JPH08282782A - 二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置 - Google Patents

二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置

Info

Publication number
JPH08282782A
JPH08282782A JP7070444A JP7044495A JPH08282782A JP H08282782 A JPH08282782 A JP H08282782A JP 7070444 A JP7070444 A JP 7070444A JP 7044495 A JP7044495 A JP 7044495A JP H08282782 A JPH08282782 A JP H08282782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frp
tank
inner shell
mirror
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7070444A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Watanabe
正行 渡辺
Akira Hagio
彰 萩尾
Katsuaki Sato
捷昭 佐藤
Yoshiaki Kotake
義昭 小武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Kako Inc
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Fuji Kako Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp, Fuji Kako Inc filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP7070444A priority Critical patent/JPH08282782A/ja
Publication of JPH08282782A publication Critical patent/JPH08282782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強固な構造でかつ製造容易な二重殻地下燃料
タンクとその製法並びに製造装置。 【構成】 鋼製内殻タンクの胴部上面を除く胴部は円筒
状で軸方向に切断されている一枚のFRP成形板で覆わ
れ、該内殻タンクの両鏡部はFRP鏡板で覆われてい
て、該胴部と該両鏡板との当接端部はFRPによりオー
バーレイ接合され、該内殻タンクの上面露出部は、該胴
部FRP板の両端部分と該両鏡板の未接合端部分とにま
たがって全域がFRP積層で覆われていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガソリンスタンド等に
設置される円筒形地下燃料タンクに関し、より詳細に
は、貯蔵油の漏洩拡散を防止するために二重殻構造とさ
れている円筒形の地下燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】自治省消防庁による「地下タンクとして
用いるSF製二重殻タンクの安全性に関する調査検討報
告書」(平成5年3月)には、SFタンクの構成法には
4種類があり、その内の一つである「成形シート貼り
法」について「(平板の)FRPシートを胴部の外面の
局面の沿わせて曲げながら仮固定する・・・」と記載さ
れている。そして、上記構成法で使用される平板シート
は、通常連続成形法で生産されているため、生産可能な
幅は2m未満であり、このため、胴長が2m以上もある
タンクの場合には、複数の平板パネルを用い、それらを
曲げながらオーバーレイ接合によって貼り合わせながら
タンク胴部に巻き付けていく手法がとられている。
【0003】しかし、鋼製タンクの場合、その製造段階
でタンクが外周面に形成された溶接部の出っぱりがある
ことから、平板パネルをその上に巻き付けても、鏡面と
よくフィットせず、ガタつきがでて強度上好ましくない
ため、該溶接部分でFRP(Fiberglass Reinforced Pla
stics )パネルを切断し、該溶接部分を跨いでパネル同
士をFRP樹脂によってオーバーレイ接合しているのが
