JPH08277337A - キーパッド - Google Patents

キーパッド

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JPH08277337A
JPH08277337A JP7001695A JP7001695A JPH08277337A JP H08277337 A JPH08277337 A JP H08277337A JP 7001695 A JP7001695 A JP 7001695A JP 7001695 A JP7001695 A JP 7001695A JP H08277337 A JPH08277337 A JP H08277337A
Authority
JP
Japan
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weight
parts
ethylene
molding
keypad
Prior art date
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Pending
Application number
JP7001695A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuharu Yonezawa
光治 米澤
Akihiro Niki
章博 仁木
Takeharu Morita
健晴 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP7001695A priority Critical patent/JPH08277337A/ja
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Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温、高温での力学特性、耐熱性、柔軟性、
クリープ特性等に優れたキーパッドを提供する。 【構成】 エチレンとエチレン以外のα−オレフィンと
の共重合体であって、密度が0.840〜0.925g
/cm3 であるポリエチレン系樹脂20〜90重量部、
及び、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体80
〜10重量部からなる樹脂組成物を、中空メーサ型に成
形した後、放射線照射を行って得られることを特徴とす
るキーパッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室温、高温での力学特
性、耐熱性、柔軟性、クリープ特性等に優れたキーパッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加硫ゴム成形品は、電子機器分
野、自動車分野、工業分野等において、ゴム弾性、柔軟
性、耐クリープ性、可とう性等の優れた特性を活かして
種々の用途に用いられている。しかし、加硫ゴムは、加
硫工程が必要であり、生産効率が低い等の欠点を有して
いる。
【0003】一方、熱可塑性エラストマーは、一般の樹
脂のように、高温での押出成形、射出成形等の熱成形が
可能であり、加硫工程を必要としないので、生産性、省
エネルギー性、リサイクル性等に優れており、また、常
温ではゴム材料として良好な物性を示すので注目されて
いる。しかし、一般に、熱可塑性エラストマーを成形し
て得られた成形体は、加硫ゴム成形体に比べて柔軟性、
耐クリープ性、高温での機械的強度に劣る等の欠点を有
している。
【0004】ところで、加硫ゴム成形体の一つとして、
押し釦用キーパッドが汎用されており、例えば、テレ
ビ、ビデオ等のリモートコントロール装置、電話機、フ
ァクシミリ等の操作部;電卓の入力操作キー;パーソナ
ルコンピューターのキーボード操作キー;小型電子式卓
上計算機等のキーボタンなどとして、押し釦のスプリン
グ部に用いられている。
【0005】押し釦用キーパッドの成形体の構造を図1
に示す。キーパッドの成形体は、キートップ3、スカー
ト部2及びキーパッド周辺部1からなる中空メーサ型弾
性体である。キーパッドの押し圧感覚及びクリック感覚
は、動作荷重による100〜400μm程度の肉薄な構
造を有するスカート部2の変形、座屈現象により発現さ
れる。
【0006】キーパッド成形体の動作荷重測定から、図
2に示す応力−歪曲線が得られる。図中の各ピークをそ
れぞれP1 点、P2 点、P3 点、P4 点とし、その時の
動作荷重値をそれぞれP1 、P2 、P3 、P4 とする
と、P1 は動作荷重の極大値である。エラストマーの素
材特性と動作荷重曲線の相関を見るためにキーパッド成
形体の形状を揃えたと仮定すると、この極大荷重値P1
は、キーパッド素材の主に柔軟性を反映するものである
と考えることができる。一般に素材が柔軟であればP1
点荷重は小さくなり、硬ければP1 点荷重は大きくな
る。
【0007】図2において、(P1 −P2 )÷P1 ×1
00(%)は一般的にクリック率(A)と呼ばれる数値
である。良好なクリック感、即ち、明確な押し感覚の発
現には、クリック率(A)は大きい方が好ましい。ま
た、(P1 −P4 )÷P1 ×100(%)は一般的にク
リック率(B)と呼ばれる数値である。押し釦の復元で
適度な弾力性を伴うためには、クリック率(B)は小さ
い方が好ましい。
【0008】軽い押し圧感を得るためには、キーパッド
成形体としてより柔軟な素材を用いること、キーパッド
のスカート部と呼ばれる肉薄部分の肉厚をより薄い設計
とすることの2つの方法が考えられる。しかし、スカー
ト部を100μm以下の超肉薄に設計することは、エラ
ストマー素材の材料強度の面から、また、成形加工に要
求される精密さの面から現実的ではなく、より柔軟な素
材を用いる方が望ましい方法である。
【0009】現在、押し釦用キーパッドの素材には、シ
リコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム等が使われており、
特に、加硫ゴムの一種であるシリコーンゴムは、寸法安
定性、耐熱性等に優れており、安価である等の利点を有
するので、最も広く採用されている。しかし、シリコー
ンゴムは、押出成形、射出成形等の高温の熱溶融成形が
できず、押し釦用キーパッド製造過程ではプレス成形に
て加熱硬化を施す方法が採られており、成形に要する時
間が長くなる等の生産性に問題がある。
