JPH08282U - 車両用サンバイザー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】現在一般に使用されているサンバイザーは、太
陽が地平線に近付くにしたがって、遮光板の大きさ制約
から運転者に対し眩しさ防止に役立たない角度を生じる
ことがある。これの対処法として、サンバイザーの縦巾
を広げるものがあるが、これでは運転者の前方視界を妨
げる副作用が生じる。本考案は、前方視界を悪化させる
事なく、眩しさ防止対応の範囲を広げようとすることに
ある。 【構成】現在一般に使用されているサンバイザーの位置
調節範囲は前後左右方向のみであって、太陽の位置が下
がった場合に遮光できる角度は、備えられているサンバ
イザーの縦巾で決定されてしまう。そこで、現在のサン
バイザー機能に上下方向に移動できる機能を付加できれ
ば、遮光板の投影面積を拡大しなくても有効な遮光効果
を得ることができると考えられる。本考案の主体は、サ
ンバイザーを上下位置に簡単で確実に調節できる機構に
あります。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、朝夕の太陽位置が車両運転時眩しさを与える場合、安全運転確保の ため遮光用として使用されるサンバイザーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車両には運転者の頭上近くの天井部に、車両進行方向前方に輝度の高い光源が あって運転上幻惑を感じる場合この眩しさを防ぐ目的から遮光板が取り付けられ ている。この遮光板は運転者の手によって左右方向および前後方向に角度調節さ れ遮光の効果をはたしている。また車両運転時に遮光の必要がない場合は、前方 の視界を妨げないよう車両の天井部に収納されている。なお遮光板使用時は、遮 光効果とともに運転のための前方視界確保も兼ね備えるため、遮光板面積におの ずから制約があってあまり大きな遮光板を備えることができない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記遮光板の大きさ制約から発生する遮光効果がはたせない角度の 直射光に対し、遮光板の面積を拡大することなく遮光効果をはたす事を目指した ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

車両運転時、前方にあって眩しさを与える光源は太陽光であって、その他の人 工的光源が眩しさを運転者に与える事は、対向車が故意に減光しない場合を除き ほとんどない。太陽光は人間の目には点に近い光源であり、遮光目的からすれば 遮光板を太陽の位置に追従できるよう位置の移動範囲を拡大すれば良いのであっ て、遮光板の面積拡大は直接関係しない。しかしながら、現状の遮光板は調節範 囲が前後左右の機能しかなく、太陽の位置が地平線に限りなく接近した場合等は 遮光板大きさの制約から遮光目的がはたせない現象を生じている。本考案は、現 状の前後左右の機能の他に遮光板に上下移動の機能を持たせ、遮光板の大きさを 拡大することなく、視界の確保と遮光の効果範囲を広げるものである。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明する。 図１は本考案全体を示した正面図および側面図である。車両への取り付け具１ の中心部には回転軸２が通り、他の一方は遮光板支持具３を貫通している。１お よび３には弾性体を使用して回転軸２を支持しており、側面図の矢印で示した前 後左右の任意の位置で手を離すと、離した位置で固定される構造となっている。 遮光板４の位置は上下方向移動動作での最下段状態を示したもので、３と４は分 離できない構造となっている。 図２は遮光板保持具３と遮光板４の拡大図で、中央の側面図は組み立てられた 状態を示し、左右の図は３および４の正面図である。３には回転軸２を通す溝と 爪５と噛み合う溝３ａ、ピン７ａを通す穴３ｂ、スプリング８を保持する棒３ｃ が一体に形成されている。遮光板４にはリブ４ａが設けられており、これに沿っ て移動板７が移動する。爪５は板バネ６で外側に向かって押し付けられている。 側面図の状態から遮光板４を下方に移動すると、爪５は溝３ａに順次噛み合いな がら下方に移動し、スプリング８の戻す力が働いても爪５と溝３ａの噛み合いに よって遮光板４は戻らない。遮光板４が最下段に向かって移動すると、穴３ｂに よってピン７ａの下方移動が妨げられ、移動板７は溝４ａに沿って上方に移動し 、やがて爪５を内側方向に圧縮する地点に達する。この地点で爪５と溝３ａは噛 み合いを開放するため、遮光板４はスプリング８の力で最上段に移動する。最上 段地点では穴３ｂによってピン７ａの上昇が妨げられ、移動板７は爪５の圧縮力 を開放する。この動作によって遮光板を任意の位置に固定でき、遮光板を最下段 に引き下げることにより元の位置に戻すことができる。 図３は従来の構造を示したものであり、遮光板の調節範囲は、取り付け具１の 中心軸を基に左右方向と、遮光板４を軸とした前後方向しかできない。

【０００６】

【考案の効果】

以上のように、従来の遮光板構造に上下方向調節機能を付加することにより、 遮光範囲を拡大させ、遮光の必要ない部分には前方視界確保を重視した遮光板の 大きさ設定が可能となる。この効果は、通行量が多く車両事故が多発している今 日、事故防止にも大きな貢献が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】考案したサンバイザーの全体図で、遮光板の位
置調節の運動方向は矢印で示した前後・左右・上下の三
方向である。

【図２】遮光板を上下方向に移動させ、任意の位置で固
定させる機構のみを取り出して描いた図。

【図３】現在一般的に使用されている車両用サンバイザ
ーを表した図。

【符号の説明】

１はサンバイザーを車両に固定する取り付け具、２は回
転軸、３は遮光板取り付け具、３ａは遮光板取り付け具
に設けられた溝、３ｂは同じく穴、３ｃは同じく棒、４
は遮光板本体、４ａは遮光板に設けられた溝、５は爪、
６は押さえバネ、７は移動板で、７ａは移動板に設けら
れたピン、８はスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直射日光の光りを遮光する遮光板、遮光
   板を左右方向に回転させる軸と、前後方向に回転させる
   軸を備え、前後方向に回転させる軸上に遮光板が上下方
   向に段階的に移動できる機構と、最下段に遮光板が移動
   した時は自動的に最上段に復帰する機構を備え、これら
   を一体としてまとめた車両用サンバイザー。