JPH08281762A - ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法

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JPH08281762A
JPH08281762A JP7085563A JP8556395A JPH08281762A JP H08281762 A JPH08281762 A JP H08281762A JP 7085563 A JP7085563 A JP 7085563A JP 8556395 A JP8556395 A JP 8556395A JP H08281762 A JPH08281762 A JP H08281762A
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foam
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polypropylene resin
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JP7085563A
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Hideshi Asada
英志 浅田
Hiromi Tanigawa
博海 谷川
Hiroyuki Ueno
裕之 上野
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリプロピレン系樹脂のリサイクルに関し、
密度バラツキがなく、優れた品質安定性を有するポリプ
ロピレン系樹脂発泡体の製造方法を提供する。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂を60重量%以上含有
する任意の形状の基材樹脂を少なくとも1回以上押出処
理し押出樹脂とした後、この押出樹脂に発泡剤を添加し
て発泡させポリプロピレン系樹脂発泡体を得ることを特
徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出安定性に優れたポ
リプロピレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。本発明
によるポリプロピレン系樹脂発泡体は、熱成形などの二
次加工でき、食器等の包装材や各種製品の部材として使
用できるものである。また、本発明は、ポリプロピレン
系樹脂の包装材や部材を製造するために生ずる成形クズ
或いは使用済みの前記包装材又は部材の再使用(リサイ
クル)に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】食品包装をはじめとする熱成形品を構成
する樹脂として、ポリプロピレン系樹脂が広く使用され
ている。しかし、そのほとんどは非発泡のシートを熱成
形したものか、無機フィラーを充填した連続気泡率が高
く、高密度の発泡シートを生成したものである。そのた
め、断熱性、保温性に劣り、電子レンジなどで加熱調理
した場合に冷めやすい、調理の直後に素手で持てないな
どの不都合を生じていた。
【0003】これらの欠点を解決するには、ポリプロピ
レン系樹脂発泡体の密度を下げ、更に独立気泡率を上げ
てやればよい。しかし、元来ポリプロピレン樹脂は結晶
融点を境に融点以上では、溶融粘度が極めて低く、発泡
した気泡を保持できず破泡し易い。そのため従来のポリ
プロピレン系樹脂発泡体は、連続気泡率の高いシートで
あって、独立気泡を有する良好な機械的特性及び耐熱性
に優れた発泡体ではなかった。更に、従来のポリプロピ
レン系樹脂発泡体は、密度が0.5g/cm3以上の低
発泡体か、又は密度が0.03g/cm3 以下の高発泡
体であった。
【0004】すなわち、密度が0.5g/cm3 以上の
低発泡体は、ポリプロピレン系樹脂に分解型又は反応型
発泡剤を添加し、成形押出機に供給することにより製造
されている。また、密度が0.03g/cm3 以下の高
発泡体は、ミクロセルラー構造を有しており、例えば特
公昭46−41474号公報に示されている。この公報
では、結晶性ポリプロピレン樹脂を塩化メチレン、フル
オロトリクロロメタン、パーフルオロシクロブタン等の
活性化液に溶解する。次いで、得られた溶液をこの溶液
の蒸気圧よりも高いが1000PSiより高くない区域
中から、実質的により低い圧力区域に押出し、それによ
って活性化液を蒸発させる。この後、溶液に含まれる固
体重合体が沈殿し、かつ重合体の配向を凍結する温度ま
で冷却して、押出発泡させる方法がある。
【0005】更に、上記2例の中間の発泡体として、密
度0.3g/cm3 前後のものも報告されているが、そ
れらはいずれも連続気泡であり、独立気泡ではない。そ
のため得られた発泡体は、良好な機械的特性及び断熱性
を有するとは言い難かった。一方、ポリプロピレン樹脂
をポリエチレン樹脂のように押出発泡成形するには、押
出発泡が可能な温度領域を広げ、融点以上の温度領域で
