JPH0827692A - アラミド多層紙およびその製造方法 - Google Patents
アラミド多層紙およびその製造方法Info
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- JPH0827692A JPH0827692A JP15725694A JP15725694A JPH0827692A JP H0827692 A JPH0827692 A JP H0827692A JP 15725694 A JP15725694 A JP 15725694A JP 15725694 A JP15725694 A JP 15725694A JP H0827692 A JPH0827692 A JP H0827692A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 m−アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とか
らなる浸透性(含浸性)の良好な表面層(外層)を有
し、それらの間に少なくとも合成重合体フィブリッドの
みからなる絶縁信頼性の高い緻密な中間層を挟み込んだ
断面構造を持つ新規な多層アラミド紙、ならびに、この
多層アラミド紙を生産性良く製造する方法を提供する。 【構成】 実質的に固形分がm-アラミドフィブリッドと
耐熱性繊維とからなる水性スラリーを抄造した上層(a-
1) と、実質的に固形分がm-アラミド、ポリエステルな
どの合成重合体フィブリッドから水性スラリーを抄造し
た中間層(b) と、実質的に固形分がm-アラミドフィブリ
ッドと耐熱性繊維とからなる水性スラリーを抄造した下
層(a-2) とを、(a-1)/(b)/(a-2) のように積層し、カレ
ンダー加工して多層構造アラミド紙を得る。中間層(b)
内部に熱可塑能性合成重合体フィルムを介在させてもよ
い。
らなる浸透性(含浸性)の良好な表面層(外層)を有
し、それらの間に少なくとも合成重合体フィブリッドの
みからなる絶縁信頼性の高い緻密な中間層を挟み込んだ
断面構造を持つ新規な多層アラミド紙、ならびに、この
多層アラミド紙を生産性良く製造する方法を提供する。 【構成】 実質的に固形分がm-アラミドフィブリッドと
耐熱性繊維とからなる水性スラリーを抄造した上層(a-
1) と、実質的に固形分がm-アラミド、ポリエステルな
どの合成重合体フィブリッドから水性スラリーを抄造し
た中間層(b) と、実質的に固形分がm-アラミドフィブリ
ッドと耐熱性繊維とからなる水性スラリーを抄造した下
層(a-2) とを、(a-1)/(b)/(a-2) のように積層し、カレ
ンダー加工して多層構造アラミド紙を得る。中間層(b)
内部に熱可塑能性合成重合体フィルムを介在させてもよ
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアラミド多層紙お
よびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、上下にm-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とから
なる浸透性にすぐれた表面層(外層)を有し、それらの
間に少なくとも合成重合体フィブリッドのみからなる緻
密な中間層(内層)を挟み込んだ断面構造を持つ新規な
アラミド多層紙、ならびに、該アラミド多層紙を生産性
よく製造する方法に関するものである。
よびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、上下にm-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とから
なる浸透性にすぐれた表面層(外層)を有し、それらの
間に少なくとも合成重合体フィブリッドのみからなる緻
密な中間層(内層)を挟み込んだ断面構造を持つ新規な
アラミド多層紙、ならびに、該アラミド多層紙を生産性
よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アラミド紙は、主として電気絶縁材や薄
葉構造材として使用されており、実質的にアラミド繊維
のみからなるいわゆる不織布型とアラミドフィブリッ
ド、フィブリル化繊維またはこれらと繊維とを湿式で抄
造した合成紙型とがある。後者はさらに、アラミドフィ
ブリッドと繊維とからなる透気性の大きなものと、実質
的にアラミドフィブリッドのみからなる透気性の小さな
ものとに分けられる。
葉構造材として使用されており、実質的にアラミド繊維
のみからなるいわゆる不織布型とアラミドフィブリッ
ド、フィブリル化繊維またはこれらと繊維とを湿式で抄
造した合成紙型とがある。後者はさらに、アラミドフィ
ブリッドと繊維とからなる透気性の大きなものと、実質
的にアラミドフィブリッドのみからなる透気性の小さな
ものとに分けられる。
【0003】透気性の大きなアラミド紙は絶縁油、樹脂
などの浸透(含浸)性に富み、複合化に好都合という長
所があり、これに対し、緻密なアラミド紙は絶縁欠陥な
どが少ないという長所がある。
などの浸透(含浸)性に富み、複合化に好都合という長
所があり、これに対し、緻密なアラミド紙は絶縁欠陥な
どが少ないという長所がある。
【0004】本発明者らは、上記の長所を兼ね備えた絶
縁紙として、上記の2つの層を熱融着した多層構造紙を
提案した(特開昭 61-174497号)。このような多層紙を
製造する場合、2つの層を接着剤で貼り合わせる方法が
あるが、多くの接着剤は耐熱性に乏しく、また、接着剤
が複合化の際の樹脂や油などによりトラブルを引き起こ
すことが多い。このため、上記の如く熱融着させること
が適当と考えられるが、熱収縮率の異なる繊維分の多い
アラミド紙とフィブリッドのみからなるアラミド紙とを
積層し熱融着させようとすると、積層体のカールが発生
するため加工が容易でない等の問題がある。
縁紙として、上記の2つの層を熱融着した多層構造紙を
提案した(特開昭 61-174497号)。このような多層紙を
製造する場合、2つの層を接着剤で貼り合わせる方法が
あるが、多くの接着剤は耐熱性に乏しく、また、接着剤
が複合化の際の樹脂や油などによりトラブルを引き起こ
すことが多い。このため、上記の如く熱融着させること
が適当と考えられるが、熱収縮率の異なる繊維分の多い
アラミド紙とフィブリッドのみからなるアラミド紙とを
積層し熱融着させようとすると、積層体のカールが発生
するため加工が容易でない等の問題がある。
【0005】さらに、アラミド紙とアラミドフィルムと
を貼り合わせた多層紙も提案されているが(例えば特公
平1-55101 号)、微細な多数の凹凸のある透気性の大き
いアラミド紙とフィルムとを貼り合わせようとしても、
接着そのものが困難であり、良好な多層紙を得ることが
難しい。
を貼り合わせた多層紙も提案されているが(例えば特公
平1-55101 号)、微細な多数の凹凸のある透気性の大き
いアラミド紙とフィルムとを貼り合わせようとしても、
接着そのものが困難であり、良好な多層紙を得ることが
難しい。
【0006】本発明の目的は、上記の問題を一挙に解決
し、浸透性にすぐれ、かつ絶縁欠陥等が少なく、しかも
カール等の製造上の問題も少ないアラミド多層紙ならび
にそれを工業的に製造する方法を提供しようとするもの
である。
し、浸透性にすぐれ、かつ絶縁欠陥等が少なく、しかも
カール等の製造上の問題も少ないアラミド多層紙ならび
にそれを工業的に製造する方法を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく研究の結果、浸透(含浸性)と絶縁信頼
性との両方を満足させるには、繊維を含むアラミド紙層
の間に実質上フィブリッドのみからなる層を挟み込んだ
状態でカレンダー加工してなる、浸透性にすぐれた上下
層(外層)と緻密な中間層(内層)とからなる特殊な断
面構造を持つ多層構造紙にするのが最適であることを見
いだし、本発明に到達した。
的を達成すべく研究の結果、浸透(含浸性)と絶縁信頼
性との両方を満足させるには、繊維を含むアラミド紙層
の間に実質上フィブリッドのみからなる層を挟み込んだ
状態でカレンダー加工してなる、浸透性にすぐれた上下
層(外層)と緻密な中間層(内層)とからなる特殊な断
面構造を持つ多層構造紙にするのが最適であることを見
いだし、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明に係るアラミド紙は、
