JPH10176175A - 燃料油用添加剤組成物および燃料油組成物 - Google Patents

燃料油用添加剤組成物および燃料油組成物

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JPH10176175A
JPH10176175A JP35409696A JP35409696A JPH10176175A JP H10176175 A JPH10176175 A JP H10176175A JP 35409696 A JP35409696 A JP 35409696A JP 35409696 A JP35409696 A JP 35409696A JP H10176175 A JPH10176175 A JP H10176175A
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fuel oil
fatty acid
acid ester
oil composition
sorbitan
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Tomio Nomura
富男 野村
Yoshiro Nakada
義郎 中田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低硫黄含量でも潤滑性および水分離性に優れ
たディーゼル燃料油組成物を提供する。 【解決手段】 特定の含窒素化合物および脂肪酸エステ
ル、特にソルビタンの脂肪酸エステルを硫黄含量が0.
2重量%以下のディーゼル燃料油に含有させた燃料油組
成物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑性、水分離
性、抗乳化性が優れた燃料油に関する。特に低硫黄化の
ディーゼル燃料油でも潤滑性に優れると同時に水分離性
に優れる燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ケロシンタイプのジェット燃料油の精製
プロセスとして水素処理が導入された1960年代後半
に、ジェット燃料の潤滑性に起因するジェットエンジン
の燃料噴射ポンプの腐食摩耗による不具合が生じた。こ
の対策として、脂肪酸、脂肪酸エステル等の腐食防止剤
の添加が効果あり、採用された。しかし、現在はポンプ
材質を変更する対策が取られ、腐食防止剤を添加しなく
なっている。同様に、ディーゼル燃料油においても防錆
を目的に、グリセリンもしくはグリコールと炭素数10
以上の脂肪酸との部分エステルを、該エステルを構成す
る脂肪酸と併用して添加することが、米国特許2,52
7,889号公報に記載されている。さらに、ディーゼ
ルエンジンの燃料消費低減と排出される大気汚染物質低
減を目的に、ネオペンチルグリコールの直鎖カルボン酸
エステルと分子量125〜200の直鎖カルボン酸のエ
ステルを併用して添加することが米国特許4,920,
691号公報に記載されている。
【0003】近年、ディーゼル燃料に関して、地球環境
保全のための排出ガス規制強化と共に、ディーゼル燃料
油中の硫黄含量の低減化が進められている。ディーゼル
燃料油の低硫黄化は、ケロシンタイプのジェット燃料と
同様に、水素処理によりベンゾチオフェン等の硫黄含有
芳香族成分を減少させることにより実現されている。硫
黄含有芳香族成分はディーゼル燃料油の潤滑性に寄与し
ており、硫黄含有芳香族成分の含有量の少ないディーゼ
ル燃料油は潤滑性が低下している。このため、低硫黄化
が進むにつれて潤滑性が低下し、燃料噴射ポンプの摩耗
が原因のエンジントラブルが発生している。この対策と
しては、ケロシンタイプのジェット燃料に使用されたの
と同じ脂肪酸エステルが添加されたディーゼル燃料油が
検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、燃料噴射ポン
プの潤滑性を改良するため脂肪酸エステルを添加すると
水分離性が悪化し満足できる硫黄含量の少ないディーゼ
ル燃料油が得られない場合がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
に対し鋭意検討した結果、特定の化学構造の窒素含有化
合物を単独または脂肪酸エステルなどの潤滑性向上剤と
併用・添加することにより、硫黄含量が0.2重量%以
下である低硫黄化ディーゼル燃料油にも優れた潤滑性を
付与すると同時に、水分離性に優れることを見いだし
た。
【0006】すなはち本発明は、一般式(1)で示され
る窒素含有化合物(A)と、硫黄含量が0.2重量%以
