JPH0827634A - 二重撚糸方法とその装置 - Google Patents

二重撚糸方法とその装置

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JPH0827634A
JPH0827634A JP15875394A JP15875394A JPH0827634A JP H0827634 A JPH0827634 A JP H0827634A JP 15875394 A JP15875394 A JP 15875394A JP 15875394 A JP15875394 A JP 15875394A JP H0827634 A JPH0827634 A JP H0827634A
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JP
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yarn
spindle
rotary disk
holding member
twisting
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JP15875394A
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Inventor
Hajime Imai
肇 今井
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I M T KK
Original Assignee
I M T KK
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 給糸をバルーニング内に置かず、高速で二
重撚糸する方法とその装置を提供する。 【構 成】 スピンドル4上にバルーニングの下部を形
成するロータリーデイスク5と、このロータリデイスク
5の上方に前記スピンドルに対して停止状態を保持する
糸保持部材80を設け、このスピンドル4とは別置の給
糸44から供給される糸条をスピンドル4の下方より、
このスピンドル4の中心の糸導孔15を通し、前記ロー
タリーデイスク5から導出し、前記糸保持部材80の上
部に至る糸道と、この糸保持部材80の中心の糸導孔2
3とロータリーデイスク5の外周部に至り、このロータ
リーデイスク5の外周部より前記糸保持部材80の上方
に設けたガイド28に至る糸道を経由して撚糸を行よう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二重撚糸機の撚糸機構の
改良に関し、従来の二重撚糸機に比較して給糸の形態に
制限がなく、しかも大量の糸条を供給することができ、
その上に撚糸スピンドルの回転数を大幅に上昇可能であ
り、更にスピンドルを駆動する動力を低減し、騒音を低
減できる二重撚糸方法とその装置を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】糸条は衣料用や工業用を問わず殆んどの
場合、撚糸して強度を増加させるとともに使用し易い形
態として利用しており、そのために従来より各種の撚糸
機が使用されている。この撚糸機にはリング撚糸機が一
般に使用されているが、このリング撚糸機の場合はスピ
ンドルの1回転で糸条に1回当たり撚りが加えられるも
のであり、生産性を増加させるためには、当然このスピ
ンドルの回転数を増加しなければならないが、各種の要
因によりその回転数が制限を受けている。
【0003】即ち、スピンドルの回転数が増加すること
は糸条がスピンドルの周囲を旋回する際に発生するバル
ーニング(撚糸する時、糸条を振り回すことによって発
生する紡錘形の弓状の糸形状)の径が大きくなることを
意味し、その結果、遠心力と空気抵抗等から糸条に作用
する張力が著しく増加することになる。このように糸条
の張力が増加するとその太さにバラツキを発生すると共
に糸切れ等のトラブルを発生し、得られた撚糸の品質を
劣化させることになる。
【0004】このようなリング撚糸機の持つ問題点を解
