JPH0828272A - 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室 - Google Patents

渦流室式ディーゼル機関の燃焼室

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JPH0828272A
JPH0828272A JP6165441A JP16544194A JPH0828272A JP H0828272 A JPH0828272 A JP H0828272A JP 6165441 A JP6165441 A JP 6165441A JP 16544194 A JP16544194 A JP 16544194A JP H0828272 A JPH0828272 A JP H0828272A
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JP
Japan
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combustion chamber
central
large cavity
arc
center
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JP6165441A
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English (en)
Inventor
Manabu Hasegawa
学 長谷川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気利用率の高い渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室を提供する。 【構成】 ピストン3の頂面8に対して凹状に窪み、噴
流の中心線lを挟んで略円形に広がる一対の大キャビテ
ィ部12を備える渦流室式ディーゼル機関において、各
大キャビティ部12の底面22に対して凹状に窪み、各
大キャビティ部12の中央部に配置される一対の中心キ
ャビティ部34を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、渦流室式ディーゼル機
関の燃焼室の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の渦流室式ディーゼル機関の主燃焼
室形状として例えば図13に示すものが知られている
(特開平1−200012号公報、参照)。
【0003】これを説明すると、シリンダヘッド4の渦
流室5から燃料を含む噴流を噴出させる噴口6は、ピス
トン3の上方の主燃焼室9の周辺部に開口し、その平面
図上、主燃焼室9の中心に向かう噴流中心線l上に位置
して、ピストン3の頂面8には、噴口6に近い位置に分
散台13が形成される。
【0004】略菱形に隆起して形成された分散台13の
先方には、一対の大キャビティ部12が噴流中心線lを
挟んで左右対称的に配した円弧形状の外郭17によって
画成される。
【0005】外郭17の一部には前記噴流中心線l上に
位置して略V字状に突出する対向壁部17Aが形成され
る。
【0006】分散台13の手前には同じく左右に互いに
連通する側方キャビティ部14が形成され、この側方キ
ャビティ部14は分散台13の両側面において大キャビ
ティ部12とも連通する。
【0007】側方キャビティ部14を画成する外郭18
は、噴口6の背面側がピストン3の外周に沿って円弧状
に形成されるとともに、大キャビティ部12との接続側
において、徐々にその曲率が小さくなるように湾曲させ
た案内部18Aが形成され、側方キャビティ部14から
大キャビティ部12に流入する噴流ガスを、大キャビテ
ィ部12で生起される旋回流の接線方向から合流させる
ように分散台13の先方に向けて案内するようになって
いる。
【0008】大キャビティ底面22は、大キャビティ部
12と側方キャビティ部14で段差なく連続し、ピスト
ン3の頂面8と平行な平面に形成される。
【0009】以上のように構成され、圧縮上死点から膨
張行程に移行するに従い、渦流室5から噴口6を介して
主燃焼室9に噴出した未燃焼燃料を含む火炎噴流は、噴
流の直前に位置する分散台13に衝突して、噴流中心線
l上の略V字状の対向壁部17Aを境にして左右の大キ
ャビティ部12に矢印cで示すように旋回流を生起す
る。
【0010】また、分散台13の手前から矢印bで示す
ように側方キャビティ部14に分流した噴流は、円弧状
の外郭18から連続する案内部18Aによって分散台1
3の先方の噴流中心線lに向かうように内方に導かれ、
大キャビティ部12の旋回流に接線方向から合流する。
【0011】このようにして未燃焼燃料成分を含む噴流
は、大キャビティ部12において強い旋回流を生起しつ
つ空気を取り込みながら外側へと燃焼を拡散していく。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ピストン3
が上死点近傍にあって主燃焼室9の容積が小さくなり、
渦流室5からの火炎噴流が噴孔6を通って主燃焼室9に
噴出するとき、渦流室5の圧力は主燃焼室9に比べてか
なり高いため、火炎噴流は主燃焼室9の容積が大きい部
分に流れ込もうとする。
【0013】しかしながら、ピストン頂面8に大キャビ
ティ部12と側方キャビティ部14が凹設される主燃焼
室形状にあっては、ピストン3が上死点近傍にあって主
燃焼室9の容積が小さくなり、主燃焼室9の容積が大キ
ャビティ部12および側方キャビティ部14に渡って広
い範囲に均一に分布する偏平な空間となるため、火炎噴
流は大キャビティ部12のみならず側方キャビティ部1
4にもその多くが拡散し、大キャビティ部12において
矢印cで示すように旋回する勢力を十分に強めることが
難しい。このため、空気利用率を十分に高められず、低
負荷運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を増大させ
たり、高負荷運転時にスモーク濃度を増大させるという
問題点を招いた。
【0014】特に、渦流室5におけるスモークの発生を
抑えるために渦流室5の容積を大きくすると、主燃焼室
9の容積が制限されるため、大キャビティ部12および
側方キャビティ部14が小さくなり、大キャビティ部1
2に生起される旋回流の勢力を十分に高める容積配分が
困難になる。この場合、噴孔6を通って移動するガス量
が多いため、大キャビティ部12に生起される旋回流を
十分に高めることはさらに困難となる。
【0015】また、大キャビティ部12と側方キャビテ
ィ部14の間に分散台13が隆起する主燃焼室形状にお
いて、渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に向かうよう
に主燃焼室の周辺部に開口した主噴孔と、主噴孔よりピ
ストン中心側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副
噴孔を備える構造を適用すると、燃焼行程で主噴孔より
先に副噴孔を通って主燃焼室9に流れ込む未燃焼燃料を
多く含む噴流が、分散台13に衝突して側方キャビティ
部14に留まり、続いて噴出する酸素濃度が高温の火炎
噴流に巻き込まれ、酸素不足での燃焼が増加する結果、
未燃焼燃料およびスモークの排出量が増加する可能性が
ある。
【0016】本発明は上記の問題点に着目し、空気利用
率の高い渦流室式ディーゼル機関の燃焼室を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室
と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室か
らの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃焼室の周
辺部に開口する噴孔と、ピストンの頂面に対して凹状に
窪み、前記噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対の
大キャビティ部とを備える渦流室式ディーゼル機関にお
いて、前記各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪
み、各大キャビティ部の中央部に配置される一対の中心
