JPH08280393A - 微生物による水素生産方法 - Google Patents

微生物による水素生産方法

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JPH08280393A
JPH08280393A JP11025495A JP11025495A JPH08280393A JP H08280393 A JPH08280393 A JP H08280393A JP 11025495 A JP11025495 A JP 11025495A JP 11025495 A JP11025495 A JP 11025495A JP H08280393 A JPH08280393 A JP H08280393A
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JP
Japan
Prior art keywords
organic substrate
hydrogen
lactic acid
acid
formic acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP11025495A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoaki Kataoka
直明 片岡
Koichi Kiriyama
光市 桐山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Original Assignee
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
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Publication date
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    • Y02W10/12

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳酸や蟻酸を生成せずに、理論上得られる量
により近い高い水素収量が得られる微生物による水素の
生産方法を提供する。 【構成】 有機性基質を発酸させて水素を生産する方法
において、有機性基質として、予め炭素換算で供給され
る有機性基質の10〜30%に相当する量の乳酸又は乳
酸と蟻酸の混合物が存在するように調整した有機性基質
を用いることとしたものであり、前記有機性基質は、ア
ルカリ剤の添加により、pHを中性に調整して用いるの
がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物による水素の生
産に係わり、特に有機性基質を炭素源として嫌気性微生
物の発酵により水素を生産する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物による水素の生産において
は、酢酸を生成する代謝経路の他、乳酸や蟻酸を生成し
て完了する代謝経路が存在しており、炭素換算にして、
供給される有機性基質の10〜30%に相当する量の乳
酸或いは乳酸と蟻酸の混合物が当該基質中に生成する
と、その結果全体の水素生産が停止してしまう。例えば
有機性基質がぶどう糖の場合、実際に生成する水素量は
理論上得られる水素量の50〜60%に過ぎなかった。
そして、この状態での完全発酵産物である酢酸や酪酸の
生成量は部分的な発酵の産物である乳酸或いは乳酸と蟻
酸の混合物生成量よりも有意に低いものであった。微生
物による水素の生産において、理論量の水素を得るには
有機性基質の代謝の結果生成する有機酸が酢酸でなけれ
ばならず、乳酸や蟻酸を生成してはならない。乳酸や蟻
酸の生成は、それだけ酢酸や酪酸の生成を抑制し、ひい
ては水素の生産を抑制する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乳酸や蟻酸
を生成せずに、理論上得られる量により近い高い水素収
量が得られる微生物による水素の生産方法を提供するこ
とを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、有機性基質を発酵させて水素を生産す
る方法において、有機性基質として、予め炭素換算で供
給される有機性基質の10〜30%に相当する量の乳酸
又は乳酸と蟻酸の混合物が存在するように調整した有機
性基質を用いることを特徴とする微生物による水素生産
方法としたものである。本発明において用いる有機性基
質は、アルカリ剤の添加により、pHを中性に調整して
おくのがよい。このように、本発明では、微生物が有機
性基質を代謝する以前に、既に当該有機性基質の炭素換
算量で10〜30%の乳酸或いは乳酸と蟻酸の混合物を
存在させることにより、有機性基質の代謝にともなって
乳酸や蟻酸を生成することなく、酪酸や酢酸を生成する
ため単位有機性基質量あたりの水素生産量は、従来の方
法に比べて増大するのである。
【0005】
【作用】本発明は、供給される有機性基質が微生物によ
り代謝された結果生成する乳酸或いは乳酸と蟻酸の混合
物の量が、炭素換算量にして有機性基質の10〜30%
であり、これに相当する量の乳酸或いは乳酸と蟻酸の混
合物が既に存在すれば、新たに供給される有機性基質を
代謝してもこれらの有機酸を生成する代謝経路はとらな
