JPH08279629A - 半導体結合超伝導素子 - Google Patents

半導体結合超伝導素子

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JPH08279629A
JPH08279629A JP7082377A JP8237795A JPH08279629A JP H08279629 A JPH08279629 A JP H08279629A JP 7082377 A JP7082377 A JP 7082377A JP 8237795 A JP8237795 A JP 8237795A JP H08279629 A JPH08279629 A JP H08279629A
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JP
Japan
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electrode
dimensional electron
semiconductor
electron gas
gate electrode
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Application number
JP7082377A
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English (en)
Inventor
Tatsushi Akasaki
達志 赤崎
Junsaku Nitta
淳作 新田
Hideaki Takayanagi
英明 高柳
Etsuko Toyoda
悦子 豊田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 量子ポイントコンタクト素子におけるコンダ
クタンスの量子化単位を、より容易に制御できるように
することを目的とする。 【構成】 金属ゲート電極4によってキャリア密度NS
を変化させてフェルミ速度vF を制御し、超伝導体によ
るドレイン電極2と二次元電子ガス7(InAlAs層
8)界面のアンドレエフ反射確率を変化させる。また、
二次元電子ガス7(InAlAs層8)への対ポテンシ
ャルの侵入長を、金属ゲート電極4を用いてキャリア密
度(電子濃度)NS を変化させることによって制御し、
アンドレエフ反射確率を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体のヘテロ接合
部に形成される二次元電子ガスと超伝導体とが接する半
導体結合超伝導素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のFET(電界効果トランジスタ)
型3端子素子では、ゲート電圧によって伝導電子(キャ
リア)密度を変化させて動作させている。HEMT(高
電子移動度トランジスタ)も同様であり、変調ドープさ
れたヘテロ接合に閉じ込められた二次元電子ガスをゲー
ト電圧によって制御する素子である。このHEMTは、
積層した薄膜の化合物半導体にソース・ドレインおよび
ゲートの3電極を設け、ゲートに電圧を印加することで
ゲート電極下の二次元電子ガス濃度を変化させ、ソース
・ドレイン電流を制御するようにしている。
【0003】ここで、このゲート電極に間隙を設けて、
キャリヤとしての二次元電子ガスをより小さい領域に閉
じこめて制御する量子ポイントコンタクト素子がある。
図8は、このようにゲート電極に微小間隙を設けて分割
した構造、すなわちスプリット型ゲート電極を有する量
子ポイントコンタクト素子の1例を示す斜視図である。
同図、(a)において、81は半絶縁性GaAs基板、
82はバッファ層、83,84はAuGeNiなどから
なるソース電極,ドレイン電極、85はノンドープのG
aAs層、87はノンドープのAlGaAs層、88は
n型の不純物が導入されたAlGaAs層、89はノン
ドープのAlGaAs層、810は所定の位置に隙間を
有するスプリット型金属ゲート電極である。
【0004】このような構造では、GaAs層85とA
lGaAs層87の界面のGaAs層85側に、n型A
lGaAs層88の存在により二次元電子ガス86が形
成される。ここで、スプリット型金属ゲート電極810
に電圧を印加すると、図8(b)に示すように、空乏化
した空乏領域811が形成され、スプリット型金属ゲー
ト電極810下の領域の二次元電子ガス86も完全に空
乏化し、キャリヤとして働かなくなる。したがって、ス
プリット型金属ゲート電極810の間隙の下の空乏化し
ていない領域の二次元電子ガス86が、伝導のチャネル
となる。このとき、スプリット型金属ゲート電極810
両脇の二次元電子ガス86は、スプリット型金属ゲート
電極810の隙間下で接続されていることになる。
【0005】ここで、スプリット型金属ゲート電極81
0の間隙における、電圧を印加したときに残されている
伝導チャネルとしての二次元電子ガス86の幅Wと長さ
Lが、このキャリヤの平均自由行程le よりも十分短
く、更に幅Wが電子のフェルミ波長λF と同程度かまた
はそれ以下の場合、この伝導チャネルは擬似的に1次元
とみなすことができる。これを量子ポイントコンタクト