キャビティ部を備える。
【0018】請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される
主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、
渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃
焼室の周辺部に開口する主噴孔と、主噴孔よりピストン
中心側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔
と、ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記主噴孔の
直下領域からピストン中心方向に延びる第一トレンチ部
と、第一トレンチ部の底面に対して凹状に窪み、前記副
噴孔の直下領域からピストン中心方向に延びる第二トレ
ンチ部と、ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記第
二トレンチ部に段差なく連続し、噴流の中心線を挟んで
略円形に広がる一対の大キャビティ部と、前記各大キャ
ビティ部の底面に対して凹状に窪み、各大キャビティ部
の中央部に配置される一対の中心キャビティ部とを備え
る。
【0019】請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中
央部に向けて延びる放射線上に中心を持って円弧状に湾
曲する2つの円弧壁部と、各円弧壁部をそれぞれの円弧
に接する直線状に結ぶ接線壁部を有し、主燃焼室の周辺
部側に位置する円弧壁部の曲率半径をピストン中心側に
位置する円弧壁部の曲率半径より大きく形成する。
【0020】請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、各円弧壁部をそれぞれの円弧に接する直線状
に結ぶ接線壁部を有し、主燃焼室の周辺部側に位置する
円弧壁部の曲率半径をピストン中心側に位置する円弧壁
部の曲率半径と等しく形成する。
【0021】請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙し
て円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部をそ
れぞれの円弧に接する直線状に結ぶ3つの接線壁部とを
有する。
【0022】請求項6記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、同じく放射線より主燃焼室の周辺部側に位置
して円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部を
それぞれの円弧に接する直線状に結ぶ接線壁部とを有す
る。
【0023】請求項7記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙し
て円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部をそ
れぞれの円弧に接する直線状に結ぶ2つの接線壁部と、
大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙して各円弧壁
部を円弧状に結ぶ1つの円弧壁部とを有する。
【0024】請求項8記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1から7のいずれかに記載の発明にお
いて、前記中心キャビティ部を画成する外郭の断面形
を、大キャビティ部を画成する底面から中心キャビティ
部を画成する底面にかけて滑らかに湾曲して形成する。
【0025】請求項9記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1から7のいずれかに記載の発明にお
いて、前記中心キャビティ部を画成する底面を、前記噴
流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて延
びる放射線に沿って次第に下降するように傾斜させる。
【0026】請求項10記載の渦流室式ディーゼル機関
の燃焼室は、請求項1から7のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する底面を、前記
噴孔側から大キャビティ部の外郭の対向壁部側にかけて
噴流中心線に沿って次第に下降するように傾斜させる。
【0027】
【作用】請求項1記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼
室は、各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、各
大キャビティ部の中央部に配置される一対の中心キャビ
ティ部を備えるため、ピストンが上死点近傍にあり、主
燃焼室の容積が小さくなっているとき、主燃焼室のうち
中心キャビティ部が占める割合が大きい。
【0028】ピストンが上死点付近にある燃焼行程の前
半で、渦流室から主燃焼室に拡散する噴流ガスは主燃焼
室の容積が大きい部分に流れ込もうとするため、噴孔か
ら噴出する火炎噴流は中心キャビティ部によって容積が
拡大する大キャビティ部の中央部に導かれ、大キャビテ
ィ部の内周に沿う旋回流となって拡散していく勢力が高
められる。
【0029】大キャビティ部に生起される旋回流を強化
することにより、空気利用率を十分に高めて、低負荷運
転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を低減させたり、
高負荷運転時にスモーク濃度を低下させることができ
る。
【0030】請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、主噴孔と副噴孔から主燃焼室に噴出する噴流
ガスは、主燃焼室において第一トレンチ部および第二ト
レンチ部に案内されて左右の大キャビティ部へと流れ込
み、大キャビティ部の外郭および中心キャビティ部に案
内されて大キャビティ部に旋回流を生起する。
【0031】主噴孔に先立って副噴孔から主燃焼室に噴
出する多くの燃料を含む噴流ガスは、第二トレンチ部に
案内されて各大キャビティ部へと速やかに拡散するた
め、主噴孔から噴出する酸素濃度が低い高温の火炎に巻
き込まれることがなく、熱分解によりスモークが発生す
ることを抑えられる。
【0032】ピストンが上死点付近にある燃焼行程の前
半で、渦流室から主燃焼室に拡散する噴流ガスは主燃焼
室の容積が大きい部分に流れ込もうとするため、噴孔か
ら噴出する火炎噴流は中心キャビティ部によって容積が
拡大する大キャビティ部の中央部に導かれ、大キャビテ
ィ部の内周に沿う旋回流となって拡散していく勢力が高
められる。
【0033】大キャビティ部に生起される旋回流を強化
することにより、空気利用率を十分に高めて、低負荷運
転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を低減させたり、
高負荷運転時にスモーク濃度を低下させることができ
る。
【0034】請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、中心キャビティ部は、主噴孔の延長線
上から大キャビティ部の中央部に向けて延びる放射線に
沿って主燃焼室の容積を拡大するため、この放射線に沿
って大キャビティ部の中央部へと拡散する噴流の勢力を
高め、大キャビティ部に生起される旋回流を強化して、
空気利用率を高められる。
【0035】中心キャビティ部を画成する外郭は、主燃
焼室の周辺部側に位置する円弧壁部の曲率半径がピスト
ン中心側に位置する円弧壁部の曲率半径より大きく形成
されているため、中心キャビティ部は主燃焼室の容積を
各大キャビティ部の中央部に向けて延びる放射線に沿っ
て次第に拡大することになり、放射線に沿って各大キャ
ビティ部の中央部へと拡散する噴流ガスの勢力を有効に
高められる。
【0036】請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、中心キャビティ部は、主噴孔の延長線
上から大キャビティ部の中央部に向けて延びる放射線に
沿って主燃焼室の容積を拡大するため、この放射線に沿
って大キャビティ部の中央部へと拡散する噴流の勢力を
