JPH08276592A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH08276592A
JPH08276592A JP8152395A JP8152395A JPH08276592A JP H08276592 A JPH08276592 A JP H08276592A JP 8152395 A JP8152395 A JP 8152395A JP 8152395 A JP8152395 A JP 8152395A JP H08276592 A JPH08276592 A JP H08276592A
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JP
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temperature
recording
range
voltage
temperature detection
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JP8152395A
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Kiyoshi Kaneko
潔 兼子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一の電源電圧を用いながら簡単な構成で効
率的な温度検出を行なうことができる記録装置を提供す
る。 【構成】 温度センサ1708で検出された温度が第1
の領域にあるときは、トランジスタ18はオフとなって
オペアンプ17に入力される基準電圧(Vref)は、電
源電圧(Vcc)に対する抵抗11〜13の分圧となり、
検出温度が第2の領域にあるときは、トランジスタ18
はオンとなってオペアンプ17に入力される基準電圧
(Vref)は、電源電圧(Vcc)とトランジスタ18の
コレクタ飽和電圧(Vce)との電位差に対する抵抗11
〜12の分圧となる。さて、抵抗11〜13は高精度の
ものが安価で入手可能であるが、トランジスタ18は素
子毎に或いは環境でばらつきが見られる。従って、第1
の領域におけるオペアンプ17の出力は精度が良いが、
第2の領域におけるオペアンプ17の出力は精度がそれ
ほど良くない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録装置に関し、特に、
インクジェット方式に従って記録を行なう記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット方式に従って記録
を行なう記録装置に搭載する記録ヘッドにはダイオード
が設けられ、そのダイオードによって記録ヘッド内の温
度を検出している。この温度検出は、そのダイオードに
よって検出範囲の全域を精度良く検出するため、電源電
圧を高くして、検出のダイナミックレンジを大きくとる
構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、温度検出範囲の全域で高精度の検出を行ってい
るため、次のような問題点があった。 (1)検出ダイナミックレンジを大きく取っているの
で、電源電圧を高く取らなければならず、他の電源系統
とは別の電源系統をもたねばならないという複雑な電源
構成を取らなくてはいけない。
【0004】(2)温度検出は、ある温度領域では高精
度検出が必要であるが別の領域ではそれほどの精度は必
要がないにもかかわらず、全域を高精度な検出をしてい
るため行き過ぎた仕様となっている。従って、以上のよ
うな構成や仕様は装置構成を複雑なものにする原因とな
るので、生産コストが高くなったり、また、装置の信頼
性が低下するという欠点となっている。
【0005】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、より簡単な構成で、適切な精度で温度検出を行なう
ことができる記録装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。即
ち、温度センサを備えた記録ヘッドを用いて記録媒体に
記録を行なう記録装置であって、前記温度センサからの
出力信号に基づいて温度検出を行なう温度検出手段と、
前記温度検出手段によって得られる温度情報に基づいて
記録制御を行なう制御手段とを有し、前記温度検出手段
は全温度検出範囲に渡って単一の電源電圧で駆動され、
前記全温度検出範囲を相対的に低温度範囲である第1の
範囲と相対的に高温度範囲である第2の範囲とに分割
し、前記第1の範囲は高精度で温度検出を行なうことを
特徴とする記録装置を備える。
【0007】
【作用】以上の構成により本発明は、温度センサからの
出力信号に基づいて温度検出を行なう温度検出手段は全
温度検出範囲に渡って単一の電源電圧で駆動され、全温
度検出範囲を相対的に低温度範囲である第1の範囲と相
対的に高温度範囲である第2の範囲とに分割し第1の範
囲を高精度で温度検出を行なうよう動作する。
【0008】
【実施例】以下添付図面を参照して本発明の好適な実施
例を詳細に説明する。 <装置本体の概略説明>図1は、本発明の代表的な実施
例であるインクジェット方式に従って記録を行なうプリ
ンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図
1において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して
駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリ
ードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合
するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレ
ール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動す
る。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタ
ンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッ
ジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であ
り、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプ
ラテン5000に対して押圧する。5007,5008
はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの
域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り
換え等を行うためのホームポジション検知器である。5
016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャッ
プ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャ
ップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を
介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリー
ニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向
に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこ
れらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周
知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言
うまでもない。又、5021は、吸引回復の吸引を開始
するためのレバーで、キャリッジと係合するカム502
0の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がク
ラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0009】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来
た時にリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。 <制御構成の説明>次に、上述した装置の記録制御を実
行するための制御構成について説明する。
【0010】図2はプリンタIJRAの制御回路の構成
を示すブロック図である。制御回路を示す同図におい
て、1700は記録信号を入力するインタフェース、1
701はMPU、1702はMPU1701が実行する
制御プログラムを格納するROM、1703は各種デー
タ(上記記録信号や記録ヘッドIJHに供給される記録
データ等)を保存しておくDRAMである。1704は
記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行う
ゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース17
00、MPU1701、RAM1703間のデータ転送
制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するた
めのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬
送モータである。1705は記録ヘッドIJHを駆動す
るヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送
モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するた
めのモータドライバである。
【0011】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
フェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ17
04とMPU1701との間で記録信号がプリント用の
記録データに変換される。そして、モータドライバ17
06、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1
705に送られた記録データに従って記録ヘッドIJH
が駆動され、記録が行われる。
【0012】また、図2に示すように、記録ヘッドIJ
Hの内部には記録ヘッドIJHやその近傍の温度を検出
するための温度センサ1708が備えられており、温度
センサ1708は温度変化を検知して、その情報を温度
検出回路部1711に出力する。温度検出回路部171
1はその温度変化を電圧値の変化として検出し、その電
圧値をアナログ/デジタル(以下、A/D)変換部17
12に出力する。A/D変換部1712では、その入力
電圧値をデジタル情報に変換して、MPU1701に出
力する。
【0013】一方、MPU1701は、そのデジタル情
報により記録ヘッドIJHの温度状況を認識し、記録に
最適なヘッド駆動条件を割り出し、ヘッドドライバ17
05に制御信号を出力する。ヘッドドライバは、その制
御信号を受けて、記録ヘッドIJHが最適に記録できる
ように制御し、記録ヘッドIJHを駆動する。それは、
例えば、記録ヘッドIJHやその近傍の温度を記録に最
適な温度に制御したり、記録するためのヘッド駆動パル
スのパルス幅を制御したりして、記録に最適な駆動条件
で記録ヘッドを駆動することが含まれる。
【0014】次に、温度センサ1708と温度検出回路
部1711について詳細に説明する。図3は温度センサ
1708を含んだ温度検出回路部1711の構成を示す
回路図である。本実施例の温度センサ1708は、ダイ
オードを2個直列に接続したもので、ダイオードのマイ
ナス係数の温度特性を利用したものである。また、温度
検出回路部1711の電源電圧(Vcc)は、ごく一般的
に使われているデジタル回路系と同じ5V程度の電源で
統一され電源系統の複雑化を防いでいる。
【0015】さて、温度センサ1708は、演算増幅器
(以下、オペアンプ(OP))7と定電流抵抗8、定電
流抵抗8に定電圧を与える分圧抵抗9、10により構成
された定電圧駆動回路100により定電流で駆動され
る。従って、図4に示すように、温度変化に対してダイ
オード順電圧は、ほぼリニアにマイナス係数を持って変
化する。従って、オペアンプ7の出力は、図4に示した
温度特性に定電流抵抗8による電圧分がプラスされた形
で出力される。その出力値に対してオペアンプ(OP)
17は、反転増幅器を構成している。即ち、抵抗14と
抵抗15で増幅率を決める一方、抵抗11〜13で反転
増幅の基準電圧を決めている。さらに、トランジスタ1
8はMPU1701から抵抗19を経て入力される制御
信号で、オン/オフして基準電圧を切り換えている。な
お、オペアンプ17の(+)側入力には抵抗16が直列
