JPH08279359A - 電池用電極 - Google Patents

電池用電極

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JPH08279359A
JPH08279359A JP7104651A JP10465195A JPH08279359A JP H08279359 A JPH08279359 A JP H08279359A JP 7104651 A JP7104651 A JP 7104651A JP 10465195 A JP10465195 A JP 10465195A JP H08279359 A JPH08279359 A JP H08279359A
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JP
Japan
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active material
electrode
polyaniline
conductive polymer
inorganic active
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JP7104651A
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English (en)
Inventor
Nobuo Katagiri
伸夫 片桐
Mari Tachiki
まり 立木
Toshiyuki Osawa
利幸 大澤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池特性、特に初期特性のすぐれた複合電極
の提供。 【構成】 少なくとも導電性高分子ポリアニリンおよび
粒子状無機活物質を含む電極において、該電極中の導電
性高分子ポリアニリンの赤外吸収スペクトルに、4級化
した窒素原子に関する1140cm-1付近のピークを有
することを特徴とする電極および該電極の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、少なくとも導電性高分子および
粒子状無機活物質を含む電極に関する。
【0002】
【従来技術】近年、リチウムを負極材料として用いるリ
チウム二次電池が、高エネルギー密度を有する二次電池
として注目されている。リチウム電池の二次電池化には
正極材料のサイクル特性、成型加工性、高エネルギー密
度化が重要な課題となる。一般に、正極活物質として
は、遷移金属カルコゲン化合物、導電性高分子をあげる
ことができる。しかし、遷移金属カルコゲン化合物など
の無機化合物のみでは導電性に乏しく、また自己形成性
がないため、導電剤や結着剤を大量に添加する必要があ
る。そのために期待されるエネルギー密度を得ることが
困難である。このため、軽量性、加工性などの利点を持
つ導電性高分子を材料とする正極電極の開発が進められ
ている。導電性高分子の例としては、ポリアセチレン
(たとえば、特開昭56−136489)、ポリピロー
ル(たとえば、第25回電池討論会講演要旨集、p25
61、1984)、ポリアニリン(たとえば、電気化学
協会第50回大会講演要旨集、p2281、1984)
などが報告されている。これらの導電性高分子は、10
0%の放電深度に対しても高いサイクル特性を示すなど
の利点がある。これらの導電性高分子は、電池中では電
解質中の陰イオンにドープされることにより導電性が飛
躍的に向上し導電体化し、逆に脱ドープされることによ
り絶縁体に戻るという性質を持つと考えられ、またこの
酸化、還元反応により電池として機能する。導電性高分
子はドーピング(酸化)されることにより導電体となる
ので、無機活物質のように導電剤を必要としないという
利点を持つ。一方、導電性高分子を用いた電極は無機活
物質を用いたものに比べ、一般的に負荷特性(電流特
性)に劣る。これは、陰イオンの拡散速度が遅いことに
起因する。また、充放電により電解質中の陰イオンがポ
リアニリン中にドープ、脱ドープされるため、電解質濃
度が常に変化し、安定な充放電が行えないなどの欠点を
有している。以上のような無機活物質、導電性高分子の
互いの欠点を補い利点を生かす方法として、この両者か
らなる複合電極が提案されている。
【0003】
【目的】本発明は、前記複合電極において、さらに上記
従来技術の欠点を克服し、実用上十分な性能を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【構成】本発明者らは、少なくとも導電性高分子ポリア
