JPH08274633A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JPH08274633A
JPH08274633A JP8015734A JP1573496A JPH08274633A JP H08274633 A JPH08274633 A JP H08274633A JP 8015734 A JP8015734 A JP 8015734A JP 1573496 A JP1573496 A JP 1573496A JP H08274633 A JPH08274633 A JP H08274633A
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Masayuki Takami
昌之 高見
Masahiro Kataoka
正弘 片岡
Taro Shibagaki
太郎 柴垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で基準信号の切替時に生じる出力
位相変動の過渡応答特性を遅くし、定常時と微少な変動
に対しては高速に応答するようにする。 【解決手段】 電圧制御発振器7の出力を分周回路8で
入力基準信号の周波数に合わせて分周し、この分周出力
と入力基準信号とを位相比較器5で位相比較し、その位
相誤差信号をループフィルタ6で電圧制御発生器7の制
御電圧に変換するPLL回路に対し、ループフィルタ6
の出力電圧と直流的には等しい電圧を生成しその生成さ
れた電圧の過渡応答特性をループフィルタ6の出力電圧
の応答特性よりも遅くなるように設定してなるバッファ
回路21と、このバッファ回路21の出力とループフィ
ルタ6の出力と間の電圧差が規定電圧以上になるときル
ープフィルタ6の出力を制限するリミット回路23とを
具備するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば冗長系を有
するΡLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、PLL回路は種々の技術
分野で用いられているが、特に通信装置の中では装置の
基準となる動作クロックパルス、データのフレームパル
ス等を生成するための重要な役割を果たしている。
【0003】通信装置は、一般に低い周波数、例えば8
[kHz]や2.048[MHz]の基準周波数を外部
から受け取り、それを基準にPLL回路を用いて装置自
身の動作クロックを作り出している。
【0004】図10は従来のPLL回路の構成を示すも
ので、外部からの基準信号は2系等入力されて冗長構成
がとられている。この2つの入力IN1、IN2はセレ
クタ(SEL)3で選択される。このセレクタ3の選択
切替制御は入力断検出回路4によってなされる。すなわ
ち、2つの入力が正常なときにはいずれか一方の信号を
選択し、その信号が断となった時には他方の入力に切り
替えて動作するように制御される。
【0005】セレクタ3で選択された基準信号は位相比
較器(PC)5の一方の入力端に供給され、他方の入力
端に供給される電圧制御発振器(VCXO)7の出力を
分周回路8で分周して生成された信号と位相比較され
る。
【0006】この位相比較によって得られた位相誤差信
号はループフィルタ6に入力される。このループフィル
タ6は位相比較器5の出力をある設計した伝達関数で電
圧制御発振器7の制御電圧に変換するものである。一般
にはラグリードフィルタや完全積分型フィルタ等が用い
られる。
【0007】上記構成によるPLL回路の出力OUTと
しては、入力IN1またはIN2の基準周波数に同期し
た高速のクロックが得られることになる。通信装置では
このPLL回路出力を装置内に分配して使用している。
また、装置内でさらに高速なクロックが要求される場合
には、PLL回路を複数個多段接続して、必要な周波数
のクロックを生成するようにしている。
【0008】この場合に問題になるのは、PLL回路の
多段接続時の応答特性である。特に、前段のPLL回路
において基準信号に障害が発生し、他方の基準信号への
切替が発生した時に、後段ののPLL回路が追従できる
かどうかが問題になる。もし前段のΡLLの変動に後段
のΡLLが追従できなくなると、装置内部で動作クロッ
クの同期がとれなくなり、正常なデータ伝送が行えなく
なってしまう。
【0009】このような問題が発生しないように、PL
Lを多段接続する場合には、後段のPLLの応答性を前
段のΡLLよりも高速にし、かつ同期できる周波数範囲
を広くするように設計される。
【0010】このように、回路設計においては、この縦
続接続のために設計上の制約を受けており、さらには所
望の特性を持つデバイスの調査、あるいは新規開発が必
要となるため、組み上がった製品はかなり高価になって