高め、大キャビティ部に生起される旋回流を強化して、
空気利用率を高められる。
【0037】また、中心キャビティ部を画成する外郭
は、主燃焼室の周辺部側に位置する円弧壁部の曲率半径
をピストン中心側に位置する円弧壁部の曲率半径と等し
く形成したため、ピストンを製造するとき、中心キャビ
ティ部を機械加工により形成する場合、2つの円弧壁部
を切削するカッタを交換する必要がなく加工することが
できるので、生産性を高められる。
【0038】請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、ピストンが上死点付近にある燃焼行程
の前半で、中心キャビティ部は、主噴孔の延長線上から
各大キャビティ部の中央部に向けて延びる放射線に沿っ
て主燃焼室の容積を拡大するため、この放射線に沿って
各大キャビティ部の中央部へと拡散する噴流の勢力を高
め、大キャビティ部に生起される旋回流を強化して、空
気利用率を高められる。
【0039】ピストンが上死点から下降する燃焼行程の
後半で、噴孔から噴出する火炎噴流が直接的に中心キャ
ビティ部に当たるとき、火炎噴流は大キャビティ部の外
郭の対向壁部側に対峙して円弧状に湾曲する円弧壁部お
よびこれから連続して延びる接線壁部に当たって上方向
に曲げられるため、噴孔から直進して大キャビティ部の
外郭を乗り越えてシリンダボアに衝突する火炎噴流の勢
力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを減少させることがで
きる。
【0040】請求項6記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、ピストンが上死点付近にある燃焼行程
の前半で、中心キャビティ部は、主噴孔の延長線上から
各大キャビティ部の中央部に向けて延びる放射線に沿っ
て主燃焼室の容積を拡大するとともに、主燃焼室の周辺
部に向けて容積を拡大するため、燃焼行程の初期から大
キャビティ部の中央部へと拡散する噴流の勢力を高め、
大キャビティ部に生起される旋回流を強化して、空気利
用率を高められる。
【0041】請求項7記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、ピストンが上死点近傍にあり、主燃焼
室の容積が小さくなって、主燃焼室の容積のうち中心キ
ャビティ部が占める割合が大きいとき、キャビティ底面
に凹状に窪む中心キャビティ部は、主噴孔の延長線上か
ら各大キャビティ部の中央部に向けて延びる放射線に沿
ったL字形に主燃焼室の容積を拡大するため、この放射
線に沿って各大キャビティ部の中央部へと拡散する噴流
の勢力を高め、大キャビティ部に生起される旋回流を強
化して、空気利用率を高められる。
【0042】ピストンが上死点から下降する燃焼行程の
後半で、噴孔から噴出する火炎噴流が直接的に中心キャ
ビティ部に当たるとき、火炎噴流は大キャビティ部の外
郭の対向壁部側に対峙して円弧状に湾曲する円弧壁部お
よびこれから連続して延びる接線壁部に当たって上方向
に曲げられる。このとき、中心キャビティ部は噴流中心
線と平行な辺を持つL字形に延びているので、中心キャ
ビティ部の外郭に当たる勢力を高めて、噴孔から直進し
て大キャビティ部の外郭を乗り越えてシリンダボアに衝
突する火炎噴流の勢力を有効に弱めて、燃焼火炎のクエ
ンチを減少させることができる。
【0043】請求項8記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、ピストンが上死点付近にある燃焼行程
の前半で、渦流室からの噴流ガスが大キャビティ部から
中心キャビティ部へと流れ込むとき、大キャビティ部底
面と中心キャビティ部底面が滑らかに湾曲する外郭を介
して連続しているため、中心キャビティ部に流れ込む噴
流ガスが外郭から中心キャビティ部底面にかけて剥離を
起こさずに流れ込み、中心キャビティ部における空気利
用率を高められる。
【0044】請求項9記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、ピストンが上死点付近にある燃焼行程
の前半で、渦流室からの噴流ガスが大キャビティ部から
中心キャビティ部へと流れ込むとき、中心キャビティ部
底面が主噴孔の延長線上から各大キャビティ部の中央部
に向けて延びる放射線に沿って下降するように傾斜して
いるため、中心キャビティ部に流れ込む噴流ガスが放射
線に沿って主燃焼室の周辺部へと拡散する勢力を高め、
大キャビティ部に生起される旋回流を強化して、主燃焼
室における空気利用率を高められる。
【0045】請求項10記載の渦流室式ディーゼル機関
の燃焼室において、ピストンが上死点付近にある燃焼行
程の前半で、渦流室からの噴流ガスが大キャビティ部か
ら中心キャビティ部へと流れ込むとき、中心キャビティ
部底面が噴流中心線に沿って噴孔側から大キャビティ部
の対向壁部側にかけて下降するように傾斜しているた
め、中心キャビティ部に流れ込む噴流ガスが対向壁部に
向けて拡散する勢力を高め、対向壁部を介して大キャビ
ティ部に生起される旋回流を強化して、主燃焼室におけ
る空気利用率を高められる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0047】図2において、1はシリンダブロック、2
はシリンダヘッド、3はピストンである。シリンダヘッ
ド2の下面とピストン3の頂面8との間に主燃焼室9が
画成される。主燃焼室9を画成するシリンダヘッド2の
下面とピストン3の頂面8は、それぞれシリンダ軸Cと
直交する平面状に形成される。
【0048】シリンダヘッド2とその下面から嵌合した
ホットプラグ31との間に略球形の渦流室5が画成され
る。渦流室5には燃料噴射弁32とグロープラグ33が
その上部に臨むように配設されている。
【0049】主燃焼室9と渦流室5は、主噴孔6と比較
的小径をした副噴孔7とを介して連通している。
【0050】図1に示すように、主噴孔6は主燃焼室9
の周辺部に開口して渦流室5と連通し、副噴孔7は主噴
孔6よりピストン中心側に配置される。主噴孔6と副噴
孔7はその平面図上、ピストン中心と交わる噴流中心線
l上に配置される。
【0051】主噴孔6は噴流中心線lに対して直交する
方向に偏平な断面形状を有し、副噴孔7は円形の断面形
状を有する。
【0052】主噴孔6はシリンダ軸Cに対して所定角度
で傾斜して形成される。主噴孔6は略球状をした渦流室
5に対してその接線方向に開口し、ピストン3が上昇す
る圧縮行程で主燃焼室9で圧縮される空気の大部分は、
主噴孔6を通って渦流室5に押し込まれ、渦流室5に渦
流(縦方向の旋回流)を生起する。
【0053】ピストン3が上昇する圧縮行程で主燃焼室
9で圧縮される空気の一部は、副噴孔7を通って渦流室
5に押し込まれ、主噴孔6を介して渦流室5に生起され
る渦流に対向する。
【0054】燃焼は、ピストン3の位置が上死点近傍
で、燃料噴射弁32より燃料が噴射供給されることによ
り開始される。この渦流室5での燃焼開始に伴い、膨張
ガスと一部の未燃焼燃料とが副噴孔7と主噴孔6を通っ
て主燃焼室9へと噴出し、主燃焼室9内の空気と混合し
ながら燃焼する。副噴孔7の渦流室5側の開口部は渦流
室5の内壁における燃料噴射弁32の燃料噴射方向に対
向する部位に開口している。副噴孔7は略球形をした渦
流室5に対して凹状に窪む淀み領域に連通するととも
に、燃料噴射弁32の燃料噴射方向に配置される。これ
により、燃焼行程で多くの未燃焼燃料が副噴孔7を通っ
て主燃焼室9に噴出するようになっている。
【0055】渦流室5からの噴流を主燃焼室9に速やか
に拡散させるため、ピストン3の頂面8には主噴孔6の
主燃焼室側開口部のほぼ直下領域からピストン中心に向
けて半径方向に延びる溝状の第一トレンチ部11と、副
噴孔7の主燃焼室側開口部のほぼ直下領域からピストン
中心に向けて拡がる溝状の第二トレンチ部26と、この
第二トレンチ部26のピストン中心付近の領域から両側
方に広がる略円形の大キャビティ部12とが形成されて
おり、これらでいわゆるクローバリーフ型のキャビティ
を構成している。
【0056】第一トレンチ部11は、主噴孔6の開口幅
よりわずかに大きい開口幅を持って平行に延びる外郭2
8によって溝状に画成される。
【0057】第二トレンチ部26は副噴孔7の開口径よ
り大きい曲率で湾曲する外郭29によって、大キャビテ