【0010】一方、熱可塑性エラストマーは、押出成
形、射出成形等の高温の熱溶融成形が可能であり、加硫
工程を必要としないため生産性等に優れているので、押
し釦用キーパッドの素材としては有望であり、近年、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー等が、テレビ、ビデ
オ等のリモートコントロール、電話機、ファクシミリ等
の操作部の押し釦用キーパッドに、シリコーンゴムの代
替として用いられるようになっている。
【0011】しかし、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マーは、例えば、市販材料で最も柔軟なものでもJIS
−A硬度75〜80であり、その柔軟性には限界があ
る。従って、例えば、リモートコントロール装置、電話
機等の押し釦の中でも比較的軽いタッチが求められるも
の等のより小さい動作荷重が要求される用途、電卓用の
入力操作キー、パーソナルコンピューターのキーボード
の操作キー等のより軽いタッチが求められるものに従来
のポリエステル系熱可塑性エラストマーを採用するに
は、素材の柔軟性が不足していた。
【0012】特開平4−351813号公報には、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマーを素材にしたキーパッ
ド成形品に電子線照射を行うことで耐熱性に優れたキー
パッドを製造する技術が開示されているが、この方法に
おいても素材の柔軟性が不足しているために軽いタッチ
感を実現することは困難であった。また、単に柔軟であ
るという条件を満たすだけの熱可塑性エラストマーで
は、キーパッドとしての良好なクリック感を達成するこ
とができていなかった。
【0013】特開平4−83619号公報及び特開平1
−3930号公報には、スチレン系熱可塑性エラストマ
ーを成形して押し釦用キーパッドを製造する技術が開示
されているが、いずれもシリコーンゴムを用いたキーパ
ッドに比べてクリック感が劣る点等に問題があった。
【0014】これまで、キーパッド用途に使用されてい
る熱可塑性エラストマーには、軽いキータッチ感を発現
するための小さい動作荷重極大値P1 と、明確なクリッ
ク感を発現するための良好なクリック率との両方に優れ
た素材がなく、このような条件を同時に満足する素材が
現在強く求められている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、室温、高温での力学特性、耐熱性、柔軟性、クリー
プ特性等に優れたキーパッドを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、本発明1という。)は、エチレンとエチレン以外の
α−オレフィンとの共重合体であって、密度が0.84
0〜0.925g/cm3 であるポリエチレン系樹脂2
0〜90重量部、及び、エチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体80〜10重量部からなる樹脂組成物を、
中空メーサ型に成形した後、放射線照射を行って得られ
ることを特徴とするキーパッドである。
【0017】上記エチレン以外のα−オレフィンとして
は特に限定されないが、α−オレフィンの炭素数が4〜
8であるものが好ましい。炭素数が4未満であると、力
学的強度が不足し、8を超えると、キーパッドの柔軟性
及び伸びが不足する。α−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン等が挙げられる。
【0018】上記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.8
40〜0.925g/cm3 に限定される。0.840
g/cm3 未満であると、上記ポリエチレン系樹脂の結
晶性が低下し、成形して得られるキーパッドの機械的強
度が低下し、0.925g/cm3 を超えると、成形し
て得られるキーパッドの柔軟性及び伸びが不足するの
で、上記範囲に限定される。ポリエチレン系樹脂の密度
は、好ましくは、0.860〜0.910g/cm3
ある。
【0019】本発明で使用されるポリエチレン系樹脂と
しては、チグラー−ナッタ触媒、又は、4価の遷移金属
を含むメタロセン化合物を触媒として、エチレンとエチ
レン以外のα−オレフィンとから得られる共重合体であ
るものが好ましい。
【0020】上記チグラー−ナッタ触媒としては、以下
のようなものが挙げられる。a)活性形のハロゲン化マ
グネシウム上に支持された、少なくとも1つのチタン−
ハロゲン結合を有するチタン化合物及び電子供与体化合
物からなる固体触媒成分、b)Al−アルキル化合物、
及び、c)けい素に結合した少なくとも1個のシクロペ
ンチル基、及び、けい素に結合した1個以上の−OR基
(ここでRは、炭素数1〜18のアルキル、炭素数3〜
18のシクロアルキル、炭素数6〜18のアリール、又
は、炭素数7〜18のアラルキル基である。)を含むシ
ランから選択された外部電子供与体化合物を接触させる
ことにより得られる触媒がある。
【0021】上記4価の遷移金属としては特に限定され
ず、例えば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジ
ウム、ハフニウム、白金等が挙げられる。上記メタロセ
ン化合物としては、上記4価の遷移金属に、例えば、1
つ以上のシクロペンタジエニル環、その類縁体等がリガ
ンドとして存在する化合物が挙げられる。
【0022】上記リガンドとしては特に限定されず、例
えば、シクロペンタジエニル環;炭化水素基、置換炭化
水素基、炭化水素−置換メタロイド基により置換された
シクロペンタジエニル環;シクロペンタジエニルオリゴ
マー環;インデニル環;炭化水素基、置換炭化水素基、
炭化水素−置換メタロイド基により置換されたインデニ
ル環等が挙げられる。
【0023】上記シクロペンタジエニル環及び上記類縁
体以外のリガンドとしては、例えば、塩素、臭素等の一
価のアニオンリガンド;二価のアニオンキレートリガン
ド;炭化水素基;アルコキシド;アリールアミド;アリ
ールオキシド;アミド;アリールアミド;ホスフィド;
アリールホスフィド等が挙げられる。上記炭化水素基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブ
チル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、セチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基等が
挙げられる。
【0024】上記リガンドが配位したメタロセン化合物
としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリル
テトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチル
アミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラ
メチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミド
ハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジ
ルコニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフ
ニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメ
チルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチル
アミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロ
ピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブ
チルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられ
る。
【0025】上記共重合は、通常上記メタロセン化合物
に、例えば、メチルアルミノキサン、ほう素系化合物等
の共触媒を加えた触媒系で行われる。上記共触媒の添加
量は、上記メタロセン化合物に対して、10〜100万
モル倍が好ましい。より好ましくは、50〜5千モル倍
である。
【0026】上記共重合の方法としては特に限定され
ず、例えば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に
不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法等が挙
げられる。重合温度は、−100〜300℃が好まし
く、重合圧力は、常圧〜100kg/cm2 が好まし
い。
【0027】上記メタロセン化合物を触媒に用いて重合
されたポリエチレン系樹脂は、分子量分布が狭く、特に
共重合体ではどの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等
しい割合で導入されている。このようなポリエチレン系
樹脂としては、例えば、ダウ・ケミカル社製「ENGA
GE」、「AFFINITY」、エクソン・ケミカル社
製「EXACT」等が市販されている。
【0028】本発明1で使用される樹脂組成物には、柔
軟性や各種物性を改善するために、その流動性を損なわ
ない範囲でゴム成分、熱可塑性エラストマー等を配合し
てもよい。上記ゴム成分としては特に限定されず、例え
ば、シリコーンゴム、ニトリルゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、アクリルゴム、ふっ素ゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、多硫化ゴム、天然ゴム等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】上記熱可塑性エラストマーとしては特に限
定されず、例えば、アミド系エラストマー、エステル系
エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系
エラストマー、ふっ素系エラストマー、塩素系エラスト
マー、塩化ビニル系エラストマー、アクリル酸系エラス
トマー、メタクリル酸系エラストマー、スチレン系エラ
ストマー等の合成樹脂が挙げられる。これらは2種以上
を併用してもよく、また、熱可塑性樹脂と混合して使用
してもよい。
【0030】本発明1で使用されるエチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体(以下「EPDM」という)
は、ムーニー粘度30〜120(ML1+4 (100
℃))であるものが好ましい。ムーニー粘度が30未満
であると、力学的物性が不充分となり、120を超える
と流動性が不足し、樹脂組成物の成形が困難になる。
【0031】上記EPDMに使用するジエン成分として
は、エチリデンノルボルネンが好ましい。上記EPDM
中のプロピレン含有量は、20〜60重量%が好まし
い。プロピレン含有量が20重量%未満であると、力学
的強度が不足し、60重量%を超えると、放射線照射に
より架橋した場合に分解が起こる。
【0032】本発明1では、上記ポリエチレン系樹脂2
0〜90重量部と上記EPDM80〜10重量部とを混
練して樹脂組成物とする。上記EPDMが80重量部を
超えると、溶融成形が困難になり、10重量部未満であ
ると、ゴム成分である上記EPDM添加の効果が見られ
ず、柔軟性が不足するので、上記範囲に限定される。好
ましくは、上記ポリエチレン系樹脂30〜90重量部に
対して、上記EPDM70〜10重量部である。
【0033】上記樹脂組成物は、上記ポリエチレン系樹
脂と上記EPDMとを、例えば、バンバリーミキサー、
ブラベンダーミキサー、一軸又は二軸の押出機等を使用
して溶融混練して得られる。
【0034】上記EPDMが上記ポリエチレン系樹脂に
分散した後、上記EPDMを架橋させてもよく、架橋微
粒子状態にある上記EPDMを上記ポリエチレン系樹脂
と溶融混練してもよい。上記溶融混練温度は、100〜
300℃が好ましい。
【0035】上記EPDMの架橋方法としては、通常E
PDMの架橋に適用される方法であれば特に限定されな
い。好ましくは、硫黄加硫、過酸化物架橋、フェノール
樹脂加硫等である。上記EPDMの架橋は、例えば、
「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助編、大成
社)に例示されている方法に従って行えばよい。
【0036】上記樹脂組成物には、通常ゴムに使用され
る老化防止剤、EPR用可塑剤、カーボンブラック、炭