しまうことが多い。また、使用する部品等の制約によ
り、いつでもその条件を満足できる訳でもない。
【0011】ところで、図10に示した従来のPLL回
路において、入力の基準信号が断となったときには、入
力断検出回路4で障害が検出される迄の間に位相比較器
5の入力も消えてしまい、次に新たな基準信号が選択さ
れると、その新たな基準信号の位相に対してPLLが再
び同期することになる。また、新たな基準信号が元の基
準信号と同じ位相である保障もない。
【0012】このときの過渡応答特性はPLLの伝達特
性で決まり、電圧制御発振器7の制御電圧はループフィ
ルタ6のステップ応答に応じて励振されることになる。
このため、ループフィルタ6の時定数を大きくとること
で、切替時の応答特性を遅くすることができるが、定常
時の応答を遅くしなければならなくなる。
【0013】このように、従来では、定常時と微少な変
動に対しては高速で、基準の切替時のように大きな位相
変動の時のみ応答を遅くするには適当な手段がなかっ
た。尚、図11に示すように、例えばツェナーダイオー
ド10、11を付加して電圧制御発振器7の制御電圧を
リミットしてしまうことで、過渡応答を遅くすることは
できるが、このような手段ではPLLのロックレンジ、
キャプチャレンジが制限されてしまう。しかも、電圧制
御発振器7の特性は温度変動が大きいため、このような
構成の固定のリミット値で抑制しようとすると、動作特
性がアンバランスになってしまう問題があり、あまりき
つい制限は設けられない。
【0014】また、最近では、設計自由度を増すため
に、ループフィルタをディジタル論理処理によって実現
して、上述の追従特性を良好にすることも行われてい
る。しかしながら、この方式では回路規模が大きく高価
でもあり、回路が複雑化するために逆に信頼度が落ちる
という問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
のPLL回路では、定常時と微少な変動に対しては高速
で、基準信号の切替時のように大きな位相変動の時のみ
応答を遅くする適当な手段がなかった。
【0016】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、簡単な構成で基準信号の切替時に生じる出
力位相変動の過渡応答特性を遅くし、定常時と微少な変
動に対しては高速に応答することができ、縦続接続した
場合には後段PLLの負担を軽減することができるΡL
L回路を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、制御電圧に応じた周波数の信号を発振出力
すると共に入力基準信号の周波数に変換する機能を有す
る電圧制御発振手段と、この電圧制御発振手段の出力信
号と入力基準信号とを位相比較する位相比較器と、この
位相比較器の出力を前記電圧制御発振器の制御電圧に変
換するループフィルタとを備えるPLL回路において、
前記ループフィルタの出力電圧と直流的には等しい電圧
を生成しその生成された電圧の過渡応答特性を前記ルー
プフィルタ出力電圧の応答特性よりも遅くなるように設
定してなるバッファ回路と、このバッファ回路の出力と
前記ループフィルタ出力との間に介在され両出力間の電
圧差が規定電圧以上になるとき前記ループフィルタ出力
を制限するリミット回路とを具備するようにしたもので
ある。
【0018】上記構成によるPLL回路では、通常の電
圧制御発振器の制御電圧に対して急激な変化が生じたと
きのみ有効になるリミッタ回路を付加する、すなわち制
御電圧と同じ電圧をつくるバッファ回路を設けて、その
過渡応答が制御電圧の応答よりも遅くなるようにしてお
き、このバッファ出力を基準に、元の制御電圧を制限す
るようにしたもので、電圧制御発振器の制御電圧が高速
に変化するとリミットされ、PLLの入力切替時のよう
に大きな位相変動を起こすときにその応答特性をゆっく
りしたものにすることができる。
【0019】また、本発明によるPLL回路は、さら
に、前記バッファ回路の出力端から前記リミット回路を
介して前記ループフィルタ出力端までの経路中に介在さ
れるスイッチと、前記ループフィルタの出力レベルが規
定値に満たないときは同期状態とみなして前記スイッチ
をオン状態とし、規定値を越えるときは非同期状態とみ
なして前記スイッチをオフ状態とするスイッチ制御手段
とを備えることを特徴とするものである。
【0020】上記構成によるPLL回路では、リミッタ
回路が機能する時と、機能しないときを同期状態と非同
期状態とで選択的に制御することができ、これによって
キャプチャレンジの劣化を防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図9を参照して本
