JPH08283753A - 軽油組成物 - Google Patents

軽油組成物

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JPH08283753A
JPH08283753A JP9497095A JP9497095A JPH08283753A JP H08283753 A JPH08283753 A JP H08283753A JP 9497095 A JP9497095 A JP 9497095A JP 9497095 A JP9497095 A JP 9497095A JP H08283753 A JPH08283753 A JP H08283753A
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JP
Japan
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group
light oil
reaction
gas oil
oil composition
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JP9497095A
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Masahiro Fukuda
昌弘 福田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の一般式(I)で表される化合物を含有
することを特徴とする軽油組成物。 【化3】 〔式中、R は炭素数10〜22を有する直鎖もしくは分岐鎖
アルキル基、又は炭素数10〜22を有する直鎖もしくは分
岐鎖アルケニル基を表す。〕 【効果】 軽油流体中の金属接触面における磨耗量の低
減が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低硫黄分軽油流体中の
金属接触面における磨耗低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼル車からの排出ガス中の
窒素酸化物(NOx )、硫黄酸化物(SOx )及び粒子
状物質の環境汚染への影響が問題となっている。具体的
には、エンジン用燃料である軽油中の硫黄分が燃えるこ
とで発生する酸性物質による金属の腐食磨耗及び酸性雨
等が問題視されている。今日まで排ガス中の窒素酸化物
や硫黄酸化物に関する規制はあったが、新たに微粒子状
物質の規制が追加された。この微粒子状物質の規制への
対策として、第一に排ガス中の硫黄酸化物を低減するこ
と、すなわち軽油中の硫黄分の段階的削減が提案されて
いる。さらに、米国における「米国大気浄化法(CleanA
ir Act)」の改正(1990年)に伴い、軽油に対し品質基
準として硫黄分を0.05重量%以下にする改正が行われ
た。これらのことにより、日本の軽油の品質について、
硫黄分をまず 0.2重量%以下にし、さらに今世紀中に硫
黄分を0.05重量%以下に制限するという段階的対策が取
られると予想される。この問題に対して、特開平5−39
492 号、特開平5−78670 号、特開平5−311179号、特
開平6−25677 号及び特開平6−25678 号公報に見られ
るような低硫黄ディーゼル軽油に関する製造方法を開示
する出願がなされており、実際欧米などでは硫黄分の少
ない軽油が市販されつつある。しかし、軽油中の硫黄分
を低減すると、SAE Paper 942016に見られるような潤滑
性不足による燃料ポンプの焼き付き発生という新たな問
題が生じた。欧州スウェーデン国では、環境対応燃料で
の低硫黄、低芳香族含有軽油で潤滑性不足による数千台
のトラブル発生がみられた。現在、日本においては、低
硫黄ディーゼル軽油があまり普及していないが、近い将
来、低硫黄ディーゼル軽油が使用されると、燃料ポンプ
の焼き付き発生もしくは金属接触面における磨耗の問題
が生じると予想される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、低硫黄分ディーゼル軽油流体中の金属接触面におけ
る磨耗量の低減が可能な軽油組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を行った結果、軽油に特定の