ィ部12に向けて広がる溝状に画成される。第二トレン
チ部26の外郭29は大キャビティ部12の外郭17と
滑らかに湾曲しながら連続する。
【0058】第一トレンチ部11を画成するトレンチ底
面25と、大キャビティ部12を画成する大キャビティ
底面22と、中心キャビティ部34を画成するキャビテ
ィ底面30は、いずれもシリンダ軸Cに対して直交する
平面状に形成される。
【0059】第一トレンチ部11を画成するトレンチ底
面25は、大キャビティ部12を画成する大キャビティ
底面22より浅く形成される。第二トレンチ部26を画
成するトレンチ底面は、大キャビティ部12を画成する
大キャビティ底面22に対して段差なく同一平面上で連
続して形成される。
【0060】ピストン頂面8に凹状に窪む2つの大キャ
ビティ部12は、噴流中心線lを挟んで左右対称的に配
した円弧形状の外郭17によって画成される。
【0061】渦流室5からの噴流によって各大キャビテ
ィ部12に旋回流を生起するため、外郭17の一部には
前記噴流中心線l上に位置して略V字状に突出する対向
壁部17Aが形成される。
【0062】第一トレンチ部11から各大キャビティ部
12の中央部へと拡散する噴流の勢力を高めるため、大
キャビティ底面22には各大キャビティ部12の中央部
で凹状に窪む一対の中心キャビティ部34が形成され
る。
【0063】大キャビティ底面22に凹状に窪む2つの
中心キャビティ部34は、噴流中心線lを挟んで左右対
称的に配した外郭35によって画成される。
【0064】中心キャビティ部34の外郭35は、2つ
の大小円弧状に湾曲する大小円弧壁部35A,35B
と、大小円弧壁部35A,35Bをそれぞれの円弧に接
する直線状に結ぶ接線壁部35Cを有する。
【0065】各中心キャビティ部34は、主噴孔6の延
長線上から各大キャビティ部12の中央部に向けて延び
る放射線rに沿って形成される。このため、大小円弧壁
部35A,35Bはそれぞれの湾曲中心が放射線r上に
配置される。
【0066】曲率半径の小さい小円弧壁部35Bはピス
トン中心側に配置され、大円弧壁部35Aは主燃焼室9
の周辺部側に配置される。これにより、中心キャビティ
部34は主燃焼室9の容積をピストン中心側から大キャ
ビティ部12の外郭17に向けて次第に拡大することに
なる。
【0067】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0068】ピストン3が上昇する圧縮行程で主燃焼室
9で圧縮される空気の大部分は、主噴孔6を通って渦流
室5に押し込まれ、渦流室5に渦流を生起する。副噴孔
7を通って押し込まれる空気流は、渦流室5に生起され
る渦流とは逆方向に旋回しようとする勢力を持つ。副噴
孔7は略球形をした渦流室5に対して凹状に窪む淀み領
域に連通するとともに、燃料噴射弁32の燃料噴射方向
に配置されているため、燃焼行程で多くの未燃焼燃料が
副噴孔7を通って主燃焼室9に噴出する。
【0069】燃焼は、ピストン3の位置が上死点近傍で
燃料噴射弁32から燃料が噴射供給されることにより開
始される。この渦流室5における燃焼開始に伴い、膨張
ガスと一部の噴射燃料を含む火炎噴流が副噴孔7と主噴
孔6を通って主燃焼室9へと噴出し、主燃焼室9の空気
と混合しながら燃焼する。
【0070】主噴孔6に先立って副噴孔7から主燃焼室
9に噴出する多くの燃料を含む噴流ガスは、第二トレン
チ部26に案内されて左右の大キャビティ部12へと速
やかに拡散するため、主噴孔6から噴出する酸素濃度が
低い高温の火炎噴流に巻き込まれることがなく、熱分解
によりスモークが発生することを抑えられる。
【0071】主噴孔6と副噴孔7から主燃焼室9に噴出
する火炎噴流は、主燃焼室9において第一トレンチ部1
1および第二トレンチ部26に案内されて左右の大キャ
ビティ部12へと流れ込み、外郭17および中心キャビ
ティ部34に案内されて大キャビティ部12で旋回流を
生起する。
【0072】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなっているとき、主燃焼室9の容積の
うち中心キャビティ部34が占める割合が大きいため、
主噴孔6から噴出する噴流ガスは中心キャビティ部34
によって容積が拡大する大キャビティ部12の中央部に
速やかに導かれ、図1に矢印gで示すように、大キャビ
ティ部12の外郭17に沿う旋回流となって拡散してい
く。
【0073】大キャビティ底面22に凹状に窪む2つの
中心キャビティ部34は、主噴孔6の延長線上から各大
キャビティ部12の中央部に向けて延びる放射線rに沿
って主燃焼室9の容積を拡大するため、第一トレンチ部
11から放射線rに沿って各大キャビティ部12の中央
部へと拡散する噴流の勢力を高められる。
【0074】中心キャビティ部34の外郭35を構成す
る大円弧壁部35Aは小円弧壁部35Bより主燃焼室9
の周辺部側に配置されているため、中心キャビティ部3
4は主燃焼室9の容積をピストン中心側から大キャビテ
ィ部12の外郭17に向けて次第に拡大することにな
り、火炎噴流量が増大する高負荷域においても第一トレ
ンチ部11から放射線rに沿って各大キャビティ部12
の中央部へと拡散する噴流の勢力を有効に高められる。
【0075】このようにして未燃焼燃料成分を含む噴流
は、大キャビティ部12において強い旋回流を生起しつ
つ空気を取り込みながら、主燃焼室9の広範な領域に伝
播、拡散していき、空気利用率を高められる。渦流室5
で発生したスモークは主燃焼室9で再燃焼し、高負荷時
のスモーク排出量を大幅に低減することができる。
【0076】次に、図3に示す他の実施例について説明
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
【0077】中心キャビティ部34を画成する外郭36
は、噴流の中心線l上から各大キャビティ部12の中央
部に向けて延びる放射線r上に中心を持つ円弧状に湾曲
する2つの円弧壁部36A,36Bと、各円弧壁部36
A,36Bをそれぞれの円弧に接する直線状に結ぶ接線
壁部36Cを有する。
【0078】主燃焼室9の周辺部側に位置する円弧壁部
36Aの曲率半径はピストン中心側に位置する円弧壁部
36Bの曲率半径と等しく形成される。したがって、円
弧壁部36A,36Bを結ぶ2つの接線壁部36Cは、
それぞれ放射線rと平行に配置される。
【0079】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0080】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなっているとき、主燃焼室9の容積の
うち中心キャビティ部34が占める割合が大きいとき、
大キャビティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビテ
ィ部34は、主噴孔6の延長線上から各大キャビティ部
12の中央部に向けて延びる放射線rに沿って主燃焼室
9の容積を拡大するため、第一トレンチ部11から放射
線rに沿って各大キャビティ部12の中央部へと拡散す
る噴流の勢力を高め、大キャビティ部12に生起される
旋回流を強化して、空気利用率を高められる。
【0081】また、2つの円弧壁部36A,36Bを同
一径で湾曲させたため、ピストン3を製造するとき、中
心キャビティ部34を機械加工により形成する場合、2
つの円弧壁部36A,36Bを切削するカッタを交換す
る必要がなく加工することができるので、生産性を高め
られる。
【0082】次に、図4に示す他の実施例について説明
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
【0083】中心キャビティ部34を画成する外郭41
は、円弧状に湾曲する3つの円弧壁部41A,41B,
41Dと、各円弧壁部41A,41B,41Dをそれぞ
れの円弧に接する直線状に結ぶ3つの接線壁部41C,
41E,41Fを有する。
【0084】2つの円弧壁部41A,41Bは、噴流の
中心線l上から各大キャビティ部12の中央部に向けて
延びる放射線r上に中心を持つ円弧に沿ってそれぞれ湾
曲して形成される。
【0085】円弧壁部41Dは、大キャビティ部12の
外郭17の対向壁部17A側に対峙して円弧状に湾曲し
て形成される。
【0086】主燃焼室9の周辺部側に位置する円弧壁部
41Aの曲率半径はピストン中心側に位置する円弧壁部