発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る
PLL回路の第1の実施形態の構成を示すものである。
尚、図1において、図7と同一部分には同一符号を付し
て示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0022】図1において、図7に示した従来回路と異
なる点は、バッファ回路21、リミッタ23を追加した
点にある。既に述べたように、本発明の目的は、PLL
の他の特性を犠牲にせずに、入力基準信号IN1、IN
2の切替が発生したときの出力OUTの位相変化の速度
を遅くすることである。この入力IN1、IN2の切替
動作の発生したとき、位相比較器5の出力は急激に変動
し、ループフィルタ6の出力も追従して変動する。
【0023】バッファ回路21は、ループフィルタ6の
出力電圧V20を基準として直流的には等しい電圧を出
力V22として取り出せるような回路である。すなわ
ち、バッファ回路21は利得が1倍の回路である。但
し、ここではその精度は問題にしないので厳密に1でな
くともよい。またバッファ回路21の時間応答特性はル
ープフィルタ6等の応答特性によって決まる制御電圧V
20の時間応答特性よりも遅くなるように設定する。
【0024】このように設計したバッファ回路21の出
力電圧V22は、直流的には制御電圧V20と等しい。
すなわち、温度変動や電源電圧の経時変化のような極め
てゆっくりした変化に対しては等しい値で追従する。し
かし、位相比較器5の入力がステップ状に変化する入力
IN1、IN2の切替時の制御電圧V20の変化に対し
ては、追従せずに切り替え前の電圧をある程度保持す
る。このため、制御電圧V20とバッファ回路21の出
力電圧V22との間には電圧差が発生する。この電圧差
がある範囲を超えるときには、バッファ出力V22を基
準にして制御電圧V20がそれ以上変化しないようにリ
ミット回路23が付加されている。
【0025】但し、あくまでもバッファ回路21の出力
V22を基準にしたリミット特性を得るためには、バッ
ファ回路21の出力側の負荷インピーダンスを制御電圧
V20の側よりも低くなるようにしておけばよい。
【0026】実際の回路でこれを実現する場合の例を図
2に示す。バッファ回路21は、例えば抵抗(R)24
とコンデンサ(C)25で制御電圧V20をフィルタリ
ングした後、オペアンプ(IC)26によるボルテージ
フォロア回路で増幅出力するように構成して実現する。
その利得はボルテージフォロア回路で定まり、ほぼ1と
なる。時間応答特性は抵抗RとコンデンサCの値で定ま
るような低域通過フィルタの特性となる。
【0027】リミット回路23としては、ダイオード2
7、28を互いに逆方向になるように制御電圧V20の
伝送ラインとバッファ回路21の出力V22の伝送ライ
ンの間に接続して実現できる。この構成では、制御電圧
V20のバッファ回路21の出力V22に対して、正の
方向にも負の方向にもぞれぞれダイオード27、28の
順方向ドロップ電圧分しか変動せず、それよりも差が大
きいところではリミットされることになる。この制限
値、すなわち順方向ドロップ電圧は、通常、シリコンダ
イオードでは0.3〜0.8[V]である。
【0028】図3は上記構成における応答動作を示す波
形図で、図3(a)は制御電圧V20が時間的にゆっく
り変動する場合、図3(b)は制御電圧V20が基準信
号の切り替えによって急激に変化する場合を示してい
る。尚、図3(b)中の点線で示す波形は従来のPLL
回路の制御電圧の変化であり、説明を分かりやすくする
ために示している。
【0029】この図3からわかるように、制御電圧V2
0がゆっくり変動する場合には、バッファ回路21の出
力電圧V22は制御電圧V20に追従する。このため、
両者の電圧差はほとんど発生しない。しかしながら、制
御電圧V20が急激に変化する場合には、大きな電圧差
が発生してしまい、結局、制御電圧V20は、図3
(b)中一点鎖線で示すように、ダイオード27による
ドロップ電圧Vfで制限された値で変動するようにな
る。
【0030】つまり、図3(b)のように、制御電圧V
20が急変しても、バッファ出力V22は応答せず、制
御電圧V20とバッファ出力V22の間にダイオード2
7の順方向ドロップ電圧Vf以上の差が生じようとす
る。このため、ダイオード27が低インピーダンスにな
る。よって、制御電圧V20の変化をリミットすること
ができる。これをPLL回路出力OUTの位相変化とし
て考えると、本発明の構成によって急激な位相変化はし
なくなるということになる。
【0031】ここで、実際に本発明を適用して試験して
みた例を図4に示す。図4はPLL回路の出力OUTの
位相変化を入力のクロックと同じ周波数まで分周して両
者の間の位相変化をタイムインタバルアナライザで測定