グリセリルエーテルを配合することにより、磨耗量の低
減が可能である優れたディーゼル軽油組成物が得られる
ことを見い出し本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、下記の一般式(I)で表
される化合物を含有することを特徴とする軽油組成物に
関する。
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、R は炭素数10〜22を有する直鎖も
しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数10〜22を有する直
鎖もしくは分岐鎖アルケニル基を表す。〕。
【0008】本発明に用いられる化合物は、上記の一般
式(I)で表されるグリセリルエーテルである。
【0009】一般式(I)中で、炭素数10〜22を有する
直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、炭素数10〜22を有する
直鎖もしくは分岐鎖アルニケル基とは、具体的には、下
記のようなものが挙げられる。
【0010】直鎖アルキル基としては、デシル基、ウン
デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、ノニルデシル基、アイコサニル基、ヘンアイコサニ
ル基、ドコサン基等が挙げられる。
【0011】分岐鎖アルキル基としては、1−メチルノ
ニル基、1−プロピルヘプチル基、3,7−ジメチルオク
チル基、 2,4,6−トリメチルヘプチル基、4−シクロヘ
キシルブチル基、ブチルシクロヘキシル基、 3,3,5,5−
テトラメチルシクロヘキシル基、1−メチルデシル基、
2−メチルデシル基、2−エチルノニル基、1−メチル
ウンデシル基、2−メチルウンデシル基、2−エチルデ
シル基、1−(2'−メチルプロピル)− 3,5−ジメチル
ヘキシル基、 2,4,6,8−テトラメチルノニル基、2−メ
チルドデシル基、2−エチルウンデシル基、1−(3'−
メチルブチル)−6−メチルヘプチル基、1−(1'−メ
チルブチル)−4−メチルヘプチル基、1−メチルトリ
デシル基、2−メチルトリデシル基、2−エチルドデシ
ル基、2−(3'−メチルブチル)−7−メチルオクチル
基、2−(1'−メチルブチル)−5−メチルオクチル
基、1−ヘキシルノニル基、2−メチルテトラデシル
基、2−エチルトリデシル基、1−メチルペンタデシル
基、1−(1',3',3'−トリメチルブチル)− 4,6,6−ト
リメチルヘプチル基、1−(3'−メチルヘキシル)−6
−メチルノニル基、8−メチルヘプタデシル基、2−ヘ
プチルウンデシル基、2−(1',3',3'−トリメチルブチ
ル)− 5,7,7−トリメチルオクチル基、2−(3'−メチ
ルヘキシル)−7−メチルデシル基、2−メチルオクタ
デシル基、 2,3−ジメチルヘプタデシル基、3−メチル
ノナデシル基、 2,2−ジメチルオクタデシル基、 2,3−
ジメチルオクタデシル基、2−ブチル−2−ヘプチルノ
ニル基、2−メチルアイコサニル基、20−メチルヘンア
イコサニル基等が挙げられる。
【0012】直鎖アルケニル基としては、2−デセニル
基、9−デセニル基、9−ウンデセニル基、10−ウンデ
セニル基、2−ドデセニル基、3−ドデセニル基、2−
トリデセニル基、4−テトラデセニル基、9−テトラデ
セニル基、9−ペンタデセニル基、9−ヘキサデセニル
基、9−ヘプタデセニル基、9−オクタデセニル基、9,
12−オクタデカジエニル基、 9,12,15−オクタデカトリ
エニル基、9−ノナデセニル基、11−エイコセニル基、
13−ドコセニル基等が挙げられる。
【0013】分岐鎖アルケニル基としては、3−メチル
−2−ノネニル基、 2,4−ジメチル−2−デセニル基、
2−メチル−9−オクタデセニル基、 2,2−ジメチル−
11−エイコセニル基等が挙げられる。
【0014】本発明で用いられる一般式(I)中の直鎖
もしくは分岐鎖アルキル基又はアルケニル基の炭素数は
10〜22であるが、天然系で安価に原料を入手できる炭素
数が16〜22のものが好ましい。また、分子内に二重結合
を存在しても磨耗防止性能は同等であるので、水素添加