41Bの曲率半径と等しく形成される。対向壁部17A
側に対峙する円弧壁部41Dの曲率半径は、他の2つの
円弧壁部41A,41Bより大きく形成される。
【0087】円弧壁部41A,41Bを結ぶ1つの接線
壁部41Cは、放射線rと平行に配置される。
【0088】円弧壁部41Aと円弧壁部41Dを結ぶ1
つの接線壁部41Eは、噴流中心線lに対して略直交す
るように配置される。
【0089】円弧壁部41Bと円弧壁部41Dを結ぶ1
つの接線壁部41Fは、噴流中心線lに対して略平行に
延びるように配置される。
【0090】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0091】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなって、主燃焼室9の容積のうち中心
キャビティ部34が占める割合が大きいとき、大キャビ
ティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビティ部34
は、主噴孔6の延長線上から各大キャビティ部12の中
央部に向けて延びる放射線rに沿って主燃焼室9の容積
を拡大するため、第一トレンチ部11から放射線rに沿
って各大キャビティ部12の中央部へと拡散する噴流の
勢力を高め、大キャビティ部12に生起される旋回流を
強化して、空気利用率を高められる。
【0092】ピストン3が上死点から下降する燃焼行程
の後半で、主噴孔6および副噴孔7から噴出する火炎噴
流が直接的に中心キャビティ部34に当たるとき、火炎
噴流は円弧壁部41Dおよびこれから連続して延びる噴
流中心線lに略直交する接線壁部41Eに当たって上方
向に曲げられるため、主噴孔6および副噴孔7から直進
して大キャビティ部12の外郭17を乗り越えてシリン
ダボアに衝突する火炎噴流の勢力を弱めて、燃焼火炎の
クエンチを減少させることができる。
【0093】次に、図5に示す他の実施例について説明
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
【0094】中心キャビティ部34を画成する外郭42
は、円弧状に湾曲する3つの円弧壁部42A,42B,
42Dと、各円弧壁部42A,42B,42Dをそれぞ
れの円弧に接する直線状に結ぶ3つの接線壁部42C,
42E,42Fを有する。
【0095】2つの円弧壁部42A,42Bは、噴流の
中心線l上から各大キャビティ部12の中央部に向けて
延びる放射線r上に中心を持つ円弧に沿ってそれぞれ湾
曲して形成される。
【0096】円弧壁部42Dは、同じく放射線rより主
燃焼室9の周辺部側に位置し、かつ円弧壁部42Aに対
してピストン中心線mを挟んで主燃焼室9の周辺部側に
配置される。
【0097】主燃焼室9の周辺部側に位置する円弧壁部
42Aの曲率半径はピストン中心側に位置する円弧壁部
42Bの曲率半径と等しく形成される。主燃焼室9の周
辺部側に位置する円弧壁部42Dの曲率半径は、他の2
つの円弧壁部42A,42Bより大きく形成される。
【0098】円弧壁部42A,42Bを結ぶ1つの接線
壁部42Cは、放射線rと平行に配置される。
【0099】円弧壁部42Aと円弧壁部42Dを結ぶ1
つの接線壁部42Eは、噴流中心線lに対して略直交す
るように配置される。
【0100】円弧壁部42Bと円弧壁部42Dを結ぶ1
つの接線壁部42Fは、噴流中心線lに対して略平行に
延びるように配置される。
【0101】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0102】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなって、主燃焼室9の容積のうち中心
キャビティ部34が占める割合が大きいとき、大キャビ
ティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビティ部34
は、主噴孔6の延長線上から各大キャビティ部12の中
央部に向けて延びる放射線rに沿って主燃焼室9の容積
を拡大するとともに、主燃焼室9の周辺部に向けて容積
を拡大するため、燃焼行程の初期の段階から大キャビテ
ィ部12の中央部へと拡散する噴流の勢力を高め、大キ
ャビティ部12に生起される旋回流を強化して、空気利
用率を高められる。
【0103】次に、図6に示す他の実施例について説明
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
【0104】中心キャビティ部34を画成する外郭43
は、円弧状に湾曲する3つの円弧壁部43A,43B,
43D,43Gと、各円弧壁部43A,43B,43D
をそれぞれの円弧に接する直線状に結ぶ3つの接線壁部
43E,43Fを有する。
【0105】2つの円弧壁部43A,43Bは、噴流の
中心線l上から各大キャビティ部12の中央部に向けて
延びる放射線r上に中心を持つ円弧に沿ってそれぞれ湾
曲して形成される。
【0106】円弧壁部43Dは、大キャビティ部12の
外郭17の対向壁部17A側に対峙して円弧状に湾曲し
て形成される。
【0107】主燃焼室9の周辺部側に位置する円弧壁部
43Aの曲率半径はピストン中心側に位置する円弧壁部
43Bの曲率半径と等しく形成される。対向壁部17A
側に対峙する円弧壁部43Dの曲率半径は、他の2つの
円弧壁部43A,43Bより大きく形成される。
【0108】円弧壁部43A,43Bを結ぶ1つの円弧
壁部43Gは、円弧壁部43Dと同様に、大キャビティ
部12の外郭17の対向壁部17A側に対峙して円弧状
に湾曲して形成される。
【0109】円弧壁部43Aと円弧壁部43Dを結ぶ1
つの接線壁部43Eは、噴流中心線lに対して略直交す
るように配置される。
【0110】円弧壁部43Bと円弧壁部43Dを結ぶ1
つの接線壁部43Fは、噴流中心線lに対して略平行に
延びるように配置される。
【0111】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0112】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなって、主燃焼室9の容積のうち中心
キャビティ部34が占める割合が大きいとき、大キャビ
ティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビティ部34
は、主噴孔6の延長線上から各大キャビティ部12の中
央部に向けて延びる放射線rに沿ってL字形に主燃焼室
9の容積を拡大するため、第一トレンチ部11から放射
線rに沿って各大キャビティ部12の中央部へと拡散す
る噴流の勢力を高め、大キャビティ部12に生起される
旋回流を強化して、空気利用率を高められる。
【0113】ピストン3が上死点から下降する燃焼行程
の後半で、主噴孔6および副噴孔7から円弧壁部43D
およびこれから連続して延びる噴流中心線lに略直交す
る接線壁部43Eに当たって上方向に曲げられる。この
とき、中心キャビティ部34は噴流中心線lに沿った辺
を持つL字形に延びているので、火炎噴流が円弧壁部4
3Dおよび接線壁部43Eに当たる勢力を高めて、主噴
孔6および副噴孔7から直進して大キャビティ部12の
外郭17を乗り越えてシリンダボアに衝突する火炎噴流
の勢力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを有効に減少させ
ることができる。
【0114】次に、図7、図8に示す他の実施例につい
て説明する。なお、図1、図2との対応部分には同一符
号を用いて説明する。
【0115】中心キャビティ部34を画成する外郭51
の断面形は、大キャビティ部底面22から中心キャビテ
ィ部底面52にかけて滑らかに湾曲して形成される。外
郭51は大キャビティ部底面22に接する円弧と、中心
キャビティ部底面52に接する円弧に沿って形成され
る。
【0116】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0117】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなって、主燃焼室9の容積のうち中心
キャビティ部34が占める割合が大きいとき、大キャビ
ティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビティ部34