したものである。変化しているのはPLL回路の入力I
N1とIN2の切替を行ったときの位相変化であり、
(a)、(b)はそれぞれ本発明の実施前、実施後を示
している。ここで、縦軸はPLL入出力の位相差を示
し、位相差を変化量と時間(μs単位)で表している。
また、横軸は時間軸であり、(a)の場合は1div当
り5[ms]、(b)の場合は1div当り25[m
s]となっている。
【0032】いずれの場合でも入力の切替が起こる前と
後では、2マイクロ秒位、位相が変化している。これは
入力の初期位相差分である。但し、変化するのにかかっ
ている時間、すなわち画面の中に示す点線のマーカー
a、bの間の時間で求めてみると、図4(a)では約1
2[ms]であり、図4(b)では52[ms]となっ
ている。
【0033】この結果から分かるように、本発明によ
り、入力切替時の位相変動の所要時間を約4倍に引き延
ばすことに成功している。これを瞬時周波数の変動に換
算すると、図4(a)の場合は約166[ppm]、図
4(b)の場合は約40[ppm]となっている。図4
(a)の場合は電圧制御発振器の可変範囲の最大値まで
瞬間的に変動しているのに対して、本発明の適用により
その変動を抑制することに成功している。
【0034】この効果により、PLLを縦続接続した場
合、従来では後段のPLLの入力に±200[ppm]
近くを変動の最大値として考える必要があった。これに
対して、本発明を適用すると±40[ppm]を変動の
最大値として考えて設計してよいことになる。このこと
は使用するデバイスの制約や設計上の制約が4倍楽にな
るのと等しい。
【0035】また、ロックレンジを計測してみると従来
と全く変わらない。すなわち、入力のゆっくりした変化
に対する追従特性は従来例のままであることも確認され
た。本発明に係る第2の実施形態を図5を参照して説明
する。尚、図5において、図2と同一部分には同一符号
を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0036】すなわち、図2の例ではバッファ回路21
のコンデンサ25を接地するようにしているが、この実
施形態では、ある直流電圧VT のラインに接続するよう
にしている。この直流電圧VT は定常状態の制御電圧V
20の電圧にほぼ等しくなるように設定する。この構成
によれば、例えば電源をいれた瞬間の動作をより高速に
安定化することができるようになる。
【0037】本発明に係る第3の実施形態を図6を参照
して説明する。尚、図6において、図1と同一部分には
同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説
明する。
【0038】すなわち、PLL回路においてリミット動
作が必要になるのは、基準信号の入力断により基準信号
の切り替えが生じた場合であり、定常動作状態では不要
である。そこで、この実施形態では、バッファ回路21
とリミット回路23との間にスイッチ31を設け、この
スイッチ31を入力断検出回路4の入力断検出信号によ
りオン・オフ制御するようにしている。
【0039】この構成によれば、定常動作状態ではリミ
ット回路23が動作せず、入力断があった場合のみリミ
ット回路23が作動するので、定常動作での不安定な状
態を回避することができる。
【0040】本発明に係る第4の実施形態を図7を参照
して説明する。尚、図7において、図1と同一部分には
同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説
明する。
【0041】図7において、リミット回路23はスイッ
チ41を介してループフィルタ6から出力される制御電
圧V20の伝送ラインに接続される。また、ループフィ
ルタ6から出力される制御電圧V20はピークホールド
回路42にも供給される。このピークホールド回路42
は、制御電圧V20の正負ピークレベルを検出保持する
もので、その正負保持レベルは識別器43に送られる。
【0042】この識別器43は正負保持レベルをそれぞ
れ予め決められた規定値と比較し、保持レベルが規定値
に満たないときは同期状態とみなし、規定値を越えると
きは非同期状態とみなす。その識別結果はスイッチ制御
回路44に供給される。
【0043】このスイッチ制御回路44は識別結果が同
期状態のときは上記スイッチ41をオン状態、非同期状
態のときは上記スイッチ41をオフ状態に切替制御す
る。上記構成において、スイッチ14がオフ状態の場合
には図10の従来例の構成と同じである。また、バッフ
ァ回路21及びリミット回路23の機能は図1に示した
第1の実施形態と同じである。したがって、ここでは追
加したスイッチ41、ピークホールド回路42、識別器
43及びスイッチ制御回路44の機能と効果について説
明する。