消して生産性を向上する方法として二重撚糸機が開発さ
れ、多く実施されるようになっている。この二重撚糸機
の原理はスピンドルの1回転で2回の撚りを糸条に加え
るものであり、前記リング撚糸機などのアップツイスタ
ーより著しく効率的に撚糸することができる装置であ
る。
【0005】この従来の二重撚糸機は、給糸(所定の量
の糸条を巻いたボビン)の支持体であるボビンの下端部
を撚糸スピンドルの上部に挿入し、この給糸より解じょ
された糸条をスピンドルの頂部に導き、更にそのスピン
ドルの中空部を通って給糸の下部の辺りのスピンドルの
横穴(ロータリーデイスクの横穴)より導出し、次にこ
の糸条を前記給糸の回りにバルーニングを形成しながら
スピンドルの上方に設けたスネールワイヤー(ガイド)
まで導いて撚糸するようになっている。
【0006】しかしながら、この二重撚糸機においては
糸条が回転して形成するバルーニングの中に給糸を配置
しなければならないという本質的な技術的な制約がある
ことから下記に詳述するような各種の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
A)第一に撚糸速度の制限の問題がある。従来の二重撚
糸機はスピンドルが回転してこのスピンドルの周囲に形
成する糸条のバルーニングの内側に、撚糸しようとする
給糸を支持している。撚糸機はスピンドルの周囲に糸条
のバルーニングを形成するが、このバルーニングはスピ
ンドルの回転速度に依存しており、更にこの回転速度は
撚糸される糸条に作用する張力に密接に関係するといっ
た一連の因果関係がある。
【0008】従って、スピンドルの回転数を増加するこ
とは撚糸する糸条に損傷を与えるか、あるいは場合によ
っては切断に至るなど撚糸機の機能を劣化させるという
問題をひき起こすことになる。この問題を解決するため
にスピンドルの周囲の空間にワイヤリングや円筒を設け
てこれに糸条を接触させることによってバルーニングの
径を小さく制限し、それによって糸条の張力の増大を防
止している。しかし、このバルーニングの径をワイヤリ
ング等に接触させて物理的に制限する方法はその効果に
も限度があり、バルーニング張力を低下させることは、
スピンドルの回転数が制限されることを意味しており、
その結果、高速で撚糸することができず、生産性を向上
するための障害となっている。
【0009】B)第二に給糸の形状とその配置の制限の
問題である。従来の二重撚糸機は撚糸しようとする給糸
(糸条を巻いたボビン)をバルーニングの内側に支持す
る必要があることから、そのバルーニングの大きさと形
状から給糸の大きさと形状が制限されることになる。こ
のことは、給糸を大型化することができないことを意味
する。
【0010】一方、糸条の製造工程を考慮すると、例え
ば合成繊維の場合には円筒形のチーズとして巻取ってい
るが、この形状の給糸は当然のことながら弓形を形成し
ているバルーニングの形状に合わないものである。従っ
て、これに合わすために円柱の上下に円錐部を形成した
パーンとして巻返す工程が必要である。このような理由
から、場合によってはその糸条の巻形態に合った専用の
撚糸機(パーンワインダー)を準備する必要がある。
【0011】C)第三にバルーニングの大きさの制限の
問題である。前記のようにバルーニングの直径が大きい
ことは、糸条が給糸の回りを旋回運動する際にその糸条
の空気抵抗が増大し、この空気抵抗の増大はスピンドル
を駆動する動力を増大することになり、撚糸機が大量に
発熱することを意味する。そしてこの撚糸機の発熱は工
場の空調を乱す最大の原因となっている。また、スピン
ドルを駆動する動力の増大と共に撚糸機を構成している
各種の部材の運動が激しくなって撚糸機特有の騒音が発
生するという欠点がある。
【0012】このようなことからバルーニングの大きさ
に制限があり、スピンドルの回転数をある範囲から上昇
させることができず、高速で二重撚糸することができな
いという問題がある。 D)第四にロータリーデイスクの大きさの制限の問題で
ある。給糸を大型化することは、長時間継続的に撚糸し
て大量の撚糸を連続的に製造する上で必須の要件である