(1) m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄造して
なる浸透性の良好な上層と下層との間に実質的に合成重
合体フィブリッドのみを抄造してなる緻密な中間層が存
在し、かつ、上記3層が一体の紙状に形成されているこ
とを特徴とするアラミド多層紙、および(2) m-アラミド
フィブリッドと耐熱性繊維とを抄造してなる浸透性の良
好な上層と下層との間に実質的に合成重合体フィブリッ
ドのみを抄造してなる緻密な第1中間層と合成重合体の
フィルムからなる緻密な第2中間層とが存在し、好まし
くは2つの上記第1中間層の間に上記第2中間層が挟み
込まれた構造になっており、かつ上記各層が一体の紙状
に形成されていることを特徴とするアラミド多層紙であ
る。
(1) m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄造して
なる浸透性の良好な上層と下層との間に実質的に合成重
合体フィブリッドのみを抄造してなる緻密な中間層が存
在し、かつ、上記3層が一体の紙状に形成されているこ
とを特徴とするアラミド多層紙、および(2) m-アラミド
フィブリッドと耐熱性繊維とを抄造してなる浸透性の良
好な上層と下層との間に実質的に合成重合体フィブリッ
ドのみを抄造してなる緻密な第1中間層と合成重合体の
フィルムからなる緻密な第2中間層とが存在し、好まし
くは2つの上記第1中間層の間に上記第2中間層が挟み
込まれた構造になっており、かつ上記各層が一体の紙状
に形成されていることを特徴とするアラミド多層紙であ
る。
【0009】かかるアラミド紙は、本発明の方法、すな
わち、(A) m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄
造してなる層(a-1) と実質的に合成重合体フィブリッド
のみを抄造してなる層(b) とm-アラミドフィブリッドと
耐熱性繊維とを抄造してなる層(a-2) とを、(a-1)/(b)/
(a-2) の順序に積層し、得られた積層体をカレンダー加
工する方法、(B) 固形分が実質的にm-アラミドフィブリ
ッドと耐熱性繊維とからなる組成物と固形分が実質的に
合成重合体フィブリッドのみからなる組成物とを抄き合
せ、得られた湿紙(または乾燥紙)の2枚を実質的に合
成重合体フィブリッドのみからなる面同士が接するよう
に積層して、カレンダー加工する方法、あるいは (C)固
形分が実質的にm-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
からなる組成物と固形分が実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみからなる組成物とを抄き合わせ、得られた湿紙
(または乾燥紙)の2枚を実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみからなる面同士を突き合わせ、かつ、この両面
の間に合成重合体フィルムを介在させて積層し、カレン
ダー加工することを特徴とする方法、によって製造され
る。
わち、(A) m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄
造してなる層(a-1) と実質的に合成重合体フィブリッド
のみを抄造してなる層(b) とm-アラミドフィブリッドと
耐熱性繊維とを抄造してなる層(a-2) とを、(a-1)/(b)/
(a-2) の順序に積層し、得られた積層体をカレンダー加
工する方法、(B) 固形分が実質的にm-アラミドフィブリ
ッドと耐熱性繊維とからなる組成物と固形分が実質的に
合成重合体フィブリッドのみからなる組成物とを抄き合
せ、得られた湿紙(または乾燥紙)の2枚を実質的に合
成重合体フィブリッドのみからなる面同士が接するよう
に積層して、カレンダー加工する方法、あるいは (C)固
形分が実質的にm-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
からなる組成物と固形分が実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみからなる組成物とを抄き合わせ、得られた湿紙
(または乾燥紙)の2枚を実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみからなる面同士を突き合わせ、かつ、この両面
の間に合成重合体フィルムを介在させて積層し、カレン
ダー加工することを特徴とする方法、によって製造され
る。
【0010】本発明のアラミド多層紙は、必須の構成要
素として、m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とから
抄造した上下層(外層)と実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみを抄造した緻密な中間層(内層)とを含む多層
構造紙である。
素として、m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とから
抄造した上下層(外層)と実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみを抄造した緻密な中間層(内層)とを含む多層
構造紙である。
【0011】本発明において使用するフィブリッドと
は、全芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネ
ートなどの合成重合体の溶液を剪断力下に沈殿・凝固さ
せて得られる抄紙性を有するパルプ状粒子のことであ
り、その性質、形態、製造法等については、特公昭35-1
1851号、特公昭 35-5732号公報などに詳しく記載されて
いる。
は、全芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネ
ートなどの合成重合体の溶液を剪断力下に沈殿・凝固さ
せて得られる抄紙性を有するパルプ状粒子のことであ
り、その性質、形態、製造法等については、特公昭35-1
1851号、特公昭 35-5732号公報などに詳しく記載されて
いる。
【0012】本発明のアラミド多層紙において上層およ
び下層を構成するフィブリッドは、m-アラミドからなる
フィブリッドであり、メタ系の全芳香族ポリアミドから
上記のごとき公知の方法で形成される抄紙性を有するパ
ルプ状粒子である。
び下層を構成するフィブリッドは、m-アラミドからなる
フィブリッドであり、メタ系の全芳香族ポリアミドから
上記のごとき公知の方法で形成される抄紙性を有するパ
ルプ状粒子である。
【0013】m-アラミドフィブリッドを構成するメタ系
の全芳香族ポリアミドとしては、ポリ(m-フェニレンイ
ソフタルアミド)またはそれを主成分とする共重合体ま
たは混合重合体があげられる。このメタ系全芳香族ポリ
アミドに共重合させ得る第3成分としては、例えばテレ
フタル酸、パラフェニレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、シクロヘキシルジアミンなどがあげられ、これ
らの共重合比率はメタ系全芳香族ポリアミドの特性を大
きく損なわない範囲、例えば30モル%以下、とくに2
0モル%以下が好ましい。
の全芳香族ポリアミドとしては、ポリ(m-フェニレンイ
ソフタルアミド)またはそれを主成分とする共重合体ま
たは混合重合体があげられる。このメタ系全芳香族ポリ
アミドに共重合させ得る第3成分としては、例えばテレ
フタル酸、パラフェニレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、シクロヘキシルジアミンなどがあげられ、これ
らの共重合比率はメタ系全芳香族ポリアミドの特性を大
きく損なわない範囲、例えば30モル%以下、とくに2
0モル%以下が好ましい。
【0014】また、本発明において上下層(外層)でm-
アラミドフィブリッドと併用する耐熱性繊維とは、紙の
使用目的に応じた十分な耐熱性を有する素材からなる短
繊維を総称する。好適な耐熱性繊維としては、ポリ(m-
フェニレンイソフタルアミド)で代表されるメタ系全芳
香族ポリアミドの繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタル
アミド)やこれに3,4´- ジアミノジフェニルエーテル
を共重合したポリエーテルアミド等で代表されるパラ系