現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の成形シート貼り
法では、FRP板としては平板が使用され、円筒形の鋼
製タンクの外側面に一枚一枚押し曲げながら貼り付けら
れているが、この場合、FRP板のスプリングバックの
力に抗しての作業となるため、作業が難しい。また、F
RP板は変形された状態で巻き付けられているので、残
留応力のためにFRP板外面に衝撃や、局部圧縮力など
の力が加わった場合に亀裂が生じ易い状態となってい
る。加えて、巻き付けたシート端部にも常に剥離力に働
くこととなるために、該端部を耐久性のある接合部とす
ることが困難である。さらに、FRPパネルは鋼製タン
クの溶接ビード部との重なりを避けるために、細切れの
パネルを用いて、それらをハンドレイアップ法でオーバ
ーレイ接合するという煩雑な作業が避けられない。
【0005】本発明は、鋼製内殻タンクの胴部へのFR
P板の巻き付け作業が容易であり、かつ巻き付け後の胴
部FRP外殻に残留応力がなく、内殻タンクと外殻FR
P成形板との間に隙間がないために、地下に埋設した場
合にも土圧や水圧による該FRP外殻面に衝撃や局部圧
縮力などが加えられても亀裂が生じることがなく、また
鏡部FRP板との接合に関しても耐久性のある接合端部
が形成されているFRP外殻を有する二重殻地下燃料タ
ンクとその製造方法及び製造装置を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、タンク胴部に巻き付ける外殻FRP部材と
して、タンクの上部を残して側部及び下部を覆うことの
できる大きさで円筒状に成形されている一枚のFRP板
を使用することを特徴とし、好ましくは該FRP板とし
てタンク外面の溶接ビードに嵌合する条溝を内面に形成
して円筒状に成形されている一枚のFRP板を使用する
ことを特徴とする二重殻地下燃料タンクの製法と該方法
を実施するための装置と、該方法によって製造される耐
久性に優れた二重殻地下燃料タンクに存するものであ
る。
【0007】また、本発明は上面に漏洩検知管端部、タ
ンクノズル部及びマンホール部を有する鋼製内殻タンク
の胴部上面を除く胴部を円筒状で軸方向に切断されてい
る一枚のFRP板で覆って鏡部を覆うFRP鏡板とFR
Pオーバーレイ接合により一体化し、該内殻タンクの未
被覆上面をハンドレイアップ法によりFRP積層によっ
て被覆して該内殻タンクの外殻を構成したことを特徴と
する二重殻地下燃料タンクに存する。
【0008】また、本発明は、上面に漏洩検知管端部、
タンクノズル部及びマンホール部を有する鋼製内殻タン
クの胴部上面を除く胴部に、該胴部に形成されている溶
接ビードと嵌合する条溝を内面に有する円筒状で軸方向
に切断されている一枚のFRP成形板を巻き付けて仮固
定し、ついで該タンクの両鏡面部をFRP鏡板で覆い、
該胴部と該両鏡板との当接端部をFRPオーバーレイ接
合し、ついでハンドレイアップ法により該内殻タンクの
上面露出部を、該胴部FRP板の上端部分と該両鏡板の
上端部分とを覆ってFRP積層して被覆することを特徴
とする二重殻地下燃料タンクの製造方法と、該方法によ
って製造される二重殻地下燃料タンクに存する。
【0009】さらに、本発明は、鋼製内殻タンクをその
両鏡部において下方から支持する傾斜受けローラーを有
する傾斜ターニングローラー機構と、該内殻タンクの胴
部を下方から支持する水平受けローラーを有する水平タ
ーニングローラー機構と、該内殻タンクの鏡部に対応す
る凹面板を有し、該内殻タンクの両鏡部に相対して配置
されているFRP鏡板押圧固定機構とを備えていること
を特徴とする、全域がFRP層で覆われている二重殻地
下燃料タンクの製造装置に存する。
【0010】本発明に使用する円筒状のFRP板は、タ
ンク上面部を除く胴部を覆うことのできる外径及び長さ
に相当する寸法を有することが重要であり、好ましくは
溶接部の出っぱりに相当する凸状部(リング状の肉盛り
部)を形成した芯金(成形型)を使用し、ハンドレイア
ップ法、フィラメントワインディング法(FW法)など
の方法で製造されたものであって、タンクの側部及び下
部を覆う寸法を有し、タンク上面部分に相当する部分を
有しない略円筒状の一枚のFRP板である。上記のリン
グ状の肉盛部を形成した成形型を使用して製造されたF
RP板の場合には、その内面の該凸状部に当接する位置
にリング状の凹部、すなわち溝が形成されている。FR
P板を構成するための材料には特に制限はなく、ガラス
繊維強化プラスチック(GFRP)を使用するので一般
的である。
【0011】
