JPH08277516A - 擬岩並びに擬石及びその製造方法 - Google Patents

擬岩並びに擬石及びその製造方法

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JPH08277516A
JPH08277516A JP1641896A JP1641896A JPH08277516A JP H08277516 A JPH08277516 A JP H08277516A JP 1641896 A JP1641896 A JP 1641896A JP 1641896 A JP1641896 A JP 1641896A JP H08277516 A JPH08277516 A JP H08277516A
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natural
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JP1641896A
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English (en)
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Takeo Suzumi
健夫 鈴見
Tsuneo Kobayashi
恒男 小林
Naoaki Fujita
直明 藤田
Hiromitsu Haraguchi
博光 原口
Naoyuki Kayano
尚之 栢野
Fujio Iwata
藤夫 岩田
Takeshi Yamaguchi
武志 山口
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J C COMPOSITE KK
AGC Inc
Original Assignee
J C COMPOSITE KK
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 河川、ダム、湖あるいは岸壁や防波堤等の護
岸や水制工等に用いることができ、耐食性及び耐候性を
有し且つ自然景観を創出することができる擬岩並びに擬
石及びその製造方法を提供する。 【構成】 鉄系芯材1の周囲を、耐食性及び耐候性に優
れ且つ自然岩又は自然石の色調を具備した表層材2で被
覆し、比重が3〜7.8であることを特徴とする擬岩並
びに擬石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、擬岩並びに擬石及びそ
の製造方法に係わり、更に詳しくは河川、ダム、湖ある
いは岸壁や防波堤等の護岸、水制工等に用いる擬岩並び
に擬石及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から河川、ダム、湖等において、削
り取った山肌や構築した堤防の水際には、護岸や水制工
等の目的で大小のコンクリートブロックを敷設したり、
ブロックをセメントモルタルで一体的に積層し、あるい
はコンクリートを打設している。コンクリートブロック
を用いたり、コンクリートを打設する工法は、耐候性や
経済性に優れ、また各種の施工法が開発されていて、現
在の護岸や水制工等の主流となっている。また、岸壁や
防波堤においても、テトラポットに代表されるようにセ
メントコンクリート製のブロック等を用いる工法が主流
である。
【0003】しかし、護岸や水制工等の工事を行うと、
大なり少なり自然を破壊することは避けられず、また人
工的に構築した護岸等は景観においても極めて人工的で
ある。前述のセメントコンクリートを用いた護岸や水制
工等も、自然の景観を損なったり、水生動植物の生態を
破壊することは避けられない。近年の自然環境保護運動
の高まりに伴って、護岸や水制工等においても少なくと
も自然景観の創出という意味で従来の工法の見直しが必
要になってきた。
【0004】自然景観を創出するには、天然岩又は天然
石を使って護岸や水制工等を行うことが最も自然的では
あるが、材料の確保が新たな自然破壊を生み出す等の理
由により、その確保が困難である。また、コンクリート
ブロックの表面やコンクリート打設面に塗料を塗布して
自然景観に融和する色調を作り出すことも一部で行われ
ているが、耐候性に乏しく、水際や流水周辺では、通常
でも流砂、流石等が繰り返し衝突してあたかもサンドブ
ラスト作用によって塗料が剥がれてしまい、特に洪水時
には顕著である。一方、従来の擬岩並びに擬石には、合
成樹脂の成形体あるいはガラス繊維等で補強した合成樹
脂(FRP)で作製した殻体の表面に、自然岩又は自然
石に類似した模様、色彩になるように塗料を塗布したも
のも存在するが、耐候性に乏しく且つ軽量であるため、
護岸や水制工等に用いることは全く不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、河川、ダム、湖ある