が、この給糸を大型化するためにはスピンドルの下部に
設けてあるロータリーデイスク(バルーニングの下部を
形成するために糸条を持ち回りながら導出する円板状の
ガイド部材)の直径を大きくしなければならない。
【0013】このような要求から大径化されたロータリ
ーデイスクを高速で回転すると空気抵抗が著しく増大
し、それに伴なって電力消費が大幅に増大するとともに
騒音も大きくなるという欠点がある。本発明は、従来の
二重撚糸機の有する各種の欠点を本質的に解消すること
を目的とするものであって、この欠点の最大原因である
バルーニングの内部に給糸を置かない方法とその装置を
提供することを目的とするものである。
【0014】そのために、給糸をスピンドル上に支持さ
せることなく、このスピンドルは専ら二重撚糸作用を行
なわせることが重要である。このように給糸の回りにバ
ルーニングを形成しないことからこのバルーニングの直
径を従来の方法に比較して縮小することができる。バル
ーニングの直径が縮小することから糸条の張力を低下で
き、その結果、スピンドルを高速回転させることを可能
とする。糸条に発生する張力が低下することによって糸
条に擦過に伴う損傷を与えることがなく、品質の良い撚
糸を効率的に製造することができる二重撚糸方法とその
装置を提供することができる。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は次の通りである。 A)スピンドル4上にバルーニングの下部を形成するロ
ータリーデイスク5と、このロータリデイスク5の上方
に前記スピンドル4に対して停止状態を保持する糸保持
部材80を設け、このスピンドル4とは別置きされた給
糸44から引き出される糸条Yをスピンドル4の下方よ
り、このスピンドル4の中心の糸導孔15を通し、前記
ロータリーデイスク5から導出し、前記糸保持部材80
の上部に至る糸道と、この糸保持部材80の中心の糸導
孔23とロータリーデイスク5の外周部に至り、このロ
ータリーデイスク5の外周部より前記糸保持部材80の
上方に設けたガイド28に至る糸道を経由して撚糸を行
う二重撚糸方法。
【0016】B)スピンドル4上に給糸44を支持しな
い二重撚糸方法。 C)スピンドル4とは別置きされた給糸44から引き出
された糸条Yをスピンドル4内を通過させる第1の糸道
Y1 と、前記スピンドル4に支持されて回転するロータ
リーデイスク5よりこのスピンドル4上に、このスピン
ドル4に対して回転しないように支持された糸保持部材
80を形成する上部部材10の頂部に至る第2の糸道Y
2 と、前記上部部材10の内部を通って前記ロータリー
デイスク5に至る第3の糸道Y3 と、このロータリーデ
イスク5より前記上部部材10の上方に配置したガイド
28との間の第4の糸道Y4 からなる糸道を形成して撚
糸する二重撚糸方法。
【0017】D)ロータリーデイスク5とガイド28に
至る第4の糸道Y4 は、バルーニングを形成し、その第
4の糸路Y4 の内部には給糸44を保有していない二重
撚糸方法。 E)スピンドル4の中心に設けた糸導孔15の下端より
糸条Yを供給するようにした二重撚糸方法。
【0018】F)第1と第2の糸道Y1 〜Y2 において
仮ヨリを行ない、第3と第4の糸道Y3 〜Y4 で二重撚
糸を行う二重撚糸方法。 G)スピンドル4外に支持された給糸44は、第4の糸
道Y4 で形成されるバルーニングとは無関係な大きさと
形状に形成されている二重撚糸方法。 H)スピンドル4の周囲に形成される第4の糸道Y4 の
バルーニングは可能なかぎり小径にして撚糸される糸条
Yに作用する張力を極力低減するとともに、高速回転を
可能にした二重撚糸方法。
【0019】I)本体1に回転自在に支持したスピンド
ル4と、このスピンドル4の中間部に支持したロータリ
ーデイスク5と、前記スピンドル4の上部に浮動状態で
支持された糸保持部材80と、この糸保持部材80上に
設けたマグネット12と、このマグネット12に対向
し、本体1側に固定されたマグネット14とからなり、
両マグネット12,14によって前記糸保持部材80が
スピンドル4の回転にかかわらず回転しないように保持
されている二重撚糸機構。
【0020】J)糸保持部材80は中間部材8と、これ
の上に支持された上部構造10からなる二重撚糸機構。 K)フレーム40の下部に給糸44を支持し、前記フレ
ーム40の上方に二重撚糸機構DTを配置し、更にこの
二重撚糸機構DTの上方に巻取装置53を配置して下方
から給糸された糸条Yを中間位置で撚糸し、更にこの二
重撚糸機構DTの上方において巻上げる経路を形成した
二重撚糸装置。
【0021】
【作 用】本発明の二重撚糸方法は、スピンドル4の周
囲に形成される第4の糸道、即ちバルーニングの内部に
給糸44を支持しないために、このバルーニングの直径
を縮小することができる。そしてバルーニングの縮小と
共に糸条Yの張力を低下させることができ、その結果、
糸条Yのスピンドル4回りの旋回速度を上昇させて撚糸
効率を上昇させることができる。
【0022】更にバルーニングの内部に給糸44を支持
しないことから、給糸44の大きさとその形状に制限を
受けることがなく、大量の糸条を使用して連続的な撚糸
処理を可能にすることができる。また、場合によっては
複数の給糸の糸端を連続させて次々に糸条を供給するこ
とができる。
【0023】
【実 施 例】次に図面を参照して本発明の実施例を説
明する。図1は二重撚糸機構DTの要部を示す断面図で
あって、撚糸機本体1(フレーム40)に設けた軸受箱
2に嵌入された軸受3でスピンドル4の下部を支持し、
そしてこのスピンドル4の中間部にロータリーデイスク
5を固定すると共にこれの内部にフランジ6,7を対面
させてボルトで連結している。なお、前記ロータリーデ
イスク5は回転しながら糸条Yを導出してバルーニング
の下部を形成する部材であって、皿形ないしはコマ形に
形成されている。
【0024】この実施例においてはスピンドル4を1本
もので製作し、更にフランジ6,7を合わせてボルトで
上下に連結した構造のものを採用しているが、これは製
作上の問題を考慮したものである。別の構成として、ス
ピンドル4を上部スピンドルと下部スピンドルとに二分
し、それぞれにフランジを設け、このフランジを連結す
ることによってスピンドルを1本に接続したものを採用
することもできる。この構成のスピンドルとフランジに
おいては糸導孔等の加工がし易く、従ってこれらに形成
される糸導孔は精度のよいものを製作することができる
ことから、実際に多数生産される撚糸機においてはこの
構造を採用することが望まれる。
【0025】前記ロータリーデイスク5の上部に略円錐
状の中間部材8を軸受9を介して支持し、更にこの中間
部材8の上部の穴8aの内部に上部部材10の延長部1
0aを挿入してネジ部10bで螺合している。前記上部
部材10は二重撚糸機の「テンサー部」であって、そし
て中間部材8はこのテンサー部を支持しながら糸条Yを
導入するための補助部材に相当しており、前記中間部材
8とこれに支持された上部部材10はスピンドル4に対
して静止状態を保持する「糸保持部材80」を形成して
いる。
【0026】前記中間部材8の下部に形成した凹部11
内にマグネット12を設けるとともに、このマグネット
12に対向し、前記ロータリーデイスク5の上部の円周
方向に、本体1側に固定したブラケット13を介してマ
グネット14を設けており、これらのマグネット12と
14との磁気吸引力によって前記糸保持部材80を本体
1に対して静止状態を保持するようになっている。
【0027】スピンドル4の中心部の下部には糸導孔1
5が設けられ、ロータリーデイスク5の部分で上方に向
けて外周方向に曲げられてフランジ6の上面に開口する
糸導孔が設けられ、この開口部にリング状のガイド16
が設けられている。そして前記「テンサー部」を構成し
ている上部部材10の頂部に軸受17を介して中空ヤー
ンガイド18を回転可能に支持し、これの上端に円冠状
のヤーンガイド19を設けている。更に前記中空ヤーン
ガイド18の下方にはリング状のヤーンガイド20とテ
ンサー21と、リング状のヤーンガイド22が直線状に
配置されて糸道を形成するようになっている。
【0028】前記テンサー21はテンサーワッシャー2
1aと、これに弾性力を付与するスプリング21bで構
成され、糸条Yを挟持して所定の張力を与えるようにな
っていると共に、これによって仮ヨリ工程と二重撚糸工
程とを分割している。前記スピンドル4の中心部の上部
には糸導孔23が設けられ、下部のロータリーデイスク
5の部分で外方に曲げられ、その端部にはロータリーデ
イスク5の基部で円周面に開口し、この開口部にリング
状のヤーンガイド24を設けている。
【0029】スピンドル4の下方のテンサー26からヤ
ーンガイド16に至り、スピンドル4の上部の糸保持部
材80の糸導孔の内部に設けたテンサー21の間で「仮
ヨリ」が付与される。そして前記テンサー21からヤー
ンガイド24を経由し、スピンドル4の上方に配置した
スネルガイド28に至る糸道において「二重撚糸」され
るものであり、テンサーワッシャー21aからヤーンガ
イド24の間で第1のヨリが加えられ、このヤーンガイ
ド24からスネルガイド28の間で第2のヨリが加えら
れて二重撚糸されることになる。
【0030】前記ロータリーデイスク5に設けたヤーン
ガイド16から糸保持部材80の内部に保持されている
テンサーワッシャー21aに至る糸条の経路が特に重要
である。この間は、O〜2回程度旋回する螺旋状の糸条
の膨らみ、即ち螺旋状バルーンを描いて円冠状ヤーンガ
イド19、中空ヤーンガイド18を通過して前記テンサ
ーワッシャー21aへ導かれる。もし、この部分を糸条
が円滑に通過しないと数千回/mのヨリをこの糸条に入
れるとき、この糸条が1m進む間にスピンドル4は数千
回も回転しているので、直ちに糸保持部材80の表面に
巻付いてしまうことになる。このような糸条の挙動を考
慮して前記糸保持部材80の外形を、糸条をその表面に
沿って案内し易く、万一、この糸条が巻き付いても簡単
にほぐれ易く、更に螺旋状バルーンを形成し易くするた
めにテーパー状に形成している。
【0031】次に重要な部分は糸保持部材80の頂部に
設けた円冠状のヤーンガイド19である。糸条Yがスピ
ンドル4の下端のヤーンガイド29から、このスピンド
ル4の上方のスネルガイド28に進むのは、このスネル
ガイド28の後に配置されているフイードローラや巻取
装置による引張り力である。従って、ロータリーデイス
ク5に設けたヤーンガイド24より糸条Yが吐出され、
そしてUターンする際に発生する大きなバルーンがクッ
ションとなって糸条Yは引き出され易い。
【0032】円冠状ヤーンガイド19は糸保持部材80
の表面に形成される小さなバルーンの上端部を形成する
部材であって、糸保持部材80が静止状態であるのに対
してヤーンガイド16は1分間に数千回も回転するの
で、糸条Yは前記円冠状ヤーンガイド19の案内面を移
動し、その間軸受17に支持されているこの円冠状ヤー
ンガイド19はバルーンの回転と共に、あるいはやゝ遅
れながら連れ回りすることになる。このような意味にお
いて円冠状ガイド19は上部部材10に対して軽く回転
するように構成されている必要がある。
【0033】前記スピンドル4の駆動は、従来の装置と
同様にスピンドル4の下端に設けたプーリー30と本体
1(フレーム40)に設けた駆動装置31の中間軸32
に設けたプーリー33との間に掛けまわされたベルト3
4を介して駆動されるようになっている。なお、前記駆
動装置31は後述するように本体1に設置したモータの
軸に設けたプーリーとベルトを介して動力を伝達するよ
うに構成されている。
【0034】図2と図3は本発明に係る二重撚糸機構D
Tを2錘配置した撚糸機を示す正面図と側面図である。
撚糸機の本体1を構成するフレーム40は枠状で上下二
段に形成され、下段に給糸部分41を、上段に二重撚糸
機構DTをそれぞれ配置しており、ペッグ45に給糸さ
れるパーンあるいはチーズ形状の給糸44の下端部(ボ
ビンの下端部)を嵌入して支持させ、この給糸44から
引き出された糸条Yをスネルガイド27とその上部のテ
ンサー26を経由して二重撚糸機構DTに供給するよう
になっている。
【0035】フレーム40の上方には支持体40aを介
してヤーンガイド28とこれの上方に設けた糸切れ検知
部46とテンサー47が一連に設けられている。そして
前記フレーム40の上部に配置された駆動装置50で駆
動される駆動軸51に固定されたフイードローラ52
と、変速機付きモータ58とベルト59で駆動されるド
ライブローラ60が設けてあり、更にこのドライブロー
ラ60の上方にレバー62仰伏自在に支持された巻取機
構53と、前記ドライブローラ60と巻取機構53の接
線方向に糸条Yを案内するトラバース機構61を前記巻
取機構53に支持されているボビンの長手方向に往復移
動するように設けている。
【0036】また、前記フレーム40の中間部に設けた
フレーム54にはモータ55が設けられ、これの軸に設
けたプーリー56とベルト57及び前記中間軸32等の
駆動機構を介して二重撚糸機構DTを駆動するようにな
っている。次に本発明に係る二重撚糸機構DTの作動に
ついて説明する。図2,3に示すようにフレーム40の
下方に配置した給糸44(パーンあるいはチーズ)から
引き出された糸条Yはヤーンガイド27、テンサー26
を経てスピンドル4の下端のガイド29(図1)に案内
され、スピンドル4の下方に開口されている糸導孔15
を通ってこのスピンドル4中を上昇し、ロータリーデイ
スク5の内部で外周方向に曲げられてこのロータリーデ
イスク5の上部に設けたガイド16に至る糸道〔Y1 〕
を通過し、そして前記ガイド16より上部部材10の上
端に設けたガイド19に至る糸道〔Y2 〕を経てこの糸
保持部材80である上部部材10の内部に案内され、そ
して前記円冠状ヤーンガイド19に設けた中空ヤーンガ
イド19、ヤーンガイド20、テンサー21に至る。
【0037】次にこのテンサー21、ヤーンガイド22
を経由して糸導孔23内に形成される糸道〔Y3 〕を通
ってロータリーデイスク5の下方外周部に設けたガイド
24より外方に引き出される。そしてスピンドル4と共
に高速で回転するロータリーデイスク5の上縁部の周囲
に摺接して案内されながらスネルガイド28との間の糸
道〔Y4 〕からなるバルーニングを形成する。なお、図
1より理解できるようにこのバルーニングの内部には従
来の装置のように給糸は存在していない。
【0038】今、スピンドル4が「右回転」すると、こ
のスピンドル4に固定されているロータリーデイスク5
も「右回転」する。そしてテンサー26からガイド16
に至る糸道〔Y1 〕において「右ヨリ」が付与される。
一方、このスピンドル4と共にロータリーデイスク5も
回転するのに対して糸保持部材80(中間部材8と、こ
の中間部材8に支持されている上部部材10)は、前記
中間部材8に設けたマグネット12と、その外周部に設
けたマグネット14との間に作用する磁気吸引力によっ
て所定の位置を保持する。即ち、糸保持部材80はロー
タリーデイスク5に対して停止状態に保持されている。
【0039】従って、ガイド16から円冠状ヤーンガイ
ド19を経てテンサー21に至る糸道〔Y2 〕において
「左ヨリ」が付与され、前記糸道〔Y1 〕で付与された
「右ヨリ」を、この糸道〔Y2 〕の間で解じょすること
になり、テンサー26から糸保持部材80内に設けたテ
ンサー21に至る糸道〔Y1 +Y2 〕において糸条Yに
対して「仮ヨリ」が行なわれることになる。
【0040】次に、スピンドル4上に支持されてはいる
が、このスピンドル4に対して停止停止状態にある糸保
持部材80の内部であるスピンドル4の内部に形成され
る糸道〔Y3 〕において第一段目の「右ヨリ」が付与さ
れ、更にロータリーデイスク5よりガイド28に至る糸
道〔Y4 〕、即ちバルーニングを形成している糸道にお
いて第二段目の「右ヨリ」が更に付与されることにな
る。結局、糸保持部材80の内部からロータリーデイス
ク5を経由してガイド28に至る糸道〔Y3 +Y4 〕に
おいて「二重撚糸」されることになるのである。なお、
この二重撚糸された糸条は糸切れ検知部46を通過して
常時検知しながら移送されて巻取機構53のボビン上に
巻取られることになる。
【0041】前記のように糸条Yが二重撚糸機構DTを
通過する間に仮撚り操作と第一段目の撚糸操作と、更に
第二段目の撚糸操作とが一連で行なわれで二重撚糸が製
造され、そして巻取機構53のボビン上に巻取られるこ
とになる。なお、この巻取装置53には各種の構造のも
のを使用することができるが、この装置は特に限定する
ものではない。
【0042】前記のようにスピンドル4に停止状態で支
持した糸保持部材80の部分には従来の二重撚糸装置の
ように給糸(パーン)を支持していない。このことから
糸保持部材80の周囲に形成される糸道〔Y4 〕、即ち
バルーニングはこの糸保持部材80より大きければ良い
ことになり、その直径は従来の装置に形成されるバルー
ニングに比較して著しく小径のものとすることができ
る。
【0043】このようにバルーニングを小径とすること
によって、撚糸中の糸条Yに発生する張力を著しく減少
させることができることになる。バルーニングが小径に
なることは、高速撚糸が可能にする。そして給糸44の
支持を、スピンドル4の部分から外したことによって、
この給糸44の形状や大きさに全く制限を受けることが
なくなる。その結果、大型の給糸44でも使用すること
ができる。また、場合によっては給糸の終端と別の給糸
の始端とを結んで連続的に糸条を取り出して二重撚糸す
ることも可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る高速二重撚糸方法は、スピ
ンドル4上にバルーニングの下部を形成するロータリー
デイスク5と、このロータリデイスク5の上方に前記ス
ピンドルに対して停止状態を保持する糸保持部材80を
設け、このスピンドル4とは別置きされた給糸44から
引き出される糸条をスピンドル4の下方より、このスピ
ンドル4の中心の糸導孔15を通し、前記ロータリーデ
イスク5から導出し、前記糸保持部材80の上部に至る
糸道と、この糸保持部材80の中心の糸導孔23とロー
タリーデイスク5の外周部に至り、このロータリーデイ
スク5の外周部より前記糸保持部材80の上方に設けた
ガイド28に至る一連の糸道を経由して撚糸を行うこと
を特徴としており、次の効果を奏することができる。
【0045】A)給糸44を、スピンドル4の周囲に形
成されるバルーニングの内部に保持しないことから、こ
のバルーニングの直径を従来の撚糸機に比較して著しく
縮小できる。このバルーニングの直径の縮小から糸条に
作用する張力を著しく減少させることができ、その結
果、高速で撚糸することが可能となる。 B)給糸44をスピンドル4に支持させないことから、
この給糸44の形状と大きさに制限を受けないことにな
る。
【0046】従来の撚糸機においては、給糸をバルーニ
ングの内部に配置する必要があることから、その形状と
大きさに制限があり、そのために巻返し機を特別に必要
とする欠点があった。しかし、本発明においては、この
ような巻返し装置と巻返し作業が不必要となり、極めて
効率的に撚糸することができる。また、場合によっては
給糸44を複数本配列し、これらの糸端を結んでおくこ
とによって連続的に二重撚糸を行うことができる。
【0047】D)前記のようにバルーニングを小径とし
たことから、バルーニングの高速旋回を可能とすること
ができる上に、糸条に作用する張力を減少できることか
ら撚糸機の動力を減少させることができる。そしてこの
動力の減少は、撚糸機の発熱を抑制する効果を奏する。 E)前記のように撚糸する際の動力が減少することか
ら、撚糸機構を構成する各部部材の振動や騒音が少なく
なり、静粛な撚糸工場とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る二重撚糸機構の要部を示
す断面図である。
【図2】二重撚糸機構を使用した二重撚糸装置の正面図
である。
【図3】二重撚糸機構を使用した二重撚糸装置の側面図
である。
【記号の説明】
DT 二重撚糸機構 1 撚糸機本体 2 軸受部
3 軸受 4 スピンドル 5 ロータリーデイスク 6,7
フランジ 8 中間部材 9 軸受 10 上部部材 1
2,14 マグネット 15 糸導孔 16 ヤーンガイド 17 軸受 18 中空ヤーンガイド 19 円冠状ヤーンガイド 20 ヤーンガイド 21 テンサー 22 ヤー
ンガイド 23 糸導孔 24 ヤーンガイド 28 スネル
