JPH0868327A - 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室 - Google Patents
渦流室式ディーゼル機関の燃焼室Info
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- JPH0868327A JPH0868327A JP6202272A JP20227294A JPH0868327A JP H0868327 A JPH0868327 A JP H0868327A JP 6202272 A JP6202272 A JP 6202272A JP 20227294 A JP20227294 A JP 20227294A JP H0868327 A JPH0868327 A JP H0868327A
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- piston
- large cavity
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 空気利用率の高い渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室を提供する。 【構成】 渦流室式ディーゼル機関において、ピストン
3の頂面8に噴流の中心線lを挟んで略円形に広がる一
対の大キャビティ部12と、大キャビティ部12を画成
する外郭17を構成し、その頂点が噴流に対向して突出
する第一対向壁部17Aと、各大キャビティ部12の底
面19に対して凹状に窪み、噴口6の直下領域からピス
トン中心方向に延びるトレンチ部20と、トレンチ部2
0を画成する外郭21を構成し、その頂点が噴流に対向
して突出する第二対向壁部21Aとを備える。
燃焼室を提供する。 【構成】 渦流室式ディーゼル機関において、ピストン
3の頂面8に噴流の中心線lを挟んで略円形に広がる一
対の大キャビティ部12と、大キャビティ部12を画成
する外郭17を構成し、その頂点が噴流に対向して突出
する第一対向壁部17Aと、各大キャビティ部12の底
面19に対して凹状に窪み、噴口6の直下領域からピス
トン中心方向に延びるトレンチ部20と、トレンチ部2
0を画成する外郭21を構成し、その頂点が噴流に対向
して突出する第二対向壁部21Aとを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、渦流室式ディーゼル機
関の燃焼室の改良に関するものである。
関の燃焼室の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の渦流室式ディーゼル機関の主燃焼
室形状として例えば図4に示すものが知られている(特
開平1−200012号公報、特開平5−118220
号公報、参照)。
室形状として例えば図4に示すものが知られている(特
開平1−200012号公報、特開平5−118220
号公報、参照)。
【0003】これを説明すると、シリンダヘッド4の渦
流室5から燃料を含む噴流を噴出させる噴口6は、ピス
トン3の上方の主燃焼室9の周辺部に開口し、その平面
図上、主燃焼室9の中心に向かう噴流中心線l上に位置
して、ピストン3の頂面8には、噴口6に近い位置に分
散台13が形成される。
流室5から燃料を含む噴流を噴出させる噴口6は、ピス
トン3の上方の主燃焼室9の周辺部に開口し、その平面
図上、主燃焼室9の中心に向かう噴流中心線l上に位置
して、ピストン3の頂面8には、噴口6に近い位置に分
散台13が形成される。
【0004】略菱形に隆起して形成された分散台13の
先方には、一対の大キャビティ部12が噴流中心線lを
挟んで左右対称的に配した円弧形状の外郭17によって
画成される。
先方には、一対の大キャビティ部12が噴流中心線lを
挟んで左右対称的に配した円弧形状の外郭17によって
画成される。
【0005】外郭17の一部には前記噴流中心線l上に
位置して略V字状に突出する第一対向壁部17Aが形成
される。
位置して略V字状に突出する第一対向壁部17Aが形成
される。
【0006】分散台13の手前には同じく左右に互いに
連通する側方キャビティ部14が形成され、この側方キ
ャビティ部14は分散台13の両側面において大キャビ
ティ部12とも連通する。
連通する側方キャビティ部14が形成され、この側方キ
ャビティ部14は分散台13の両側面において大キャビ
ティ部12とも連通する。
【0007】側方キャビティ部14を画成する外郭18
は、噴口6の背面側がピストン3の外周に沿って円弧状
に形成されるとともに、大キャビティ部12との接続側
において、徐々にその曲率が小さくなるように湾曲させ
た案内壁部18Aが形成され、側方キャビティ部14か
ら大キャビティ部12に流入する噴流を、大キャビティ
部12で生起される旋回流の接線方向から合流させるよ
うになっている。
は、噴口6の背面側がピストン3の外周に沿って円弧状
に形成されるとともに、大キャビティ部12との接続側
において、徐々にその曲率が小さくなるように湾曲させ
た案内壁部18Aが形成され、側方キャビティ部14か
ら大キャビティ部12に流入する噴流を、大キャビティ
部12で生起される旋回流の接線方向から合流させるよ
うになっている。
【0008】大キャビティ底面19は、大キャビティ部
12と側方キャビティ部14で段差なく連続し、ピスト
ン3の頂面8と平行な平面に形成される。
12と側方キャビティ部14で段差なく連続し、ピスト
ン3の頂面8と平行な平面に形成される。
【0009】以上のように構成され、圧縮上死点から膨
張行程に移行するのに従い、渦流室5から噴口6を介し
て主燃焼室9に噴出した未燃焼燃料を含む火炎噴流は、
噴流の直前に位置する分散台13に衝突して、噴流中心
線l上の略V字状の第一対向壁部17Aを境にして左右
の大キャビティ部12に矢印cで示すように旋回流を生
起する。
張行程に移行するのに従い、渦流室5から噴口6を介し
て主燃焼室9に噴出した未燃焼燃料を含む火炎噴流は、
噴流の直前に位置する分散台13に衝突して、噴流中心
線l上の略V字状の第一対向壁部17Aを境にして左右
の大キャビティ部12に矢印cで示すように旋回流を生
起する。
【0010】また、分散台13の手前から矢印bで示す
ように側方キャビティ部14に分流した噴流は、円弧状
の外郭18から連続する案内壁部18Aによって分散台
13の先方の噴流中心線lに向かうように内方に導か
れ、大キャビティ部12の旋回流に接線方向から合流す
る。
ように側方キャビティ部14に分流した噴流は、円弧状
の外郭18から連続する案内壁部18Aによって分散台
13の先方の噴流中心線lに向かうように内方に導か
れ、大キャビティ部12の旋回流に接線方向から合流す
る。
【0011】このようにして未燃焼燃料成分を含む噴流
は、大キャビティ部12において旋回流を生起しつつ空
気を取り込みながら外側へと燃焼を拡散していく。
は、大キャビティ部12において旋回流を生起しつつ空
気を取り込みながら外側へと燃焼を拡散していく。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分散台
13の手前に側方キャビティ部14が一定の深さで広が
る主燃焼室形状にあっては、ピストン3が上死点近傍に
ある燃焼行程の前半に、噴口6から主燃焼室9に噴出す
る噴流は、側方キャビティ部14の底面によって絞ら
れ、噴口6の出口部分で抵抗が付与されるため、渦流室
5から燃料を多く含むガスの流出が遅れ、渦流室5にお
いて酸素濃度が低い状態で燃焼が行われ、熱分解により
スモークの発生量を増大させる可能性がある。
13の手前に側方キャビティ部14が一定の深さで広が
る主燃焼室形状にあっては、ピストン3が上死点近傍に
ある燃焼行程の前半に、噴口6から主燃焼室9に噴出す
る噴流は、側方キャビティ部14の底面によって絞ら
れ、噴口6の出口部分で抵抗が付与されるため、渦流室
5から燃料を多く含むガスの流出が遅れ、渦流室5にお
いて酸素濃度が低い状態で燃焼が行われ、熱分解により
