JPH08284076A - ポリビニルアルコール系ロープ構造体 - Google Patents
ポリビニルアルコール系ロープ構造体Info
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- JPH08284076A JPH08284076A JP8007795A JP8007795A JPH08284076A JP H08284076 A JPH08284076 A JP H08284076A JP 8007795 A JP8007795 A JP 8007795A JP 8007795 A JP8007795 A JP 8007795A JP H08284076 A JPH08284076 A JP H08284076A
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- strength
- rope structure
- resin
- pva
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- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B2201/00—Ropes or cables
- D07B2201/20—Rope or cable components
- D07B2201/2015—Strands
- D07B2201/2042—Strands characterised by a coating
- D07B2201/2044—Strands characterised by a coating comprising polymers
Landscapes
- Ropes Or Cables (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
イラメント糸で構成され,強力利用率と耐候性に優れた
ロープ構造体を提供する。 【構成】 強度が12g/d 以上, 伸度が7%以下であり,
尿素ホルマリン樹脂,シリコン樹脂及びフツ素樹脂を主
たる成分とする処理剤で処理されたPVA系マルチフイ
ラメント糸で構成されている。ロープ構造体は,強力利
用率80%以上,強力保持率80%以上, 耐水率70%以上の
特性を有している。
Description
(以下,PVAと称する。)系マルチフイラメント糸で
構成され,強力利用率と耐候性に優れたロープ構造体に
関するものである。
ロープ構造体は,大型船舶の係留索,大型海洋構造物,
海中構造物等の係留索,水産業で用いる漁具資材,陸上
用,農業用等の分野で広く使用されている。ロープ構造
体の原料繊維として,一般的にはポリエステル,ナイロ
ン,PVA(ビニロンを含む)繊維等が用いられている
が,特に強度が要求される分野にはアラミド繊維や金属
繊維が用いられている。
初期の強度は高いが,耐候性が悪くて経時的に強度が著
しく低下するという欠点があるので,屋外で使用するロ
ープ構造体用の繊維としては問題があり,しかもコスト
が高いという欠点もある。また,金属繊維製のロープ構
造体は,重量が大きい上に柔軟性に乏しくて作業性が悪
く,しかも錆やすく,さらに導電性なので電線を吊るた
めの吊架線に用いる場合,碍子が必要になるという問題
がある。
べて弾性率や耐候性に優れており,ロープ構造体用の繊
維として優れたものである。しかしながら,従来のPV
A系繊維製ロープ構造体には強度が10g/d 以下の紡績糸
が用いられているので,紡績糸の強度がそのまま発現し
てもロープ構造体用の強力が低く,しかも毛羽や撚斑の
ために強力利用率は50%以下になり,さらに,伸度も10
%以上と大きくて形態安定性に劣り, 用途が限定される
という欠点があった。
解消するために,実開昭61−202496号公報では,強度が
15g/d 以上のPVA系マルチフイラメント糸から得られ
たロープ構造体や,これをポリエチレン, ポリ塩化ビニ
ル, ナイロン等の樹脂で被覆したロープ構造体が提案さ
れている。このロープ構造体は原糸の強度が高く, ま
た,マルチフイラメント糸で構成されているため,強力
は上記紡績糸からのものに比べて大きいが,マルチフイ
ラメント糸を合撚したり,組紐にしてロープ構造体を形
成する際に毛羽が発生しやすくて強力利用率はせいぜい
50%程度にすぎず,さらに水酸基に水が結合して耐水性
が低下するというPVA系繊維特有の問題を依然として
有していた。
を解決し,PVA系マルチフイラメント糸で構成され,
