JPH0827845B2 - 毛筆書体発生方法 - Google Patents

毛筆書体発生方法

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JPH0827845B2
JPH0827845B2 JP12230687A JP12230687A JPH0827845B2 JP H0827845 B2 JPH0827845 B2 JP H0827845B2 JP 12230687 A JP12230687 A JP 12230687A JP 12230687 A JP12230687 A JP 12230687A JP H0827845 B2 JPH0827845 B2 JP H0827845B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明はペンで書かれた線文字や描画を毛筆書体に変
換する毛筆書体発生方法に関する。
(ロ)従来の技術 近年、毛筆体で印字できるワープロが実現され毛筆体
文字印字の文書が流行している。
このような、毛筆体印字処理は、単に印刷時のフオン
トとして活字体の代りに毛筆体のものを選択して使用し
ているにすぎず、このワープロの使用者自身の筆跡で書
いた毛筆体の文字を得る事はできなかった。
これに対して、「マウスを筆代わりに硯なしで書道が
楽しめる」書道シミュレーションソフト(日経パソコン
1987年1月12日号第290頁〜第291頁に詳しい)が開発さ
れ、筆記者自身の筆跡に近い毛筆描画を可能にしてい
る。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述の如き書道シミュレーションで
は、マウスを描画ストロークの入力手段としている事か
ら、ストローク終端後に毛筆が紙面から浮上しながら描
画される「ハネ」や「ナガシ」の部分の忠実な毛筆の動
きが考慮されていないので、最適な毛筆書体を得る事は
できなかった。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明は、座標読み取り装置上に入力ペンで筆記した
描画ストロークの座標標本値列を得、該標本値にそれぞ
れ対応して筆先形状のキャラクターを配置して得られる
連続したキャラクター列を合成して毛筆風の筆跡イメー
ジを発生する毛筆書体発生方法において、座標読み取り
装置から入力ペンが描画ストローク終端後に浮上する時
の座標標本値列と浮上量を得、該座標標本値毎に上記キ
ャラクターを浮上量に反比例的に縮小して配置するよう
にした。すなわち、座標読み取り装置上の入力ペンによ
る描画ストロークの座標標本値列と、入力ペンと座標読
み取り装置の筆記面とが接しているか離れているかの状
態を得て、入力ペンと筆記面が離れた状態の場合、筆先
形状の大きさを接した状態に比べて縮小することを特徴
とする。
また、本発明の毛筆書体発生方法は、入力ペンと座標
読み取り装置の筆記面が離れた状態において、配置する
筆先形状の大きさを時系列的に縮小することを特徴とす
る。
(ホ)作用 本発明の毛筆書体発生方法によれば、座標読み取り装
置に対する入力ペンの描画ストローク終端後の「ハネ」
や「ナガシ」の部分でペン先が浮上すると、筆先形状の
大きさを縮小して配置し、それらを合成することで、毛
筆風の「ハネ」や「ナガシ」を生成できる。
また、本発明の毛筆書体発生方法によれば、入力ペン
が浮上を始めてからの経過時間に伴い、筆先形状の大き
さを徐々に縮小するので、ペン浮上後の筆跡イメージの
筆巾を徐々に細くなるようにでき、毛筆風の書体を生成
できる。
(ヘ)実施例 一般に漢字(第2図図示の「本」)を中心とした日本
の文字は縦、横、斜めなどの8方向のストロークで書き
表わす事ができる。また、漢字以外にも平仮名や図形を
書き表わす場合には、第3図の番号“0"〜“15"で示す
如き16方向のストロークに対応させるのが好ましい。
一方、毛筆の筆先形状(S)は第4図(b)の如き流
線型をなしており、第4図(a)に示す如く、毛筆