全芳香族ポリアミドの繊維、耐熱性ポリエステル繊維、
アリレート繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、動物繊
維などがあげられるが、なかでもフィブリッドと同一の
m-アラミドを紡糸・延伸・熱処理した繊維が特に好まし
い。繊維の太さはデニール表示にて、1〜10de、繊維
長は3〜10mmが適当である。かかる耐熱性繊維は単独
で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
アラミドフィブリッドと併用する耐熱性繊維とは、紙の
使用目的に応じた十分な耐熱性を有する素材からなる短
繊維を総称する。好適な耐熱性繊維としては、ポリ(m-
フェニレンイソフタルアミド)で代表されるメタ系全芳
香族ポリアミドの繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタル
アミド)やこれに3,4´- ジアミノジフェニルエーテル
を共重合したポリエーテルアミド等で代表されるパラ系
全芳香族ポリアミドの繊維、耐熱性ポリエステル繊維、
アリレート繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、動物繊
維などがあげられるが、なかでもフィブリッドと同一の
m-アラミドを紡糸・延伸・熱処理した繊維が特に好まし
い。繊維の太さはデニール表示にて、1〜10de、繊維
長は3〜10mmが適当である。かかる耐熱性繊維は単独
で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
【0015】また、本発明では、上下層(外層)におい
て、紙の基本特性を大幅に損なわない限り、例えば30
重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で、m-ア
ラミドフィブリッドと耐熱性繊維以外の他の紙料、例え
ば特公昭 59-16002 号に記載のポリエーテルアミドから
なるパルプ状物、ポリ(p-フェニレンテレフタラミド)
繊維を砕いてフィブリル化したパルプ状短繊維やマイカ
などを添加することもできる。
て、紙の基本特性を大幅に損なわない限り、例えば30
重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で、m-ア
ラミドフィブリッドと耐熱性繊維以外の他の紙料、例え
ば特公昭 59-16002 号に記載のポリエーテルアミドから
なるパルプ状物、ポリ(p-フェニレンテレフタラミド)
繊維を砕いてフィブリル化したパルプ状短繊維やマイカ
などを添加することもできる。
【0016】本発明のアラミド紙における上下層(外
層)の組成は、m-アラミドフィブリッド/耐熱性繊維の
配合比(重量比)を20/80〜80/20、特に30
/70〜70/30の範囲とするのが好ましい。m-アラ
ミドフィブリッドがこれより多いと浸透性、すなわち
油、樹脂などの含浸性が損なわれ、これより少ないと紙
としての基本特性、例えば機械的特性など、が損なわれ
る。
層)の組成は、m-アラミドフィブリッド/耐熱性繊維の
配合比(重量比)を20/80〜80/20、特に30
/70〜70/30の範囲とするのが好ましい。m-アラ
ミドフィブリッドがこれより多いと浸透性、すなわち
油、樹脂などの含浸性が損なわれ、これより少ないと紙
としての基本特性、例えば機械的特性など、が損なわれ
る。
【0017】この上下層は、繊維が20〜80(重量)
%程度含まれるため、比較的粗い構造を持ち紙に良好な
含浸性をもたせると共に、紙としての基本特性を維持す
る機能を有している。
%程度含まれるため、比較的粗い構造を持ち紙に良好な
含浸性をもたせると共に、紙としての基本特性を維持す
る機能を有している。
【0018】一方、中間層は実質的に合成重合体フィブ
リッドのみを抄造してなる緻密な層であるが、ここで使
用するフィブリッドは、上述のm-アラミドフィブリッド
のみならず他の合成重合体のフィブリッドでもよく、例
えば、パラ系全芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレートで代表されるポリエステル、ポリカーボネート
などのフィブリッドも使用可能である。これらのフィブ
リッドは単独で使用してもよく2種以上併用してよい。
リッドのみを抄造してなる緻密な層であるが、ここで使
用するフィブリッドは、上述のm-アラミドフィブリッド
のみならず他の合成重合体のフィブリッドでもよく、例
えば、パラ系全芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレートで代表されるポリエステル、ポリカーボネート
などのフィブリッドも使用可能である。これらのフィブ
リッドは単独で使用してもよく2種以上併用してよい。
【0019】中間層の構成材料としては、その機能と特
性を損なわない範囲で、合成重合体フィブリッドに加
え、少量の他の紙料(例えば繊維等)を含んでも差支え
ない。この場合、中間層における合成重合体フィブリッ
ドの比率は70(重量)%を超える必要があり、80
(重量)%を超えるのが好ましい。
性を損なわない範囲で、合成重合体フィブリッドに加
え、少量の他の紙料(例えば繊維等)を含んでも差支え
ない。この場合、中間層における合成重合体フィブリッ
ドの比率は70(重量)%を超える必要があり、80
(重量)%を超えるのが好ましい。
【0020】本発明によれば、さらに、この中間層内に
熱塑性合成重合体のフィルムを介在させることもでき
る。ここで用いるフィルムとしては、m-アラミドのフィ
ルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム等が用いられるが、特にポリエチレ
ンテレフタレートまたはそれを主成分とする共重合体の
フィルムが好ましい。これらのフィルムの厚さは任意に
選択できる。
熱塑性合成重合体のフィルムを介在させることもでき
る。ここで用いるフィルムとしては、m-アラミドのフィ
ルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム等が用いられるが、特にポリエチレ
ンテレフタレートまたはそれを主成分とする共重合体の
フィルムが好ましい。これらのフィルムの厚さは任意に
選択できる。
【0021】中間層内にフィルムを介在させる場合は、
合成重合体フィブリッドのみの層(第1中間層)を2層
設け、その間にフィルム(第2中間層)を挟み込むよう
に介在させるのが好ましい。すなわち、m-アラミドフィ
ブリッドと耐熱性繊維とからなる浸透性の良好な上下層
(表面層)間に、フィブリッド層/フィルム層/フィブ
リッド層を配した中間層を構成した構造とするのがよ
い。
合成重合体フィブリッドのみの層(第1中間層)を2層
設け、その間にフィルム(第2中間層)を挟み込むよう
に介在させるのが好ましい。すなわち、m-アラミドフィ
ブリッドと耐熱性繊維とからなる浸透性の良好な上下層
(表面層)間に、フィブリッド層/フィルム層/フィブ
リッド層を配した中間層を構成した構造とするのがよ
い。
【0022】本発明のアラミド紙における上記中間層
は、フィブリッド(およびフィルム)によって緻密な
層、例えば密度が1.0 g/cm3 付近またはそれ以上の層、
を形成していることが、本発明の目的を達成する上で好
適である。
は、フィブリッド(およびフィルム)によって緻密な
層、例えば密度が1.0 g/cm3 付近またはそれ以上の層、
を形成していることが、本発明の目的を達成する上で好
適である。
【0023】本発明のアラミド多層紙の厚み、坪量等は
とくに制限されないが、通常、厚み0.01mm 〜1mm 、坪
量 10 〜500g/m2 程度が好ましい。
とくに制限されないが、通常、厚み0.01mm 〜1mm 、坪
量 10 〜500g/m2 程度が好ましい。
【0024】次に、本発明のアラミド多層紙の製造方法
について説明する。
について説明する。
【0025】本発明のアラミド多層紙を製造する1つの
方法は、m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄造
してなる湿紙または乾燥紙(a-1)と実質的に合成重合体
フィブリッドのみを抄造してなる湿紙または乾燥紙(b)
とm-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄造してな
る湿紙または乾燥紙(a-2) とを、抄紙工程またはその後
