JPH08272961A - 画像処理方法 - Google Patents
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Classifications
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Abstract
を抑制し、ノイズ成分等の画像読影に不要な成分を強調
することなく、注目する特定の画像部分だけを効率よく
強調処理する。 【構成】 全体画像メモリ10に記憶された、濃度値Dor
g の画像データSに対して、モーフォロジーフィルター
(異常陰影検出手段)40によるモーフォロジーの演算を
施して、石灰化陰影を示す信号を検出し、この信号Dmo
r に対して変換テーブル72により単調増加関数βの変換
を施し、信号Dorg に対して高周波成分算出手段71によ
り(Dorg −Dus)なるボケマスク処理を施し、石灰化
陰影強調手段73により、 Dproc=Dorg +β(Dmor )×f(Dorg −Dus)
(1) なる演算を行って、腫瘤陰影だけを選択的に強調処理し
て局所画像表示手段90に表示する。
Description
細には画像のうち、異常陰影等の特定の画像部分だけを
強調処理する画像処理方法に関するものである。
られた画像を表す画像信号に対して、階調処理や周波数
処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向上さ
せることが行われている。特に人体を被写体とした放射
線画像のような医用画像の分野においては、医師等の専
門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害の有
無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性能を
向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
処理としては、例えば特開昭61-169971 号に示されるよ
うに、原画像の濃度値等の画像信号(オリジナル画像信
号という)Dorg を、 Dproc=Dorg +β×(Dorg −Dus) (9) なる画像信号Dprocに変換するものが知られている。こ
こでβは周波数強調係数、Dusは非鮮鋭マスク(いわゆ
るボケマスク)信号である。このボケマスク信号Dus
は、2次元に配置された画素に対してオリジナル画像信
号Dorg を中心画素とするN列×N行(Nは奇数)の画
素マトリクスからなるマスク、すなわちボケマスクを設
定し、 Dus=(ΣDorg )/N2 (10) (ただし、ΣDorg はボケマスク内各画素の画像信号の
和)等として求められる超低空間周波数成分である。
us)は、オリジナル画像信号から超低空間周波数成分で
あるボケマスク信号を減算したものであるから、オリジ
ナル画像信号のうちの、超低空間周波数成分を除去した
比較的高い周波数成分を選択的に抽出することができ
る。この比較的高い周波数成分に周波数強調係数βを乗
じたうえで、オリジナル画像信号を加算することによ
り、この比較的高い周波数成分を強調することができ
る。
像部分だけを選択的に抽出する、モーフォロジー(Morp
hology;モフォロジーまたはモルフォロジーとも称す
る)のアルゴリズムに基づく処理(以下、モーフォロジ
ー演算またはモーフォロジー処理という)が知られてい
る。このモーフォロジー処理は、特に乳癌における特徴
的形態である微小石灰化像を検出するのに有効な手法と
して研究されているが、対象画像としては、このような
マンモグラムにおける微小石灰化像に限るものではな
く、検出しようとする特定の画像部分(異常陰影等)の
大きさや形状が予め分かっているものについては、いか
なる画像に対しても適用することができる。
グラムにおける微小石灰化像の検出に適用した例によ
り、モーフォロジー処理の概要について説明する。
ジー処理は一般的にはN次元空間における集合論として
展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像
を対象として説明する。
(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここ
で、濃度値f(x,y)は、CRTに表示するための信
号のように、輝度の高いもの程大きな値となる高輝度高
信号レベルの信号とする。
1次元の関数f(x)を考える。モーフォロジー演算に
用いる構造要素gは次式(11)に示すように、原点につ
いて対称な対称関数
Gが下記式(12)であるとする。
式(13)〜(16)に示すように、非常に簡単な演算とな
る。
理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じ
て決定される値)の幅の中の最大値を探索する処理であ
り(図4(A)参照)、一方、erosion (エロージョ