(Q)のストロークの進行方向に対して、キヤラクター
の頭部(H)が一致し、その尾部(T)が逆向きとな
る。即ち、第5図の筆先形状(S)の配置の時、毛筆は
キヤラクター(S)の頭部(H)方向、即ち矢印A方向
に常に移動して筆先形状のキヤラクター列(S)′
(S)′…で示すような筆跡を残すのであって、例えば
これと直交する矢印B方向に移動して筆先形状のキヤラ
クター列(S)″(S)″…を残すような事はない。
従って、毛筆の筆跡を得るには、第5図の如き筆先形
状(S)のキヤラクターを進行方向に対してその頭部
(H)方向が常に一致するように配列すればよい。斯様
な毛筆書体の発生方法を実現する為の毛筆書体発生機構
の構成を第1図に示し、同図に基づき本発明方法を詳述
する。
第1図に於いて、(1)はタブレットや電子黒板など
の座標読み取り装置であり、入力ペンで読み取り面上に
文字を筆記すると、一定時間(例えば0.01sec)毎にこ
のペンの位置を示す座標をサンプリグ出力するものであ
る。この装置(1)の読み取り方式には、電磁誘導方
式、感圧方式などがあるが、ペン先が読み取り装置の筆
記面からある程度浮上(離れる)してもその座標検出が
可能なものである(特開昭61−80382号公報、特開昭61
−241886号公報等参照)。(2)は、座標読み取り装置
(1)から出力された座標値のサンプル列からペンの移
動量を算出する移動距離検出器であり、所定の距離(例
えば毛筆の線巾の1/5程度)以上の移動を検出したとき
のサンプルを新たな標本値として選出し、移動速度検出
器(3)に速度検出を指示すると同時に、移動方向検出
器(4)に方向検出を指示する。この移動速度検出器
(3)と移動方向検出器(4)は、移動距離検出器
(2)が指示したタイミングで新たな標本値に対して夫
々入力ペンの移動速度と移動方向を検出するものであ
る。(5)は描画ストロークに対応して生成される筆跡
イメージの筆巾(太さ)を決定する筆巾決定機構であ
り、移動速度検知器(4)から得られる移動速度情報と
例えば入力ペンに一体的に設けられる筆巾保持指定スイ
ッチ(6)からの筆巾保持指定情報に基づき、使用する
筆先形状のキヤラクターの大きさをパターン生成機構
(9)に対して指定する。
パターン生成機構(9)は上記筆巾決定機構(5)か
らの筆先形状のキヤラクターの大きさ指定情報と共に移
動方向検出器(4)からの移動方向情報並びに標本値の
座標情報に基づき、特定の位置に特定の方向を向いた特
定の大きさの筆先形状キヤラクタのパターンをパターン
データメモリ(10)から読み出して来て表示装置(11)
に表示する。尚、この表示装置はCRT、LCD等からなり、
特に限定されない。(7)はハネ検出器であり、座標読
み取り装置(1)から送られるペンの位置座標情報、ハ
ネ(ナガシを含める)を生成する事を指示する為のハネ
制御スイッチによるハネ生成情報を常に監視し、ハネ生
成のタイミングを検出するものであり、ハネパターンの
太さ情報と位置情報を決定し、上記パターン生成機構
(9)に送り、「ハネ」を表示させる。ハネの生成規則
は、次のように定める。
・筆記中にペンが筆記面から離れたら、ハネ生成を始め
る。
・ペンが筆記面を離れる直前の筆先の太さを基準にし
て、ハネパターンを作る。
・ペンの筆記速度に応じてハネパターンの生成間隔を算
出する。
・ハネパターンの生成個数には、上限を設ける。
・ハネパターンの生成範囲には、制限を設ける。
・ハネパターンの太さは生成順に細くする。
・ハネ開始後、一定時間、座標値が検出されなかった場
合(ペンを真上の方向に上げたような場合)、ハネの生
成を打ち切る。
・ハネ制御スイッチがONの状態であれば、ハネを生成
し、OFFの状態では、ハネを生成しない。
以下、各部の動作を詳細に述べる。
(i)座標読み取り装置(1)では、第6図に示すよう
に、一定時間(0.01sec)間隔で検出した座標値を(x
1、y1)…(xw、yw)なる点列データとして、実時間に
移動距離検出器(2)に出力する。