ガイド 30 プーリー 31 駆動装置 32 中間軸 33 プーリー 34 チエン 40 フレーム
41 給糸部分 44 給糸 45 ペグ 46 糸切れ検知部
47 ガイドローラ 50 駆動装置 52 フイードローラ 53 巻
取機構 54 フレーム 55 モータ 56 プーリー
57 ベルト 58 減速機付きモータ 59 ベルト 60 ド
ライブローラ 61 トラバース機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルの周囲にバルーニングの下部
    を形成するロータリーデイスクと、このロータリデイス
    クの上方に前記スピンドルに対して停止状態を保持する
    糸保持部材を設け、このスピンドルとは別置きされた給
    糸から引き出される糸条をスピンドルの下方より供給
    し、このスピンドルの中心の糸導孔を通って前記ロータ
    リーデイスクから導出する第1の糸道と、前記ロータリ
    ーデイスクより前記糸保持部材の上部に至る第2の糸道
    と、この糸保持部材の中心の糸導孔とロータリーデイス
    クの外周部に至る第3の糸道と、このロータリーデイス
    クの外周部より前記糸保持部材の上方に配置したガイド
    に至る第4の糸道からなる糸道を経由して撚糸を行う二
    重撚糸方法。
  2. 【請求項2】 第1の糸道と第2の糸道とは仮ヨリ工程
    を、第3の糸道と第4の糸道は二重撚糸工程を形成し、
    更に第4の糸道はバルーニングであり、このバルーニン
    グの内方に給糸を支持しない請求項1記載の二重撚糸方
    法。
  3. 【請求項3】 スピンドル4とは別置きされた給糸44
    から引き出された糸条Yをスピンドル4内を通過させる
    第1の糸路Y1 と、前記スピンドル4に支持されて回転
    するロータリーデイスク5よりこのスピンドル4上に、
    このスピンドル4に対して回転しないように支持された
    糸保持部材80を形成する上部部材10の頂部よりスピ
    ンドル4の内部に配置したテンサー21に至る第2の糸
    路Y2と、前記上部部材10の内部を通って前記ロータ
    リーデイスク5に至る第3の糸路Y3 と、このロータリ
    ーデイスク5より前記上部部材10の上方に配置したガ
    イド28との間の第4の糸路Y4 を形成して撚糸する二
    重撚糸方法。
  4. 【請求項4】 スピンドル4とは別の場所に支持された
    給糸34は、第4の糸路Y4 からなるバルーニングとは
    無関係な大きさと形状に形成されている請求項1記載の
    二重撚糸方法。
  5. 【請求項5】 本体1に回転自在に支持したスピンドル
    4と、このスピンドル4の中間部に支持したロータリー
    デイスク5と、前記スピンドル4の上部に浮動状態で支
    持された糸保持部材80と、この糸保持部材80上に設
    けたマグネット12と、このマグネット12に対向し、
    本体1側に固定されたマグネット14とからなり、両マ
    グネット12,14によって前記糸保持部材80がスピ
    ンドル4の回転にかかわらず回転しないように保持され
    ており、更に前記糸保持部材80の中心の孔の中にテン
    サー21を配置している二重撚糸機構。
JP15875394A 1994-07-11 1994-07-11 二重撚糸方法とその装置 Pending JPH0827634A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101935899A (zh) * 2010-06-25 2011-01-05 张朝山 带有下进纱通道的捻纱锭子
KR101470420B1 (ko) * 2014-01-17 2014-12-09 경희대학교 산학협력단 중연 정방기 및 이를 이용한 정방법
KR101476597B1 (ko) * 2013-12-31 2014-12-24 한국니트산업연구원 복합사제조용 연사장치

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