の段階で、この順序、すなわち(a-1)/ (b) /(a-2)のよ
うに積層し、得られた積層体をカレンダー(熱圧)加工
して一体の紙にする方法である。この際、上下層および
/または中間層となる湿紙または乾燥紙は2層以上重ね
て積層してもよく、また、中間層となる該湿紙または乾
燥紙(b) とフィルムとを重ね合わせて積層してもよい。
方法は、m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄造
してなる湿紙または乾燥紙(a-1)と実質的に合成重合体
フィブリッドのみを抄造してなる湿紙または乾燥紙(b)
とm-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維とを抄造してな
る湿紙または乾燥紙(a-2) とを、抄紙工程またはその後
の段階で、この順序、すなわち(a-1)/ (b) /(a-2)のよ
うに積層し、得られた積層体をカレンダー(熱圧)加工
して一体の紙にする方法である。この際、上下層および
/または中間層となる湿紙または乾燥紙は2層以上重ね
て積層してもよく、また、中間層となる該湿紙または乾
燥紙(b) とフィルムとを重ね合わせて積層してもよい。
【0026】ここでいうカレンダー(熱圧)加工とは、
アラミド紙等を積層して高温高圧でプレス(圧搾)して
一体の紙にすることを総称し、その手段はロールに限定
されない。
アラミド紙等を積層して高温高圧でプレス(圧搾)して
一体の紙にすることを総称し、その手段はロールに限定
されない。
【0027】図1および図4は、この方法の1例であ
り、抄紙工程において抄き合わせ方式で湿紙を(a-1)/
(b) /(a-2)の順序に重ね合わせ、カレンダー加工(図示
せず)して多層紙を製造する場合を示す。
り、抄紙工程において抄き合わせ方式で湿紙を(a-1)/
(b) /(a-2)の順序に重ね合わせ、カレンダー加工(図示
せず)して多層紙を製造する場合を示す。
【0028】本発明のアラミド紙を製造する他の方法
は、固形分が実質的にm-アラミドのフィブリッドと耐熱
性繊維とからなる組成物と固形分が実質的に合成重合体
フィブリッドのみからなる組成物とを抄き合わせ、得ら
れた湿紙または乾燥紙の2枚を抄紙工程で、あるいはそ
の後の段階で後の段階で、フィブリッドのみからなる面
同士が接するように積層してカレンダー加工する方法で
ある。
は、固形分が実質的にm-アラミドのフィブリッドと耐熱
性繊維とからなる組成物と固形分が実質的に合成重合体
フィブリッドのみからなる組成物とを抄き合わせ、得ら
れた湿紙または乾燥紙の2枚を抄紙工程で、あるいはそ
の後の段階で後の段階で、フィブリッドのみからなる面
同士が接するように積層してカレンダー加工する方法で
ある。
【0029】図2には、上記の抄き合わせの例を示せの
例を示すヘッドボックスを備えた抄紙機により上記の抄
き合わせ紙(原紙)が製造される。この方法では、得ら
れた2層構造の原紙をフィブリッド層側同士が互いに接
するように積層してカレンダー加工する。
例を示すヘッドボックスを備えた抄紙機により上記の抄
き合わせ紙(原紙)が製造される。この方法では、得ら
れた2層構造の原紙をフィブリッド層側同士が互いに接
するように積層してカレンダー加工する。
【0030】本発明のアラミド多層紙のうち中間層にフ
ィルムを含む多層紙を製造する方法としては、固形分が
実質的にm-アラミドのフィブリッドと耐熱性繊維とから
なる組成物と固形分が実質的に合成重合体フィブリッド
のみからなる組成物とを抄き合わせ、得られた湿紙また
は乾燥紙の2枚を実質的にフィブリッドのみからなる面
同士を突き合わせ、かつ、この両面の間に合成重合体フ
ィルムを介在させて積層し、カレンダー加工する方法が
適当である。
ィルムを含む多層紙を製造する方法としては、固形分が
実質的にm-アラミドのフィブリッドと耐熱性繊維とから
なる組成物と固形分が実質的に合成重合体フィブリッド
のみからなる組成物とを抄き合わせ、得られた湿紙また
は乾燥紙の2枚を実質的にフィブリッドのみからなる面
同士を突き合わせ、かつ、この両面の間に合成重合体フ
ィルムを介在させて積層し、カレンダー加工する方法が
適当である。
【0031】図3は、図2の方法で製造した2層構造紙
を原紙とし、2枚の原紙の間にフィルムを挟み込むよう
に供給してカレンダー加工する例を示す。図3の例で
は、原紙をロールから引き出す際にそれぞれ反対方法か
ら引き出し、それぞれフィブリッドのみからなる面が内
側に位置するようにしている。
を原紙とし、2枚の原紙の間にフィルムを挟み込むよう
に供給してカレンダー加工する例を示す。図3の例で
は、原紙をロールから引き出す際にそれぞれ反対方法か
ら引き出し、それぞれフィブリッドのみからなる面が内
側に位置するようにしている。
【0032】m-アラミドフィブリッドと耐熱繊維とから
なる湿紙または乾燥紙の間にフィブリッドのみの層を挟
んでカレンダー加工する場合、あらかじめ別個に製造し
たこれらの紙を積層して実施することも出来るが、事前
処理、例えば抄き合わせで実施することも出来、多くの
場合、その方が好ましい。
なる湿紙または乾燥紙の間にフィブリッドのみの層を挟
んでカレンダー加工する場合、あらかじめ別個に製造し
たこれらの紙を積層して実施することも出来るが、事前
処理、例えば抄き合わせで実施することも出来、多くの
場合、その方が好ましい。
【0033】抄き合わせは公知の抄紙方法であり、この
技法を利用して、本発明方法を有利に実施することがで
きる。例えば、図1は、円網抄紙機で抄き合わせにより
3層構造紙を抄造する方法を例示している。図1におい
て、抄造部(1) で固形分がm-アラミドフィブリッドと耐
熱繊維とからなる原料スラリーから上層を抄き上げ、つ
いで、抄造部(2) でフィブリッドのみの原料スラリーか
ら中間層を抄き上げ、引き続き、抄造部(3) でm-アラミ
ドフィブリッドと耐熱繊維とからなる原料スラリーから
下層を抄き上げて、重ね合わせ、3層の湿紙とした後、
濾床から剥離して乾燥機(図示せず)に送り、乾燥後、
カレンダー加工に供する。
技法を利用して、本発明方法を有利に実施することがで
きる。例えば、図1は、円網抄紙機で抄き合わせにより
3層構造紙を抄造する方法を例示している。図1におい
て、抄造部(1) で固形分がm-アラミドフィブリッドと耐
熱繊維とからなる原料スラリーから上層を抄き上げ、つ
いで、抄造部(2) でフィブリッドのみの原料スラリーか
ら中間層を抄き上げ、引き続き、抄造部(3) でm-アラミ
ドフィブリッドと耐熱繊維とからなる原料スラリーから
下層を抄き上げて、重ね合わせ、3層の湿紙とした後、
濾床から剥離して乾燥機(図示せず)に送り、乾燥後、
カレンダー加工に供する。
【0034】図2は、2組のヘッドボックスを備えた傾
斜ワイアー抄紙機により2層構造の原紙を得る例であ
る。図2において、第1のヘッドボックス(4) へ固形分
がm-アラミドフィブリッドと耐熱繊維とからなる原料ス
ラリー(A) を供給して、湿紙(イ)に抄き、この上に第
2のヘッドボックス(5) に送りこまれたフィブリッドの
みの原料スラリー(B) を抄き重ね、積層紙(ロ)とした
後、乾燥機に送る。そして、乾燥後、このような抄き合
わせ紙を2枚用意し、フィブリッドのみの層同士を突き
合わせて重ね合わせ、カレンダー加工する。
斜ワイアー抄紙機により2層構造の原紙を得る例であ
る。図2において、第1のヘッドボックス(4) へ固形分
がm-アラミドフィブリッドと耐熱繊維とからなる原料ス
ラリー(A) を供給して、湿紙(イ)に抄き、この上に第
2のヘッドボックス(5) に送りこまれたフィブリッドの
みの原料スラリー(B) を抄き重ね、積層紙(ロ)とした
後、乾燥機に送る。そして、乾燥後、このような抄き合
わせ紙を2枚用意し、フィブリッドのみの層同士を突き
合わせて重ね合わせ、カレンダー加工する。
【0035】この場合、積層してカレンダー加工する前
にそれぞれを単独でカレンダー加工しておいてもよい。
また、積層カレンダー加工に際し、図3のように抄き合
わせ紙間にフィルムやフィブリッドのみの紙を挟んで実
施することも出来、これが好ましい場合もある。フィル
ムを併用する場合は、製品の目的に合致した、m-アラミ
ド紙より耐熱性が乏しいか、同水準のもの、例えば、m-
アラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン
等のフィルムがとくに好ましく使用される。本発明では