に接続されて、印加される電圧値を下げている。
【0016】ここで、基準電圧の切り換えに関して説明
する。記録ヘッドIJHの動作状態、動作環境等を考慮
に入れた検出温度範囲としては、ほぼ5℃〜60℃程度
が正常動作範囲で、ほぼ60℃〜85℃程度が過剰動作
状態の範囲、ほぼ85℃〜100℃程度になると記録ヘ
ッドが破壊に至る確率がかなり高くなる異常動作範囲と
なる。
【0017】このような動作範囲に基づいて、ほぼ5℃
〜85℃を精度良く温度検出する領域(第1の領域)と
し、ほぼ85℃〜100℃を高精度な温度検出の必要の
ない温度検出許容誤差範囲の広い領域(第2の領域)と
する。そして、本実施例では、第2の領域に属する温度
が一定時間以上検出された時は記録動作を停止するよう
制御する。このような制御を行なうことで装置全体とし
ての記録動作やその効率としては、全く支障のない装置
が実現できる。
【0018】以上のような領域設定が、図3に示した温
度検出回路1711には考慮されている。即ち、図3に
示す回路において、温度センサ1708から検出した電
圧値をオペアンプ17で増幅するための基準電圧(Vre
f)を、第1の領域(ほぼ5℃〜85℃)では、電源電
圧(Vcc)に対する抵抗11〜13の分圧比(R12+R
13)/(R11+R12+R13)によって決めており抵抗値
の許容誤差の精度で基準電圧(Vref)の精度が決ま
る。抵抗の製造技術が発達した最近では0.5%の許容
誤差を持った抵抗も安価で容易に入手できることから、
基準電圧(Vref)を得る回路も安価になおかつ高精度
に構成することができ、温度検出も高精度に行なうこと
ができる。
【0019】さらに、第2の領域(ほぼ85℃〜100
℃)における基準電圧(Vref)は、トランジスタ18
をMPU1701からの制御信号に従ってオン状態にし
て得る。即ち、基準電圧(Vref)は、電源電圧(Vc
c)に対する抵抗11〜12の分圧比R11/(R11+R1
2)とトランジスタ18のオン状態の時のコレクタ飽和
電圧(以下、Vce(sat))とを考慮して、以下の式から
決定される。
【0020】 Vref=(Vcc−Vce(sat))×R12/(R11+R12) さて、一般にトランジスタ18のオン状態の時のコレク
タ飽和電圧(Vce(sat))はトランジスタ素子のばらつ
きや環境温度等で、かなりその電圧値はばらつくことに
なり、第1の領域で得られる程の温度検出精度はない。
しかし、更に前述のように第2領域における記録制御
は、検出温度が一定時間継続すれば記録動作を停止した
り或いは瞬時に記録動作を停止するといった制御であ
り、さらに、その温度検出範囲も第1の領域のそれの約
1/5以下であること等から、第2の領域では前述のよ
うにそれほど高い精度での温度検出は必要とはしない。
従って、上記のような検出精度でも良いことになる。
【0021】このような理由から、第2の領域における
温度検出は、図3に示すように、第1の領域における温
度検出回路に、トランジスタ18と抵抗19とを付加す
るだけと言った簡易で安価な構成で実現することができ
る。以上説明した基準電圧の検出精度は図5に示すよう
になる。図5では、第1領域における基準電圧(Vre
f)をVref1、第2領域における基準電圧(Vref)をV
ref2とする。
【0022】図5に従えば、温度センサ1708からオ
ペアンプ7を経て出力された第1領域における出力電圧
23と、ばらつきの少ない高精度な基準電圧(Vref1)
とそのばらつき24とは、オペアンプ17に入力され、
オペアンプ17からは出力電圧26とばらつき24から
生じる誤差電圧25とが出力される。同様に、第2領域
における出力電圧27と、ばらつきの大きい精度のそれ
ほど良くない基準電圧(Vref2)とその大きなばらつき
28とは、オペアンプ17に入力され、オペアンプ17
からは出力電圧30とばらつき28から生じる誤差電圧
9が出力される。ここで、抵抗14、15から決められ
る増幅率は第1領域、第2領域でも固定出ることはいう
までもない。本実施例では、増幅率を2倍としている。
【0023】以上、図5からも明らかなように、第2領
域では第1領域よりも粗い精度で温度検出が行なわれ
る。さて、MPU1701は、A/D変換部1712を
経て入力される温度情報に基づいて、記録ヘッドIJH
の内部及びその周辺部の温度を監視し、第1領域の上限
温度付近での温度が一定時間検出されたなら、制御信号
を温度検出回路1711に出力し、トランジスタ18を
オンにして、温度検出をそれほど精度を求めず、即ち、
温度が第2領域にあるとみなして行なうよう制御する。
一方、第2領域の下限温度付近での温度が一定時間検出
されたなら、制御信号を温度検出回路1711に出力
し、トランジスタ18をオフにして、温度検出を高精度
に求めるよう、即ち、温度が第1領域にあるとみなして
行なうよう制御する。
【0024】従って本実施例に従えば、温度測定領域を
二つに分割し、同じ電源電圧を用いて、第1の領域は精
度良く、第2の領域はそれほどの精度を求めず温度検出
を行なうことができる。また、第1の領域の温度測定の
ために必要な基準電圧入力のためには安価に入手可能な
抵抗を用いる構成とし、また、第2の領域の温度測定の
ために必要な基準電圧入力もまたトランジスタ1つを抵
抗1つのみを用いる構成であるので、簡単な構成で且つ
安価に回路を構成することができる。さらに、電源電圧
が1系統でよいため電源回路も簡単になりコストの削減
に資する。
【0025】なお本実施例では、温度センサ出力を増幅
するための基準電圧(Vref)を出力する回路部の構成
を抵抗分圧(抵抗11〜13での抵抗分圧)とトランジ
スタ18からの出力有無の切り替えで実現しているが、
本発明はこれによって限定されるものではない。例え
ば、安価なD/Aコンバータがあればこれを用い、或い
は、CPUに組み込まれた構成のD/Aコンバータでこ
れが安価であればこれを用い、そのD/Aコンバータで
基準電圧(Vref)を出力するよう回路を構成しても良
い。
【0026】また本実施例では、第2領域で精度はそれ
ほど高くはないが温度検出を行うよう回路を構成したが
本発明はこれによって限定されるものではない。例え
ば、第1領域の上限温度がある一定時間検出された時に
記録ヘッドの駆動を停止したり、或いは、装置全体の動
作を停止するように制御を行なっても良い。このように
構成することで、第1領域の温度だけを精度良く検出
し、一方、第1領域の上限温度をある一定時間検出する
ことで第2領域の温度とみなすことで、温度検出範囲が
狭くてもよくなり、特に廉価版の記録装置などに対して