【0044】上述したように、ループフィルタ6から出
力される制御電圧V20はゆっくりした変動に対しては
何のリミット効果も受けないので、スイッチ41がオン
状態となっていてもロックレンジは変わらない。しかし
ながら、キャプチャレンジ、すなわち非同期状態から同
期状態に至るときのレンジは狭くなってしまう。つま
り、引き込み時の周波数可変幅はリミット回路23によ
って制限されるため、必然的にキャプチャレンジは狭く
なってしまう。
【0045】そこで、この実施形態では、キャプチャレ
ンジを狭くしないように、スイッチ41を設けている。
すなわち、PLLが同期するまでの間はスイッチ41を
オフ状態としておき、同期状態に至った時に初めてオン
状態となるようにしておけばキャプチャレンジの劣化を
防ぐことができる。
【0046】非同期状態にあるときの制御電圧V20
は、位相誤差が大きく変動するため振動している。ピー
クホールド回路42ではこの振動の最大値最小値をそれ
ぞれ検出してホールドする。識別回路43では、予め適
当な規定値が設定されており、最大値、最小値の両者に
ついて規定値による範囲を超えるか否かで同期、非同期
を識別する。
【0047】図8にその様子を示す。制御電圧V20は
振動しているが、ピークホールド回路42の出力V42
1、V422は最大値、最小値をトレースする。識別回
路43では、規定値V431、V432でこれらと比較
し、最大値、最小値の両者が規定値による範囲を超える
か否かで同期(越えない場合)、非同期(越えた場合)
を識別する。
【0048】このようにして得られた同期・非同期の識
別結果はスイッチ制御回路44にて上記のスイッチ41
に対する切替制御信号に変換される。すなわち、同期状
態のときはスイッチ41をオン状態に、非同期状態のと
きはスイッチ41をオフ状態に制御する。
【0049】上記の構成によれば、非同期状態ではリミ
ット効果が効かないため、キャプチャレンジの劣化をき
たすことがない。この場合、入力断発生により基準信号
IN1、IN2の切替えがあっても、非同期状態と判断
してリミット効果がきかないように動作するので、第3
の実施形態のような構成をとる必要はない。
【0050】尚、上記実施形態では、スイッチ41をリ
ミット回路23と制御電圧V20の伝送ラインとの間に
介在するようにしたが、図9に示すように、バッファ回
路21とリミット回路23との間に介在するようにして
もよい。
【0051】以上、本発明の各実施形態について説明し
てきたが、この他にも同様の効果をもたらすのに種々変
形した構成で実現することができるのは自明である。例
えばリミット回路23として用いるのは、ダイオード2
7、28に限らず、リミット範囲によってはツェナーダ
イオードでもよいし、ダイオードを複数使用してリミッ
ト電圧を変えることもできる。このように種々の構成で
リミット回路23を実現することができる。
【0052】バッファ回路21についても、上記の具体
例ではオペアンプ26と抵抗24、コンデンサ25によ
る構成を示したが、同等の機能を実現する回路としてこ
の構成のみに限定されるものではない。特に集積回路で
実現する場合には、ボルテージフォロア回路自身に応答
特性を遅くするような機能をつくり込んでもよい。
【0053】以上説明したように、本発明を適用すれ
ば、簡便な方法でPLL回路の入力切替時の位相変動特
性を調整することができるため、PLL回路を多段で接
続するときの設計自由度を増すことができ、デバイス選
択の幅も広がることになる。このように設計時間の短
縮、使用できるデバイスの幅が広がれば、より安価に装
置を実現し提供することが可能になる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡便な方
法でPLL回路の入力切替時の位相変動特性を調整する
ことができる。また、その時に元のロックレンジ、キャ
ップチャレンジを損なうことがないため、PLL回路を
多段で接続してゆくときの設計自由度を増すことがで
き、デバイス選択の幅も広げることができる。ひいて
は、設計時間の短縮、使用できるデバイスの幅が広が
り、これにより安価に装置を実現し提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るPLL回路の第1の実施形態を
示すブロック回路図である。
【図2】 同実施形態の具体的な構成を示す回路図であ
る。
【図3】 同実施形態の動作を説明するためのVCO制
御電圧の時間応答特性を示す図である。
【図4】 本発明の効果を確認した結果を示す波形図で
ある。
【図5】 本発明に係る第2の実施形態の構成を示すブ
ロック回路図である。
【図6】 本発明に係る第3の実施形態の構成を示すブ
ロック回路図である。
【図7】 本発明に係る第4の実施形態の構成を示すブ