により飽和にする必要はなく、油脂脂肪酸等の原料をそ
のまま使うことができる。そのため、アルキル基、アル
ケニル基の種類は問わず、主に経済性から選択される。
【0015】本発明で用いられるグリセリルエーテル
は、市販のものを用いることもできるが、次の如き方法
により製造してもよい。
【0016】一般的には、エピクロルヒドリンと上記の
炭素数10〜22を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、
又は炭素数10〜22を有する直鎖もしくは分岐鎖アルケニ
ル基を有するアルコールとを反応させ(グリシジルエー
テル化工程)、次いで苛性ソーダによるエポキシ環の開
環反応(グリセリルエーテル化工程)により製造する。
【0017】以下にグリシジルエーテル化工程について
説明する。この反応は、エピクロルヒドリンとアルコー
ルとを塩基の存在下でエーテル結合を形成させるもので
ある。この際、使用する塩基としては、NaH 、苛性カリ
ウム、苛性ソーダ等が挙げられるが、安価な苛性ソーダ
が好ましい。尚、苛性ソーダは水に溶解させて水溶液と
して使用できる。
【0018】エピクロルヒドリンとアルコールとを反応
させる形態等は、特に限定されない。例えば、回分式で
も連続式でもよい。
【0019】反応物質の使用量については、アルコール
1モルに対してエピクロルヒドリン1〜3モル、苛性ソ
ーダ3〜5モルが好ましい。
【0020】エピクロルヒドリン、アルコール及び苛性
ソーダ水の仕込み方法は、反応開始時に一括して仕込む
方法と、逐次仕込む方法があり、特に限定はされない。
しかし、反応温度制御の点から苛性ソーダ水を逐次仕込
む方法が好ましい。
【0021】尚、上記の反応は、溶媒の存在下で行って
もよい。溶媒については、反応に不活性な溶媒、例え
ば、反応温度によるが、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族化合物及びヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン等の飽和炭化水素類が使用できる。
【0022】エピクロルヒドリンとアルコールとを反応
させる様式は、反応相/水相の二相で行う為、苛性ソー
ダとエピクロルヒドリン及びアルコールとの接触効率が
不十分である。従って、反応を促進させるために4級ア
ンモニウム塩であるテトラブチルアンモニウムブロマイ
ド(Bu4NBr)、トリメチルステアリルアンモニウムクロ
ライド(C18H37NMe3Cl)等の相間移動触媒を用いること
ができる。触媒の使用量は、反応様式によって異なる
が、例えばアルコールに対して0.01〜1重量%程度用い
られている。
【0023】反応温度は、反応様式、触媒量、反応物質
の種類により異なるが、通常は25〜100 ℃であり、エピ
クロルヒドリンの重合を抑制できる45〜55℃が好まし
い。反応圧力は特に限定されず、常圧反応、減圧反応を
問わない。しかし、グリシジルエーテル化反応は発熱反
応であり、発生する熱を効率よく除去しないとエピクロ
ルヒドリンの重合反応が起こる。従って上記の好ましい
温度範囲内に制御するために、苛性ソーダ滴下中に減圧
度をコントロールする必要があり、減圧下での反応が好
ましい。
【0024】反応時間は、反応物質の種類、触媒量、触
媒の種類により異なるが、通常1〜100 時間程度であ
る。
【0025】反応終了後、生成したグリシジルエーテル
を得る方法は特に限定するものではない。例えば、触媒
を用いた場合、触媒を濾別、除去するなどの操作により
グリシジルエーテルを得ることができる。触媒を濾過す
る際、濾液が通りにくい場合、濾過助剤を使用すること
ができる。グリシジルエーテル化反応後、塩化ナトリウ
ム、触媒等の水溶性成分を含む水と生成物の混合物は、
分層により分離することができ、さらに水洗、スチーミ
ング等の処理により生成物の精製をすることができる。
また、反応混合物から未反応エピクロルヒドリン、アル
コール及び/又は溶媒を除去する工程を行う際、未反応
エピクロルヒドリン、アルコール及び/又は溶媒を蒸留
して回収する。その後必要ならば固形物の除去を濾過あ
るいは遠心分離により行うとよい。
【0026】次にグリセリルエーテル化工程について説
明する。グリセリルエーテル化反応は、苛性ソーダによ