は、主噴孔6の延長線上から各大キャビティ部12の中
央部に向けて延びる放射線rに沿って主燃焼室9の容積
を拡大するため、第一トレンチ部11から放射線rに沿
って各大キャビティ部12の中央部へと拡散する噴流の
勢力を高め、大キャビティ部12に生起される旋回流を
強化することができる。
【0118】このとき、大キャビティ部底面22と中心
キャビティ部底面52が滑らかに湾曲する外郭51を介
して連続しているため、中心キャビティ部34に流れ込
む噴流ガスが外郭51から中心キャビティ部底面52に
かけて剥離を起こさずに流れ込み、中心キャビティ部3
4における空気利用率を高められる。
【0119】なお、図3〜図6の各実施例に上記構造を
適用することも可能であり、それぞれの場合に同様の効
果が得られる。
【0120】次に、図9、図10に示す他の実施例につ
いて説明する。なお、図1、図2との対応部分には同一
符号を用いて説明する。
【0121】中心キャビティ部34は、主噴孔6の延長
線上から各大キャビティ部12の中央部に向けて延びる
放射線rに沿って次第に深くなるように傾斜して形成さ
れる。
【0122】中心キャビティ部34を画成する底面55
は、放射線rに沿ってピストン中心側から主燃焼室9の
周辺部に向けて下降するように傾斜して形成される。
【0123】主燃焼室9の周辺部側に位置して中心キャ
ビティ部を画成する外郭54の断面形は、中心キャビテ
ィ部底面55から滑らかに湾曲して形成される。
【0124】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0125】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなって、主燃焼室9の容積のうち中心
キャビティ部34が占める割合が大きいとき、大キャビ
ティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビティ部34
は、主噴孔6の延長線上から各大キャビティ部12の中
央部に向けて延びる放射線rに沿って主燃焼室9の容積
を次第に拡大するため、渦流室5からの噴流ガスが第一
トレンチ部11から放射線rに沿って主燃焼室9の周辺
部へと拡散する勢力を高め、大キャビティ部12に生起
される旋回流を強化して、主燃焼室9における空気利用
率を高められる。
【0126】なお、図3〜図6の各実施例に上記構造を
適用することも可能であり、それぞれの場合に同様の効
果が得られる。
【0127】次に、図11、図12に示す他の実施例に
ついて説明する。なお、図1、図2との対応部分には同
一符号を用いて説明する。
【0128】中心キャビティ部34は、主噴孔6側から
対向壁部17A側にかけて次第に深くなるように傾斜し
て形成される。
【0129】対向壁部17A側に位置して中心キャビテ
ィ部を画成する外郭56の断面形は、中心キャビティ部
底面55から滑らかに湾曲して形成される。
【0130】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0131】ピストン3が上死点近傍にあり、主燃焼室
9の容積が小さくなって、主燃焼室9の容積のうち中心
キャビティ部34が占める割合が大きいとき、大キャビ
ティ底面22に凹状に窪む2つの中心キャビティ部34
は、主燃焼室9の容積を主噴孔6側からその周辺部側に
かけて次第に拡大するため、渦流室5からの噴流ガスが
大キャビティ部12の外郭17へと拡散する勢力を高
め、大キャビティ部12に生起される旋回流を強化し
て、主燃焼室9における空気利用率を高められる。
【0132】なお、図3〜図6の各実施例に上記構造を
適用することも可能であり、それぞれの場合に同様の効
果が得られる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼
室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室
からの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃焼室の
周辺部に開口する噴孔と、ピストンの頂面に対して凹状
に窪み、前記噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対
の大キャビティ部とを備える渦流室式ディーゼル機関に
おいて、前記各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪
み、各大キャビティ部の中央部に配置される一対の中心
キャビティ部を備えたため、ピストンが上死点近傍にあ
る燃焼行程の初期に、噴孔から噴出する火炎噴流は中心
キャビティ部によって容積が拡大する大キャビティ部の
中央部に導かれ、大キャビティ部の内周に沿う旋回流と
なって拡散していく勢力が高められ、主燃焼室における
空気利用率を十分に高めて、低負荷運転時に排気中の未
燃焼燃料成分の濃度を低減させたり、高負荷運転時にス
モーク濃度を低下させることができる。
【0134】請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される
主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、
渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃
焼室の周辺部に開口する主噴孔と、主噴孔よりピストン
中心側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔
と、ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記主噴孔の
直下領域からピストン中心方向に延びる第一トレンチ部
と、第一トレンチ部の底面に対して凹状に窪み、前記副
噴孔の直下領域からピストン中心方向に延びる第二トレ
ンチ部と、ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記第
二トレンチ部に段差なく連続し、噴流の中心線を挟んで
略円形に広がる一対の大キャビティ部と、前記各大キャ
ビティ部の底面に対して凹状に窪み、各大キャビティ部
の中央部に配置される一対の中心キャビティ部とを備え
たため、主噴孔に先立って副噴孔から主燃焼室に噴出す
る多くの燃料を含む噴流ガスは、第二トレンチ部に案内
されて各大キャビティ部へと速やかに拡散するため、主
噴孔から噴出する酸素濃度が低い高温の火炎に巻き込ま
れることがなく、熱分解によりスモークが発生すること
を抑えられる。また、ピストンが上死点近傍にある燃焼
行程の初期に、渦流室からの火炎噴流は中心キャビティ
部によって容積が拡大する大キャビティ部の中央部に導
かれ、大キャビティ部の内周に沿う旋回流となって拡散
していく勢力が高められ、主燃焼室における空気利用率
を十分に高めて、低負荷運転時に排気中の未燃焼燃料成
分の濃度を低減させたり、高負荷運転時にスモーク濃度
を低下させることができる。
【0135】請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中
央部に向けて延びる放射線上に中心を持って円弧状に湾
曲する2つの円弧壁部と、各円弧壁部をそれぞれの円弧
に接する直線状に結ぶ接線壁部を有し、主燃焼室の周辺
部側に位置する円弧壁部の曲率半径をピストン中心側に
位置する円弧壁部の曲率半径より大きく形成したため、
中心キャビティ部は放射線に沿って主燃焼室の容積を次
第に拡大し、ピストンが上死点近傍にある燃焼行程の初
期に、放射線に沿って大キャビティ部の中央部へと拡散
する噴流ガスの勢力を高め、大キャビティ部に生起され
る旋回流を強化して、空気利用率を高められる。
【0136】請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、各円弧壁部をそれぞれの円弧に接する直線状
に結ぶ接線壁部を有し、主燃焼室の周辺部側に位置する
円弧壁部の曲率半径をピストン中心側に位置する円弧壁
部の曲率半径と等しく形成したため、中心キャビティ部
は放射線に沿って主燃焼室の容積を拡大し、ピストンが
上死点近傍にある燃焼行程の初期に、放射線に沿って大
キャビティ部の中央部へと拡散する噴流の勢力を高め、
大キャビティ部に生起される旋回流を強化して、空気利
