JPH08280353A - 天然フレーバーの製造方法 - Google Patents
天然フレーバーの製造方法Info
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- JPH08280353A JPH08280353A JP7092581A JP9258195A JPH08280353A JP H08280353 A JPH08280353 A JP H08280353A JP 7092581 A JP7092581 A JP 7092581A JP 9258195 A JP9258195 A JP 9258195A JP H08280353 A JPH08280353 A JP H08280353A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】野菜または果実の真空加熱濃縮時の凝縮水から
天然フレーバーを製造する際に、青臭さを感じさせる原
因であるアルデヒド系化合物を選択的に分離除去するこ
とにより、青臭さがなく、シーズンパックジュースと比
較しても遜色のない新鮮で芳醇な香味を有する天然フレ
ーバーを製造する方法を提供する。 【構成】野菜または果実のジュースを真空加熱濃縮する
ときに発生する蒸気を凝縮して天然フレーバーを含む凝
縮水を回収し、次いで、前記凝縮水を親水性限外濾過膜
(ポリエーテルスルホン等)に供給して、内部温度0〜
30℃、入口圧力0.6kgf/cm2以下で透過さ
せ、天然フレーバー(透過液)を製造する。
天然フレーバーを製造する際に、青臭さを感じさせる原
因であるアルデヒド系化合物を選択的に分離除去するこ
とにより、青臭さがなく、シーズンパックジュースと比
較しても遜色のない新鮮で芳醇な香味を有する天然フレ
ーバーを製造する方法を提供する。 【構成】野菜または果実のジュースを真空加熱濃縮する
ときに発生する蒸気を凝縮して天然フレーバーを含む凝
縮水を回収し、次いで、前記凝縮水を親水性限外濾過膜
(ポリエーテルスルホン等)に供給して、内部温度0〜
30℃、入口圧力0.6kgf/cm2以下で透過さ
せ、天然フレーバー(透過液)を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トマト等の野菜または
果実中の香気成分(フレーバー)の抽出方法、特に青臭
さが少なく新鮮な芳醇さを有する天然フレーバーの製造
方法に関するものである。
果実中の香気成分(フレーバー)の抽出方法、特に青臭
さが少なく新鮮な芳醇さを有する天然フレーバーの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トマト等の野菜または果実からジュース
を製造するには、収穫期に直ちに搾汁してそのまま製品
にすることが品質(色、味、香り等)の点で最も望まし
いが、収穫期は通常2〜3カ月程度に限られていること
から、収穫期に採取した果汁を一旦濃縮した後これを適
宜必要に応じて希釈してジュースを製造する濃縮還元法
が広く採用されている。
を製造するには、収穫期に直ちに搾汁してそのまま製品
にすることが品質(色、味、香り等)の点で最も望まし
いが、収穫期は通常2〜3カ月程度に限られていること
から、収穫期に採取した果汁を一旦濃縮した後これを適
宜必要に応じて希釈してジュースを製造する濃縮還元法
が広く採用されている。
【0003】濃縮果汁の製造方法としては、膜濃縮、凍
結濃縮、真空加熱濃縮等があるが、エネルギーコストが
安い、濃縮倍率が高い等の理由から、果汁を真空加熱濃
縮したのちこれを室温または冷凍貯蔵する真空加熱濃縮
法が一般的である。しかし、この方法では、真空加熱濃
縮中に野菜または果実中の香気成分(フレーバー)が著
しく損なわれる結果、得られる濃縮還元ジュースの香味
は収穫期に直ちに搾汁・充填したジュース(シーズンパ
ックジュース)と比較し格段に劣るという欠点があっ
た。
結濃縮、真空加熱濃縮等があるが、エネルギーコストが
安い、濃縮倍率が高い等の理由から、果汁を真空加熱濃
縮したのちこれを室温または冷凍貯蔵する真空加熱濃縮