るグリシジルエーテルのエポキシ部の直接開環反応であ
る。反応は、水/グリシジルエーテルの二相系で行いそ
のままでは反応が進行しないので、接触効率を上げるた
めに乳化剤を添加する。この乳化剤として脂肪酸が用い
られるが、特にラウリン酸が好ましい。尚、苛性ソーダ
は水に溶解させて水溶液として使用できる。
【0027】反応物質の使用量については、グリシジル
エーテル1モルに対してラウリン酸0.01〜0.1 モル、苛
性ソーダ0.01〜0.1 モルが好ましい。
【0028】グリシジルエーテル、ラウリン酸及び苛性
ソーダ水の仕込み方法は、反応開始時に一括して仕込む
方法と、逐次仕込む方法があり、特に限定はされない。
【0029】尚、上記の反応は、溶媒の存在下で行って
もよい。溶媒については、反応に不活性な溶媒、例え
ば、反応温度によるが、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族化合物及びヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン等の飽和炭化水素類が使用できる。
【0030】グリシジルエーテルのエポキシ部の直接開
環反応させる様式や形態等は、特に限定されない。例え
ば、回分式でも連続式でもよい。
【0031】反応温度は、反応様式、反応物質の種類に
より異なるが、通常は 100〜200 ℃であり、好ましくは
140〜180 ℃がよい。反応圧力は特に限定されず、常圧
反応、加圧反応を問わない。
【0032】反応時間は、反応物質の種類、触媒量、触
媒の種類により異なるが、通常1〜100 時間程度であ
る。
【0033】反応終了後、乳化剤として使用したラウリ
ン酸の中和と副生したグリシジルエーテルラウリン酸エ
ステルの加水分解を行う。具体的には、ラウリン酸の中
和に必要な苛性ソーダ水を加え中和するが、そのままで
は乳化し二層に分けられないので、解乳化のために低級
アルコールを加える。特に安価なメタノールが好まし
い。中和後、得られたグリセリルエーテル層に存在する
残存メタノールを蒸留により回収し、減圧スチーミング
等の処理により残存遊離カルボン酸を除去する。
【0034】このようにして粗グリシジルエーテルが得
られるが、分子蒸留等の操作によりさらに純度の高いグ
リシジルエーテルを得ることもできる。
【0035】一般式(I)で表される化合物において、
R は2種以上を混合して用いてもよく、その結果得られ
るグリセリルエーテルも2種以上の混合物となる。
【0036】本発明で用いられる一般式(I)で表され
る化合物の添加量は、特に限定されないが、少なくとも
軽油が金属表面に接触している間に磨耗を抑制するのに
十分な量で用いられる。具体的には、軽油 100重量部に
対して 0.001〜0.1 重量部用いるのが好ましい。 0.001
重量部未満の場合は磨耗抑制効果が劣り、逆に 0.1重量
部を超える場合は磨耗抑制効果は頭打ちとなり経済的に
不利となる。
【0037】本発明において、対象とする軽油として
は、特に硫黄分が 0.2重量%以下の低硫黄軽油に好まし
く用いられる。本発明で用いられる低硫黄軽油として
は、原油を常圧蒸留して得られる軽油留分を水素化脱硫
装置により、例えば高い反応温度で水素化脱硫する、
高い水素分圧で水素化脱硫する、高活性を有する水
素化脱硫触媒を使用する、等の方法により得られるもの
が挙げられるが、JIS K 2541記載の放射線式励起法によ
る硫黄分測定値が 0.2重量%以下であれば、脱硫の方法
は特に限定されない。
【0038】本発明の軽油組成物には、種々の追加的添
加剤が使用できる。これらには、抗酸化剤、伝導性改良
剤、金属不活性剤、氷結抑制添加剤、セタン改良剤、燃
焼改良剤(煙防止剤を含む)、界面活性/分散添加剤、
吸気系統清浄剤、腐食抑制剤、抗乳化剤、トップシリン
ダー潤滑剤、染料などが含まれる。
【0039】抗酸化剤の中では、フェノール系抗酸化剤
の使用が好適であるが、他の軽油可溶抗酸化剤も使用で
きる。他の適切な種類の抗酸化剤には、アミン系抗酸化
剤、フォスファイトエステル、硫黄含有抗酸化剤、並び
に他の同様な物質が含まれる。抗酸化剤の量は、好まし
くは軽油組成物1000リットル当たり約 2.8〜28グラムの
範囲である。しかし、必要に応じてはこの範囲の限りで
