JPH0828362A

JPH0828362A - ガスエンジンヒートポンプ用希薄燃焼ガスエンジンの空燃比制御方法

Info

Publication number: JPH0828362A
Application number: JP6165334A
Authority: JP
Inventors: Kenji Nakagawa; 健司中川; Tokushige Masuko; 徳茂増子
Original assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Current assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Priority date: 1994-07-18
Filing date: 1994-07-18
Publication date: 1996-01-30

Abstract

(57)【要約】【目的】厳密な速度制御を有さないガスエンジンヒー
トポンプ用希薄燃焼ガスエンジンに、回転数変動を用い
た速度制御を可能にする。【構成】スロットル（６）の開度が一定区間（Ｂ、
Ｄ、Ｆ、Ｈ）及び（Ｊ）の回転数（Ｎｉ）を基準にして
回転数変動量（σ）を求め、該（σ）が目標回転数変動
量になるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガスエンジンヒートポ
ンプ用希薄燃焼ガスエンジンの空燃比制御方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】希薄燃焼ガスエンジンは、ガスリーンの
状態の限界付近で運転を行うことが出来るので、窒素酸
化物（ＮＯｘ）を低減するためには、非常に有効な技術
である。但し、上述した様にガスリーンの限界付近で運
転を行うため、空燃比の制御が非常に重要である。

【０００３】一方、回転数変動を用いたガスエンジンの
空燃比制御が提案されており、例えば本出願人が先に特
許出願をした特願平５−３０６３１８号で開示されてい
る。そして、その様な回転数変動を用いたガスエンジン
の空燃比制御においては、下記の式（１）で求めた回転
数変動量σ１を用いて、空燃比制御（或いは空気比制
御）を行っている。

【０００４】ここで、式（１）において、符号σ１は回転数変動量、
符号ｎｃは設定回転数を示している。なお、設定回転数
は目標回転数とも言い、定数（例えば、コジェネレーシ
ョンシステムでは１５００または１６００ｒｐｍ）であ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の技術は、コジェ
ネレーション装置のように、設定回転数の厳密で、不感
帯の狭い速度制御を有するエンジンには有効である。

【０００６】しかし、ガスエンジンヒートポンプ用の希
薄燃焼ガスエンジンでは、スロットルによる速度制御の
不感帯が広いので、スロットル開度調節（或いは速度制
御）を行った直後は回転数が著しく変動する。ここで、
不感帯が広いエンジンでは、速度制御直後に変動した回
転数が不感帯を越えない場合も数多く存在するが、その
様な場合には、速度制御直後の非常に大きな回転数変動
量が空燃比制御に組み込まれてしまうので、空燃比制御
が不正確になってしまう。すなわち、回転数が安定して
おり、制御をガスリッチに移行する必要が無い場合で
も、スロットル開度が変化して回転数変動量が激増すれ
ば、上記した回転数変動量による制御においては、ガス
リッチ側に制御が移行してしまうのである。

【０００７】この様な理由から、回転数変動量による空
燃比制御は、不感帯が広いガスエンジンヒートポンプ用
希薄燃焼ガスエンジンに適用することは不可能である、
と考えられている。

【０００８】本発明は、不感帯が広いガスエンジンヒー
トポンプ用希薄燃焼ガスエンジンに回転数変動を用いた
速度制御を行う事を可能にするガスエンジンヒートポン
プ用希薄燃焼ガスエンジンの空燃比制御方法を提供する
ことを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のガスエンジンヒ
ートポンプ用希薄燃焼ガスエンジンの空燃比制御方法
は、スロットル開度が一定な区間の回転数だけを対象に
して回転数変動量を演算し、該回転数変動量が目標値と
なる様に空燃比を制御している。

【００１０】また、本発明のガスエンジンヒートポンプ
用希薄燃焼ガスエンジンの空燃比制御方法は、スロット
ル開度が一定な区間の回転数だけを対象にして回転数変
動量を演算し、該回転数変動量が目標範囲内にある場合
に空燃比をリーン側に制御し、目標範囲外の場合は空燃
比をリッチ側に制御している。

【００１１】本発明の実施に際して、スロットル開度が
一定な区間の回転数だけを対象にするという事は、スロ
ットル開度が変化した（速度制御が行われた）直後であ
って回転数変動が著しい区間の回転数は無視する事を意
味している。そして、「速度制御が行われた直後であっ
て回転数変動が著しい区間」とは、スロットル開度が変
化してから所定時間以内の区間と考えても良い。本発明
の実施に際して、「スロットル開度が変化してから所定
時間以内」とは、例えばスロットル開度が変化してから
１０秒以内であるのが好ましい。