下であるディーゼル燃料油(B)からなる燃料油組成
物。 [R1]m−N−[(A−O)n−H]p (1) [式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基;R1は炭素
数6〜16の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の
数、mおよびpはそれぞれ単独に1もしくは2であり、
m+pは3である]
【0007】本発明の一般式(1)で示される窒素含有
化合物(A)は、式中Rで示される炭化水素基を有する
アミン化合物にアルキレンオキサイドを無触媒もしくは
アルカリ触媒を用い付加反応させることにより得られ
る。アミン化合物の具体例としては、式中のmが1であ
るn−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エ
チルヘキシルアミン、n−オクチルアミン、トリプロピ
レンアミン、ドデシルアミン、ドデセニルアミン、テト
ラプロピレンアミン、ヘキサデシルアミン等の炭素数6
〜16のアルキルもしくはアルケニルの1級アミンが挙
げられる。また、式中mが2であるジオクチルアミン、
ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジードデセニルアミン
等の炭素数6〜16のアルキルもしくはアルケニル基の
2級アミンが挙げられる。好ましくは、式中のmが1で
あるn−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、
ドデセニルアミン等の炭素数8〜12のアルキルもしく
はアルケニルの1級アミンである。炭素数6未満および
16を超える場合は、水分離性が不足する。
【0008】一般式(1)中のAは炭素数2〜4のアル
キレン基であり、具体例としては、エチレン基、1,2
−プロピレン基、1,2−ブチレン基である。炭素数が
5以上では水分離性が不足する。
【0009】一般式(1)中のnは1〜5の数であり、
好ましくはnは2〜4の数である。nが1未満もしくは
5を超えると水分離性が不足する。
【0010】潤滑性を改良する目的で添加される脂肪酸
エステル(C)としては、メタノール、エタノール、ヘ
キサノール等の1価アルコール、エチレングリコール、
グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロール
プロパン、ソルビトール等の多価アルコールの脂肪酸エ
ステルが挙げられる。特に、ソルビタンの脂肪酸エステ
ル(D)が好ましい。ソルビタンの脂肪酸エステル
(D)は、ソルビタンと脂肪酸(E)とのエステル化反
応により得られるものである。脂肪酸(E)の具体例と
しては、椰子油、パーム油、落花生油、オリーブ油、ヒ
マシ油、ナタネ油、牛脂、鯨油等の天然油脂から精製さ
れる脂肪酸が挙げられる。これらの脂肪酸を単独もしく
は混合して使用することが出来る。脂肪酸の炭素数は1
2〜26、好ましくは炭素数14〜24、特に好ましく
は、炭素数16〜22である。炭素数12未満もしくは
26を超えるとディーゼル燃料油に対する溶解性が不足
したり、潤滑性向上能が不足する場合がある。脂肪酸
(E)が、分子中に不飽和結合を1個以上含有する脂肪
酸、例えばオレイン酸、リノール酸、エルシン酸、リノ
レン酸およびこれらの混合物を20〜80重量%含有し
ていることが好ましい。20重量%未満ではディーゼル
軽油に対する溶解性が不足することがある。また、80
重量%を超えると酸化されやすく、添加したディーゼル
燃料油が経日により着色したり、さらには、燃料噴射ポ
ンプの汚れの原因になったりすることがある。
【0011】本発明のソルビタンの脂肪酸エステル
(D)は、ソルビタンあるいはソルビトールと脂肪酸
(E)を1:1〜1:4(モル比)で、酸もしくは塩基
触媒存在下で脱水させ、エステル化、あるいは、環化と
エステル化させることにより得られる。通常、反応物は
モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエス
テルの混合物として得られ、これらの比率はソルビタン
と該脂肪酸(E)との反応モル比により異なる。ソルビ
タンの脂肪酸エステル(D)としては、特に、ジエステ
ルを20〜60重量%含有するのが好ましい。ジエステ
ルが20重量%未満の場合は、ディーゼル軽油への溶解
性が不足することがある。また、ジエステルが60重量
%を超えると、潤滑性が不足する場合がある。
【0012】本発明における硫黄含量が0.2重量%以
下の低硫黄化ディーゼル燃料油(B)の具体例として