法が一般的である。しかし、この方法では、真空加熱濃
縮中に野菜または果実中の香気成分(フレーバー)が著
しく損なわれる結果、得られる濃縮還元ジュースの香味
は収穫期に直ちに搾汁・充填したジュース(シーズンパ
ックジュース)と比較し格段に劣るという欠点があっ
た。
【0004】その改善法として、野菜または果実から抽
出した天然フレーバーを添加するという方法が考えられ
ている。真空加熱濃縮時に得られる凝縮水に香気成分が
含まれるため、天然のフレーバーは、濃縮時に発生する
香気成分を含む水蒸気を冷却装置等により冷却すること
によって得ることができる。
出した天然フレーバーを添加するという方法が考えられ
ている。真空加熱濃縮時に得られる凝縮水に香気成分が
含まれるため、天然のフレーバーは、濃縮時に発生する
香気成分を含む水蒸気を冷却装置等により冷却すること
によって得ることができる。
【0005】しかしながら、このようにして得られる野
菜・果実の天然フレーバーには、芳醇さを感じさせる成
分とともに青臭さを感じさせる成分が含まれるため、フ
レーバーを利用することによって、好ましくない青臭さ
まで付与してしまうという問題点があった。
菜・果実の天然フレーバーには、芳醇さを感じさせる成
分とともに青臭さを感じさせる成分が含まれるため、フ
レーバーを利用することによって、好ましくない青臭さ
まで付与してしまうという問題点があった。
【0006】この青臭さを取り除くため、例えばトマト
破砕物の加熱速度を制御して青臭さの原因となる香気成
分の生成を抑制する方法(特開平1−247059号公
報)等が提案されているが、未だ十分に青臭さを排除す
るには至っていない。
破砕物の加熱速度を制御して青臭さの原因となる香気成
分の生成を抑制する方法(特開平1−247059号公
報)等が提案されているが、未だ十分に青臭さを排除す
るには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、青臭
さが少なく新鮮な芳醇さを有する天然フレーバーを製造
する方法を提供することにある。
さが少なく新鮮な芳醇さを有する天然フレーバーを製造
する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、香気成分の内の、芳醇さを感じさせるアルコ
ール系化合物と青臭さを感じさせるアルデヒド系化合物
とに関して、親水性限外濾過膜を用いれば真空濃縮時の
凝縮水からアルデヒド系化合物のみを分離することがで
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
した結果、香気成分の内の、芳醇さを感じさせるアルコ
ール系化合物と青臭さを感じさせるアルデヒド系化合物
とに関して、親水性限外濾過膜を用いれば真空濃縮時の
凝縮水からアルデヒド系化合物のみを分離することがで
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、野菜または果実のジ
ュースを真空濃縮するときに発生する蒸気を凝縮して天
然フレーバーを含む凝縮水を回収し、次いで、前記凝縮
水を、親水性限外濾過膜に供給して透過させることを特
徴とする、天然フレーバーの製造方法に関する。
ュースを真空濃縮するときに発生する蒸気を凝縮して天
然フレーバーを含む凝縮水を回収し、次いで、前記凝縮
水を、親水性限外濾過膜に供給して透過させることを特
徴とする、天然フレーバーの製造方法に関する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
製造方法の対象となる野菜または果実としては、食品ジ
ュースを製造する原料となりうる果汁を豊富に含むもの
であれば特に限定されず、例えばオレンジ、みかん、グ
レープフルーツ、レモン、リンゴ、洋梨、桃、パイナッ
プル、ぶどう、イチゴ、トマト、セロリ、キャベツ、に
んじん、キュウリ、パセリ、ピーマン、アスパラガス、
じゃがいも、かぶら、ほうれん草等が挙げられる。特に
濃縮還元トマトジュースの製造に用いられるトマトフレ
ーバーに好ましく適用される。
製造方法の対象となる野菜または果実としては、食品ジ