用率を高められる。また、中心キャビティ部を機械加工
により形成する場合、2つの円弧壁部を切削するカッタ
を交換する必要がなく加工することができるので、生産
性を高められる。
【0137】請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙し
て円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部をそ
れぞれの円弧に接する直線状に結ぶ3つの接線壁部とを
有したため、中心キャビティ部は、主噴孔の放射線に沿
って主燃焼室の容積を拡大し、ピストンが上死点近傍に
ある燃焼行程の初期に、この放射線に沿って各大キャビ
ティ部の中央部へと拡散する噴流の勢力を高め、大キャ
ビティ部に生起される旋回流を強化して、空気利用率を
高められる。また、ピストンが上死点から下降する燃焼
行程の後半で、噴孔から噴出する火炎噴流が直接的に中
心キャビティ部に当たるとき、火炎噴流は大キャビティ
部の外郭の対向壁部側に対峙して円弧状に湾曲する円弧
壁部およびこれから連続して延びる接線壁部に当たって
上方向に曲げられるため、噴孔から直進して大キャビテ
ィ部の外郭を乗り越えてシリンダボアに衝突する火炎噴
流の勢力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを減少させるこ
とができる。
【0138】請求項6記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、同じく放射線より主燃焼室の周辺部側に位置
して円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部を
それぞれの円弧に接する直線状に結ぶ接線壁部とを有し
たため、中心キャビティ部は、放射線に沿って主燃焼室
の容積を拡大するとともに、主燃焼室の周辺部に向けて
容積を拡大し、ピストンが上死点近傍にある燃焼行程の
初期に、大キャビティ部の中央部へと拡散する噴流の勢
力を高め、大キャビティ部に生起される旋回流を強化し
て、空気利用率を高められる。
【0139】請求項7記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する外郭は、前記
噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて
延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つの円
弧壁部と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙し
て円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部をそ
れぞれの円弧に接する直線状に結ぶ2つの接線壁部と、
大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙して各円弧壁
部を円弧状に結ぶ1つの円弧壁部とを有したため、中心
キャビティ部は放射線に沿ったL字形に主燃焼室の容積
を拡大し、ピストンが上死点近傍にある燃焼行程の初期
に、この放射線に沿って各大キャビティ部の中央部へと
拡散する噴流の勢力を高め、大キャビティ部に生起され
る旋回流を強化して、空気利用率を高められる。また、
ピストンが上死点から下降する燃焼行程の後半で、中心
キャビティ部の外郭に当たる勢力を高めて、噴孔から直
進して大キャビティ部の外郭を乗り越えてシリンダボア
に衝突する火炎噴流の勢力を有効に弱めて、燃焼火炎の
クエンチを減少させることができる。
【0140】請求項8記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1から7のいずれかに記載の発明にお
いて、前記中心キャビティ部を画成する外郭の断面形
は、大キャビティ部を画成する底面から中心キャビティ
部を画成する底面にかけて滑らかに湾曲して形成したた
め、ピストンが上死点近傍にある燃焼行程の初期に、中
心キャビティ部に流れ込む噴流ガスが外郭から中心キャ
ビティ部底面にかけて剥離を起こさず、中心キャビティ
部における空気利用率を高められる。
【0141】請求項9記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1から7のいずれかに記載の発明にお
いて、前記中心キャビティ部を画成する底面は、前記噴
流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向けて延
びる放射線に沿って次第に下降するように傾斜させたた
め、中心キャビティ部に流れ込む噴流ガスが放射線に沿
って主燃焼室の周辺部へと拡散する勢力を高め、大キャ
ビティ部に生起される旋回流を強化して、主燃焼室にお
ける空気利用率を高められる。
【0142】請求項10記載の渦流室式ディーゼル機関
の燃焼室は、請求項1から7のいずれかに記載の発明に
おいて、前記中心キャビティ部を画成する底面は、前記
噴孔側から大キャビティ部の外郭の対向壁部側にかけて
噴流中心線に沿って次第に下降するように傾斜させたた
め、中心キャビティ部に流れ込む噴流ガスが大キャビテ
ィ部の対向壁部に向けて拡散する勢力を高め、対向壁部
を介して大キャビティ部に生起される旋回流を強化し
て、主燃焼室における空気利用率を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すピストンの平面図。
【図2】同じく図1のA−A線に沿う機関の断面図。
【図3】他の実施例を示すピストンの平面図。
【図4】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図5】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図6】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図7】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図8】同じく図7のB−B線に沿うピストンの断面
図。
【図9】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図10】同じく図9のD−D線に沿うピストンの断面
図。
【図11】さらに他の実施例を示すピストンの平面図。
【図12】同じく図11のE−E線に沿うピストンの断
面図。
【図13】従来例を示すピストンの平面図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 3 ピストン 5 渦流室 6 主噴孔 7 副噴孔 8 ピストン頂面 9 主燃焼室 11 第一トレンチ部 12 大キャビティ部 17 大キャビティ部外郭 17A対向壁部 22 大キャビティ部底面 25 第一トレンチ部底面 26 第二トレンチ部 30 中心キャビティ部底面 32 燃料噴射弁 34 中心キャビティ部 35 中心キャビティ部外郭 35A円弧壁部 35B円弧壁部 35C接線壁部 35D接線壁部 36 中心キャビティ部外郭 36A円弧壁部 36B円弧壁部 36C接線壁部 36D接線壁部 41 中心キャビティ部外郭 41A円弧壁部 41B円弧壁部 41C接線壁部 41D円弧壁部 41E接線壁部 41F接線壁部 42 中心キャビティ部外郭 42A円弧壁部 42B円弧壁部 42C接線壁部 42D円弧壁部 42E接線壁部 42F接線壁部 43 中心キャビティ部外郭 43A円弧壁部 43B円弧壁部 43D円弧壁部 43E接線壁部 43F接線壁部 43G円弧壁部 51 中心キャビティ部外郭 52 中心キャビティ部底面 54 中心キャビティ部外郭 55 中心キャビティ部底面 56 中心キャビティ部外郭 57 中心キャビティ部底面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダヘッドとピストンの間に画成され
    る主燃焼室と、 シリンダヘッド側に画成される渦流室と、 渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃
    焼室の周辺部に開口する噴孔と、 ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記噴流の中心線