は、低硫黄原油(たとえば、ミナス原油等南方系の原
油)の通常の蒸留で得られるJIS1号軽油、JIS2
号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油;通常の原
油から水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油;
この脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)を
ブレンドして得られる軽油留分から製造されるJIS1
号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3
号軽油が挙げられる。特に好ましくは、水素化脱硫処理
工程を経て製造される脱硫軽油を50重量%以上使用し
て製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS
3号軽油、JIS特3号軽油である。硫黄含量が0.2
重量%を越えるとソルビタンの脂肪酸エステル(D)を
含有しなくても潤滑性に特に大きな問題を生じない。
【0013】本発明中の燃料油組成物中の窒素含有化合
物(A)の含有量は通常5〜50ppm、好ましくは5
〜30ppmであり、脂肪酸エステル(C)の含有量は
通常20〜500ppm、好ましくは50〜250pp
mある。窒素含有化合物(A)が5ppm未満では水分
離性、抗乳化性が不足であり、該脂肪酸エステル(C)
が50ppm未満では潤滑性が不足する。該窒素含有化
合物(A)が50ppmを越える場合、および、該脂肪
酸エステル(C)が500ppmを越える場合は添加効
率が悪くなり経済性が損なわれる。
【0014】該窒素含有化合物(A)、硫黄含量が0.
2重量%以下であるディーゼル燃料油(B)と、脂肪酸
エステル(C)をそれぞれ混合して燃料油組成物を作成
しても良いが、該窒素含有化合物(A)と該ソルビタン
の脂肪酸エステル(C)を予め、(A):(C)の重量
比で1:99から10:50で混合した燃料油用添加剤
を、硫黄含量が0.2重量%以下であるディーゼル燃料
油(B)に混合して作成することができる。
【0015】本発明の燃料油は、他の公知の添加剤を含
有していても良い。これらの公知の添加剤としては、例
えば流動性向上剤(例えばEVA系流動性向上剤、アル
ケニルコハク酸アミド系流動性向上剤、ポリメタクリレ
ート系流動性向上剤)、清浄剤(例えば、ジブチルアミ
ンのエチレンオキサイド付加物、ブタノールのエチレン
オキサイド付加物)、防錆剤(例えばアルケニルコハク
酸系防錆剤、アルケニルコハク酸のエステル系防錆
剤)、酸化防止剤が挙げられる。
【0016】燃料油組成物の水分離性および抗乳化性
は、JIS K 2276「航空燃料油試験方法」の水
溶解度試験方法により、評価できる。JIS K 22
76に記載されているように、100mlの栓付きメスシ
リンダーに試料80ml、緩衝液20ml取り、所定の条件
で振り混ぜ、静置後の緩衝液部分の容量変化および界面
の状態、分離状態を表1、表2に従い評価した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】ディーゼル燃料油の潤滑性は、通常の摩擦
摩耗評価のテーブル試験法、例えばファレックスブロッ
クオンリング摩擦・摩耗試験機を用いた試験、BOCL
E試験機を用いた試験(ASTM D5001)、SR
V試験機(独国 オプチモル社製)を用いた試験、ディ
ーゼル燃料油の潤滑性評価のために開発されたHFRR
試験等により評価できる。特に、HFRR試験(英国
PCSインスツルメンツ社製)による評価が実際の燃料
ポンプの摩耗と相関が高く広く使用されている。
【0020】
【発明の実施形態】以下実施例により本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお実施例中、部および%はそれぞれ重量部ならび
に重量%を表すものとする。
【0021】
【実施例】
製造例1 [n−オクチルアミンのエチレンオキサイド6モル付加
物の作成]n−オクチルアミン233gを攪拌機付き耐
圧反応容器に投入し攪拌下、140℃に加熱後、エチレ
ンオキサイド159g[n−オクチルアミン:エチレン
オキサイド=1:2(モル比)]を徐々に投入する。室
温に冷却後水酸化カリウム0.8gを投入し、減圧下、
120℃・1時間脱水する。脱水後、エチレンオキサイ
ド318g[1回目投入量と合わせn−オクチルアミ
ン:エチレンオキサイド=1:6(モル比)]を徐々に
投入し、投入後1時間更に反応させ、n−オクチルアミ
