JPH0827554A

JPH0827554A - 溶融金属めっき槽内ドロス処理装置

Info

Publication number: JPH0827554A
Application number: JP16659594A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Nakagawa; 信夫中川; Satoru Kano; 哲加納; Yuichi Fukushima; 祐一福島; Toshihide Uehara; 俊秀上原
Original assignee: NKK Corp; Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1994-07-19
Filing date: 1994-07-19
Publication date: 1996-01-30
Anticipated expiration: 2015-02-21
Also published as: JP3011022B2

Abstract

(57)【要約】【目的】溶融金属めっき槽内の浴面上に生成されるト
ップドロスを、溶融金属めっき浴中に設けられて溶融金
属が通過可能な透孔性を有する反応槽でフラックスを添
加・攪拌する事により、トップドロス中に残存する溶融
金属分のみを分離し、溶融金属めっき浴中へ移動させて
回収するための装置に関する。【構成】溶融金属を収納するめっき槽と、めっき槽の
近傍に設けられたドロスかき寄せ装置と、めっき浴に浸
漬されるとともに透孔性を有する反応槽とを備え、ドロ
スかき寄せ装置はめっき浴内に浸漬可能なドロスかき寄
せ部と、ドロスかき寄せ部を支持する腕部と、この腕部
を支持する支持台と、腕部を駆動する駆動部を備えてい
る溶融金属めっき槽内ドロス処理装置。また、溶融金属
めっき槽近傍に設けられたフラックス供給装置と、反応
槽からの蒸気を集める集塵装置とを備え、フラックス供
給装置はフラックスを収納する収納部と、フラックスを
反応槽へ排出する排出部とを備えていることを特徴とす
る溶融金属めっき槽内ドロス処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属めっき槽内
の浴面上に生成されるトップドロスを、溶融金属めっき
浴中に設けられて溶融金属が通過可能な透孔性を有する
反応槽でフラックスを添加・攪拌する事により、トップ
ドロス中に残存する溶融金属分のみを分離し、溶融金属
めっき浴中へ移動させて回収するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】溶融金属めっき設備において、溶融亜鉛
めっきでは、金属付着量を調整する気体絞りの空気と亜
鉛とが反応して、粘性を持ったトップドロス（ＺｎＯ）
がめっき浴の上面に生成される。このトップドロスは亜
鉛浴上に堆積し、最悪な場合は、金属ストリップなどの
被めっき材表面に付着し、欠陥となり、溶融金属めっき
品質をそこなうため、作業者がひしゃくを用いてかき寄
せた後でバケットに汲み上げてドロス塊として売却処理
しているのが通常である。しかしながら、上記作業者の
人力によるドロス汲み上げ、除去作業は劣悪環境での筋
力作業であること、また、トップドロス中には純亜鉛分
が９０％以上も含まれているため亜鉛歩留を大幅に低下
させることから自動でのドロス回収方法の確立がライン
立上げ当初から切望されていた。これを解決すべく、種
々の方法が考えられ、分離・回収して再使用する方法が
創案され、実機化されている。