該フィルム素材の耐熱限界一杯、場合によってはこれを
越えた温度での使用を可能にすることがあり、その目的
で用いることも出来る。
にそれぞれを単独でカレンダー加工しておいてもよい。
また、積層カレンダー加工に際し、図3のように抄き合
わせ紙間にフィルムやフィブリッドのみの紙を挟んで実
施することも出来、これが好ましい場合もある。フィル
ムを併用する場合は、製品の目的に合致した、m-アラミ
ド紙より耐熱性が乏しいか、同水準のもの、例えば、m-
アラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン
等のフィルムがとくに好ましく使用される。本発明では
該フィルム素材の耐熱限界一杯、場合によってはこれを
越えた温度での使用を可能にすることがあり、その目的
で用いることも出来る。
【0036】図4は、2つの円網部と1つの長網部とを
備えるコンビネーションマシンで、円網部でフィブリッ
ドと繊維との混合スラリーを、長網部でフィブリッドの
みのスラリーを抄き上げて湿紙で積層する例である。
備えるコンビネーションマシンで、円網部でフィブリッ
ドと繊維との混合スラリーを、長網部でフィブリッドの
みのスラリーを抄き上げて湿紙で積層する例である。
【0037】いずれの場合も、カレンダー加工により各
層が一体化した紙とするが、加工温度は、中間層がアラ
ミドの場合200 ℃〜 350℃、ポリエステルの場合 100〜
200℃が好適であり、圧力(線圧)は10kg/cm 〜500kg/c
mの範囲で適宜選定される。本発明ではカレンダー加工
で中間層が溶融し上下層に含浸することはない。
層が一体化した紙とするが、加工温度は、中間層がアラ
ミドの場合200 ℃〜 350℃、ポリエステルの場合 100〜
200℃が好適であり、圧力(線圧)は10kg/cm 〜500kg/c
mの範囲で適宜選定される。本発明ではカレンダー加工
で中間層が溶融し上下層に含浸することはない。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の方法の具体的な実施態様を
例示し、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
例示し、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0039】[実施例1] (m-アラミドフィブリッドとm-アラミド繊維の製造)特
公昭47-10863号記載の界面重合法によりポリ(m-フェニ
レンイソフタルアミド)のポリマーを製造した。このポ
リマーは N-メチル-2- ピロリドンに溶解して測定した
固有粘度( I. V.) が1.35であり、実質的に無機塩類を
含まないものである。
公昭47-10863号記載の界面重合法によりポリ(m-フェニ
レンイソフタルアミド)のポリマーを製造した。このポ
リマーは N-メチル-2- ピロリドンに溶解して測定した
固有粘度( I. V.) が1.35であり、実質的に無機塩類を
含まないものである。
【0040】このポリマーを特公昭48-17551号公報に記
載の湿式紡糸法によって繊維とした。延伸・熱処理後の
m-アラミド繊維の強度は4.5g/de 、伸度は18%であっ
た。これを長さ 6mmに切断した。
載の湿式紡糸法によって繊維とした。延伸・熱処理後の
m-アラミド繊維の強度は4.5g/de 、伸度は18%であっ
た。これを長さ 6mmに切断した。
【0041】一方、上記のポリマーから特公昭52-15162
1 号公報に記載のステータとロータを組み合わせた沈澱
装置( 直径150mm)を用いてm-アラミドフィブリッドを製
造した。このフィブリッドの濾水度はカナダ標準濾水度
で 90ml であった。 (抄紙およびカレンダー加工)上記フィブリッド0.50g
を家庭用のミキサーで水中に分散させてスラリーとな
し、上記繊維0.75g を同じミキサーで水中に分散させて
スラリーとした。これらのスラリーを混合して大形のタ
ッピー型抄紙機を用いて200mm ×250mm の大きさに抄き
湿紙とした。これを搾水した後、濾床から剥離して、湿
紙を回収した。
1 号公報に記載のステータとロータを組み合わせた沈澱
装置( 直径150mm)を用いてm-アラミドフィブリッドを製
造した。このフィブリッドの濾水度はカナダ標準濾水度
で 90ml であった。 (抄紙およびカレンダー加工)上記フィブリッド0.50g
を家庭用のミキサーで水中に分散させてスラリーとな
し、上記繊維0.75g を同じミキサーで水中に分散させて
スラリーとした。これらのスラリーを混合して大形のタ
ッピー型抄紙機を用いて200mm ×250mm の大きさに抄き
湿紙とした。これを搾水した後、濾床から剥離して、湿
紙を回収した。
【0042】一方、上記フィブリッド1.25g を家庭用の
調理用ミキサーで水中に分散させ、同じ大形のタッピー
型抄紙機を用いて200mm ×250mm の大きさに抄き、湿紙
とした。これを搾水し、その上に上記の回収した湿紙を
重ねて合わせ、更に搾水し、貼り合わせたことを確認し
て2層貼り合わせ湿紙を回収した。
調理用ミキサーで水中に分散させ、同じ大形のタッピー
型抄紙機を用いて200mm ×250mm の大きさに抄き、湿紙
とした。これを搾水し、その上に上記の回収した湿紙を
重ねて合わせ、更に搾水し、貼り合わせたことを確認し
て2層貼り合わせ湿紙を回収した。
【0043】さらに、最初の湿紙と同様に上記フィブリ
ッド0.50g を家庭用の調理用ミキサーで分散させた水性
スラリーと上記繊維 0.75gを同じミキサー分散した水性
スラリーとを、混合して大形のタッピー型抄紙機を用い
て200mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾
水し、その上に上記の2層貼り合わせ湿紙を該湿紙のフ
ィブリッドのみの層を下にして重ね合わせ、更に搾水し
て、貼り合わせを確認して濾床から剥離し、3層貼り合
わせ湿紙を回収した。
ッド0.50g を家庭用の調理用ミキサーで分散させた水性
スラリーと上記繊維 0.75gを同じミキサー分散した水性
スラリーとを、混合して大形のタッピー型抄紙機を用い
て200mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾
水し、その上に上記の2層貼り合わせ湿紙を該湿紙のフ
ィブリッドのみの層を下にして重ね合わせ、更に搾水し
て、貼り合わせを確認して濾床から剥離し、3層貼り合
わせ湿紙を回収した。
【0044】上記の3層貼り合わせ湿紙を、充分に加熱
乾燥後、まず温度250 ℃、線圧 200Kg/cm 2 の条件でカ
レンダー加工し、さらに310 ℃、 10kg/cm2 の条件でカ
レンダー加工した。 (紙の性能)得られたカレンダー積層紙の坪量は 80g/m
2 、強度は6.4kg/mm2 、伸度は13%であった。また絶縁
破壊電圧は34.2V/mmで、その表面に絶縁油を垂らしたと
ころ良好な浸透性を示した。
乾燥後、まず温度250 ℃、線圧 200Kg/cm 2 の条件でカ
レンダー加工し、さらに310 ℃、 10kg/cm2 の条件でカ
レンダー加工した。 (紙の性能)得られたカレンダー積層紙の坪量は 80g/m
2 、強度は6.4kg/mm2 、伸度は13%であった。また絶縁
破壊電圧は34.2V/mmで、その表面に絶縁油を垂らしたと
ころ良好な浸透性を示した。
【0045】[比較例1,2]実施例1と同様にして2.
25g のm-アラミドフィブリッドを水に分散したスラリー
と1.50g のm-アラミド繊維を水に分散して得たスラーリ
ーとを混合して、実施例1と同じ大形のタッピー型抄紙
機を用いて200mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。
これを搾水し、充分に加熱乾燥後、250 ℃、200Kg/cm2
の条件でカレンダー加工し、さらに310 ℃、 10kg/cm2
でカレンダー加工した。
25g のm-アラミドフィブリッドを水に分散したスラリー
と1.50g のm-アラミド繊維を水に分散して得たスラーリ
ーとを混合して、実施例1と同じ大形のタッピー型抄紙
機を用いて200mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。
これを搾水し、充分に加熱乾燥後、250 ℃、200Kg/cm2
の条件でカレンダー加工し、さらに310 ℃、 10kg/cm2
でカレンダー加工した。