溶融粘弾性を高くする必要がある。そのため、ポリプロ
ピレン樹脂の分子量を増やすことや他のオレフィンとの
共重合樹脂化が試みられた。これらの手段による樹脂の
改質は、非発泡シートの押出加工性、非発泡シートの熱
成形性、成形品の物性の改良には良好な結果を与えた
が、押出発泡に適した溶融粘弾性を得るには至らなかっ
た。
【0006】また、ポリプロピレン樹脂の溶融粘弾性を
特殊なものとしている原因の一つとして、ポリプロピレ
ン樹脂が極めて直鎖状の高分子であることが考えられ
る。この樹脂を架橋することによって、上記欠点を解決
しようとする試みもなされている。しかしながら、これ
らの方法は、若干の発泡性の向上がみられたものの、ポ
リプロピレン樹脂の特性として架橋と分解が同時に進行
するので、期待された効果を得ることは極めて困難であ
った。
【0007】しかし、近年、Z平均分子量Mzが少なく
とも2.0×106 で、Mz/Mwが少なくとも3.0
であり、かつゲルパーミエイションクロマトグラフィに
よる分子量分布カーブが、高分子領域に分岐ポリマーを
含むことを示すカーブの張り出しがある形状のキャメル
型のポリプロピレン系樹脂を使用することにより、密度
0.025〜0.5g/cm3 の発泡体をポリスチレン
樹脂のような安価な押出成形方法によって得られること
が見いだされた(特開平6−192460号公報参
照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この方法により得られ
た発泡体は、独立気泡率が大きく、耐熱性、断熱性、機
械的特性に優れた発泡体である。しかしながら、押出機
内でのメルトフローレートの上昇が大きく、かつその押
出条件によってメルトフローレートにばらつきを生じ
る。そのため押し出された製品の物性に差(押出方向の
密度ばらつき等)を生じ、押出安定性に欠けるという課
題を有していた。
【0009】一方、上記のようなポリプロピレン系樹脂
の熱成形品は、広く使用される結果、それを再使用する
こと、また熱成形品の製造時に副成する成形クズを有効
利用することが環境上及び資源節約上強く望まれてい
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、押
出機内でのメルトフローレートの上昇が大きくなる原因
が、上記ポリプロピレン系樹脂が、その構造上、押出機
内での熱、剪断による劣化を非常に受けやすく、分解し
た低分子量部分が滑剤として働き、その結果メルトフロ
ーレートが上昇していることが考えられるという知見を
得た。
【0011】更に、上記知見に基づき鋭意検討の結果、
本発明の発明者等は、上述のメルトフローレートの上昇
及びバラツキが、押出機を一度通したのちに測定した場
合、非常に大きいが、2回、3回と押出機に通す回数を
増やしていっても、メルトフローレートの変化が非常に
小さいこと、また、GPCによる分子量分布カーブの形
状にも大きな変化が観られないことも見いだしたことに
より本発明に至った。
【0012】かくして、本発明によれば、ポリプロピレ
ン系樹脂を60重量%以上含有する任意の形状の基材樹
脂を少なくとも1回以上押出処理し押出樹脂とした後、
この押出樹脂に発泡剤を添加して発泡させポリプロピレ
ン系樹脂発泡体を得ることを特徴とするポリプロピレン
系樹脂発泡体の製造方法が提供される。 (押出工程の前処理)本発明に使用できる基材樹脂は、
特に限定されず、公知のものをいずれも使用できるが、
成形クズ又は使用済みの成形品を再使用(リサイクル)
できることが、本発明の重要な特徴の1つである。な
お、本発明に使用できる基材樹脂は、成形クズ又は使用
済みの成形品を含まない樹脂も使用することができる。
【0013】この基材樹脂にはポリプロピレン系樹脂が
60重量%以上、好ましくは70〜100重量%含まれ
ている。上記ポリプロピレン系樹脂は、特に限定されな
いが、Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×106
上でMz/Mwが3.0以上であり、かつ高分子領域に
分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがある
キャメル型の分子量分布カーブ(ゲルパーミエイション
クロマトグラフによる)を有するポリプロピレン系樹脂
(キャメル型ポリプロピレン系樹脂と称する)が好適に
使用できる。
【0014】上記樹脂において、Z平均分子量Mzは、
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(以下GPCと称
する)による測定により、最も高分子量側の分布が強調
される平均分子量であり、分子量の3乗の平均値を意味
する。また、重量平均分子量Mwは、GPCによる測定
により、測定される物性値がポリマーの重量に直接関係
するときに求められる平均分子量であって、分子量の2
乗の平均値を意味する。
【0015】なお、本発明で行ったGPCの測定方法は