と呼んでおり、このような構造では、伝導チャネルのコ
ンダクタンスGは、不連続に変化していることが文献1
に示されている(文献1:B.J.van Weesなど Physical
Review Letters,Vol.60,No.9,p848,1988)。これは、図
9に示すように、ゲート電圧のある一定の変化に対し
て、コンダクタンスGが不連続に量子化単位「2e2
h 」で変化しているものである。ここでeは電子の電
荷、hはプランク定数であり、量子化単位は普遍的な大
きさである。
【0006】スプリット型金属ゲート電極810(図
8)に印加する電圧により空乏領域811の広さが変化
するので、これによって伝導チャネル幅Wも変化し、こ
のことによってコンダクタンスGも変化するが、これが
ある電圧領域では不連続に量子化されたものとなる。こ
のある電圧領域が、上述したように、伝導チャネルの幅
Wと長さLが、このキャリヤの平均自由行程le よりも
十分短く、更に幅Wが電子のフェルミ波長λF と同程度
かまたはそれ以下となるときのものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゲート
電圧に対して量子化されて変化する伝導チャネルのコン
ダクタンスの量子化単位は、上述したように普遍的な大
きさであるため、制御しにくいという問題があった。従
来では、ドレイン電極を超伝導体とし、これをスプリッ
ト型金属ゲート電極に近づけ、超伝導体電極中のクーパ
ー対の染みだし量をこの超伝導体電極上に絶縁膜を介し
て配置した磁場印加用の電極により与えられた磁場によ
り変化させ、量子化単位を制御するようにした半導体結
合超伝導素子がある。しかし、これでは、一度印加した
磁場が、トラップされることにより磁場印加用の電極へ
の電圧を0としても消えなく、磁場を無くすために新た
に逆の極性の電圧を印加するなど、制御が容易にできな
いという問題があった。
【0008】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、量子ポイントコンタクト
素子におけるコンダクタンスの量子化単位を、より容易
に制御できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体結合超
伝導素子は、半導体基板上に形成され、キャリアとなる
二次元電子ガスを形成するためのヘテロ接合面を有する
半導体層積層体と、半導体層積層体上に絶縁層を介して
形成され、所定の位置に微小な間隙が形成されている第
1のゲート電極と、半導体層積層体のヘテロ接合面に形
成されている二次元電子ガスと接続するように形成され
た第1の電極と、二次元電子ガスと接続し、かつ第1の
ゲート電極と二次元電子ガスの平均自由行程より短い間
隔で形成された超伝導体からなる第2の電極と、第1の
ゲート電極,第2の電極の間の半導体積層体上に形成さ
れた第2のゲート電極とを有することを特徴とする。
【0010】
【作用】二次元電子ガスと第2の電極との界面におい
て、フェルミレベルを基準としたエネルギーが超伝導ギ
ャップ内にある1個の電子が、二次元電子ガスから第2
の電極へ入射すると、第2の電極では電子2個からなる
クーパー対が生成してキャリアとなる。このクーパー対
を生成するためにはもう1個電子が必要になるが、この
分が正孔となって二次元電子ガスの存在する半導体層側
に生成される。すなわち、半導体層側に正孔を反射する
アンドレエフ反射が起こる。
【0011】そして、第2のゲート電極への電圧の印加
によりこの下の二次元電子ガスの電子密度が変化し、ア
ンドレエフ反射確率が変化する。また、第2の電極が接
している二次元電子ガスには、クーパー対の存在し得る
対ポテンシャルが第2の電極側より染み出していて、こ
の染みだしの量が第2のゲート電極への電圧の印加によ
り変化する。
【0012】
【実施例】まず、この発明の実施例の前に本発明の概要
について説明する。本発明は、量子ポイントコンタクト
素子近傍に、半導体中で二次元電子ガスと結合した超伝
導電極を配置し、半導体上のスプリット型ゲートに印加
する電圧によって両電極間のコンダクタンスを不連続な
値に量子化することを特徴とする。さらに、電場を印加
することによって量子化単位を連続的に変化させること
が可能であることが最大の特徴である。すなわち、超伝
導電極をスプリット型ゲート電極近傍に有すること、電
場を印加する第2のゲート電極を有することが特徴であ
る。動作的には、量子化単位、すなわち、不連続なステ
ップの高さを連続的に制御することができる。
【0013】以下この発明の1実施例を図を参照して説
明する。図1は、この発明の1実施例における半導体結
合超伝導素子の構成を示す斜視図(a)および平面図
(b)である。同図において、1は常伝導体であるソー
ス電極、2は超伝導体からなるドレイン電極、3は所定
の位置に隙間を有するスプリット型金属ゲート電極(第
1のゲート電極)、4は金属ゲート電極(第2のゲート
電極)、5はノンドープのInAlAs層、6はノンド
ープのInGaAs層、7は二次元電子ガス、8はノン
ドープのInAlAs層、9はn形InAlAs層、1
0はノンドープのInAlAs層、11はInP基板で
ある。
【0014】二次元電子ガス7はInGaAs層6とI