ュースを製造する原料となりうる果汁を豊富に含むもの
であれば特に限定されず、例えばオレンジ、みかん、グ
レープフルーツ、レモン、リンゴ、洋梨、桃、パイナッ
プル、ぶどう、イチゴ、トマト、セロリ、キャベツ、に
んじん、キュウリ、パセリ、ピーマン、アスパラガス、
じゃがいも、かぶら、ほうれん草等が挙げられる。特に
濃縮還元トマトジュースの製造に用いられるトマトフレ
ーバーに好ましく適用される。
【0011】本発明の製造方法においては、まず上記野
菜または果実のジュースを真空加熱濃縮する。この濃縮
の対象となるジュース原液は、例えば、上記野菜または
果実を洗浄および選別した後、カッター等を用いて破砕
し、加熱殺菌、酵素失活等を行った後、スクリュープレ
ス等を用いて搾汁することにより得られる。
菜または果実のジュースを真空加熱濃縮する。この濃縮
の対象となるジュース原液は、例えば、上記野菜または
果実を洗浄および選別した後、カッター等を用いて破砕
し、加熱殺菌、酵素失活等を行った後、スクリュープレ
ス等を用いて搾汁することにより得られる。
【0012】本発明では、このようにして得られたジュ
ース原液を真空加熱濃縮し、発生する蒸気を凝縮する。
具体的には、30〜80℃に加熱したジュース原液を真
空度500〜760mmHgに減圧された濃縮タンクに
供給する。濃縮倍率は約1.1〜6倍である。この条件
で発生した香気成分を含む蒸気をコンデンサー、プレー
ト熱交換器等の冷却装置にて冷却して凝縮させ、凝縮水
を回収する。
ース原液を真空加熱濃縮し、発生する蒸気を凝縮する。
具体的には、30〜80℃に加熱したジュース原液を真
空度500〜760mmHgに減圧された濃縮タンクに
供給する。濃縮倍率は約1.1〜6倍である。この条件
で発生した香気成分を含む蒸気をコンデンサー、プレー
ト熱交換器等の冷却装置にて冷却して凝縮させ、凝縮水
を回収する。
【0013】こうして得られる凝縮水は、主成分として
ヘキサナール、1−ヘキサノール、シス−3−ヘキサノ
ール、3−ペンテン−2−オン等の香味成分(フレーバ
ー)を含むものであり、通常はこれをそのまま天然フレ
ーバーとして利用するのであるが、本発明においては、
これを次いで限外濾過膜を備えたモジュールに供給され
る。
ヘキサナール、1−ヘキサノール、シス−3−ヘキサノ
ール、3−ペンテン−2−オン等の香味成分(フレーバ
ー)を含むものであり、通常はこれをそのまま天然フレ
ーバーとして利用するのであるが、本発明においては、
これを次いで限外濾過膜を備えたモジュールに供給され
る。
【0014】本発明においてこのように限外濾過膜を用
いることとしたのは、真空濃縮時の凝縮水に含まれる香
味成分には芳醇さを感じさせるアルコール系化合物と青
臭さを感じさせるアルデヒド系化合物とがあること、お
よび限外濾過膜を用いることにより前記凝縮水からアル
デヒド系化合物のみを有効に分離除去することができる
ことを見いだしたことによる。
いることとしたのは、真空濃縮時の凝縮水に含まれる香
味成分には芳醇さを感じさせるアルコール系化合物と青
臭さを感じさせるアルデヒド系化合物とがあること、お
よび限外濾過膜を用いることにより前記凝縮水からアル
デヒド系化合物のみを有効に分離除去することができる
ことを見いだしたことによる。
【0015】すなわち、香味成分に含まれるアルコール
系化合物とアルデヒド系化合物とは、その分子量、大き
さが似通っており、非加熱分離である半透膜による分離
は不可能であると思われたが、実際にはアルコール系化
合物とアルデヒド系化合物とでは水和力が大きく異な
る。すなわち、アルデヒド系化合物はアルコール系化合
物より分子内分極が大きく、より多くの水分子と水和
し、より大きな水和イオンを形成し、見かけ上の分子の
大きさは大きくなる。また、この水和イオン内の分極は
アルコール系化合物の水和イオンより大きい。
系化合物とアルデヒド系化合物とは、その分子量、大き
さが似通っており、非加熱分離である半透膜による分離
は不可能であると思われたが、実際にはアルコール系化
合物とアルデヒド系化合物とでは水和力が大きく異な
る。すなわち、アルデヒド系化合物はアルコール系化合