【作用】上記した本発明の二重殻構造のSFタンクの製
造方法は、従来、多数のFRPパネルを貼り合わせて覆
っていたSFタンクの側部及び下部のFRPパネルによ
る被覆工程を、該タンクの側部及び下部の形状に合わせ
て予め成形した一枚の略円筒状のFRPパネルを巻き付
けることによっておこなうため、被覆作業が単純である
し、予め成形加工されている該パネルは、鋼製タンクの
胴部形状に合うように円筒状に形成されているため、巻
き付けのためにパネルを押し曲げる力が不要であり、し
たがって巻き付け作業がし易い。
【0012】また、本発明は、上記の鋼製内殻タンクの
胴部へのFRP一枚板の巻き付け作業を行うに当って、
鋼製内殻タンクを、その鏡部の曲面に下方から当接して
支持する傾斜受けローラーを有する傾斜ターニングロー
ラー機構と、該内殻タンクの胴部を下方から支持する水
平受けローラーを有する水平ターニングローラー機構
と、該内殻タンクの鏡部に対応する凹面板を有し、かつ
該両鏡部に相対して配置されているFRP鏡板押圧固定
機構とを備えている装置を使用することにより、大型の
FRP一枚板により鋼製内殻タンクの胴部への配置、固
定する作業と、鏡部への大径のFRP鏡板の配置・固定
作業を迅速かつ正確に行うことができる。
【0013】また、本発明の方法で製造された二重殻構
造のSFタンクは、巻き付けられているFRP殻に残留
応力がなく、したがって、FRPパネル本来の対衝撃
性、対圧縮性を備え、かつ外殻と内殻タンクの接合部で
内殻から外殻が剥がれる方向に力が働いていないから、
耐久性のある接合部が形成されている。また、巻き付け
FRPパネル内面にリング状条溝を形成しておくと、内
殻タンク外周面上の溶接ビードに嵌合してパネルを安定
固定させることができるし、その結果溶接ビードを平滑
に仕上げる作業を省略することができる。
【0014】また、当然ながら、本発明で使用される一
枚物のFRP成形板は、内殻タンクの溶接ビードが平滑
に仕上げられていれば、内殻タンク面に大きな隙間を生
じることなく巻付けることができるから、製造された二
重殻タンクを埋設した場合に加わる土圧や水圧によって
FRP板に大きな曲げ応力が生じることはない。
【0015】
【実施例】以下に、添付図面を参照して、本発明の製造
方法及び該方法によって製造される二重殻構造のSFタ
ンクの構造を具体的に説明するが、むろん本発明はこれ
らの実施例によって限定されるものではない。図1は本
発明の二重殻構造のSFタンクの斜視図である。図2は
図1のX−X線断面図であり、図3は、同様にY−Y線
断面図である。図4は本発明のSFタンクにおいて鋼製
タンク溶接部をFRPパネルが覆う状態を示す部分断面
図であり、図5は従来のSFタンクの溶接部を挟んで配
置されているパネル同士をFRPオーバーレイ接合して
いる構造を示す部分断面図である。
【0016】図6〜図11は本発明の一実施例における
製造方法の各工程における状態を説明する図であり、図
12〜図16は本発明の他の実施例における製造方法の
各工程における状態を説明する図である。各図におい
て、符号1はSFタンク、2、2a、2bは胴部FRP
パネル、3は鏡部FRPパネル、4は内部鋼製タンク、
5は溶接ビード、6、6a、6bはFRPオーバーレイ
接合部をあらわす。
【0017】図1の本発明のSFタンクは、厚さが8m
mで、直径2100mm、胴部の長さ6130mm、鏡
面部から鏡面部までの長さ7000mmのもので、胴部
外周面上に複数の溶接ビードを有するSS41製のもの
である。図面には、説明を簡単にするために、円周方向
に2本の溶接ビードを有するものを図示している。予め
内殻タンクの外周面の形状に合わせて円筒条に形成され
た一枚のFRPパネル2は、SFタンクの該溶接ビード
5に対応する内面位置に、幅30mm、深さ4.0mm
の溝12が形成されるように厚さ3.5mmの一枚のF
RP板から円筒状に成形されている。
【0018】上記のFRP板を使用してタンクの外殻を
形成している図1のタンクは、溶接ビード部が図4の接
合部断面構造に示されるようにパネル内面に形成されて
いる条溝12に溶接ビード5の出っぱりが嵌合して被覆
されている。なお、図4のFRPパネル内面に形成され
ている条溝は、その断面コ字状の溝の隅部が直角状に描
かれているが、地下タンクとして圧力が加わった場合の
該隅部への応力集中を回避する意味からは、該隅部の断
面形状は鈍角又は曲線となるように形成することが好ま
しい。これに対して、従来構造のSFタンクの場合、通
常平板の長さの短い複数のパネル2a、2b等を溶接ビ
