JPH082798B2 - 抗体を利用した新しいタイプの鎮痛薬 - Google Patents

抗体を利用した新しいタイプの鎮痛薬

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JPH082798B2
JPH082798B2 JP3352481A JP35248191A JPH082798B2 JP H082798 B2 JPH082798 B2 JP H082798B2 JP 3352481 A JP3352481 A JP 3352481A JP 35248191 A JP35248191 A JP 35248191A JP H082798 B2 JPH082798 B2 JP H082798B2
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗体を利用した新しいタ
イプの鎮痛薬に関する。
【0002】
【従来の技術】主観的には不愉快な感覚であるが生命の
保全または維持に重要な痛覚は組織を損傷あるいは破壊
する化学的な発痛物質が放出されることにより生ずる。
発痛物質のうちで体内に存在するものを内因性発痛物質
といい、痛覚発現機構に関わるものと考えられる。
【0003】内因性発痛物質にはK+イオン、アセチル
コリン、セロトニン、ヒスタミン、ブラキジニンを代表
とするプラズマキニン類、オキシトニン、アンジオテン
シン、ATPなどが知られている。組織が傷害されて若
干の細胞が死滅すると蛋白分解酵素が放出され、それが
血漿蛋白を分解してブラジキンをはじめとする数々のポ
リペプチドを産生する。これらが侵害受容繊維の末端に
働きかけて痛覚を生じると考えられる。ブラジキニンは
発痛作用と共に血管拡張や血管透過性作用も持っている
ので局所に疼痛と共に発赤、腫張などの炎症症状を出現
させる。
【0004】さらに痛覚情報伝達物質として、皮膚への
圧刺激による機械的侵害情報はサブスタンスP、熱刺激
による侵害情報はソマトスタチンによってそれぞれ伝達
されるといわれている。
【0005】一方、鎮痛薬の現状は、耐え難い激痛を伴
う末期ガン患者などに対しては、現在でも麻薬性鎮痛薬
モルヒネが主に使用されている。このモルヒネについて
は、従来の注射による投与法から経口投与法による安全
な長期投与法が開発され、耐性や依存性の問題がある程
度克服され、副作用も最小限に抑えられた。しかし、そ
れらの問題が完全に解決されたわけではない。また、モ
ルヒネよりも強力な効果を有し、さらにその欠点である
耐性及び依存性の問題を解決するために、モルヒネの化
学構造物の一部を改造したりして数多くの麻薬性鎮痛薬
が合成されたが、モルヒネに比べて総合的に優れたもの
は見いだされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鎮痛薬は麻薬性鎮痛薬
と解熱性鎮痛薬に大別される。前者はモルヒネを代表と
するアヘンアルカロイド及びその類似合成化合物であ
る。モルヒネは強い鎮痛作用を示し、癌性疼痛や外科的
手術時の疼痛など激しい痛みに対して有用である。しか
しながら、モルヒネは多幸感(陶酔)を起こすだけでな
く、連用により主に中枢神経抑制作用(鎮痛、鎮静、鎮
咳、呼吸抑制など)に対して耐性を生ずる。さらに精神
的及び身体的依存を形成し、投薬を中止すると、激しい
禁断症状が現れる。このようにモルヒネは多くの好まし
くない副作用を有するので、欠点の少ない種々の誘導体
が半合成あるいは合成されてきた。一方後者は比較的鎮
痛作用が弱く、解熱作用をもつアスピリンやインドメタ
シンを代表とする薬物である。
【0007】アスピリンは解熱、鎮痛薬としてかぜ症侯
群、神経痛、歯痛などに広く用いられているほか、慢性
関節リウマチ、リウマチ熱に対しては現在でも第一選択
薬である。しかしアスピリンは市販薬として簡単に入手
し易いため、安易に使用され、その結果副作用が高率に
発生している。副作用としてよく知られたものには胃腸
障害、腎障害、肝障害、プロトロンビン減少に基づく出
血傾向、中毒などである。また、インドメタシンは副腎
皮質ステロイド剤に匹敵する抗炎症作用とすぐれた解
熱、鎮痛作用とを合わせ持つ非ステロイド性抗炎症剤で
ある。副作用としては、他の非ステロイド性抗炎症剤と
同様、中枢神経系(頭痛、めまいなど)と消化器系(胃
腸障害、食欲不振など)の副作用が知られている。これ
らの副作用を軽減する目的で、徐放化や軟膏などの新し
