JPH08271672A - 流れ抵抗要素を備えた原子炉及び燃料集合体 - Google Patents

流れ抵抗要素を備えた原子炉及び燃料集合体

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JPH08271672A
JPH08271672A JP7075075A JP7507595A JPH08271672A JP H08271672 A JPH08271672 A JP H08271672A JP 7075075 A JP7075075 A JP 7075075A JP 7507595 A JP7507595 A JP 7507595A JP H08271672 A JPH08271672 A JP H08271672A
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flow
flow rate
resistance element
flow resistance
inlet
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JP7075075A
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Toru Mitsutake
徹 光武
Yasushi Yamamoto
泰 山本
Yoshiaki Tsukumo
嘉明 津久茂
Shinichi Morooka
慎一 師岡
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高流量条件では流れ抵抗が小さく、低流量条件
では流れ抵抗が大となって安定性余裕を増大するもの
や、炉心圧力損失一定の拘束条件のもとで入口流量変化
を抑制することにより安定性を増大させ、また、高流量
条件での圧力損失を低減させて最大炉心流量を増加し、
流量制御範囲を増大させる、流れ抵抗要素を備えた原子
炉及び燃料集合体を提供する。 【構成】請求項1記載の流れ抵抗要素を備えた原子炉及
び燃料集合体は、原子炉1の炉心入口11と燃料集合体5
の燃料下部タイプレート9の間の冷却材流路に、定格運
転付近の高流量条件では流れ抵抗が小さく、安定性が運
転限界となる低流量条件では流れ抵抗が大となって安定
性余裕を増大させる、くびれ部15が形成されたベンチュ
リ型で内部で臨界流が生じる流れ抵抗要素13を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉及び燃料集合体
の熱出力安定化に係り、特に沸騰水型原子炉における核
熱水力学的安定性の確保に好適な冷却材流路を形成し
た、流れ抵抗要素を備えた原子炉及び燃料集合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近は沸騰水型原子炉の設計限界を広げ
て運転範囲を拡大し、性能向上を図る研究開発が進めら
れている。沸騰水型原子炉は、図28の一部切断斜視図に
示すように、原子炉1は原子炉圧力容器2の内部に炉心
支持板3と上部格子板4を備えて、複数の燃料集合体5
は炉心支持板3上に設置され、上部格子板4において垂
直に相互に間隔をおいて保持されて炉心6を形成してい
る。
【0003】この原子炉圧力容器2の外部では冷却材が
再循環出口7から出て、図示しない再循環ポンプにより
再循環入口8へ循環される。原子炉圧力容器2内で冷却
材は、炉心6の周囲では外向きで、かつ下向きに流れ、
この流れは炉心6の下部で上向きとなり、炉心6内を流
れて燃料集合体5を通り、上部格子板4を通って更に上
向きに流れる。
【0004】図29は沸騰水型原子炉における流量・出力
特性図で、原子炉出力が 100%定格運転条件では、燃料
の燃焼前期には炉心流量を低下させて、炉心6における
平均ボイド率を高める運転が行われる。この平均ボイド
率を高める運転により、冷却材の密度をできるだけ小さ
くして中性子スペクトルを硬化させ、燃料棒中に核分裂
性のプルトニウム生成を促進することができる。
【0005】このようにして生成したプルトニウムの効
果で、燃焼末期にも炉心6の反応度低下を補うことがで
きるため、より高い燃焼度を得ることができる。そのた
めに、 100%定格運転条件の流量制御幅ΔW(流量コン
トロールウィンドウの幅)は、できるだけ広く取れるこ
とが望ましい。
【0006】この流量制御幅ΔWは、最低流量Wmin が
炉心の熱的余裕の減少や、過渡変化時の炉心・チャンネ
ル安定性余裕の低下、最大流量Wmax が炉心流量駆動用
ポンプ能力と炉心圧損により制限されている。したがっ
て、炉心・チャンネル安定性余裕や、炉心の熱的余裕の
向上による最低流量Wmin の減少と、炉心圧損の低減に
よる最大流量Wmax の増加は炉心改良の目的の一つと考
えられる。
【0007】一方、炉心熱的特性の向上案として、熱的
限界を高めるために、燃料集合体5における複数の燃料
の間隔を保持する燃料スペーサのピッチ(軸方向間隔)
を狭くしたり、炉心運転圧力を低くすることが提案され
ている。燃料スペーサのピッチを狭くすると、冷却材の