ードを避けてタンク外周の曲面に沿って押し曲げて仮固
定し、パテ14が充填されている溶接ビードを跨いで互
いの端部を覆うようにFRP樹脂を含浸したガラスマッ
ト等をハンドレイアップ法で積層することによってFR
P外殻が形成されているため、図5に示す接合部断面構
造を有している。
【0019】上記構造を有する本発明のSFタンクの一
製造工程を図6〜図11にしたがって説明する。図6の
(a)は傾斜受けローラー16を有する傾斜ターニング
ローラー機構17と、水平受けローラー18を有する水
平ターニングローラー機構19を備え、さらに、傾斜タ
ーニングローラー機構17の両外側に設置されていて、
横方向にスライドできるタンクの軸方向移動防止用のス
トッパ28(図10参照)と、内殻タンク4の鏡部に対
応する凹面板20を有し、前後進するFRP鏡部押圧固
定機構21を備えた架台27上に、内殻タンク4を、そ
の鏡部下部において傾斜ターニングローラー機構17の
傾斜受けローラー16で支え、両鏡部中央をストッパ2
8で押えた状態を示す側面図である。図6の(b)は鏡
部側正面図である。図6の(a)においては、水平ター
ニングローラー機構19の受けローラー18は内殻タン
ク4の胴部から離れている。
【0020】図7に示すように、図6の(a)及び
(b)の状態で、略円筒状に成形されている胴部FRP
板2が、内殻タンク4を矢印方向にターニングローラー
機構によって回転することによって内殻タンク下部から
側部にわたって巻き付けられ(図7のa)、その両端部
同士が紐23によって仮固定され(図7のb)、その後
締付金具24を有するベルト25によって締付け固定さ
れる(図7のc)。なお、説明の便利のために図7では
架台及び架台上の各装置は省略した。
【0021】ついで、ストッパ28を側方の待機位置へ
スライド移動させると同時に、水平ターニングローラー
機構19を駆動させて水平受けローラー18を上昇させ
ると胴部FRPパネル2が巻き付け固定されている内殻
タンク4の下部に水平受けローラー18が当接し、内殻
タンク4は、その胴部で水平ターニングローラー機構1
9によって支えられる。水平ターニングローラー機構1
9は更に上昇し、傾斜ローラー16を内殻タンク4の鏡
下部より離間せさた状態で停止する(図8)。ストッパ
は図8の奥方向の待機位置に移動されているので図では
省略している。
【0022】ついで、内殻タンク4の鏡部にFRP鏡板
3を配置し、押圧・固定機構21を前進駆動して凹面板
20により、FRP鏡板3を内殻タンク4の鏡部に押圧
し、その状態でFRP鏡板3と既に胴部に締付け固定さ
れている胴部FRP板2の端部同士を位置決めし、固定
する(図9)。このFRP鏡板3の位置決め工程では、
FRP鏡板3の端部に内殻タンク4の上面未被覆部に設
けられたセンターマークに対応するマークを付してお
き、FRP鏡板をタンク4の鏡部に押圧・固定する際
に、FRP鏡板3と胴部FRP板の端部間の距離が全端
部にわたって等しく配置されるような位置合わせが行わ
れる(図10)。なお、図9ではストッパは図の奥方向
に移動しているので図示を省略している。
【0023】内殻タンク4の胴部と鏡部に上記の如くF
RP板が位置合わせして固定されると、引き続いて、F
RP鏡板3と胴部FRP板2とにまたがって、両者の端
部を覆うようにFRP組成物によるオーバーレィ積層が
行われ、同様に内殻タンク4の上面未被覆部と該未被覆
部に相対しているFRP鏡板端部と胴部FRP板端部を
全て覆うようなFRP組成物によるオーバーレィ積層が
施される。このオーバーレィ積層作業は、水平受けロー
ラー18を有する水平ターニングローラー機構19を作
動させ、FRP外殻が仮止められている内殻タンク全体
を回転させながら行われるので、径の大きな本発明の燃
料タンクであっても、作業用の足場や台を別途用意する
ことは必要ではなく、作業を容易に行うことができる。
上記の一連の作業工程によってその表面全域がFRP外
殻で覆われている本発明の二重殻地下燃料タンクが完成
する(図1〜図5)。
【0024】なお、上記実施例では単一架台を用いた例
について説明したが、傾斜ターニングローラー機構と水
平ターニングローラー機構を別々に備えた2基の架台を
併置し、両架台間をクレーン等によりタンクを移動させ
ながら上記実施例と同一の作業を行うこともできる。ま
た図8では、内殻タンクの鏡部へのFRP鏡板の取り付
け、位置合わせに2名の作業者が必要である。そこで、
押圧固定機構21の凹面板20に、例えば凹面板下端の
左右対称位置に設けられていて鏡板を下方から支持する