ロック回路図である。
【図8】 同実施形態の具体的な構成を示す回路図であ
る。
【図9】 同実施形態の動作を説明するための波形図で
ある。
【図10】 従来の冗長構成を有するPLL回路の構成
を示すブロック回路図である。
【図11】 従来のPLL回路に設けられる応答遅延手
段の構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
3…セレクタ 4…入力断検出回路 5…位相比較器 6…ループフィルタ 7…電圧制御発振器 8…分周回路 10、11…ツェナーダイオード 21…バッファ回路 23…リミット回路 24…抵抗 25…コンデンサ 26…オペアンプ 27、28…ダイオード 31…スイッチ 41…スイッチ 42…ピークホールド回路 43…識別器 44…スイッチ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 正弘 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 東 芝通信システムエンジニアリング株式会社 内 (72)発明者 柴垣 太郎 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株 式会社東芝日野工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電圧に応じた周波数の信号を発振出
    力すると共に入力基準信号の周波数に変換する機能を有
    する電圧制御発振手段と、 この電圧制御発振手段の出力信号と入力基準信号とを位
    相比較する位相比較器と、 この位相比較器の出力を前記電圧制御発振器の制御電圧
    に変換するループフィルタとを備えるPLL回路におい
    て、 前記ループフィルタの出力電圧と直流的にはほぼ等しい
    電圧を生成し。その生成された電圧の過渡応答特性を前
    記ループフィルタ出力電圧の応答特性よりも遅くなるよ
    うに設定してなるバッファ回路と、 このバッファ回路の出力端と前記ループフィルタ出力端
    との間に介在され両出力間の電圧差が規定電圧以上にな
    るとき前記ループフィルタ出力を制限するリミット回路
    とを具備するPLL回路。
  2. 【請求項2】 前記バッファ回路は、前記ループフィル
    タ出力を低域通過フィルタ及びボルテージフォロア回路
    を通過させ、前記低域通過フィルタにより時間応答特性
    を決定し、前記ボルテージフォロア回路で利得を決定す
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載のPLL回
    路。
  3. 【請求項3】 前記低域通過フィルタは定常動作時の前
    記電圧制御発振器の制御電圧近傍の値の電位に終端させ
    るようにしたことを特徴とする請求項2記載のPLL回
    路。
  4. 【請求項4】 さらに、前記入力基準信号が複数あると
    き、前記複数の基準信号の一つを選択するセレクタと、
    前記複数の基準信号の入力状態を見て前記セレクタの選
    択基準信号の入力断があったとき前記セレクタに入力断
    検出信号を送り、他の基準信号を選択するように切替制
    御する入力断検出回路と備えることを特徴とする請求項
    1記載のPLL回路。
  5. 【請求項5】 さらに、前記バッファ回路の出力端から
    前記リミット回路を介して前記ループフィルタ出力端ま
    での経路中に介在されるスイッチを備え、このスイッチ
    を前記入力断検出信号に応じてオン/オフ制御するよう
    にしたことを特徴とする請求項4記載のPLL回路。
  6. 【請求項6】さらに、前記バッファ回路の出力端から前
    記リミット回路を介して前記ループフィルタ出力端まで
    の経路中に介在されるスイッチと、前記ループフィルタ
    の出力レベルが規定値に満たないときは同期状態とみな
    して前記スイッチをオン状態とし、規定値を越えるとき
    は非同期状態とみなして前記スイッチをオフ状態とする
    スイッチ制御手段とを備えることを特徴とする請求項1
    記載のPLL回路。
  7. 【請求項7】前記スイッチ制御手段は、前記ループフィ
    ルタの出力のピークレベルを検出するピークホールド回
    路と、この回路で検出されたピークレベルと規定値とを
    比較して同期・非同期を識別する識別回路と、この回路
    の識別結果に応じて前記スイッチのオン・オフを制御す
    るスイッチ制御回路とを備えることを特徴とする請求項
    6記載のPLL回路。
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