【0046】得られた紙の坪量は 81g/m2 、強度は4.8k
g/mm2 、伸度は9 %であった。絶縁破壊電圧は24.8V/mm
であった。
g/mm2 、伸度は9 %であった。絶縁破壊電圧は24.8V/mm
であった。
【0047】また、3.75g のm-アラミドフィブリッドを
水に分散して、大型タッピー型抄紙機を用いて200mm ×
250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾水し、充分
に加熱乾燥後、温度250 ℃、線圧200Kg/cm2 でカレンダ
ー加工し、さらに310 ℃、10kg/cm2 の条件でカレンダ
ー加工した。
水に分散して、大型タッピー型抄紙機を用いて200mm ×
250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾水し、充分
に加熱乾燥後、温度250 ℃、線圧200Kg/cm2 でカレンダ
ー加工し、さらに310 ℃、10kg/cm2 の条件でカレンダ
ー加工した。
【0048】得られた紙の坪量は 95g/m2 で、表面に絶
縁油を垂らしても浸透し難かった。
縁油を垂らしても浸透し難かった。
【0049】[実施例2]実施例1と同じm-アラミドフ
ィブリッドとm-アラミド繊維を用い抄紙を行った。
ィブリッドとm-アラミド繊維を用い抄紙を行った。
【0050】すなわち、フィブリッドを工業用のパルパ
ーで水に分散させ、さらにディスクリファイナーと高速
離解機で処理した。一方、繊維を専用の工業用パルパー
で水に分散させ、上記のフィブリッドのスラリーと混合
した。この際、繊維/パルプ=60/40(重量比) とした。
ーで水に分散させ、さらにディスクリファイナーと高速
離解機で処理した。一方、繊維を専用の工業用パルパー
で水に分散させ、上記のフィブリッドのスラリーと混合
した。この際、繊維/パルプ=60/40(重量比) とした。
【0051】これとは別に、m-アラミドフィブリッドの
みを工業用のパルパーで水に分散させ、さらにディスク
リファイナーと高速離解機で処理した。
みを工業用のパルパーで水に分散させ、さらにディスク
リファイナーと高速離解機で処理した。
【0052】これらの2種のスラリーを抄き合わせるた
めに、円網と長網とを備えたコンビネーション抄紙機で
抄造した。該抄紙機でフィブリッドと繊維との混合スラ
リーを長網で、フィブリッドのみのスラリーを円網で、
それぞれ抄造し、抄き上がり脱水後に両者を重ね合わせ
て坪量 40g/m2 の紙を得た。
めに、円網と長網とを備えたコンビネーション抄紙機で
抄造した。該抄紙機でフィブリッドと繊維との混合スラ
リーを長網で、フィブリッドのみのスラリーを円網で、
それぞれ抄造し、抄き上がり脱水後に両者を重ね合わせ
て坪量 40g/m2 の紙を得た。
【0053】この抄き合わせ紙は、フィブリッドと繊維
の混合層が 20g/m2 、フィブリッドのみの層が 20g/m2
で、得られた紙は乾燥後で、密度 0.302g/cm3 、強度は
MD(縦)方向1.7kg/mm2 、CD(横)方向 1.2kg/m2
であった。
の混合層が 20g/m2 、フィブリッドのみの層が 20g/m2
で、得られた紙は乾燥後で、密度 0.302g/cm3 、強度は
MD(縦)方向1.7kg/mm2 、CD(横)方向 1.2kg/m2
であった。
【0054】引き続き、上記のごとく製造した抄き合わ
せ紙2枚をフィブリッドのみの層を突き合わせて積層
し、280 ℃、200kg/cm の条件でカレンダー加工した。
カレンダーの加工速度は30m/min とした。
せ紙2枚をフィブリッドのみの層を突き合わせて積層
し、280 ℃、200kg/cm の条件でカレンダー加工した。
カレンダーの加工速度は30m/min とした。
【0055】得られた多層紙の引張強度はMD方向 9.4
kg/mm2 、CD方向 6.2kg/m2 、伸度はMD方向14%、
CD方向12%であった。また、BDV( 絶縁破壊電圧)
は49.2KV/mm であり、紙の表面に絶縁油を垂らしたとこ
ろ良く浸透した。
kg/mm2 、CD方向 6.2kg/m2 、伸度はMD方向14%、
CD方向12%であった。また、BDV( 絶縁破壊電圧)
は49.2KV/mm であり、紙の表面に絶縁油を垂らしたとこ
ろ良く浸透した。
【0056】[比較例3]実施例2と同様にフィブリッ
ドを工業用のパルパーで水に分散させ、さらにディスク
リファイナーと高速離解機で処理した。これを上記のコ
ンビネーション抄紙機の長網部を用いて抄紙し、40 g/m
2 の紙を抄き上げた。
ドを工業用のパルパーで水に分散させ、さらにディスク
リファイナーと高速離解機で処理した。これを上記のコ
ンビネーション抄紙機の長網部を用いて抄紙し、40 g/m
2 の紙を抄き上げた。
【0057】これを実施例2と同様に、280 ℃、 200kg
/cm の条件でカレンダー加工した。カレンダーの加工速
度は30m/min とした。
/cm の条件でカレンダー加工した。カレンダーの加工速
度は30m/min とした。
【0058】得られた多層紙の引張強度は、MD方向6.
4kg/mm2 、CD方向3.2kg/mm2 、伸度はMD方向12%、
CD方向10%であった。またBDV( 絶縁破壊電圧) は
15.2KV/mm であり、実施例に比べ劣ったものであった。
4kg/mm2 、CD方向3.2kg/mm2 、伸度はMD方向12%、
CD方向10%であった。またBDV( 絶縁破壊電圧) は
15.2KV/mm であり、実施例に比べ劣ったものであった。
【0059】[実施例3]本実施例はフィルムを含む積
層紙に関するものである。
層紙に関するものである。
【0060】実施例2において抄き上げ、乾燥した抄き
合わせ紙2枚を各紙のフィブリッドのみの層同士を突き
合わせ、その間にポリエステルフィルム(厚さ50μmの
市販のポリエチレンテレフタレートフィルム)を挟み込
んで、230 ℃、 200kg/cm の条件でカレンダー加工し
た。カレンダー加工の速度は20m/min とした。
合わせ紙2枚を各紙のフィブリッドのみの層同士を突き
合わせ、その間にポリエステルフィルム(厚さ50μmの
市販のポリエチレンテレフタレートフィルム)を挟み込
んで、230 ℃、 200kg/cm の条件でカレンダー加工し
た。カレンダー加工の速度は20m/min とした。
【0061】その結果、良好な貼り合わせ紙が得られ
た。該紙の引張強度はMD方向が9.3kg/mm2 、CD方向
が6.2kg/mm2 、伸度はMD方向14%、CD方向13%であ
った。またBDV( 絶縁破壊電圧) は58.2KV/mm であ
り、シート表面に絶縁油を垂らしたところ良好に浸透し
た。
た。該紙の引張強度はMD方向が9.3kg/mm2 、CD方向
が6.2kg/mm2 、伸度はMD方向14%、CD方向13%であ
った。またBDV( 絶縁破壊電圧) は58.2KV/mm であ
り、シート表面に絶縁油を垂らしたところ良好に浸透し
た。
【0062】[比較例4]市販の「Nomex 411」(m-ア
ラミド紙)の間に実施例3と同じポリエステルフィルム
を挟んでカレンダー加工した。180 〜280 ℃、100 〜30
0kg/cmの条件で各種の条件を選びカレンダー加工した
が、貼り合わせシートに気泡や皺が出来、満足な商品価
値のある製品を得るのは困難であった。
ラミド紙)の間に実施例3と同じポリエステルフィルム
を挟んでカレンダー加工した。180 〜280 ℃、100 〜30
0kg/cmの条件で各種の条件を選びカレンダー加工した
が、貼り合わせシートに気泡や皺が出来、満足な商品価
値のある製品を得るのは困難であった。
【0063】[実施例4] (ポリエステルフィブリッドの製造)イソフタル酸ジメ
チル40部、テレフタル酸ジメチル60部とを混合した酸と
エチレングリコールとから固有粘度0.60の共重合ポリエ
ステルを得た。これをN-メチル -2-ピロリドンに溶解し
て20%溶液とし、凝固浴をN-メチル -2-ピロリドンの40
%水溶液として、特公昭52-151621 号公報に記載の沈澱
装置でフィブリッドを製造した。このフィブリッドは、
濾水度がショッパーリグラー法で20゜SR であった。カナ
ディアン標準濾水度では600ml に相当する。 (抄紙およびカレンダー加工)実施例1にならって、実
施例1で製造したm-アラミドのフィブリッドを0.50g秤
取して家庭用の調理用ミキサーで水中に分散し、 0.75g
のm-アラミド繊維を同じミキサーで水中に分散し、両者