ンのエチレンオキサイド6モル付加物(SN−1)を製
造した。 製造例2、3 [n−ドデシルアミンとヘキサデシルアミンのエチレン
オキサイド6モル付加物の作成]製造例1のn−オクチ
ルアミンを、それぞれn−ドデシルアミン335g、ま
たはヘキサデシルアミン436gに替える以外は、同様
の方法で、それぞれn−ドデシルアミンのエチレンオキ
サイド6モル付加物(SN−2)と、ヘキサデシルアミ
ンのエチレンオキサイド6モル付加物(SN−3)を製
造した。 製造例4 [2−エチルヘキシルアミンのエチレンオキサイド6モ
ル付加物の作成]n−オクチルアミンを2−エチルヘキ
シルアミンに替える以外は製造例1と同様の方法で2−
エチルヘキシルアミンのエチレンオキサイド6モル付加
物(SN−4)を製造した。 製造例5 [n−オクチルアミンのエチレンオキサイド2モル付加
物の作成]n−オクチルアミン233gを攪拌機付き耐
圧反応容器に投入し攪拌下、140℃に加熱後、エチレ
ンオキサイド159g[n−オクチルアミン:エチレン
オキサイド=1:2(モル比)]を徐々に投入し、投入
後更に1時間反応させn−オクチルアミンのエチレンオ
キサイド2モル付加物(SN−5)を製造した。 製造例6 [n−オクチルアミンのエチレンオキサイド10モル付
加物の作成]n−オクチルアミン233gを攪拌機付き
耐圧反応容器に投入し攪拌下、140℃に加熱後、エチ
レンオキサイド159g[n−オクチルアミン:エチレ
ンオキサイド=1:2(モル比)]を徐々に投入する。
室温に冷却後水酸化カリウム0.8gを投入し、減圧
下、120℃・1時間脱水する。脱水後、エチレンオキ
サイド636g[1回目の投入量と合わせn−オクチル
アミン:エチレンオキサイド=1:10(モル比)]を
徐々に投入し、投入後更に1時間反応させ、n−オクチ
ルアミンのエチレンオキサイド10モル付加物(SN−
6)を製造した。 製造例7 [ジオクチルアミンのプロピレンオキサイド付加物の作
成]n−オクチルアミンをジオクチルアミンに、エチレ
ンオキサイドをプロピレンオキサイドに替える以外は実
施例5と同様の手順でジオクチルアミンのエチレンオキ
サイド2モル付加物(SN−7)を製造した。 製造例8、9 [ソルビタンの脂肪酸エステル1:2(モル比)の作
成]ソルビタンと、落花生油脂肪酸、ナタネ油脂肪
酸のそれぞれとを、水酸基価および酸価から計算される
分子量を基準にモル比1:2でフラスコに投入し、さら
に水酸化ナトリウムを、ソルビタンと脂肪酸の合計量の
0.2重量%加え、攪拌下、200〜230℃で4時間
反応させ2種類のソルビタンの脂肪酸エステル(SS−
1)と(SS−2)を製造した。それぞれのエステル化
酸価はそれぞれ175、173であり、水酸基価はそれ
ぞれ134、131であった。また、ジエステルの含有
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラムのピーク高
さの比率から、それぞれ、54、52重量%であった。
【0022】製造例10、11 [ソルビタンの脂肪酸エステル1:1.5(モル比)の
作成]ソルビタンと、落花生油脂肪酸、ナタネ油脂
肪酸のそれぞれとを、水酸基価および酸価から計算され
る分子量を基準にモル比1:1.5でフラスコに投入
し、さらに水酸化ナトリウムを、ソルビタンと脂肪酸の
合計量の0.2重量%加え、攪拌下、200〜230℃
で4時間反応させ2種類のソルビタンの脂肪酸エステル
(SS−3)と(SS−4)を製造した。それぞれのエ
ステル化酸価は160、157であり、水酸基価はそれ
ぞれ169、167であった。また、ジエステルの含量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラムのピーク高さ
の比率から、それぞれ、31、33重量%であった。
【0023】製造例12 [ソルビタンのリノール酸エステル1:2(モル比)の
作成]ソルビタンとリノール酸とを、水酸基価および酸
価から計算される分子量を基準にモル比1:2でフラス
コに投入し、製造例8に記載した同じ条件でエステル化
反応を行いソルビタンの脂肪酸エステル(SS−5)を
製造した。エステル化酸価は174であり、水酸基価は
132であった。また、ジエステルの含量は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラムのピーク高さの比率から2
9重量%であった。
【0024】製造例13 [グリセリンのリノール酸エステル1:1.5(モル
比)の作成]グリセリンとリノール酸とを、水酸基価お
よび酸価から計算される分子量を基準にモル比1:1.
