JPH082780Y2 - 自動販売機の扉体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動販売機に関し、特にその扉体構造に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の自動販売機の扉体構造では、第４図に示すよう
に、商品貯蔵部を備えた本体（43）の開口部に、ヒンジ
機構（44）を介して扉体（41）を揺動開閉自在に取着す
るとともに、前記扉体（41）の内側には、利用者が投入
する硬貨の処理を行う硬貨処理装置（42）を設置してい
る。この硬貨処理装置（42）は、ほぼ直方体状のケーシ
ング（42A）内に、投入硬貨の判別や計数等を行う中枢
部（42a）と貯留硬貨の抜取や補充等を行う硬貨授受部
（42b）とを、平面視においてケーシング（42A）の長辺
方向に沿って並設するとともに、前記硬貨授受部（42
b）を、平面視においてケーシング（42A）の長辺方向に
沿う一側面において開閉操作可能に構成している。

そして、前記硬貨処理装置（42）のケーシング（42
A）を、平面視においてそれの長辺方向に沿う両側面が
前記扉体（５）の横幅方向（左右方向）に沿う姿勢で、
かつ、前記硬貨授受部（42b）の開閉部が本体（43）側
に臨む状態で扉体（41）の内側に配設して、扉体（41）
を開放（第４図における仮想線の状態）した上で、本体
（43）内への商品の補充及び硬貨処理装置（42）の硬貨
授受部（42b）に対する硬貨の授受作業を行うことがで
きるように構成していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の自動販売機の扉体構造では、扉体（41）を開放
操作したとき、該扉体（41）の内側に配設された硬貨処
理装置（42）の硬貨授受部（42b）の開閉部が本体（4
3）側に向かって露出するため、該硬貨授受部（42b）に
対する硬貨の授受作業を容易に行うことができるもの
の、硬貨処理装置（42）のケーシング（42A）が、平面
視においてそれの長辺方向に沿う両側面が前記扉体
（５）の横幅方向（左右方向）に沿う姿勢に配設されて
いるため、該硬貨処理装置（42）の扉体（41）の横幅全
体に占める比率は大きくなり、その結果、例えば、紙幣
等の処理を行うビルバリデータ等の他の機器を並設する
場合に、それらの機器の配設位置及び大きさに制約を与
える問題があった。

本考案はかかる実情に着目して創案されたものであ
り、硬貨処理装置の硬貨授受部に対する硬貨の授受作業
を犠牲にすることなく、扉体の内側にビルバリデータ等
の他の機器を並設する場合における制約条件を緩和する
ことのできる自動販売機の扉体構造を提供することを目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案では、自動販売機
の本体に対して開閉自在に取着された扉体の内側に、ほ
ぼ直方体状のケーシング内に硬貨授受部を備えた硬貨処
理装置を設置するとともに、前記硬貨処理装置の硬貨授
受部を、平面視においてケーシングの長辺方向に沿う一
側面において開閉操作可能に構成してある自動販売機の
扉体構造において、前記硬貨処理装置のケーシングを、
平面視においてそれの長辺方向に沿う両側面が前記扉体
の厚さ方向に沿うように配置するとともに、前記扉体の
内側には、硬貨処理装置のケーシングを扉体の厚さ方向
に沿って投入硬貨受取位置と該投入硬貨受取位置よりも
本体側に引き出した硬貨授受作業位置とに亘って移動案
内する案内部材を設けた点に特徴を有する。

〔作用〕

前記硬貨処理装置のケーシングを、平面視においてそ
れの長辺方向に沿う両側面が前記扉体の厚さ方向に沿う
ように配置してあるが故に、従来の扉体構造に比して、
硬貨処理装置の扉体の横幅全体に占める比率が格段に小
さくなり、扉体の内側には従来よりもスペース的な余裕
が生まれることとなる。

しかも、扉体を開いて硬貨処理装置の硬貨授受部に対
する硬貨の授受作業を行う場合には、投入硬貨受取位置
にある硬貨処理装置のケーシングを、扉体の内側に設け
た案内部材に沿って硬貨授受作業位置まで本体側に引き
出すことにより、硬貨授受部に対する硬貨の授受作業を
広い空間にて容易に行うことができる。

〔考案の効果〕

従って、本案装置においては、扉体の内側に従来より
もスペース的な余裕が生まれるため、該扉体の内側にビ
ルバリデータ等の機器を並設する場合の制約条件を緩和
することができる。

それでいて、硬貨処理装置の硬貨授受部に対する硬貨
の授受作業を行う場合には、硬貨処理装置のケーシング
を本体側に引き出すといった簡便な操作で硬貨授受部を
扉体外に位置させることができる結果、該硬貨授受部に
対する硬貨の授受の作業性が犠牲になることもない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第３図は、ビール等のビン詰め商品（Ａ）を販売する
自動販売機を示しており、該自動販売機は、本体（１）
内に、コンベアで構成した商品搬送棚装置（２）と、該
商品搬送棚装置（２）から搬出される商品（Ａ）を商品
取出口（３）へ搬送するエレベータ装置（４）とを備え
ていて、その前面には扉体（５）がヒンジ機構（６）を
介して開閉自在に取着されている。

前記商品搬送棚装置（２）は、商品（Ａ）の販売指令
が伝達されると、載置収納した商品（Ａ）の一つをコン
ベアの回動によって本体中央側に搬出するもので、前記
エレベータ装置（４）を挟んで本体ケース（１）内の両
脇に上下多段に並設されている。そして該商品搬送棚装
置（２）が搬出した商品（Ａ）は、該当する商品搬送棚
装置（２）の箇所に移動してくるエレベータ装置（４）
の受台（4a）に受け取られて商品取出口（３）の高さま
で送られ、その高さにおいて受台（4a）から商品取出口
（３）へ商品（Ａ）が搬出されるようになっている。