は有効な制御であると言える。
【0027】さらに本実施例では2つの温度領域に分割
して温度検出を行なったが、本発明はこれによって限定
されるものではない。例えば、既に説明した3つの温度
領域、即ち、(1)通常動作領域、(2)過剰動作領
域、(3)異常動作領域に分割して温度検出しても良
い。この場合、温度検出回路1711の構成は図6に示
すようになる。即ち、図3で示した構成に、基準電圧
(Vref)の分割抵抗20、領域切り替え用トランジス
タ21、抵抗22を加えることで、より細分化した温度
検出を簡易で安価に実現できる。なお、その動作説明
は、第2領域の温度検出と同様であるので省略する。
【0028】本実施例は、特にインクジェット記録方式
の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネ
ルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによ
りインクの状態変化を生起させる方式を用いることによ
り記録の高密度化、高精細化が達成できる。その代表的
な構成や原理については、例えば、米国特許第4723
129号明細書、同第4740796号明細書に開示さ
れている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。こ
の方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型
のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型
の場合には、液体(インク)が保持されているシートや
液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信
号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成で
きるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出
用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくと
も1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をす
ると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に
応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より
好ましい。
【0029】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。記録ヘ
ッドの構成としては、記録ヘッドからインクが吐出する
吐出口、インク液路、電気熱変換体の組み合わせ構成
(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈
曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第
4558333号明細書、米国特許第4459600号
明細書を用いた構成でも良い。加えて、複数の電気熱変
換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出
部とする構成を開示する特開昭59−123670号公
報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対
応させる構成を開示する特開昭59−138461号公
報に基づいた構成としても良い。
【0030】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。加えて、本実施例で説明した
ような記録ヘッドに一体的にインクタンクが設けられた
カートリッジタイプの記録ヘッドの他に、装置本体に装
着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体
からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイ
プの記録ヘッドを用いてもよい。
【0031】また、本実施例のプリンタの構成として設
けられる、記録ヘッドに対しての回復手段や、予備的な
補助手段等の付加は記録動作を一層安定にできるので好
ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘ
ッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、
加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは
別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加
熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード実行等
がある。
【0032】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。以上説明した本実施例においては、インクが液体
であることを前提として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液
化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方
式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内
で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にある
ように温度制御するものが一般的であるから、使用記録
信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0033】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0034】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。尚、本発明は、複数の機器から構成されるシステム
に適用しても良いし、1つの機器から成る装置に適用し
ても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラ
ムを供給することによって達成される場合にも適用でき
ることはいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、温