次の通りである。 測定装置:GPC 150−C型(Water社製) 測定条件:カラム KF−80M(SHODEX社製)を2本 カラム温度 145℃ 注入温度 145℃ ポンプ温度 60℃ 感度 32 使用溶剤 o−ジクロロベンゼン(1.0ml/分) 走査時間 50分 注入容積 400μl このようなポリプロピレン系樹脂を使用すれば、発泡時
において十分な溶融張力が得られ、所望の密度の発泡体
を得ることができる。
【0016】更に、上記ポリプロピレン系樹脂は、キャ
メル型の分子量分布カーブを有しているが、キャメル型
の分子量分布カーブとは、例えば図1に示す如き高分子
量領域にラクダの背のように張出を有する形状の分子量
分布カーブを意味する。分子量分布カーブは、高分子量
の領域のある成分が多くの分岐を有していることを示し
ている。なお、図1中、カーブAはキャメル型ポリプロ
ピレン系樹脂を示し、カーブBはその他のポリプロピレ
ン系樹脂を示している。
【0017】本発明に使用できるポリプロピレン系樹脂
は、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−ブテン−プロピレン三元共重合体等が挙
げられる。具体的には、キャメル型ポリプロピレン系樹
脂には、ハイモント社製X−10005、PF−81
4、SD−632、X11277−22−1等が挙げら
れる。なお、PF−814、X−10005はプロピレ
ン単独重合体であり、SD−632、X11277−2
2−1はプロピレン−エチレンブロックコポリマーであ
る。キャメル型でないポリプロピレン系樹脂には、三菱
化学社製PY240B、BC4等が挙げられる。上記ポ
リプロピレン系樹脂は、0.1〜6g/10分のMFR
のポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。ここ
で、MFRが、0.1g/10分より小さい場合、流動
性が低く押出負荷が大きくなるので好ましくなく、6g
/10分より大きい場合、押出処理後にMFRが大きく
上昇し、気泡が粗大な発泡体しか得られないので好まし
くない。
【0018】なお、本発明におけるMFRは、セミオー
トメルトインデクサー(東洋精機社製)を使用し、JI
S K−7210に準拠して測定した値を意味する。ま
た、上記基材樹脂に含まれる他の樹脂としては、発泡
性、押出安定性等の物性を阻害しない範囲で、α−オレ
フィン重合体、アイオノマーや、エチレン−プロピレン
ラバー(EPラバー)、低密度ポリエチレン樹脂(直鎖
状又は分岐鎖を有する樹脂を含む)、直鎖状超低密度ポ
リエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル等が挙げられる。
【0019】上記、基材樹脂が成形クズ又は使用済みの
成形品である場合には、これらはその形状、大きさは特
に限定されないが、溶融を容易にするため、通常粉砕処
理に付すことが望ましい。粉砕処理した樹脂は、異物等
を除去した後、押出機へ供給され、溶融され、金型の手
前でメッシュを通過させて、不純物が除去される。な
お、粉砕機は、特に限定されず、公知の粉砕機をいずれ
も使用することができる。 (押出工程)本発明に使用される基材樹脂は、例えば押
出機内で溶融され、少なくとも1回以上押出処理されて
押出樹脂となる。この押出処理は、場合により2乃至3
回繰り返して行ってもよい。特に、MFRが低い場合
は、複数回押出を行うことが好ましい。
【0020】また、0.1〜6g/10分の比較的低い
MFRのポリプロピレン系樹脂を含有する基材樹脂を、
少なくとも1回以上押出処理することにより、メルトフ
ローレート(以下MFRと称する)が6〜15g/10
分であり、かつ後の発泡工程においてMFRの更なる変
動が少ない押出樹脂が得られることも本発明の特徴の1
つである。
【0021】ここで、MFRを6g/10分以上とした
理由は、基材樹脂を1回以上押出機に通した場合、MF
Rの上昇が大きく、6g/10分より小さく制御するこ
とが困難だからである。もし、制御できたとしても、発
泡体を製造する際に、更にMFRが上昇するので、本発
明の目的とする押出の安定化の効果が殆どみられないか
らである。一方、MFRが15g/10分より大きい場
合、溶融粘度が非常に低くなるので、セルの破泡、気泡
の粗大化、連続気泡率の増大を生じるので好ましくな
い。
【0022】更に押出樹脂の形状は、特に限定されず、
ペレットでもよく、フィルム状に押し出された樹脂をペ
レット化したもの、顆粒状にしたもの、溶融物であって
もよい。更に、この押出樹脂は、公知の発泡工程を経る
ことによる発泡体構造を有するものであってもよい。押
出の条件は、使用する基材樹脂の種類により異なるが、
温度150〜220℃であることが好ましい。また、押
出処理に使用する押出機は、特に限定されず、公知の押
出機をいずれも使用することができる。
【0023】本発明では、上記特定のMFRを有する押
出樹脂は、更に他の樹脂と混合されていてもよい。その
場合の押出樹脂の混合割合は、樹脂全量に対して少なく
とも5重量%、好ましくは5〜70重量%である。5重
量%より少ない場合は、押出を安定化させる効果がほと