スモークの発生量を増大させる可能性がある。
【0013】さらに、噴口6から主燃焼室9に噴出する
噴流は、側方キャビティ部14の底面によって絞られる
ことにより、大キャビティ部12において矢印cで示す
ように旋回するガス流の勢力を十分に強めることが難し
い。このため、空気利用率を十分に高められず、低負荷
運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を増大させた
り、高負荷運転時にスモーク濃度を増大させる可能性が
ある。
噴流は、側方キャビティ部14の底面によって絞られる
ことにより、大キャビティ部12において矢印cで示す
ように旋回するガス流の勢力を十分に強めることが難し
い。このため、空気利用率を十分に高められず、低負荷
運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を増大させた
り、高負荷運転時にスモーク濃度を増大させる可能性が
ある。
【0014】これに対処して、側方キャビティ部14お
よび大キャビティ部12の深さを大きく設定すると、主
燃焼室9の容積が増大するため、渦流室5に対する容積
比が適正な値にならなかったり、圧縮比を十分に高めら
れないという問題点が生じる。
よび大キャビティ部12の深さを大きく設定すると、主
燃焼室9の容積が増大するため、渦流室5に対する容積
比が適正な値にならなかったり、圧縮比を十分に高めら
れないという問題点が生じる。
【0015】また、略菱形に隆起して形成された分散台
13は、熱応力が集中しやすい角部を多く有する形状の
ため、十分な耐熱性を確保することが難しい。
13は、熱応力が集中しやすい角部を多く有する形状の
ため、十分な耐熱性を確保することが難しい。
【0016】大キャビティ部12はピストン頂面8に対
して凹状に窪み、図示しない吸・排気弁とピストン3の
干渉を避けるバルブリセスの機能を果たしているが、ピ
ストン頂面8と同一高さで隆起して形成された分散台1
3は、吸・排気弁との干渉を避ける必要からその配置自
由度が制約されるため、火炎噴流を拡散させる効果を最
大限に発揮できない可能性がある。
して凹状に窪み、図示しない吸・排気弁とピストン3の
干渉を避けるバルブリセスの機能を果たしているが、ピ
ストン頂面8と同一高さで隆起して形成された分散台1
3は、吸・排気弁との干渉を避ける必要からその配置自
由度が制約されるため、火炎噴流を拡散させる効果を最
大限に発揮できない可能性がある。
【0017】分散台13の頂面に反射した火炎噴流がシ
リンダヘッド側の吸・排気弁の間に位置する燃焼室壁に
当たるため、シリンダヘッド側の熱負荷が増大するとい
う問題点もある。
リンダヘッド側の吸・排気弁の間に位置する燃焼室壁に
当たるため、シリンダヘッド側の熱負荷が増大するとい
う問題点もある。
【0018】本発明は上記の問題点を解消し、空気利用
率の高い渦流室式ディーゼル機関の燃焼室を提供するこ
とを目的とする。
率の高い渦流室式ディーゼル機関の燃焼室を提供するこ
とを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の渦流室式
ディーゼル機関の燃焼室は、シリンダヘッドとピストン
の間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成
される渦流室と、渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に
向かうように主燃焼室の周辺部に開口する噴口と、ピス
トンの頂面に対して凹状に窪み、ピストンの上方から見
て噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対の大キャビ
ティ部と、大キャビティ部を画成する外郭を構成し、そ
の頂点が噴流に対向して突出する第一対向壁部と、各大
キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、噴口の直下領
域からピストン中心方向に延びるトレンチ部と、トレン
チ部を画成する外郭を構成し、その頂点が噴流に対向し
て突出する第二対向壁部とを備える。
ディーゼル機関の燃焼室は、シリンダヘッドとピストン
の間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成
される渦流室と、渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に
向かうように主燃焼室の周辺部に開口する噴口と、ピス
トンの頂面に対して凹状に窪み、ピストンの上方から見
て噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対の大キャビ
ティ部と、大キャビティ部を画成する外郭を構成し、そ
の頂点が噴流に対向して突出する第一対向壁部と、各大
キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、噴口の直下領
域からピストン中心方向に延びるトレンチ部と、トレン
チ部を画成する外郭を構成し、その頂点が噴流に対向し
て突出する第二対向壁部とを備える。
【0020】請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1に記載の発明において、トレンチ部
は、第二対向壁部を挟んで各大キャビティ部への中心領
域に向けて延びる一対のトレンチ分岐部を備える。
燃焼室は、請求項1に記載の発明において、トレンチ部
は、第二対向壁部を挟んで各大キャビティ部への中心領
域に向けて延びる一対のトレンチ分岐部を備える。
【0021】請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2に記載の発明において、ト
レンチ部を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴
口の直下領域にかけて次第に深くなるように形成する。
燃焼室は、請求項1または2に記載の発明において、ト
レンチ部を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴
口の直下領域にかけて次第に深くなるように形成する。
【0022】請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面を大キャビティ部の底面に段差なく連続させる。
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面を大キャビティ部の底面に段差なく連続させる。
【0023】請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面と大キャビティ部の底面を接続する段差を形成す
る。
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面と大キャビティ部の底面を接続する段差を形成す
る。
【0024】
【作用】請求項1記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼
室において、燃焼は、ピストン位置が上死点近傍で燃料
が渦流室に噴射供給されることにより開始される。渦流
室における燃焼開始に伴い、膨張ガスと一部の噴射燃料
を含む火炎噴流が噴口を通って主燃焼室へと噴出する。
室において、燃焼は、ピストン位置が上死点近傍で燃料
が渦流室に噴射供給されることにより開始される。渦流
室における燃焼開始に伴い、膨張ガスと一部の噴射燃料
を含む火炎噴流が噴口を通って主燃焼室へと噴出する。
【0025】ピストンが圧縮上死点の近傍にある燃焼行
程の前半で、渦流室から主燃焼室に噴出する噴流は、側
方キャビティ部の底面に衝突した後、その多くが左右の
側方キャビティ部に拡散し、トレンチ部を通って分散台
を迂回しながら第一対向壁部の方に向けて流れ、大キャ
ビティ部で第一対向壁部に案内されて旋回流が生起され
る。
程の前半で、渦流室から主燃焼室に噴出する噴流は、側
方キャビティ部の底面に衝突した後、その多くが左右の