を混合して大形のタッピー型抄紙機を用いて200mm ×25
0mm の大きさに抄き、湿紙とした。これを搾水し、濾床
から剥離、アラミド紙を回収した。
チル40部、テレフタル酸ジメチル60部とを混合した酸と
エチレングリコールとから固有粘度0.60の共重合ポリエ
ステルを得た。これをN-メチル -2-ピロリドンに溶解し
て20%溶液とし、凝固浴をN-メチル -2-ピロリドンの40
%水溶液として、特公昭52-151621 号公報に記載の沈澱
装置でフィブリッドを製造した。このフィブリッドは、
濾水度がショッパーリグラー法で20゜SR であった。カナ
ディアン標準濾水度では600ml に相当する。 (抄紙およびカレンダー加工)実施例1にならって、実
施例1で製造したm-アラミドのフィブリッドを0.50g秤
取して家庭用の調理用ミキサーで水中に分散し、 0.75g
のm-アラミド繊維を同じミキサーで水中に分散し、両者
を混合して大形のタッピー型抄紙機を用いて200mm ×25
0mm の大きさに抄き、湿紙とした。これを搾水し、濾床
から剥離、アラミド紙を回収した。
【0064】上記のごとく製造したポリエステルフィブ
リッドを実量で1.25g 秤取し、家庭用の調理用ミキサー
で水中に分散させ、同じ大形のタッピー型抄紙機を用い
て200mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾
水し、その上に上記の回収したアラミド紙を重ねて、更
に搾水し、貼り合わを確認して抄き合わせ紙を回収し
た。これを乾燥し、かくして同種の抄き合わせ紙2枚を
作成した。
リッドを実量で1.25g 秤取し、家庭用の調理用ミキサー
で水中に分散させ、同じ大形のタッピー型抄紙機を用い
て200mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾
水し、その上に上記の回収したアラミド紙を重ねて、更
に搾水し、貼り合わを確認して抄き合わせ紙を回収し
た。これを乾燥し、かくして同種の抄き合わせ紙2枚を
作成した。
【0065】上記の2枚の抄き合わせ紙を、ポリエステ
ルフィブリッドのみの層を突き合わせ、その間にポリエ
ステルフィルム1枚を挟み込み、180 ℃、 200kg/cm の
条件でカレンダーロール間に送り込み、加工速度20m/mi
n でカレンダー加工した。 (製品紙の性能)上記の方法で、良好な貼り合わせシー
ト(多層紙)が得られ、引張強度はMD方向4.8kg/m
m2 、CD方向3.2kg/mm2 、伸度はMD方向18%、CD
方向17%であった。また、BDV( 絶縁破壊電圧) は4
5.5KV/mm であり、表面に絶縁油を垂らした結果良く浸
透した。このサンプルは実施例1のサンプルより油の浸
透が一段と良好であった。
ルフィブリッドのみの層を突き合わせ、その間にポリエ
ステルフィルム1枚を挟み込み、180 ℃、 200kg/cm の
条件でカレンダーロール間に送り込み、加工速度20m/mi
n でカレンダー加工した。 (製品紙の性能)上記の方法で、良好な貼り合わせシー
ト(多層紙)が得られ、引張強度はMD方向4.8kg/m
m2 、CD方向3.2kg/mm2 、伸度はMD方向18%、CD
方向17%であった。また、BDV( 絶縁破壊電圧) は4
5.5KV/mm であり、表面に絶縁油を垂らした結果良く浸
透した。このサンプルは実施例1のサンプルより油の浸
透が一段と良好であった。
【0066】[実施例5]実施例1と同じm-アラミドの
フィブリッドを0.50g 採取し、家庭用の調理用ミキサー
で水中に分散させ、実施例1と同じm-アラミド繊維0.75
g 秤取して同じミキサー分散し、両者を混合して大形の
タッピー型抄紙機を用いて200mm ×250mmの大きさに抄
き湿紙とした。これを搾水し、濾床から剥離、湿紙を回
収した。
フィブリッドを0.50g 採取し、家庭用の調理用ミキサー
で水中に分散させ、実施例1と同じm-アラミド繊維0.75
g 秤取して同じミキサー分散し、両者を混合して大形の
タッピー型抄紙機を用いて200mm ×250mmの大きさに抄
き湿紙とした。これを搾水し、濾床から剥離、湿紙を回
収した。
【0067】一方、実施例4で製造したポリエステルフ
ィブリッド1.25g を家庭用の調理用ミキサーで水中に分
散させ、同じ大形のタッピー型抄紙機を用いて200mm ×
250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾水し、その
上に上記の回収した紙を重ねて更に搾水し、貼り合わせ
を確認して、2層貼り合わせ湿紙として回収した。
ィブリッド1.25g を家庭用の調理用ミキサーで水中に分
散させ、同じ大形のタッピー型抄紙機を用いて200mm ×
250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾水し、その
上に上記の回収した紙を重ねて更に搾水し、貼り合わせ
を確認して、2層貼り合わせ湿紙として回収した。
【0068】さらに、同様の0.50g のm-アラミドフィブ
リッド0.50g を家庭用の調理用ミキサーで水中に分散さ
せ、同様のm-アラミド繊維0.75g を同様に水中に分散
し、両者を混合して大形のタッピー型抄紙機を用いて20
0mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾水
し、上記の2層貼り合わせ湿紙のポリエステルフィブリ
ッドのみの層を下にして重ね、更に搾水して貼り合わせ
を確認して濾床から剥離し、多層紙を回収した。
リッド0.50g を家庭用の調理用ミキサーで水中に分散さ
せ、同様のm-アラミド繊維0.75g を同様に水中に分散
し、両者を混合して大形のタッピー型抄紙機を用いて20
0mm ×250mm の大きさに抄き湿紙とした。これを搾水
し、上記の2層貼り合わせ湿紙のポリエステルフィブリ
ッドのみの層を下にして重ね、更に搾水して貼り合わせ
を確認して濾床から剥離し、多層紙を回収した。
【0069】この多層紙を、充分に加熱乾燥後、150
℃、200 Kg/cm 2 の条件でカレンダー加工した。得られ
た紙の坪量は 81g/m2 、強度は4.2kg/mm2 、伸度は7.5
%であった。絶縁破壊電圧は34.2KV/mm であり、紙の表
面に絶縁油を垂らしたら良好に浸透した。
℃、200 Kg/cm 2 の条件でカレンダー加工した。得られ
た紙の坪量は 81g/m2 、強度は4.2kg/mm2 、伸度は7.5
%であった。絶縁破壊電圧は34.2KV/mm であり、紙の表
面に絶縁油を垂らしたら良好に浸透した。
【0070】[実施例6]実施例5を連続抄紙機を用い
て実施した。用いた抄紙機は、図4に示すような試験用
抄紙機で、2つの円網抄紙部とこの間に長網抄紙部を備
えるコンビネーションマシンである。
て実施した。用いた抄紙機は、図4に示すような試験用
抄紙機で、2つの円網抄紙部とこの間に長網抄紙部を備
えるコンビネーションマシンである。
【0071】実施例3と同様にしてm-アラミドフィブリ
ッドとm-アラミド繊維との混合スラリーを調製し、2つ
の円網抄紙部の原料とした。混合物の濾水度は約35゜SR
(CSF350ml) と推定される。
ッドとm-アラミド繊維との混合スラリーを調製し、2つ
の円網抄紙部の原料とした。混合物の濾水度は約35゜SR
(CSF350ml) と推定される。
【0072】実施例4と同じポリエステルフィブリッド
を高速離解機で処理して分散させてスラリーとし、長網
抄紙部の原料とした。分散処理後のフィブリッドは約30
゜SR(CFS400ml) と推定される。
を高速離解機で処理して分散させてスラリーとし、長網
抄紙部の原料とした。分散処理後のフィブリッドは約30
゜SR(CFS400ml) と推定される。
【0073】それぞれ円網抄紙部で抄いた湿紙と長網抄
紙部で抄いた湿紙とを重ね合わせて搾水し、ヤンキード
ライヤーで乾燥した。円網抄紙部で抄いた層の坪量は 2
0g/m 2 、長網抄紙部で抄いた層の坪量は 40g/m2 であっ
た。
紙部で抄いた湿紙とを重ね合わせて搾水し、ヤンキード
ライヤーで乾燥した。円網抄紙部で抄いた層の坪量は 2
0g/m 2 、長網抄紙部で抄いた層の坪量は 40g/m2 であっ
た。
【0074】得られた乾燥紙の強度はMD方向2.32 Kg/
mm2 CD方向 1.74Kg/mm2 、伸度はそれぞれ3.5 %と2.
8 %であった。
mm2 CD方向 1.74Kg/mm2 、伸度はそれぞれ3.5 %と2.