強力利用率, 耐候性, 耐水性及び形態安定性に優れたP
VA系ロープ構造体を提供することを技術的な課題とす
るものである。
題を解決するために鋭意検討した結果,特殊な組み合わ
せの樹脂で処理したPVA系マルチフイラメント糸でロ
ープ構造体を形成すれば, 強力利用率, 強力保持率, 耐
水性及び形態安定性を著しく向上させることができるこ
とを知見して本発明に到達した。
伸度が7%以下であり,尿素ホルマリン樹脂,シリコン
樹脂及びフツ素樹脂を主たる成分とする処理剤で処理さ
れたPVA系マルチフイラメント糸で構成されており,
かつ,強力利用率が80%以上,強力保持率が80%以上,
耐水率が70%以上であることを特徴とするPVA系ロー
プ構造体を要旨とするものである。
上, 伸度が7%以下のPVA系マルチフイラメント糸で
構成されている。マルチフイラメント糸の強度は12g/d
以上, 好ましくは15g/d 以上であることが必要であり,
12g/d 未満では,たとえロープ構造体の強力利用率が80
%以上であっても,強力の絶対値が小さくなるので好ま
しくない。
以下, 好ましくは5%以下であることが必要であり,伸
度が7%を超えると,ロープ構造体に負荷がかかると伸
びやすくて形態安定性が低下するので好ましくない。
定されるものではなく,通常は1〜10デニールであれば
よいが,ロープ構造体の耐疲労性を向上させるには5〜
10デニールとすることが好ましい。
7%以下のPVA系マルチフイラメント糸は,例えば特
開平3-806号公報に記載されているように,重合度1500
〜7000のPVAをジメチルスルホキシド(DMSO)等
の有機溶媒に溶解して調製した紡糸原液を,空気層を介
してメタノール等の凝固浴に乾・湿式紡糸し,次いでメ
タノール等で溶媒を抽出し,乾燥した後,15倍以上に熱
延伸することによって得ることができる。また,PVA
水溶液にほう酸又はその塩をPVAに対して0.5〜5
重量%添加したものを紡糸原液とし,これを45〜95℃
のアルカリ性凝固浴に紡糸し,常法に従って, ローラ延
伸, 中和, 湿熱延伸, 水洗, 乾燥した後, 全延伸倍率が
15倍以上となるように延伸することによって得ることが
できる。
素ホルマリン樹脂,シリコン樹脂及びフツ素樹脂を主た
る成分とする処理剤で処理されたものである必要があ
る。シリコン樹脂で処理されたマルチフイラメント糸で
ロープ構造体を形成することで,マルチフイラメント糸
を合撚したり,組紐にしてロープ構造体を形成する際の
摩擦抵抗が少なくて毛羽が発生し難く,このためマルチ
フイラメント糸の強度の80%以上がロープ構造体に発現
することとなり,強力利用率を80%以上, 好ましくは90
%以上にすることができる。このように,本発明のロー
プ構造体には,マルチフイラメント糸の強度の80%以上
が発現するので,同じ強力のロープ構造体とする場合,
強力利用率の低いものよりもその直径を小さくすること
が可能となる。
で処理しているので,PVA系繊維の特徴である良好な
耐候性がフツ素樹脂によりさらに向上し, このため強力
保持率が80%以上, 好ましくは90%以上のものとなり,
経時的な強力の低下が少なくて耐久性の良好なロープ構
造体となる。このように, マルチフイラメント糸はシリ
コン樹脂とフツ素樹脂で処理されているので, ロープ構
造体は汚れ難くなり,防汚性も向上する。
マリン樹脂で処理しているので,PVA系繊維中の水酸
基がホルマリンと架橋して水と結合し難くなり,このた
め耐水性が著しく向上する。
処理剤を付与する方法としては,スプレー法, コーテイ
ング法, デツプ法等の公知の方法を採用することができ
るが,尿素ホルマリン樹脂, シリコン樹脂, フツ素樹脂
それぞれの水分散液を混合した液をマルチフイラメント
糸に含浸させた後, 乾燥させるのが最も簡単である。
るためには,少なくともシリコン樹脂はマルチフイラメ
ント糸を合撚ないし組紐にする前の段階で付与する必要
があるが,フツ素樹脂と尿素ホルマリン樹脂は, マルチ
フイラメント糸の段階でも,ロープ構造体にしてから付
与してもよい。
A, シリコン樹脂B及びフツ素樹脂Cの重量比は,本発
明の目的とする強力利用率, 耐候性及び耐水性のロープ
構造体を得るためにはA:B:C=1〜3:1〜3:1
〜3とすることが好ましい。
〜10%,特に2〜6%が好ましい。
〜4分間が好ましい。硬化温度が 130℃未満では処理剤
の被膜強度が十分にはなり難く,170℃を超えると被膜劣
化が生じやすくなる。
は,固形分で1〜5重量%が好ましい。付着量が1%未