側方キャビティ部に拡散し、トレンチ部を通って分散台
を迂回しながら第一対向壁部の方に向けて流れ、大キャ
ビティ部で第一対向壁部に案内されて旋回流が生起され
る。
【0026】ピストンが圧縮上死点の近傍にある燃焼行
程の前半で、渦流室から主燃焼室に噴出する噴流は、ト
レンチ部の底面に衝突した後、トレンチ部を通って第一
対向壁部に衝突する。第一対向壁部に衝突した噴流の一
部は、第二対向壁部の第一対向壁部を迂回しながら各大
キャビティ部の中央部へと拡散して、大キャビティ部の
外郭に沿った旋回流となって拡散する。また、トレンチ
部を通って第一対向壁部に衝突する噴流の一部は、第二
対向壁部を乗り越えて直進し、第一対向壁部に衝突す
る。第一対向壁部に衝突した噴流の多くは第一対向壁部
に案内されて、大キャビティ部の外郭に沿った旋回流と
なって拡散する。
程の前半で、渦流室から主燃焼室に噴出する噴流は、ト
レンチ部の底面に衝突した後、トレンチ部を通って第一
対向壁部に衝突する。第一対向壁部に衝突した噴流の一
部は、第二対向壁部の第一対向壁部を迂回しながら各大
キャビティ部の中央部へと拡散して、大キャビティ部の
外郭に沿った旋回流となって拡散する。また、トレンチ
部を通って第一対向壁部に衝突する噴流の一部は、第二
対向壁部を乗り越えて直進し、第一対向壁部に衝突す
る。第一対向壁部に衝突した噴流の多くは第一対向壁部
に案内されて、大キャビティ部の外郭に沿った旋回流と
なって拡散する。
【0027】トレンチ部は大キャビティ部の底面に対し
て凹状に窪んでいるため、ピストンが圧縮上死点の近傍
にあって主燃焼室の容積が小さくなっているときに、噴
口の主燃焼室側の開口部との間に十分な流路断面積が確
保される。これにより、噴口から主燃焼室に噴出する噴
流は、トレンチ部の底面によって大きく絞られることが
ないため、噴口の出口部分で付与される抵抗が小さく抑
えられ、渦流室から燃料を多く含むガスが速やかに主燃
焼室に流出する。この結果、渦流室において酸素濃度が
低い状態で燃焼が行われることを抑制し、スモークの発
生量を低減できる。
て凹状に窪んでいるため、ピストンが圧縮上死点の近傍
にあって主燃焼室の容積が小さくなっているときに、噴
口の主燃焼室側の開口部との間に十分な流路断面積が確
保される。これにより、噴口から主燃焼室に噴出する噴
流は、トレンチ部の底面によって大きく絞られることが
ないため、噴口の出口部分で付与される抵抗が小さく抑
えられ、渦流室から燃料を多く含むガスが速やかに主燃
焼室に流出する。この結果、渦流室において酸素濃度が
低い状態で燃焼が行われることを抑制し、スモークの発
生量を低減できる。
【0028】また、噴口の出口部分で付与される抵抗が
小さく抑えられるため、トレンチ部を通って第一対向壁
部の方に向けて流れる噴流の勢力を高め、第一対向壁部
を介して大キャビティ部において強い旋回流を生起しつ
つ、主燃焼室の広範な領域に伝播、拡散していき、主燃
焼室における空気利用率を高められ、低負荷運転時に排
気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運
転時にスモーク濃度を低下させることができる。
小さく抑えられるため、トレンチ部を通って第一対向壁
部の方に向けて流れる噴流の勢力を高め、第一対向壁部
を介して大キャビティ部において強い旋回流を生起しつ
つ、主燃焼室の広範な領域に伝播、拡散していき、主燃
焼室における空気利用率を高められ、低負荷運転時に排
気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運
転時にスモーク濃度を低下させることができる。
【0029】トレンチ部によって噴口からの火炎噴流に
対する流路断面積が十分に確保されることにより、大キ
ャビティ部の深さに対する設定自由度が大きくなり、大
キャビティ部の渦流室に対する容積比や、圧縮比がそれ
ぞれ適正な値になるようにすることが可能となる。
対する流路断面積が十分に確保されることにより、大キ
ャビティ部の深さに対する設定自由度が大きくなり、大
キャビティ部の渦流室に対する容積比や、圧縮比がそれ
ぞれ適正な値になるようにすることが可能となる。
【0030】第二対向壁部は大キャビティ部の底面に対
して凹状に窪んで形成されるため、熱応力が集中しやす
い角部を少なくするとともに、第二対向壁部の受ける熱
をピストンを介して逃がすことが促され、十分な耐熱性
を確保することができる。
して凹状に窪んで形成されるため、熱応力が集中しやす
い角部を少なくするとともに、第二対向壁部の受ける熱
をピストンを介して逃がすことが促され、十分な耐熱性
を確保することができる。
【0031】第二対向壁部が大キャビティ部の底面から
隆起しない構造のため、第二対向壁部の頂面に反射した
火炎噴流がシリンダヘッド側の吸・排気弁の間に位置す
る燃焼室壁に当たることが抑えられ、シリンダヘッド側
の熱負荷を低減することができる。
隆起しない構造のため、第二対向壁部の頂面に反射した
火炎噴流がシリンダヘッド側の吸・排気弁の間に位置す
る燃焼室壁に当たることが抑えられ、シリンダヘッド側
の熱負荷を低減することができる。
【0032】請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、トレンチ部は、第二対向壁部を挟んで
各大キャビティ部の中心領域に向けて延びる一対のトレ
ンチ分岐部を備えているため、噴口から主燃焼室に噴出
する噴流は、トレンチ分岐部に案内されて第二対向壁部
を迂回しながら第二対向壁部向かう勢力が高められ、大
キャビティ部に強い旋回流を生起することができる。こ
の結果、主燃焼室の広範な領域に伝播、拡散していき、
主燃焼室における空気利用率を高められ、低負荷運転時
に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負
荷運転時にスモーク濃度を低下させることができる。
燃焼室において、トレンチ部は、第二対向壁部を挟んで
各大キャビティ部の中心領域に向けて延びる一対のトレ
ンチ分岐部を備えているため、噴口から主燃焼室に噴出
する噴流は、トレンチ分岐部に案内されて第二対向壁部
を迂回しながら第二対向壁部向かう勢力が高められ、大
キャビティ部に強い旋回流を生起することができる。こ
の結果、主燃焼室の広範な領域に伝播、拡散していき、
主燃焼室における空気利用率を高められ、低負荷運転時
に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負
荷運転時にスモーク濃度を低下させることができる。
【0033】請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、トレンチ部は噴口の直下領域で最も深
くなるようにその底面が傾斜しているため、ピストンが
圧縮上死点の近傍にあって主燃焼室の容積が小さくなっ
ているときに、噴口の主燃焼室側の開口部との間に十分
な流路断面積が確保される。噴口から主燃焼室に噴出す
る噴流は、側方キャビティ部の底面によって大きく絞ら
れることがないため、噴口の出口部分で付与される抵抗
が小さく抑えられ、渦流室から燃料を多く含むガスが速
やかに主燃焼室に流出する。この結果、渦流室において
酸素濃度が低い状態で燃焼が行われることを抑制し、ス
モークの発生量を低減できる。
燃焼室において、トレンチ部は噴口の直下領域で最も深
くなるようにその底面が傾斜しているため、ピストンが
圧縮上死点の近傍にあって主燃焼室の容積が小さくなっ
ているときに、噴口の主燃焼室側の開口部との間に十分
な流路断面積が確保される。噴口から主燃焼室に噴出す
る噴流は、側方キャビティ部の底面によって大きく絞ら
れることがないため、噴口の出口部分で付与される抵抗
が小さく抑えられ、渦流室から燃料を多く含むガスが速
やかに主燃焼室に流出する。この結果、渦流室において
酸素濃度が低い状態で燃焼が行われることを抑制し、ス
モークの発生量を低減できる。
【0034】また、噴口の出口部分で付与される抵抗が
小さく抑えられるため、トレンチ部を通って第二対向壁