【００１２】換言すれば、本発明の実施に際して、回転
数変動量を演算する際には、スロットル開度が変化して
から１０秒以内における回転数変動量は全て無視される
のが好ましい。

【００１３】

【作用】本発明においては、速度制御が行われた直後の
区間、すなわちスロットル開度が変化して回転数が著し
く変化した区間、におけるデータを、回転数変動量を決
定するデータの対象外とし、スロットル開度が一定な区
間におけるデータのみを対象にして回転数変動量を求め
ている。その結果、速度制御が行われた直後の区間にお
ける回転数変動量、すなわち非常に大きい数値となって
いる回転数変動量は空燃比制御においては無視されるの
で、回転数が安定している状態でスロットルの開度変更
が為された場合であっても、回転数変動量が非常に大き
いと判定されることは無い。

【００１４】換言すれば、本発明の空燃比制御方法によ
れば、速度制御による回転数の激変は無視されるので、
ガスエンジンヒートポンプ用希薄燃焼ガスエンジンの燃
焼状態の実情が良好に反映された状態にて空燃比がリー
ン側又はリッチ側へ制御される。そして、例えば、速度
制御直後に変動した回転数が不感帯を越えない場合も、
速度制御直後の非常に大きな回転数変動量は空燃比制御
においては完全に無視され、空燃比制御に組み込まれて
しまうことは無い。すなわち、回転数が安定しており、
制御をガスリッチに移行する必要が無ければ、スロット
ル開度が変化して回転数変動量が激増しても、回転数変
動量による制御においてガスリッチ側に制御が移行する
ことは無いのである。

【００１５】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１６】図１には、本発明を実施する装置が示され
ている。図において、ガスエンジンヒートポンプ用希薄
燃焼ガスエンジン１の吸気通路２には、燃料通路３から
の燃料Ｇと空気取入口４からの空気Ａとを混合するミキ
サ５と、スロットル６とが設けられている。この燃料通
路３を吸気通路２のミキサ５及びスロットル６の間に接
続するバイパス通路７が設けられ、そのバイパス通路７
には、バイパス弁８が設けられている。このバイパス弁
８は、図示しないステッピングモータで開度がステップ
的に調節されるようになっている。

【００１７】前記エンジン１には、回転センサ９が設け
られ、空燃比制御装置１０と回転数制御装置１１とに接
続されている。その空燃比制御装置１０は、バイパス弁
８に接続され、回転数制御装置１１は、スロットル６に
接続されている。また、両装置１０、１１には、設定回
転数が入力されるようになっている。また、空燃比制御
装置１０には、回転数制御装置１１が接続されていな
く、したがって、スロットル６が動いたか否かは制御対
象外になっている。

【００１８】次に、図２を参照して制御の態様を説明す
る。

【００１９】空燃比制御装置１０は、回転センサ９から
の信号に基づき、実回転数Ｎｉを１回転毎に測定して
（ステップＳ１）、データを取り始めてからある一定時
間（例えば１０秒）経過したか否かを判定する（ステッ
プＳ２）。ＹＥＳだったら、次の式（２）により回転数平均値Ｎａを計算する（ステップＳ３）。

【００２０】次いで、スロットルが動いたか否かの判定
の代わりに、回転数が著しく変化したか否か、すなわ
ち、回転数Ｎｉと平均値Ｎａとの差が３０ＲＰＭ以上の
データがあるか否かを判定する（スップＳ４）。ＮＯの
場合は、測定データをリセットして（ステップＳ５）、
リターンする。また、ＹＥＳだったら、その区間の回転
数変動量σを次の式（３）により計算する（ステップＳ
６）。

【００２１】次いで、得られた回転数変動量σに基づき、詳細を図３
に示すフローに従いバイパス弁８の開度を変えることに
より、空燃比を制御して（ステップＳ７）、終了するか
否かを判定し（ステップＳ８）、ＹＥＳならば終了し、
ＮＯならばリターンする。

【００２２】バイパス弁８の開度を制御するに際し、先
ず、目標回転数変動量（例えば３．５ＲＰＭ）を読み込
み（ステップＳ１０）、次いで、ステップＳ６で得られ
た回転数変動量σを読み込む（ステップＳ１１）。そこ
で、回転数変動量σが目標回転数の範囲内に入っている
か否かを判定する（ステップＳ１２）。ＹＥＳだつた
ら、制御によりリーン側にしてＮＯｘ濃度をより低減す
るように、ステッピングモータのステップ位置を算出し
（ステップＳ１３）、ステップ速度を算出し（ステップ
Ｓ１４）。ステッピングモータをリーン側へステップし
て（ステップＳ１５、Ｓ１６）、リターンする。