酸カルシウム等の充填剤、難燃剤、着色料、顔料等の添
加剤を配合してもよい。上記老化防止剤としては特に限
定されず、例えば、オクチル化ジフェニルアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’
(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のア
ミン、その誘導体;2−メルカプトベンゾイミダゾール
等のイミダゾール類;2,5−ジ−t−アミルハイドロ
キノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル等のフェノール類等が挙げられる。
【0037】上記可塑剤としては、芳香族系炭化水素、
ナフテン系炭化水素、パラフィン系炭化水素等の混合物
である石油系配合油が挙げられる。上記石油系配合油と
しては特に限定されず、例えば、芳香族炭素数が全炭素
数の35%以上であるもの(芳香族系配合油)、ナフテ
ン環炭素数が全炭素数の30〜45%以上であるもの
(ナフテン系配合油)、パラフィン鎖炭素数が全炭素数
の50%以上であるもの(パラフィン系配合油)等が挙
げられる。上記石油系配合油の添加量は、上記EPDM
100重量部に対して、5〜100重量部が好ましい。
【0038】本発明1のキーパッドは、上記樹脂組成物
を中空メーサ型に成形した後、放射線照射を行い、上記
樹脂組成物中にある材料分子鎖間の一部を架橋させるこ
とにより打鍵耐久性を賦与して得られる。上記放射線と
しては特に限定されず、例えば、X線、α線、β線、γ
線、電子線、陽子線、重陽子線等が挙げられ、中でも電
子線が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を組み合わせてもよい。上記放射線の照射は、適度の
線量及び照射量で行われるが、照射量0.1〜100M
radが好ましい。0.1Mrad未満であると物性の
改良がなされず、100Mradを超えると、樹脂の劣
化が生じる。より好ましくは、0.1〜70Mradで
ある。
【0039】上記樹脂組成物の成形方法としては特に限
定されず、溶融混練した後、例えば、プレス成形、射出
成形等により成形すればよい。予め上記樹脂組成物を押
出成形等でシート状に成形しておき、次いでこれを真空
成形、圧縮成形で成形してもよい。また、射出成形、押
出成形の場合には、溶融混練を行わずにドライブレンド
による配合により上記樹脂組成物を調製してもよい。最
終製品の必要に応じて、2色成形法等を採用してもよ
い。
【0040】請求項2記載の発明(以下、本発明2とい
う。)は、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンと
の共重合体であって、密度が0.840〜0.925g
/cm3 であるポリエチレン系樹脂20〜90重量部、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体80〜10
重量部、及び、該ポリエチレン系樹脂と該エチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体の合計100重量部に対
して多官能性モノマー0.3〜5重量部、からなる樹脂
組成物を、中空メーサ型に成形した後、0.01〜50
Mradの電子線照射を行って得られることを特徴とす
るキーパッドである。
【0041】本発明2で使用されるポリエチレン系樹脂
は、本発明1で使用されるポリエチレン系樹脂と同様で
ある。
【0042】上記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.8
40〜0.925g/cm3 に限定される。0.840
g/cm3 未満であると、上記ポリエチレン系樹脂の結
晶性が低下し、成形して得られるキーパッドの機械的強
度が低下し、0.925g/cm3 を超えると、成形し
て得られるキーパッドの柔軟性及び伸びが不足するの
で、上記範囲に限定される。ポリエチレン系樹脂の密度
は、好ましくは、0.860〜0.910g/cm3
ある。
【0043】また、本発明2で使用されるポリエチレン
系樹脂は、示差走査熱量計(DSC)における結晶融解
ピークが1つであり、融解ピーク温度より全結晶が融解
し終わるまでの温度幅が30℃以内であるものが好まし
い。より好ましくは25℃以内である。結晶融解ピーク
が複数個存在するということは、結晶性の異なる成分が
複数個存在することを意味し、その場合、成形時溶融樹
脂の粘度にむらを生じ、均一なキーパッドを得にくくな
る。また、融解ピークが1つであっても、融解ピーク温
度から全結晶が融解し終わるまでの温度の幅が30℃を
越えると、ポリエチレン分子間で結晶性の高いものと低
いものとの結晶性の差が大きくなり、やはり、成形時溶
融樹脂の粘度にむらを生じ、均一なキーパッドを得にく
くなる。
【0044】上記の示差走査熱量分析は以下の方法で行
うものである。10mg程度のポリエチレン系樹脂サン
プルを、白金パンに入れ、示差走査熱量計(DSC)
(SSC5200型:セイコー電子社製)にて測定す
る。測定条件はサンプルを一度溶融させた後、5℃/分
の速度で−50℃まで冷却させ、それから5℃/分の速
度で昇温して測定する。
【0045】また、本発明2で使用されるポリエチレン
系樹脂はクロス分別法により測定された重量平均分子量
/数平均分子量の値が1.5〜3.5の範囲内にあるも
のが好ましい。さらに好ましくは1.7〜3.0であ
る。この値が1.5未満であるとキーパッドの強度は向
上されるが、樹脂が溶融時に流れにくくなり、成形が難
しくなる。一方この値が3.5を越えると分子量の低い
分子、高い分子の存在比率が高くなり、成形時溶融樹脂
の粘度にむらがあり均一なキーパッドが得られ難くな
る。さらに、分子量の低い分子の比率が高くなると構造
中の結晶のうち、架橋点として有効に働かないものの比
率が高くなるため、柔軟性に優れたキーパッドが得られ
難くなる。
【0046】上記のクロス分別法は、以下の方法で行う
ものである。ポリエチレン系樹脂をまず140℃あるい
はポリエチレン系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジク
ロロベンゼンに溶解し、一定速度で冷却し、あらかじめ
用意した不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高