い剤形が開発されており、現在でも種々の製剤的修飾が
試みられている。
【0008】そこで本発明者等は上述の問題をできるか
ぎり、解決する方法を鋭意努力した結果、内因性発痛物
質及び痛覚情報伝達物質に対する抗体を作製し、その抗
体、及び物理的、化学的処理をしたフラグメント、そし
て抗体やそのフラグメントと既存の抗炎症性解熱鎮痛薬
の併用を利用することにより、全く新しいタイプの鎮痛
薬を開発することができた。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は内因
性発痛物質及び痛覚情報伝達物質に対して作製した抗
体、またはその抗体を物理的あるいは化学的に処理した
抗体、及びそれらの抗体と抗炎症性解熱鎮痛薬との併
利用した鎮痛薬に係るものである。
【0010】
【作用】本発明において利用されうる抗体の作製の方法
は抗血清すなわちポリクローナル抗体とモノクローナル
抗体によって異なる。一般的に前者については、抗原で
ある内因性発痛物質または痛覚情報伝達物質を適当な動
物に適当量、数回皮下または筋肉内に投与して一定期間
経過後、充分抗体価が上昇した後、宿主より採血し、そ
の採血した血液の冷アルコール処理を行うCohn法
(E.J.Cohnet al, J.Amer・Ch
em・ Soc・、68、459(1946))または
塩析−透析カラムクロマトグラフィー法を組み合わせた
方法により、免疫グロブリンを分離精製して得ることが
できる。
【0011】一方、後者については、マウス(Kohl
er G et al, Nature, 256,4
95,1975)、ヒト由来のミエローマを用いる細胞
融合法(Olssen, L. et al, Pro
c. Natl. Acad. Sci., 72,5
429, 1980)やヘテロハイブリドーマ法(No
winski, R. et al Science
210, 537,1980;Teng, N.N.
H. et al Proc. Natl. Aca
d. Scic. USA 80, 7308, 19
83)、EBウィルスによりB細胞を刺激する法(St
einitz, M. etal Nature 26
9, 420, 1977)またはそれらの組み合わせ
法や最近では遺伝子工学的技術が使用できるようになっ
てきた。どの方法を用いるかは利用する対象の動物が何
であるかによって異なってくるので、適宜良い方法を選
択することが大切である。有効性を確認する鎮痛作用の
検定方法は使用する動物種、刺激の種類により異なって
くるが、熱刺激に対してはハフナー法やランダムセリッ
ト法、熱刺激に対しては熱板法、テール・フリック法、
化学的刺激に対しては酢酸法、ブラジキニン動注法、ホ
ルマリンテスト法、などが推奨される。それぞれの方法
には長所、短所があるので目的に応じた方法を動物と組
み合わせて使用すると良好な結果が得られる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例および試験例を示して更
に詳述する。
【0013】実施例1 内因性発痛物質ブラジキニンに対するラット抗血清の作
製 化学的に合成されたブラジキニン(BK,ペプチド研
製)100g/mlと同量のフロイントの完全アジュバ
ンドを充分に混合し、日本白色系ウサギ(5〜6周齢)
の背部数カ所に0.2〜0.4mlずつ投与した。2週
間後、再度上記のような操作を行った。このような操作
を数回行い十分に抗体力価が上昇したところで、ウサギ
の頸動脈より全採血を行い、血液約110mlを得た。
得られた血液を室温に放置し、血餅が形成された後、遠
心分離により(室温、3500rpm,30分)抗血清
を50ml得ることができた。この50mlの血清にリ
ン酸緩衝生理食塩液(PBS)50mlを加え、次にあ
らかじめ調製しておいた飽和硫安100mlを攪拌しな
がら徐々に加え室温に1時間放置した。遠心分離を行い
(7000rpm,20分、室温)得られた沈殿をPB
Sに溶解し、全量を50mlとした。攪拌しながら飽和
硫安を20%飽和になるように加え、遠心分離により沈
殿を除き、上清を得、それに飽和硫安を最終濃度が30
〜33%になるように加え、遠心分離して沈殿を得た。
次にできるだけ少量のPBSに溶解し、透析法で硫安を
除いて、最終的に40ml(mg/ml)の生成した抗
血清を得た。(P−1)
【0014】実施例2 ブラジキニンに対するマウスモノクローナル抗体の作製 ブラジキニン(ペプチド研究所製)1mgとヒトαグロ
ブリン(ユ・エス・バイオケミカル社)4.8mgを
0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)に溶解
し、それに0.02Mグルタルアルデヒド水溶液0.5
mlを滴下した。室温で5時間緩やかに攪拌し、PBS
で透析して抗原を調製した。動物はBALB/c5週齢
の雌性マウス(日本SLC社船橋農場製)を用いた。
1、2回目の免疫では上記で調製した抗原と完全フロイ
ントアジュバンド(DIFCO社製)を混合し、マウス
1頭当たり100μgを腹空内に投与した。3回目は抗
原50μgを尾静脈内に投与した。細胞融合3日前に抗
原50μgを尾静脈内に投与し、ケーラー・ミルスタイ
ンの方法に従ってマウスモノクローナル抗体を作製し
た。(Nature,256,495,1975)(P
−2)
【0015】実施例3 サブスタンスPに対するマウスモノクローナル抗体の作
製 サブスタンスP(ペプチド研究所製)1mgとヒトαグ
ロブリン(ユ・エス・バイオケミカル社製)4.8mg
を0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)に溶
解し、それに0.02Mグルタルアルデヒド水溶液0.
5mlを滴下した。その後、実施例2とまったく同様に
してサブスタンスPに対するマウスモノクローナル抗体
を作製した。(P−3)
【0016】実施例4 サブスタンスPに対するウサギ抗血清から酵素パパイン
処理によるFabフラグメントの作製 実施例1と同様の操作で作製したサブスタンスPに対す
る抗血清150mgを001Mシステインと0.02M
EDTAを含むリン酸緩衝液(0.1M,pH7.0)
150mlに溶解し、1.5mgのパパイン(シグマ
社、p3125)を加え、37℃で16時間反応させ
た。酵素処理物を、透析外液として蒸留水及び0.01
M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)で充分透析後、
CM−Cellulose(ワットマン社製 DE5
0)を充填したカラム(φ2.4×25cm)にかけて
分画を行った。分画に際しては0.1−0.9M酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH5.5)の直線的グラジエントシ
ステムを用いた。溶出のプロファイルを図2に示す(F
abフラグメントはII及びIII画分に含まれる)。
得られた溶出液(II及びIII画分)を0.02N酢
酸液に入れた後、リン酸緩衝液(pH6〜7)を外液と
し透析を繰り返して、結晶化させた。収量は40mgで
あった。(P−4)
【0017】実施例5 ブラジキニンに対するマウスモノクローナル抗体(Ig
1)の化学的処理に対するフラグメントの作製 Fleischmanらの方法にしたがって処理、精製
を行った。(Fleischman et al, A
rch Biochem Biophys Suppl
1, 174(1961))。実施例2で作製したブ
ラジキニンに対するマウスモノクローナル抗体を0.5
5mol/Lの濃度になるようにTris−HCL緩衝
液(pH8.2)に溶解した溶液に2−メルカプトエタ
ノールを最終濃度0.75mol/Lになるように加
え、室温で60分間放置する。次に氷で冷却しながら、
0.75mol/L濃度のよう化アセトアマイドを等量
加える。次にpH8.0に調整するためにトリメチルア
ミンを静かに加える。1時間後、反応液を100倍量の
冷生理食塩水で一晩透析を行う。処理された抗体150
mgを1N酢酸で一晩透析後、SephadexG−7
5を充填したカラム(φ3×70cm)を用い、同様の
緩衝液で溶出、H及びLチェンのフラグメント画分を分
画、精製した。(図3)(Aピーク:Hチェン画分11
2.2mg,Bピーク:Lチェン画分27.8mg)
(P−5)
【0018】試験例1 鎮痛効果試験(1)(ホルマリンテスト法) 実施例1〜5で作製した抗体または酵素や化学的処理し
た抗体フラグメントを用いた鎮痛効果試験を行った。 1)実験動物 4週齢の雄性ddY系マウス(25〜35g、日本SL
C社)を購入後すぐに約24℃の動物室にいれ、1週間
予備飼育し実験に使用した。実験開始まで餌及び水を自
由に摂取させた。1群6匹として実験に供した。 2)使用薬物 ホルマリン(特級 和光純薬社製)は生理食塩液で0.
5%に希釈、アミノピリン(小野薬品社製)は2mg/
mlに生理食塩液で調製して試用した。(ポジティブコ
ントロール) 3)実験方法 マウスを用いてホルマリンテストを行うことは、ラット
や猫に比べ取扱が簡単で多数処理が可能であるという有
利点があるので、柴田(柴田等、日薬理誌87、40
5、1986;Shibata. M. et al
Pain 38,347,1989)らの方法を参考に
して、急性痛(F相)と持続痛(S相)の疼痛強度の判
定の定量的な評価方法を検定した。マウスは、実験開始
15分前に観察を容易にするため、ケージの裏面と底面
に鏡を置いた透明なプラスチックケージ製の観察装置に
入れ環境に慣らした(図1)。希釈ホルマリン液(0.
5%ホルムアルデヒド生理食塩液溶液、以下ホルマリン
と略す)を左側後肢足頸部皮下に20μl注射し誘発さ
れる仮性疼痛反応、すなわちlicking,biti
ng行動の持続時間を、ストップウォッチで秒単位で計
測し、5分ごとの総計を記録した・鎮痛活性の評価につ
いては、F相の反応が出ているホルマリン投与後0〜5
分の5分間と、S相の反応が出ている、ホルマリン投与
後10〜30分の20分間のlicking,biti
ng行動の持続時間を比較した。ネガティブコントロー
ルは発痛にまったく関係ない物質に対するモノクローナ
ル抗体を用いた。 4)実験結果 結果を表1に示す。各群ともF相は25%〜38%の抑
制効果を、S相は31%〜43%の抑制効果を示した。
【0019】
【表1】
【0020】試験例2 鎮痛効果試験(2)(酢酸ライジング法) 1群10匹のマウス(日本SLC社製、体重25〜28
g)にそれぞれ、0.7%酢酸を0.1ml/10g体
重ずつ腹腔内に投与後、誘発されるライジング回数を5
分間ごとに計測してその推移を見た。観察時間は最も多
くwrithingが出現する投与後5〜15分の10
分間とした。その他の実験条件は試験例1と同様に行っ
た。結果を表2に示した。仮性疼痛反応に対する抑制率
は44〜66%で良好な結果であった。
【0021】
【表2】
【0022】試験例3 鎮痛効果試験(3)(カオリンライジング法) 試験例1で用いたサンプルと既存薬剤インドメタシンま
たはアスピリンとの併用による鎮痛効果試験をカオリン
誘発ライジング試験方法を用いて行った。 1)実験動物 試験例1と同様に行った。 2)使用薬物 カオリン(和光純薬)は0.2%Tween80(和光
純薬社製)添加の生理食塩水で5mg/mlの濃度に懸
濁して使用した。アスピリンは市販の製剤(ヴェノピリ
ン、ミドリ十字社製)を使用した。製剤に使用されてい
る50%ポリエチレングリコールはPEG200(和光
純薬社製)を使用した。これらの薬物は試験開始15分
前皮下投与して実験を行った。 3)薬物の調製、及び実験方法 抗体及びそのフラグメントは1mg/mlの濃度になる
ように生理食塩液で調製した。試験開始24分前に上述
で調製した薬物を1匹当たり0.1mg/10g体重ず
つ投与した後、2)で調製したカオリンを投与し、lic
kingやbiting行動の持続時間をストップウォ
ッチで秒単位で計測し、5分ごとの総計を記録した。 4)実験結果 結果を表3、4に示した。既存薬剤アスピリンまたはイ
ンドメタシンの仮性疼痛反応に対する抑制率は両者とも
約70〜80%で既存する薬剤単独よりも高い値を示し
た。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】試験例4 毒性試験(1) 体重17〜20gの4週齢ddy雌性マウスの1群10
匹を用い、実施例2で調製したブラジキニンに対するマ
ウスモノクローナル抗体を腹腔内に投与し、1週間後の
動物の死亡数よりLD50値を算出した。本物質のLD50
値は100mg以上であった。
【0026】試験例5 毒性試験(2) 体重17〜20gの4週齢ddy雌性マウスの1群10
匹を用い、実施例1〜5までの各薬剤を腹腔内に投与
し、1週間、毎日、体重減少、毛の逆立ち、死亡等を観
察することにより毒性試験を行った。結果は表5に示し
た。P−1、P−4の10mg/頭投与群で毛の逆立ち
がわずかに認められたが、それ以外の薬剤の投与群では
まったく副作用は認められなかった。本薬剤の安全性は
かなり高いと考えられる。
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】既存薬剤と同等或いは既存薬剤より高い
鎮痛効果を示す場合があり、しかも毒性が低く副作用を
生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホルマリン誘発後肢lickingの観察法及
び装置を示す斜視図である。
【図2】サブスタンスPに対する抗血清のパパイン処理
物のCM−Celluloseによる溶出パターンを示
すグラフである。
【図3】ブラジキニンに対するマウスモノクローナル抗
体の化学的処理物のSephadexG−75による溶
出パターンを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/557 31/60 38/00 38/04 (72)発明者 福井 邦顕 福島県郡山市安積町笹川字平の上1番地の 1 日本全薬工業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内因性発痛物質及び痛覚情報伝達物質に
    対する抗体を作製し、該抗体を鎮痛薬として用いること
    を特徴とする鎮痛薬。
  2. 【請求項2】 内因性発痛物質及び痛覚情報伝達物質に
    対する抗体を作製し、該抗体と抗炎症性解熱鎮痛薬の併
    用を利用することを特徴とする鎮痛薬。
  3. 【請求項3】 抗体を有機溶媒、酵素処理、PH、また
    は物理的あるいは化学的処理したフラグメントを利用す
    る請求項1又は2に記載の鎮痛薬。
  4. 【請求項4】 抗体としてモノクローナル抗体を利用す
    る請求項1又は2又は3に記載の鎮痛薬。
  5. 【請求項5】 抗体としてポリクローナル抗体を利用す
    る請求項1又は2又は3に記載の鎮痛薬。
  6. 【請求項6】 内因性発痛物質としてブラジキニンを利
    用する請求項1又は2又は3に記載の鎮痛薬。
  7. 【請求項7】 痛覚情報伝達物質としてサブスタンスP
    を利用する請求項1又は2又は3に記載の鎮痛薬。
  8. 【請求項8】 抗炎症性解熱鎮痛薬としてアスピリンを
    用いる請求項2に記載の鎮痛薬。
  9. 【請求項9】 抗炎症性解熱鎮痛薬としてインドメタシ
    ンを用いる請求項2に記載の鎮痛薬。
  10. 【請求項10】 抗体の有機溶媒処理としてアルコール
    を用いて処理したものを利用する請求項3に記載の鎮痛
    薬。
  11. 【請求項11】 抗体の有機溶媒処理としてβ−プロピ
    オラクトンを用いる請求項3に記載の鎮痛薬。
  12. 【請求項12】 抗体の有機溶媒処理としてポリエチレ
    ングリコールを用いる請求項3に記載の鎮痛薬。
  13. 【請求項13】 抗体の酵素処理としてペプシンを用い
    る請求項3に記載の鎮痛薬。
  14. 【請求項14】 抗体の酵素処理としてプラスミンを用
    いる請求項3に記載の鎮痛薬。
  15. 【請求項15】 抗体の酸処理としてPH4を用いる請
    求項3に記載の鎮痛薬。
  16. 【請求項16】 抗体の化学処理としてスルホン化処理
    を用いる請求項3に記載の鎮痛薬。
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