JP3559374B2 - Pll回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば冗長系を有するΡLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、PLL回路は種々の技術分野で用いられているが、特に通信装置の中では装置の基準となる動作クロックパルス、データのフレームパルス等を生成するための重要な役割を果たしている。
【0003】
通信装置は、一般に低い周波数、例えば8[kHz]や2.048[MHz]の基準周波数を外部から受け取り、それを基準にPLL回路を用いて装置自身の動作クロックを作り出している。
【0004】
図10は従来のPLL回路の構成を示すもので、外部からの基準信号は2系等入力されて冗長構成がとられている。この2つの入力IN1、IN2はセレクタ(SEL)3で選択される。このセレクタ3の選択切替制御は入力断検出回路4によってなされる。すなわち、2つの入力が正常なときにはいずれか一方の信号を選択し、その信号が断となった時には他方の入力に切り替えて動作するように制御される。
【0005】
セレクタ3で選択された基準信号は位相比較器(PC)5の一方の入力端に供給され、他方の入力端に供給される電圧制御発振器(VCXO)7の出力を分周回路8で分周して生成された信号と位相比較される。
【0006】
この位相比較によって得られた位相誤差信号はループフィルタ6に入力される。このループフィルタ6は位相比較器5の出力をある設計した伝達関数で電圧制御発振器7の制御電圧に変換するものである。一般にはラグリードフィルタや完全積分型フィルタ等が用いられる。
【0007】
上記構成によるPLL回路の出力OUTとしては、入力IN1またはIN2の基準周波数に同期した高速のクロックが得られることになる。通信装置ではこのPLL回路出力を装置内に分配して使用している。また、装置内でさらに高速なクロックが要求される場合には、PLL回路を複数個多段接続して、必要な周波数のクロックを生成するようにしている。
【0008】
この場合に問題になるのは、PLL回路の多段接続時の応答特性である。特に、前段のPLL回路において基準信号に障害が発生し、他方の基準信号への切替が発生した時に、後段ののPLL回路が追従できるかどうかが問題になる。もし前段のΡLLの変動に後段のΡLLが追従できなくなると、装置内部で動作クロックの同期がとれなくなり、正常なデータ伝送が行えなくなってしまう。
【0009】
このような問題が発生しないように、PLLを多段接続する場合には、後段のPLLの応答性を前段のΡLLよりも高速にし、かつ同期できる周波数範囲を広くするように設計される。
【0010】
このように、回路設計においては、この縦続接続のために設計上の制約を受けており、さらには所望の特性を持つデバイスの調査、あるいは新規開発が必要となるため、組み上がった製品はかなり高価になってしまうことが多い。また、使用する部品等の制約により、いつでもその条件を満足できる訳でもない。
【0011】
ところで、図10に示した従来のPLL回路において、入力の基準信号が断となったときには、入力断検出回路4で障害が検出される迄の間に位相比較器5の入力も消えてしまい、次に新たな基準信号が選択されると、その新たな基準信号の位相に対してPLLが再び同期することになる。また、新たな基準信号が元の基準信号と同じ位相である保障もない。
【0012】
このときの過渡応答特性はPLLの伝達特性で決まり、電圧制御発振器7の制御電圧はループフィルタ6のステップ応答に応じて励振されることになる。このため、ループフィルタ6の時定数を大きくとることで、切替時の応答特性を遅くすることができるが、定常時の応答を遅くしなければならなくなる。
【0013】
このように、従来では、定常時と微少な変動に対しては高速で、基準の切替時のように大きな位相変動の時のみ応答を遅くするには適当な手段がなかった。
尚、図11に示すように、例えばツェナーダイオード10、11を付加して電圧制御発振器7の制御電圧をリミットしてしまうことで、過渡応答を遅くすることはできるが、このような手段ではPLLのロックレンジ、キャプチャレンジが制限されてしまう。しかも、電圧制御発振器7の特性は温度変動が大きいため、このような構成の固定のリミット値で抑制しようとすると、動作特性がアンバランスになってしまう問題があり、あまりきつい制限は設けられない。
【0014】
また、最近では、設計自由度を増すために、ループフィルタをディジタル論理処理によって実現して、上述の追従特性を良好にすることも行われている。しかしながら、この方式では回路規模が大きく高価でもあり、回路が複雑化するために逆に信頼度が落ちるという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように従来のPLL回路では、定常時と微少な変動に対しては高速で、基準信号の切替時のように大きな位相変動の時のみ応答を遅くする適当な手段がなかった。
【0016】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で基準信号の切替時に生じる出力位相変動の過渡応答特性を遅くし、定常時と微少な変動に対しては高速に応答することができるPLL回路を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、制御電圧に応じた周波数の信号を発振出力すると共に入力基準信号の周波数に変換する機能を有する電圧制御発振手段と、この電圧制御発振手段の出力信号と入力基準信号とを位相比較する位相比較器と、この位相比較器の出力を前記電圧制御発振器の制御電圧に変換するループフィルタとを備えるPLL回路において、前記ループフィルタの出力電圧と直流的にはほぼ等しい電圧を生成し、その生成された電圧の過渡応答特性を前記ループフィルタ出力電圧の応答特性よりも遅くなるように設定してなるバッファ回路と、このバッファ回路の出力端と前記ループフィルタ出力端との間に介在され両出力間の電圧差が規定電圧以上になるとき前記ループフィルタ出力を制限するリミット回路と、前記入力基準信号が複数あるとき、前記複数の基準信号の一つを選択するセレクタと、前記複数の基準信号の入力状態を見て前記セレクタの選択基準信号の入力断があったとき前記セレクタに入力断検出信号を送り、他の基準信号を選択するように切替制御する入力断検出回路と、前記バッファ回路の出力端から前記リミット回路を介して前記ループフィルタ出力端までの経路中に介在されるスイッチとを具備し、前記スイッチを前記入力断検出信号に応じてオン/オフ制御するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によるPLL回路では、通常の電圧制御発振器の制御電圧に対して急激な変化が生じたときのみ有効になるリミッタ回路を付加する、すなわち制御電圧と同じ電圧をつくるバッファ回路を設けて、その過渡応答が制御電圧の応答よりも遅くなるようにしておき、このバッファ出力を基準に、元の制御電圧を制限するようにしたもので、電圧制御発振器の制御電圧が高速に変化するとリミットされ、PLLの入力切替時のように大きな位相変動を起こすときにその応答特性をゆっくりしたものにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図9を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係るPLL回路の第1の実施形態の構成を示すものである。尚、図1において、図7と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0022】
図1において、図7に示した従来回路と異なる点は、バッファ回路21、リミッタ23を追加した点にある。既に述べたように、本発明の目的は、PLLの他の特性を犠牲にせずに、入力基準信号IN1、IN2の切替が発生したときの出力OUTの位相変化の速度を遅くすることである。この入力IN1、IN2の切替動作の発生したとき、位相比較器5の出力は急激に変動し、ループフィルタ6の出力も追従して変動する。
【0023】
バッファ回路21は、ループフィルタ6の出力電圧V20を基準として直流的には等しい電圧を出力V22として取り出せるような回路である。すなわち、バッファ回路21は利得が1倍の回路である。但し、ここではその精度は問題にしないので厳密に1でなくともよい。またバッファ回路21の時間応答特性はループフィルタ6等の応答特性によって決まる制御電圧V20の時間応答特性よりも遅くなるように設定する。
【0024】
このように設計したバッファ回路21の出力電圧V22は、直流的には制御電圧V20と等しい。すなわち、温度変動や電源電圧の経時変化のような極めてゆっくりした変化に対しては等しい値で追従する。しかし、位相比較器5の入力がステップ状に変化する入力IN1、IN2の切替時の制御電圧V20の変化に対しては、追従せずに切り替え前の電圧をある程度保持する。このため、制御電圧V20とバッファ回路21の出力電圧V22との間には電圧差が発生する。この電圧差がある範囲を超えるときには、バッファ出力V22を基準にして制御電圧V20がそれ以上変化しないようにリミット回路23が付加されている。
【0025】
但し、あくまでもバッファ回路21の出力V22を基準にしたリミット特性を得るためには、バッファ回路21の出力側の負荷インピーダンスを制御電圧V20の側よりも低くなるようにしておけばよい。
【0026】
実際の回路でこれを実現する場合の例を図2に示す。バッファ回路21は、例えば抵抗(R)24とコンデンサ(C)25で制御電圧V20をフィルタリングした後、オペアンプ(IC)26によるボルテージフォロア回路で増幅出力するように構成して実現する。その利得はボルテージフォロア回路で定まり、ほぼ1となる。時間応答特性は抵抗RとコンデンサCの値で定まるような低域通過フィルタの特性となる。
【0027】
リミット回路23としては、ダイオード27、28を互いに逆方向になるように制御電圧V20の伝送ラインとバッファ回路21の出力V22の伝送ラインの間に接続して実現できる。この構成では、制御電圧V20のバッファ回路21の出力V22に対して、正の方向にも負の方向にもぞれぞれダイオード27、28の順方向ドロップ電圧分しか変動せず、それよりも差が大きいところではリミットされることになる。この制限値、すなわち順方向ドロップ電圧は、通常、シリコンダイオードでは0.3〜0.8[V]である。
【0028】
図3は上記構成における応答動作を示す波形図で、図3(a)は制御電圧V20が時間的にゆっくり変動する場合、図3(b)は制御電圧V20が基準信号の切り替えによって急激に変化する場合を示している。尚、図3(b)中の点線で示す波形は従来のPLL回路の制御電圧の変化であり、説明を分かりやすくするために示している。
【0029】
この図3からわかるように、制御電圧V20がゆっくり変動する場合には、バッファ回路21の出力電圧V22は制御電圧V20に追従する。このため、両者の電圧差はほとんど発生しない。しかしながら、制御電圧V20が急激に変化する場合には、大きな電圧差が発生してしまい、結局、制御電圧V20は、図3(b)中一点鎖線で示すように、ダイオード27によるドロップ電圧Vfで制限された値で変動するようになる。
【0030】
つまり、図3(b)のように、制御電圧V20が急変しても、バッファ出力V22は応答せず、制御電圧V20とバッファ出力V22の間にダイオード27の順方向ドロップ電圧Vf以上の差が生じようとする。このため、ダイオード27が低インピーダンスになる。よって、制御電圧V20の変化をリミットすることができる。これをPLL回路出力OUTの位相変化として考えると、本発明の構成によって急激な位相変化はしなくなるということになる。
【0031】
ここで、実際に本発明を適用して試験してみた例を図4に示す。図4はPLL回路の出力OUTの位相変化を入力のクロックと同じ周波数まで分周して両者の間の位相変化をタイムインタバルアナライザで測定したものである。変化しているのはPLL回路の入力IN1とIN2の切替を行ったときの位相変化であり、(a)、(b)はそれぞれ本発明の実施前、実施後を示している。ここで、縦軸はPLL入出力の位相差を示し、位相差を変化量と時間(μs単位)で表している。また、横軸は時間軸であり、(a)の場合は1div当り5[ms]、(b)の場合は1div当り25[ms]となっている。
【0032】
いずれの場合でも入力の切替が起こる前と後では、2マイクロ秒位、位相が変化している。これは入力の初期位相差分である。但し、変化するのにかかっている時間、すなわち画面の中に示す点線のマーカーa、bの間の時間で求めてみると、図4(a)では約12[ms]であり、図4(b)では52[ms]となっている。
【0033】
この結果から分かるように、本発明により、入力切替時の位相変動の所要時間を約4倍に引き延ばすことに成功している。これを瞬時周波数の変動に換算すると、図4(a)の場合は約166[ppm]、図4(b)の場合は約40[ppm]となっている。図4(a)の場合は電圧制御発振器の可変範囲の最大値まで瞬間的に変動しているのに対して、本発明の適用によりその変動を抑制することに成功している。
【0034】
この効果により、PLLを縦続接続した場合、従来では後段のPLLの入力に±200[ppm]近くを変動の最大値として考える必要があった。これに対して、本発明を適用すると±40[ppm]を変動の最大値として考えて設計してよいことになる。このことは使用するデバイスの制約や設計上の制約が4倍楽になるのと等しい。
【0035】
また、ロックレンジを計測してみると従来と全く変わらない。すなわち、入力のゆっくりした変化に対する追従特性は従来例のままであることも確認された。本発明に係る第2の実施形態を図5を参照して説明する。尚、図5において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0036】
すなわち、図2の例ではバッファ回路21のコンデンサ25を接地するようにしているが、この実施形態では、ある直流電圧VT のラインに接続するようにしている。この直流電圧VT は定常状態の制御電圧V20の電圧にほぼ等しくなるように設定する。この構成によれば、例えば電源をいれた瞬間の動作をより高速に安定化することができるようになる。
【0037】
本発明に係る第3の実施形態を図6を参照して説明する。尚、図6において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0038】
すなわち、PLL回路においてリミット動作が必要になるのは、基準信号の入力断により基準信号の切り替えが生じた場合であり、定常動作状態では不要である。そこで、この実施形態では、バッファ回路21とリミット回路23との間にスイッチ31を設け、このスイッチ31を入力断検出回路4の入力断検出信号によりオン・オフ制御するようにしている。
【0039】
この構成によれば、定常動作状態ではリミット回路23が動作せず、入力断があった場合のみリミット回路23が作動するので、定常動作での不安定な状態を回避することができる。
【0040】
本発明に係る第4の実施形態を図7を参照して説明する。尚、図7において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0041】
図7において、リミット回路23はスイッチ41を介してループフィルタ6から出力される制御電圧V20の伝送ラインに接続される。
また、ループフィルタ6から出力される制御電圧V20はピークホールド回路42にも供給される。このピークホールド回路42は、制御電圧V20の正負ピークレベルを検出保持するもので、その正負保持レベルは識別器43に送られる。
【0042】
この識別器43は正負保持レベルをそれぞれ予め決められた規定値と比較し、保持レベルが規定値に満たないときは同期状態とみなし、規定値を越えるときは非同期状態とみなす。その識別結果はスイッチ制御回路44に供給される。
【0043】
このスイッチ制御回路44は識別結果が同期状態のときは上記スイッチ41をオン状態、非同期状態のときは上記スイッチ41をオフ状態に切替制御する。
上記構成において、スイッチ14がオフ状態の場合には図10の従来例の構成と同じである。また、バッファ回路21及びリミット回路23の機能は図1に示した第1の実施形態と同じである。したがって、ここでは追加したスイッチ41、ピークホールド回路42、識別器43及びスイッチ制御回路44の機能と効果について説明する。
【0044】
上述したように、ループフィルタ6から出力される制御電圧V20はゆっくりした変動に対しては何のリミット効果も受けないので、スイッチ41がオン状態となっていてもロックレンジは変わらない。しかしながら、キャプチャレンジ、すなわち非同期状態から同期状態に至るときのレンジは狭くなってしまう。つまり、引き込み時の周波数可変幅はリミット回路23によって制限されるため、必然的にキャプチャレンジは狭くなってしまう。
【0045】
そこで、この実施形態では、キャプチャレンジを狭くしないように、スイッチ41を設けている。すなわち、PLLが同期するまでの間はスイッチ41をオフ状態としておき、同期状態に至った時に初めてオン状態となるようにしておけばキャプチャレンジの劣化を防ぐことができる。
【0046】
非同期状態にあるときの制御電圧V20は、位相誤差が大きく変動するため振動している。ピークホールド回路42ではこの振動の最大値最小値をそれぞれ検出してホールドする。識別回路43では、予め適当な規定値が設定されており、最大値、最小値の両者について規定値による範囲を超えるか否かで同期、非同期を識別する。
【0047】
図8にその様子を示す。制御電圧V20は振動しているが、ピークホールド回路42の出力V421、V422は最大値、最小値をトレースする。識別回路43では、規定値V431、V432でこれらと比較し、最大値、最小値の両者が規定値による範囲を超えるか否かで同期(越えない場合)、非同期(越えた場合)を識別する。
【0048】
このようにして得られた同期・非同期の識別結果はスイッチ制御回路44にて上記のスイッチ41に対する切替制御信号に変換される。すなわち、同期状態のときはスイッチ41をオン状態に、非同期状態のときはスイッチ41をオフ状態に制御する。
【0049】
上記の構成によれば、非同期状態ではリミット効果が効かないため、キャプチャレンジの劣化をきたすことがない。この場合、入力断発生により基準信号IN1、IN2の切替えがあっても、非同期状態と判断してリミット効果がきかないように動作するので、第3の実施形態のような構成をとる必要はない。
【0050】
尚、上記実施形態では、スイッチ41をリミット回路23と制御電圧V20の伝送ラインとの間に介在するようにしたが、図9に示すように、バッファ回路21とリミット回路23との間に介在するようにしてもよい。
【0051】
以上、本発明の各実施形態について説明してきたが、この他にも同様の効果をもたらすのに種々変形した構成で実現することができるのは自明である。例えばリミット回路23として用いるのは、ダイオード27、28に限らず、リミット範囲によってはツェナーダイオードでもよいし、ダイオードを複数使用してリミット電圧を変えることもできる。このように種々の構成でリミット回路23を実現することができる。
【0052】
バッファ回路21についても、上記の具体例ではオペアンプ26と抵抗24、コンデンサ25による構成を示したが、同等の機能を実現する回路としてこの構成のみに限定されるものではない。特に集積回路で実現する場合には、ボルテージフォロア回路自身に応答特性を遅くするような機能をつくり込んでもよい。
【0053】
以上説明したように、本発明を適用すれば、簡便な方法でPLL回路の入力切替時の位相変動特性を調整することができるため、PLL回路を多段で接続するときの設計自由度を増すことができ、デバイス選択の幅も広がることになる。このように設計時間の短縮、使用できるデバイスの幅が広がれば、より安価に装置を実現し提供することが可能になる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡便な方法でPLL回路の入力切替時の位相変動特性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPLL回路の第1の実施形態を示すブロック回路図である。
【図2】同実施形態の具体的な構成を示す回路図である。
【図3】同実施形態の動作を説明するためのVCO制御電圧の時間応答特性を示す図である。
【図4】本発明の効果を確認した結果を示す波形図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図6】本発明に係る第3の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図7】本発明に係る第4の実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図8】同実施形態の具体的な構成を示す回路図である。
【図9】同実施形態の動作を説明するための波形図である。
【図10】従来の冗長構成を有するPLL回路の構成を示すブロック回路図である。
【図11】従来のPLL回路に設けられる応答遅延手段の構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
3…セレクタ
4…入力断検出回路
5…位相比較器
6…ループフィルタ
7…電圧制御発振器
8…分周回路
10、11…ツェナーダイオード
21…バッファ回路
23…リミット回路
24…抵抗
25…コンデンサ
26…オペアンプ
27、28…ダイオード
31…スイッチ
41…スイッチ
42…ピークホールド回路
43…識別器
44…スイッチ制御回路
Claims (2)
- 制御電圧に応じた周波数の信号を発振出力すると共に入力基準信号の周波数に変換する機能を有する電圧制御発振手段と、
この電圧制御発振手段の出力信号と入力基準信号とを位相比較する位相比較器と、
この位相比較器の出力を前記電圧制御発振器の制御電圧に変換するループフィルタとを備えるPLL回路において、
前記ループフィルタの出力電圧と直流的にほぼ等しい電圧を生成し、その生成された電圧の過渡応答特性を前記ループフィルタ出力電圧の応答特性よりも遅くなるように設定してなるバッファ回路と、
このバッファ回路の出力端と前記ループフィルタ出力端との間に介在され両出力間の電圧差が規定電圧以上になるとき前記ループフィルタ出力を制限するリミット回路と、
前記入力基準信号が複数あるとき、前記複数の基準信号の一つを選択するセレクタと、
前記複数の基準信号の入力状態を見て前記セレクタの選択基準信号の入力断があったとき前記セレクタに入力断検出信号を送り、他の基準信号を選択するように切替制御する入力断検出回路と、
前記バッファ回路の出力端から前記リミット回路を介して前記ループフィルタ出力端までの経路中に介在されるスイッチとを具備し、
前記スイッチを前記入力断検出信号に応じてオン/オフ制御するようにしたことを特徴とするPLL回路。 - 前記バッファ回路は、前記ループフィルタ出力を低域通過フィルタ及びボルテージフォロワ回路を通過させ、前記低域通過フィルタにより時間応答特性を決定し、前記ボルテージフォロワ回路で利得を決定するようにしたことを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
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