い順に生成させる。次に温度を連続または段階状に昇温
し、順次溶出した成分の濃度を検出し、組成分布(結晶
性分布)を測定する(温度上昇溶離分別)と共に順次溶
出した成分を高温型GPCにより分子量、分子量分布測
定する。本発明2では、上述した温度上昇溶離分別( T
REF=Temperature Rising Elution Fractionation)
部分と高温GPC( SEC=Size Exclusion Chromatog
raph) 部分とをシステムとして備えているクロス分別ク
ロマトグラフ装置(CFC−T150A型:三菱油化社
製)を使用し、上述データを測定する。
【0047】本発明2で使用されるポリエチレン系樹脂
は、既に上記のクロス分別法により10重量%溶出した
ときの温度から100重量%溶出終了したときの温度の
幅が40℃以下のものが好ましい。より好ましくは30
℃以下であるものである。温度幅が40℃以上である
と、ポリエチレン系樹脂の中に結晶性の高い成分と低い
成分が同時に存在することになり、成形時溶融樹脂の粘
度にむらがあり均一なキーパッドを得難くなる。
【0048】従って、本発明2で使用されるポリエチレ
ン系樹脂は、密度が0.840〜0.925g/cm3
で且つ、DSCにおける結晶融解ピークが1つであり、
融解ピーク温度より全結晶が融解し終わるまでの温度幅
が30℃以内であり且つ、クロス分別法によって重量平
均分子量/数平均分子量の値が1.5〜3.5であり且
つ、クロス分別法によって10重量%溶出したときの温
度から100重量%溶出終了したときの温度の幅が40
℃以下であるものが特に好ましい。
【0049】また、本発明2で使用されるポリエチレン
系樹脂は、密度が0.840〜0.910g/cm3
且つ、DSCにおける結晶融解ピークが1つであり、融
解ピーク温度より全結晶が融解し終わるまでの温度幅が
25℃以内であり且つ、クロス分別法によって重量平均
分子量/数平均分子量の値が1.7〜3.0であり且
つ、クロス分別法によって10重量%溶出したときの温
度から100重量%溶出終了したときの温度の幅が30
℃以下であるものが、更に特に好ましい。
【0050】本発明2で使用されるエチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体は、本発明1で使用されるエチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体と同様である。
そのムーニー粘度は30〜120(ML1+4 (100
℃))であるものが好ましい。ムーニー粘度が30未満
であると、力学的物性が不充分となり、120を超える
と流動性が不足し、樹脂組成物の成形が困難になる。
【0051】上記EPDM中のプロピレン含有量は、2
0〜60重量%が好ましい。プロピレン含有量が20重
量%未満であると、力学的強度が不足し、60重量%を
超えると、放射線照射により架橋した場合に分解が起こ
る。
【0052】本発明2では、上記ポリエチレン系樹脂2
0〜90重量部と上記EPDM80〜10重量部とを配
合する。上記EPDMが80重量部を超えると、溶融成
形が困難になり、10重量部未満であると、ゴム成分で
ある上記EPDM添加の効果が見られず、柔軟性、耐ク
リープ性が不足するので、上記範囲に限定される。好ま
しくは、上記ポリエチレン系樹脂30〜90重量部に対
して、上記EPDM70〜10重量部である。
【0053】本発明2で用いられる多官能性モノマー
は、後述の電子線照射によって、樹脂組成物中にある材
料分子鎖間を架橋させる際の架橋補助剤として使用され
る。本発明2で用いられる多官能性モノマーとしては、
特に限定されず、例えば、(イソ)シアヌール酸のジ又
はトリアリルエステル、カルボン酸のポリアリルエステ
ル、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルキシ基を
3個以上有する化合物、プロパギル基を2個以上有する
化合物等が挙げられる。
【0054】上記(イソ)シアヌール酸のジ又はトリア
リルエステルとしては、例えば、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0055】上記カルボン酸のポリアリルエステルとし
ては、例えば、トリメリット酸トリアリルエステル、ト
リメシン酸トリアリルエステル、ピロメリット酸トリア
リルエステル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸トリア
リルエステル、しゅう酸ジアリル、こはく酸ジアリル、
アジピン酸ジアリル等が挙げられる。
【0056】上記アクリロイルオキシ基又はメタクリロ
イルキシ基を3個以上有する化合物としては、例えば、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、1,2,3−プロパントリオール
トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルオキ
シベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト等が挙げられる。
【0057】上記プロパギル基を2個以上有する化合物
としては、例えば、フタル酸ジプロパルギル、イソフタ
ル酸ジプロパルギル、テレフタル酸ジプロパルギル、ト
リメジン酸トリプロパルギル、イタコン酸ジプロパルギ
ル、マレイン酸ジプロパルギル等が挙げられる。
【0058】上述のほかに、過酸化ベンゾイル等のラジ
カル発生剤、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール
ジ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーを用いて
もよい。
【0059】上記多官能性モノマーの種類、量は、電子
線照射量により適宜選択、調整されるが、添加量は前記
ポリエチレン系樹脂と前記エチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合体の合計100重量部に対して0.3〜5
重量部の範囲に限定される。多官能性モノマーの量が
0.3重量部未満の場合、架橋補助剤としての効果が不
十分であり、キーパッドのクリック率、耐久性が不十分
となり、5重量部を越えると多官能性モノマーのブリー
ドが起こり、キーパッドの表面のべとつきが生じる。多