物より分子内分極が大きく、より多くの水分子と水和
し、より大きな水和イオンを形成し、見かけ上の分子の
大きさは大きくなる。また、この水和イオン内の分極は
アルコール系化合物の水和イオンより大きい。
【0016】本発明においては、この見かけ上の分子の
大きさと膜素材との電気的相互作用の差とを利用して分
離を行うのであるから、膜の種類は対象化合物および水
和化合物の大きさから考えて、限外濾過膜であることが
必要であり、精密濾過膜や逆浸透膜では本発明の目的を
達成できない。
大きさと膜素材との電気的相互作用の差とを利用して分
離を行うのであるから、膜の種類は対象化合物および水
和化合物の大きさから考えて、限外濾過膜であることが
必要であり、精密濾過膜や逆浸透膜では本発明の目的を
達成できない。
【0017】また、本発明では分子内分極の大きい親水
性の膜を使用することが必要である。アルデヒド系化合
物の水和イオンはアルコール系化合物のそれより分子内
分極が大きいことから膜素材との電気的排斥作用が大き
く、より膜を通過しにくい傾向にあるため、両者の分離
が可能となるが、疎水性の場合には膜素材との電気的排
斥作用がなく、見かけ上の分子の大きさだけで分離する
こととなり、アルデヒド系化合物とアルコール系化合物
との分離に対しては十分な分離性能を期待できない。
性の膜を使用することが必要である。アルデヒド系化合
物の水和イオンはアルコール系化合物のそれより分子内
分極が大きいことから膜素材との電気的排斥作用が大き
く、より膜を通過しにくい傾向にあるため、両者の分離
が可能となるが、疎水性の場合には膜素材との電気的排
斥作用がなく、見かけ上の分子の大きさだけで分離する
こととなり、アルデヒド系化合物とアルコール系化合物
との分離に対しては十分な分離性能を期待できない。
【0018】このような親水性の膜素材としては、具体
的にはポリエーテルスルホン、酢酸セルロース等が挙げ
られる。このものの分画分子量は1000〜15000
0が好ましい。また、透水速度は270リットル/m3
・hr以上が好ましい。
的にはポリエーテルスルホン、酢酸セルロース等が挙げ
られる。このものの分画分子量は1000〜15000
0が好ましい。また、透水速度は270リットル/m3
・hr以上が好ましい。
【0019】膜の形状は特に限定されず、中空糸膜、平
膜等いずれでもよく、またモジュールの形式も、管状モ
ジュール、中空糸モジュール、スパイラルモジュール、
プリーツモジュール等が用いられる。
膜等いずれでもよく、またモジュールの形式も、管状モ
ジュール、中空糸モジュール、スパイラルモジュール、
プリーツモジュール等が用いられる。
【0020】このような限外濾過膜は市販されており、
例えばMOLSEP FB02CC(商品名:ダイセル
化学工業(株)製)等がある。本発明の限外濾過膜の運
転に際しては、公知の条件を採用することができるが、
内部温度は好ましくは2〜30℃、より好ましくは10
〜20℃である。0℃より低いと凍結により分離を行う
ことができない。また、30℃を超えるとアルデヒド系
化合物の透過量が増加し、アルコール系化合物とアルデ
ヒド系化合物とを分離する性能が低下するので好ましく
ない。
例えばMOLSEP FB02CC(商品名:ダイセル
化学工業(株)製)等がある。本発明の限外濾過膜の運
転に際しては、公知の条件を採用することができるが、
内部温度は好ましくは2〜30℃、より好ましくは10
〜20℃である。0℃より低いと凍結により分離を行う
ことができない。また、30℃を超えるとアルデヒド系
化合物の透過量が増加し、アルコール系化合物とアルデ
ヒド系化合物とを分離する性能が低下するので好ましく
ない。
【0021】また、限外濾過膜の入口圧力は好ましくは
0.6kgf/cm2以下、より好ましくは0.3〜
0.5kgf/cm2である。アルデヒド系化合物の水
和イオンの結合力および膜との電気的排斥力は弱く、通
常の半透膜による分離での運転条件のように高い圧力を
かけると水和が壊れ、アルデヒド系化合物も半透膜を通
過してしまうため、入口圧力が0.6kgf/cm2を