部または第一対向壁部の方に向けて流れる噴流の勢力を
高め、大キャビティ部において強い旋回流を生起しつ
つ、主燃焼室の広範な領域に伝播、拡散していき、主燃
焼室における空気利用率を高められ、低負荷運転時に排
気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運
転時にスモーク濃度を低下させることができる。
小さく抑えられるため、トレンチ部を通って第二対向壁
部または第一対向壁部の方に向けて流れる噴流の勢力を
高め、大キャビティ部において強い旋回流を生起しつ
つ、主燃焼室の広範な領域に伝播、拡散していき、主燃
焼室における空気利用率を高められ、低負荷運転時に排
気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運
転時にスモーク濃度を低下させることができる。
【0035】請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、トレンチ部は噴口の直下領域で最も深
くなるようにその底面が傾斜し、トレンチ部の底面が大
キャビティ部の底面に段差なく連続するため、噴口から
主燃焼室に噴出する噴流は、第二対向壁部に案内されて
大キャビティ部に拡散する勢力が高められ、大キャビテ
ィ部に強い旋回流を生起しつつ、主燃焼室の広範な領域
に伝播、拡散していき、主燃焼室における空気利用率を
高められ、低負荷運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃
度を低下させたり、高負荷運転時にスモーク濃度を低下
させることができる。
燃焼室において、トレンチ部は噴口の直下領域で最も深
くなるようにその底面が傾斜し、トレンチ部の底面が大
キャビティ部の底面に段差なく連続するため、噴口から
主燃焼室に噴出する噴流は、第二対向壁部に案内されて
大キャビティ部に拡散する勢力が高められ、大キャビテ
ィ部に強い旋回流を生起しつつ、主燃焼室の広範な領域
に伝播、拡散していき、主燃焼室における空気利用率を
高められ、低負荷運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃
度を低下させたり、高負荷運転時にスモーク濃度を低下
させることができる。
【0036】請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室において、互いに深さの異なるトレンチ部の底面
と大キャビティ部の底面の間に段差が設けられるため、
噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、段差を乗り越える
ことにより、上方に向かう速度成分が与えられるため、
大キャビティ部の外郭を乗り越えてシリンダボアに衝突
する火炎噴流の勢力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを減
少させることができる。
燃焼室において、互いに深さの異なるトレンチ部の底面
と大キャビティ部の底面の間に段差が設けられるため、
噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、段差を乗り越える
ことにより、上方に向かう速度成分が与えられるため、
大キャビティ部の外郭を乗り越えてシリンダボアに衝突
する火炎噴流の勢力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを減
少させることができる。
【0037】また、トレンチ部の底面と大キャビティ部
の底面の間に段差を設けることにより、トレンチ部の深
さに対する設定自由度、および第二対向壁部に対する設
定自由度が大きくなり、火炎噴流の拡散効果が適正に得
られるように各部の寸法を設定することができる。
の底面の間に段差を設けることにより、トレンチ部の深
さに対する設定自由度、および第二対向壁部に対する設
定自由度が大きくなり、火炎噴流の拡散効果が適正に得
られるように各部の寸法を設定することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0039】図2において、2はシリンダヘッド、3は
ピストンである。シリンダヘッド2の下面とピストン3
の頂面8との間に主燃焼室9が画成される。主燃焼室9
を画成するシリンダヘッド2の燃焼室壁30とピストン
3の頂面8は、それぞれシリンダ軸と直交する平面状に
形成される。
ピストンである。シリンダヘッド2の下面とピストン3
の頂面8との間に主燃焼室9が画成される。主燃焼室9
を画成するシリンダヘッド2の燃焼室壁30とピストン
3の頂面8は、それぞれシリンダ軸と直交する平面状に
形成される。
【0040】シリンダヘッド2に略球形の渦流室5が画
成される。渦流室5には図示しない燃料噴射弁がその上
部に臨むように配設されている。
成される。渦流室5には図示しない燃料噴射弁がその上
部に臨むように配設されている。
【0041】主燃焼室9と渦流室5は、噴口6を介して
連通している。噴口6は主燃焼室9の周辺部に開口して
渦流室5と連通し、図1に示す平面図上において、ピス
トン中心Pと交わる噴流中心線l上に配置される。
連通している。噴口6は主燃焼室9の周辺部に開口して
渦流室5と連通し、図1に示す平面図上において、ピス
トン中心Pと交わる噴流中心線l上に配置される。
【0042】噴口6はシリンダ軸に対して所定角度で傾
斜して形成される。噴口6は略球状をした渦流室5に対
してその接線方向に開口し、ピストン3が上昇する圧縮
行程で主燃焼室9から渦流室5に押し込まれる空気流が
渦流室5に渦流(縦方向の旋回流)を生起する。
斜して形成される。噴口6は略球状をした渦流室5に対
してその接線方向に開口し、ピストン3が上昇する圧縮
行程で主燃焼室9から渦流室5に押し込まれる空気流が
渦流室5に渦流(縦方向の旋回流)を生起する。
【0043】燃焼は、ピストン3の位置が上死点近傍
で、燃料噴射弁より燃料が噴射供給されることにより開
始される。この渦流室5での燃焼開始に伴い、膨張ガス
と一部の未燃焼燃料とからなる火炎噴流が噴口6を通っ
て主燃焼室9へと噴出し、主燃焼室9内の空気と混合し
ながら燃焼する。
で、燃料噴射弁より燃料が噴射供給されることにより開
始される。この渦流室5での燃焼開始に伴い、膨張ガス
と一部の未燃焼燃料とからなる火炎噴流が噴口6を通っ
て主燃焼室9へと噴出し、主燃焼室9内の空気と混合し
ながら燃焼する。
【0044】ピストン3の頂面8には、噴口6の主燃焼
室9側開口部のほぼ直下領域からピストン3の中心領域
に向けて延びるトレンチ部20と、ピストン3の中心領
域から両側方に広がる略円形の大キャビティ部12とが
形成される。
室9側開口部のほぼ直下領域からピストン3の中心領域
に向けて延びるトレンチ部20と、ピストン3の中心領
域から両側方に広がる略円形の大キャビティ部12とが
形成される。
【0045】トレンチ部20は、噴口6の主燃焼室9側
開口部のほぼ直下領域で、噴流の中心線lに沿って直線
状に延びる略一定幅の溝状に形成され、噴口6からの火
炎噴流をピストン3の中心領域に案内する。
開口部のほぼ直下領域で、噴流の中心線lに沿って直線
状に延びる略一定幅の溝状に形成され、噴口6からの火
炎噴流をピストン3の中心領域に案内する。
【0046】各大キャビティ部12は図示しない吸・排
気弁に対峙するように窪んで形成され、吸・排気弁とピ
ストン3の干渉を避けるバルブリセスの機能を果たすよ
うになっている。
気弁に対峙するように窪んで形成され、吸・排気弁とピ
ストン3の干渉を避けるバルブリセスの機能を果たすよ
うになっている。
【0047】大キャビティ部12は、噴流中心線lを挟
んで左右対称的に配した円弧形状の外郭17によって画
成される。外郭17の一部には噴流中心線l上に位置し
て略V字状に突出する第一対向壁部17Aが形成され
る。
んで左右対称的に配した円弧形状の外郭17によって画
成される。外郭17の一部には噴流中心線l上に位置し
て略V字状に突出する第一対向壁部17Aが形成され
る。
【0048】トレンチ部20は大キャビティ部12の底