はない。
【0040】伝導性改良剤は、軽油組成物の伝導性を適
切な範囲、例えばASTM D-2624 で測定して約50〜600ps/
m の範囲に上昇させるために軽油組成物に溶解させる添
加剤であるが、添加量としては、軽油組成物1000リット
ル当たり約5〜50グラムの範囲が好ましい。
【0041】金属不活性剤には、N−N’−ジサリシリ
デン− 1,2−プロパンジアミン、N−N’−ジサリシリ
デン− 1,2−シクロヘキサンジアミン、N−N’−ジサ
リシリデン− 1,2−エタンジアミン、N−N”−ジサリ
シリデン−N’−メチル−ジプロレントリアミン、8−
ヒドロキシキノリン、エチレンジアミンテトラカルボン
酸、アセチルアセトン、オクチルアセトアセテート、及
び類似物質が含まれる。通常、軽油組成物1000リットル
当たり約 5.6グラム以下の金属不活性剤で十分である
が、必要に応じては、より高い濃度も利用できる。
【0042】氷結抑制添加剤には、例えばアルコール
類、グリコール類、ポリアルキレングリコール類のモノ
カルボン酸エステル類、及びニトロケトン化アミド類が
含まれる。通常、軽油組成物1000リットル当たり約 140
グラム以下の量で十分である。
【0043】界面活性/分散添加剤には、アミド類及び
イミド類、特にコハク酸イミド;モノ−及びポリカルボ
ン酸エステル、特にコハク酸エステル;カルバメート
類;ヒドロカルビルポリアミン類;及びヒドロカルビル
ポリエーテルポリアミン類が含まれる。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、下記
実施例に限定されるものではない。
【0045】製造例 攪拌器、温度計、冷却管、滴下装置及び減圧装置を施し
た5000mlのフラスコに9−オクタデセノール 537g(2.
0 モル)、エピクロルヒドリン 407g(4.4 モル)とテ
トラブチルアンモニウムブロマイド 3.7g(0.04モル)
を秤り取り、窒素気流下で48%苛性ソーダ水溶液 667g
を反応温度40〜50℃に保てる減圧度で滴下した。滴下終
了後、水 800gを添加し、分液ロートに移し静置した。
二相に分かれた上層部を再びフラスコに入れ蒸留し、留
分としてエピクロルヒドリン53gを回収した。フラスコ
内に残った粗グリシジルエーテルをさらに水洗、分層し
上層部を塩化カルシウムで脱水し、濾過した後、粗9−
オクタデセニルグリシジルエーテル 636gが得られた。
得られた粗9−オクタデセニルグリシジルエーテル 351
g、ラウリン酸 8.6g(0.04モル)、苛性ソーダ0.86g
(0.02モル)を溶解した水 116gを攪拌器、温度計及び
滴下装置を施した1リットルのオートクレーブ内に入れ
160℃で4時間反応した。反応終了後、苛性ソーダ0.86
g(0.02モル)を溶解した水 235g及びメタノール94g
を65℃で1時間かけて滴下し中和した。滴下終了後、静
置分層し、上層部を蒸留しメタノールを回収した。さら
に、減圧スチーミングの後、9−オクタデセニルグリセ
リルエーテルAが 258g得られた。また、表1に示すア
ルコールを用い、同様な反応を行ってグリセリルエーテ
ルB〜Jを得た。
【0046】
【表1】
【0047】実施例1〜12、比較例1〜2 製造例で得られたグリセリルエーテルA〜Jを、硫黄分
が0.04重量%の低硫黄軽油 100重量部に対し表2に示す
添加量で配合し、シリンダー使用ボール潤滑性評価試験
として知られている標準試験を行った。この試験操作は
ASTM D 5001-90である。この試験では、スカー(scar)
の直径測定を行い、スカー直径が小さい程、添加剤は磨
耗抑制に関してより有効である。潤滑性試験を行うに先
立って1カ月間、この軽油組成物が良好な貯蔵安定性を
有することを確かめるため、周囲光条件下25℃に保存
し、すべての配合物で沈澱の発生、酸化劣化及び変色等
がないことを確認した。表2に、本発明のグリセリルエ
ーテルを含有する軽油組成物の耐磨耗特性を示す。本発
明の軽油組成物のスカー直径は0.42〜0.51mmであり、優
れた耐磨耗特性を示す。比較例として、本発明品を添加
しないベース低硫黄軽油と硫黄分が 0.2重量%の現在一
般的に市販されている軽油についても同様の試験を行っ
た。その結果も表2に示すが、比較品のスカー直径は0.