官能性モノマーの種類としてトリメチロールプロパント
リアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレートが効率
的に架橋を推進させるので特に好ましい。
【0060】本発明2の樹脂組成物は、上記ポリエチレ
ン系樹脂と上記EPDMと上記多官能性モノマーとを、
例えば、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、
一軸又は二軸の押出機等を使用して溶融混練して得られ
る。溶融混練温度は通常100〜300℃が好ましい。
【0061】上記EPDMが上記ポリエチレン系樹脂に
分散した後、上記EPDMを架橋させてもよく、架橋微
粒子状態にある上記EPDMを上記ポリエチレン系樹脂
と溶融混練してもよい。上記溶融混練温度は、100〜
300℃が好ましい。
【0062】上記EPDMの架橋方法としては、通常E
PDMの架橋に適用される方法であれば特に限定されな
い。好ましくは、硫黄加硫、過酸化物架橋、フェノール
樹脂加硫等である。上記EPDMの架橋は、例えば、
「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助編、大成
社)に例示されている方法に従って行えばよい。
【0063】本発明2で使用される樹脂組成物には、柔
軟性や各種物性を改善するために、溶融成形できる範囲
でゴム成分、熱可塑性エラストマー等を配合してもよ
い。上記ゴム成分、熱可塑性エラストマー等としては本
発明1で例示したものと同様なものが挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂と混合して
使用してもよい。
【0064】上記ゴム成分の添加量は上記ポリエチレン
系樹脂100重量部に対して20〜75重量部が好まし
い。ゴム成分の添加量が20重量部未満になると、ゴム
成分の添加効果がみられず、75重量部を越えると成形
が困難となる。
【0065】上記樹脂組成物には、通常ゴムに使用され
る老化防止剤、EPR用可塑剤、カーボンブラック、炭
酸カルシウム等の充填剤、難燃剤、着色料、顔料等の添
加剤を配合してもよい。上記老化防止剤、可塑剤等の例
としては、本発明1で例示したものと同様である。可塑
剤として石油系配合油を使用する場合、その添加量は、
上記EPDM100重量部に対して、5〜100重量部
が好ましい。
【0066】本発明2のキーパッドは、上記樹脂組成物
を中空メーサ型に成形した後、電子線照射を行い、上記
樹脂組成物中にある材料分子鎖間の一部を架橋させるこ
とにより打鍵耐久性を賦与して得られる。上記電子線の
照射量は、成形体の形状によって異なるが、0.1〜5
0Mradに限定される。0.1Mrad未満であると
ポリエチレン系樹脂の架橋度が上がらないため、耐クリ
ープ性などの力学的特性において不十分となり、50M
radを越えると、架橋度が高くなりすぎ、柔軟性が損
なわれ、ゴム弾性において劣るものとなる。より好まし
くは、0.5〜10Mradである。
【0067】上記樹脂組成物の成形方法としては特に限
定されず、溶融混練した後、例えば、プレス成形、射出
成形等により成形すればよい。予め上記樹脂組成物を押
出成形等でシート状に成形しておき、次いでこれを真空
成形、圧縮成形で成形してもよい。また、射出成形、押
出成形の場合には、溶融混練を行わずにドライブレンド
による配合により上記樹脂組成物を調製してもよい。最
終製品の必要に応じて、2色成形法等を採用してもよ
い。
【0068】なお、本発明2において、樹脂組成物を成
形して得られるキーパッドに電子線照射を行うことによ
って、軽い押し圧感と良好なクリック感が発現するが、
その理由は明確ではないが、電子線照射によって、ポリ
エチレンの非晶相であるソフトセグメントが架橋すると
ともに結晶相であるハードセグメントの一部が架橋され
ることによってハードセグメントの凍結が緩和されるた
めと考えられる。
【0069】また、本発明2で用いる樹脂組成物は架橋
補助剤として、多官能性モノマーを0.3重量部〜5重
量部含んでいるので、電子線の照射によって効率的に分
子間が架橋するので軽い押し圧感、良好なクリック感、
優れた耐久性が発現したものと考えられる。
【0070】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0071】キーパッドは、各実施例で得られたペレッ
ト状樹脂サンプルを乾燥(70℃×3時間)した後、射
出成形により図1に示すようなキーパッド成形品とし
た。なお、キーパッド成形品の寸法は以下の通りであ
る。 キーパッド周辺部1:高さ1.5mm スカート部2:厚み150μm、長さ約1.4mm キートップ3:上面部10×8mm、厚み4.5mm
【0072】射出成形条件は、次の通りである。 射出成形機:東芝機械社製、EPN−IS30(30
t) 射出圧:1500kgf/cm2 金型温度:30℃、シリンダー温度160〜210℃
【0073】各種物性は、以下の方法を用い測定した。 動作荷重 キーパッド成形品は、アイコーエンジニアリング社製、
微少荷重測定機(MODEL 1305D)を用いて動
作荷重の測定を行った。また、動作荷重より、クリック
率を以下の式により求めた。 クリック率(A)(%)=(P1 −P2 )÷P1 ×10
0 クリック率(B)(%)=(P1 −P4 )÷P1 ×10
0 動作荷重保持率 打鍵耐久性の評価として、60℃の恒温漕内で上記荷重
測定機を用い、キーパッド成形品の押し釦部に1回あた
り1kgfの力で、3mmのストロークで作用させ、作
用速度は20rpm(押圧時1秒停止)で、耐久テスト
回数は2万回とした。試験前のP1 値と2万回目のP1
値を測定し、次式により動作荷重保持率を求めた。 動作荷重保持率(%)=(2万回目のP1 値/試験前の
1 値)×100
【0074】実施例1 ブラベンダープラストグラフを用いて重合触媒としてメ
タロセン化合物を用いて重合した密度0.868g/c
3 のポリエチレン系樹脂(ダウケミカル社製、ENG
AGE EG8150)85重量部、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体ゴムとして日本合成ゴム社
製、EP37C(プロピレン含量40重量%、第三成分
エチリデンノルボルネン、ムーニー粘度ML1+4 (10
0℃)100)15重量部を、90rpm、180℃で
15分間混練した。得られた樹脂組成物を190℃で射
出成形によりキーパッド成形品とした。得られた成形体
に5Mradの電子線照射を行い、得られたキーパッド
成形体の動作荷重、動作荷重保持率を測定した。結果を
表1に示した。
【0075】実施例2 ブラベンダープラストグラフを用いて重合触媒としてメ
タロセン化合物を用いて重合した密度0.902g/c
3 のポリエチレン系樹脂(ダウケミカル社製、AFF
INITY PL1880)30重量部、エチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体ゴムとして日本合成ゴム
社製、EP35C(プロピレン含量43重量%、第三成
分エチリデンノルボルネン、ムーニー粘度ML1+4 (1
00℃)83)70重量部を、90rpm、180℃で
15分間混練した。得られた樹脂組成物を190℃で射
出成形によりキーパッド成形品とした。得られた成形体
に20Mradの電子線照射を行い、得られたキーパッ
ド成形体の動作荷重、動作荷重保持率を測定した。結果
を表1に示した。
【0076】実施例3 ブラベンダープラストグラフを用いて重合触媒としてメ
タロセン化合物を用いて重合した密度0.905g/c
3 のポリエチレン系樹脂(エクソン・ケミカル社製、
EXACT 3026)30重量部、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体ゴムとして日本合成ゴム社
製、EP37C(プロピレン含量40重量%、第三成分
エチリデンノルボルネン、ムーニー粘度ML1+4 (10
0℃)100)70重量部を、90rpm、170℃で
5分間混練した。次に架橋剤として1,3−ビス(t−
ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.75重量
部を添加し、さらに10分間混練し、ゴム成分を架橋し
た。得られた樹脂組成物を180℃で射出成形によりキ
ーパッド成形品とした。得られた成形体に60Mrad
の電子線照射を行い、得られたキーパッド成形体の動作
荷重、動作荷重保持率を測定した。結果を表1に示し
た。
【0077】比較例1 ポリエチレン系樹脂を95重量部に、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体ゴムを5重量部にしたこと以
外は、実施例1と同様にして混練、成形、電子線照射を
行った。結果を表1に示した。
【0078】比較例2 ポリエチレン系樹脂を15重量部に、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体ゴムを85重量部にしたこと
以外は、実施例2と同様にして混練、成形、電子線照射
を行ったが、樹脂組成物の流動性が低く、均一なキーパ
ッドを得ることができなかった。結果を表1に示した。
【0079】比較例3 電子線照射をしなかったこと以外は、実施例3と同様に
して混練、成形を行った。結果を表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】以下の実施例4〜7及び比較例4〜9の射
出成形条件は、次の通りである。 射出成形機:東芝機械社製、EPN−IS30(30
t) 射出圧:1500kgf/cm2 金型温度:25℃ シリンダー温度:180℃ ノズル温度:180℃
【0082】実施例4 重合触媒としてメタロセン化合物を用いて重合した密度
0.868g/cm3、重量平均分子量/数平均分子量
(分子量分布)2.1で、クロス分別法の測定結果及
び、示差走査熱量計(DSC)の測定結果が表2のとお
りであるポリエチレン系樹脂(ダウケミカル社製、EN
GAGE EG8150)70重量部、エチレンプロピ
レンジエン三元共重合体(日本合成ゴム社製、EP3
5、プロピレン含量43wt%、第三成分エチリデンノ
ルボルネン、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)83)
30重量部に対し、多官能性モノマーとしてトリメチロ
ールプロパントリアクリレート(TMPTA)4重量
部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール0.3重量部を配合して、125℃で溶融混練
した後、射出成形により、キーパッド成形品とした。得
られた成形体に0.4Mradの電子線照射を行い、得
られたキーパッド成形体の動作荷重、動作荷重保持率を
測定した。結果を表3に示した。なお、表2において、
1 はクロス分別法で測定した場合の10重量%溶出し
たときの温度、T2 はクロス分別法で測定した場合の1
00重量%溶出したときの温度、T3 は示差走査熱量分
析で測定した場合の結晶融解ピーク温度、T4 は示差走
査熱量分析で測定した場合の全結晶が融解し終わるとき
の温度を表している。
【0083】実施例5 重合触媒としてメタロセン化合物を用いて重合した密度
0.870g/cm3、重量平均分子量/数平均分子量
(分子量分布)2.1で、クロス分別法の測定結果及
び、示差走査熱量計(DSC)の測定結果が表2のとお
りであるポリエチレン系樹脂(ダウケミカル社製、EN
GAGE EG8100)50重量部、エチレンプロピ
レンジエン三元共重合体(日本合成ゴム社製、EP37
C、プロピレン含量40wt%、第三成分エチリデンノ
ルボルネン、ムーニー粘度ML1+4(100℃)10
0)50重量部を用い、電子線照射量を1.5Mrad
にし、多官能性モノマーとしてTMPTAの代わりにテ
トラメチロールプロパンテトラアクリレート2重量部配
合した以外は実施例4と同様に成形、評価を行った。結
果を表3に示した。
【0084】実施例6 重合触媒としてメタロセン化合物を用いて重合した密度
0.885g/cm3、重量平均分子量/数平均分子量
(分子量分布)2.1で、クロス分別法の測定結果及
び、示差走査熱量計(DSC)の測定結果が表2のとお
りであるポリエチレン系樹脂(エクソン・ケミカル社
製、EXACT4011)25重量部、エチレンプロピ
レンジエン三元共重合体(日本合成ゴム社製、EP37
C、プロピレン含量40wt%、第三成分エチリデンノ
ルボルネン、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)10
0)75重量部を用い、電子線照射量を8Mradに
し、多官能性モノマーとしてTMPTA0.5重量部配
合した以外は実施例4と同様に成形、評価を行った。結