ン)処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最
小値を探索する処理である(図4(B)参照)。また、
opening (またはclosing )処理は最小値(または最大
値)の探索の後に、最大値(または最小値)を探索する
ことに相当する。すなわちopening (オープニング)処
理は、低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マ
スクサイズ2mより小さい凸状の濃度変動部分(周囲部
分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する
(図4(C)参照)。一方、closing (クロージング)
処理は、高輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、
マスクサイズ2mより小さい凹状の濃度変動部分(周囲
部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する
(図4(D)参照)。
ない場合の、式(13)に示すダイレーション演算をMink
owski (ミンコフスキー)和、式(14)に示すエロージ
ョン演算をMinkowski 差という。
に記録するための信号のように、濃度の高いもの程大き
な値となる高濃度高信号レベルの信号の場合において
は、輝度と濃度との関係が逆転するため、高濃度高信号
レベルの信号におけるダイレーション処理は、高輝度高
信号レベルにおけるエロージョン処理(図4(B))と
一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるエロージョ
ン処理は、高輝度高信号レベルにおけるダイレーション
処理(図4(A))と一致し、高濃度高信号レベルの信
号におけるオープニング処理は、高輝度高信号レベルに
おけるクロージング処理(図4(D))と一致し、高濃
度高信号レベルの信号におけるクロージング処理は、高
輝度高信号レベルにおけるオープニング処理(図4
(C))と一致する。
信号(輝度値)の場合について説明する。
検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法
が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い
形状の非石灰化陰影(乳腺、血管および乳腺支持組織
等)との識別が困難であるため、東京農工大の小畑ら
は、多重構造要素を用いたオープニング演算に基づく下
記式(17)で表されるモーフォロジーフィルターを提案
している(「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィ
ルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文
誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月
等)。
えば図5に示す直線状の4つ(この場合M=4)の構造
要素(これら4つの構造要素の全体をもって多重構造要
素という)である。構造要素Bi を検出対象である石灰
化陰影よりも大きく設定すれば、上記オープニング演算
による処理で、構造要素Bi よりも細かな凸状の信号変
化部分である石灰化陰影は取り除かれる。一方、細長い
形状の非石灰化陰影はその長さが構造要素Bi よりも長
く、その傾きが4つの構造要素Bi のいずれかに一致す
ればオープニング処理(式(17)の第2項の演算)をし
てもそのまま残る。したがってオープニング処理によっ
て得られた平滑化画像(石灰化陰影のみが取り除かれた
画像)を原画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰
影のみが含まれる画像が得られる。これが式(17)の考
え方である。
ルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部
分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対
して凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理
に代えてクロージング処理を適用し、式(17)に代えて
式(18)を適用する。
と (3)抽出した石灰化陰影がひずまないこと などの特徴がある。すなわち、この手法は一般の微分処
理に比べて、石灰化陰影のサイズ・形状・濃度分布など
の幾何学的情報をより良く保った検出が可能である。
に、画像の読影性能を向上させるには、対象となる画像
に対して画像処理を行うことが不可欠となっているが、
特開平2−1078号に開示されているように、単に濃度依
存による強調処理では、例えばマンモグラムにおける放
射線ノイズ成分のような、画像読影の障害となる成分ま
で強調されるため、読影性能をむしろ低下させることに
なる。
85号、特表平3−502975号等に開示されているように、
画像信号の分散値に依存した強調処理では、局所的に濃
度変化の大きい画像部分が強く強調されるため、その付
近でアンダーシュート、オーバーシュートが相対的に目
立ち、特にX線画像に関しては高濃度側でアーチファク
トが発生しやすいという問題がある。
って、ノイズ成分等の画像読影に不要な成分を強調する
ことなく、注目する特定の画像部分だけを効率よく強調
処理し、アーチファクトの発生を抑制した画像処理方法
を提供することを目的とするものである。
は、画像を表すオリジナルの画像信号Dorg に対して、
多重構造要素Bi およびスケール係数λを用いたモーフ
ォロジー演算を施すことにより、前記画像信号が空間的
に前記多重構造要素Bi より小さく変動する画像部分に
対応する画素であるか否かを示すモーフォロジー信号D
mor を抽出し、前記オリジナルの画像信号Dorg の、超
低空間周波数に対応する非鮮鋭マスク信号Dusを求め、
前記モーフォロジー信号Dmor に基づく関数β(Dmor
)および前記オリジナルの画像信号Dorg と前記非鮮
鋭マスク信号Dusとの差信号(Dorg −Dus)に基づく
関数f(Dorg −Dus)を用いて、前記オリジナルの画
像信号Dorg に対して、
に強調処理することを特徴とするものである。なお、関
数β(Dmor )は、図3(a)、(b)に示すように、
|Dmor |に対して単調増加の関数である。
形、長方形、円形、楕円形、または菱形等の上下左右対
称の要素が望ましい。
記式(2)〜(8)で示される種々のものを適用するこ
とができる。
ジー演算を適用することにより、モーフォロジー信号D
mor として、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の
画像部分よりも大きく、かつ前記多重構造要素Bi より
小さく変動する画像部分(例えば、高輝度高信号レベル
の画像信号における石灰化陰影)を構成する画素の信号
を抽出することができ、この画像部分を効果的に強調処
理することができる。
演算を適用することにより、モーフォロジー信号Dmor
として、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像
部分よりも小さく、かつ前記多重構造要素Bi より小さ
く変動する画像部分(例えば、高濃度高信号レベルの画
像信号における石灰化陰影)を構成する画素の信号を抽
出することができ、この画像部分を効果的に強調処理す
ることができる。
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
よりも大きくかつ前記多重構造要素Bi より小さく変動
する画像部分や、輝度(濃度)が急激に変化するエッジ
部分を構成する画素の信号を抽出することができ、この
ような画像部分を効果的に強調処理することができる。
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
よりも小さくかつ前記多重構造要素Bi より小さく変動
する画像部分や、輝度(濃度)が急激に変化するエッジ
部分を構成する画素の信号を抽出することができ、この
ような画像部分を効果的に強調処理することができる。
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
よりも大きくかつ前記多重構造要素Bi より小さく変動
する、濃度(輝度)変化の大きい画像部分(例えばオリ
ジナルの画像信号Dorg が表す画像の骨格部分)を構成
する画素の信号を抽出することができ、このような画像
部分(骨格部分)を効果的に強調処理することができ
る。式(6)を具体的に適用した例を図6に示す。原画
像Xに対する構造要素B(半径rの円形構造とする)で
の、エロージョン処理した画像と、エロージョン処理し
た画像に対するオープニング処理した画像との差信号の
λ(λ=1,2,…,N)回までの和集合は、骨格部分
aおよびbとなる。
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
よりも小さくかつ前記多重構造要素Bi より小さく変動
する、濃度(輝度)変化の大きい画像部分(例えばオリ
ジナルの画像信号Dorg が表す画像の骨格部分)を構成
する画素の信号を抽出することができ、このような画像
部分(骨格部分)を効果的に強調処理することができ
る。
ー演算を一般にスケルトン処理と称し、このスケルトン
処理によれば、特に骨りょう部分の画像信号に適用した
場合、骨格要素だけを選択的に、効果的に強調処理する
ことができる。
〜(7)を適用する場合は、関数f(Dorg −Dus)と
しては、f(Dorg −Dus)=Dorg −Dusとしてもよ
い。
適用することにより、局所的に輝度(濃度)変化の大き
い画像部分を構成する画素の信号を抽出することがで
き、このような画像部分を効果的に強調処理することが
できる。
を適用する場合はオーバーシュート、アンダーシュート
を抑制するため、関数f(Dorg −Dus)は、Dorg が
所定の大きさ以下の範囲、あるいは所定の大きさ以上の
範囲において、例えば図7に示すように、出力を抑制す
る関数とすることが必要である。
像を表すオリジナル画像信号Dorg に対して、多重構造
要素Bi およびスケール係数λを用いたモーフォロジー
演算を施すことにより、画像信号が空間的に多重構造要
素Bi より小さく変動する画像部分に対応する画素であ
るか否かを示すモーフォロジー信号Dmor を抽出する。
オリジナル画像信号Dorg から、その超低空間周波数成
分Dusを減算することにより、オリジナル画像信号Dor
g のうちの比較的高い周波数成分(超低空間周波数成分
を除いたものをいう)だけを抽出することができる。こ
の抽出された比較的高い周波数成分には、いわゆる高周
波成分である放射線ノイズも含まれる。
の各画素がモーフォロジー演算で得られた石灰化陰影等
の、空間的に多重構造要素Bi より小さく変動する特定
の画像部分、を構成する画素か否かに応じた信号Dmor
に基づく強調係数β(Dmor)で高周波成分(Dorg −
Dus)を強調するため、この高周波成分(Dorg −Du
s)に例えば量子ノイズ等の不要な成分が含まれていて
も、その画素が石灰化陰影等の画像部分を構成するもの
でない場合は、その画素についてのβ(Dmor )の値は
小さいため、その画素に対する強調度合は小さいものと
なる。
成するものである場合は、その画素についてのβ(Dmo
r )の値は大きいため、その画素に対する強調度合は大
きいものとなる。
Dus)に放射線ノイズが含まれているか否かに拘らず、
石灰化陰影等の特定の画像部分であるか否かに応じた関
数β(Dmor )により、特定の画像部分を選択的に強調
処理することができる。
像部分が強く強調されるため、アンダーシュート、オー
バーシュートを抑制することができアーチファクトの発
生を低減することができる。さらに、画像信号の分散値
を計算する処理に代えて最大値または最小値を計算する
処理を行うため、計算処理に掛かる演算時間を短縮する
ことができる。
(3)を具体的に説明する。
である濃度値Dorg についてのモーフォロジー演算によ
れば、例えば図8(1)の実線に示すような濃度値Dor
g の分布を有する画像データに対して、同図(2)に示
すような直線状の3画素の構造要素Bで、Dorg [+]
Bの演算(ミンコフスキー和)を行うことにより、ある
注目画素の濃度値Di は、その注目画素を中心として互
いに隣接する3画素(構造要素Bにより決定される)の
中の最大値Di+1 を採用したDi ′に変換される。この
演算を全画素について行うことにより、濃度値Dorg ′
の分布を有する同図(1)の破線で示す画像データに変
換される。
れた濃度値(Dorg [+]B)の構造要素Bによるミン
コフスキー差(Dorg [+]B)[−]Bを考えると、
同図(1)の破線で示された注目画素の濃度値Di ′
は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素の
中の最小値Di-1 ′を採用したDi ″(=Di )に変換
される。この演算を全画素について行うことにより、濃
度値Dorg ″の分布を有する同図(1)の一点鎖線で示
す画像データに変換される。この一点鎖線で示された画
像データは、もとの実線のオリジナルの画像データに対
して、構造要素Bよりも細かい信号値の変化の画像部分
が消え、構造要素Bよりも大きい信号値の変化の画像部
分は演算前の元の状態を保持することを示している。す
なわち、以上の処理(クロージング処理)は、画像濃度
の分布を高濃度側から平滑化する処理である。
(Dorg [+]B)[−]Bを元の画像信号Dorg から
差し引くことにより得られた値Dmor は、上記クロージ
ング処理で消された細かい信号値の変化の画像部分を表
す。
ある位置(x,y)と、3次元目の要素である信号値f
(x,y)を有するが、上記説明においては、理解の容
易化のために、この2次元上に展開された画像の所定の
断面に現れた、1次元状の画像信号分布曲線について説
明した。
上の説明を2次元画像に拡大適用したものであり、式
(1)に示した多重構造要素Bi は、このような断面に
おけるモーフォロジー演算を2次元面に拡大適用する場
合に、この2次元面内での向きが互いに異なる構造要素
Bとして準備されたi個の構造要素Bの集合を意味する
ものである。
いてクロージング処理を行った結果、多重構造要素Bi
のうちのいずれかと、その延びる方向が一致し、かつそ
の大きさよりも大きく変化する画像部分については、式
(3)の第2項min{(Dorg [+]λBi )[−]
λBi }の値がDorg そのものとなるため、Dmor の値
はゼロとなり、その部分については強調処理されない。
ー和の演算およびミンコフスキー差の演算を行う回数を
意味し、回数を増加するに応じて平滑化の程度が進む。
利用した強調処理と、従来のボケマスク処理による強調
処理との比較を、図9に示す。
支援画像診断装置について図面を用いて説明する。
の概略構成を示すブロック図、図2はこの計算機支援画
像診断装置により画像診断に供される乳房の放射線画像
(マンモグラム)を示す図である。図示の計算機支援画
像診断装置は、マンモグラムの全体の放射線画像(全体
画像)Pを表す、各画素の濃度値Dorg の集合である画
像データ(全体画像データ)Sを記憶する全体画像メモ
リ10、全体画像データSに基づいて、もしくは一旦全体
画像メモリ10に記憶された全体画像データSに基づいて
全体画像Pを表示するCRT等の全体画像表示手段30、
全体画像メモリ10に記憶された全体画像データSに基づ
いて、全体画像Pのうち異常陰影P1 を検出する異常陰
影検出手段40、異常陰影検出手段40により異常陰影P1
が検出されたか否かを判定する判定手段50、異常陰影P
1 が検出されたと判定手段50により判定された場合に、
全体画像メモリ10に記憶された全体画像データSのう
ち、異常陰影P1 を含む局所領域の画像P2 を表す画像
データ(局所画像データ)S2 を抽出する局所領域抽出
手段60、局所領域抽出手段60により抽出された局所画像
データS2 に基づいた局所領域の画像P2 のうち異常陰
影P1 が、全体画像表示手段30に表示される全体画像P
よりも読影性能が向上するように、異常陰影を示す画像
データ(異常陰影画像データ)S1 に対して画像強調処
理を行う局所画像強調手段70、およびこの画像強調処理
のなされた局所画像データS2 に基づいて局所領域の画
像P2 を表示するCRT等の局所画像表示手段90、を備
えた構成である。
出手段40はモーフォロジー演算を行うモーフォロジーフ
ィルターであって、石灰化陰影を示す画素について、そ
の画素についての式(3)で示した、石灰化陰影を構成
する画素であるか否かを示す信号Dmor として出力す
る。
用画像に限るものではなく、工業製品の検査用画像等で
あってもよい。例えば、内部に巣のある鋳物製品のX線
画像について、異常陰影が当該巣の陰影であってもよ
い。
灰化陰影を含むこの石灰化陰影近傍の領域をいうものと
する。
する各画素の画像データを濃度信号値Dorg と表記し、
これら画素の集合により構成される領域の画像データを
画像データSと表記するものとする。また、濃度値Dor
g は高濃度高信号レベルの信号値である。
述した特定の画像部分の検出処理のアルゴリズムをいう
が、本実施例におけるモーフォロジーフィルター40は、
このアルゴリズム自体を指すのではなく、このアルゴリ
ズムによる石灰化陰影の検出処理(式(3)で表す処
理)をなす手段を意味する。
所画像データS2 を構成する各画素(濃度値Dorg )に
ついて、その画素を中心としたN列×N行(Nは例えば
「5」などの奇数)の画素マトリクスからなるマスク
(以下、単にボケマスクという)信号Dusを下記式(1
0)により算出し、その後に、濃度値Dorg からボケマ
スク信号値Dusを減算(Dorg −Dus)して高周波成分
を算出する手段71と、 Dus=(ΣDorg )/N2 (10) (ただし、ΣDorg はボケマスク内各画素の画像信号の
和) モーフォロジーフィルター40により抽出された石灰化陰
影を示す画素についての出力Dmor を、図3(a)で表
される単調に増加するβ(Dmor )に変換して出力する
変換テーブル72と、この出力β(Dmor )と前述の高周
波成分(Dorg −Dus)とを乗じて、周囲に比べて濃度
値の低い石灰化陰影に対して、より強い周波数強調を施
す石灰化陰影強調手段73とを備えた構成である。
の作用について説明する。
読取装置等から、内部に石灰化部を有する乳房を含む全
体画像Pを表す全体画像データSが入力される。また、
この全体画像データSは直接、全体画像表示手段30にも
入力され(図1のAの経路)、もしくは一旦全体画像メ
モリ10に記憶されたものとして全体画像表示手段30に入
力されて(図1のBの経路)、全体画像表示手段30は、
この全体画像データSに基づいて全体画像Pを表示す
る。
画像データSはモーフォロジーフィルター40にも入力さ
れる。モーフォロジーフィルター40は、式(3)にした
がって、石灰化陰影P1 を示す画像データ(以下、石灰
化画像データという)S1 を検出する。
ムのI-I 線断面における濃度値Dorg の分布は同図
(2)に示すものとなるが、微小石灰化陰影P1 は、そ
の周辺の濃度値の分布が多重構造要素Bi の大きさに比
べて細かく変化するため、式(3)のDmor の値はゼロ
以外の所定の値を有し、クロージング処理により平滑化
される。一方、構造要素Bよりも大きい変動である血管
や乳腺の画像P3 は、その濃度値の分布が多重構造要素
Bi の大きさに比べて大きいため、Dmor の値がゼロと
なり、クロージング処理で平滑化されない。
により微小石灰化陰影P1 を示す画像データS1 の画素
(位置)が特定される。判定手段50は、モーフォロジー
フィルター40によりこの微小石灰化陰影P1 を示す微小
石灰化像データS1 が検出されたことを判定するととも
に、微小石灰化像データS1 の画素位置を特定する位置
データ(以下、石灰化画素位置データという)D1 、お
よびモーフォロジーフィルター40により抽出された微小
石灰化陰影の濃度値の変動Dmor を、局所領域抽出手段
60に入力する。
40によりこの石灰化陰影P1 を示す石灰化画像データが
検出されなかったと判定した場合には、石灰化画像デー
タS1 の画素位置を特定する石灰化画素位置データD1
を出力せずに処理は終了する。
定した場合は、局所領域抽出手段60には全体画像メモ
リ10に記憶された全体画像データSも入力され、局所
領域抽出手段60は入力された全体画像データSのうち、
石灰化画素位置データD1 に基づいて石灰化画像データ
S1 の画素を含む近傍の画素(これらの画素の集合とし
ての局所領域)を、予め設定された処理手順にしたがっ
て特定したうえで、この局所領域の画像P2 を表す局所
画像データS2 を抽出する。
Dmor は局所画像強調手段70に入力される。
データS2 を構成する各画素(濃度値Dorg )につい
て、まず高周波成分を算出する手段71により、ボケマス
ク信号Dusが算出されたうえで、高周波成分(Dorg −
Dus)が算出される。次に、モーフォロジーフィルター
40からの入力Dmor が変換テーブル72によりβ(Dmo
r)に変換される。この変換テーブル72は、図3(a)
に示すように単調増加関数である。すなわち、信号Dmo
r が大きな値を採る場合は、その画素が石灰化陰影に対
応した画素であることを示す。したがって、変換テーブ
ル72の出力β(Dmor )が大きな値を出力するのは、そ
の画素が石灰化陰影を構成する画素の場合である。
r の小さい領域C1においてその出力β(Dmor )は低
く抑制されるため、Dmor の小さい領域C1において検
出される高周波の放射線ノイズを低減させることができ
る。すなわち、図2(2)に示した濃度値の分布曲線上
には実際には、同図(3)の拡大図に示すように、放射
線ノイズが重畳しているが、式(3)の第2項のクロー
ジング処理により、この放射線ノイズは同図(3)の破
線で示すように平滑化される。したがってDmor の値を
非常に細かく変動させることとなるが、微小石灰化陰影
による変動Dmor に比べてその変動量自体は小さいた
め、領域C1とC2との境界値を予め適当に設定するこ
とにより、この高周波ノイズが強調されるのを防止する
ことができる。
(Dmor )の変化がDmor の変化に対して抑制される
が、これは、既にある程度のコントラストを有する画像
部分について過度の強調処理がなされるのを防止するた
めである。過度の強調処理がなされると、その画像部分
以外の画像部分のコントラストが相対的に低下するた
め、反って読影性能が低下するからである。
からの出力β(Dmor )と高周波成分を算出する手段71
からの出力である高周波成分(Dorg −Dus)との積β
(Dmor )×(Dorg −Dus)を算出し、その積に原画
像の濃度値Dorg を加算した式(1)で示す周波数強調
処理を施す(本実施例において、式(1)のf(Dorg
−Dus)をf(Dorg −Dus)=Dorg −Dus、とす
る)。
ジーフィルター40により得られた石灰化陰影を構成する
画素か否かに応じた信号Dmor に基づく強調係数β(D
mor)で、高周波成分(Dorg −Dus)を強調するた
め、この高周波成分(Dorg −Dus)に例えば量子ノイ
ズ等が含まれていても、その画素が石灰化陰影等の画像
部分を構成するものでない場合(例えば、血管等の陰影
の場合)は、その画素についてのβ(Dmor )の値は小
さいため、強調度合は小さいものとなる。一方、画素が
石灰化陰影等の画像部分を構成するものである場合は、
その画素についてのβ(Dmor )の値は大きいため、そ
の強調度合は大きいものとなる。
Dus)に放射線ノイズが含まれているか否かに拘らず、
石灰化陰影等の特定の画像部分であるか否かに応じた関
数β(Dmor )により、特定の画像部分を選択的に強調
処理することができる。
手段70により局所領域の画像P2 のうち石灰化陰影P1
が強調処理された画像を表示する。
1 の画像だけが別個に局所画像表示手段90に表示される
ため、読影者はその表示された局所領域の画像に観察意
識、診断意識を集中することができ、診断性能を向上さ
せることができる。
手段90を兼ねる構成であってもよく、その場合であって
も、表示された全体画像Pのうち石灰化陰影P1 の画像
だけが選択的に強調されるため、オーバーシュートやア
ンダーシュートが抑制され、これによるアーチファクト
が低減されて診断性能の向上した再生画像を得ることが
できる。
で示したモーフォロジー演算についての例について説明
したが、本発明の画像処理方法はこれに限らず、式
(2)、(4)〜(8)に示したうちのいずれのモーフ
ォロジー演算を用いた強調処理であってもよい。
式(2)〜(8)による微小石灰化陰影の検出処理でだ
けでは、微小石灰化陰影と類似の陰影も検出される場合
がある。すなわち、式(2)〜(8)のDmor の値はゼ
ロにならないような、石灰化陰影とほぼ同一の大きさ
の、石灰化陰影ではない画像(以下、非石灰化陰影とい
う)も検出される場合がある。このような非石灰化陰影
について強調処理をしたのでは、適切な診断に支障をき
たす虞がある。
影とともに検出されるのを防止して、より正確に石灰化
陰影だけを検出するために、モーフォロジーフィルター
40に以下に示す判定機能を付加してもよい。
演算に基づく微分演算を行い、Mgradの値が大きいほど
石灰化陰影である可能性が大きいため、その後に、式
(2)〜(8)に代えて、式(20)に示す論理演算を行
う。
の場合は、その画素は非石灰化陰影であるから、式
(1)による強調処理はなされず、Dmor の値がゼロ以
外の場合は、その画素は石灰化陰影であるから、式
(1)による強調処理がなされる。なお、式(20)中の
T1,T2は実験的に設定された閾値である。
定の他に、マルチスケールのオープニング処理とクロー
シング処理との組合せによって、石灰化陰影と非石灰化
陰影との判別の判定をすることもできる。
Dmor の値を設定すればよい。
た閾値である。
ック図
像診断に供される乳房の放射線画像(マンモグラム)を
示す図
図
素を示す図
る関数f(Dorg −Dus)を表すグラフ
するための濃度分布図
を比較した図
Claims (8)
- 【請求項1】 画像を表すオリジナルの画像信号Dorg
に対して、多重構造要素Bi およびスケール係数λを用
いたモーフォロジー演算を施すことにより、前記画像信
号が空間的に前記多重構造要素Bi より小さく変動する
画像部分に対応する画素であるか否かを示すモーフォロ
ジー信号Dmor を抽出し、 前記オリジナルの画像信号Dorg の、超低空間周波数に
対応する非鮮鋭マスク信号Dusを求め、 前記モーフォロジー信号Dmor に基づく関数β(Dmor
)および前記オリジナルの画像信号Dorg と前記非鮮
鋭マスク信号Dusとの差信号(Dorg −Dus)に基づく
関数f(Dorg −Dus)を用いて、前記オリジナルの画
像信号Dorg に対して、 【数1】 なる演算を行って、前記画像部分を選択的に強調処理す
ることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項2】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(2)で示されるものであり、前記画像部分が、該画像
部分の周囲の画像部分よりも前記オリジナルの画像信号
Dorg の値が大きい部分であることを特徴とする請求項
1記載の画像処理方法。 【数2】 - 【請求項3】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(3)で示されるものであり、前記画像部分が、該画像
部分の周囲の画像部分よりも前記オリジナルの画像信号
Dorg の値が小さい部分であることを特徴とする請求項
1記載の画像処理方法。 【数3】 - 【請求項4】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(4)で示されるものであり、前記画像部分が、該画像
部分の周囲の画像部分よりも前記オリジナルの画像信号
Dorg の値が大きい部分であることを特徴とする請求項
1記載の画像処理方法。 【数4】 - 【請求項5】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(5)で示されるものであり、前記画像部分が、該画像
部分の周囲の画像部分よりも前記オリジナルの画像信号
Dorg の値が小さい部分であることを特徴とする請求項
1記載の画像処理方法。 【数5】 - 【請求項6】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(6)で示されるものであり、前記画像部分が、該画像
部分の周囲の画像部分よりも前記オリジナルの画像信号
Dorg の値が大きい部分であることを特徴とする請求項
1記載の画像処理方法。 【数6】 - 【請求項7】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(7)で示されるものであり、前記画像部分が、該画像
部分の周囲の画像部分よりも前記オリジナルの画像信号
Dorg の値が小さい部分であることを特徴とする請求項
1記載の画像処理方法。 【数7】 - 【請求項8】 前記モーフォロジー演算が、下記式
(8)で示されるものであることを特徴とする請求項1
記載の画像処理方法。 【数8】
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