65〜0.82mmであり本発明品よりも耐磨耗特性が劣ること
が判明した。
【0048】
【表2】
【0049】実施例13〜24、比較例3〜4 グリセリルエーテルA〜Jの耐磨耗性を調べるために、
ASTM D2670-81 記載のFalex試験を行った。実施例1〜1
2で用いた組成物にVブロックとピンを浸し、無負荷で1
0分間回転し、続いて100lb で5分間予備回転した後、1
50 lbで3時間運転し、運転後のVブロックとピンの磨
耗量を調べた。結果を表3に示す。尚、試験温度は、開
始時に25℃であったが、試験中は摩擦熱により45〜50℃
に上昇した。本発明のグリセリルエーテルを含有する軽
油組成物の磨耗量は15.0〜25.3mgであり、優れた耐磨耗
特性を示す。比較例についても比較例1〜2と同様のも
のについて行ったが、比較品の磨耗量は32.3〜38.0mgで
あり、本発明品よりも耐磨耗特性が劣ることが判る。
【0050】
【表3】
【0051】実施例25〜36、比較例5〜6 グリセリルエーテルA〜Jの耐磨耗性を調べるために、
曽田式振り子試験を行った。実施例1〜12で用いた組成
物に球とピンを浸し、振り子の減衰率から得られる摩擦
係数の測定結果を表3に示す。摩擦係数が低い程、潤滑
性に関してより有効である。尚、試験温度は、25℃であ
った。本発明のグリセリルエーテルを含有する軽油組成
物の摩擦係数は 0.174〜0.255 であり、優れた潤滑性を
示す。比較例についても比較例1〜2と同様のものにつ
いて行ったが、比較品の摩擦係数は 0.325〜0.358 であ
り、本発明品よりも潤滑性が劣ることが判る。
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明の化合物を含む軽油組成物を用い
ることにより、軽油流体中の金属接触面における磨耗量
の低減が可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表される化合物を
    含有することを特徴とする軽油組成物。 【化1】 〔式中、R は炭素数10〜22を有する直鎖もしくは分岐鎖
    アルキル基、又は炭素数10〜22を有する直鎖もしくは分
    岐鎖アルケニル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表される化合物の含有量
    が、軽油 100重量部に対して 0.001〜0.1 重量部である
    ことを特徴とする請求項1記載の軽油組成物。
  3. 【請求項3】 軽油中の硫黄分が 0.2重量%以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の軽油組成物。
JP9497095A 1995-04-20 1995-04-20 軽油組成物 Pending JPH08283753A (ja)

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JP9497095A JPH08283753A (ja) 1995-04-20 1995-04-20 軽油組成物

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JP9497095A JPH08283753A (ja) 1995-04-20 1995-04-20 軽油組成物

Publications (1)

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JPH08283753A true JPH08283753A (ja) 1996-10-29

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