超えると分離性能が低下する。一方、あまりにも弱い入
口圧力では処理量、生産効率が悪くなるので好ましくな
い。
0.6kgf/cm2以下、より好ましくは0.3〜
0.5kgf/cm2である。アルデヒド系化合物の水
和イオンの結合力および膜との電気的排斥力は弱く、通
常の半透膜による分離での運転条件のように高い圧力を
かけると水和が壊れ、アルデヒド系化合物も半透膜を通
過してしまうため、入口圧力が0.6kgf/cm2を
超えると分離性能が低下する。一方、あまりにも弱い入
口圧力では処理量、生産効率が悪くなるので好ましくな
い。
【0022】本発明の方法により得られる天然フレーバ
ー中のアルコール系化合物とアルデヒド系化合物との比
率α(α=アルコール系化合物/アルデヒド系化合物)
は、上記限外濾過膜を透過する前の凝縮液におけるαと
比較すると、運転条件等により一概には言えないもの
の、例えば膜処理前はα=1.5、膜処理後はα=2〜
4程度となる。
ー中のアルコール系化合物とアルデヒド系化合物との比
率α(α=アルコール系化合物/アルデヒド系化合物)
は、上記限外濾過膜を透過する前の凝縮液におけるαと
比較すると、運転条件等により一概には言えないもの
の、例えば膜処理前はα=1.5、膜処理後はα=2〜
4程度となる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を更に具体的
に説明する。尚、以下の実施例における工程の概略図を
図1に示した。
に説明する。尚、以下の実施例における工程の概略図を
図1に示した。
【0024】<実施例1>トマトを常法通り洗浄・選別
・破砕・加熱・濾過して得られた濃度5.0Brix%
のトマトジュース原液を、流量200リットル/時間で
真空濃縮装置1に供給して、真空度60cmHg、温度
50℃で濃縮した。
・破砕・加熱・濾過して得られた濃度5.0Brix%
のトマトジュース原液を、流量200リットル/時間で
真空濃縮装置1に供給して、真空度60cmHg、温度
50℃で濃縮した。
【0025】得られた濃度9.1Brix%の濃縮トマ
トジュースを、濃縮品取出口2から110リットル/時
間の割合で回収した。一方、濃縮時に発生する水蒸気を
水蒸気輸送路3から冷却器4へ導入し、冷却された凝縮
水を、限外濾過膜モジュール5へ流量90リットル/時
間の割合で供給した。
トジュースを、濃縮品取出口2から110リットル/時
間の割合で回収した。一方、濃縮時に発生する水蒸気を
水蒸気輸送路3から冷却器4へ導入し、冷却された凝縮
水を、限外濾過膜モジュール5へ流量90リットル/時
間の割合で供給した。
【0026】ここで、限外濾過膜としては、商品名MO
LSEP・FB02CC・PES30000[ダイセル
化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン(分子量30
000)、透過速度350リットル/m3・hr]、お
よび比較のため商品名MOLSEP FB02CC P
AN30000[ダイセル化学工業(株)製、ポリアク
リロニトリル(分子量30000)、透過速度220リ
ットル/m3・hr]を使用した。このモジュールの形
状は中空糸であり、膜モジュール全体の膜面積は0.2
6m2であった。
LSEP・FB02CC・PES30000[ダイセル
化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン(分子量30
000)、透過速度350リットル/m3・hr]、お
よび比較のため商品名MOLSEP FB02CC P
AN30000[ダイセル化学工業(株)製、ポリアク
リロニトリル(分子量30000)、透過速度220リ
ットル/m3・hr]を使用した。このモジュールの形
状は中空糸であり、膜モジュール全体の膜面積は0.2
6m2であった。
【0027】また、限外濾過膜モジュールの入口圧力は
0.5kgf/cm2とし、内部温度は20℃とした。
膜モジュールの透過液取出口からは透過流量45リット
ル/時間の割合で透過液が得られた。
0.5kgf/cm2とし、内部温度は20℃とした。
膜モジュールの透過液取出口からは透過流量45リット
ル/時間の割合で透過液が得られた。
【0028】得られた透過液(天然トマトフレーバー)
と透過しなかった液(保持液)とに含まれるアルデヒド
系化合物とアルコール系化合物の含有量を、パージアン
ドトラップ法を用いたガスクロマトグラフィーにより測
定した。結果を表1に示す。尚、表中の数字は限外濾過
膜モジュールに供給する前の凝縮水原液の各成分量を1
00とした場合の相対量を示す。また、アルデヒドおよ
びアルコールの合計には、表中に挙げた成分以外の成分
も含まれる。そのような成分としては、例えば、アルデ
ヒド系化合物としては、トランス−2−ヘキサナールお
よび2−フルフラールが、アルコール系化合物として
は、シス−3−ヘキサノールおよびトランス−2−ヘキ
サノールが挙げられる。
と透過しなかった液(保持液)とに含まれるアルデヒド
系化合物とアルコール系化合物の含有量を、パージアン
ドトラップ法を用いたガスクロマトグラフィーにより測
定した。結果を表1に示す。尚、表中の数字は限外濾過
膜モジュールに供給する前の凝縮水原液の各成分量を1
00とした場合の相対量を示す。また、アルデヒドおよ
びアルコールの合計には、表中に挙げた成分以外の成分
も含まれる。そのような成分としては、例えば、アルデ
ヒド系化合物としては、トランス−2−ヘキサナールお
よび2−フルフラールが、アルコール系化合物として
は、シス−3−ヘキサノールおよびトランス−2−ヘキ
サノールが挙げられる。
【0029】親水性のポリエーテルスルホン系の限外濾
過膜を使用して得られたトマトフレーバーは、青臭さが
なく、新鮮で芳醇な香りが保持されていた。
過膜を使用して得られたトマトフレーバーは、青臭さが
なく、新鮮で芳醇な香りが保持されていた。
【0030】
【表1】
【0031】<実施例2>限外濾過膜として商品名MO
LSEP・FB02CC・PES30000を使用し、
圧力条件を表2に示すように変えた以外は、実施例1と
同様にしてトマトフレーバーの製造を行った。結果を表
2に示す。尚、入口圧力が0.1kgf/cm2の場合
は、分離自体は可能であるが、処理量が少なく、生産効
率が低かった。
LSEP・FB02CC・PES30000を使用し、
圧力条件を表2に示すように変えた以外は、実施例1と
同様にしてトマトフレーバーの製造を行った。結果を表
2に示す。尚、入口圧力が0.1kgf/cm2の場合
は、分離自体は可能であるが、処理量が少なく、生産効
率が低かった。
【0032】
【表2】
【0033】<実施例3>限外濾過膜としてMOLSE
P・FB02CC・PES150000[ダイセル化学
工業(株)製、ポリエーテルスルホン(分子量1500
00)、透過速度800リットル/m3・hr]を使用
し、膜モジュールの内部温度を表3に示すように変えた
他は、実施例1と同様にしてトマトフレーバーの製造を
行った。結果を表3に示す。尚、0℃における実験も行
ったが、凍結のため、分離作業を行うことができなかっ
た。
P・FB02CC・PES150000[ダイセル化学
工業(株)製、ポリエーテルスルホン(分子量1500
00)、透過速度800リットル/m3・hr]を使用
し、膜モジュールの内部温度を表3に示すように変えた
他は、実施例1と同様にしてトマトフレーバーの製造を
行った。結果を表3に示す。尚、0℃における実験も行
ったが、凍結のため、分離作業を行うことができなかっ
た。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、野菜または
果実の真空濃縮時の凝縮水から天然フレーバーを製造す
る際に、青臭さを感じさせる原因であるアルデヒド系化
合物を選択的に分離除去することができるため、青臭さ
がなく、シーズンパックジュースと比較しても遜色のな
い新鮮で芳醇な香味を有する天然フレーバーを製造する
ことができる。
果実の真空濃縮時の凝縮水から天然フレーバーを製造す
る際に、青臭さを感じさせる原因であるアルデヒド系化
合物を選択的に分離除去することができるため、青臭さ
がなく、シーズンパックジュースと比較しても遜色のな