面19に対して凹状に窪んで形成される。トレンチ部2
0を画成する外郭21は、その頂点が略V字状に突出す
る第二対向壁部21Aを有する。第二対向壁部21A
は、噴流中心線l上に位置して、ピストン中心Pより噴
口6に近い位置に形成される。
面19に対して凹状に窪んで形成される。トレンチ部2
0を画成する外郭21は、その頂点が略V字状に突出す
る第二対向壁部21Aを有する。第二対向壁部21A
は、噴流中心線l上に位置して、ピストン中心Pより噴
口6に近い位置に形成される。
【0049】第二対向壁部21Aをトレンチ部20の内
側に向けて突出させることにより、第二対向壁部21A
によってトレンチ部20の底面22から隆起する拡散マ
ウンド23が形成される。拡散マウンド23の頂面24
は、大キャビティ部12の底面19と同一平面上で連続
している。
側に向けて突出させることにより、第二対向壁部21A
によってトレンチ部20の底面22から隆起する拡散マ
ウンド23が形成される。拡散マウンド23の頂面24
は、大キャビティ部12の底面19と同一平面上で連続
している。
【0050】トレンチ部20は拡散マウンド23を挟む
ようにしてY字形に延び、拡散マウンド23を挟んで各
大キャビティ部12の中心領域へと延びる一対のトレン
チ分岐部25を有する。各トレンチ分岐部25は、拡散
マウンド23を迂回して各大キャビティ部12の中心領
域に向けて延びている。
ようにしてY字形に延び、拡散マウンド23を挟んで各
大キャビティ部12の中心領域へと延びる一対のトレン
チ分岐部25を有する。各トレンチ分岐部25は、拡散
マウンド23を迂回して各大キャビティ部12の中心領
域に向けて延びている。
【0051】大キャビティ部12は一定の深さを持つよ
うに、大キャビティ部12を画成する底面19が、シリ
ンダ軸と直交してピストン3の頂面8と平行となる平面
状に形成される。
うに、大キャビティ部12を画成する底面19が、シリ
ンダ軸と直交してピストン3の頂面8と平行となる平面
状に形成される。
【0052】一方、トレンチ部20を画成する底面22
は、トレンチ部20が噴口6の直下領域で最も深くな
り、噴口6の直下領域からピストン3の中心領域に向け
て次第に浅くなるように傾斜して形成される。
は、トレンチ部20が噴口6の直下領域で最も深くな
り、噴口6の直下領域からピストン3の中心領域に向け
て次第に浅くなるように傾斜して形成される。
【0053】トレンチ部20の底面22は、トレンチ分
岐部25の先端部26において、大キャビティ部12の
底面19に段差なく接続するように形成される。トレン
チ分岐部25の先端部26は、拡散マウンド23の側方
で噴流中心線lと直交方向に延びる直線状に形成され
る。
岐部25の先端部26において、大キャビティ部12の
底面19に段差なく接続するように形成される。トレン
チ分岐部25の先端部26は、拡散マウンド23の側方
で噴流中心線lと直交方向に延びる直線状に形成され
る。
【0054】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
説明する。
【0055】ピストン3が上昇する圧縮行程で主燃焼室
9で圧縮される空気は、噴口6を通って渦流室5に押し
込まれ、渦流室5に渦流を生起する。
9で圧縮される空気は、噴口6を通って渦流室5に押し
込まれ、渦流室5に渦流を生起する。
【0056】燃焼は、ピストン3の位置が圧縮上死点近
傍で、燃料噴射弁から燃料が噴射供給されることにより
開始される。この渦流室5における燃焼開始に伴い、膨
張ガスと一部の噴射燃料を含む火炎噴流が噴口6を通っ
て主燃焼室9へと噴出し、主燃焼室9の空気と混合しな
がら燃焼する。
傍で、燃料噴射弁から燃料が噴射供給されることにより
開始される。この渦流室5における燃焼開始に伴い、膨
張ガスと一部の噴射燃料を含む火炎噴流が噴口6を通っ
て主燃焼室9へと噴出し、主燃焼室9の空気と混合しな
がら燃焼する。
【0057】ピストン3が圧縮上死点の近傍にある燃焼
行程の前半で、渦流室5から主燃焼室9に噴出する噴流
は、トレンチ部20の底面22に衝突した後、トレンチ
部20を通って第一対向壁部21Aに衝突する。第一対
向壁部21Aに衝突した噴流の一部は、図中矢印dで示
すように、拡散マウンド23の第一対向壁部21Aを迂
回しながら各大キャビティ部12の中央部へと拡散し
て、大キャビティ部12の外郭17に沿った旋回流とな
って拡散する。また、トレンチ部20を通って第一対向
壁部21Aに衝突する噴流の一部は、図中矢印eで示す
ように、拡散マウンド23を乗り越えて直進し、第一対
向壁部17Aに衝突する。第一対向壁部17Aに衝突し
た噴流の多くは第一対向壁部17Aに案内されて、大キ
ャビティ部12の外郭17に沿った旋回流となって拡散
する。
行程の前半で、渦流室5から主燃焼室9に噴出する噴流
は、トレンチ部20の底面22に衝突した後、トレンチ
部20を通って第一対向壁部21Aに衝突する。第一対
向壁部21Aに衝突した噴流の一部は、図中矢印dで示
すように、拡散マウンド23の第一対向壁部21Aを迂
回しながら各大キャビティ部12の中央部へと拡散し
て、大キャビティ部12の外郭17に沿った旋回流とな
って拡散する。また、トレンチ部20を通って第一対向
壁部21Aに衝突する噴流の一部は、図中矢印eで示す
ように、拡散マウンド23を乗り越えて直進し、第一対
向壁部17Aに衝突する。第一対向壁部17Aに衝突し
た噴流の多くは第一対向壁部17Aに案内されて、大キ
ャビティ部12の外郭17に沿った旋回流となって拡散
する。
【0058】トレンチ部20は噴口6の直下領域で最も
深くなるようにその底面22が傾斜しているため、ピス
トン3が圧縮上死点の近傍にあって主燃焼室9の容積が
小さくなっているときに、噴口6の主燃焼室9側の開口
部との間に十分な流路断面積が確保される。このよう
に、噴口6から主燃焼室9に噴出する噴流は、トレンチ
部20の底面22によって大きく絞られることがないた
め、噴口6の出口部分で付与される抵抗が小さく抑えら
れ、渦流室5から燃料を多く含むガスが速やかに主燃焼
室9に流出する。この結果、渦流室5において酸素濃度
が低い状態で燃焼が行われることを抑制し、スモークの
発生量を低減できる。
深くなるようにその底面22が傾斜しているため、ピス
トン3が圧縮上死点の近傍にあって主燃焼室9の容積が
小さくなっているときに、噴口6の主燃焼室9側の開口
部との間に十分な流路断面積が確保される。このよう
に、噴口6から主燃焼室9に噴出する噴流は、トレンチ
部20の底面22によって大きく絞られることがないた
め、噴口6の出口部分で付与される抵抗が小さく抑えら
れ、渦流室5から燃料を多く含むガスが速やかに主燃焼
室9に流出する。この結果、渦流室5において酸素濃度
が低い状態で燃焼が行われることを抑制し、スモークの
発生量を低減できる。
【0059】また、噴口6から主燃焼室9に噴出する噴
流は、トレンチ部20の底面22によって大きく絞られ
ることがなく、噴口6の出口部分で付与される抵抗が小
さく抑えられるため、図中矢印d,eで示すように第二
対向壁部21Aまたは第一対向壁部17Aに向かう勢力
が高められ、大キャビティ部12に強い旋回流を生起す
ることかできる。
流は、トレンチ部20の底面22によって大きく絞られ
ることがなく、噴口6の出口部分で付与される抵抗が小
さく抑えられるため、図中矢印d,eで示すように第二
対向壁部21Aまたは第一対向壁部17Aに向かう勢力
が高められ、大キャビティ部12に強い旋回流を生起す
ることかできる。
【0060】トレンチ部20は拡散マウンド23を挟む
ようにしてY字形に延び、拡散マウンド23を挟んで各
大キャビティ部12の中心領域に向けて延びる一対のト
レンチ分岐部25を有しているため、噴口6から主燃焼
室9に噴出する噴流は、図中矢印dで示すように拡散マ
ウンド23を迂回しながら大キャビティ部12に向かう
勢力が高められ、大キャビティ部12に強い旋回流を生
起することができる。
ようにしてY字形に延び、拡散マウンド23を挟んで各
大キャビティ部12の中心領域に向けて延びる一対のト