【０００３】分離・回収して再使用する方法の一つとし
て例えば、回収装置内でドロスとフラックスとを反応さ
せて、金属亜鉛を回収し、生成するアッシュとＣｌ₂ガ
スとをアルカリ溶液で洗浄することにより、ドロス回収
作業を自動化し、作業環境の改善をはかる方法が特開昭
５５−１０４４６４号公報に記載されている。上記公報
に記載のものは図４に示すように、まず最初に、回収装
置２１の投入口２９内へ亜鉛溶融金属めっき浴ａ上に浮
遊堆積するトップドロスｂを送る。一方投入蓋３２を開
いてＺｎＣｌ₂等のフラックスｃを投入し、蓋３２を閉
じる。そして、装置２１内のドロスｂ及びフラックスｃ
をスクリュー２４の回転で、吸込口３４から導入する不
活性ガスを装置本体２３内部に送り、両者の反応で生成
する金属亜鉛ｄを分離板３８で回収する。またドロスｂ
中のＺｎＯとフラックスから生成し、亜鉛浴面に浮ぶア
ッシュｅを未反応のドロスｂと共に分離板３８の前部に
集め、軽いアッシュｅを分離板３８を越してアッシュ搬
出筒体４０に送る。この際、分離した不活性ガスは筒体
４０、縦型煙道筒体４２、横型煙道筒体４３を経て洗浄
筒５０に送り、噴霧器５２からアルカリ溶液を噴出させ
て洗浄し、Ｃｌ₂ガス及び残存する微粉末アッシュを除
去するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
は回収装置２１内へ投入したドロスｂがフラックスとの
反応時にスクリュー２４および攪拌棒２５あるいは、装
置本体２３内部に付着堆積し易く、スクリュー２４の回
転不良を起こし、反応促進の妨げになる事が多々発生す
る。この様な場合、点検用小蓋２８を開けて、最悪な場
合大蓋２７を開けて、付着したドロスをバーナーであぶ
って溶かして除去するか、バールなどの治具でつついて
除去する等の手入れが頻繁に必要であった。またその様
な手入れをすると、本体２８の変形、又はスクリュー２
４、攪拌棒２５の変形、折損に至る場合も発生する。ま
た、長期間使用するにつれ、攪拌シャフトが熱変形し、
回転不良を起こすなど、安定的にこのドロス回収装置を
使いこなす事は困難であった。本発明はこの様な装置メ
ンテナンスの不要、あるいは、長期使用における装置の
劣化を防ぎ、耐久性の向上をはかり、安定的にドロス回
収を行なう事を可能にする装置を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融金属め
っき槽内ドロス処理装置の第１の発明は、溶融金属を収
納する溶融金属めっき槽と、溶融金属めっき槽の近傍に
設けられたドロスかき寄せ装置と、溶融金属めっき浴に
浸漬されるとともに透孔性を有する反応槽とを備え、ド
ロスかき寄せ装置は溶融金属めっき浴内に浸漬可能なド
ロスかき寄せ部と、ドロスかき寄せ部を支持する腕部
と、この腕部を支持する支持台と、腕部を駆動する駆動
部を備えていることを特徴とするものである。第２の発
明は、溶融金属めっき槽近傍に設けられたフラックス供
給装置と、反応槽からの蒸気を集める集塵装置とを備
え、フラックス供給装置はフラックスを収納する収納部
と、フラックスを反応槽へ排出する排出部とを備えてい
ることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明に係る溶融金属めっき槽内ドロス処理装
置は、溶融金属を収納する溶融金属めっき槽内の浴面に
浮遊するドロスを、溶融金属めっき槽の近傍に設けられ
溶融金属めっき浴内に浸漬可能なドロスかき寄せ部を支
持する腕部と、この腕部を支持する支持台と、腕部を駆
動する駆動部を備えたドロスかき寄せ装置のドロスかき
寄せ部で所定の位置へ集める。前記ドロスかき寄せ部で
所定の位置へ集められたドロスは、溶融金属めっき浴に
浸漬されるとともに透孔性を有している反応槽に投入さ
れて処理される。また、溶融金属めっき槽近傍に設けら
れ、フラックスを収納する収納部と、フラックスを反応
槽へ排出する排出部とを備えているフラックス供給装置
から供給されたフラックスはドロスと反応する。その
際、反応槽からの生成する蒸気は、集塵装置にて処理さ
れる。