前記扉体（５）内には、その上部にサンプル陳列部
（５）が設けられ、その下部にディスプレイ部（８）が
設けられ、その中間部に前記商品取出口（３）が設けら
れている。そして前記商品取出口（３）が設けられた中
間部には、その残余のスペースに、硬貨処理装置（10）
及び利用者が紙幣等を使用するときにその処理を行うべ
く作動するビルバリデータ（11）が配置されている。

前記硬貨処理装置（10）は、第１図、第２図に示すよ
うに、ほぼ直方体状のケーシング（10A）内に、利用者
の投入硬貨の判別や計数等を行うための中枢部（10a）
と管理者が貯留硬貨の抜取や補充等を行うための硬貨授
受部（10b）とを、平面視においてケーシング（10A）の
長辺方向に沿って並設するとともに、前記硬貨授受部
（10b）を、平面視においてケーシング（10A）の長辺方
向に沿う一側面において開閉操作可能に構成してある。

また、前記硬貨処理装置（10）のケーシング（10A）
は、平面視においてそれの長辺方向に沿う両側面が前記
扉体（５）の厚さ方向に沿うように配置されているとと
もに、前記扉体（５）の内側には、硬貨処理装置（10）
のケーシング（10A）を扉体（５）の厚さ方向に沿って
投入硬貨受取位置と該投入硬貨受取位置よりも本体
（１）側に引き出した硬貨授受作業位置とに亘って移動
案内する案内部材（12）を設けてある。

そして前記案内部材（12）にてガイドされつつ本体
（１）側へ前記硬貨処理装置（10）が引き出されると、
その一部たる硬貨授受部（10b）は部分的に第２図中の
仮想線にて示す如く傾斜して側方へ露出し得るようにな
っている。この硬貨授受部（10b）の開閉操作を許容す
る位置が前記の硬貨授受作業位置である。

なお、第２図中の（13）は利用者の投入硬貨を硬貨処
理装置（10）の中枢部（10a）へ案内するシュートであ
り、該シュート（13）と接続される位置が前記の投入硬
貨受取位置である。また第２図中の（14）は前記中枢部
（10a）から必要に応じて払い出される釣銭を受ける釣
銭受である。

かかる本案装置にあっては、前記硬貨処理装置（10）
のケーシング（10A）を、平面視においてそれの長辺方
向に沿う両側面が前記扉体（５）の厚さ方向に沿うよう
に配置してあるため、該硬貨処理装置（10）の扉体
（５）の横幅に占める比率が従来に比して格段に小さく
なり、扉体（５）内には従来よりもスペース的な余裕が
生まれることとなる。

また、硬貨処理装置（10）のケーシング（10A）は、
扉体（５）の厚さ方向に沿って投入硬貨受取位置と該投
入硬貨受取位置よりも本体（１）側に引き出した硬貨授
受作業位置とに亘って移動案内する案内部材（12）によ
って支持されているため、扉体（５）を第３図に示す如
く開放した上で、硬貨処理装置（10）を前記案内部材
（12）に沿って案内移動させてこれを本体（１）側へ引
き出すことにより、該硬貨処理装置（10）の硬貨授受部
（10b）を扉体（５）外に位置させることができる結
果、該硬貨授受部（10b）に対する硬貨の授受の作業性
が犠牲になることもない。なお、本実施例においては、
硬貨授受部（10b）は引き出された上で更に傾斜して露
出するようになっているので硬貨授受の作業性は一層よ
くなる。

なお、上述の実施例は、ビール等のビン詰め商品をコ
ンベア式商品搬送棚装置及びエレベータ装置にて搬出す
る自動販売機に関するものであったが、缶入り飲料等の
商品をサーペンタイン式の商品貯蔵庫から払い出した上
でエレベータ装置にて上昇させて商品取出口へ搬出する
タイプの自動販売機においても本考案は勿論適用でき
る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動販売機の扉体構造の実施例を
示す水平断面図、第２図はその要部を示す背面図、第３
図は前記自動販売機の扉体開放状態を示す斜視図、第４
図は従来の自動販売機の扉体構造を示す水平断面図であ
る。 （１）……本体、（５）……扉体、（10）……硬貨処理
装置、（10A）……ケーシング、（10b）……硬貨授受
部、（12）……案内部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動販売機の本体（１）に対して開閉自在
   に取着された扉体（５）の内側に、ほぼ直方体状のケー
   シング（10A）内に硬貨授受部（10b）を備えた硬貨処理
   装置（10）を設置するとともに、前記硬貨処理装置（1
   0）の硬貨授受部（10b）を、平面視においてケーシング
   （10A）の長辺方向に沿う一側面において開閉操作可能
   に構成してある自動販売機の扉体構造であって、前記硬
   貨処理装置（10）のケーシング（10A）を、平面視にお
   いてそれの長辺方向に沿う両側面が前記扉体（５）の厚
   さ方向に沿うように配置するとともに、前記扉体（５）
   の内側には、硬貨処理装置（10）のケーシング（10A）
   を扉体（５）の厚さ方向に沿って投入硬貨受取位置と該
   投入硬貨受取位置よりも本体（１）側に引き出した硬貨
   授受作業位置とに亘って移動案内する案内部材（12）を
   設けてある自動販売機の扉体構造。