レンチ分岐部25を有しているため、噴口6から主燃焼
室9に噴出する噴流は、図中矢印dで示すように拡散マ
ウンド23を迂回しながら大キャビティ部12に向かう
勢力が高められ、大キャビティ部12に強い旋回流を生
起することができる。
【0061】トレンチ部20の底面22は、大キャビテ
ィ部12の中央部に向けて上昇するように傾斜して形成
され、互いに深さの異なる大キャビティ部12の底面1
9に段差なく連続しているため、噴口6から主燃焼室9
に噴出する噴流は、図中矢印dで示すように拡散マウン
ド23を迂回しながら大キャビティ部12に拡散する勢
力が高められ、大キャビティ部12に強い旋回流を生起
することができる。
ィ部12の中央部に向けて上昇するように傾斜して形成
され、互いに深さの異なる大キャビティ部12の底面1
9に段差なく連続しているため、噴口6から主燃焼室9
に噴出する噴流は、図中矢印dで示すように拡散マウン
ド23を迂回しながら大キャビティ部12に拡散する勢
力が高められ、大キャビティ部12に強い旋回流を生起
することができる。
【0062】ピストン3が圧縮上死点から下降するのに
伴って渦流室5から主燃焼室9に噴出する噴流の一部
は、拡散マウンド23を乗り越えて直進し、第一対向壁
部17Aに案内されて大キャビティ部12で図中矢印e
で示すように旋回流が生起される。
伴って渦流室5から主燃焼室9に噴出する噴流の一部
は、拡散マウンド23を乗り越えて直進し、第一対向壁
部17Aに案内されて大キャビティ部12で図中矢印e
で示すように旋回流が生起される。
【0063】このようにして燃焼行程の前半から後半に
かけて未燃焼燃料成分を含む噴流は、大キャビティ部1
2において強い旋回流を生起しつつ主燃焼室9の広範な
領域に伝播、拡散していき、主燃焼室9における空気利
用率を高められる。渦流室5で発生したスモークは主燃
焼室9で再燃焼し、高負荷時のスモーク排出量を大幅に
低減することができる。
かけて未燃焼燃料成分を含む噴流は、大キャビティ部1
2において強い旋回流を生起しつつ主燃焼室9の広範な
領域に伝播、拡散していき、主燃焼室9における空気利
用率を高められる。渦流室5で発生したスモークは主燃
焼室9で再燃焼し、高負荷時のスモーク排出量を大幅に
低減することができる。
【0064】トレンチ部20によって噴口6からの火炎
噴流に対する流路断面積が十分に確保されることによ
り、大キャビティ部12の深さに対する設定自由度が大
きくなり、大キャビティ部12の渦流室5に対する容積
比や、圧縮比がそれぞれ適正な値にすることが可能とな
る。
噴流に対する流路断面積が十分に確保されることによ
り、大キャビティ部12の深さに対する設定自由度が大
きくなり、大キャビティ部12の渦流室5に対する容積
比や、圧縮比がそれぞれ適正な値にすることが可能とな
る。
【0065】また、拡散マウンド23は大キャビティ部
12の底面19に連接して形成されるため、熱応力が集
中しやすい角部を少なくするとともに、拡散マウンド2
3の受ける熱をピストン3を介して逃がすことが促さ
れ、十分な耐熱性を確保することができる。
12の底面19に連接して形成されるため、熱応力が集
中しやすい角部を少なくするとともに、拡散マウンド2
3の受ける熱をピストン3を介して逃がすことが促さ
れ、十分な耐熱性を確保することができる。
【0066】拡散マウンド23は、バルブリセスの機能
を果たしている大キャビティ部12の底面19と同一高
さで形成される構造のため、吸・排気弁との干渉を避け
る必要からその配置自由度が制約されることがなく、拡
散マウンド23の最大幅Wと、ピストン中心Pから第二
対向壁部21Aの頂点までの距離Lを、それぞれ任意に
設定して、火炎噴流の拡散効果が適正に得られるように
することができる。第二対向壁部21Aの高さを小さく
し、拡散マウンド23の最大幅Wを小さくし、あるいは
ピストン中心Pからの距離Lを大きく設定することによ
り、拡散マウンド23を乗り越えて直進する噴流の勢力
を強める。逆に、第二対向壁部21Aの高さを大きく
し、拡散マウンド23の最大幅Wを大きくし、あるいは
ピストン中心Pからの距離Lを小さく設定することによ
り、拡散マウンド23を乗り越えて直進する噴流の勢力
を弱める。
を果たしている大キャビティ部12の底面19と同一高
さで形成される構造のため、吸・排気弁との干渉を避け
る必要からその配置自由度が制約されることがなく、拡
散マウンド23の最大幅Wと、ピストン中心Pから第二
対向壁部21Aの頂点までの距離Lを、それぞれ任意に
設定して、火炎噴流の拡散効果が適正に得られるように
することができる。第二対向壁部21Aの高さを小さく
し、拡散マウンド23の最大幅Wを小さくし、あるいは
ピストン中心Pからの距離Lを大きく設定することによ
り、拡散マウンド23を乗り越えて直進する噴流の勢力
を強める。逆に、第二対向壁部21Aの高さを大きく
し、拡散マウンド23の最大幅Wを大きくし、あるいは
ピストン中心Pからの距離Lを小さく設定することによ
り、拡散マウンド23を乗り越えて直進する噴流の勢力
を弱める。
【0067】拡散マウンド23は、大キャビティ部12
の底面19と同一高さで形成される構造のため、拡散マ
ウンド23の頂面24に反射した火炎噴流がシリンダヘ
ッド2側の吸・排気弁の間に位置する燃焼室壁30に当
たることが抑えられ、シリンダヘッド側の熱負荷を低減
することができる。
の底面19と同一高さで形成される構造のため、拡散マ
ウンド23の頂面24に反射した火炎噴流がシリンダヘ
ッド2側の吸・排気弁の間に位置する燃焼室壁30に当
たることが抑えられ、シリンダヘッド側の熱負荷を低減
することができる。
【0068】また、トレンチ部20によって噴口6から
の火炎噴流に対する流路断面積が十分に確保されること
により、渦流室5からの噴流が主燃焼室9の中央に向か
うように主燃焼室9の周辺部に開口した主噴口と、主噴
口よりピストン中心側に位置して主燃焼室9と渦流室5
を連通する副噴孔を備える構造を適用した場合も、燃焼
行程で主噴孔より先に副噴孔を通って主燃焼室9に流れ
込む未燃焼燃料を多く含む噴流がトレンチ部20を介し
て各大キャビティ部12へと速やかに拡散し、続いて噴
出する酸素濃度が高温の火炎噴流に巻き込まれることが
抑制され、酸素不足での燃焼を減少する結果、未燃焼燃
料およびスモークの排出量を低減することが可能であ
る。
の火炎噴流に対する流路断面積が十分に確保されること
により、渦流室5からの噴流が主燃焼室9の中央に向か
うように主燃焼室9の周辺部に開口した主噴口と、主噴
口よりピストン中心側に位置して主燃焼室9と渦流室5
を連通する副噴孔を備える構造を適用した場合も、燃焼
行程で主噴孔より先に副噴孔を通って主燃焼室9に流れ
込む未燃焼燃料を多く含む噴流がトレンチ部20を介し
て各大キャビティ部12へと速やかに拡散し、続いて噴
出する酸素濃度が高温の火炎噴流に巻き込まれることが
抑制され、酸素不足での燃焼を減少する結果、未燃焼燃
料およびスモークの排出量を低減することが可能であ
る。
【0069】次に、図3に示す他の実施例について説明
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
する。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を用
いて説明する。
【0070】トレンチ部20を画成する底面22は、ト
レンチ部20が噴口6の直下領域で最も深くなり、噴口
6の直下領域からピストン3の中心領域に向けて次第に
浅くなるように傾斜して形成される。
レンチ部20が噴口6の直下領域で最も深くなり、噴口
6の直下領域からピストン3の中心領域に向けて次第に
浅くなるように傾斜して形成される。
【0071】トレンチ部20の底面22は、トレンチ分
岐部25の先端部26において、大キャビティ部12の
底面トレンチ分岐部25の先端部26は、拡散マウンド
23の側方で噴流中心線lと直交方向に延びる直線状に
形成される。
岐部25の先端部26において、大キャビティ部12の
底面トレンチ分岐部25の先端部26は、拡散マウンド