2個の突起などからなる適当な鏡板保持機構を設ける
と、作業者が1人でも押圧固定機構を操作できるので好
ましい。
【0025】つぎに上記構造を有する本発明のSFタン
クの別の製造工程を図11〜図15の工程図にしたがっ
て説明する。図11に示すように、鋼製タンク4は、ま
ず、タンク上部に配置されているマンホール7、タンク
ノズル8、検知管口9を下向きにしてサポート10上に
載置する。つぎに、図12に示すように、予め形成され
ている円筒状の成形パネル2を鋼製タンクの底部及び側
部を覆うようにかぶせる。図13に示すように、かぶせ
たパネルをクランプ(11)等によりタンクに密着固定
する。
【0026】ついで図14に示すように、鋼製タンクの
鏡部を予め形成した鏡部FRPパネルで覆い、該鏡部パ
ネルと前記胴部パネルの両端部当接箇所を、正確に位置
決めした後、FRP鏡板押え装置(図9参照)などを用
いて押圧固定し、該両端部にまたがってFRP積層を形
成することによって接合する。最後に、図15に示すよ
うに、タンクを反転させてマンホール部等を上にしてサ
ポート上に載置し、鏡部パネルと胴部パネルの残る端部
からタンク上面部にわたってFRPオーバーレイ積層を
施して該端部を封鎖するとともに、該FRP積層をタン
ク上面全域に広げて施すことにより連続的なFRP積層
(13)を形成して、最終製品となる図1のSFタンク
が完成する。
【0027】FRP鏡板と胴部円筒状FRP板の当接箇
所のオーバーレイ積層やその他の部分、例えばタンク上
面部の積層は、ハンドレイアップ法及びスプレイアップ
法のいずれかによっておこなってもよい。また、最終的
にFRP被覆されるタンク上面部には、FRP被覆に密
着性を強固なものとするために予めプライマー塗装が施
されていることが望ましい。タンク上面部のFRP積層
は、該上面部全域を覆うようにおこなうのが好ましく、
この場合、マンホール、検知管口、ノズル部などの外周
面の全てを覆ってFRP層を形成することが好ましい。
【0028】以上の各実施例では胴部に溶接ビードが存
在する鋼製内殻タンクFRP成形板を巻き付ける例を説
明した。しかし、本発明による一枚物のFRP成形板で
内殻タンク胴部を被覆する方法は、該胴部に存在する溶
接ビードを平滑に仕上げた内殻タンクを使用した場合に
も適用できるものであり、その製造方法に従って製造さ
れる二重殻地下燃料タンクについてもFRP外殻に曲げ
応力等が生じることはなく、耐衝撃性、耐圧縮性強度に
すぐれているという特性が付与されるものである。
【0029】
【発明の効果】以上に説明した本発明によれば、予め円
筒状に成形されている一枚のFRP外殻を有する本発明
のSFタンクは、平板で、細切れの複数FRPパネルを
内殻鋼製タンクの形状に合わせて押し曲げながら、タン
クの溶接部を挟んで仮固定し、オーバーレイ接合してい
る従来の複数成形シート張り法に比べて、FRPパネル
張り作業が容易であるのみならず、外殻を構成するFR
Pパネルが残留応力を有していないために外部から加わ
る衝撃、圧縮力に対する強度においてすぐれている。
【0030】また、FRPパネルが一枚板であり、内殻
鋼製タンクの溶接ビードを平滑に仕上げればFRPパネ
ル鋼製タンクにぴったり巻き付けられる。さらにその内
面に溶接ビート部に対応する凹状溝を設けたものである
場合には、鋼製タンクからなる内殻の溶接ビード部とF
RPパネルからなる外殻内面の条溝とが嵌合し固定され
ているためにがたつきはないし、パネルが一枚板である
ために、複数パネルを貼り合わせている従来タンクのよ
うなパネル同士の接合部からの漏れの心配も皆無であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSFタンクの斜視図。
【図2】図1のタンクのX−X線断面図。
【図3】図1のタンクのY−Y線断面図。
【図4】本発明のタンクにおいてFRPパネルで覆われ
た溶接部の状態を示す部分断面図。
【図5】従来のタンクにおいてFRPオーバーレイ接合
している溶接部の状態を示す部分断面図。
【図6】本発明の製造法の一実施例における最初の工程
を示し、(a)は内殻タンクを架台上に設置固定した状
態の側面図、(b)は鏡部側正面図。
【図7】図6の架台上で内殻タンクに(a)〜(c)の
順序で胴部FRP板を仮止めする工程を示す図。
【図8】図7に続く鏡部FRP板の取り付け工程を示す
図。
【図9】図8に続く鏡部FRP板の取り付け工程を示す
図。
【図10】図9の工程の斜視図。
【図11】本発明の別の実施例の製造法の最初の工程に