ニリン〔以下、活物質(1)ともいう〕および粒子状無
機活物質〔以下、活物質(2)ともいう〕を含む電極に
おいて、該電極中の活物質(1)として、4級化した窒
素原子に関する赤外吸収スペクトルにピークを有する導
電性高分子ポリアニリンを採用することにより、前記従
来技術の問題点が解決されることを見い出し、本発明に
到達した。以下、本発明の電極の構成および動作原理等
について具体的に説明する。本発明の電極は、基本的に
は活物質(1)及び活物質(2)の混合体からなる電極
である。活物質(1)としては、導電性高分子であるポ
リアニリンが特に好ましい。ポリアニリンを使用する場
合、本複合電極の性能を十分発揮させるためには、赤外
吸収スペクトルにおいてポリアニリンの4級化した窒素
原子に関する1140cm-1の吸収ピークが観測されな
いポリアニリンを用いることがさらに好ましい。前記の
ような、ドープ状態にない導電性高分子、特にポリアニ
リンと活物質(2)と複合化することにより、活物質
(2)によりドープ状態となる導電性高分子の割合が多
くなり電池特性のすぐれた電極が得られる。
【0005】活物質(2)としては、リチウムイオンを
吸蔵・放出可能な金属酸化物が用いられる。それ自体で
酸化作用のあるバナジウム酸化物、マンガン酸化物など
が好ましく、ポリアニリンの電位と似た電位で充電及び
放電を行う五酸化バナジウムがさらに好ましい。ポリア
ニリンと接触する表面積が大きくなるように、粒子径は
10ミクロン以下が好ましく、3ミクロン以下であれば
さらに好ましい。活物質(1)と活物質(2)の混合比
については、活物質(2)が活物質(1)に対して十分
にドーパントとして作用するとともに、複合電極全体と
して高エネルギーになるように、活物質(1)と活物質
(2)の合計量に対し活物質(2)が30重量%以上含
まれていることが好ましく、70重量%以上含まれてい
ることがさらに好ましい。前記のように、活物質(2)
を大量に使用することにより導電性高分子、特にポリア
ニリンを活物質(2)により、十分なドープ状態にする
ことができ、電池特性にすぐれ、かつエネルギー密度の
高い電極が得られる。次に、本電極の作製方法について
述べる。基本的に、活物質(1)及び活物質(2)をで
きるだけ均一に混合し成型することにより、本発明の複
合電極が得られる。例えば、それぞれ粉体状の活物質
(1)、活物質(2)をそのまま混合し成型することに
よって電極を作製することも可能である。しかし、この
方法では、活物質(1)と活物質(2)を均一に混合す
ることは困難であり、加工性にも乏しく、また成型後の
電極の強度も十分とはいえない。そこで、以下に示すよ
うな活物質(1)と活物質(2)を含む均一な塗料溶液
から電極を成型することが望ましい。本複合電極は活物
質(1)、活物質(2)及び溶媒を含む均一な塗料溶液
から作製される。溶媒としては活物質(1)を溶解させ
るN−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルホルムアミド等の有機溶媒を用いることが好ましく、
ポリアニリンの溶解度の高いN−メチルピロリドンがさ
らに好ましい。これらを混合し、溶解分散し均一な塗料
溶液を得ることができる。固形分の溶媒に対する分散方
法としては、ボールミル、バレンミルなどを用いる方法
があげられる。また、活物質(1)の濃度は8から15
%程度が好ましく、この範囲では塗料液の粘度は100
0〜10000cP程度である。粘度が1000cP以
下においては活物質(2)の粒子が溶液中で沈降し、均
一な塗料液が得られない。また粘度が10000cP以
上では粘度が大きすぎて塗料液として用いることが困難
である。この塗料液の作製は、塗料中の導電性高分子の
変質を避けるために不活性ガス中で行うことが好まし
い。この均一な塗料液をそれ自体でフィルム状の電極に
加工することもできる。あるいは任意の基板上、好まし
くは集電体基板上に塗布し電極を得ることができる。そ
の集電体基板としては、ニッケル、アルミニウム、ステ
ンレス鋼、チタン、銅のような金属フィルムを用いるこ
とが好ましい。さらに好ましくは、アルミニウム、ステ
ンレス鋼を粗面化して用いる。その塗布法としては、ワ
イヤーバー法、ブレードコーター法、スプレー法等をあ
げることができる。
【0006】以下に本電極の動作原理を示す。活物質
(1)と活物質(2)の混合比率にも依るが、本電極は
基本的に密度の高い活物質(2)を密度の低い活物質