んど得られないので好ましくない。本発明に使用できる
他の樹脂は、特に限定されず、公知のポリプロピレン系
樹脂を使用することができる。具体的には、キャメル型
プロピレン単独重合体、キャメル型エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体、キャメル型エチレン−プロピレン
ランダム共重合体等のキャメル型ポリプロピレン系樹
脂、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体
等のキャメル型でないポリプロピレン系樹脂が挙げられ
る。
【0024】また、上記押出樹脂には、発泡性、押出安
定性等の物性を阻害しない範囲で、α−オレフィン重合
体、アイオノマーや、エチレン−プロピレンラバー(E
Pラバー)、低密度ポリエチレン樹脂(直鎖状又は分岐
鎖を有する樹脂を含む)、直鎖状超低密度ポリエチレン
樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等
を更に混合してもよい。
【0025】更に、押出樹脂中に、強度及び耐久性の向
上並びに増量のために、無機充填材を添加してもよい。
使用できる無機充填材としては、特に限定されないが、
シリカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、クレー、炭酸
カルシウム等が挙げられる。 (発泡工程)次に、得られた押出樹脂は、発泡剤が添加
され発泡工程に付される。ここで、本発明のポリプロピ
レン系樹脂発泡体の製造方法における発泡方法は、押出
発泡、圧縮発泡、射出発泡等と、ブロック成形、板状成
形、型物成形等の方法を組み合わせることにより製造す
ることができる。以下では、押出発泡成形を利用して発
泡体を製造する方法について説明する。
【0026】まず、上記押出樹脂に他の樹脂を混合する
場合は、例えば、予め製造した押出樹脂を、他の樹脂に
ドライブレンド法により混合し、これを押出機に供給
し、溶融混練する方法、2系列の押出機を使用して、一
方の押出機で押出樹脂を溶融混練し、他方の押出機で溶
融状態にした他の樹脂中に押し出すことにより混合する
方法等により混合される。
【0027】なお、発泡押出機は、当該分野で一般に使
用されている装置をいずれも使用することができる。ま
た、溶融温度は、使用する樹脂の種類によって適宜設定
することができる。この後、押出機中の溶融樹脂に発泡
剤及び他の添加剤を添加し、押出機の先端に取り付けら
れ、発泡に最も適する温度に保たれた金型から低圧域に
押し出すことによりポリプロピレン系樹脂発泡体を得る
ことができる。発泡に最も適する温度とは、樹脂により
異なるが、約145〜約165℃をいう。
【0028】本発明に使用できる発泡剤は、特に限定さ
れず、分解性発泡剤、気体又は揮発性の発泡剤をいずれ
も使用することができる。なお、上記キャメル型ポリプ
ロピレン系樹脂が基材樹脂に含有されていれば、成型時
において、それ以外のポリプロピレン系樹脂を含有する
基材樹脂より溶融粘度が高いので、気体又は揮発性の発
泡剤を使用しても十分な特性を有する発泡体を製造する
ことができる。
【0029】分解性発泡剤としては、例えば、炭酸アン
モニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜
硝酸アンモニウム等の無機系分解性発泡剤、アゾジカル
ボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソ
ブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合
物、N,N′−ジニトロソペンタンメチレンテトラミン
及びN,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフ
タルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド及びp,
p′−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、
p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジ
ノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等が挙
げられる。これらの発泡剤は、単独でも組み合わせても
よい。また、分解性発泡剤の添加割合は、押出樹脂10
0重量部に対して、0.1〜5重量部とすることが好ま
しい。更に、分解温度、発生ガス量及び分解速度を調節
するために、公知の発泡助剤を添加することもできる。
【0030】気体の発泡剤としては、炭酸ガス、プロパ
ン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化二フッ化メ
タン、ノルマルブタン、イソブタン等が挙げられる。な
お、ここで気体とは、常温で気体であることを意味す