おける鋼製タンクの配置状態を示す図。
【図12】図11に続く工程における作業を示す図。
【図13】図12に続く工程における作業を示す図。
【図14】図13に続くオーバーレイ接合工程における
作業を示す図。
【図15】図14に続くオーバーレイ接合の完成図。
【符号の説明】
1:SFタンク、2、2a,2b:胴部FRPパネル、
3:鏡部FRPパネル、4:鋼製タンク、5:溶接ビー
ド、6,6a,6b:オーバーレイ接合部、7:マンホ
ール、8:タンクノズル、9:検知管口、9a:検知
管、9b:漏洩検知センサー、10:サポート、11:
クランプ、12:溝、13:FRP積層、14:パテ、
15:マット、16:傾斜受けローラー、17:傾斜タ
ーニングローラー機構、18:水平受けローラー、1
9:水平ターニングローラー、20:凹面板、21:押
圧機構、22:ストッパー、23:紐、24:締付金
具、25:ベルトラッシング、26:ハンドル、27:
架台、28:ストッパ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 捷昭 東京都港区西新橋1丁目3番12号 日本石 油株式会社内 (72)発明者 小武 義昭 東京都港区西新橋1丁目3番12号 日本石 油株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に漏洩検知管端部、タンクノズル部
    及びマンホール部を有する鋼製内殻タンクの胴部上面を
    除く胴部を被覆しているFRP外殻部分が円筒状で軸方
    向に切断されている一枚のFRP成形板で覆って構成さ
    れていることを特徴とする内殻表面全域がFRP層から
    なる外殻で覆われている二重殻地下燃料タンク。
  2. 【請求項2】 上面に漏洩検知管端部、タンクノズル部
    及びマンホール部を有する鋼製内殻タンクの胴部上面を
    除く胴部は、該胴部に形成されている溶接ビードと嵌合
    する条溝を内面に有する円筒状で軸方向に切断されてい
    る一枚のFRP成形板で覆われ、該内殻タンクの両鏡部
    はFRP鏡板で覆われていて、該胴部と該両鏡板との当
    接端部はFRPによりオーバーレイ接合され、該内殻タ
    ンクの上面露出部は、該胴部FRP板の上端部分と該両
    鏡板の上端部分とを覆って全域がFRP積層で覆われて
    いることを特徴とする二重殻地下燃料タンク。
  3. 【請求項3】 上面に漏洩検知管端部、タンクノズル部
    及びマンホール部を有する鋼製内殻タンクの胴部上面を
    除く胴部に、円筒状で軸方向に切断されている一枚のF
    RP成形板を巻き付けて仮固定し、ついで該タンクの両
    鏡面部をFRP鏡板で覆い、該胴部と該両鏡板との当接
    端部をFRPオーバーレイ接合し、ついでハンドレイア
    ップ法により該内殻タンクの上面露出部を、該胴部FR
    P板の上端部分と該両鏡板の上端部分とを覆ってFRP
    積層で被覆することを特徴とする二重殻地下燃料タンク
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼製内殻タンクの両鏡部を下方から支持
    する傾斜受けローラーを有する傾斜ターニングローラー
    機構と、該内殻タンクの胴部を下方から支持する水平受
    けローラーを有する水平ターニングローラー機構と、該
    内殻タンクの鏡部に対応する凹面板を有し、該内殻タン
    クの両鏡部に相対して配置されているFRP鏡板押圧固
    定機構とを備えていることを特徴とする、全域がFRP
    層で覆われている二重殻地下燃料タンクの製造装置。
JP7070444A 1994-03-17 1995-03-06 二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置 Pending JPH08282782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7070444A JPH08282782A (ja) 1994-03-17 1995-03-06 二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7129094 1994-03-17
JP7-50389 1995-02-16
JP5038995 1995-02-16
JP6-71290 1995-02-16