(ii)移動距離検出器(2)では、座標読み取り装置
(1)から一定時間(0.01sec)ごとに送られる位置デ
ータを常に移動距離を算出している。第7図に示すよう
に移動距離測定の原点(O(x0、y0))は直前に表示し
たパターンの位置である。この原点を中心にした半径
(r)の円領域の中の点Eは移動した点としない。距離
がr以上の点Fが現れると、ペンが移動したものとし、
その座標値(xf、yf)を方向検出器(4)に出力する。
ここで、距離Rは、次のように定める。
そして、移動距離のしきい値rは表示パターンの基本
形の大きさにより定める。
即ち、小さい筆先を用いて筆記する場合は、しきい値
rも小さくする。また、第8図に示すように最初にペン
を筆記面に降ろしたときの位置は非常に不安定なので、
上述の如き移動距離検出は行なわず、次のような安定化
規則を設ける。座標値を(x、y)で表し、座標読み取
り装置(1)から得られる最初のn点の平均値をとり、
N(X、Y)とする。
次のm点を無視し、n+m+1点目の座標との間で、
方向を算出する。
この時、パターンの表示位置は、n+m+1点目とな
り、この点が最初の表示パターンの配置位S1である。
この第8図では、n=5、m=5としている。
(iii)移動速度検出器(3)は、一定時間ごとに送ら
れる座標値の数と移動距離情報をもとに、移動速度を割
り出し筆先パターンの太さ決定機構(5)に渡す。
(iv)移動方向検出器(4)では、移動距離検出器
(2)或いはハネ検出器(7)からの指示に従い、方向
検出を行う。原点の座標は、第1点としては上記のN
(X、Y)とし、以降は直前に方向算出に使用した点の
座標とする。第7図の点Oから点Fへの方向を移動方向
とし、第3図に示すような定められた方向にあてはめ
る。
(v)筆先太さ決定機構(5)は、移動速度情報と太さ
保持情報により表示する筆先パターンの大きさを決定す
る。
(vi)ハネ発生器(7)は、一定時間ごとに送られてく
る位置情報、ペンと筆記面との接触情報及びハネ制御ス
イッチ(8)からの情報によりハネの検出を行う。第11
図において、〔S1〕でハネ生成中であるかチェックす
る。ハネ生成中であれば、第12図のハネ生成シーケンス
に制御を移す。ハネ生成中でなければ、〔S2〕、〔S3〕
によりハネ開始をチェックする。ハネ開始は、筆記中の
ペンが筆記面を離れた時である。第13図のBで、横軸に
時刻を、縦軸に筆記面とペンとの距離(浮上量)を示し
てあるが、ハネ開始はt=aの時刻である。第13図にお
いて、Aは毛筆における筆圧を示しており、t=aでは
筆圧が減少し始め、t=bでは筆圧はなくなる。即ち、
Dに示す実際の毛筆による筆跡ではt=bで筆跡が消え
ておりCに示す本発明によるハネ発生状況によく対応し
ている。
ハネ開始が検出されると〔S4〕〜〔S8〕のハネ生成用
の制御変数の初期設定を行う。〔S4〕ではハネ生成中で
あることを宣言する。これは、ハネ終了処理でリセット
される。〔S5〕では、ハネパターンの基準値を決定す
る。基準パターンの位置、太さは、筆記中最後に表示し
たパターンの位置、太さである。〔S6〕では、ハネパタ
ーン生成個数の初期値を設定する。生成個数の最大数は
別に定められている。〔S7〕では、ハネの終了検出用の
タイマ値を設定し、タイマを起動する。タイマはハネ発
生シーケンス内のハネ発生タイミングチェック時に再設
定する。このタイマがタイムアウトとなった時は、ハネ
終了処理を施す。〔S8〕では、ハネ発生タイミング用カ
ウンタを設定する。ハネパターン発生前に無視する座標
点数を規定したもので、一定時間間隔で座標読み取りを
行っていることから、ハネパターン間の距離は筆記速度
に応じて広くなったり、狭くなる。これらの初期設定が
済むと、第12図のハネ発生シーケンスに制御を移す。
第12図に示すハネ発生シーケンスでは、まず、〔S1
0〕により、ハネ発生領域内であるかチェックする。こ
このハネ発生領域とは、ここでは、筆記面の領域内であ
る。領域を外れた場合は、〔S11〕のハネ終了処理を施
す。ハネ終了処理では、ハネ発生中宣言の解除、ハネ発
生終了検出用タイマの停止などを行う。〔S12〕では、
ハネ発生終了検出用タイマの再設定を行い、〔S13〕で
は、ハネ発生タイミング用カウンタに従って、無視する
座標点を決定する。ハネ発生が決定された場合は、〔S1
4〕において、方向検出器(4)に対して、方向検出指
示を出す。
〔S15〕では、ハネパターンの太さを決定する。ハネ
パターンの太さは、第13図のCに示すように、発生カウ
ントが大きくなるに従って、細くする。
〔S16〕では、ハネ発生カウンタをカウントアップ
し、次のハネ発生に備える。
〔S17〕では、ハネ発生個数の制限のチェックを行
い、制限に達した場合は、〔S18〕でハネ終了処理を施
す。制限内であれば、引き続き、ハネ発生を続ける。
第14図(a)に上述の如くして描画される「ハネ」部
分、及びこれと同様に描画される同図(b)に「ナガ
シ」部分の表示例を示す。
表示パターン生成機構(9)では、位置、筆先太さ情
報で、方向成分を持った筆先パターンを、パターンデー
タメモリ(10)内のパターンデータをもとに算出し、表
示部に出力する。この表示例を第9図及び第10図に示し
ており、第10図の漢字「洋」では「ハネ」、及び「ナガ
シ」部分がよく表現されているのがわかる。
(ト)発明の効果 本発明の毛筆書体発生方法によれば、座標読み取り装
置に対する入力ペンの描画ストローク終端後の「ハネ」
や「ナガシ」の部分でペン先が浮上すると、筆先形状の
大きさを縮小して配置し、それらを合成して、毛筆風の
「ハネ」や「ナガシ」を生成するので、筆記者は、毛筆
で筆記するのと同じように入力ペンを操作して、「ハ
ネ」や「ナガシ」を得ることができる。
また、本発明の毛筆書体発生方法によれば、入力ペン
が浮上を始めてからの経過時間に伴い、筆先形状の大き
さを徐々に縮小するので、経過時間に応じて筆巾が細く
なっていく筆跡イメージを発生することができ、毛筆風
の書体を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の毛書体発生方法を実現するための装置
構成図、第2図、第3図、並びに第4図(a)(b)は
毛筆書体の特性を示す模式図、第5図、第6図、第7
図、第8図、第9図、並びに第10図は本発明の毛書体発
生方法の動作を説明する為の模式図、第11図、及び第12
図はフローチヤート図、第13図、及び第14図(a)
(b)は本発明方法の説明する為の模式図である。 (1)……座標読取装置、(2)……移動距離検出器、
(3)……移動速度検出器、(4)……移動方向検出
器、(5)……筆先パターン太さ決定機構、(6)……
太さ保持用スイッチ、(7)……ハネ検出器、(8)…
…ハネ制御スイッチ、(9)……パターン生成機構、
(10)……パターンデータメモリ、(11)……表示装
置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】座標読み取り装置上の入力ペンによる描画
    ストロークの座標標本値列と、入力ペンと座標読み取り
    装置の筆記面とが接しているか離れているかの状態を得
    て、 入力ペンと筆記面が離れた状態の場合、前記座標標本値
    に対応する位置の筆先形状の大きさを、接した状態に比
    べて縮小する ことを特徴とする毛筆書体発生方法。
  2. 【請求項2】入力ペンと座標読み取り装置の筆記面が離
    れた状態の場合、前記座標標本値に対応する位置の筆先
    形状の大きさを、時系列的に縮小する ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の毛筆書体
    発生方法。
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Title
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