JP3690844B2 - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理方法および装置に関し、詳細には画像のうち、異常陰影やコントラストの高い画像部分等の特定の画像部分だけを選択的に強調処理する画像処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の画像取得方法により得られた画像を表す画像信号に対して、階調処理や周波数処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向上させることが行われている。特に人体を被写体とした放射線画像のような医用画像の分野においては、医師等の専門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害の有無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性能を向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
【0003】
この画像処理のうち、いわゆる周波数強調処理としては、例えば特開昭61-169971 号に示されるように、原画像の濃度値等の画像信号(オリジナル画像信号という)Sorg を、
【0004】
【数3】
Figure 0003690844
【0005】
なる画像信号Sprocに変換するものが知られている。ここでβは周波数強調係数、Susは非鮮鋭マスク(いわゆるボケマスク)信号である。このボケマスク信号Susは、2次元に配置された画素に対してオリジナル画像信号Sorg を中心画素とするN列×N行(Nは奇数)の画素マトリクスからなるマスク、すなわちボケマスクを設定し、
【0006】
【数4】
Figure 0003690844
【0007】
等として求められる超低空間周波数成分である。
【0008】
式(3)の第2項括弧内の値(Sorg −Sus)は、オリジナル画像信号から超低空間周波数成分であるボケマスク信号を減算したものであるから、オリジナル画像信号のうちの、超低空間周波数成分を除去した超低空間周波数よりも高い周波数成分を意味する。この比較的高い周波数成分に周波数強調係数βを乗じたうえで、オリジナル画像信号を加算することにより、この比較的高い周波数成分を強調することができる。
【0009】
一方、画像のうち異常な陰影等の特定の画像部分だけを選択的に抽出する、モーフォロジー(Morphology;モフォロジーまたはモルフォロジーとも称する)のアルゴリズムに基づく処理(以下、モーフォロジー演算またはモーフォロジー処理という)が知られている。このモーフォロジー処理は、特に乳癌における特徴的形態である微小石灰化像を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としては、このようなマンモグラムにおける微小石灰化像に限るものではなく、検出しようとする特定の画像部分(異常陰影等)の大きさや形状が予め分かっているものについては、いかなる画像に対しても適用することができる。
【0010】
以下、このモーフォロジー処理を、マンモグラムにおける微小石灰化像の検出に適用した例により、モーフォロジー処理の概要について説明する。
【0011】
(モーフォロジーの基本演算)
モーフォロジー処理は一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像を対象として説明する。
【0012】
濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここで、濃度値f(x,y)は、CRTに表示するための信号のように、輝度の高いもの程大きな値となる高輝度高信号レベルの信号とする。
【0013】
まず、簡単のために、その断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モーフォロジー演算に用いる構造要素gは次式(5)に示すように、原点について対称な対称関数
【0014】
【数5】
Figure 0003690844
【0015】
であり、定義域内で値が0で、その定義域Gが下記式(6)であるとする。
【0016】
【数6】
Figure 0003690844
【0017】
このとき、モーフォロジー演算の基本形は式(7)〜(10)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0018】
【数7】
Figure 0003690844
【0019】
【外1】
Figure 0003690844
【0020】
すなわち、dilation(ダイレーション)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される値)の幅の中の最大値を探索する処理であり(図7(A)参照)、一方、erosion (エロージョン)処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最小値を探索する処理である(図7(B)参照)。したがって、このようにダイレーション処理、あるいはエロージョン処理された信号(図7(A),(B)において破線で示す)をオリジナル画像信号から差し引くことによって、図面上の斜線で示す、信号値が急に変化するという画像のエッジ部と構造要素より空間的に小さな範囲で変動する画像部分とについてのみゼロ以外の値を出力するモーフォロジー信号Smor を得るものである。
【0021】
また、opening (またはclosing )処理は最小値(または最大値)の探索の後に、最大値(または最小値)を探索することに相当する。すなわちopening (オープニング)処理は、低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより小さい凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する(図7(C)参照)。一方、closing (クロージング)処理は、高輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより小さい凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(図7(D)参照)。したがってオープニング処理、クロージング処理されたもの(図7(C),(D)において破線で示す)をオリジナル画像信号から差し引くことによって、図面上の斜線で示すような、構造要素より空間的に小さな範囲で変動するという特徴的な画像部分についてのみゼロ以外の値を出力するモーフォロジー信号Smor を得るものである。
【0022】
なお、構造要素gが原点に対して対称ではない場合の、式(7)に示すダイレーション演算をMinkowski (ミンコフスキー)和、式(8)に示すエロージョン演算をミンコフスキー差という。
【0023】
ここで、濃度値f(x)が、ネガフイルムに記録するための信号のように、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、輝度と濃度との関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号におけるダイレーション処理は、高輝度高信号レベルにおけるエロージョン処理(図7(B))と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるエロージョン処理は、高輝度高信号レベルにおけるダイレーション処理(図7(A))と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるオープニング処理は、高輝度高信号レベルにおけるクロージング処理(図7(D))と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるクロージング処理は、高輝度高信号レベルにおけるオープニング処理(図7(C))と一致する。
【0024】
なお、本項では高輝度高信号レベルの画像信号(輝度値)の場合について説明する。
【0025】
(石灰化陰影検出への応用)
石灰化陰影の検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い形状の非石灰化陰影(乳腺、血管および乳腺支持組織等)との識別が困難であるため、東京農工大の小畑らは、多重構造要素を用いたオープニング演算に基づく下記式(11)で表されるモーフォロジーフィルターを提案している(「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月等)。
【0026】
【数8】
Figure 0003690844
【0027】
ここでBi (i=1,2,…,M)は、例えば図8に示す直線状の4つ(この場合M=4)の構造要素(これら4つの構造要素の全体をもって多重構造要素というが、以下、i=1の場合を含めて単に構造要素という)である。構造要素Bi を検出対象である石灰化陰影よりも大きく設定すれば、上記オープニング演算による処理で、構造要素Bi よりも細かな凸状の信号変化部分である石灰化陰影は取り除かれる。一方、細長い形状の非石灰化陰影はその長さが構造要素Bi よりも長く、その傾きが4つの構造要素Bi のいずれかに一致すれば、それぞれの構造要素Bi に対するオープニング処理の最大値(式(11)の第2項の演算)を求めてもそのまま残る。したがってこのようにして得られた平滑化画像(石灰化陰影のみが取り除かれた画像)を原画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影のみが含まれる画像が得られる。これが式(11)の考え方である。
【0028】
なお、前述したように、高濃度高信号レベルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対して凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理に代えてクロージング処理を適用し、式(11)に代えて式(12)を適用する。
【0029】
【数9】
Figure 0003690844
【0030】
このように、モーフォロジー処理は、
(1)石灰化陰影そのものの抽出に有効であること
(2)複雑なバックグラウンド情報に影響されにくいこと
(3)抽出した石灰化陰影がひずまないこと
などの特徴がある。すなわち、この手法は一般の微分処理に比べて、石灰化陰影のサイズ・形状・濃度分布などの幾何学的情報をより良く保った検出が可能である。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したように、画像の読影性能を向上させるには、対象となる画像に対して画像処理を行うことが不可欠となっているが、特開平2−1078号に開示されているように、単に濃度依存による強調処理では、例えばマンモグラムにおける放射線ノイズ成分のような、画像読影の障害となる成分まで強調されるため、読影性能をむしろ低下させることになる。
【0032】
また特公昭60−192482号、特開平2−120985号、特表平3−502975号等に開示されているように、画像信号の分散値に依存した強調処理では、局所的に濃度変化の大きい画像部分が強く強調されるため、その付近でアンダーシュート、オーバーシュートが相対的に目立ち、特にX線画像に関しては高濃度側でアーチファクトが発生しやすいという問題がある。
【0033】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、ノイズ成分等の画像読影に不要な成分を強調することなく、注目する特定の画像部分だけを効率よく強調処理し、アーチファクトの発生を抑制した画像処理方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理方法は、画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、構造要素Biおよびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、前記画像信号が空間的に前記構造要素Biより小さく変動する画像部分および/または前記オリジナル画像信号の変化が急な画像部分について特徴的な出力を示すモーフォロジー信号Smor を求め、
前記オリジナル画像信号Sorg を互いに異なる複数の周波数成分Sn に分割し、
前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、前記モーフォロジー信号Smor に依存した強調処理を施して処理済画像信号Sprocを求めることを特徴とするものである。
【0035】
なお、上記互いに異なる複数の周波数成分Sn とは、必ずしも各周波数成分の周波数帯域と他の周波数成分の周波数帯域との重複部分がないような周波数成分だけを意味するものではなく、一部の周波数帯域が他の周波数成分の周波数帯域と異なるものであればよい。
【0036】
また、上記モーフォロジー演算としては、例えば下記式(13)〜(16)に示すものを適用することができる。以下の発明についても同様である。
【0037】
【数10】
Figure 0003690844
【0038】
【数11】
Figure 0003690844
【0039】
【数12】
Figure 0003690844
【0040】
【数13】
Figure 0003690844
【0041】
なお、構造要素Biを構成する構造要素Bとしては、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形、線形または菱形等の上下左右対称の要素が望ましい。
【0042】
また、前記モーフォロジー信号Smor に依存した強調処理としては、前記複数の周波数成分Sn ごとに予め設定された、モーフォロジー信号Smor に応じた強調係数αmn (Smor )を出力する変換テーブルの該出力に基づいて、下記式(1)または(1′)にしたがった強調処理を用いることができる。
【0043】
【数1】
Figure 0003690844
【0044】
上記強調係数αmn (Smor )としては、例えばオリジナル画像信号Sorg を高・中・低の3つの周波数帯域fH ・fM ・fL に対応する3つの周波数成分SH ・SM ・SL に分割した場合には、図2に示すような関数形状を有するものが望ましい。すなわち、高周波数成分SH に対応する強調係数αmH (Smor )は図2(A)に示すように、モーフォロジー信号値Smor の増大にしたがって単調増加し、ある程度モーフォロジー信号値Smor が大きい領域については出力αmH (Smor )を一定にするような関数形状にする。また中周波数成分SM に対応する強調係数αmM (Smor )は図2(B)に示すように、モーフォロジー信号値Smor の増大にしたがって単調減少し、ある程度モーフォロジー信号値Smor が大きい領域については出力αmM (Smor )を0(ゼロ)にするような関数形状にする。さらに低周波数成分SL に対応する強調係数αmL (Smor )は図2(C)に示すように、略一定値(=1)の関数形状にする。
【0045】
このような関数形状とすることにより、低周波数帯域fL の信号成分を強調し、中周波数帯域fM のノイズ(粒状成分)を抑制し、高周波数帯域fH の信号成分をより強調することができる。なお、高周波数帯域fH の粒状成分はオリジナル画像信号Sorg のものと同一であるが、信号成分が強調されることにより相対的に抑制される。
【0046】
式(13)で表されるモーフォロジー演算を適用することにより、モーフォロジー信号Smor として、周囲の画像部分よりも信号値が大きく、かつ前記構造要素Bi より空間的に小さく変動する画像部分(例えば、高輝度高信号レベルの画像信号における石灰化陰影)を構成する画素の信号を抽出することができ、この画像部分を効果的に強調処理することができる。
【0047】
また、式(14)で表されるモーフォロジー演算を適用することにより、モーフォロジー信号Smor として、周囲の画像部分よりも信号値が小さく、かつ前記構造要素Bi より空間的に小さく変動する画像部分(例えば、高濃度高信号レベルの画像信号における石灰化陰影)を構成する画素の信号を抽出することができ、この画像部分を効果的に強調処理することができる。
【0048】
さらにまた、式(15)または(16)で表されるモーフォロジー演算を適用した場合、モーフォロジー信号Smor として、信号値が前記構造要素Bi より空間的に小さく変動する画像部分や、輝度(濃度)が急激に変化するエッジ部分を構成する画素の信号を抽出することができ、このような画像部分を効果的に強調処理することができる。
【0049】
本発明の第2の画像処理方法は、上記第1の画像処理方法において単一の構造要素Biに代えて、互いにサイズの異なる複数の構造要素Bin を用いてオリジナル画像信号に対してモーフォロジー演算を施すものである。
【0050】
すなわち本発明の第2の画像処理方法は、画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、互いに異なる周波数帯域にそれぞれ対応した互いに大きさの異なる複数の構造要素Bin およびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、各構造要素Bin より小さく変動する画像部分および/または前記オリジナル画像信号の変化が急な画像部分について特徴的な出力を示す複数のモーフォロジー信号Smor n を求め、
前記オリジナル画像信号Sorg を、前記複数の構造要素の大きさにそれぞれ対応した互いに異なる複数の周波数成分Sn に分割し、
前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、該周波数成分が含まれる周波数帯域に対応した大きさの構造要素Bin によるモーフォロジー演算で得られたモーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理を施して処理済画像信号Sprocを求めることを特徴とするものである。
【0051】
また、上記第2の画像処理方法において、前記モーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理として、上記複数の周波数成分Sn ごとに予め設定された、モーフォロジー信号Smor n に応じた強調係数αmn (Smor n )を出力する変換テーブルの該出力に基づいて、下記式(2)または(2′)にしたがった強調処理を行うようにしてもよい。
【0052】
【数2】
Figure 0003690844
【0053】
なお、上記第1または第2の各画像処理方法においては、複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、さらにオリジナル画像信号Sorg に依存した強調処理を施すようにしてもよい。
【0054】
具体的には、例えばモーフォロジー信号Smor に応じた強調係数αmn (Smor )(第2の方法にあってはαmn (Smor n ))とオリジナル画像信号Sorg に依存した強調係数αdn (Sorg )とを下記式(17)または(18)に示すように乗算あるいは加算してこれを新たな強調係数αn として式(1)もしくは(1′)または(2)もしくは(2′)に適用すればよい。
【0055】
【数14】
Figure 0003690844
【0056】
本発明の第1の画像処理装置は、画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、構造要素Biおよびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、前記画像信号が空間的に前記構造要素Biより小さく変動する画像部分および/または前記オリジナル画像信号の変化が急な画像部分について特徴的な出力を示すモーフォロジー信号Smor を求めるモーフォロジー信号演算手段と、
前記オリジナル画像信号Sorg を互いに異なる複数の周波数成分Sn に分割する周波数帯域分割手段と、
前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、前記モーフォロジー信号Smor に依存した、例えば複数の周波数成分Sn ごとに予め設定された、前記モーフォロジー信号Smor に応じた強調係数αmn (Smor )を出力する変換テーブルの該出力に基づいて、上記式(1)または(1′)にしたがった強調処理を施して処理済画像信号Sprocを求める強調手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0057】
本発明の第2の画像処理装置は、画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、互いに異なる周波数帯域にそれぞれ対応した互いに大きさの異なる複数の構造要素Bin およびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、各構造要素Bin より小さく変動する画像部分および/または前記オリジナル画像信号の変化が急な画像部分について特徴的な出力を示す複数のモーフォロジー信号Smor n を求めるモーフォロジー信号演算手段と、
前記オリジナル画像信号Sorg を、前記複数の構造要素の大きさにそれぞれ対応した互いに異なる複数の周波数成分Sn に分割する周波数帯域分割手段と、
前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、該周波数成分が含まれる周波数帯域に対応した大きさの構造要素Bin によるモーフォロジー演算で得られたモーフォロジー信号Smor n に依存した、例えば前記複数の周波数成分Sn ごとに予め設定された、前記モーフォロジー信号Smor n に応じた強調係数αmn (Smor n )を出力する変換テーブルの該出力に基づいて、上記式(2)または(2′)にしたがった強調処理を施して処理済画像信号Sprocを求める強調手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0058】
なお前記強調手段は、複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、式(17),(18)に示すようにさらにオリジナル画像信号Sorg に依存した強調処理を施すものであってもよい。
【0059】
なお、構造要素Bi (i=1,2,…,M)は、2次元面内での向きが互いに異なる構造要素Bとして準備されたM個の構造要素Bの集合を意味するものであり、M=1の場合は上下左右対称の要素を意味し、本発明においてはi≧2である多重構造要素およびi=1の場合も含めて構造要素Bi と表記するものとする。また、スケール係数λは上記ミンコフスキー和の演算およびミンコフスキー差の演算を行う回数を意味し、回数を増加するに応じて平滑化の程度が進む。
【0060】
【発明の効果】
本発明の第1の画像処理方法・装置は、画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、構造要素Bi およびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、画像信号が空間的に構造要素Bi より小さく変動する画像部分および/または信号値が急激に変動する画像部分が抽出される。この抽出された画像部分には所望の画像部分も含まれるが、いわゆる高周波成分である放射線ノイズ等の粒状成分も含まれる。ここで、放射線ノイズに対応するモーフォロジー信号Smor は微小なものであり、一方、所望の画像部分についてのモーフォロジー信号Smor は、この放射線ノイズについてのモーフォロジー信号Smor より大きな値を示す。
【0061】
一方、オリジナル画像信号Sorg を複数(例えばn個)の周波数帯域に分割する。
【0062】
モーフォロジー信号Smor は、オリジナル画像信号Sorg を分割した複数個の周波数帯域に対応した複数の変換テーブル等により、それぞれモーフォロジー信号Smor に応じた強調係数αmn (Smor )が算出され、分割された各周波数帯域ごとに対応する強調係数αmn (Smor )により強調処理される。この強調処理は必ずしも分割して得られたすべての周波数帯域に対して施す必要はなく、所望の画像部分に対応した周波数帯域についてのみ行うようにしてもよい。
【0063】
このように本発明の第1の画像処理方法は、分割された周波数帯域に含まれるオリジナル画像信号の周波数成分に対して上記モーフォロジー信号Smor に依存した強調処理を施すことにより、粒状成分等の画像読影に不要な成分を強調することなく、その周波数帯域に含まれる強調しようとする画像部分だけを強調処理することができる。また、分散値依存強調処理で生じるアーチファクトの発生を抑制することができる。
【0064】
なお、各周波数帯域ごとに強調係数αmn (Smor )を異なるように設定しておくことにより各周波数帯域の強調度合いを任意に変えて強調することができ、きめ細かい強調処理を施すことができる。
【0065】
これを図解すると図6に示すものとなる。すなわち、図6(A)に示すようなオリジナル画像信号Sorg に対して非鮮鋭マスク信号処理を施すことにより、オリジナル画像信号Sorg を例えば4つの周波数帯域の成分SLL、SL 、SM 、SH に分割し、各周波数帯域の成分SLL、SL 、SM 、SH に対して、それぞれモーフォロジー信号Smor に応じた強調係数αmLL(Smor )(=1;一定)、αmL (Smor )(図2(C)参照)、αmM (Smor )(図2(B)参照)、αmH (Smor )(図2(A)参照)を乗じて下記式(1)または(1′)にしたがった強調処理を施すことにより、各周波数成分のうちの信号成分だけが選択的に強調されて、同図(B)に示すような信号成分だけが強調された処理済画像信号Sprocに変換される。
【0066】
【数1】
Figure 0003690844
【0067】
さらに、本発明の第1の画像処理方法・装置によれば、モーフォロジー演算では画像信号の分散値を計算する処理に代えて最大値または最小値を計算する処理を行うため、その演算時間を短縮することができる。
【0068】
以下に、モーフォロジー演算の一例である式(14)を具体的に説明する。なお、簡単のためλ=1,i=1とする。
【0069】
高濃度高信号レベルの画像信号である濃度値Sorg についてのモーフォロジー演算によれば、例えば図9(1)の実線に示すような濃度値Sorg の分布を有する画像データに対して、同図(2)に示すような直線状の3画素の構造要素Bで、ミンコフスキー和の演算を行うことにより、ある注目画素の濃度値Si は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素(構造要素Bにより決定される)の中の最大値Si+1 を採用したSi ′に変換される。この演算を全画素について行うことにより、濃度値Sorg ′の分布を有する同図(1)の破線で示す画像データに変換される。
【0070】
次に、このミンコフスキー和の演算で得られた濃度値の構造要素Bによるミンコフスキー差を考えると、同図(1)の破線で示された注目画素の濃度値Si ′は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素の中の最小値Si-1 ′を採用したSi ″(=Si )に変換される。この演算を全画素について行うことにより、濃度値Sorg ″の分布を有する同図(1)の一点鎖線で示す画像データに変換される。この一点鎖線で示された画像データは、もとの実線のオリジナルの画像データに対して、構造要素Bよりも細かい信号値の変化の画像部分が消え、構造要素Bよりも大きい信号値の変化の画像部分は演算前の元の状態を保持することを示している。すなわち、以上の処理(クロージング処理)は、画像濃度の分布を高濃度側から平滑化する処理である。
【0071】
このようにクロージング処理で得られた値を元の画像信号Sorg から差し引くことにより得られた値Smor は、上記クロージング処理で消された細かい信号値の変化の画像部分を表す。
【0072】
ここで、本来、画像信号は2次元の要素である位置(x,y)と、3次元目の要素である信号値f(x,y)を有するが、上記説明においては、理解の容易化のために、この2次元上に展開された画像の所定の断面に現れた、1次元状の画像信号分布曲線について説明した。
【0073】
したがって、本発明の各画像処理方法・装置は、以上の説明を2次元画像に拡大適用したものであり、式(14)に示した構造要素Bi は、このような断面におけるモーフォロジー演算を2次元面に拡大適用する場合に、この2次元面内での向きが互いに異なる構造要素Bとして準備されたi個の構造要素Bの集合を意味するものである。
【0074】
またこれらすべての構造要素Bi についてクロージング処理を行った結果、構造要素Bi のうちのいずれかと、その延びる方向が一致し、かつその大きさよりも大きく変化する画像部分については、式(14)の第2項の値がSorg そのものとなるため、Smor の値はゼロとなり、その部分については強調処理されない。
【0075】
なお、スケール係数λは上記ミンコフスキー和の演算およびミンコフスキー差の演算を行う回数を意味し、回数を増加するに応じて平滑化の程度が進む。
【0076】
本発明の第2の画像処理方法・装置は、上記第1の画像処理方法・装置におけるモーフォロジー演算を、複数の大きさの構造要素Bi n を用いて行うものであり、その結果、複数のモーフォロジー信号Smor n を得る。
【0077】
このモーフォロジー演算のために設定された複数の構造要素Bi n は、オリジナル画像信号を分割して得られる複数の周波数帯域に応じて設定されるものであり、低周波数帯域から高周波数帯域になるにしたがって、構造要素は小さくなるように対応させる。
【0078】
得られた複数のモーフォロジー信号Smor n は、それぞれ対応する変換テーブル等により、各モーフォロジー信号Smor n に応じた強調係数αmn (Smor n )が算出され、分割された各周波数帯域ごとに対応する強調係数αmn (Smor n )により強調処理される。この強調処理も必ずしも分割して得られたすべての周波数帯域に対して施す必要はなく、所望の画像部分に対応した周波数帯域についてのみ行うようにしてもよい。
【0079】
このように本発明の第2の画像処理方法は、分割された周波数帯域に含まれるオリジナル画像信号の周波数成分に対して上記モーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理を施すことにより、各周波数帯域について、粒状成分等の画像読影に不要な成分を強調することなく各周波数帯域に含まれる強調しようとする画像部分だけを強調処理することができる。また、分散値依存強調処理で生じるアーチファクトの発生を抑制することができる。
【0080】
なお、各周波数帯域ごとに強調係数αmn (Smor n )を異なるように設定しておくことにより各周波数帯域の強調度合いを任意に変えて強調することができ、きめ細かい強調処理を施すことができる。
【0081】
さらに、本発明の第2の画像処理方法・装置についても、画像信号の分散値を計算する処理に代えて最大値または最小値を計算する処理を行うため、その演算時間を短縮することができる。
【0082】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像処理方法を具体的に実施するための画像処理装置について図面を用いて説明する。
【0083】
図1は本発明の第1の実施形態である画像処理装置を示す概略ブロック図である。図示の画像処理装置は、入力信号の超低空間周波数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求める第1のローパスフィルタ11a,第2のローパスフィルタ11b,第3のローパスフィルタ11cと、これらの各ローパスフィルタ11a,11b,11cの入出力信号間で差の演算を行いオリジナル画像信号Sorg の高周波帯域fH に対応する高周波成分SH 、中周波帯域fM に対応する中周波成分SM 、低周波帯域fL に対応する低周波成分SL を求める演算素子14a1 ,14a2 ,14a3 と、オリジナル画像信号Sorg に対して、構造要素Biおよびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、オリジナル画像信号Sorg が空間的に構造要素Biより小さく変動する画像部分やエッジ等の信号値が急激に変化する画像部分については大きな値のモーフォロジー信号Smor を、そうでない画像部分についてはゼロまたは極小さな値のモーフォロジー信号Smor を出力するモーフォロジーフィルタ12と、モーフォロジー信号Smor の入力を受けてモーフォロジー信号Smor に応じた前記各周波数帯域fH ,fM ,fL に対応する強調係数αm1 (Smor ),αm2 (Smor ),αm3 (Smor )(以下、簡単のため単にαm1 ,αm2 ,αm3 と表記する)を出力する第1〜第3の変換テーブル13a,13b,13cと、各変換テーブル13a,13b,13cから出力された各強調係数αm1 ,αm2 ,αm3 と演算素子14a1 ,14a2 ,14a3 からの各出力SH ,SM ,SL とを対応する周波数帯域ごとに乗じる演算を行う演算素子14b1 ・14b2 ・14b3 と、各演算素子14b1 ・14b2 ・14b3 の出力と第3のローパスフィルタ11cの出力とを加算する演算素子14c1 ・14c2 ・14c3 とを備えてなる構成である。
【0084】
ここで画像を表すオリジナル画像信号Sorg は、予め所定の画像読取装置により放射線画像から読み取られて所定の記憶手段に記憶されたものであってもよいし、画像読取装置から直接入力されたものであってもよい。また、本実施形態における放射線画像としてはマンモグラムとし、各ローパスフィルタ11a,11b,11cはオリジナル画像信号Sorg に対して、例えば3列×3行の画素マトリクスからなるボケマスクを設定し、下記式(4)(N=3に設定)にしたがって得られたボケマスク信号Susを出力する。
【0085】
【数4】
Figure 0003690844
【0086】
このボケマスクとしては上記式(4)に示すようにマスク内の画素値の単純平均を用いるものの他、例えば図1の右下端のマトリクスに示したような、中心画素からの距離に応じてマスク内の画素値の重み付けを変化させたものを用いることもできる。
【0087】
ここで各ローパスフィルタ11a,11b,11cの出力をSus1,Sus2,Sus3とする。
【0088】
モーフォロジーフィルタ12はオリジナル画像信号Sorg に対して、例えば5列×5行の画素マトリクスからなる構造要素Bとスケール係数λとにより下記式(14)に示すクロージング処理にしたがって演算処理することにより、オリジナルの画像信号Sorg の値が周囲の画像部分よりも小さくかつ構造要素Bi より空間的に小さく変動する画像部分(例えばマンモグラムにおいては乳癌であることを示す微小石灰化部分)に対応する画像信号が入力された場合は大きな値のモーフォロジー信号Smor を出力し、一方、オリジナルの画像信号Sorg の値が周囲の画像部分よりも大きくまたは構造要素Bi より空間的に大きく変動する画像部分に対応する画像信号が入力された場合は極めて小さな値のモーフォロジー信号Smor を出力する。なお、構造要素Bは強調処理を施そうとする所望の微小石灰化部分の形状や大きさに応じて予め設定されたものである。
【0089】
【数11】
Figure 0003690844
【0090】
各変換テーブル13a,13b,13cは、例えば図2に示すように、高周波数帯域fH については(A)に、中周波帯域fM については(B)に、低周波帯域fL ついては(C)にそれぞれ示すように、各周波数帯域に対応してモーフォロジー信号値Smor に応じた出力である強調係数αm1 ,αm2 ,αm3 を出力する。
【0091】
次に本実施形態の画像処理装置の作用について説明する。
【0092】
画像処理装置にオリジナル画像信号Sorg が入力されると、オリジナル画像信号Sorg は第1のローパスフィルタ11aから順次第2のローパスフィルタ11b、第3のローパスフィルタ11cに入力される。第1のローパスフィルタ11aは入力されたオリジナル画像信号Sorg に対して、3列×3行の画素マトリクスからなるボケマスクを設定し、上記式(4)にしたがった演算を施して第1のボケマスク信号Sus1を出力する。この第1のボケマスク信号Sus1は3列×3行の画素マトリクスからなるボケマスクによるものであるため、所定の高周波成分SH が除去された信号成分であり、演算素子14a1 がオリジナル画像信号Sorg からこの第1のボケマスク信号Sus1を差し引く演算をなすことにより、高周波成分SH だけが抽出される。
【0093】
第1のローパスフィルタ11aから出力された第1のボケマスク信号Sus1は第2のローパスフィルタ11bにも入力され、第2のローパスフィルタ11bは第1のローパスフィルタ11aと同様の作用により、第1のボケマスク信号Sus1のうちの高い周波数成分である中周波数成分SM が除去された第2のボケマスク信号Sus2を出力し、演算素子14a2 が第1のボケマスク信号Sus1からこの第2のボケマスク信号Sus2を差し引く演算をなすことにより、中周波成分SM だけが抽出される。
【0094】
第3のローパスフィルタ11cおよび演算素子14a3 も同様にして低周波成分SL だけを抽出する。なお、第3のローパスフィルタ11cからの出力である第3のボケマスク信号Sus3は、低周波成分SL に含まれない最も低い周波数成分であり、これを超低周波成分SLL(=Sus3)とする。
【0095】
以上の作用によりオリジナル画像信号Sorg は4つの周波数帯域の周波数成分SH ,SM ,SL ,SLLに分割される。
【0096】
なお、本実施形態においては各周波数成分SH ,SM ,SL ,SLLは周波数帯域が互いに重複しないように分割されるが、本発明においては必ずしも各周波数帯域間で重複帯域がないように分割する必要はなく、一部に重複帯域を含むように分割するものであってもよい。
【0097】
一方、オリジナル画像信号Sorg はモーフォロジーフィルタ12にも入力される。モーフォロジーフィルタ12はこの入力されたオリジナル画像信号Sorg に対して、例えば5列×5行の画素マトリクスからなる構造要素Bとスケール係数λとにより、上記式(14)にしたがった演算処理を施して、その画像部分の特徴的な形状や信号値の変動に応じた唯一のモーフォロジー信号Smor を出力する。ここでその画像部分が異常陰影である微小石灰化部分である場合には大きな値のモーフォロジー信号Smor が出力され、その他の場合には極めて小さな値のモーフォロジー信号Smor が出力される。
【0098】
モーフォロジーフィルタ12から出力されたモーフォロジー信号Smor は第1〜第3の各変換テーブル13a,13b,13cにそれぞれ入力される。
【0099】
第1の変換テーブル13aは入力されたモーフォロジー信号Smor に応じて、前述の高周波成分SH に対応する強調係数αm1 を出力し、第2の変換テーブル13bは入力されたモーフォロジー信号Smor に応じて、前述の中周波成分SM に対応する強調係数αm2 を出力し、第3の変換テーブル13cは入力されたモーフォロジー信号Smor に応じて、前述の低周波成分SL に対応する強調係数αm3 をそれぞれ出力する。
【0100】
なお、超低周波成分SLLに対応する強調係数を仮にαm4 とし、モーフォロジー信号Smor に応じた強調係数αm4 を出力する第4の変換テーブルを設けてもよいが、本実施形態においてはこの超低周波成分SLLを個別に強調することを要しないため、αm4 =1(一定)として省略している。すなわち、n個の周波数成分に分割された信号のうち(n−1)個の周波数成分の強調度を低くして抑制度とすることによって、相対的に残りの1周波数成分の強調度を制御することができるからである。
【0101】
各変換テーブル13a,13b,13cからの出力である強調係数αm1 ,αm2 ,αm3 はそれぞれ対応する演算素子14b1 ・14b2 ・14b3 に入力される。一方、この演算素子14b1 ,14b2 ,14b3 には対応する演算素子14a,14a2 ,14a3 からそれぞれ前述の高周波成分SH 、中周波成分SM 、低周波成分SL も入力され、演算素子14b1 ,14b2 ,14b3 はこれらを対応する組ごと(αm1 とSH ,αm2 とSM ,αm3 とSL )に乗算し、それぞれ演算素子14c1 ,14c2 ,14c3 に出力する。この作用は各周波数成分ごとのモーフォロジー信号に応じた重み付けを行うことを意味している。
【0102】
演算素子14c1 ,14c2 ,14c3 は演算素子14b1 ,14b2 ,14b3 からの出力を総和するとともに、第3のローパスフィルタ11cからの出力である超低周波成分SLLを加算し、下記式(19)に示す処理済画像信号Sprocを出力する。
【0103】
【数15】
Figure 0003690844
【0104】
この処理済画像信号Sprocは、オリジナル画像信号Sorg に対して、各周波数成分ごとにモーフォロジー信号に応じた強調処理を施した信号であり、上述の構造要素Bのサイズ、ボケマスクのサイズ、分割する周波数帯域の数などを種々変化させることにより、また変換テーブルによる強調関数の形状を種々変えることにより、各周波数帯域に含まれる所望の信号成分だけを選択的に所望の強調度合いで強調処理を行うことができ、従来の強調処理と比べてよりきめ細かい強調の調節が可能となり、画像診断性能を向上させることができる。
【0105】
なお、上記式(19)は一般式として式(1)のように表すことができる。すなわち式(19)は式(1)において、超低周波成分SLLに乗じられるべき強調係数を1(=一定)として省略したに過ぎない。したがって本実施形態においても上述したように、超低周波成分SLLに対してモーフォロジー信号に応じた強調係数を例えばαm4 として設定し、これを超低周波成分SLLに乗じるようにしてもよい。
【0106】
図3は本発明の第2の実施形態である画像処理装置を示す概略ブロック図である。図示の画像処理装置は、上記第1の実施形態の画像処理装置においてモーフォロジーフィルタ12に代えて、上記オリジナル画像信号Sorg の高周波数成分SH に対応した大きさの構造要素BS でオリジナル画像信号Sorg のモーフォロジー信号Smor1を求める第1のモーフォロジーフィルタ12aと、中周波成分SM に対応した大きさの構造要素BM でモーフォロジー信号Smor2を求める第2のモーフォロジーフィルタ12bと、低周波成分SL に対応した大きさの構造要素BL でオリジナル画モーフォロジー信号Smor3を求める第3のモーフォロジーフィルタ12cとを備えるとともに、第1の変換テーブル13aは第1のモーフォロジーフィルタ12aの出力である第1のモーフォロジー信号Smor1の入力を受けてこの第1のモーフォロジー信号Smor1に応じた強調係数αm1 (Smor1)を出力するように、第2の変換テーブル13bは第2のモーフォロジーフィルタ12bの出力である第2のモーフォロジー信号Smor2の入力を受けてこの第2のモーフォロジー信号Smor2に応じた強調係数αm2 (Smor2)を出力するように、第3の変換テーブル13cは第3のモーフォロジーフィルタ12cの出力である第3のモーフォロジー信号Smor3の入力を受けてこの第3のモーフォロジー信号Smor3に応じた強調係数αm3 (Smor3)を出力するようにそれぞれ構成されている。
【0107】
なお各構造要素BL ,BM ,BS は、BL が最も大きく、BS が最も小さく、BM はBL とBS との中間の大きさである。
【0108】
このように各構造要素BS ,BM ,BL の大きさを設定することにより、各モーフォロジーフィルタ12a〜12cは、対応する大きさの画像部分については特徴的な値のモーフォロジー信号Smor1,Smor2,Smor3を出力する。この各モーフォロジーフィルタ12a〜12cから出力されたモーフォロジー信号Smor1,Smor2,Smor3に応じて、対応する各変換テーブル13a〜13cが強調係数αm1 (Smor1),αm2 (Smor2),αm3 (Smor3)を出力する。
【0109】
この出力された各強調係数αm1 (Smor1),αm2 (Smor2),αm3 (Smor3)が、演算素子14b1 ,14b2 ,14b3 により、対応する各周波数成分SH ,SM ,SL に乗じられることにより、構造要素BS ,BM ,BL の大きさに応じた画像部分を、強調係数αm1 (Smor1),αm2 (Smor2),αm3 (Smor3)に応じた強調度合いで各別に強調処理することができる。
【0110】
このように本実施形態の画像処理装置によれば、分割された周波数帯域に含まれる周波数成分について、粒状成分等の画像読影に不要な成分を排除した強調しようとする画像部分だけを選択的に抽出することができ、また各変換テーブルを所望の大きさの画像部分を強調しまたは抑制するように予め設定することにより、上記選択的に抽出した画像部分だけを選択的に所望の強調度合いで強調処理することができ、きめ細かく強調処理を施すことができる。
【0111】
図4は本発明の第3の実施形態である画像処理装置を示す概略ブロック図である。図示の画像処理装置は、上記第2の実施形態の画像処理装置において、オリジナル画像信号Sorg の入力を受けて、オリジナル画像信号Sorg に応じた単調増加の強調係数αd(Sorg )を出力する第2の変換テーブル16と、この第2の変換テーブル16から出力された、オリジナル画像信号Sorg に応じた強調係数αd(Sorg )を互いに異なる増幅率で増幅する3つの増幅器15a,15b,15cと、各増幅器15a,15b,15cの出力αd1 (Sorg )αd2 (Sorg )αd3 (Sorg )と周波数帯域がそれぞれ対応するモーフォロジーフィルタ12a,12b,12cに基づく強調係数αm1 (Smor1),αm2 (Smor2),αm3 (Smor3)とを対応せしめて加算処理する演算素子14d1 ,14d2 ,14d3 とをさらに備えた構成である。
【0112】
ここで、増幅器15a,15b,15cは、同一の入力値αd(Sorg )が入力されたときに、15aが最も大きい強調係数αd1 (Sorg )を出力し、15cが最も小さい小さい強調係数αd3 (Sorg )を出力し、15bが15aと15cとの中間の強調係数αd2 (Sorg )を出力するように設定されている。
【0113】
以上のように構成された第3の実施形態に係る画像処理装置によれば、高周波数成分SH は、モーフォロジー信号Smor1に基づく強調係数αm1 (Smor1)とオリジナル画像信号Sorg に基づく強調係数αd1 (Sorg )との和に応じた強調係数α1 で強調処理がなされ、中周波数成分SM は、モーフォロジー信号Smor2に基づく強調係数αm2 (Smor2)とオリジナル画像信号Sorg に基づく強調係数αd2 (Sorg )との和に応じた強調係数α2 で強調処理がなされ、低周波数成分SL は、モーフォロジー信号Smor3に基づく強調係数αm3 (Smor3)とオリジナル画像信号Sorg に基づく強調係数αd3 (Sorg )との和に応じた強調係数α3 で強調処理がなされる。
【0114】
このように本実施形態の画像処理装置は、モーフォロジー信号に基づく強調処理とオリジナル画像信号値に基づく強調処理とを組み合わせて強調処理を行うため、例えば人口骨等の局所的に濃度変化の激しい部分での過剰な強調(オーバーシュートまたはアンダーシュート)を抑制することができる。
【0115】
なお、モーフォロジー信号に基づく強調処理とオリジナル画像信号値に基づく強調処理とを組合わせの方法としては、上記実施形態のように、各強調処理のための強調係数同士の和を用いるものに限らず、これらの対応する強調係数同士を互いに乗じて新たな強調係数αn を求めるようにしてもよい。
【0116】
さらにまた、第5図に示すように、直列に配置された3つのローパスフィルタ11a,11b,11cに代えて5つのローパスフィルタ11a,11b1 ,11b2 ,11c1 ,11c2 を直列に配してもよく、また演算素子14c1 ,14c2 ,14c3 を、第1・2・3の実施形態のようにローパスフィルタ11cの出力信号Sus3と加算処理する位置ではなく、オリジナル画像信号Sorg と加算処理する位置に設けてもよい。この場合、処理済画像信号Sprocは下記式(1)ではなく式(1′)で示すことができる。
【0117】
【数1】
Figure 0003690844
【0118】
この式(1′)も式(1)と同様に、オリジナル画像信号Sorg に対して、各周波数成分ごとにモーフォロジー信号に応じて強調度合いを変化させた信号を得ることを意味し、所望の周波数帯域ごとに、各周波数帯域に含まれる所望の大きさの画像部分だけに所望の強調処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の第1実施形態を示すブロック図
【図2】(A)第1の変換テーブルを表す関数のグラフ
(B)第2の変換テーブルを表す関数のグラフ
(C)第3の変換テーブルを表す関数のグラフ
【図3】本発明の画像処理装置の第2実施形態を示すブロック図
【図4】本発明の画像処理装置の第3実施形態を示すブロック図
【図5】本発明の画像処理装置の第4実施形態を示すブロック図
【図6】本発明の画像処理方法・装置の作用を示す説明図、
(A)オリジナル画像データ、(B)処理済画像データ
【図7】モーフォロジー演算の基本的な作用を説明する図
【図8】モーフォロジーフィルターにおける構造要素Bi (i=1,2,…,M;M=4)を示す図
【図9】モーフォロジー演算による処理を具体的に説明するための濃度分布図
【符号の説明】
11a,11b,11c ローパスフィルタ
12 モーフォロジーフィルタ
13a,13b,13c 変換テーブル
14a1 〜14a3 ,14b1 〜14b3 ,14c1 〜14c3 演算素子
Sorg オリジナル画像信号
H 高周波数成分
M 中周波数成分
L 低周波数成分
Sproc 処理済画像信号

Claims (6)

  1. 画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、互いに異なる周波数帯域にそれぞれ対応した互いに大きさの異なる複数の構造要素Bin およびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、各構造要素Bin より小さく変動する画像部分および/または前記オリジナル画像信号の変化が急な画像部分について特徴的な出力を示す複数のモーフォロジー信号Smor n を求め、
    前記オリジナル画像信号Sorg を、前記複数の構造要素の大きさにそれぞれ対応した互いに異なる複数の周波数成分Sn に分割し、
    前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、該周波数成分が含まれる周波数帯域に対応した大きさの構造要素Bin によるモーフォロジー演算で得られたモーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理を施して処理済画像信号Sprocを求めることを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記モーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理は、
    前記複数の周波数成分Sn ごとに予め設定された、前記モーフォロジー信号Smor n に応じた強調係数αmn (Smor n )を出力する変換テーブルの該出力に基づいて、下記式(2)または(2′)にしたがった強調処理であることを特徴とする請求項記載の画像処理方法。
    Figure 0003690844
  3. 前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、さらに前記オリジナル画像信号Sorg に依存した強調処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
  4. 画像を表すオリジナル画像信号Sorg に対して、互いに異なる周波数帯域にそれぞれ対応した互いに大きさの異なる複数の構造要素Bin およびスケール係数λを用いたモーフォロジー演算を施すことにより、各構造要素Bin より小さく変動する画像部分および/または前記オリジナル画像信号の変化が急な画像部分について特徴的な出力を示す複数のモーフォロジー信号Smor n を求めるモーフォロジー信号演算手段と、
    前記オリジナル画像信号Sorg を、前記複数の構造要素の大きさにそれぞれ対応した互いに異なる複数の周波数成分Sn に分割する周波数帯域分割手段と、
    前記複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、該周波数成分が含まれる周波数帯域に対応した大きさの構造要素Bin によるモーフォロジー演算で得られたモーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理を施して処理済画像信号Sprocを求める強調手段とを備えてなることを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記強調手段によるモーフォロジー信号Smor n に依存した強調処理は、
    前記複数の周波数成分Sn ごとに予め設定された、前記モーフォロジー信号Smor n に応じた強調係数αmn (Smor n )を出力する変換テーブルの該出力に基づいて、下記式(2)または(2′)にしたがった強調処理であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
    Figure 0003690844
  6. 前記強調手段が、
    複数の周波数成分Sn のうち少なくとも1つの周波数成分について、さらに前記オリジナル画像信号Sorg に依存した強調処理を施すことを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
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