nAlAs層8の界面のInAlAs層8側に形成され
ている。また、ソース電極1は常伝導体に限るものでは
なく、超伝導体を用いるようにしても良い。ドレイン電
極2としては、例えばNbは絶対温度9K以下で用いれ
ば超伝導状態となるので、このNbを用いこれを液体ヘ
リウムなどで絶対温度4.2Kにすればよい。他に、N
bNなどでも良い。二次元電子ガス7の電子濃度Nsお
よび移動度μは、その絶対温度4.2Kにおいて、Ns
=2.1×1012cm-2、μ=87200cm2/Vsで
ある。二次元電子ガス7のフェルミ波長λF と平均自由
工程le は、それぞれ以下の数1,数2で示される。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】そして、ここに上述した値を用いると、λ
F =17.3nm,le =2.1μmであり、この実施
例における伝導チャネル(二次元電子ガス7)は、量子
ポイントコンタクトとなっている。
【0018】常伝導体と超伝導体が結合している界面
に、超伝導体のエネルギーギャップΔ以下のエネルギー
を持った電子が入射すると、超伝導体側にクーパー対を
生成する。このクーパー対を生成するためにはもう1個
電子が必要になるが、この分が正孔となって二次元電子
ガスの存在する常伝導体側に生成される。すなわち、常
伝導体側に正孔を反射するアンドレエフ反射が起こる。
常伝導体である半導体では1個の電子もしくは1個の正
孔が伝導性を示すためのキャリヤとなるが、超伝導体で
は電子2個が対となったクーパー対がキャリヤとなる。
図2はこれを模式的に表したものである。
【0019】このアンドレエフ反射では、1個の電子が
入射して2つの電子からなる1つのクーパー対が生じる
ので、正味2個の電荷が伝導したことになり、界面を含
む系のコンダクタンスは通常の常伝導体による電極のコ
ンダクタンスの2倍となる。超伝導体からなるドレイン
電極2と二次元電子ガス7界面におけるアンドレエフ反
射確率をAとすると、ソース電極1とドレイン電極間の
コンダクタンスは、図3に示すように、「4e2 /h×
A」を単位として量子化され、不連続な値を取る。そし
て、従来の量子ポイントコンタクト素子における量子化
単位の2A倍のコンダクタンスが得られる(文献2:A.
Furusaki,H.Takayanagi、and M.Tsukada,"Josephson eff
ect of the Superconducting quantum point contact",
Physical Review B,Vol.45,p.10563,1992.)。
【0020】アンドレエフ反射確率Aは、超伝導体のエ
ネルギーギャップΔ内のエネルギーEを有する入射電子
に対して、界面における散乱ポテンシャルバリアを示す
パラメータZを用いて、以下の数3のように示される
(文献3:G.E.Blonder,M.Tinkham,and T.M.Klapwijk,"
Transition from metallic to tunneling regimes in s
uperconducting microconstrictions : Excess curren
t,charge imbalance,andsupercurrent conversion",Phy
sical Review B,Vol.25,No.7,p.4515,1982.)。
【0021】
【数3】
【0022】つまり、アンドレエフ反射は、散乱ポテン
シャルバリアZの関数として表すことができる。ここ
で、金属ゲート電極4とInAlAs層5の界面、すな
わち常伝導体/半導体界面に、高さと幅の関がHのδ関
数形のショットキー障壁がある場合を考えると、Zは二
次元電子ガス7のフェルミ速度vF を用いて、Z=H/
(h・vF/(2π))で表される。hはプランク定数
である。
【0023】また、フェルミ速度vF は、以下の数4で
示される量であり、二次元電子ガス7の電子濃度NS
平方根に比例する。
【0024】
【数4】 なお、m* は二次元電子ガスの有効質量である。
【0025】この実施例においては、金属ゲート電極4
によってキャリア密度NS を変化させてフェルミ速度v
F を制御し、アンドレエフ反射確率を変化させる。さら
に、超伝導近接効果によって超伝導体であるドレイン電
極2の対ポテンシャルが二次元電子ガス7に染み出して
いる場合を考慮すると、ドレイン電極2と二次元電子ガ
ス7界面の対ポテンシャルと、界面における散乱ポテン
シャルバリアZは、図4のように示される。
【0026】図4は、超伝導体であるドレイン電極2と
半導体であるInAlAs層8(二次元電子ガス7)と
の界面付近の、クーパー対が存在し得る領域を示す対ポ
テンシャルの状態を示す状態図である。ここで、対ポテ
ンシャルが0となる点までの界面からの距離、すなわ
ち、対ポテンシャルの侵入長をXN とすると、入射エネ
ルギーがフェルミレベルに近いときは、このXN が大き
いほどアンドレエフ反射確率は大きくなる。
【0027】超伝導体に隣接している半導体中に対ポテ
ンシャルの侵入が存在すると、これらの界面における散
乱ポテンシャルバリアZの影響が低減され、電子の入射
エネルギーがフェルミレベルに近いときのアンドレエフ
反射確率が増大することが知られている(文献4:P.C.