い新鮮で芳醇な香味を有する天然フレーバーを製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における天然フレーバーの製造
工程の概略を示した図である。
工程の概略を示した図である。
1・・・真空加熱濃縮装置 2・・・濃縮品取出口 3・・・水蒸気輸送路 4・・・冷却器 5・・・限外濾過膜モジュール 6・・・透過液取出口
Claims (6)
- 【請求項1】野菜または果実のジュースを真空加熱濃縮
するときに発生する蒸気を凝縮して天然フレーバーを含
む凝縮水を回収し、次いで、前記凝縮水を、親水性限外
濾過膜に供給して透過させることを特徴とする、天然フ
レーバーの製造方法。 - 【請求項2】凝縮水を、入口圧力0.6kgf/cm2
以下で限外濾過膜を透過させる、請求項1記載の天然フ
レーバーの製造方法。 - 【請求項3】親水性限外濾過膜の内部温度を0〜30℃
とする、請求項1または2記載の天然フレーバーの製造
方法。 - 【請求項4】親水性限外濾過膜の透水速度が270リッ
トル/m3・hr以上である、請求項1〜3のいずれか
に記載の天然フレーバーの製造方法。 - 【請求項5】親水性限外濾過膜が、分画分子量1000
〜150000のポリエーテルスルホンである、請求項
1〜4のいずれかに記載の天然フレーバーの製造方法。 - 【請求項6】野菜または果実が、トマトである、請求項
1〜5のいずれかに記載の天然フレーバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7092581A JPH08280353A (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | 天然フレーバーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7092581A JPH08280353A (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | 天然フレーバーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08280353A true JPH08280353A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=14058405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7092581A Pending JPH08280353A (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | 天然フレーバーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08280353A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103340412A (zh) * | 2013-07-16 | 2013-10-09 | 天水长城果汁集团有限公司 | 一种含有天然多酚类物质和香精的自由水的制备方法 |
CN103859511A (zh) * | 2014-03-03 | 2014-06-18 | 四川华通柠檬有限公司 | 柠檬果汁水饮料的制备方法及柠檬果汁水饮料 |
-
1995
- 1995-04-18 JP JP7092581A patent/JPH08280353A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103340412A (zh) * | 2013-07-16 | 2013-10-09 | 天水长城果汁集团有限公司 | 一种含有天然多酚类物质和香精的自由水的制备方法 |
CN103859511A (zh) * | 2014-03-03 | 2014-06-18 | 四川华通柠檬有限公司 | 柠檬果汁水饮料的制备方法及柠檬果汁水饮料 |
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