る。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石油エ
ーテル、アセトン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサ
ン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が
挙げられる。揮発性発泡剤の添加割合は、押出樹脂10
0重量部に対して、0.5〜20重量部とすることが好
ましい。
【0031】上記、発泡剤のうち、ブタンが特に好まし
い。更に、本発明に使用できる添加剤としての気泡調節
剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボ
ン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重
炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。更に、
必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等も添
加することができる。
【0032】上記本発明の製造方法により得られたポリ
プロピレン系樹脂発泡体は、好ましくは0.3〜0.0
25g/cm3 、更に好ましくは0.5〜0.025g
/cm3 の密度を有する。ここで、密度が0.3g/c
3 より大きいと、断熱性、緩衝性が低下し、コストが
増大するので好ましくなく、0.025g/cm3 より
小さいと連続気泡率が高くなるので好ましくない。
【0033】ポリプロピレン系樹脂発泡体の形状は、特
に限定されず、シート、管、発泡成形時に使用する金型
に対応する形状を有していてもよい。
【0034】
【作用】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方
法は、ポリプロピレン系樹脂を60重量%以上含有する
任意の形状の基材樹脂を少なくとも1回以上押出処理し
押出樹脂とした後、この押出樹脂に発泡剤を添加して発
泡させポリプロピレン系樹脂発泡体を得ることを特徴と
する。従って、ポリプロピレン系樹脂を再使用する場合
においても、密度バラツキがなく、優れた品質安定性を
有する発泡体の製造方法が提供される。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1〜10 まず、実施例及び比較例に使用した樹脂を、その性質と
併せて表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表2に示す配合割合で表1の樹脂を組み合
わせた第1のポリプロピレン系樹脂を、口径φ65mm
の押出機に1回〜3回繰り返し供給して押出すことによ
り第2のポリプロピレン系樹脂のペレットを製造した。
得られた樹脂のMFRを表2に記載する。
【0038】
【表2】
【0039】得られた第2のポリプロピレン系樹脂を表
3に示す配合割合で、気泡調節剤(HK−70、ベーリ
ンガーインゲルハイム社製)と共に混合し、樹脂を口径
φ90−115mmの第1及び第2の押出機からなる発
泡押出機に供給した。供給された樹脂を、第1押出機で
溶融混練した後、第2の押出機に輸送し、最も発泡に適
する温度に保たれた口径φ150mmのダイに注入し
た。次いで、樹脂をダイの先端の1.0mmの間隔を有
するスリットから押し出し、管状の発泡体を得た。得ら
れた発泡体を外径410mmのサイジングドラムに添わ
せて引き取り、円周上の2点でカッターにより切開し、
シート状の発泡体を得た。得られたシート状の発泡体の
厚さ、密度(平均)及び密度バラツキを表3に示す。
【0040】なお、密度バラツキは次のように評価し
た。シート状の発泡体を、押出方向に50m採取し、押
出方向に1m間隔で全幅×0.2mの切片に切断する。
各切片の平均密度を計算することにより密度バラツキを
算出した。この値は、押出方向における密度変化を知る
ことができるので、品質安定性の指標とすることができ
る。なお、表3では、密度バラツキが10%未満の場合
を○とし、10%以上の場合を×としている。
【0041】比較例1〜5 表3に示す配合割合で、発泡前に押出機を通していない
ことを除いては、上記実施例と同様にして、シート状の
発泡体を得た。得られたシート状の発泡体の厚さ、密度
(平均)及び密度バラツキを表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】上記表3から明らかなように、予め押出機
に1回以上通したポリプロピレン系樹脂を混合した基材
樹脂を使用することにより、得られた発泡体は、押出方
向の密度バラツキがなく、良好な押出安定性を有してい
た。 実施例11 使用済みのポリプロピレン樹脂発泡シートや成形時に発
生した成形クズを回転式剪断粉砕機に投入し、粉砕品を
得た。この粉砕品を押出機に投入し、160〜250℃
で加熱し、溶融させた後、押出機出口に設けたスクリー
ンを通して、ゴミ、異物等を除去した。続いて、複数個
の小孔を有する口金から大気中に押出した。押出された
樹脂を冷却した後、ペレタイザーによりペレット化し、
回収ペレットを得た。
【0044】この回収ペレットを、上記実施例と同様に
して発泡させることにより得られた成形品は、密度バラ
ツキがなく、優れた品質安定性を有していた。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体の
製造方法は、ポリプロピレン系樹脂を60重量%以上含
有する任意の形状の基材樹脂を少なくとも1回以上押出
処理し押出樹脂とした後、この押出樹脂に発泡剤を添加
して発泡させポリプロピレン系樹脂発泡体を得ることを
特徴とするので、密度バラツキがなく、優れた品質安定
性を有する発泡体を得ることができる。
【0046】また、任意の形状の基材樹脂が、成形クズ
又は使用済みの成形品を使用することができるので、ポ
リプロピレン系樹脂の再使用(リサイクル)が可能とな
る。更に、押出樹脂が、6〜15g/10分のメルトフ
ローレートを有するので、セルの破泡、気泡の粗大化、
混練の不良などのない発泡体を製造することができる。
【0047】また、基材樹脂中のポリプロピレン系樹脂
が、0.1〜6g/10分のメルトフローレートを有す
ることにより、気泡が微細でかつ独立気泡率に富む発泡
体を製造することができる。更に、基材樹脂中のポリプ
ロピレン系樹脂が、Z平均分子量Mzが少なくとも2.
0×106 で、Mz/Mw(重量平均分子量)が少なく
とも3.0であり、かつゲルパーミエイションクロマト
グラフィによる分子量分布カーブが、高分子領域に分岐
ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがある形状
のキャメル型のポリプロピレン系樹脂であることによ
り、十分な溶融張力が得られるので、所望の密度の発泡
体を製造することができる。
【0048】また、押出樹脂の形状がペレットであるこ
とにより、所望時に発泡を行うことができる。更に、押
出樹脂の形状が溶融状態であることにより、連続して発
泡工程に付すことができる。また、押出樹脂が、押出処
理されていない他の樹脂に混合して使用されることによ
り、所望の特性の発泡体を製造することができる。
【0049】更に、押出樹脂が、全樹脂中5重量%以上
含まれてなることにより、品質が安定した発泡体を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャメル型ポリプロピレン系樹脂とそれ以外の
ポリプロピレン系樹脂の分子量分布曲線を示すグラフで
ある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂を60重量%以上
    含有する任意の形状の基材樹脂を少なくとも1回以上押
    出処理し押出樹脂とした後、この押出樹脂に発泡剤を添
    加して発泡させポリプロピレン系樹脂発泡体を得ること
    を特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 任意の形状の基材樹脂が、成形クズ又は
    使用済みの成形品を破砕又は粉砕したものである請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 押出樹脂が、6〜15g/10分のメル
    トフローレートを示す請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 基材樹脂中のポリプロピレン系樹脂が、
    0.1〜6g/10分のメルトフローレートを示す請求
    項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 基材樹脂中のポリプロピレン系樹脂が、
    Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×106 で、Mz
    /Mw(重量平均分子量)が少なくとも3.0であり、
    かつゲルパーミエイションクロマトグラフィによる分子
    量分布カーブが、高分子領域に分岐ポリマーを含むこと
    を示すカーブの張り出しがある形状のキャメル型のポリ
    プロピレン系樹脂である請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 押出樹脂の形状がペレットである請求項
    1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 押出樹脂の形状が溶融状態である請求項
    1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 押出樹脂が、押出処理されていない他の
    樹脂に混合して使用される請求項1記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 押出樹脂が、全樹脂中5重量%以上含ま
    れてなる請求項8記載の製造方法。
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