van Son,H.van Kempen,and P.Wyder,"Andreev reflecti
on and geometrical resonance effects for a gradual
variation of the pair potential near the normal-m
etal-superconductor interface",Physical Review B,V
ol.37,No.10,p.5015,1988.)。
【0028】図5は、アンドレエフ反射確率と入射電子
エネルギーとの関係を示した相関図である。同図におい
て、51は対ポテンシャルの染みだし距離XN が0のと
き、52は対ポテンシャルの染みだし距離XN が0.4
μmの時の相関を示している。同図から明らかなよう
に、距離XN が0でも0.4μmでも、アンドレエフ反
射確率Aは、超伝導体に入射する電子のエネルギーが
0.8(E/Δ)付近で最大となっている。しかし、素
子を実際に動作させるときの電子のエネルギーとなる入
射電子エネルギーが0(E/Δ)付近では、距離XN
0.4μmの方がアンドレエフ反射確率Aが大きい。な
お、これは超伝導体のドレイン電極4として、超伝導ギ
ャップエネルギーが1.5meVであるNbを超伝導状
態で用いたときのものである。
【0029】ここで、対ポテンシャルの侵入長XN は、
以下の数5で示され、二次元電子ガスの電子濃度NS
平方根に比例する。
【0030】
【数5】 ここで、Tは絶対温度、kB はボルツマン定数である。
【0031】すなわち、前述したフェルミ速度を制御し
たのと同様に、対ポテンシャルの侵入長を、金属ゲート
電極4を用いてキャリア密度(電子濃度)NS を変化さ
せることによって制御し、アンドレエフ反射確率Aを変
化させることができる。そして超伝導体からなるドレイ
ン電極2近傍の電子濃度NS のみを変化させるので、ス
プリット型金属ゲート電極3のポイントコンタクト部の
電子濃度NS に影響を及ぼすことがない。
【0032】図6は、スプリット型金属ゲート3に印加
される電圧とコンダクタンスGとの関係を示す相関図で
あり、金属ゲート電極4に印加する印加電圧Vg2が変化
すると、コンダクタンスGの1ステップの変化量である
量子化単位が変化している。そしてこれは、コンダクタ
ンスGの量子化単位を連続的に変調することができるこ
とを示している。すなわち、この実施例の量子ポイント
コンタクト素子は、利得可変な増幅素子として機能す
る。
【0033】ここで、図6に示したゲート電圧とコンダ
クタンスGとの関係を、ゲート電圧とソース・ドレイン
間電圧との関係にして表現し直すと、図7に示すように
なる。図7では、ソース・ドレイン間に0.15μAの
バイアス電流を流した場合のゲート電圧とソース・ドレ
イン間電圧との関係を示す。この発明の素子では、ソー
ス・ドレイン間電圧は、図7に示すように、ゲート電圧
によって段階的に変化し、ステップ間では急峻に変化す
る。ここで、ゲート電圧をP点にバイアスしておき、入
力電圧Vinをスプリット型金属ゲート電極3(図1)に
加えると、ゲート電圧はQ点の値となる。このゲート電
圧の変化により、ソース・ドレイン間電圧は0.5mV
から1.0mVに変化し、出力電圧Vout =0.5mV
が得られる。
【0034】ところで、ゲート電圧をバイアスしておく
P点がQ点より熱雑音電圧VN 以下の所であると、この
動作が熱雑音VN による誤動作をすることになる。この
誤作動をさせないためには、P点がQ点より熱雑音電圧
N =(4kBTRLB)1/2 以上離れていればよい。こ
こで、Bは周波数帯域、RL は負荷抵抗である。ここ
で、T=0.5K,RL =1KΩ,B=10GHzとす
ると、VN =17μVとなる。従って、信号/雑音比を
5以上とれば良いとすると、P点が83μV以上Q点よ
り離れていれば良い。
【0035】従って、熱雑音電圧VN による誤動作無し
に出力電圧Vout =0.5mVを得るためには、入力電
圧が83μV以上あれば良く、このとき利得(Vout
