に折返し部を形成するという製造上
の工程を必要とせず、製造コストを低減でき、折返し部
に発生するへたりや亀裂の発生による問題を回避でき
る。この金属製ガスケットは、ビード基板のビードのた
めの補償部は、中間板に電気めっき又は無電解めっきに
よるコーティング層を形成するのみであり、従来技術に
発生するような上記問題が解消され、中間板の加工の程
度が少なくて済み、コストを低減させることができ且つ
中間板に亀裂を生じることなく破損の可能性を少なくす
ることができる。
【0035】また、この金属製ガスケットによれば、前
記中間板の表面からの前記補償部の高さは、前記コーテ
ィング層の設定により任意に設定することができるか
ら、前記両ビード基板の対向取付面への面圧バランスも
適宜に変更することができる。前記ビード基板の応力変
動と補償部にかかる曲げ応力を、例えば、前記ビード基
板の特性の違いがある場合等の状況に応じて設定できる
という設計の自由度が大きくなり、結果的に、前記ビー
ド基板の前記ビードの破損や前記補償部の破損、シール
効果の低減を防止して、安定したシール効果を発揮する
優れた金属製ガスケットを提供することができる。
記中間板の表面からの前記補償部の高さは、前記コーテ
ィング層の設定により任意に設定することができるか
ら、前記両ビード基板の対向取付面への面圧バランスも
適宜に変更することができる。前記ビード基板の応力変
動と補償部にかかる曲げ応力を、例えば、前記ビード基
板の特性の違いがある場合等の状況に応じて設定できる
という設計の自由度が大きくなり、結果的に、前記ビー
ド基板の前記ビードの破損や前記補償部の破損、シール
効果の低減を防止して、安定したシール効果を発揮する
優れた金属製ガスケットを提供することができる。
【図1】この発明による金属製ガスケットの実施例を示
す一部平面図である。
す一部平面図である。
【図2】この発明による金属製ガスケットの一実施例を
示し且つ図1の線A−A線に相当する部分の拡大断面図
である。
示し且つ図1の線A−A線に相当する部分の拡大断面図
である。
【図3】この発明による金属製ガスケットの別の実施例
を示し且つ図1の線A−A線にに相当する部分の拡大断
面図である。
を示し且つ図1の線A−A線にに相当する部分の拡大断
面図である。
【図4】この発明による金属製ガスケットの更に別の実
施例を示し且つ図1の線A−A線に相当する部分の拡大
断面図である。
施例を示し且つ図1の線A−A線に相当する部分の拡大
断面図である。
【図5】この発明による金属製ガスケットの他の実施例
を示し且つ図1の線A−A線にに相当する部分の拡大断
面図である。
を示し且つ図1の線A−A線にに相当する部分の拡大断
面図である。
【図6】従来の金属製ガスケットの一例を示す断面図で
ある。
ある。
【図7】従来の金属製ガスケットの別の例を示す断面図
である。
である。
【図8】従来の金属製ガスケットの更に別の例を示す断
面図である。
面図である。
1,2 ビード基板 3 中間板 4,5 ビード 6 中間板のシリンダヘッド側表面へのコーティング
層 7 中間板の燃焼室孔端面へのコーティング層 8 中間板のシリンダブロック側表面へのコーティン
グ層 9 中間板のビード対向領域の面 10 燃焼室孔 12 シリンダヘッド側ビード基板へのコーティング層 13 シリンダブロック側ビード基板へのコーティング
層
層 7 中間板の燃焼室孔端面へのコーティング層 8 中間板のシリンダブロック側表面へのコーティン
グ層 9 中間板のビード対向領域の面 10 燃焼室孔 12 シリンダヘッド側ビード基板へのコーティング層 13 シリンダブロック側ビード基板へのコーティング
層
Claims (5)
- 【請求項1】 並列する燃焼室孔に沿ってビードをそれ
ぞれ形成した弾性金属板から成る一対のビード基板、及
び前記ビードを対向して配置した前記ビード基板の間に
介在され且つ前記ビード基板の板厚よりも厚い板厚を有
する中間板を有し、前記ビード基板に対向した前記中間
板の少なくとも前記ビードに対向した領域を除く表面、
又は前記中間板に対向した前記ビード基板の少なくとも
前記ビードの領域を除く表面にめっきによるコーティン
グ層が形成され、前記コーティング層の高さは前記ビー
ドの高さ未満に設定されていることを特徴とする金属製
ガスケット。 - 【請求項2】 前記コーティング層は前記中間板の両側
の表面と前記中間板の前記燃焼室孔を形成する端面又は
前記各ビード基板の前記中間板側の表面に沿って形成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の金属製ガス
ケット。 - 【請求項3】 前記コーティング層は前記中間板のシリ
ンダヘッド側の表面と前記中間板の前記燃焼室孔を形成
する端面又は前記シリンダヘッド側に位置する前記ビー
ド基板の前記中間板側の表面に沿って形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の金属製ガスケット。 - 【請求項4】 前記中間板又は前記ビード基板の表面に
めっきを施す前記コーティング層の材料はニッケル、ニ
ッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、アンチモン
から選定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の金属製ガスケット。 - 【請求項5】 前記コーティング層は前記中間板又は前
記ビード基板の表面にニッケル合金の電気めっき又は無
電解めっきのいずれかで形成されていることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれかに記載の金属製ガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11411795A JPH08285081A (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 金属製ガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11411795A JPH08285081A (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 金属製ガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08285081A true JPH08285081A (ja) | 1996-11-01 |
Family
ID=14629570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11411795A Pending JPH08285081A (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | 金属製ガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08285081A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004083690A1 (ja) * | 2003-03-17 | 2004-09-30 | Nippon Leakless Industry Co. Ltd. | シリンダーヘッド用メタルガスケット |
-
1995
- 1995-04-17 JP JP11411795A patent/JPH08285081A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004083690A1 (ja) * | 2003-03-17 | 2004-09-30 | Nippon Leakless Industry Co. Ltd. | シリンダーヘッド用メタルガスケット |
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