23の側方で噴流中心線lと直交方向に延びる直線状に
形成される。
【0072】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
説明する。
【0073】トレンチ部20の底面22は、大キャビテ
ィ部12の中央部に向けて上昇するように傾斜して形成
され、互いに深さの異なる大キャビティ部12の底面1
9に段差35を持って接続されるため、噴口6から主燃
焼室9に噴出する噴流は、図中矢印fで示すように、段
差35を乗り越えることにより、上方に向かう速度成分
が与えられるため、大キャビティ部12の外郭17を乗
り越えて図示しないシリンダボアに衝突する火炎噴流の
勢力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを減少させることが
できる。
ィ部12の中央部に向けて上昇するように傾斜して形成
され、互いに深さの異なる大キャビティ部12の底面1
9に段差35を持って接続されるため、噴口6から主燃
焼室9に噴出する噴流は、図中矢印fで示すように、段
差35を乗り越えることにより、上方に向かう速度成分
が与えられるため、大キャビティ部12の外郭17を乗
り越えて図示しないシリンダボアに衝突する火炎噴流の
勢力を弱めて、燃焼火炎のクエンチを減少させることが
できる。
【0074】また、トレンチ部20の底面22と大キャ
ビティ部12の底面19の間に段差35を設けることに
より、トレンチ部20の深さに対する設定自由度、およ
び第二対向壁部21Aに対する設定自由度が大きくな
り、火炎噴流の拡散効果が適正に得られるように各部の
寸法を設定することができる。
ビティ部12の底面19の間に段差35を設けることに
より、トレンチ部20の深さに対する設定自由度、およ
び第二対向壁部21Aに対する設定自由度が大きくな
り、火炎噴流の拡散効果が適正に得られるように各部の
寸法を設定することができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の渦流
室式ディーゼル機関の燃焼室は、シリンダヘッドとピス
トンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に
画成される渦流室と、渦流室からの噴流が主燃焼室の中
央に向かうように主燃焼室の周辺部に開口する噴口と、
ピストンの頂面に対して凹状に窪み、ピストンの上方か
ら見て噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対の大キ
ャビティ部と、大キャビティ部を画成する外郭を構成
し、その頂点が噴流に対向して突出する第一対向壁部
と、各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、噴口
の直下領域からピストン中心方向に延びるトレンチ部
と、トレンチ部を画成する外郭を構成し、その頂点が噴
流に対向して突出する第二対向壁部とを備えたため、渦
流室から燃料を多く含むガスを速やかに主燃焼室へと流
出させ、噴流に対向して並ぶ第二対向壁部と第一対向壁
部をそれぞれ介して主燃焼室に生起される旋回流を強化
することにより、主燃焼室における空気利用率を十分に
高めて、燃費や出力を改善するとともに、低負荷運転時
に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負
荷運転時にスモーク濃度を低下させることができる。ま
た、大キャビティ部から隆起した分散台を廃止すること
により、ピストンに対して熱応力が集中しやすい角部を
少なくするとともに、火炎噴流がシリンダヘッド側に反
射することを抑えられ、これらの耐熱性を十分に確保す
ることができる。
室式ディーゼル機関の燃焼室は、シリンダヘッドとピス
トンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に
画成される渦流室と、渦流室からの噴流が主燃焼室の中
央に向かうように主燃焼室の周辺部に開口する噴口と、
ピストンの頂面に対して凹状に窪み、ピストンの上方か
ら見て噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対の大キ
ャビティ部と、大キャビティ部を画成する外郭を構成
し、その頂点が噴流に対向して突出する第一対向壁部
と、各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、噴口
の直下領域からピストン中心方向に延びるトレンチ部
と、トレンチ部を画成する外郭を構成し、その頂点が噴
流に対向して突出する第二対向壁部とを備えたため、渦
流室から燃料を多く含むガスを速やかに主燃焼室へと流
出させ、噴流に対向して並ぶ第二対向壁部と第一対向壁
部をそれぞれ介して主燃焼室に生起される旋回流を強化
することにより、主燃焼室における空気利用率を十分に
高めて、燃費や出力を改善するとともに、低負荷運転時
に排気中の未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負
荷運転時にスモーク濃度を低下させることができる。ま
た、大キャビティ部から隆起した分散台を廃止すること
により、ピストンに対して熱応力が集中しやすい角部を
少なくするとともに、火炎噴流がシリンダヘッド側に反
射することを抑えられ、これらの耐熱性を十分に確保す
ることができる。
【0076】請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1に記載の発明において、トレンチ部
は、第二対向壁部を挟んで各大キャビティ部への中心領
域に向けて延びる一対のトレンチ分岐部を備えたため、
噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、トレンチ分岐部に
案内されて第二対向壁部を迂回しながら第二対向壁部向
かう勢力が高められ、大キャビティ部に強い旋回流を生
起することができる。この結果、主燃焼室の広範な領域
に伝播、拡散していき、主燃焼室における空気利用率を
高められ、低負荷運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃
度を低下させたり、高負荷運転時にスモーク濃度を低下
させることができる。
燃焼室は、請求項1に記載の発明において、トレンチ部
は、第二対向壁部を挟んで各大キャビティ部への中心領
域に向けて延びる一対のトレンチ分岐部を備えたため、
噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、トレンチ分岐部に
案内されて第二対向壁部を迂回しながら第二対向壁部向
かう勢力が高められ、大キャビティ部に強い旋回流を生
起することができる。この結果、主燃焼室の広範な領域
に伝播、拡散していき、主燃焼室における空気利用率を
高められ、低負荷運転時に排気中の未燃焼燃料成分の濃
度を低下させたり、高負荷運転時にスモーク濃度を低下
させることができる。
【0077】請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項1または2に記載の発明において、ト
レンチ部を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴
口の直下領域にかけて次第に深くなるように形成したた
め、トレンチ部によって噴口からの火炎噴流に対する流
路断面積が十分に確保されることにより、渦流室から燃
料を多く含むガスを速やかに主燃焼室へと流出させ、噴
流に対向して並ぶ第二対向壁部と第一対向壁部をそれぞ
れ介して主燃焼室に生起される旋回流を強化する。この
結果、主燃焼室における空気利用率を十分に高めて、燃
費や出力を改善するとともに、低負荷運転時に排気中の
未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運転時に
スモーク濃度を低下させることができる。
燃焼室は、請求項1または2に記載の発明において、ト