8 %であった。
【0075】これを180 ℃、200 kg/cm の条件でカレン
ダーロールで熱圧加工した。得られた多層紙の強度はM
D方向24.2 Kg/mm2 CD方向16.8 Kg/mm2 、伸度はそれ
ぞれ8.5 %と7.8 %、BDVは37.8KV/mm であり、表面
に垂らした油を吸収した。
ダーロールで熱圧加工した。得られた多層紙の強度はM
D方向24.2 Kg/mm2 CD方向16.8 Kg/mm2 、伸度はそれ
ぞれ8.5 %と7.8 %、BDVは37.8KV/mm であり、表面
に垂らした油を吸収した。
【0076】
【発明の効果】本発明により、浸透性(含浸性)に優れ
た上下層(外層)と緻密で絶縁欠陥の少ない中間層(内
層)とを有する、例えば絶縁材料用途で複合化が容易で
絶縁信頼性の高い、優れたアラミド多層紙が得られる。
このほか、船舶、航空機用構造材料としての複合化等に
も優れたアラミド多層紙が得られる。
た上下層(外層)と緻密で絶縁欠陥の少ない中間層(内
層)とを有する、例えば絶縁材料用途で複合化が容易で
絶縁信頼性の高い、優れたアラミド多層紙が得られる。
このほか、船舶、航空機用構造材料としての複合化等に
も優れたアラミド多層紙が得られる。
【0077】このような本発明の基本的な効果は、フィ
ブリッドのみの層はフィブリッドと繊維との層に進入し
易いことにより起きていると考えられる。もう一つの効
果はフィブリッドのみの層はフィブリッドと繊維との層
よりも平滑かつ緻密にしやすいことにあると考えられ
る。したがって、本発明の効果はフィブリッド層とフィ
ブリッドと繊維の層を乾燥後に積層プレスすることによ
っても得られるが、湿紙等の濡れた状態で積層して搾水
する(含まれる水が脱水される際にフィブリッドがフィ
ブリッドと繊維の層に食い込みやすいと考えられる)こ
とや、予め抄き上げたフィブリッドと繊維との層にフィ
ブリッドのみの層を重ねて抄き上げることが効果的と考
えられる。
ブリッドのみの層はフィブリッドと繊維との層に進入し
易いことにより起きていると考えられる。もう一つの効
果はフィブリッドのみの層はフィブリッドと繊維との層
よりも平滑かつ緻密にしやすいことにあると考えられ
る。したがって、本発明の効果はフィブリッド層とフィ
ブリッドと繊維の層を乾燥後に積層プレスすることによ
っても得られるが、湿紙等の濡れた状態で積層して搾水
する(含まれる水が脱水される際にフィブリッドがフィ
ブリッドと繊維の層に食い込みやすいと考えられる)こ
とや、予め抄き上げたフィブリッドと繊維との層にフィ
ブリッドのみの層を重ねて抄き上げることが効果的と考
えられる。
【0078】このような本発明のアラミド紙は、変圧
器、電動機、チョークコイル等の巻線関係の絶縁物やプ
リント基板などの電気絶縁材料、ハニカムコア材、その
他の構造材料として有用である。
器、電動機、チョークコイル等の巻線関係の絶縁物やプ
リント基板などの電気絶縁材料、ハニカムコア材、その
他の構造材料として有用である。
【図1】円網から原紙を抄き上げる例を示す模式図であ
り、m-アラミドフィブリッドと繊維との混合スラリーか
ら表面層(外層)を抄き上げ、その上に抄き上げたフィ
ブリッドのみのスラリーからの中間層を重ね、さらにそ
の上にm-アラミドフィブリッドと繊維との表面層(外
層)層を抄き上げて重ね、3層として乾燥機に送り出す
例を示す。
り、m-アラミドフィブリッドと繊維との混合スラリーか
ら表面層(外層)を抄き上げ、その上に抄き上げたフィ
ブリッドのみのスラリーからの中間層を重ね、さらにそ
の上にm-アラミドフィブリッドと繊維との表面層(外
層)層を抄き上げて重ね、3層として乾燥機に送り出す
例を示す。
【図2】2組のヘッドボックスを持つ傾斜ワィヤー抄紙
機で2層の原紙を抄き上げる模式図であり、m-アラミド
フィブリッドと繊維との混合層を抄き上げ、これに重ね
て第2ヘッドボックスで送り込まれたフィブリッドのみ
のスラリーを重ねて抄き上げる例を示す。
機で2層の原紙を抄き上げる模式図であり、m-アラミド
フィブリッドと繊維との混合層を抄き上げ、これに重ね
て第2ヘッドボックスで送り込まれたフィブリッドのみ
のスラリーを重ねて抄き上げる例を示す。
【図3】カレンダー加工の模式図であり、予め抄き上げ
た2層の原紙をフィブリッド層を突き合わせて重ね合わ
せ、その間にフィルムを挿入してカレンダー加工する例
を示す。
た2層の原紙をフィブリッド層を突き合わせて重ね合わ
せ、その間にフィルムを挿入してカレンダー加工する例
を示す。
【図4】実施例6で用いるコンビネーションマシンの模
式図であり、2つの円網と1つの長網を備え、円網でm-
アラミドフィブリッドと繊維との混合スラリー、長網で
フィブリッドのみのスラリーを抄き上げて、湿紙で貼り
合わせる方式を示す。
式図であり、2つの円網と1つの長網を備え、円網でm-
アラミドフィブリッドと繊維との混合スラリー、長網で
フィブリッドのみのスラリーを抄き上げて、湿紙で貼り
合わせる方式を示す。
1…m-アラミドフィブリッドと繊維とのスラリーから表
面層(外層)を抄き上げる部分 2…抄き上げたフィブリッドのみの層を重ねる部分 3…他の表面層(外層)となるm-アラミドフィブリッド
と繊維との層をスラリーから抄き上げて重ね、3層とし
て乾燥機に送り出す部分、4,5…ヘッドボックス
面層(外層)を抄き上げる部分 2…抄き上げたフィブリッドのみの層を重ねる部分 3…他の表面層(外層)となるm-アラミドフィブリッド
と繊維との層をスラリーから抄き上げて重ね、3層とし
て乾燥機に送り出す部分、4,5…ヘッドボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/30 (72)発明者 本元 博行 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 涌本 好士 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内
Claims (6)
- 【請求項1】 m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
を抄造してなる上層と下層との間に実質的に合成重合体
フィブリッドのみを抄造してなる緻密な中間層が存在
し、かつ上記3層が一体の紙状に形成されていることを
特徴とするアラミド多層紙。 - 【請求項2】 m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
を抄造してなる上層と下層との間に実質的に合成重合体
フィブリッドのみを抄造してなる第1中間層と合成重合
体フィルムからなる第2中間層とが存在し、かつ上記各
層が一体の紙状に形成されていることを特徴とする請求
項1記載のアラミド多層紙。 - 【請求項3】 m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
を抄造してなる上層と下層との間に実質的に合成重合体
フィブリッドのみを抄造してなる第1中間層と合成重合
体フィルムからなる第2中間層とが存在し、かつ、上記
各層が一体の紙状に形成されているアラミド紙であっ
て、上記第2中間層は少なくとも2層の上記第1中間層
の間に挟み込まれていることを特徴とする請求項2記載
のアラミド多層紙。 - 【請求項4】 m-アラミドフィブリッドと耐熱性繊維と
を抄造してなる層(a-1) と実質的に合成重合体フィブリ
ッドのみを抄造してなる層(b) とm-アラミドフィブリッ
ドと耐熱性繊維とを抄造してなる層(a-2) とを(a-1)/
(b)/(a-2) の順序に積層してなる積層体をカレンダー加
工することを特徴とするアラミド多層紙の製造方法。 - 【請求項5】 固形分がm-アラミドフィブリッドと耐熱
性繊維とからなる組成物と固形分が実質的に合成重合体
フィブリッドのみからなる組成物とを抄き合わせ、得ら
れた紙の2枚を実質的に合成重合体フィブリッドのみか
らなる面同士が接するように積層し、カレンダー加工す
ることを特徴とするアラミド多層紙の製造方法。 - 【請求項6】 固形分がm-アラミドフィブリッドと耐熱
性繊維とからなる組成物と固形分が実質的に合成重合体
フィブリッドのみからなる組成物とを抄き合わせ、得ら
れた紙の2枚を実質的に熱可塑性合成重合体フィブリッ
ドのみからなる面同士を突き合わせ、かつ、この両面の
間に合成重合体フィルムを介在させて積層し、カレンダ
ー加工することを特徴とするアラミド多層紙の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15725694A JP3253806B2 (ja) | 1994-07-08 | 1994-07-08 | アラミド多層紙およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15725694A JP3253806B2 (ja) | 1994-07-08 | 1994-07-08 | アラミド多層紙およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0827692A true JPH0827692A (ja) | 1996-01-30 |
JP3253806B2 JP3253806B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=15645681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15725694A Expired - Fee Related JP3253806B2 (ja) | 1994-07-08 | 1994-07-08 | アラミド多層紙およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3253806B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013065467A1 (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-10 | デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社 | アラミド-ポリオレフィン積層体 |
CN112982030A (zh) * | 2021-02-04 | 2021-06-18 | 西安理工大学 | 一种超亲水/水下超疏油滤纸的制备方法 |
CN113005820A (zh) * | 2021-02-25 | 2021-06-22 | 陕西科技大学 | 一种多层复合芳纶纸的制备方法 |
CN113529469A (zh) * | 2021-07-13 | 2021-10-22 | 赣州龙邦材料科技有限公司 | 一种圆网造纸机 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101967476B1 (ko) * | 2012-11-23 | 2019-04-09 | 도레이케미칼 주식회사 | 우수한 강도를 갖는 메타 아라미드 페이퍼 |
-
1994
- 1994-07-08 JP JP15725694A patent/JP3253806B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
WO2013065467A1 (ja) * | 2011-11-01 | 2013-05-10 | デュポン帝人アドバンスドペーパー株式会社 | アラミド-ポリオレフィン積層体 |
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---|---|
JP3253806B2 (ja) | 2002-02-04 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |