JPH0828407A - フューエルインジェクタ - Google Patents

フューエルインジェクタ

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Publication number
JPH0828407A
JPH0828407A JP18190294A JP18190294A JPH0828407A JP H0828407 A JPH0828407 A JP H0828407A JP 18190294 A JP18190294 A JP 18190294A JP 18190294 A JP18190294 A JP 18190294A JP H0828407 A JPH0828407 A JP H0828407A
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JP
Japan
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valve
valve seat
valve body
seat
casing
Prior art date
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Application number
JP18190294A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Misawa
智一 三澤
Kazumitsu Kobayashi
一光 小林
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁体の開弁時に電磁アクチュエータで発生す
べき磁力を小さくし、消費電力を低減させると共に、開
弁時の応答性を向上させる。 【構成】 バルブシート22の上面22A側に一定の傾
斜角θをもって斜めに傾斜する傾斜面部22Bを形成す
ると共に、傾斜面部22Bに対して垂直に凹設され円錐
形状なす弁座22Cを形成し、弁座22Cの軸線をケー
シング21(噴射穴22E)の軸線O−Oに対して傾斜
角θだけ斜めに傾斜させる。そして、ボール弁体32を
ケーシング21の軸線O−Oに沿って弁ばね33で弁座
22C上に押圧すると共に、コアロッド24からの磁力
でボール弁体32を駆動して弁座22Cから離座させ
る。また、ボール弁体32と弁座22Cとの間に発生す
る密着力Fc の方向を、ボール弁体32の駆動方向から
傾斜角θ分だけ異ならしめ、密着力Fc に対抗するボー
ル弁体32の開弁力F1 を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車等の電子
制御式燃料噴射装置に用いて好適なフューエルインジェ
クタに関し、特に、開弁時の応答性を向上させるように
したフューエルインジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】図12ないし図14に従来技術のフュー
エルインジェクタを示す。
【0003】図において、1は電磁ステンレス鋼等の磁
性材料によって略筒状に形成されたインジェクタ本体を
示し、該インジェクタ本体1には燃料の流入口1A,1
Aおよび戻り口1B等がそれぞれ径方向に設けられ、該
各流入口1Aおよび戻り口1Bはそれぞれ燃料配管等を
介して燃料ポンプおよびタンク(いずれも図示せず)に
接続される。そして、この燃料ポンプにより圧送される
燃料は、フィルタ2を介して各流入口1Aからインジェ
クタ本体1内に流入し、その一部は戻り口1Bからタン
ク側へと戻される。また、該インジェクタ本体1の先端
側は所定の内径をもって筒状に形成され、その先端面に
は環状溝1Cの内周側に位置してリング状の当り面1D
が形成されている。
【0004】3はインジェクタ本体1に内蔵された電磁
アクチュエータとしてのソレノイドを示し、該ソレノイ
ド3はインジェクタ本体1内を軸方向に伸長するコア筒
4の先端側外周に固着されている。そして、該ソレノイ
ド3は端子ピン5を介して外部から噴射信号が入力され
ると、これによって励磁されコア筒4の先端側から後述
のアンカプレート11に向けて磁力を発生させる。
【0005】6はインジェクタ本体1の先端側外周にカ
シメ等の手段を用いて固着され、インジェクタ本体1の
一部を構成したノズルホルダを示し、該ノズルホルダ6
は非磁性の金属材料等により段付き筒状に形成され、そ
の先端側内周には後述のシート部材7が固着されてい
る。
【0006】7はインジェクタ本体1の先端側にノズル
ホルダ6を介して設けられたシート部材を示し、該シー
ト部材7は高強度の金属材料等により厚肉のリング状に
形成され、内周側は軸穴7Aとなっている。そして、該
シート部材7の上面側(一側面)には軸穴7Aと同一の
軸線上に位置して弁座7Bが凹湾曲状に形成され、該弁
座7Bには後述の弁体9が離,着座する。
【0007】8はシート部材7の軸穴7A内に固着され
た噴射ノズルで、該噴射ノズル8は金属材料等により有
蓋筒状に形成され、その蓋部8A側には周方向に等間隔
をもって複数の噴射孔8Bが斜めに穿設されている。そ
して、該噴射ノズル8は弁体9の開弁時に、インジェク
タ本体1内の燃料を各噴射孔8Bを介して外部へと噴射
させる。
【0008】9はインジェクタ本体1とノズルホルダ6
との間に皿ばね10を介して配設された弁体を示し、該
弁体9は非磁性の金属材料により半球形状をなす弁体と
して形成され、インジェクタ本体1内のソレノイド3で
駆動されることによって、シート部材7の弁座7Bに
離,着座し軸穴7Aを開閉する。また、該弁体9は皿ば
ね10によってノズルホルダ6の径方向に位置決めさ
れ、ノズルホルダ6の軸方向には上,下に変位可能とな
っている。
【0009】11は弁体9の背面側に溶接等の手段を用
いて固着されたアンカプレートで、該アンカプレート1
1は電磁ステンレス鋼等の磁性材料によって略円皿状に
形成され、その径方向中間部は略く字形状に屈曲されて
いる。そして、該アンカプレート11は、ソレノイド3
が励磁されることによってコア筒4の先端側に磁力が発
生したときに、該コア筒4の先端側に向けて弁体9と共
に吸引され、該弁体9を開弁方向に変位(駆動)させ
る。また、該アンカプレート11の外周側は、その上面
が弁体9の開弁時にインジェクタ本体1の当り面1Dに
当接し、該弁体9の最大開度(リフト量)を規制する。
【0010】12は弁体9を常時閉弁方向に付勢した弁
ばね、13は該弁ばね12のばね荷重を調整すべく、コ
ア筒4内に挿嵌された調整ロッドを示し、該調整ロッド
13の基端側外周には複数本の山溝部13Aが形成さ
れ、該山溝部13Aにはコア筒4のカシメ部4Aが係合
するものである。そして、該調整ロッド13はコア筒4
内でカシメ部4Aにより軸方向に位置決めされ、これに
よって、弁ばね12のばね荷重を所要の大きさに調整す
るようになっている。
【0011】従来技術によるフューエルインジェクタは
上述の如き構成を有するもので、その噴射量の制御はコ
ントロールユニット(図示せず)からの噴射信号によっ
て行われる。
【0012】まず、コントロールユニットから噴射信号
が出力されないときには、弁ばね12のばね荷重によっ
て弁体9は弁座7B上に着座し、噴射ノズル8からの燃
料の噴射を停止させる。
【0013】そして、噴射信号が出力される度毎にソレ
ノイド3が励磁され、コア筒4の先端側に弁体9をアン
カプレート11を介して吸引することにより弁体9を開
弁させ、インジェクタ本体1内の燃料を噴射ノズル8か
ら外部に向けて噴射させる。このとき、アンカプレート
11の外周側はインジェクタ本体1の当り面1Dに当接
し、弁体9の最大開度を規制する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、弁体9の開弁時にソレノイド3でコア筒4
の先端側に発生させる磁力を、図13に示すように弁体
9の重心Gに吸引力Faとして作用させ、この吸引力Fa
を弁ばね12のばね荷重(以下、ばね力Fb という)
よりも大きくすることにより、弁体9を弁ばね12に抗
して開弁させる構成としている。
【0015】しかし、従来技術によるフューエルインジ
ェクタは、金属材料からなる弁体9をシート部材7の弁
座7Bに着座させることによって該弁座7Bと弁体9と
の間をシールしている上に、長期間に亘ってソレノイド
3の励磁を繰返すときには、弁体9がその度毎にシート
部材7の弁座7Bに離,着座して、該弁座7Bを叩き続
けるから、該弁座7Bと弁体9とのシール面は面粗度が
徐々に小さくなって鏡面状態となり、弁体9の外周面が
シート部材7の弁座7Bに密着する密着現象を起すこと
がある。さらに、この弁座7Bはシート部材7の軸穴7
Aと同軸上に位置し、弁体9の駆動方向に対して同一方
向をなすように形成されている。
【0016】このため、従来技術では、弁座7Bと弁体
9との間に発生する密着力Fc が、図14に示す如く弁
ばね12のばね力Fb と同一方向で加算されるようにな
り、ソレノイド3でコア筒4の先端側に発生させる磁力
(吸引力Fa )をさらに大きくしない限り、弁体9の開
弁動作が遅れてしまい、開弁時の応答性が悪くなる上
に、噴射流量にバラツキが生じ、空燃比制御が難しくな
るという問題がある。
【0017】さらに、ソレノイド3でコア筒4の先端側
に発生させる磁力(吸引力Fa )を大きくするために
は、噴射パルスの電流値を大きくする必要があるから、
燃料噴射時の消費電力が余分に増大してしまい、これに
よっても燃料が消費され燃費性能が悪くなるという問題
がある。
【0018】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は弁体の開弁時に電磁アクチュエ
ータによって発生させる磁力を小さくでき、消費電力を
低減できる上に、開弁時の応答性を向上でき、空燃比制
御を安定させて行い得るようにしたフューエルインジェ
クタを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、電磁アクチュエータを内
蔵したインジェクタ本体と、該インジェクタ本体の先端
側に設けられ、一側面に弁座が形成されたシート部材
と、該シート部材の弁座に離,着座するように前記イン
ジェクタ本体内に設けられ、前記電磁アクチュエータに
よってインジェクタ本体の軸方向に駆動される弁体とか
らなるフューエルインジェクタにおいて、前記シート部
材の弁座は、前記弁体の駆動方向に対して斜めに傾斜す
るように一定の傾斜角をもって形成したことを特徴とし
てなる構成を採用している。
【0020】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、前記シート部材の内周側には、前記弁体の開弁時に
インジェクタ本体内の燃料を外部に向けて噴射させる燃
料の噴射穴を穿設し、前記弁座はシート部材の一側面か
ら該噴射穴側に向けて漸次縮径する円錐形状をなし、か
つ該噴射穴の軸線に対して斜めに傾斜する構成とするの
が好ましい。
【0021】また、請求項3に記載の発明のように、前
記弁座を、前記噴射穴の軸線に対し1〜10度前,後の
傾斜角をもって前記シート部材の一側面に形成するのが
好ましい。
【0022】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記弁体を、少なくとも前記シート部材の弁座に離,着
座する部位が球形状をなすように構成してもよい。
【0023】
【作用】上記構成により、請求項1に記載の発明では、
シート部材の弁座を、弁体の駆動方向に対して斜めに傾
斜させているから、弁体と弁座との間に発生する密着力
の方向を、弁体の駆動方向とは異なる方向にずらすこと
ができ、この密着力による弁体の開弁遅れの影響を確実
に減じることができる。
【0024】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、弁座をシート部材の一側面から噴射穴側に向けて漸
次縮径する円錐形状に形成し、かつ該噴射穴の軸線に対
して斜めに傾斜させることにより、弁体を弁座に対して
確実に離,着座させることができると共に、開弁時にお
ける前記密着力の影響をさらに確実に減じることができ
る。
【0025】また、請求項3に記載の発明のように、噴
射穴の軸線に対し1〜10度前,後の傾斜角をもって弁
座を傾斜させることにより、弁体の開,閉弁動作を安定
させることができる。
【0026】さらに、請求項4に記載の発明のように、
少なくとも弁座に離,着座する弁体の部位を球形状に形
成することによって、該弁体を弁座に対して円滑に離,
着座させることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
基づいて説明する。
【0028】まず、図1ないし図3に本発明の第1の実
施例を示す。
【0029】図中、21はインジェクタ本体を構成する
筒状のケーシングを示し、該ケーシング21は電磁ステ
ンレス鋼等の磁性材料により段付き円筒状に形成され、
先端側がカシメ部21Aとなった大径の筒状部21B
と、該筒状部21Bの基端側に環状段部21Cを介して
一体形成され、該筒状部21Bよりも小径となった筒状
ヘッド部21Dとから構成されている。そして、該ケー
シング21の筒状ヘッド部21Dには燃料の流通穴21
E,21E,…が径方向に穿設され、該各流通穴21E
は燃料配管等を介して燃料ポンプ(いずれも図示せず)
からの燃料をケーシング21内に流通させるようになっ
ている。
【0030】22はケーシング21の筒状部21B先端
側にカシメ部21Aを介して設けられたシート部材とし
てのバルブシートを示し、該バルブシート22は非磁性
の金属材料によって厚肉の円板状に形成され、ケーシン
グ21の軸線O−Oに対して直交する一側面としての上
面22A側には図2に示すように、傾斜面部22Bと円
錐形状なす弁座22Cとが凹設されている。そして、該
傾斜面部22Bは弁座22Cと共に上面22Aに対して
一定の傾斜角θ(例えば1〜10度前,後で、好ましく
は5度程度)をもって斜めに傾斜し、弁座22Cは傾斜
面部22Bから後述の噴射穴22E側に向けて漸次縮径
する円錐形状の凹部として形成されている。
【0031】また、バルブシート22の下面側にはテー
パ状の拡開部22Dが形成され、該拡開部22Dと弁座
22Cとの間には、ケーシング21内の燃料を弁座22
C側から拡開部22D側に向けて外部へと噴射させる噴
射穴22Eがバルブシート22の軸方向に穿設されてい
る。そして、該噴射穴22Eの軸線はケーシング21の
軸線O−Oに一致し、弁座22Cの軸線はこの軸線O−
Oに対して前記傾斜角θだけ斜めに傾斜している。
【0032】23はケーシング21の筒状部21B内に
設けられたコア筒を示し、該コア筒23は電磁ステンレ
ス鋼等の磁性材料により段付き筒状に形成され、後述の
電磁コイル25等と共に電磁アクチュエータを構成して
いる。また、該コア筒23内にはコアロッド24が挿嵌
され、該コアロッド24の先端側は小径部24Aとなっ
て後述の弁ばね33をコア筒23内で径方向に位置決め
している。そして、該コアロッド24も電磁ステンレス
鋼等の磁性材料からなり、小径部24Aの先端側で後述
のボール弁体32に向けて磁力を発生させる。
【0033】25はケーシング21とコア筒23との間
にコイルボビン26を介して設けられたソレノイドを構
成する電磁コイルを示し、該電磁コイル25はコア筒2
3およびコアロッド24等と共に電磁アクチュエータを
構成し、後述の各端子ピン28を介して外部から噴射信
号が給電されることにより励磁される。そして、該電磁
コイル25はコアロッド24の小径部24A先端側に磁
力を発生させることによって、ボール弁体32を弁ばね
9に抗して開弁方向に駆動する。
【0034】27はケーシング21の環状段部21Cと
コア筒23の上端側との間に位置決めされた蓋体を示
し、該蓋体27は非磁性の絶縁性材料により段付きの円
板状に形成され、ケーシング21内で一対の端子ピン2
8,28を位置決めしている。そして、該各端子ピン2
8は一端側が電磁コイル25に接続され、他端側がケー
シング21の筒状ヘッド部21Dから外部に突出してい
る。また、コア筒23,蓋体27の外周側には切欠き2
3A,27Aが形成され、該切欠き23A,27Aは前
記各流通穴21Eからの燃料をケーシング21の環状段
部21Cとの間を介して筒状部21B内に流通させるよ
うになっている。
【0035】29は蓋体27との間でコア筒23等をケ
ーシング21の筒状部21B内に位置決めするストッパ
を示し、該ストッパ29は非磁性の金属材料により厚肉
の環状板として形成され、その内周側にはボール弁体3
2の最大開度を規制する環状の突起部29Aが形成され
ている。また、該ストッパ29の外周側には燃料の流通
を許す切欠き29Bが形成され、該切欠き29Bはコイ
ルボビン26の切欠き26Aと連通している。
【0036】30はバルブシート22とストッパ29と
の間に環状のスペーサ31を介して配設された弁ガイド
を示し、該弁ガイド30は非磁性の金属材料により厚肉
の環状板として形成され、その内周側でボール弁体32
をケーシング21の軸線O−Oに沿って軸方向に案内す
ると共に、該ボール弁体32が径方向に位置ずれするの
を規制している。一方、スペーサ31は磁性材料により
形成され、内周側にはボール弁体32が軸方向に変位す
るのを許すようにテーパ穴31Aが形成されている。そ
して、該スペーサ31はケーシング21、コア筒23お
よびコアロッド24と共にボール弁体32を介する磁路
を形成している。
【0037】ここで、スペーサ31の外周側にはストッ
パ29の切欠き29Bに連通する切欠き31Bが形成さ
れ、弁ガイド30の外周側には該切欠き31Bをバルブ
シート22の傾斜面部22Bに連通させる他の切欠き3
0Aが断面L字形状をなして形成されている。そして、
これらの切欠き29B,31B,30Aはケーシング2
1の筒状部21B内に流入した燃料をバルブシート22
の傾斜面部22B内に導き、ボール弁体32の開弁時に
噴射穴22Eから外部に向けて噴射させるようになって
いる。
【0038】32はバルブシート22とコアロッド24
との間に位置して弁ガイド30、スペーサ31内等に軸
方向に変位可能に設けられた弁体としてのボール弁体
で、該ボール弁体32は磁性を有する高強度の金属材料
により球形状に形成され、コアロッド24の小径部24
A先端側からの磁力により、ケーシング21の軸線O−
Oに沿って軸方向に駆動される。そして、該ボール弁体
32はバルブシート22の弁座22Cから離座して噴射
穴22Eを開くことにより、該噴射穴22Eからケーシ
ング21内の燃料を外部に噴射させ、このときにストッ
パ29の突起部29Aに当接して最大開度が規制され
る。
【0039】33はボール弁体32とコアロッド24の
肩部24Bとの間に環状のばね受34を介して配設され
た弁ばねを示し、該弁ばね33はボール弁体32を常時
閉弁方向に付勢し、該ボール弁体32をバルブシート2
2の弁座22Cに着座させることにより両者の間をシー
ルする構成となっている。また、該弁ばね33のばね荷
重はばね受34の厚さや枚数を変えたり、またはコア筒
23内でコアロッド24を軸方向に位置決めするときの
位置調整等により可変に調整される。そして、該弁ばね
33はボール弁体32の重心Gに従来技術で述べた如
く、例えばばね力Fb を図14に示すように下向きに作
用させるものである。
【0040】35,35はケーシング21の筒状ヘッド
部21D内で各端子ピン28の外周側に装着されたシー
ル部材としてのOリング、36は各端子ピン28の周囲
で該各Oリング35を位置決めしたシール押えを示し、
該シール押え36は各Oリング35の上側からケーシン
グ21の筒状ヘッド部21D内に嵌合されている。
【0041】37はシール押え36の上側からケーシン
グ21の筒状ヘッド部21D内に螺着された筒状ナット
を示し、該筒状ナット37はケーシング21の前記各流
通穴21Eよりも上側で筒状ヘッド部21D内に各Oリ
ング35およびシール押え36を位置決めしている。さ
らに、38はケーシング21の筒状部21Bとバルブシ
ート22との間をシールした他のシール部材としてのO
リングである。
【0042】本実施例によるフューエルインジェクタは
上述の如き構成を有するもので、次にその動作について
説明する。
【0043】まず、燃料ポンプからの燃料はケーシング
21の各流通穴21E等を介して筒状部21B内に流入
し、ストッパ29,スペーサ31および弁ガイド30の
切欠き29B,31Bおよび30Aを介してバルブシー
ト22の傾斜面部22B内に導かれる。このとき、外部
のコントロールユニット(図示せず)から電磁コイル2
5に噴射信号が給電されるまでの間は、弁ばね33のば
ね荷重によってボール弁体32がバルブシート22の弁
座22C上に着座し、噴射穴22Eからの燃料の噴射を
停止させる。
【0044】そして、コントロールユニットから噴射信
号が出力されると、その度毎に電磁コイル25が励磁さ
れてコアロッド24の小径部24A先端側に磁力が発生
するから、このときの磁力でボール弁体32を弁ばね3
3に抗してコアロッド24の小径部24A先端側に向け
吸引し、ボール弁体32をケーシング21の軸線O−O
に沿って軸方向に駆動する。
【0045】この結果、ボール弁体32はバルブシート
22の弁座22Cから離座して開弁状態となり、ケーシ
ング21内の燃料を噴射穴22Eから外部に向けて噴射
させる。そして、このときにはストッパ29の内周側に
位置する環状の突起部29Aがボール弁体32の上端側
外周面に当接することにより、該ボール弁体32の最大
開度を規制する。
【0046】而して、本実施例によれば、バルブシート
22の上面22A側に一定の傾斜角θ(例えば1〜10
度前,後で、好ましくは5度程度)をもって斜めに傾斜
する傾斜面部22Bを形成すると共に、該傾斜面部22
Bに対して垂直に凹設され円錐形状なす弁座22Cを形
成し、該弁座22Cの軸線をケーシング21(噴射穴2
2E)の軸線O−Oに対して傾斜角θだけ斜めに傾斜さ
せる構成としたから、下記のような作用効果を得ること
ができる。
【0047】即ち、ボール弁体32はケーシング21の
軸線O−Oに沿って常時は弁ばね33で弁座22C上に
押圧(着座)され、コアロッド24からの磁力で駆動さ
れるときに弁座22Cから離座するのに対し、バルブシ
ート22の弁座22Cは軸線O−Oから傾斜角θ分だけ
斜めに傾いているから、ボール弁体32と弁座22Cと
の間に発生する密着力Fc の方向を図2、図3に示す如
く、ボール弁体32の駆動方向(軸線O−O)から傾斜
角θ分だけ異なる方向にずらすことができ、この密着力
Fc に対抗するボール弁体32の開弁力F1 を、
【0048】
【数1】F1 =Fc1=Fc ×cosθ として、コアロッド24からの磁力でボール弁体32の
重心Gに加えるべき開弁力F1 を、ボール弁体32と弁
座22Cとの間の密着力Fc よりも確実に小さくするこ
とができる。
【0049】この結果、電磁コイル25を励磁してコア
ロッド24の小径部24A先端側に発生させるべき磁力
を、弁ばね33のばね荷重よりも僅かに大きくするだけ
で、高い応答性をもってボール弁体32を開弁でき、密
着力Fc によるボール弁体32の開弁遅れの影響を効果
的に減じることができる。そして、球形状をなすボール
弁体32をケーシング21内の弁ガイド30等で軸方向
に案内することにより、ボール弁体32を弁座22Cに
対して円滑に離,着座させることができると共に、ボー
ル弁体32の開弁,閉弁動作を確実に安定させることが
できる。
【0050】従って、本実施例によれば、ボール弁体3
2の開弁時に電磁コイル25等によって発生させるべき
磁力を効果的に小さくでき、消費電力を低減できる上
に、開弁時の応答性を確実に向上でき、空燃比制御を安
定させて行うことができる等、種々の効果を奏する。
【0051】次に、図4および図5は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、弁座上に離,着座する
弁体を、球形状のボール部と、一端側が該ボールに固着
され他端側が軸方向に延びた筒部とから構成し、該筒部
を磁性材料によって形成する構成としたことにある。な
お、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0052】図中、41はインジェクタ本体を構成する
筒状のケーシングを示し、該ケーシング41は前記第1
の実施例で述べたケーシング21と同様に電磁ステンレ
ス鋼等の磁性材料により段付き円筒状に形成され、先端
側がカシメ部41Aとなった大径の筒状部41B等を有
しているものの、該ケーシング41は筒状部41Bの長
さ寸法を、後述する弁体45の筒部45B等に対応させ
て長くしている。
【0053】42はコア筒23等をケーシング41の筒
状部41B内に位置決めするストッパを示し、該ストッ
パ42は前記第1の実施例で述べたストッパ29とほぼ
同様に非磁性の金属材料により厚肉の環状板として形成
され、その内周側には弁体45の最大開度を規制する環
状の突起部42Aが形成されている。また、該ストッパ
42の外周側には燃料の流通を許す切欠き42Bが形成
され、該切欠き42Bはコイルボビン26の切欠き26
Aと連通している。
【0054】43はバルブシート22とストッパ42と
の間に環状のスペーサ44を介して配設された弁ガイド
を示し、該弁ガイド43は前記第1の実施例で述べた弁
ガイド30と同様に非磁性の金属材料により形成されて
いるものの、該弁ガイド43は弁体45に対応して長さ
寸法が長くなっている。そして、該弁ガイド43はその
内周側で弁体45をケーシング41の軸線O−Oに沿っ
て軸方向に案内すると共に、該弁体45が径方向に位置
ずれするのを規制している。
【0055】一方、スペーサ44は磁性材料により環状
平板として形成され、その内周側で弁体45を軸方向に
摺動変位させる。そして、該スペーサ44はケーシング
41、コア筒23およびコアロッド24と共に弁体45
の筒部45Bを介する磁路を形成している。ここで、ス
ペーサ44の外周側にはストッパ42の切欠き42Bに
連通する切欠き44Aが形成され、弁ガイド43の外周
側には該切欠き44Aをバルブシート22の傾斜面部2
2Bに連通させる他の切欠き43Aが断面L字形状に形
成されている。そして、これらの切欠き42B,44
A,43Aはケーシング41の筒状部41B内に流入し
た燃料をバルブシート22の傾斜面部22B内に導き、
弁体45の開弁時に噴射穴22Eから外部に向けて噴射
させる。
【0056】45はバルブシート22とコアロッド24
との間に位置して弁ガイド43、スペーサ44内等に軸
方向に変位可能に設けられた弁体を示し、該弁体45は
図5に示す如く、高強度の非磁性材料により球形状に形
成されたボール部45Aと、電磁ステンレス鋼等の磁性
材料により円筒状に形成され、該ボール部45Aに対応
する外径を有した筒部45Bとからなり、該筒部45B
の下端(一端)側はボール部45Aに対応する曲率をも
って凹湾曲状に形成されている。そして、該筒部45B
は下端側がボール部45Aの外周面に固着され、上端側
が弁ばね33側に向けて軸方向に延びている。
【0057】ここで、本実施例による弁体45は、コア
ロッド24の小径部24Aおよびコア筒23の先端側か
ら筒部45Bに磁力が作用することによって上向きに吸
引され、ケーシング41の軸線O−Oに沿って軸方向に
駆動される。そして、該弁体45はボール部45Aがバ
ルブシート22の弁座22Cから離座して噴射穴22E
を開くことにより、該噴射穴22Eからケーシング41
内の燃料を外部に噴射させ、このときに筒部45Bの上
端側に形成した環状段部45Cがストッパ42の突起部
42Aに当接して最大開度が規制される。
【0058】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、弁体45のボール部
45Aを高強度の非磁性材料で形成し、該ボール部45
Aに磁性材料を用いる必要がなくなるので、材料の選択
幅を広げることができ、ボール部45Aの耐久性を大幅
に向上させることができる。
【0059】次に、図6は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一符号を付し、その説明を省略するものとする。しか
し、本実施例の特徴は、弁座22C上に離,着座する弁
体51を磁性材料によって、一端側(下端側)が球形部
51Aとなる砲弾形状に形成し、該弁体51を前記第2
の実施例で述べた弁体45に替えて用いるようにしたこ
とにある。
【0060】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0061】次に、図7は本発明の第4の実施例を示
し、本実施例の特徴は、弁体61を磁性材料によって、
一端側(下端側)が球形部61Aとなる砲弾形状に形成
すると共に、球形部61Aの先端側端面を平坦面61B
として形成し、該弁体61を前記第2の実施例で述べた
弁体45に替えて用いるようにしたことにある。
【0062】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第3の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0063】次に、図8は本発明の第5の実施例を示
し、本実施例の特徴は、弁体71を磁性材料によって、
一端側(下端側)が球形部71Aとなる砲弾形状に形成
すると共に、球形部71Aの先端側には円錐状の突出部
71Bを一体形成したことにある。
【0064】ここで、本実施例による弁体71は前記第
2の実施例で述べた弁体45に替えて用いられるが、こ
の場合には、バルブシート22の弁座22Cを弁体71
の突出部71Bに対応させて深底で、突出部71Bより
も大径の円錐形状に形成するようにすればよい。
【0065】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第3の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0066】次に、図9は本発明の第6の実施例を示
し、本実施例の特徴は、弁座上に離着座する弁体を、球
形状のボール部と、一端側が該ボールに固着され他端側
が軸方向に延びた短尺の小径筒部と、一端側が該小径筒
部の他端側外周に固着され他端側が軸方向に延びた短尺
の大径筒部とから構成し、該大径筒部を磁性材料によっ
て形成するようにしたことにある。なお、本実施例では
前記第1の実施例と同一の構成要素に同一符号を付し、
その説明を省略するものとする。
【0067】図中、81はインジェクタ本体を構成する
筒状のケーシングを示し、該ケーシング81は前記第1
の実施例で述べたケーシング21と同様に電磁ステンレ
ス鋼等の磁性材料により段付き円筒状に形成され、先端
側がカシメ部81Aとなった大径の筒状部81B等を有
しているものの、該ケーシング81は筒状部81Bの長
さ寸法を、後述する弁体88の小径筒部88B、大径筒
部88C等に対応させて長くしている。
【0068】82はケーシング81の筒状部81B先端
側にカシメ部81Aを介して設けられたシート部材とし
てのバルブシートを示し、該バルブシート82は非磁性
の金属材料によって厚肉の円板状に形成され、ケーシン
グ81の軸線O−Oに対して直交する一側面としての上
面82A側には図9に示すように、円錐形状なす弁座8
2Bが凹設されている。そして、該弁座82Bは上面8
2Aに対して一定の傾斜角θ(例えば1〜10度前,後
で、好ましくは5度程度)をもって斜めに傾斜し、上面
82A側から後述の噴射穴82D側に向けて漸次縮径す
る円錐形状の凹部として形成されている。
【0069】また、バルブシート82の下面側にはテー
パ状の拡開部82Cが形成され、該拡開部82Cと弁座
82Bとの間には、ケーシング81内の燃料を弁座82
B側から拡開部82C側に向けて外部へと噴射させる噴
射穴82Dがバルブシート82の軸方向に穿設されてい
る。そして、該噴射穴82Dの軸線はケーシング81の
軸線O−Oに一致し、弁座82Bの軸線はこの軸線O−
Oに対して前記傾斜角θだけ斜めに傾斜している。
【0070】83はケーシング81の筒状部81B内に
設けられたコア筒を示し、該コア筒83は前記第1の実
施例で述べたコア筒23と同様に電磁ステンレス鋼等の
磁性材料により段付き筒状に形成され、電磁コイル25
等と共に電磁アクチュエータを構成している。そして、
コア筒83の先端(下端)側端面83Aは後述する大径
筒部88Cの端面と軸方向で対向している。また、該コ
ア筒83内にはコアロッド84が挿嵌され、該コアロッ
ド84の先端側は小径部84Aとなって後述の弁ばね8
9をコア筒83内で径方向に位置決めしている。そし
て、該コアロッド84も電磁ステンレス鋼等の磁性材料
からなり、小径部84Aの先端側で後述する弁体88の
大径筒部88Cに向けて磁力を発生させる。
【0071】85はコイルボビン26等をケーシング8
1の筒状部81B内に位置決めしたストッパを示し、該
ストッパ85は前記第1の実施例で述べたストッパ29
とほぼ同様に非磁性の金属材料により厚肉の環状板とし
て形成され、その内周側にはコア筒83の先端側が嵌合
されている。また、該ストッパ85の外周側には燃料の
流通を許す切欠き85Bが形成され、該切欠き85Bは
コイルボビン26の切欠き26Aと連通している。
【0072】86はバルブシート82とストッパ85と
の間に環状のスペーサ87を介して配設された弁ガイド
を示し、該弁ガイド86は前記第1の実施例で述べた弁
ガイド30と同様に非磁性の金属材料により形成されて
いるものの、該弁ガイド86は弁体88に対応して長さ
寸法が長くなっている。そして、該弁ガイド86はその
内周側が段付き穴86Aとなり、該段付き穴86Aは弁
体88の小径筒部88Bおよび大径筒部88Cをケーシ
ング81の軸線O−Oに沿って軸方向に案内すると共
に、該弁体88が径方向に位置ずれするのを規制してい
る。
【0073】また、スペーサ87は磁性材料により環状
平板として形成され、その内周側で弁体88の大径筒部
88Cを軸方向に摺動変位させる。そして、該スペーサ
87はケーシング81、コア筒83およびコアロッド8
4と共に弁体88の大径筒部88Cを介する磁路を形成
している。さらに、スペーサ87の外周側にはストッパ
85の切欠き85Bに連通する切欠き87Aが形成さ
れ、弁ガイド86の外周側には該切欠き87Aをバルブ
シート82の弁座82B側に連通させる他の切欠き86
Bが断面L字形状をなして形成されている。そして、こ
れらの切欠き85B,87A,86Bはケーシング81
の筒状部81B内に流入した燃料をバルブシート82の
上面82A側に導き、弁体88の開弁時に噴射穴82D
から外部に向けて噴射させる。
【0074】88はバルブシート82とコアロッド84
との間に位置して弁ガイド86、スペーサ87内等に軸
方向に変位可能に設けられた弁体を示し、該弁体88
は、高強度の非磁性材料により球形状に形成されたボー
ル部88Aと、該ボール部88Aと同様に非磁性材料に
より円筒状に形成され、該ボール部88Aに対応する外
径を有した短尺の小径筒部88Bと、電磁ステンレス鋼
等の磁性材料によって短尺の段付き円筒状に形成され、
該小径筒部88Bの外周側に嵌合して固着された大径筒
部88Cとからなり、小径筒部88Bの下端(一端)側
はボール部88Aに対応する曲率をもって凹湾曲状に形
成されている。そして、該小径筒部88Bは下端側がボ
ール部88Aの外周面に固着され、大径筒部88Cの上
端側はコア筒83側に向けて軸方向に延びている。
【0075】ここで、本実施例による弁体88は、コア
ロッド84の小径部84Aおよびコア筒83の先端側か
ら大径筒部88Cに磁力が作用することによって上向き
に吸引され、ケーシング81の軸線O−Oに沿って軸方
向に駆動される。そして、該弁体88はボール部88A
がバルブシート82の弁座82Bから離座して噴射穴8
2Dを開くことにより、該噴射穴82Dからケーシング
81内の燃料を外部に噴射させ、このときに大径筒部8
8Cの外周側に形成した環状段部88Dがスペーサ87
の下面側に当接して最大開度が規制される。
【0076】89は弁体88の小径筒部88B上端とコ
アロッド84の肩部84Bとの間に環状のばね受90を
介して配設された弁ばねを示し、該弁ばね89は弁体8
8を常時閉弁方向に付勢し、該弁体88のボール部88
Aをバルブシート82の弁座82Bに着座させることに
より両者の間をシールする構成となっている。また、該
弁ばね89のばね荷重は、ばね受90の厚さや枚数を変
えたり、またはコア筒83内でコアロッド84を軸方向
に位置決めするときの位置調整等によって可変に調整さ
れる。
【0077】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、弁体88のボール部
88Aを高強度の非磁性材料で形成し、該ボール部88
Aおよび小径筒部88Bには磁性材料を用いる必要がな
くなるので、材料の選択幅を広げることができ、ボール
部88A等の耐久性を大幅に向上させることができる。
【0078】次に、図10は本発明の第7の実施例を示
し、本実施例では前記第6の実施例と同一の構成要素に
同一符号を付し、その説明を省略するものとする。しか
し、本実施例の特徴は、バルブシート82の弁座82B
上に離,着座する弁体101を高強度を有する非磁性材
料によって半球形状に形成し、該弁体101には磁性材
料からなるアンカプレート102を固着して設けたこと
にある。
【0079】ここで、該アンカプレート102には中央
部に大径の貫通穴102Aが形成され、弁体101には
該貫通穴102Aに対応する位置にばね受け用の凹部1
01Aが形成されている。そして、該凹部101A内に
は弁ばね(図示せず)が配設され、この弁ばねにより弁
体101は弁座82Bに向けて閉弁方向に付勢されるよ
うになる。一方、アンカプレート102はコア筒(図示
せず)からの磁力により軸線O−Oに沿って上向きに吸
引され、前記弁ばねに抗して弁体101を開弁方向に駆
動させる。
【0080】かくして、このように構成される本実施例
では、例えば図12に示す従来技術で述べた弁体9およ
びアンカプレート11に替えて、弁体101およびアン
カプレート102を用いることができ、これによっても
前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0081】次に、図11は本発明の第8の実施例を示
し、本実施例の特徴は、弁体111を磁性材料によって
半球形状に形成し、その上端側中央部にはばね受け用の
凹部111Aを形成し、該弁体111を前記第1〜6の
実施例で述べた弁体32(45,51,61,71,8
8)等に替えて用いるようにしたことにある。
【0082】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることが
できる。
【0083】なお、前記各実施例では、バルブシート2
2(82)に一定の傾斜角θをもって弁座22C(82
B)を形成するものとして述べたが、本発明はこれに限
るものではなく、例えば図12に示す従来技術で述べた
シート部材7に、軸穴7Aの軸線に対し一定の傾斜角θ
をもって弁座を円錐状または凹湾曲状に形成するように
してもよい。
【0084】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、シート部材の弁座を、弁体の駆動方向に対
して斜めに傾斜するように一定の傾斜角をもって形成す
る構成としたから、弁体と弁座との間に発生する密着力
の方向を、弁体の駆動方向とは異なる方向にずらすこと
ができ、この密着力による弁体の開弁遅れの影響を効果
的に減じることができる。従って、弁体の開弁時に電磁
アクチュエータによって発生すべき磁力を小さくでき、
消費電力を低減できる上に、開弁時の応答性を向上で
き、空燃比制御を安定させて行うことができる。
【0085】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、弁座をシート部材の一側面から噴射穴側に向けて漸
次縮径する円錐形状に形成し、かつ該噴射穴の軸線に対
して斜めに傾斜させることにより、弁体を弁座に対して
確実に離,着座させることができると共に、開弁時にお
ける密着力の影響をさらに効果的に減じることができ、
開弁時の応答性をより確実に向上させることができる。
【0086】また、請求項3に記載の発明のように、噴
射穴の軸線に対し1〜10度前,後の傾斜角をもって弁
座を傾斜させることにより、弁体の開弁,閉弁動作を安
定させることができ、弁体の閉弁時に弁座との間を確実
にシールすることが可能となる。
【0087】さらに、請求項4に記載の発明のように、
少なくとも弁座に離,着座する弁体の部位を球形状に形
成することによって、該弁体を弁座に対して円滑に離,
着座させることができ、開弁時の応答性をより効果的に
高めることができる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるフューエルインジ
ェクタを示す縦断面図である。
【図2】バルブシートおよびボール弁体等を拡大して示
す図1の要部拡大図である。
【図3】ボール弁体の開弁力と密着力との関係をベクト
ルとして示す説明図である。
【図4】第2の実施例によるフューエルインジェクタの
要部を拡大して示す縦断面図である。
【図5】図4に示す弁体の縦断面図である。
【図6】第3の実施例による弁体を示す縦断面図であ
る。
【図7】第4の実施例による弁体を示す縦断面図であ
る。
【図8】第5の実施例による弁体を示す縦断面図であ
る。
【図9】第6の実施例によるフューエルインジェクタの
要部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】第7の実施例によるフューエルインジェクタ
のバルブシートと弁体を開弁状態で示す縦断面図であ
る。
【図11】第8の実施例による弁体を示す縦断面図であ
る。
【図12】従来技術によるフューエルインジェクタを示
す縦断面図である。
【図13】シート部材および弁体等を拡大して示す図1
2の要部拡大図である。
【図14】弁体に作用する吸引力とばね力、密着力との
関係をベクトルとして示す説明図である。
【符号の説明】
21,41,81 ケーシング(インジェクタ本体) 22,82 バルブシート(シート部材) 22C,82B 弁座 22E,82D 噴射穴 23,83 コア筒 24,84 コアロッド 25 電磁コイル(電磁アクチュエータ) 29,42,85 ストッパ 30,43,86 弁ガイド 31,44,87 スペーサ 32 ボール弁体 33,89 弁ばね 45,51,61,71,88,101,111 弁体 θ 傾斜角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁アクチュエータを内蔵したインジェ
    クタ本体と、該インジェクタ本体の先端側に設けられ、
    一側面に弁座が形成されたシート部材と、該シート部材
    の弁座に離,着座するように前記インジェクタ本体内に
    設けられ、前記電磁アクチュエータによってインジェク
    タ本体の軸方向に駆動される弁体とからなるフューエル
    インジェクタにおいて、前記シート部材の弁座は、前記
    弁体の駆動方向に対して斜めに傾斜するように一定の傾
    斜角をもって形成したことを特徴とするフューエルイン
    ジェクタ。
  2. 【請求項2】 前記シート部材の内周側には、前記弁体
    の開弁時にインジェクタ本体内の燃料を外部に向けて噴
    射させる燃料の噴射穴を穿設し、前記弁座はシート部材
    の一側面から該噴射穴側に向けて漸次縮径する円錐形状
    をなし、かつ該噴射穴の軸線に対して斜めに傾斜する構
    成としてなる請求項1に記載のフューエルインジェク
    タ。
  3. 【請求項3】 前記弁座は、前記噴射穴の軸線に対し1
    〜10度前,後の傾斜角をもって前記シート部材の一側
    面に形成してなる請求項2に記載のフューエルインジェ
    クタ。
  4. 【請求項4】 前記弁体は、少なくとも前記シート部材
    の弁座に離,着座する部位が球形状をなすように構成し
    てなる請求項1,2または3に記載のフューエルインジ
    ェクタ。
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