JPH08284819A

JPH08284819A - 揺動板式圧縮機

Info

Publication number: JPH08284819A
Application number: JP7116462A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Nomura; 寛野村; Kazuo Eitai; 和男永躰; Minoru Kanaizuka; 実金井塚; Yoshiyuki Ishida; 欣之石田
Original assignee: Zexel Corp
Current assignee: Bosch Corp
Priority date: 1995-04-18
Filing date: 1995-04-18
Publication date: 1996-10-29
Also published as: DE19614186C2; DE19614186A1

Abstract

(57)【要約】【目的】高速低負荷条件下におけるクランク室内のス
ラスト軸受の焼付きを防ぐ。【構成】吐出空間１２ｂ内のオイルをオイル供給路５
０を通じてクランク室８内に供給するようにしたので、
冷媒流量が少なくなる最小吐出量状態時においてもオイ
ルＯを安定供給でき、スラスト軸受２５，３３，６１，
６２及びラジアル軸受２４，２６，６０（特に大きな荷
重を受けるスラスト軸受６２）の潤滑及び冷却を促進
し、焼付きを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は揺動板式圧縮機に関
し、特に揺動板を支持するスラスト軸受に安定して潤滑
油を供給することができる揺動板式圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図８は従来の揺動板式圧縮機を示す縦断
面図である。

【０００３】シリンダブロック１０１には、シャフト１
０５を中心にして周方向に所定間隔おきに複数のシリン
ダボア１０６が設けられている。シリンダブロック１０
１のリヤ側端面にはバルブプレート１０２を介してリヤ
ヘッド１０３が固定され、リヤヘッド１０３内には吐出
室１１２が形成されている。吐出室１１２内はバッフル
プレート１１４によって高圧空間１１２ａと高圧空間１
１２ｂとに仕切られている。

【０００４】シリンダブロック１０１のフロント側端面
には、フロントヘッド１０４が固定されている。フロン
トヘッド１０４内にはクランク室１０８が形成され、ク
ランク室１０８内にはスラストフランジ１４０、ドライ
ブハブ１４１及び揺動板１１０が収容されている。スラ
ストフランジ１４０はシャフト１０５に固定され、スラ
ストフランジ１４０はスラスト軸受１３３を介してフロ
ントヘッド１０４の内壁面に回転可能に当接している。
ドライブハブ１４１はヒンジボール１０９を介してシャ
フト１０５に装着され、ドライブハブ１４１の一端部と
スラストフランジ１４０の一端部とはリンクアーム１４
２を介して連結されている。揺動板１１０はスラスト軸
受１６１，１６２及びラジアル軸受１６０を介してドラ
イブハブ１４１に揺動可能に装着されている。

【０００５】シリンダブロック１０１の中央部には、互
いに連通するねじ孔１２０、軸受収容孔１２２，１２３
がシリンダブロック１０１の中心線に沿って設けられて
いる。軸受収容孔１２２にはラジアル軸受１２４が、軸
受収容孔１２３にはスラスト軸受１２５がそれぞれ収容
されている。ラジアル軸受１２４及びスラスト軸受１２
５はシャフト１０５のリヤ側端部を支持し、シャフト１
０５のフロント側端部はフロントヘッド１０４に収容さ
れたラジアル軸受１２６によって支持されている。

【０００６】前記バルブプレート１０２には、シリンダ
ボア１０６と吐出空間１１２ａとを連通させる吐出ポー
ト１１６と、シリンダボア１０６と吸入室１１３とを連
通させる吸入ポート１１５とが、それぞれ周方向に所定
間隔おきに設けられている。吐出ポート１１６は吐出弁
１１７により開閉され、吐出弁１１７はバルブプレート
１０２のリヤヘッド側端面に弁押さえ１１８とともにボ
ルト１１９により固定され、ボルト１１９はバルブプレ
ート１０２の中心孔１０２ａを介してシリンダブロック
１０１のねじ孔１２０に螺着されている。ボルト１１９
には、吐出空間１１２ａと後述するシリンダブロック１
０１の軸受収容孔１２２とを連通させるガイド孔１５０
が設けられている。吸入ポート１１５は吸入弁１２１に
より開閉され、吸入弁１２１はバルブプレート１０２と
シリンダブロック１０１との間に配設されている。

【０００７】前記吐出空間１１２ａの高圧の冷媒ガスは
ボルト１１９のガイド孔１５０を通じてシリンダブロッ
ク１０１の軸受収容孔１２２へ供給され、軸受収容孔１
２２から軸受収容孔１２３を通ってクランク室１０８に
供給される。その結果、冷媒ガス中のオイルがスラスト
軸受１２５，１６１，１６２及びラジアル軸受１２４，
１２６，１６０に供給され、オイルによる潤滑及び冷却
が行われる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、低負荷条件
下では最小吐出量状態となり、冷媒流量が減少するの
で、スラスト軸受１２５，１６１，１６２及びラジアル
軸受１２４，１２６，１６０に供給されるオイルの量が
減り、潤滑及び冷却が不十分となり、焼付きを起こすと
いう問題があった。

【０００９】とりわけ、最小吐出量状態ではスラスト軸
受１６２に加わる荷重が最大となるため、潤滑不足によ
るスラスト軸受１６２の焼付きを起こすおそれが高かっ
た。

【００１０】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は高速低負荷条件下におけるスラス
ト軸受の焼付きを防ぐことができる揺動板式圧縮機を提
供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項１記載の発明の揺動板式圧縮機は、回転軸と一
体に回転する駆動力伝達部材と、前記駆動力伝達部材に
スラスト軸受を介して揺動可能に装着され、前記駆動力
伝達部材の回転に連れて揺動する揺動板と、前記シリン
ダブロックの一端面にバルブプレートを介して固定さ
れ、内部に高圧室を有するシリンダヘッドと、前記高圧
室内を第１の高圧空間と第２の高圧空間とに仕切るバッ
フルプレートとを備え、前記シリンダボア内で圧縮され
た冷媒ガスが前記バルブプレートに設けられた吐出ポー
トを通じて前記第１の高圧空間に吐出され、前記第１の
高圧空間内の冷媒ガスが前記バッフルプレートに設けら
れた孔を通じて前記第２の高圧空間内に送り出される揺
動板式圧縮機において、前記第２の高圧空間内でオイル
分離されたオイルを前記駆動力伝達部材及び前記揺動板
が収容されるクランク室内に供給するオイル供給路を備
えている。

【００１２】請求項２記載の発明の揺動板式圧縮機は、
前記オイル供給路は、少なくとも、前記シリンダヘッド
に設けられた第１の通路と、前記バルブプレートに設け
られた第２の通路と、前記シリンダブロックに設けられ
た第３の通路とを有し、前記第３の通路の途中に前記ク
ランク室に供給するオイルの量を絞る絞りを設け、前記
回転軸の一端部を回転可能に支持する軸受を収容し、且
つ前記クランク室と連通する軸受収容室を、前記シリン
ダヘッドに設け、この軸受収容室を通じて前記第３の通
路からのオイルを前記クランク室内に供給するようにし
た。

【００１３】

【作用】請求項１記載の発明の揺動板式圧縮機では、第
２の高圧空間の下部に溜るオイルを、オイル供給路を通
じて、駆動力伝達部材及び揺動板が収容されるクランク
室内に供給するようにしたので、冷媒流量が少なくなる
最小吐出量状態時においても、オイルをクランク室内に
十分に供給でき、揺動板を揺動可能に支持するスラスト
軸受の潤滑及び冷却を促進させることができる。

【００１４】請求項２記載の発明の揺動板式圧縮機で
は、オイル供給路の第３の通路の途中にクランク室に供
給するオイルの量を絞る絞りを設けたので、スラスト軸
受に供給されるオイルの量が絞られる。

【００１５】また、回転軸の一端部を回転可能に支持す
る軸受を収容し、且つクランク室と連通する軸受収容室
をシリンダヘッドにを設け、この軸受収容室を通じてオ
イル供給路の第３の通路からのオイルをクランク室内に
供給するようにしたので、軸受収容室内に収容された軸
受も潤滑及び冷却される。

【００１６】

【実施例】以下この発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１７】図１はこの発明の第１実施例に係る揺動板
式圧縮機を示す断面図、図２は図１の揺動板式圧縮機の
シリンダブロックのリヤ側端面を示す図、図３は図１の
揺動板式圧縮機の一部を示す拡大断面図である。

【００１８】この揺動板式圧縮機のシリンダブロック１
の一端面にはバルブプレート２を介してリヤヘッド（シ
リンダヘッド）３が、他端面にはフロントヘッド４がそ
れぞれ固定されている。シリンダブロック１には、シャ
フト（回転軸）５を中心にして周方向に一定間隔おきに
５つのシリンダボア６が配設されている。これらのシリ
ンダボア６内にはそれぞれピストン７が摺動自在に収容
されている。

【００１９】前記フロントヘッド４内にはクランク室８
が形成され、このクランク室８内には、シャフト５の回
転に連動してヒンジボール９を中心に揺動する揺動板１
０が収容されている。揺動板１０はコネクチングロッド
１１を介してピストン７に連結され、揺動板１０の揺動
によりピストン７がシリンダボア６内を往復運動する。
この揺動板１０の傾斜角度はクランク室８の圧力に応じ
て変化する。

【００２０】前記リヤヘッド３内には、吐出室１２と、
この吐出室１２の周囲に位置する吸入室１３とが形成さ
れている。吐出室１２内は隔壁１４によって吐出空間
（第１の高圧室）１２ａと吐出空間（第２の高圧室）１
２ｂとに仕切られ、両吐出空間１２ａ，１２ｂは、隔壁
１４に穿設された絞り孔（孔）１４ａを介して連通して
いる。

【００２１】前記バルブプレート２には、図３に示すよ
うに、シリンダボア６と吐出空間１２ａとを連通させる
吐出ポート１６と、シリンダボア６と吸入室１３とを連
通させる吸入ポート１５とが、それぞれ周方向に一定間
隔おきに設けられている。吐出ポート１６は吐出弁１７
により開閉され、吐出弁１７はバルブプレート２のリヤ
ヘッド側端面に弁押さえ１８とともにボルト１９により
固定され、ボルト１９はバルブプレート２の中心孔２ａ
を介してシリンダブロック１のねじ孔２０に螺着されて
いる。また、吸入ポート１５は吸入弁２１により開閉さ
れ、吸入弁２１はバルブプレート２とシリンダブロック
１との間に配設されている。

【００２２】前記シリンダブロック１の中央部には、互
いに連通するねじ孔２０、軸受収容室２２及び軸受収容
室２３がシリンダブロック１の中心線に沿って設けられ
ている。軸受収容室２２にはラジアル軸受２４が、軸受
収容室２３にはスラスト軸受２５がそれぞれ収容されて
いる。ラジアル軸受２４及びスラスト軸受２５はシャフ
ト５のリヤ側端部を支持し、シャフト５のフロント側端
部はラジアル軸受２６によって回転可能に支持されてい
る。

【００２３】軸受収容室２２と吐出空間１２ｂとはオイ
ル供給路５０を介して連通し、吐出空間１２ｂの下部に
溜るオイルＯをクランク室８に供給することができる。
オイル供給路５０は、図１に示すように、吐出空間１２
ｂ内に設けられた環状の溝５１と、シリンダブロック１
の隔壁７８に設けられた通路（第１の通路）５２と、ガ
スケット６７に設けられた孔５９と、バルブプレート２
に設けられた孔（第２の通路）５３と、ガスケット５４
に設けられた孔５５と、シリンダブロック１のリヤ側端
面に設けられた溝（第３の通路）５６と、シリンダブロ
ック１に設けられ、溝５６と軸受収容室２２とを連通さ
せる通路（第３の通路）５７とで構成されている。これ
らの溝５１、通路５２、孔５９、孔５３、孔５５、溝５
６及び通路５７は互いに連通している。通路５７の途中
には、軸受収容室２２及び軸受収容室２３を通じてクラ
ンク室８に送り込むオイルの量を絞るオリフィス（絞
り）５８が設けられている。

【００２４】また、シリンダブロック１には吸入室１３
とクランク室８とを連通させる連通路３１が設けられ、
この連通路３１の途中には圧力調整弁３２が設けられ、
この圧力調整弁３２により吸入室１３内とクランク室８
内との圧力調整が行われる。

【００２５】前記シャフト５のフロント側端部にはシャ
フト５の回転をドライブハブ４１に伝達するためのスラ
ストフランジ４０が固定され、このスラストフランジ４
０はスラスト軸受３３を介してフロントヘッド４の内壁
面に回転可能に当接されている。スラストフランジ４０
の一端部とドライブハブ４１の一端部とはリンクアーム
４２を介して連結され、スラストフランジ４０の他端部
に対しドライブハブ４１の他端部が離れたり、接触した
りすることができる。スラストフランジ４０とドライブ
ハブ４１とで駆動力伝達部材が構成される。

【００２６】前記揺動板１０は、ラジアル軸受６０及び
スラスト軸受６１，６２を介してドライブハブ４１に揺
動可能に装着されている。ドライブハブ４１は、シャフ
ト５に軸線方向に摺動可能に装着されたヒンジボール９
を介して、シャフト５に装着されている。ドライブハブ
４１の回転と傾斜動作とが妨げられないように、ドライ
ブハブ４１のヒンジボール受面４１ｂはヒンジボール９
の外周面に遊嵌されている。

【００２７】ドライブハブ４１のボス部４１ａの先端部
外周面には雄ネジ６３が設けられ、ボス部４１ａの外周
にはバランスウエイト６４及びロックワッシャ６５が装
着され、バランスウエイト６４及びロックワッシャ６５
はボス部４１ａの雄ネジ６３に締め込まれるロックナッ
ト６６によって固定される。

【００２８】ヒンジボール９とスラストフランジ４０と
の間のシャフト５の外周には、巻バネ４４が装着され、
この巻バネ４４によりヒンジボール９がシリンダブロッ
ク１側へ付勢されている。また、シャフト５にはストッ
パ４５が固定され、ストッパ４５とヒンジボール９との
間のシャフト５の外周には、複数の皿バネ４６及び巻バ
ネ４７が順次装着され、これらのバネ４６，４７により
ヒンジボール９がスラストフランジ４０側へ付勢されて
いる。

【００２９】次に、この揺動板式圧縮機の作動を説明す
る。

【００３０】図示しない車載エンジンの回転動力がシャ
フト５に伝達されると、シャフト５はスラストフランジ
４０及びドライブハブ４１とともに回転し、その回転に
ともなって揺動板１０が揺動し、この揺動によりピスト
ン７がシリンダボア６内を往復動し、その結果シリンダ
ボア６内の容積が変化し、この容積変化によって冷媒ガ
スの吸入、圧縮及び吐出が順次行なわれ、揺動板１０の
傾斜角度に応じた容量の高圧冷媒ガスが吐出される。

【００３１】すなわち、熱負荷が小さくなり圧力調整弁
３２が連通路３１を閉じ、クランク室８内の圧力が増加
すると揺動板１０の傾斜角度が小さくなり、これによっ
てピストン７のストローク量が少なくなって吐出容量が
減少する。

【００３２】吐出弁１７が開き、吐出ポート１６を通じ
て吐出室１２の吐出空間１２ａに吐出された冷媒ガスは
絞り孔１４ａで絞られて吐出空間１２ｂに流入し、吐出
口３ａから外部へ送り出される。また、吐出空間１２ｂ
に流入した冷媒ガスは吐出空間１２ｂ内の壁面に当たっ
てオイル分離され、冷媒ガス中のオイルが吐出空間１２
ｂの下部に溜る。吐出空間１２ｂの圧力はクランク室８
の圧力よりも高いので、オイルＯはオイル供給路５０を
通じて軸受収容室２２へ送られ、軸受収容室２２から軸
受収容室２３を通じてクランク室８に送り込まれる。す
なわち、吐出空間１２ｂ内のオイルＯは、吐出空間１２
ｂとクランク室８との圧力差により、溝５１、通路５
２、孔５９、孔５３、孔５５、溝５６を経て通路５７に
進入し、通路５７のオリフィス５８で絞られた後、小径
孔２２及び大径孔２３を通じてクランク室８に供給さ
れ、スラスト軸受２５，３３，６１，６２及びラジアル
軸受２４，２６，６０の潤滑及び冷却を行う。

【００３３】熱負荷が大きくなり圧力調整弁３２が連通
路３１を開き、クランク室８内の圧力が減少すると揺動
板１０の傾斜角度が大きくなり、これによってピストン
７のストローク量が増えて吐出容量が多くなる。

【００３４】この第１実施例の揺動板式圧縮機によれ
ば、吐出空間１２ｂ内のオイルをオイル供給路５０を通
じてクランク室８内のスラスト軸受及びラジアル軸受に
供給するようにしたので、最小吐出量状態時の冷媒流量
が少なくなるときにもオイルを十分に供給でき、スラス
ト軸受２５，３３，６１，６２及びラジアル軸受２４，
２６，６０の潤滑及び冷却を促進し、焼付きを防ぐこと
ができる。とりわけ、高速低負荷条件下のスラスト軸受
６２は大きな荷重を受けるだけに焼付き防止に有効であ
る。

【００３５】なお、前述の従来技術と異なり、前記ボル
ト１９には、吐出空間１２ａの高圧の冷媒ガスをシリン
ダブロック１の軸受収容室２２へ導くためのガイド孔が
設けられていないので、オイル供給路５０を通じて供給
されるオイルＯの送油効果が低下しない。

【００３６】図４はこの発明の第２実施例に係る揺動板
式圧縮機を示す図であって、同図（ａ）は揺動板式圧縮
機のオイル供給路を示す断面図、同図（ｂ）は同図
（ａ）のＡ−Ａ線に沿う断面図である。前述の第１実施
例と共通する部分には同一符号を付して説明を省略す
る。

【００３７】前述の第１実施例では、第１の通路として
シリンダブロック１の隔壁７８の内部に通路５２を設け
た場合について述べたが、第２実施例では、図４に示す
ように、第１の通路として、バッフルプレート１４の外
周面に軸方向に沿う溝１４ｂと隔壁７８の壁面とで通路
７０を構成し、この通路７０によって吐出空間１２ｂと
バルブプレート２の孔５３とを連通させるようにしても
よい。

【００３８】この第２実施例の揺動板式圧縮機によれ
ば、第１実施例と同様の作用効果を得ることができると
ともに、溝５１を省略でき、溝１４ｂをバッフルプレー
ト１４のプレス加工時に形成できるので、製造が容易で
コストの低減を図ることができる。

【００３９】図５はこの発明の第３実施例に係る揺動板
式圧縮機を示す図であって、同図（ａ）は揺動板式圧縮
機のオイル供給路を示す断面図、同図（ｂ）は同図
（ａ）のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。前述の第１実施
例と共通する部分には同一符号を付して説明を省略す
る。

【００４０】第３実施例では、図５に示すように、第１
の通路として、隔壁７８の壁面に軸方向に沿う溝６６ａ
と、バッフルプレート１４の外周面とで通路７１を構成
し、この通路７１によって吐出空間１２ｂとバルブプレ
ート２の孔５３とを連通させるようにしてもよい。

【００４１】この第３実施例の揺動板式圧縮機によれ
ば、第１実施例と同様の作用効果を得ることができる。

【００４２】図６はこの発明の第４実施例に係る揺動板
式圧縮機の一部を示す断面図である。前述の第１実施例
及び第２実施例と共通する部分には同一符号を付して説
明を省略する。

【００４３】前述の第１実施例では、第２の通路とし
て、バルブプレート２に軸方向に沿う孔５３を設け、第
３の通路として、シリンダブロック１のリヤ側端面に溝
５６を設けた場合について述べたが、第４実施例では、
図６に示すように、第２の通路として、バルブプレート
２の内部に軸方向に対して斜めの孔７２を設けて、第３
の通路としての溝５６を省略し、ガスケット６７に設け
られる孔５９、吸入弁２１に設けられる孔２１ａ及びガ
スケット５４に設ける孔７３をそれぞれ大きくするよう
にしてもよい。

【００４４】この第４実施例の揺動板式圧縮機によれ
ば、第１実施例と同様の作用効果を得ることができると
ともに、溝５６の加工が不要になる。

【００４５】図７はこの発明の第５実施例に係る揺動板
式圧縮機の一部を示す断面図である。前述の第１実施例
及び第２実施例と共通する部分には同一符号を付して説
明を省略する。

【００４６】前述の第１実施例では、第２の通路とし
て、バルブプレート２に軸方向に沿う孔５３を設け、第
３の通路として、シリンダブロック１のリヤ側端面に溝
５６を設けた場合について述べたが、第５実施例では、
図７に示すように、第２の通路として、バルブプレート
２に軸方向に沿う通路７４を設け、バルブプレート２の
フロント側端面に設けられた溝７５と吸入弁シート５４
とで通路７７を構成してもよい。

【００４７】この第５実施例の揺動板式圧縮機によれ
ば、第１実施例と同様の作用効果を得ることができる。

【００４８】

【発明の効果】以上説明したように請求項１記載の発明
の揺動板式圧縮機によれば、冷媒流量が少なくなる最小
吐出量状態時においても、オイルをクランク室内に十分
に供給できるので、駆動力伝達部材を揺動可能に支持す
るスラスト軸受の潤滑及び冷却を促進させることがで
き、焼付きを防ぐことができる。

【００４９】請求項２記載の発明の揺動板式圧縮機によ
れば、軸受収容室を介してオイル供給路からのオイルを
クランク室内に供給するようにしたので、軸受収容室内
に収容された軸受も潤滑及び冷却され、焼付きを防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はこの発明の第１実施例に係る揺動板式圧
縮機を示す縦断面図である。

【図２】図２は図１の揺動板式圧縮機のシリンダブロッ
クのリヤ側端面を示す図である。

【図３】図３は第１実施例に係る揺動板式圧縮機の図１
と異なる断面の一部を示す拡大断面図である。

【図４】図４はこの発明の第２実施例に係る揺動板式圧
縮機を示す図である。

【図５】図５はこの発明の第３実施例に係る揺動板式圧
縮機を示す図である。

【図６】図６はこの発明の第４実施例に係る揺動板式圧
縮機の一部を示す断面図である。

【図７】図７はこの発明の第５実施例に係る揺動板式圧
縮機の一部を示す断面図である。

【図８】図８は従来の揺動板式圧縮機を示す縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１シリンダブロック２バルブプレート３シリンダヘッド５シャフト６シリンダボア８クランク室１０揺動板１２吐出室１２ａ，１２ｂ高圧空間１３吸入室１４バッフルプレート１４ａ絞り孔１４ｂ，５１，５６，６６ａ，７５溝４０スラストフランジ２２，２３軸受収容室２４，２６，６０ラジアル軸受２５，３３，６１，６２スラスト軸受４１ドライブハブ５０オイル供給路５８オリフィス５２，７０，７１，７５通路５３，５５，５９，７２，７３，７４孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者石田欣之埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地株式会社ゼクセル江南工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転軸と一体に回転する駆動力伝達部材
と、前記駆動力伝達部材にスラスト軸受を介して揺動可能に
装着され、前記駆動力伝達部材の回転に連れて揺動する
揺動板と、前記シリンダブロックの一端面にバルブプレートを介し
て固定され、内部に高圧室を有するシリンダヘッドと、前記高圧室内を第１の高圧空間と第２の高圧空間とに仕
切るバッフルプレートとを備え、前記シリンダボア内で圧縮された冷媒ガスが前記バルブ
プレートに設けられた吐出ポートを通じて前記第１の高
圧空間に吐出され、前記第１の高圧空間内の冷媒ガスが
前記バッフルプレートに設けられた孔を通じて前記第２
の高圧空間内に送り出される揺動板式圧縮機において、前記第２の高圧空間内でオイル分離されたオイルを前記
駆動力伝達部材及び前記揺動板が収容されるクランク室
内に供給するオイル供給路を備えていること特徴とする
揺動板式圧縮機。
【請求項２】前記オイル供給路は、少なくとも、前記
シリンダヘッドに設けられた第１の通路と、前記バルブ
プレートに設けられた第２の通路と、前記シリンダブロ
ックに設けられた第３の通路とを有し、前記第３の通路の途中に前記クランク室に供給するオイ
ルの量を絞る絞りを設け、前記回転軸の一端部を回転可能に支持する軸受を収容
し、且つ前記クランク室と連通する軸受収容室を、前記
シリンダヘッドに設け、この軸受収容室を通じて前記第
３の通路からのオイルを前記クランク室内に供給するよ
うにしたこと特徴とする請求項１記載の揺動板式圧縮
機。