【００２３】他方、ステップＳ１２がＮＯの場合は、す
なわち空燃比を高くし過ぎて回転数変動が増大したもの
と判断し、空燃比を低くして制御をリッチ側にするのに
必要な処理を行う。すなわち、ステップ位置を算出し
（ステップＳ１７）、ステップ速度を算出し（ステップ
Ｓ１８）、ステッピングモータをリッチ側へステップし
て（ステップＳ１９、Ｓ２０）、リターンする。

【００２４】上記の制御により図４に示す回転数の変動
において、スロットル６の開度が変化して回転数Ｎｉが
著しく変化した区間Ａ、Ｃ、Ｅ、Ｇ及びＩを対象外とし
て図５に示すように、スロットル６の開度が一定な区間
Ｂ、Ｄ、Ｆ、Ｈ及びＪを対象として回転数変動量を求め
ているので、回転数変動を用いた空燃比制御が可能とな
る。

【００２５】図６には、本発明を実施する装置の別の実
施例が示されている。この実施例において、空燃比制御
装置１０には、回転数制御装置１１が接続され、空燃比
制御装置１０は、スロットル６が動いたか否かが直接入
力される。すなわち制御の対象となっている。

【００２６】制御に際し図７に示すように、空燃比制御
装置１０は回転数制御装置１１からの信号に基づき、ス
ロットル６が動いたか否かを判定する（ステップＳ３
０）。ＹＥＳだったら、測定データをリセットして（ス
テップＳ３１）、リターンし、ＮＯの場合は、スロット
ル６が前回動いてからある一定時間（例えば５秒）経過
したか否かを判定する（ステップＳ３２）。ＮＯの場合
は、リターンし、ＹＥＳだったら、ステップＳ１と同様
に実回転数Ｎｉを測定し（ステップＳ３３）、次いで、
ステップＳ２と同様に、データを取り始めてからある一
定時間（例えば１０秒）経過したか否かを判定する（ス
テップＳ３４）。ＹＥＳだったら、ステップＳ３、Ｓ６
及びＳ７と同様に、回転数平均値Ｎａを計算して回転数
変動量σを計算し、バイパス弁７の開度を変えることに
より空燃比を制御して（ステップＳ３５、Ｓ３６及びＳ
３７）、リターンする。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスエンジンヒートポンプ用希薄燃焼ガスエンジンの燃
焼状況に応答して、好適に空燃比を制御して、必要な時
だけガスリッチ状態に移行し、希薄燃焼状態を維持する
ことが出来る。そして、可能な限りＮＯｘやＣＯｘを低
減することができるのである。さらに、不感帯が広いガ
スエンジンに対しても、回転数変動を用いた空燃比制御
を適用することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する装置の一例を示す制御ブロッ
ク図。

【図２】総合的な制御フローチャート図。

【図３】空燃比制御の一例を示す制御フローチャート
図。

【図４】回転数のタイミングチャート図。

【図５】制御対象区間を説明する回転数のタイミングチ
ャート図。

【図６】本発明を実施する装置の別の実施例を示す制御
ブロック図。

【図７】図６の図２に対応する図面

【符号の説明】

Ｎａ・・・回転数の平均値 σ・・・回転数変動量１・・・ヒートガスポンプ用希薄燃焼ガスエンジン２・・・吸気通路３・・・燃料通路４・・・空気取入口５・・・ミキサ６・・・スロットル７・・・バイパス通路８・・・バイパス弁９・・・回転センサ１０・・・空燃比制御装置１１・・・回転数制御装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】スロットル開度が一定な区間の回転数だ
けを対象にして回転数変動量を演算し、該回転数変動量
が目標値になる様に空燃比を制御することを特徴とする
ガスエンジンヒートポンプ用希薄燃焼ガスエンジン空燃
比制御方法。
【請求項２】スロットル開度が一定な区間の回転数だ
けを対象にして回転数変動量を演算し、該回転数変動量
が目標範囲内にある場合に空燃比をリーン側に制御し、
目標範囲外の場合は空燃比をリッチ側に制御することを
特徴とするガスエンジンヒートポンプ用希薄燃焼ガスエ
ンジン空燃比制御方法。