度センサからの出力信号に基づいて温度検出を行なう温
度検出手段は全温度検出範囲に渡って単一の電源電圧で
駆動され、全温度検出範囲を相対的に低温度範囲である
第1の範囲と相対的に高温度範囲である第2の範囲とに
分割し、第1の範囲を高精度で温度検出を行なうので、
温度検出のための電源供給が複雑にならず、高精度な温
度検出が求められる温度範囲のみを高精度に温度検出す
ることで、効率の良い温度検出ができるという効果があ
る。
【0036】また、高精度な温度検出が求められる温度
範囲のみを高精度に温度検出するので、精度が求められ
ない温度範囲については高精度な温度検出をしなくとも
良いので、装置構成が簡単になり、これによって、装置
信頼性の向上が図られるとともに、コストを抑えること
ができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例であるインクジェット
方式に従って記録を行なうプリンタIJRAの構成の概
要を示す外観斜視図である。
【図2】プリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】温度検出回路の構成を示す回路図である。
【図4】温度センサの温度特性を示す図である。
【図5】基準電圧(Vref)と検出電圧(V)との関係
を示す図である。
【図6】3つの温度領域に分割して温度検出を行なう温
度検出回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
7、17 オペアンプ 8〜10 抵抗 11〜16、19 抵抗 18 トランジスタ 1701 MPU 1708 温度センサ 1711 温度検出回路 1712 A/D変換部 IJH 記録ヘッド

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度センサを備えた記録ヘッドを用いて
    記録媒体に記録を行なう記録装置であって、 前記温度センサからの出力信号に基づいて温度検出を行
    なう温度検出手段と、前記温度検出手段によって得られ
    る温度情報に基づいて記録制御を行なう制御手段とを有
    し、 前記温度検出手段は全温度検出範囲に渡って単一の電源
    電圧で駆動され、 前記全温度検出範囲を相対的に低温度範囲である第1の
    範囲と相対的に高温度範囲である第2の範囲とに分割
    し、前記第1の範囲は高精度で温度検出を行なうことを
    特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記温度検出手段は、前記第2の範囲を
    比較的低い精度で温度検出を行なうことを特徴とする請
    求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記温度検出手段によって得られる温度
    情報に基づいて、前記温度検出を高精度で行なうか或い
    は比較的低い精度で行なうかを切り換える切り換え手段
    をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記温度検出手段によ
    って得られる温度情報から検出温度が前記第2の範囲に
    あるときには記録を停止するよう制御することを特徴と
    する請求項1に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記検出温度が前記第2の範囲にあるこ
    とを判別する判別手段をさらに備え、 前記判別は、前記第1の温度範囲の上限に所定時間以
    上、前記検出温度が留まっていることを判別することに
    よってなされることを特徴とする請求項4に記載の記録
    装置。
  6. 【請求項6】 前記温度検出手段は、前記第1の範囲で
    温度検出を行なうために、前記電源電圧を複数の抵抗に
    よって分圧し、前記分圧された電圧を第1の基準電圧と
    して用い、前記温度センサからの出力信号と前記第1の
    基準電圧とに基づいて温度検出を行なう第1の回路を有
    することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記温度検出手段は、前記第2の範囲で
    温度検出を行なうために、前記制御手段からの制御信号
    の入力によって駆動されるトランジスタをさらに備え、 前記トランジスタからの出力電圧と前記電源電圧の電位
    差を前記複数の抵抗によって分圧し、前記分圧された電
    圧を第2の基準電圧として用い、前記温度センサからの
    出力信号と前記第2の基準電圧とに基づいて温度検出を
    行なう第1の回路を有することを特徴とする請求項6に
    記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記温度センサはダイオードであること
    を特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記
    録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴と
    する請求項1に記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利
    用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに
    与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換
    体を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録
    装置。
JP8152395A 1995-04-06 1995-04-06 記録装置 Withdrawn JPH08276592A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8979229B2 (en) 2013-01-21 2015-03-17 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid jetting apparatus
JP2018111306A (ja) * 2017-01-06 2018-07-19 キヤノン株式会社 記録ヘッド、及び記録装置

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