in)は約6となり、トランジスタとして実用値を得て
いる。そして、この実施例においては、前述したように
利得可変な増幅素子として機能するので、原理的には、
この利得を0から6まで連続的に変化させることができ
る。
【0036】なお、上記実施例においては、半導体部分
をInAlAs/InGaA系のHEMT構造とした
が、これに限るものではない。半導体の部分を、AlG
aAs/GaAs系のHEMT構造としても同様の効果
が得られる。また、半導体でなくSrTiO3 のような
誘電体を用い、Nbを不純物としてドープした層をチャ
ネルとした構造としても、同様の効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第1のゲート電極と二次元電子ガスの平均自由行程
より短い間隔で形成され超伝導体からなる第2の電極と
の間に、第2のゲート電極を形成し、これにより伝導チ
ャネルとなる二次元電子ガスのキャリア密度を制御し、
かつ対ポテンシャルの侵入長を制御するようにした。こ
のため、量子ポイントコンタクト素子におけるコンダク
タンスの量子化単位をより容易に制御できるという効果
を有する。すなわち、実用に供する利得を得た上で、こ
の利得を連続的に変化させることができるという効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の1実施例における半導体結合超伝
導素子の構成を示す斜視図(a)および平面図(b)で
ある。
【図2】 超伝導体と半導体との界面付近における電子
の状態を示す説明図である。
【図3】 図1の半導体結合超伝導素子におけるゲート
電圧とコンダクタンスとの相関を示す相関図である。
【図4】 超伝導体と半導体の界面における対ポテンシ
ャルの染みだしの状態を示す説明図である。
【図5】 アンドレエフ反射確率と入射電子エネルギー
との関係を示した相関図である。
【図6】 図1の半導体結合超伝導素子におけるスプリ
ット型ゲート電極3への印加電圧とコンダクタンスと金
属ゲート電極4への印加電圧との相関を示す相関図であ
る。
【図7】 図1の半導体結合超伝導素子におけるゲート
電圧とソース・ドレイン間電圧との関係を示す相関図で
ある。
【図8】 従来のスプリット型ゲート電極を有する量子
ポイントコンタクト素子の1例を示す斜視図である。
【図9】 図8の量子ポイントコンタクト素子における
ゲート電圧とコンダクタンスとの相関を示す相関図であ
る。
【符号の説明】
1…ソース電極、2…ドレイン電極、3…スプリット型
金属ゲート電極、4…金属ゲート電極、5…InAlA
s層、6…InGaAs層、7…二次元電子ガス、8…
InAlAs層、9…n形InAlAs層、10…In
AlAs層、11…InP基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/80 ZAA (72)発明者 豊田 悦子 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成され、キャリアとな
    る二次元電子ガスを形成するためのヘテロ接合面を有す
    る半導体層積層体と、 前記半導体層積層体上に絶縁層を介して形成され、所定
    の位置に微小な間隙が形成されている第1のゲート電極
    と、 前記半導体層積層体のヘテロ接合面に形成されている二
    次元電子ガスと接続するように形成された第1の電極
    と、 前記二次元電子ガスと接続し、かつ前記第1のゲート電
    極と前記二次元電子ガスの平均自由行程より短い間隔で
    形成され、超伝導体からなる第2の電極と、 前記第1のゲート電極と前記第2の電極との間の前記半
    導体積層体上に形成された第2のゲート電極とを有する
    ことを特徴とする半導体結合超伝導素子。
JP7082377A 1995-04-07 1995-04-07 半導体結合超伝導素子 Pending JPH08279629A (ja)

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