レンチ部を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴
口の直下領域にかけて次第に深くなるように形成したた
め、トレンチ部によって噴口からの火炎噴流に対する流
路断面積が十分に確保されることにより、渦流室から燃
料を多く含むガスを速やかに主燃焼室へと流出させ、噴
流に対向して並ぶ第二対向壁部と第一対向壁部をそれぞ
れ介して主燃焼室に生起される旋回流を強化する。この
結果、主燃焼室における空気利用率を十分に高めて、燃
費や出力を改善するとともに、低負荷運転時に排気中の
未燃焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運転時に
スモーク濃度を低下させることができる。
【0078】請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面を大キャビティ部の底面に段差なく連続させたた
め、噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、第二対向壁部
に案内されて大キャビティ部に拡散する勢力が高めら
れ、大キャビティ部に強い旋回流を生起しつつ、主燃焼
室の広範な領域に伝播、拡散していき、主燃焼室におけ
る空気利用率を高められ、低負荷運転時に排気中の未燃
焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運転時にスモ
ーク濃度を低下させることができる。
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面を大キャビティ部の底面に段差なく連続させたた
め、噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、第二対向壁部
に案内されて大キャビティ部に拡散する勢力が高めら
れ、大キャビティ部に強い旋回流を生起しつつ、主燃焼
室の広範な領域に伝播、拡散していき、主燃焼室におけ
る空気利用率を高められ、低負荷運転時に排気中の未燃
焼燃料成分の濃度を低下させたり、高負荷運転時にスモ
ーク濃度を低下させることができる。
【0079】請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面と大キャビティ部の底面を接続する段差を形成し
たため、噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、段差を乗
り越えることにより、上方に向かう速度成分が与えられ
るため、大キャビティ部の外郭を乗り越えてシリンダボ
アに衝突する火炎噴流の勢力を弱めて、燃焼火炎のクエ
ンチを減少させることができる。また、トレンチ部の深
さに対する設定自由度、および第二対向壁部に対する設
定自由度が大きくなり、火炎噴流の拡散効果が適正に得
られるように各部の寸法を設定することができる。
燃焼室は、請求項3に記載の発明において、トレンチ部
を画成する底面を、ピストンの中心領域から噴口の直下
領域にかけて次第に深くなるように形成し、トレンチ部
の底面と大キャビティ部の底面を接続する段差を形成し
たため、噴口から主燃焼室に噴出する噴流は、段差を乗
り越えることにより、上方に向かう速度成分が与えられ
るため、大キャビティ部の外郭を乗り越えてシリンダボ
アに衝突する火炎噴流の勢力を弱めて、燃焼火炎のクエ
ンチを減少させることができる。また、トレンチ部の深
さに対する設定自由度、および第二対向壁部に対する設
定自由度が大きくなり、火炎噴流の拡散効果が適正に得
られるように各部の寸法を設定することができる。
【図1】本発明の実施例を示すピストンの平面図。
【図2】同じくピストンの断面図。
【図3】他の実施例を示すピストンの断面図。
【図4】従来例を示すピストンの平面図。
2 シリンダヘッド 3 ピストン 5 渦流室 6 噴口 8 ピストン頂面 9 主燃焼室 12 大キャビティ部 17 大キャビティ部外郭 17A第一対向壁部 20 トレンチ部 21 トレンチ部外郭 21A第二対向壁部 22 トレンチ部底面 23 拡散マウンド 25 トレンチ分岐部 35 段差
Claims (5)
- 【請求項1】シリンダヘッドとピストンの間に画成され
る主燃焼室と、 シリンダヘッド側に画成される渦流室と、 渦流室からの噴流が主燃焼室の中央に向かうように主燃
焼室の周辺部に開口する噴口と、 ピストンの頂面に対して凹状に窪み、ピストンの上方か
ら見て噴流の中心線を挟んで略円形に広がる一対の大キ
ャビティ部と、 大キャビティ部を画成する外郭を構成し、その頂点が噴
流に対向して突出する第一対向壁部と、 各大キャビティ部の底面に対して凹状に窪み、噴口の直
下領域からピストン中心方向に延びるトレンチ部と、 トレンチ部を画成する外郭を構成し、その頂点が噴流に
対向して突出する第二対向壁部と、 を備えたことを特徴とする渦流室式ディーゼル機関の燃
焼室。 - 【請求項2】トレンチ部は、第二対向壁部を挟んで各大
キャビティ部の中心領域に向けて延びる一対のトレンチ
分岐部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の渦流
室式ディーゼル機関の燃焼室。 - 【請求項3】トレンチ部を画成する底面を、ピストンの
中心領域から噴口の直下領域にかけて次第に深くなるよ
うに形成したことを特徴とする請求項1または2に記載
の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。 - 【請求項4】トレンチ部を画成する底面を、ピストンの
中心領域から噴口の直下領域にかけて次第に深くなるよ
うに形成し、 トレンチ部の底面を大キャビティ部の底面に段差なく連
続させたことを特徴とする請求項3に記載の渦流室式デ
ィーゼル機関の燃焼室。 - 【請求項5】トレンチ部を画成する底面を、ピストンの
中心領域から噴口の直下領域にかけて次第に深くなるよ
うに形成し、 トレンチ部の底面と大キャビティ部の底面を接続する段
差を形成したことを特徴とする請求項3に記載の渦流室
式ディーゼル機関の燃焼室。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6202272A JPH0868327A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6202272A JPH0868327A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0868327A true JPH0868327A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16454796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6202272A Pending JPH0868327A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0868327A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002276372A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-09-25 | Kubota Corp | ディーゼルエンジンのうず室式燃焼室 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP6202272A patent/JPH0868327A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002276372A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-09-25 | Kubota Corp | ディーゼルエンジンのうず室式燃焼室 |
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