5でフラスコに投入し、製造例8に記載した同じ条件で
エステル化反応を行いグリセリンのリノール酸エステル
(SS−6)を製造した。エステル化酸価は159、酸
価は6、水酸基価は172であった。また、ジエステル
の含量は55重量%であった。
【0025】製造例14 [ソルビタンのリノール酸エステルとグリセリンのリノ
ール酸エステルとの混合物の作成]実施例12で作成し
たソルビタンのリノール酸エステル(SS−5)とグリ
セリンのリノール酸エステル(SS−6)を1:1(重
量比)でフラスコに投入し、60℃で2時間混合し、2
種のエステルの混合物(SS−7)を作成した。
【0026】比較製造例1 [オクタデシルアミンのエチレンオキサイド6モル付加
物]n−オクチルアミンをオクタデシルアミンに替える
こと以外は実施例1と同様の手順でオクタデシルアミン
のエチレンオキサイド6モル付加物(RN−1)を製造
した。比較製造例2 [n−オクチルアミンのエチレンオキサイド12モル付
加物]エチレンオキサイド付加モル数を6モルから12
モルに替える以外は、実施例1と同様の手順でn−オク
チルアミンのエチレンオキサイド12モル付加物(RN
−2)を製造した。 比較製造例3 [ソルビタンとデカン酸エステル1:2(モル比)の作
成]ソルビタンとデカン酸とを、水酸基価および酸価か
ら計算される分子量を基準にモル比1:2でフラスコに
投入し、製造例1〜4に記載した同じ条件でエステル化
反応を行いソルビタンの脂肪酸エステル(RS−1)を
製造した。エステル化酸価は221であり、水酸基価は
168であった。また、ジエステルの含量は、ゲルパー
ミエーションクロマとグラムのピーク高さの比率から3
3重量%であった。
【0027】実施例1〜9 硫黄含量0.04重量%のJIS特3号相当のディーゼ
ル燃料油に、表3に記載の組み合わせで、SN−1〜S
N−7の窒素含有化合物を20ppmと、SS−1〜S
S−7のソルビタンの脂肪酸エステルを200ppmと
を溶解させ、実施例1〜9用の燃料油を作成した。得ら
れた燃料油はいずれも透明で、カスミ等は確認されなか
った。9種の燃料油について、温度60℃、ストローク
長1mm、周波数50Hz、時間75分の条件でHFR
R摩耗試験を行い、摩擦係数および摩耗痕の大きさを測
定した。また、同じく得られた燃料油についてJIS
K2776に記載の水溶解度試験方法に従い、水分離性
と抗乳化性を評価した。あわせて、なにも添加しないデ
ィーゼル燃料油のみのブランク試験も行った。この評価
結果を表3に示す。 実施例10 硫黄含量0.04重量%のJIS特3号相当のディーゼ
ル燃料油にSN−1、20ppmと市販のグリセリンモ
ノオレート[モノオレイン、石津製薬株式会社製]を2
00ppmの濃度で溶解させ、実施例8の燃料油を作成
し、実施例1と同様にHFRR法による摩耗試験および
JIS K 2776による水溶解度試験による、水分
離性および抗乳化性を評価した。結果を表3に示す。
【0028】比較例1〜3 実施例と同様に比較製造例で得られたRN−1、RN−
2それぞれを20ppmとSS−1を200ppmの濃
度で溶解させ比較例1、2の燃料油、およびRS−1を
200ppm、SN−1を20ppmの濃度で溶解させ
た比較例3の燃料油を作成しHFRR法による摩耗試験
およびJIS K 2776による水溶解度試験によ
る、水分離性を評価した。結果を表3に示す。
【0029】表3から明らかなように、本発明のディー
ゼル燃料油組成物は摩擦係数および摩耗痕が小さく、未
添加の油のみのブランクに比べて非常に潤滑性に優れて
いると共に、水分離性、抗乳化性にも優れていることが
わかる。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明の燃料油組成物は潤滑性が優れて
いると同時に水分離性、抗乳化性に優れており、酸性雨
等の環境問題から今後低硫黄化等の規制が強化されて