JP7070444A JPH08282782A (ja) 1994-03-17 1995-03-06 二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08282782A true JPH08282782A (ja) 1996-10-29

Family

ID=27293942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7070444A Pending JPH08282782A (ja) 1994-03-17 1995-03-06 二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08282782A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100442005B1 (ko) * 2002-05-07 2004-07-30 김태곤 Frp 판을 이용한 주유소 기름 탱크의 이중 외피
KR100447515B1 (ko) * 2002-07-16 2004-09-07 대종기계공업 주식회사 이중벽 오일탱크
CN102153041A (zh) * 2011-01-07 2011-08-17 罗纳多·麦克尔·伟博 橇装式加油装置及燃料罐和制作方法
JP2016088012A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 三和石産株式会社 ミキサ車のドラム補修パネルおよびドラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100442005B1 (ko) * 2002-05-07 2004-07-30 김태곤 Frp 판을 이용한 주유소 기름 탱크의 이중 외피
KR100447515B1 (ko) * 2002-07-16 2004-09-07 대종기계공업 주식회사 이중벽 오일탱크
CN102153041A (zh) * 2011-01-07 2011-08-17 罗纳多·麦克尔·伟博 橇装式加油装置及燃料罐和制作方法
JP2016088012A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 三和石産株式会社 ミキサ車のドラム補修パネルおよびドラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5830308A (en) Method for fabrication of structure adhesive joints
JP2736314B2 (ja) 複合材を用いた二重壁地下埋設タンクの構造および其の製作方法
KR101345809B1 (ko) 액화천연가스 화물창의 단열구조물 및 그 시공방법
KR20220025878A (ko) 밀봉 멤브레인의 밀봉을 테스트하는 방법
JPH08282782A (ja) 二重殻地下燃料タンク及びその製法並びに製造装置
JPH0996113A (ja) 既存柱の耐震補強方法
JP4072908B2 (ja) 鋼構造物の補修方法
US6321930B1 (en) Cryogenic tank joint
CN207449149U (zh) 至少两个聚烯烃管状部件端对端接合的系统
JP7002140B2 (ja) 吊足場
US4775561A (en) Encasement of tanks with fiber-resin composites
JP4089103B2 (ja) ドーム屋根及びその構築法
JPH06270989A (ja) 2重タンクの構造
JPH09314667A (ja) 板材の接合方法
JPH071400Y2 (ja) 防水シートの固定構造
JP2004143847A (ja) 木造長尺部材の補修補強方法
JPH10324395A (ja) フッ素樹脂ライニングfrp缶体とその製造方法
KR200246330Y1 (ko) 원통형 저장탱크 및 그의 제작방법
JP2598766B2 (ja) 液体危険物用二重殻タンクの製造方法
JPH10169023A (ja) パネルの接合構造
KR101349872B1 (ko) 액화 천연가스 저장 탱크용 2차 방벽의 시공 방법
JPH0638664Y2 (ja) 樹脂溶接棒
JP2004293040A (ja) 役物部の防水施工法および役物部の固着構造
JPH02104839A (ja) 建造物の防水工法
JP2946324B1 (ja) 支管用つば付ライニング材及びその製造方法並びにその製造に用いる型