(1)が取り囲んでいる構成になっている。通常活物質
(1)からなる電極は電解液中では電解質陰イオンのド
ープ、脱ドープにより充放電を行うとともに良導体、絶
縁体と導電性が変化する。そして、ドープ状態のポリア
ニリンの赤外スペクトルには、脱ドープ状態では観測さ
れない4級化した窒素原子に関係した振動モードである
1140cm-1の吸収ピークが観測される。しかし、活
物質(2)と混合した本複合電極においては充放電(ド
ープ)を行う前であってもこの1140cm-1の吸収ピ
ークが観測され、ポリアニリン中の窒素原子が4級化さ
れていることが判明した。つまり、本複合電極において
はポリアニリンが活物質(2)によって、いわばドープ
された状態になっていると考えられる。この現象により
次の効果が期待される。 1.電極特性が初期から得られやすい。 2.負荷特性(電流特性)に優れる(低抵抗である)。 3.充電・放電による電解質陰イオンの出し入れが少な
いので、電解質濃度の変化が少ない。 本複合電極の上記の詳細なメカニズムについては現在検
討中であるが、活物質(2)が活物質(1)に対して1
種のドーパントとしても機能しているため、従来の電極
における電解質陰イオンのドープ脱ドープのみによる充
電放電時に比べ、かなり効率的な充放電が可能となって
いるものと考えられる。
【0007】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明する。
【0008】実施例1 硫酸、酸化剤として過硫酸アンモニウムを用いて化学重
合で合成し、ヒドラジン溶液で還元処理を施したポリア
ニリン粉末13g、平均粒径が2.5ミクロン、最大粒
径が8ミクロンの結晶性五酸化バナジウム粉末30.3
g、N−メチルピロリドン87gをロールミル法を用い
て不活性ガス雰囲気中で混合、分散し塗料液とする。こ
の塗料液をワイヤーバーを用いて集電体上に塗布し、1
00℃で乾燥し、約30ミクロンの厚さの電極を得る。
この電極を赤外分光高度計を用いてIR吸収スペクトル
を測定したところ、図1に示す1139cm-1をピーク
とする吸収が観測された。さらにこの電極を正極とし
て、負極にLiを用い、電解液にはプロピレンカーボネ
ート(PC):1,2−ジメトキシエタン(DME)=
7:3の混合液1リットルに対しLiBF4を3モルの
割合で溶解したものを用いて充放電特性を測定した。
【0009】実施例2 結晶性五酸化バナジウム粉末の代わりに粒子径8ミクロ
ンの二酸化マンガン粉末を用いる以外は実施例1と同様
にして電極を作製し電池特性を評価した。
【0010】実施例3 ポリアニリン粉末15g、結晶性五酸化バナジウム粉末
10gを用いる以外は実施例1と同様にして電極を作製
し電池特性を評価した。
【0011】比較例1 硫酸、酸化剤として過硫酸アンモニウムを用いて化学重
合で合成したポリアニリン粉末13g、N−メチルピロ
リドン87gをロールミル法を用いて不活性ガス雰囲気
中で混合、分散し塗料液とする。この塗料液をワイヤー
バーを用いて集電体上に塗布し、100℃で乾燥し、約
10ミクロンの厚さの電極を得る。この電極を赤外分光
高度計を用いてIR吸収スペクトルを測定したところ、
図2に示すように1140cm-1付近をピークとする吸
収は観測されなかった。この電極を正極として、負極に
Liを用い、電解液にはプロピレンカーボネート(P
C):1,2−ジメトキシエタン(DME)=7:3の
混合液1リットルに対しLiBF4を3モルの割合で溶
解したものを用いて充放電特性を測定した。
【0012】比較例2 ポリアニリン粉末15g、結晶性五酸化バナジウム4g
を用いる以外は実施例1と同様にして電極を作製し電池
特性を評価した。
【0013】比較例3 結晶性五酸化バナジウムとして粒子径18ミクロンの粉
末を30.3g用いる以外は実施例1と同様にして電極
を作製し電池特性を評価した。
【0014】比較例4 実施例1のようにして得られたポリアニリン粉末を電解
液中でドープしたポリアニリン粉末15gを用いる以外
は実施例1と同様にして電極を作製し電池特性を評価し
た。
【0015】以下、表1に前記実施例および比較例の電
池特性評価結果を示す。
【表1】
【0016】以下、本発明の具体的実施態様を示す。 1.少なくとも導電性高分子および粒子状無機活物質を
含む電極において、導電性高分子がポリアニリンであ
り、ポリアニリンの4級化した窒素原子に関する114
0cm-1付近に赤外吸収ピークを有するものである電
極。 2.前記1の電極において、導電性高分子が1140c