も、従来のディーゼル燃料と同じように使用してもディ
ーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの摩耗によるエンジン
トラブルを防止することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示される窒素含有化合物
    (A)と、硫黄含量が0.2重量%以下であるディーゼ
    ル燃料油(B)からなる燃料油組成物。 [R1]m−N−[(A−O)n−H]p (1) [式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基;R1は炭素
    数6〜16の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の
    数、mおよびpはそれぞれ単独に1もしくは2であり、
    m+pは3である。]
  2. 【請求項2】 該窒素含有化合物(A)の一般式(1)
    中で、R1が炭素数8〜12のアルキル基もしくはアル
    ケニル基であり、nが1〜4、mが1、かつpが2であ
    る請求項1記載の燃料油組成物。
  3. 【請求項3】 該窒素含有化合物(A)と、該硫黄含有
    ディーゼル燃料油(B)と、さらに、脂肪酸エステル
    (C)からなる請求項1または2記載の燃料油組成物。
  4. 【請求項4】 該脂肪酸エステル(C)がソルビタンの
    脂肪酸エステル(D)である請求項3記載の燃料油組成
    物。
  5. 【請求項5】 該ソルビタンの脂肪酸エステル(D)
    が、オレイン酸、リノール酸、エルシン酸およびリノレ
    ン酸からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸とソルビ
    タンとのエステルである請求項4記載の燃料油組成物。
  6. 【請求項6】 該ソルビタンの脂肪酸エステル(D)中
    のジエステル含有量が20〜60重量%である請求項4
    または5記載の燃料油組成物。
  7. 【請求項7】 燃料油組成物に対する該窒素含有化合物
    (A)の含有量が5〜50ppmである請求項1〜6い
    ずれか記載の燃料油組成物。
  8. 【請求項8】 該燃料油組成物に対する該脂肪酸エステ
    ル(C)の含有量が20〜500ppmである請求項3
    〜7いずれか記載の燃料油組成物
  9. 【請求項9】 該硫黄含有ディーゼル燃料油(B)の5
    0重量%以上が水素化脱硫軽油である請求項1〜8のい
    ずれか記載の燃料油組成物。
  10. 【請求項10】 一般式(1)で示される窒素含有化合
    物(A)と、脂肪酸エステル(C)からなる硫黄含量が
    0.2重量%以下の低硫黄化燃料油用の添加剤組成物。 [R1]m−N−[(A−O)n−H]p (1) [式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基;R1は炭素
    数6〜16の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の
    数、mおよびpはそれぞれ単独に1もしくは2であり、
    m+pは3である。]
  11. 【請求項11】 該脂肪酸エステル(C)がソルビタン
    の脂肪酸エステル(D)である請求項10記載の低硫黄
    化燃料油用の添加剤組成物。
  12. 【請求項12】 該窒素含有化合物(A)の一般式
    (1)中で、R1が炭素数8〜12のアルキル基もしく
    はアルケニル基であり、nが1〜4、mが1、かつpが
    2である請求項10または11記載の低硫黄化燃料油用
    の添加剤組成物。
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