いという事実に基づいている。従って、供給される有機
性基質は代謝された結果、酢酸、酪酸等を生成するとい
う代謝経路のみが進行し、効率的に水素を生産すること
になる。
【0006】乳酸、或いは乳酸と蟻酸の混合物を系内に
存在させる方法としては、有機性基質とともに外部から
これらを供給する方法、或いは系からの流出液を循環す
る方法、及びこの両方法を併用する方法とがあり、供給
される有機性基質の濃度によって選択される。また炭素
換算にして供給される有機性炭素の10〜30%に相当
する量の乳酸或いは乳酸と蟻酸の混合物を存在する系で
は、当該有機性基質を代謝する微生物にとってpHが低
すぎるために、これらの微生物の活性が低下することが
考えられる。このような場合には系外よりアルカリを添
加してpHを制御すればよい。
【0007】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 内径10cm、有効高さ10cm、全有効容積785c
3 の完全混合型リアクタに、水素生産性微生物の濃度
を示す光学密度が0.65で水素生産性微生物が存在す
る。そして、リアクタ内のpHを少なくとも6.3以上
に制御する。このリアクタに下記の有機性基質と、濃度
1100mg/リットルの乳酸溶液とを900ml/日
で供給する。リアクタ内の温度は35℃に制御されてい
る。
【0008】ここで用いた有機性基質は、含水率73.
2%のビール粕8.0g(湿潤重量)を800mlの
0.36規定硫酸に懸濁させ、120℃にて1時間加熱
処理して得られるろ液に、アルカリを添加してpHを中
性に調整した後、ミネラル、ビタミンを添加して得られ
る。該有機基質は、TOCは約1800mg/リットル
であり、乳酸及び蟻酸を含まない。このとき48.3m
l/日の水素が発生し、リアクタ内液の乳酸濃度は1,
170mg/リットル、蟻酸濃度は32mg/リットル
であった。また、酢酸、酪酸の濃度は各1430mg/
リットル、1860mg/リットルであった。
【0009】実施例2 リアクタ内液の乳酸濃度がほぼ安定して980mg/リ
ットルである実施例1に用いたと同じリアクタに、同じ
く実施例1で用いたのと同じ有機性基質を450mg/
日で供給し、かつリアクタ内液を450mg/日で循環
する。リアクタ内に存在する水素生産性微生物の濃度を
示す光学密度は0.65、リアクタ内のpHを少なくと
も6.3以上、温度を35℃に制御する。このとき4
2.8ml/日の水素が発生し、リアクタ内液の乳酸濃
度は1,000mg/リットル蟻酸濃度は43mg/リ
ットルであった。また、酢酸、酪酸の濃度は各731m
g/リットル、911mg/リットルであった。
【0010】比較例1 リアクタ内のpHが少なくとも6.3以上、温度が35
℃に制御されており、リアクタ内に存在する水素生産性
微生物の濃度を示す光学密度が0.65である。実施例
1に用いたと同じリアクタに、実施例1に用いたと同じ
有機性基質を900ml/日で供給する。このとき2
8.2ml/日の水素が発生し、リアクタ内の乳酸濃度
は1,140mg/リットル、蟻酸濃度は238mg/
リットルであった。また、酢酸、酪酸の濃度は各458
mg/リットル、317mg/リットルであった。
【0011】
【発明の効果】有機性基質を炭素源として嫌気性微生物
の発酵により水素を生産するにあたり、発酵系内に予
め、供給される有機性基質の10〜30%に相当する量
の乳酸或いは乳酸と蟻酸の混合物が存在することによ
り、供給される有機性基質が当該微生物によって代謝さ
れた結果、乳酸や蟻酸を生成することなく、酪酸や酢酸
を生成するため単位有機性基質量あたりの水素生産量
が、従来の方法に比べて増大する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性基質を発酵させて水素を生産する
    方法において、有機性基質として、予め炭素換算で供給
    される有機性基質の10〜30%に相当する量の乳酸又
    は乳酸と蟻酸の混合物が存在するように調整した有機性
    基質を用いることを特徴とする微生物による水素生産方
    法。
  2. 【請求項2】 前記有機性基質は、アルカリ剤の添加に
    より、pHが中性に調整されることを特徴とする請求項
    1記載の微生物による水素生産方法。
JP11025495A 1995-04-12 1995-04-12 微生物による水素生産方法 Pending JPH08280393A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001002595A1 (fr) * 1999-07-06 2001-01-11 Yoshiharu Miura Procede microbien de production d'hydrogene
JP2006042691A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Takuma Co Ltd 連続水素生産方法
JP2009261401A (ja) * 2009-06-19 2009-11-12 Research Institute Of Innovative Technology For The Earth 微生物の培養方法ならびに培養装置、生物的水素製造方法および燃料電池システム

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