-1付近の赤外吸収ピークを有しないポリアニリンと粒
子状無機活物質を複合化して形成されたものである電
極。 3.前記1または2の電極において、粒子状無機活物質
として、バナジウム酸化物を用いたものである電極。 4.前記3の電極において、バナジウム酸化物が五酸化
バナジウムである電極。 5.前記1、2、3または4の電極において、粒子状無
機活物質が、導電性高分子と粒子状無機活物質の合計量
に対し30重量%以上である電極。 6.前記1、2、3、4または5の電極において、粒子
状無機活物質が、粒子径10ミクロン以下の微粒子であ
る電極。 7.少なくとも、可溶性導電性高分子及び粒子状無機活
物質を均一に分散させた塗料溶液を塗布、乾燥させるこ
とにより形成することを特徴とする前記1、2、3、
4、5または6の電極の製造方法。
【0017】
【効果】
1.請求項1 導電性高分子、特にポリアニリンが活物質(2)により
ドープ状態になり、電池特性、特に初期特性のすぐれた
複合電極が得られる。 2.請求項2 ドープ状態にない導電性高分子、特にポリアニリンと活
物質(2)と複合化することにより、活物質(2)によ
りドープ状態となる導電性高分子の割合が多くなり、電
池特性のすぐれた電極が得られる。 3.請求項3 活物質(2)として、それ自体比較的強い酸化力を持つ
五酸化バナジウムを用いることにより、導電性高分子を
十分にドープ状態にすることができる。 4.請求項4 活物質(2)を大量に使用することにより、導電性高分
子、特にポリアニリンを活物質(2)により十分なドー
プ状態にすることができ、電池特性にすぐれ、かつエネ
ルギー密度の高い電極が得られる。 5.請求項5 活物質(2)と導電性高分子、特にポリアニリンと接触
する面積を広くすることにより、より優れた電池特性を
持つ電極が得られる。 6.請求項6 均一で、高強度を持ち、かつ電極の加工性に優れ、さら
に電池特性を持つ電極が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で測定したIR吸収スペクトル図であ
る。
【図2】比較例1で測定したIR吸収スペクトル図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性高分子ポリアニリンお
    よび粒子状無機活物質を含む電極において、該電極中の
    導電性高分子ポリアニリンの赤外吸収スペクトルに、4
    級化した窒素原子に関する1140cm-1付近のピーク
    を有することを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 導電性高分子ポリアニリンが1140c
    -1付近の赤外吸収ピークを有しないポリアニリンと粒
    子状無機活物質を複合化して形成されたものである請求
    項1記載の電極。
  3. 【請求項3】 粒子状無機活物質として、バナジウム酸
    化物を用いることを特徴とする請求項1または2記載の
    電極。
  4. 【請求項4】 粒子状無機活物質が、導電性高分子と粒
    子状無機活物質の合計量に対し30重量%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の電極。
  5. 【請求項5】 粒子状無機活物質として、粒子径10ミ
    クロン以下の微粒子を用いることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の電極。
  6. 【請求項6】 少なくとも、可溶性導電性高分子及び粒
    子径10ミクロン以下の微粒子状無機活物質を均一に分
    散させた塗料溶液を塗布、乾燥させることにより形成す
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載
    の電極の製造方法。
JP7104651A 1995-04-05 1995-04-05 電池用電極 Pending JPH08279359A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007180041A (ja) * 2007-02-02 2007-07-12 Nitto Denko Corp 電池
CN110462887A (zh) * 2017-03-31 2019-11-15 松下知识产权经营株式会社 电化学装置用正极和具备其的电化学装置

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