満では,本発明の目的とする強力利用率, 耐候性及び耐
水性のロープ構造体を得ることができ難くなり,5%を
超えると,ロープ構造体が粗硬になり,曲げ疲労性の低
下が生じやすい。
ては,ウロン系や,尿素−メラミン−ホルマリン系の初
期縮合樹脂であるメラミン系のものが好ましく,また,
シリコン樹脂やフツ素樹脂としては,ノニオン系のもの
が好ましい。
形成する方法としては,マルチフイラメント糸を集束
し,合撚する方法や組紐にする方法,実質的に無撚状態
に集束した集束糸の外周を同一のフィラメント糸で被覆
する方法等がある。
つ打,8つ打等に合撚する方法等があり,集束糸の外周
を被覆する方法としては,8つ打,16打,24打等のブレ
ード, 経編, 緯編等のメリヤス被覆がある。さらに,ロ
ープ構造体の表面をポリ塩化ビニル等で被覆して難燃性
を向上させることもできる。
上, 伸度が7%以下であり,尿素ホルマリン樹脂,シリ
コン樹脂及びフツ素樹脂を主たる成分とする処理剤で処
理されたPVA系マルチフイラメント糸で構成されてい
るので,従来のPVA系繊維から得られたロープ構造体
より強力利用率, 強力保持率, 耐水性及び形態安定性が
著しく向上したものである。このため,本発明のロープ
構造体は,大型船舶の係留索,大型海洋構造物,海中構
造物等の係留索,水産業で用いる漁具資材,陸上用,農
業用等の分野に好適なものであり,特に電線を吊るため
の吊架線に用いた場合,軽量な上に柔軟性に富むので作
業性がよく,しかも金属繊維のように錆ることがなく,
さらに絶縁性なので碍子も不要となる。
するものである。 (1) マルチフイラメント糸の強度と伸度 JIS−L−1013に準拠して測定する。 (2) 強力利用率 前述したように,強力利用率は,ロープ構造体の強力
を, ロープ構造体を構成するマルマルチフイラメント糸
の強力×構成本数で除した値を百分率で表示したもので
ある。なお,ロープ構造体の強力は, JIS−L−27
03に準拠して測定する。 (3) 強力保持率 JIS−A−1415に準拠し,サンシャイン・ウェザ
ーメーターを用い,照射 110分, 噴霧10分の操作を1000
回繰り返してロープ構造体の耐候試験を施し,ロープ構
造体の耐候試験後の強力を,耐候試験前の強力で除した
値を百分率で表示したものである。 (4) 耐水率 ロープ構造体を常温の水中に1時間浸漬した後,取り出
して付着水分率(%)を測定し,100から付着水分率
(%)を引いた値を耐水率(%)と表示する。 (5) 形態安定性 ロープ構造体の伸度で評価する。 (6) 難燃度 JIS−K−7201に準拠して測定する限界酸素指数
で表示する(この値が大きいほど燃え難い)。
る。 実施例1,比較例1〜2 重合度3300のPVAをDMSOに溶解して調製した紡糸
原液を,50mmの空気層を介して紡糸ドラフト6.0でメタ
ノール浴に乾・湿式紡糸し,次いでメタノールで溶媒を
抽出し,乾燥した後,17倍に2段熱延伸して,強度17g/
d,伸度5%のPVA系マルチフイラメント糸1500d/200f
を得た。
80本を集束し,尿素ホルマリン樹脂(大日本インキ社製
ベッカミンN80)A, シリコン樹脂 (大日本インキ社製デ
イックシリコンSK-CONC)B及びフツ素樹脂 (大日本イン
キ社製デイックガードF90N)Cの重量比がA:B:C=
1:1:1となるように配合した固形分濃度5%の水分
散液を集束糸に含浸させた後, 温度 100〜 105℃,時間
1分間で乾燥させ, 次いで温度 150〜 170℃,時間1分
間で硬化させ,処理剤が固形分で 1.5重量%付着した集
束糸を得た。次いで, 集束糸を用いて8つ打に合撚し,
外径が12mmで96万デニールのロープ構造体を得た。
シリコン樹脂Bとフツ素樹脂Cの重量比がB:C=1:
1となるように配合した処理剤を使用する以外は実施例
1と同様にしてロープ構造体を得た(比較例1)。ま
た,処理剤を付与しない以外は実施例1と同様にしてロ
ープ構造体を得た(比較例2)。得られたロープ構造体
の強力利用率, 強力保持率, 耐水性及び形態安定性の評
価結果を表1に示す。
5重量%添加したものを紡糸原液とし,これを45℃のア
ルカリ性凝固浴に紡糸し,常法に従って, 紡糸延伸, 中
和, 湿熱延伸, 水洗, 乾燥した後, 全延伸倍率が15倍と
なるように熱延伸し,次いで2%の熱収縮処理を施し
て,強度16g/d,伸度7%のPVA系マルチフイラメント
糸2250d/375fを得た。
を,尿素ホルマリン樹脂 (住友化学社製スミテックスUL
W)A, シリコン樹脂 (住友化学社製スミテックスシリコ
ンソフタ-10)B及びフツ素樹脂 (住友化学社製スミフル
オイルEM3)Cの重量比がA:B:C=1:1:1となる
ように配合した固形分濃度6%の水分散液を糸に含浸さ
せた後, 温度 100〜 105℃,時間1分間で乾燥させ, 次
いで温度 140〜 160℃,時間2分間で硬化させ,処理剤
が固形分で2重量%付着した糸を得た。次いで, 処理後
の糸55本を10T/M で合撚し,次いで合撚糸を用いて8つ
打に製紐し,外径が14mmで99万デニールのロープ構造体
を得た。
シリコン樹脂Bとフツ素樹脂Cの重量比がB:C=1:
1となるように配合した処理剤を使用する以外は実施例
2と同様にしてロープ構造体を得た(比較例3)。ま
た,処理剤を付与しない以外は実施例2と同様にしてロ
ープ構造体を得た(比較例4)。得られたロープ構造体
の強力利用率, 強力保持率, 耐水性及び形態安定性の評
価結果を表2に示す。
2で得られたロープ構造体は,強力利用率と強力保持率
が90%程度, 耐水率が80%以上と極めて優れており,さ
らに形態安定性も良好であった。
剤で処理されたマルチフイラメント糸で構成された比較
例1,3,処理剤で処理しなかったマルチフイラメント
糸で構成された比較例2,4で得られたロープ構造体
は,いずれも耐水性が劣るものであり,さらに強力利用
率と強力保持率の両方が本発明を満足するものはなかっ
た。
造体の表面を押し出し成型法を用いてポリ塩化ビニルで
被覆したところ,限界酸素指数が30〜45と,難燃性にも
優れたロープ構造体が得られた。
系繊維から得られたロープ構造体より強力利用率, 強力
保持率, 耐水性及び形態安定性が著しく向上したもので
あり,このため,大型船舶の係留索,大型海洋構造物,
海中構造物等の係留索,水産業で用いる漁具資材,鉄道
用の吊架線, 電柱の張線等の陸上用,農業用等の分野に
好適なものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 強度が12g/d 以上, 伸度が7%以下であ
り,尿素ホルマリン樹脂,シリコン樹脂及びフツ素樹脂
を主たる成分とする処理剤で処理されたポリビニルアル
コール系マルチフイラメント糸で構成されており, か
つ,強力利用率が80%以上,強力保持率が80%以上, 耐
水率が70%以上であることを特徴とするポリビニルアル
コール系ロープ構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8007795A JP3442185B2 (ja) | 1995-04-05 | 1995-04-05 | ポリビニルアルコール系ロープ構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8007795A JP3442185B2 (ja) | 1995-04-05 | 1995-04-05 | ポリビニルアルコール系ロープ構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08284076A true JPH08284076A (ja) | 1996-10-29 |
JP3442185B2 JP3442185B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=13708159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8007795A Expired - Lifetime JP3442185B2 (ja) | 1995-04-05 | 1995-04-05 | ポリビニルアルコール系ロープ構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3442185B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-05 JP JP8007795A patent/JP3442185B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3442185B2 (ja) | 2003-09-02 |
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Legal Events
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