【０００７】

【実施例】本発明に係る溶融金属めっき槽内ドロス処理
装置の一実施例を図面を用いて説明する。図１は装置全
体を表す平面図、図２が側面図である。１はロボット
で、ドロスかき寄せ装置部分を構成し、２はひしゃく
で、ドロスかき寄せ装置のドロスかき寄せ部を構成して
いる。３は反応槽で透孔性を有している。５はダクトで
集塵装置部分を構成する。また、６はアッシュ回収ボッ
クス、７はフラックス供給装置でフラックスを収納する
収納部７ａと、フラックスを反応槽へ排出する排出部７
ｂとを備えている。前記ロボット１は、ひしゃく２（ド
ロスかき寄せ部）と、このひしゃく２を支持するひしゃ
く支持アームＡ（腕部）と、このひしゃく支持アームＡ
を支持する支持部Ｂ（支持台）とから概略構成されてい
る。ひしゃく２は、図３に示すように金網状に加工さ
れ、前記ロボット１に操作されるようになっている。支
持部Ｂを構成するため、まず、基台６０をめっき槽２３
近傍に固定配置し、この基台６０に回転軸６１を介して
第１の腕部材６２を起立させた状態で接続するととも
に、前記回転軸６１を介して第１のリンク６３を略水平
状態で接続する。そして、前記第１のリンク６３の他端
に、前記第１の腕部材６２と同じ長さの第２のリンク６
４を回動軸６８で接続する。さらに、前記第１の腕部材
６２と前記第２のリンク６４とを平行にした状態に、前
記第１の腕部材６２と前記第２のリンク６４のそれぞれ
の自由端に第２の腕部材６７を回動自在に回動軸６５，
６６で接続する。このようにして、支持部Ｂは、第１の
腕部材６２、第１のリンク６３、前記第２のリンク６
４、第２の腕部材６７によって平行四辺形リンク機構と
なるように構成されている。前記支持部Ｂには図示しな
い駆動手段が設けられ駆動可能に設定されている。前記
ひしゃく支持アームＡは、前記第２の腕部材６７の先端
部に回動自在に接続されている。反応槽３はめっき槽２
３に浸漬されており、底部に透孔性を有するセラミック
スフィルター４が設けられ、溶融金属が流通するように
なっている。ダクト５は前記反応槽３上を覆い、集塵装
置１０につながり、排気口１１に連通している。アッシ
ュ回収ボックス６およびフラックス供給装置７は前記ロ
ボット１の動作範囲内に配置されている。上記構成の装
置は、まずめっき槽２３内の亜鉛浴ａ上のドロスｂを亜
鉛浴ａ上に設置した反応槽３近傍の所望位置にかき寄せ
られる。次にロボット１が作動し、先端のひしゃく２で
ドロスｂを汲み上げ反応槽３に投入する。ドロスｂの処
理量によりロボット１による反応槽３へのドロスｂの投
入回数は数回繰り返される。必要量のドロスｂが反応槽
３に投入されると、ロボット１は、フラックス供給装置
７の方に作動し、ロボットアームの横に設置したフラッ
クス受け皿１２を、フラックス供給装置７より延長され
たフラックス投入口１３の下に待機させる。近接スイッ
チがＯＮし、フラックス投入口１３よりフラックスｃが
切り出され、フラックス受け皿１２に投入される。処理
ドロス量に対し、数％のフラックスｃが受け皿１２に供
給されると、ロボット１は作動し、反応槽３にフラック
スｃを投入する。その次にロボットアーム先端のひしゃ
く２により、反応槽３内へ投入したフラックスｃとドロ
スｂの攪拌を行ない両者の反応で生成する金属亜鉛は、
亜鉛浴ａ中に還流して回収される。反応時に発生するＨ
Ｆガス（１ｐｐｍ以下）および粉塵はダクト５より吸引
され集塵装置１０を通りバグフィルターで濾過され、排
気口１１より屋外へ放出される。又、反応時にＦｅ−Ａ
ｌ系のドロスが生成し、浴中に浮遊するのを防止するた
め、反応槽３の底部４にはセラミックスフィルターを設
置し、ろ過している。反応後、反応槽３上面に生成され
たアッシュは、再びロボットアーム先端のひしゃく２で
くみ上げ、アッシュ回収ボックス６に運ばれ、回収され
る。以上、一連の動作をロボットが自動的に行なう事に
より、ドロス回収処理が安定的に実施される。なおロボ
ット作動中は人が立ち入れない様に、ロボット作動範囲
内は安全柵８により囲われている。

【０００８】

【発明の効果】以上の様に本発明によれば、トップドロ
スから自動的に約７０％の純金属としての亜鉛を回収、
再使用でき、亜鉛溶融金属めっきにおける亜鉛歩留の向
上が図れるとともにドロス回収作業の省力化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の溶融金属めっき槽内ドロス処理装置の
一実施例を示す平面図である。

【図２】本発明の溶融金属めっき槽内ドロス処理装置の
一実施例を示す側面図である。

【図３】本発明のドロスかき寄せ装置を構成するドロス
かき寄せ部を示す説明図である。

【図４】従来技術のドロス回収装置を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１ロボット２ひしゃく３反応槽４セラミックスフィルター５排気ダクト６アッシュ回収ボックス７フラックス供給装置８安全柵９煙道１０集塵装置１１排気口１２フラックス受け皿１３フラックス投入口

フロントページの続き (72)発明者上原俊秀東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】溶融金属を収納するめっき槽と、めっき
槽の近傍に設けられたドロスかき寄せ装置と、めっき浴
に浸漬されるとともに透孔性を有する反応槽とを備え、
ドロスかき寄せ装置はめっき浴内に浸漬可能なドロスか
き寄せ部と、ドロスかき寄せ部を支持する腕部と、この
腕部を支持する支持台と、腕部を駆動する駆動部を備え
ていることを特徴とする溶融金属めっき槽内ドロス処理
装置。
【請求項２】溶融金属めっき槽近傍に設けられたフラ
ックス供給装置と、反応槽からの蒸気を集める集塵装置
とを備え、フラックス供給装置はフラックスを収納する
収納部と、フラックスを反応槽へ排出する排出部とを備
えていることを特徴とする請求項１記載の溶融金属めっ
き槽内ドロス処理装置。