果を表3に示した。
【0085】実施例7 重合触媒としてメタロセン化合物を用いて重合した密度
0.870g/cm3、重量平均分子量/数平均分子量
(分子量分布)2.1で、クロス分別法の測定結果及
び、示差走査熱量計(DSC)の測定結果が表2のとお
りであるポリエチレン系樹脂(ダウケミカル社製、EN
GAGE EG8100)50重量部、エチレンプロピ
レンジエン三元共重合体(日本合成ゴム社製、EP37
C、プロピレン含量40wt%、第三成分エチリデンノ
ルボルネン、ムーニー粘度ML1+4(100℃)10
0)50重量部を用い、電子線照射量を20Mradに
し、多官能性モノマーとしてTMPTAの代わりにジビ
ニルベンゼン2重量部を配合した以外は実施例4と同様
に成形、評価を行った。結果を表3に示した。
【0086】比較例4 実施例7における電子線照射量を0.05Mradに
し、多官能性モノマーとしてジビニルベンゼンの代わり
にTMPTA2重量部を配合した以外は実施例7と同様
に成形、評価を行った。結果を表3に示した。
【0087】比較例5 実施例7における電子線照射量を60Mradにし、多
官能性モノマーとしてジビニルベンゼンの代わりにTM
PTA2重量部を配合した以外は実施例7と同様に成
形、評価を行った。結果を表3に示した。
【0088】比較例6 実施例7における電子線照射量を8Mradにし、多官
能性モノマーとしてジビニルベンゼンの代わりにTMP
TA0.1重量部を配合した以外は実施例7と同様に成
形、評価を行った。結果を表3に示した。
【0089】比較例7 実施例7における電子線照射量を8Mradにし、多官
能性モノマーとしてジビニルベンゼンの代わりにTMP
TA6重量部を配合した以外は実施例7と同一の条件
で、同様に成形、評価を行った。結果を表3に示した。
成形体は表面がべとつきキーパッドとして用いることは
できなかった。
【0090】比較例8 実施例7において、重合触媒としてメタロセン化合物を
用いて重合した密度0.885g/cm3 、重量平均分
子量/数平均分子量(分子量分布)2.1で、クロス分
別法の測定結果及び、示差走査熱量計(DSC)の測定
結果が表2のとおりであるポリエチレン系樹脂(エクソ
ン・ケミカル社製、EXACT4011)100重量部
のみを用い、電子線照射量を8Mradにし、多官能性
モノマーとしてジビニルベンゼンの代わりにTMPTA
2重量部を配合した以外は実施例7と同様に成形、評価
を行った。結果を表3に示した。
【0091】比較例9 実施例7において、エチレンプロピレンジエン三元共重
合体(日本合成ゴム社製、EP37C、プロピレン含量
40wt%、第三成分エチリデンノルボルネン、ムーニ
ー粘度ML1+4 (100℃)100)100重量部のみ
を用い、電子線照射量を8Mradにし、多官能性モノ
マーとしてジビニルベンゼンの代わりにTMPTA2重
量部を配合した以外は実施例7と同様に成形、評価を行
った。結果を表3に示した。成形体は形状が歪み、キー
パッドとして用いることはできなかった。
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【発明の効果】本発明1及び2のキーパッドは、上述の
構成よりなるので、室温、高温での力学特性、耐熱性、
柔軟性、クリープ特性等に優れており、電子機器等の分
野に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キーパッドの断面図。
【図2】キーパッドの動作荷重の変化を示す図。縦軸
は、動作荷重を表し、横軸は、ストロークを表す。
【符号の説明】
1 キーパッド周辺部 2 スカート部 3 キートップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/16 LCY C08L 23/16 LCY

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンとエチレン以外のα−オレフィ
    ンとの共重合体であって、密度が0.840〜0.92
    5g/cm3 であるポリエチレン系樹脂20〜90重量
    部、及び、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
    80〜10重量部からなる樹脂組成物を、中空メーサ型
    に成形した後、放射線照射を行って得られることを特徴
    とするキーパッド。
  2. 【請求項2】 エチレンとエチレン以外のα−オレフィ
    ンとの共重合体であって、密度が0.840〜0.92
    5g/cm3 であるポリエチレン系樹脂20〜90重量
    部、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体80〜
    10重量部、及び、該ポリエチレン系樹脂と該エチレン
    −プロピレン−ジエン三元共重合体の合計100重量部
    に対して多官能性モノマー0.3〜5重量部、からなる
    樹脂組成物を、中空メーサ型に成形した後、0.01〜
    50Mradの電子線照射を行って得られることを特徴
    とするキーパッド。
JP7001695A 1995-02-06 1995-03-28 キーパッド Pending JPH08277337A (ja)

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JP1777795 1995-02-06
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003327759A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Shin Etsu Chem Co Ltd キーパッド用ゴム組成物及びそれを用いたキーパッド
JP2005126565A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Shin Etsu Chem Co Ltd キーパッド用ゴム組成物及びそれを用いたキーパッド
WO2014199957A1 (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 株式会社朝日ラバー コンタクトスイッチ

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