いは岸壁や防波堤等の護岸や水制工等に用いることがで
き、耐食性及び耐候性を有し且つ自然景観を創出するこ
とができる擬岩並びに擬石及びその製造方法を提供する
点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、鉄系芯材の周囲を、耐食性及び耐候性に優
れ且つ自然岩又は自然石の色調を具備した表層材で被覆
し、比重が3〜7.8である擬岩並びに擬石を構成し
た。
【0007】ここで、前記鉄系芯材が、鋼鉄、銑鉄又は
鋳鉄等の鋼塊や鋼材を組合せた鉄骨構造体であることが
好ましく、また前記表層材が、顔料を配合したセメント
コンクリート又は繊維混入コンクリート又は樹脂混入モ
ルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリート等
のポリマーコンクリート又はフッ素樹脂系塗料であるこ
とが好ましい。
【0008】また、前記鉄系芯材の表面に突起物又は脈
理模様等を設け、自然岩又は自然石の形態を模してなる
こと、前記鉄系芯材の表面に形成した少なくとも一つの
凹部が、口部の最小幅よりも幅広い部分を奥部に有する
ものであることも好ましい実施例である。
【0009】また、前記鉄系芯材の周囲に表層材として
自然岩又は自然石を一体的に固着したものでも良い。
【0010】そして、複数の擬岩又は擬石同士をボル
ト、鎖、鉄棒等で連繋し、あるいは擬岩又は擬石そのも
のをアンカーで地盤に定着してなることが、施工上より
好ましい。
【0011】一方、砂型内に鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳
込んで、自然岩又は自然石の形態に類似した鉄系芯材を
形成し、該鉄系芯材の表面に水中硬化型エポキシ樹脂プ
ライマーを塗布した後、その表面に顔料を配合したセメ
ントコンクリート又は繊維混入コンクリート又は樹脂混
入モルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリー
ト等のポリマーコンクリートからなる表層材を塗装して
なる擬岩並びに擬石の製造方法を提供する。
【0012】更に、砂型の内面に自然岩又は自然石を配
設し、それに鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込んで、鉄系芯
材の周囲に表層材として自然岩又は自然石を一体的に固
着してなる擬岩並びに擬石の製造方法を提供する。
【0013】
【作用】以上の如き内容からなる本発明の擬岩並びに擬
石は、比重が7.9程度の鉄系芯材の周囲を表層材で被
覆したことによって、比重が3〜7.8と重くすること
が可能で、流水、特に洪水時等の流水が直接作用しても
安定であり、また耐食性及び耐候性に優れ且つ自然岩又
は自然石の色調を具備した表層材で被覆することによっ
て、自然岩又は自然石に類似する形態、色調を呈するも
のである。
【0014】また、前記鉄系芯材が、鋼鉄、銑鉄又は鋳
鉄等の鋼塊や鋼材を組合せた鉄骨構造体である場合に
は、鋳造や溶接等によって自然岩又は自然石に類似する
形態を造り易く且つ強固である。前記表層材が、顔料を
配合したセメントコンクリート又は繊維混入コンクリー
ト又は樹脂混入モルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジ
ンコンクリート等のポリマーコンクリート又はフッ素樹
脂系塗料である場合には、鉄系芯材の表面に塗布するこ
とによって容易にその周囲を被覆することが可能であ
り、また自然岩又は自然石の色調を任意に創出できる。
【0015】また、前記鉄系芯材の表面に突起物又は脈
理模様等を設け、自然岩又は自然石の形態を模してなる
場合には、表層材との接着性に優れるとともに、より自
然な感じを創出でき、前記鉄系芯材の表面に形成した少
なくとも一つの凹部が、口部の最小幅よりも幅広い部分
を奥部に有するものである場合には、表層材の一部が凹
部内に充填されてアンカー効果を有するのでより接着性
が強固である。
【0016】また、前記鉄系芯材の周囲に表層材として
自然岩又は自然石を一体的に固着したものは、比重が大
きく、しかも表面が自然岩又は自然石で覆われているの
で、より自然に近い擬岩並びに擬石となるのである。
【0017】そして、複数の擬岩又は擬石同士をボル
ト、鎖、鉄棒等で連繋し、あるいは擬岩又は擬石そのも
のをアンカーで地盤に定着することによって、施工後の
配置が崩れることがなく、また洪水時においても構造的
に安定である。
【0018】一方、本発明の擬岩並びに擬石の製造方法
においては、砂型内に鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込ん
で、自然岩又は自然石の形態に類似した鉄系芯材を形成
し、該鉄系芯材の表面に水中硬化型エポキシ樹脂プライ
マーを塗布した後、その表面に顔料を配合したセメント
コンクリート又は繊維混入コンクリート又は樹脂混入モ
ルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリート等
のポリマーコンクリートからなる表層材を塗装してなる
ので、所望の形状の鉄系芯材を鋳造することができ、そ
の表面に水中硬化型エポキシ樹脂プライマーを塗布した
後、表層材を塗装するので、表層材の接着性に優れると
ともに、鉄系芯材の錆の発生を防止できるのである。
【0019】また、擬岩並びに擬石の製造方法におい
て、砂型の内面に自然岩又は自然石を配設し、それに鋼
鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込んで、鉄系芯材の周囲に表層
材として自然岩又は自然石を一体的に固着してなる場合
には、鉄系芯材の鋳造し、硬化と同時にその周囲に自然
岩又は自然石を一体的に固着することができ、表層材の
固定強度が非常に高く、またより自然に近いものが得ら
れるのである。
【0020】
【実施例】次に本発明の詳細を添付した図面に基づき説
明する。図1及び図2は鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等の鋼塊か
らなる鉄系芯材1の周囲を表層材2で被覆した擬岩又は
擬石Aを示し、図3は鋼材を組合せた鉄骨構造体からな
る鉄系芯材1の周囲を表層材2で被覆した擬岩又は擬石
Aを示し、図4は鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等の鋼塊からなる
鉄系芯材1の周囲に天然岩又は天然石からなる表層材2
を一体固着した擬岩又は擬石Aを示している。
【0021】本発明は、鉄系芯材1の周囲を、耐食性及
び耐候性に優れ且つ自然岩又は自然石の色調を具備した
表層材2で被覆し、比重が3〜7.8であることを要旨
としている。
【0022】前記鉄系芯材1は、鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等
の鋼塊3、あるいは鋼材を組合せた鉄骨構造体4で作製
し、これらは何れも比重が約7.9である。この鉄系芯
材1の周囲に比重が1〜2.5程度の表層材2を10〜
50mmの厚さで配設することによって、全体の比重を
3〜7.8とするのである。尚、参考のためにコンクリ
ートの比重は約2.4(セメント:砂:砂利=1:2:
4の配合比率の場合)、自然石の比重は約2〜3(花崗
岩2.6〜2.7、大理石1.52〜2.86)、土の
比重は約2であることを例示する。
【0023】前記鉄系芯材1として、鋼鉄、銑鉄又は鋳
鉄等の鋼塊3を用いる場合には、図1及び図2に示すよ
うに、鋳造や鍛造によって自然岩又は自然石の表面形状
に類似した突起物又は脈理模様等を設けて、ごつごつと
角がある形態に形成する。この場合、図2に示すよう
に、鉄系芯材1の表面に形成した少なくとも一つの凹部
5が、口部の最小幅よりも幅広い部分を奥部に有するも
のであると、後述の表層材2を表面に塗装した場合に、
表層材2の一部が凹部5内に充填されてアンカー効果に
よってより接着性が向上するのである。
【0024】また、前記鉄系芯材1として、図3に示し
たように、鋼材を組合せた鉄骨構造体4を用いる場合に
は、この鉄骨構造体4を構成する各鋼材6,…は、丸棒
材、角棒材、H型鋼材、アングル鋼材等適宜な形状のも
のを、適宜な長さに切断したもの、あるいは廃材等を用
いることが可能である。前記鋼材6又は複数の鋼材6,
…を溶接によって適宜な形状、構造に固定して組み上げ
た鉄骨構造体4は、表面の錆を落として洗浄処理した
後、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)にセメントを
混合した材料、又はその他の下地材をコーティングして
おくことが好ましい。
【0025】前記表層材2は、耐食性及び耐候性に優
れ、しかも自然岩又は自然石の色調に類似する色に着色
できる必要があり、本発明では顔料を配合したセメント
コンクリート又は繊維混入コンクリート(繊維混入モル
タルともいう)又はポリマーコンクリート又はフッ素樹
脂系塗料を用いている。
【0026】繊維混入コンクリートは、セメントコンク
リートに繊維を混入したものであり、繊維としては耐ア
ルカリ性ガラス繊維、ビニロン樹脂繊維、ナイロン繊
維、ポリエチレン樹脂繊維及びカーボン繊維より選ばれ
た繊維、好ましくはガラス繊維或いはビニロン繊維を用
い、長さ5〜20mmの集束繊維(4〜300本)を採
用する。また、繊維は、コンクリート全重量に対して
0.01〜3%混入することが好ましい。
【0027】前記ポリマーコンクリートとしては、樹脂
混入モルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリ
ート等を用いることができ、実際には、骨材として粒度
の小さい砂を用いるのでモルタルである。
【0028】樹脂混入モルタルは、通常のセメント、合
成樹脂又は合成ゴム及び骨材を混練したものである。合
成樹脂又は合成ゴムとしては、アクリル(AC)、塩素
化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(E
VA)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム(CR)及びニトリルゴム(NBR)等の3
0〜60%エマルジョン乳化液を用いる。骨材として
は、7〜4号硅砂、川砂、人造砂及び高炉砂を用い、セ
メントに対する配合比率は、骨材が7〜4号硅砂の場
合、50〜400重量%、好ましくは75〜300重量
%である。合成樹脂の配合比率は、セメントに対して3
〜20重量%(固形分)である。
【0029】繊維混入樹脂モルタルは、上記樹脂混入モ
ルタルに、耐アルカリ性ガラス繊維、ビニロン樹脂繊
維、ナイロン繊維、ポリエチレン樹脂繊維及びカーボン
繊維より選ばれた繊維、好ましくはガラス繊維或いはビ
ニロン繊維を用い、長さ5〜20mmの集束繊維(4〜
300本)を採用する。繊維は、モルタル全重量に対し
て0.01〜3%(重量比)混入することが好ましい。
【0030】レジンコンクリートは、上記骨材にエポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エ
ポキシ変性ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、ビニールエステル変性ポリエステル樹脂等の反応性
樹脂を混練したものであり、好ましくはポリエステル樹
脂若しくはフェノール樹脂を混練したものを用いる。配
合比率は、反応系樹脂:砂(4〜5号)=1:3〜10
程度である。
【0031】前記フッ素樹脂系塗料としては、フッ化ビ
ニリデン樹脂の粉末粒子を有機溶媒中に分散懸濁させた
オルガノゾル(ディスパージョン)形塗料が好ましく、
更に流動性、使用特性を改善するために一部溶液形アク
リル樹脂を併用する。
【0032】前記表層材2として、好ましいものは、樹
脂混入モルタル及び繊維混入樹脂モルタルであり、その
中で繊維混入樹脂モルタルが最も好ましく、その実施例
を以下に説明する。先ず、前記鉄系芯材1の表面に水中
硬化型エポキシ樹脂プライマー(住友化学工業(株)
製、主剤:スミエポキシELA−115、硬化剤:スミ
キュアーML−2)を塗布し、未硬化の当該プライマー
塗布層表面に、表層材2として樹脂混入モルタル(セメ
ント:砂:水:合成樹脂=1:0.5〜2:0.3〜
0.5:0.05〜0.4(何れも重量比))を塗装仕
上げする。この表層材2の厚さは、10〜50mmであ
り、樹脂混入モルタルに、適宜顔料を混入して自然岩又
は自然石に類似した色調を創出するのである。
【0033】前記顔料としては、酸化チタン、カーボン
ブラック、弁柄、黄鉛などの無機顔料が耐日光堅牢度、
耐アルカリ性能を有するので、主として使用し、他にフ
タロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等の有機
顔料も使用できる。
【0034】また、鉄系芯材1の表面に繊維混入樹脂モ
ルタルを塗装すると、より耐候性が向上するので好まし
い。この繊維混入樹脂モルタルは、前述の樹脂混入モル
タル中に、更に補強繊維がセメント1に対して0.01
〜0.1(重量比)含まれたものであり、混入する繊維
としては耐アルカリガラス繊維が、取扱性、補強効果等
の点で最も優れ、好ましく使用される。次の表1に繊維
混入樹脂モルタルの配合例を具体的に示している。
【0035】
【表1】
【0036】このように、鉄系芯材1の表面に樹脂混入
モルタルあるいは繊維混入樹脂モルタルを塗装したもの
は、比較的短時間で養生硬化し、高い圧縮強度及び曲げ
強度が得られる。繊維混入樹脂モルタルの場合には、夏
場(気温25℃以上)であれば約6時間で、春・秋(気
温15℃)であれば約18時間で、また冬場(気温5℃
前後)であれば約42時間後に、圧縮強度が100kg
/cm2 となり、フォークリフト等で取り扱うことが可
能となる。また、夏場であれば、28時間養生後は、圧
縮強度350〜400kg/cm2 (JISA1108
に準拠)、曲げ強度170〜180kg/cm2 (JI
SR5201に準拠)となり、表面にはクラック等が一
切生じなかった。更に、耐摩耗性はJISA1451に
準拠した試験法では0.30mmであり、耐衝撃性はJ
ISA1421(なす形、kg、1m高さ)に準拠した
試験法ではくぼみ直径1cm、ひび割れ無しといった優
れた結果が得られている。
【0037】図4は、鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等の鋼塊3を
用いた鉄系芯材1の表面に、表層材2として小型の自然
岩又は自然石7,…を複数個一体的に固着した擬岩又は
擬石Aを示している。この場合、自然岩又は自然石7
は、粒状であっても、平板状であっても良く、粒状の場
合には、適宜な形状の鉄系芯材1の表面に密に配設し、
平板状の場合には、偏平形状の鉄系芯材1の表面に単又
は複数枚配設し、全体として自然岩又は自然石の外観を
呈するようにする。
【0038】また、施工後に、容易に配置が崩れないこ
とが必要である。本発明の擬岩又は擬石Aは、比重が3
以上あり、自然岩又は自然石に比べて重いので、それ自
体でも流水等によって移動することは少ないが、更に配
列を保持するため、図5に示すように、擬岩又は擬石A
に係留金具8aを鉄系芯材1に固定し、該係留金具8a
に鋼製の鎖8bを繋いで互いに係留することが好まし
い。この目的には、前述の例以外にも、複数の擬岩又は
擬石A同士をボルト、鉄棒等で連繋し、あるいは擬岩又
は擬石そのものをアンカーで地盤に定着することも可能
である。
【0039】次に、本発明の擬岩又は擬石Aの製造方法
を図6に基づいて説明する。先ず、鉄系芯材1を得るた
めに、所望の形状の模型9をスチレンホーム又はウレタ
ンホームで作製し、図6(a) に示すように、定盤10に
載置した枠体11内にセットし、その上から型砂12を
突き硬めながら充填する。次に、型砂12と一体に枠体
11を上下反転させて定盤10に載置した後、模型9を
除去して所定形状の砂型を作製する(図6(b) )。それ
から、砂型内に溶融した鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込ん
で冷却固化させる(図6(c) )。そして、鋳造した鉄系
芯材1を砂型から取り出して、余分な砂を除去した後、
前記同様に鉄系芯材1の表面に水中硬化型エポキシ樹脂
プライマーを塗布し、未硬化の当該プライマー塗布層表
面に、表層材2として繊維混入樹脂モルタルを厚さが1
0〜50mmになるように塗装仕上げする(図6(d)
)。尚、本実施例では、鉄系芯材1の底面は平坦であ
るが、底面にも凹凸を形成する場合には、割り型を用い
て内部が中空の砂型を作製し、それに鋳込んで製造す
る。勿論、前記表層材2として繊維混入樹脂モルタル以
外のポリマーコンクリート又はセメントコンクリート又
は繊維混入コンクリートを用いることができる。
【0040】また、図7に示した製造方法は、図4に示
した構造の擬岩又は擬石Aを製造する一工程を示したも
のであり、定盤10に載置した枠体11内に表面に自然
岩又は自然石7,…を固定した模型9を配設し、それに
型砂12を充填した後、枠体11を上下反転させ、それ
から模型9を取り除き、その空間に溶融した鋼鉄、銑鉄
又は鋳鉄等を鋳込んで冷却固化させた状態を示してい
る。この場合、鉄系芯材1の表面には自然岩又は自然石
7が鉄系芯材1の溶融固化と同時に強固に固着されるの
である。最後に砂型から取り出せば、図4に示した擬岩
又は擬石Aが製造されるのである。
【0041】更に、図示しないが、前記鉄系芯材1は、
鋼塊を鍛造して所望の形状に成形し、表面に凹凸を設け
て作製することも可能である。また、複数の鋼材6,…
を溶接等によって所定の鉄骨構造体4を作製したり、ま
た複数の鋼材6,…を骨材としてコンクリート中に分散
させて鉄系芯材1を作製し、その表面に前記表層材2を
塗装することも可能である。
【0042】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の擬岩並びに擬石
は、比重が3〜7.8となって、自然岩又は自然石以上
に重く、しかもその表面に形成した表層材は、耐食性及
び耐候性を有するので、長期間の雨水に曝されても、ま
た洪水時等に流砂や流石が衝突しても、表層材が剥がれ
ることがなく、また鉄系芯材の周囲を表層材で完全に被
覆すると、鉄系芯材の錆の発生も防止することができ、
河川、ダム、湖あるいは岸壁や防波堤等の護岸、水制工
等に好ましく用いることができ、自然景観の創出に寄与
するのである。また、表層材として、顔料を配合したセ
メントコンクリート又は繊維混入コンクリート又は樹脂
混入モルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリ
ート等のポリマーコンクリート又はフッ素樹脂系塗料を
使用した場合には、鉄系芯材との接着性に優れ、しかも
着色が容易である。
【0043】また、本発明の擬岩並びに擬石の製造方法
は、溶融した鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を砂型等に鋳込んで
鉄系芯材を製造するので、表面に突起物又は脈理模様等
の凹凸模様を容易に形成することができ、より自然岩又
は自然石の形態に類似するものを作製でき、その鉄系芯
材の表面に耐食性及び耐候性を有する表層材を塗装する
ことによって、鉄系芯材を腐食から保護するとともに、
自然岩又は自然石に類似する色調を容易に創出すること
ができるのである。
【0044】また、砂型の内面に自然岩又は自然石を配
設し、それに鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込むことによ
り、鉄系芯材の周囲に表層材として自然岩又は自然石を
一体的且つ強固に固着することができ、製造が容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擬岩又は擬石の代表的実施例を示す簡
略断面図である。
【図2】同じく他の実施例を示す簡略断面図である。
【図3】同じく他の実施例を示す一部省略した簡略断面
図である。
【図4】同じく他の実施例を示す簡略断面図である。
【図5】擬岩又は擬石同士を連繋する構造の一例を示す
簡略斜視図である。
【図6】本発明の図1の擬岩又は擬石の製造方法の一例
を示し、その代表的な工程を示す簡略断面図である。
【図7】本発明の図4の擬岩又は擬石の製造方法の一工
程を示す簡略断面図である。
【符号の説明】
A 擬岩又は擬石 1 鉄系芯材 2 表層材 3 鋼塊 4 鉄骨構造体 5 凹部 6 鋼材 7 自然岩又は自然石 8a 係留金具 8b 鎖 9 模型 10 定盤 11 枠体 12 型砂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 直明 茨城県古河市東本町1−18−25 ルーブル タワーズ201 (72)発明者 原口 博光 茨城県古河市松並1−31−7 針谷ハイツ 202 (72)発明者 栢野 尚之 大阪府堺市野尻町401−3 コスモ初芝野 尻町403 (72)発明者 岩田 藤夫 大阪府枚方市香里ケ丘1丁目14−2 香里 ケ丘住宅4−203 (72)発明者 山口 武志 大阪府寝屋川市三井ケ丘5丁目1−89− 102

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系芯材の周囲を、耐食性及び耐候性に
    優れ且つ自然岩又は自然石の色調を具備した表層材で被
    覆し、比重が3〜7.8であることを特徴とする擬岩並
    びに擬石。
  2. 【請求項2】 前記鉄系芯材が、鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等
    の鋼塊や鋼材を組合せた鉄骨構造体である請求項1記載
    の擬岩並びに擬石。
  3. 【請求項3】 前記表層材が、顔料を配合したセメント
    コンクリート又は繊維混入コンクリート又は樹脂混入モ
    ルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリート等
    のポリマーコンクリート又はフッ素樹脂系塗料である請
    求項1記載の擬岩並びに擬石。
  4. 【請求項4】 前記鉄系芯材の表面に突起物又は脈理模
    様等を設け、自然岩又は自然石の形態を模してなる請求
    項1、2又は3記載の擬岩並びに擬石。
  5. 【請求項5】 前記鉄系芯材の表面に形成した少なくと
    も一つの凹部が、口部の最小幅よりも幅広い部分を奥部
    に有するものである請求項4記載の擬岩並びに擬石。
  6. 【請求項6】 前記鉄系芯材の周囲に表層材として自然
    岩又は自然石を一体的に固着したものである請求項1記
    載の擬岩並びに擬石。
  7. 【請求項7】 複数の擬岩又は擬石同士をボルト、鎖、
    鉄棒等で連繋し、あるいは擬岩又は擬石そのものをアン
    カーで地盤に定着してなる請求項1記載の擬岩並びに擬
    石。
  8. 【請求項8】 砂型内に鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込ん
    で、自然岩又は自然石の形態に類似した鉄系芯材を形成
    し、該鉄系芯材の表面に水中硬化型エポキシ樹脂プライ
    マーを塗布した後、その表面に顔料を配合したセメント
    コンクリート又は繊維混入コンクリート又は樹脂混入モ
    ルタル、繊維混入樹脂モルタル、レジンコンクリート等
    のポリマーコンクリートからなる表層材を塗装してなる
    ことを特徴とする擬岩並びに擬石の製造方法。
  9. 【請求項9】 砂型の内面に自然岩又は自然石を配設
    し、それに鋼鉄、銑鉄又は鋳鉄等を鋳込んで、鉄系芯材
    の周囲に表層材として自然岩又は自然石を一体的に固着
    してなることを特徴とする擬岩並びに擬石の製造方法。
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