    を挟んで略円形に広がる一対の大キャビティ部とを備え
    る渦流室式ディーゼル機関において、 前記各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、各大
    キャビティ部の中央部に配置される一対の中心キャビテ
    ィ部を備えたことを特徴とする渦流室式ディーゼル機関
    の燃焼室。
  2. 【請求項2】シリンダヘッドとピストンの間に画成され
    る主燃焼室と、 シリンダヘッド側に画成される渦流室と、 渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃
    焼室の周辺部に開口する主噴孔と、 主噴孔よりピストン中心側に位置して主燃焼室と渦流室
    を連通する副噴孔と、 ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記主噴孔の直下
    領域からピストン中心方向に延びる第一トレンチ部と、 第一トレンチ部の底面に対して凹状に窪み、前記副噴孔
    の直下領域からピストン中心方向に延びる第二トレンチ
    部と、 ピストンの頂面に対して凹状に窪み、前記第二トレンチ
    部に段差なく連続し、噴流の中心線を挟んで略円形に広
    がる一対の大キャビティ部と、 前記各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、各大
    キャビティ部の中央部に配置される一対の中心キャビテ
    ィ部とを備えたことを特徴とする渦流室式ディーゼル機
    関の燃焼室。
  3. 【請求項3】前記噴流の中心線上から各大キャビティ部
    の中央部に向けて延びる放射線上に中心を持って円弧状
    に湾曲する2つの円弧壁部と、各円弧壁部をそれぞれの
    円弧に接する直線状に結ぶ接線壁部を有し、 主燃焼室の周辺部側に位置する円弧壁部の曲率半径をピ
    ストン中心側に位置する円弧壁部の曲率半径より大きく
    形成したことを特徴とする請求項1または2のいずれか
    に記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
  4. 【請求項4】前記中心キャビティ部を画成する外郭は、
    前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向
    けて延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つ
    の円弧壁部と、各円弧壁部をそれぞれの円弧に接する直
    線状に結ぶ接線壁部とを有し、 主燃焼室の周辺部側に位置する円弧壁部の曲率半径をピ
    ストン中心側に位置する円弧壁部の曲率半径と等しく形
    成したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに
    記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
  5. 【請求項5】前記中心キャビティ部を画成する外郭は、
    前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向
    けて延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つ
    の円弧壁部と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対
    峙して円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部
    をそれぞれの円弧に接する直線状に結ぶ3つの接線壁部
    とを有したことを特徴とする請求項1または2のいずれ
    かに記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
  6. 【請求項6】前記中心キャビティ部を画成する外郭は、
    前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向
    けて延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つ
    の円弧壁部と、同じく放射線より主燃焼室の周辺部側に
    位置して円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁
    部をそれぞれの円弧に接する直線状に結ぶ接線壁部とを
    有したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに
    記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
  7. 【請求項7】前記中心キャビティ部を画成する外郭は、
    前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向
    けて延びる放射線上に中心を持つ円弧状に湾曲する2つ
    の円弧壁部と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対
    峙して円弧状に湾曲する1つの円弧壁部と、各円弧壁部
    をそれぞれの円弧に接する直線状に結ぶ2つの接線壁部
    と、大キャビティ部の外郭の対向壁部側に対峙して各円
    弧壁部を円弧状に結ぶ1つの円弧壁部とを有したことを
    特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の渦流室
    式ディーゼル機関の燃焼室。
  8. 【請求項8】前記中心キャビティ部を画成する外郭の断
    面形は、大キャビティ部を画成する底面から中心キャビ
    ティ部を画成する底面にかけて滑らかに湾曲して形成し
    たことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の
    渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
  9. 【請求項9】前記中心キャビティ部を画成する底面は、
    前記噴流の中心線上から各大キャビティ部の中央部に向
    けて延びる放射線に沿って次第に下降するように傾斜さ
    せたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載
    の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
  10. 【請求項10】前記中心キャビティ部を画成する底面
    は、前記噴孔側から大キャビティ部の外郭の対向壁部側
    にかけて噴流中心線に沿って次第に下降するように傾斜
    させたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記
    載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。
JP6165441A 1994-07-18 1994-07-18 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室 Pending JPH0828272A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9173305B2 (en) 2009-12-02 2015-10-27 Epcos Ag Metallization having high power compatibility and high electrical conductivity
US9728705B2 (en) 2009-12-02 2017-08-08 Qualcomm Incorporated Metallization having high power compatibility and high electrical conductivity

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