混合が改善されて冷却効率が増加し、熱伝達が向上して
熱的限界が増加する。また、炉心運転圧力を低下すると
沸騰熱伝達が向上して熱的限界が増加することが知られ
ている。
【0008】しかしながら通常の熱伝達の促進技術で
は、熱輸送を増すと同時に運動量輸送も増加して圧力損
失が増加する。したがって、二相流の安定性に重要な影
響を及ぼす圧力損失が増加するため、炉心の安定性の余
裕が縮小する傾向が生じてしまう。現在の沸騰水型原子
炉の安定性設計では、冷却材が高流量時の定格運転条件
では十分安定性に関する余裕があって運転制限にならな
いが、自然循環や再循環ポンプの最低速度付近の低流量
条件では、安定性が運転限界になる場合がある。
【0009】そこで、図30(a)の拡大縦断面図と、図
30(b)の斜視図に示すように、燃料集合体5における
冷却材の入口部で、下部タイプレート9が嵌着される炉
心支持板3に設けた燃料支持金具10の炉心入口11には、
流量配分調整用の入口オリフィス12が設けられている。
【0010】この入口オリフィス12の効果を図31の特性
図に示す。この図31の横軸は炉心流量で表した流量制御
ライン上の運転点を示し、縦軸に安定性の指標である減
幅比DRを示す。この減幅比DRは図32の特性図に示す
ように、炉心出力などの状態量の変動に対して次の式
(1) で表すように、その隣り合う変動振幅X0 ,X1
比である。 DR=X1 /X0 …(1)
【0011】この減幅比DRが図32(a)で示すように
1.0 以下の時は安定領域にあり、何らかの外乱に対する
状態量の変動は収束される。しかし、図32(b)のよう
にDRが1.0 以上の時は、時間と共に変動が増大する不
安定領域となる。二相流の流動安定性の増加に効くパラ
メータに単相部の流れ抵抗があり、前記入口オリフィス
12の流路抵抗のような単相部における流れ抵抗を大きく
すると、流量変動の駆動力に対する流量変化幅を抑制す
ることができるため、図31に示すように流動安定性を増
加することができる。
【0012】沸騰水型原子炉1の炉心6における核熱水
力安定性にとって、重要な炉心出力(または中性子束)
の変動は、主として炉心6のボイド率変動によって駆動
される。核的特性と熱水力特性との関連としては、前記
のような熱水力特性により入口流量変化が生じると、蒸
気発生量や流速が変わるため、炉心6内のボイド率が変
化し、このボイド反応度変化を通じて中性子束または炉
心出力が変化する。
【0013】したがって、前記したように入口流量の変
動が抑制されると、炉心6内のボイド率変化が減少する
ため、中性子束または炉心出力の変動が小さくなる。こ
の効果により核熱水力安定性の減幅比は減少し、沸騰水
型原子炉1における炉心6の安定性が向上する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記入口オリフィス12
による流れ抵抗は、自然循環や再循環ポンプの最低速度
付近の低流量条件では、安定性余裕を増加する効果があ
るが、高流量条件では流動抵抗となって流量を低下させ
ることから、所定の高流量を確保するためには、予め大
きな容量の再循環ポンプを適用する必要がある。
【0015】この対策として、現在用いられている入口
オリフィス12は、自然循環や再循環ポンプの最低速度付
近での低流量条件における減幅比DRを、 0.9程度とな
るように設定しているが、このために低流量条件での安
定性余裕が若干低下する支障があった。
【0016】また、この入口オリフィス12は、低流量条
件に合わせた流れ抵抗であり、高流量付近の定格運転範
囲においては必要がないものであり、炉心流量を確保す
るための再循環ポンプの動力は、最大炉心流量を合わせ
て容量を決めなければならないため、入口オリフィス12
の流れ抵抗は再循環ポンプ動力の増加をもたらすだけ
で、高流量条件では不必要な抵抗となっていた。
【0017】さらに、この安定性余裕を十分に確保する
ための入口オリフィス12による流れ抵抗は、容量の大き
な再循環ポンプを使用する必要があると共に、高流量条
件での流量制御幅ΔWの最大流量Wmax が制限されるこ
とから、コスト高になるという問題があった。
【0018】本発明の目的とするところは、定格運転付
近の高流量条件では流れ抵抗が小さく、安定性が運転限
界となる低流量条件では流れ抵抗が大となって安定性余
裕を増大するものや、炉心圧力損失一定の拘束条件のも
とで入口流量変化を抑制することにより安定性を増大さ
せる。また、高流量条件での圧力損失を低減させて最大
炉心流量を増加し、流量制御範囲を増大させてコストの
低減を計ることの可能な流れ抵抗要素を備えた原子炉及
び燃料集合体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る流れ抵抗要素を備えた原子炉
は、原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有効発熱部入口
の間の流路に、初め細くなり次に広がるくびれ部が形成
されたベンチュリ型で内部で臨界流が生じる流れ抵抗要
素を設けたことを特徴とする。請求項2記載の発明に係
る流れ抵抗要素を備えた原子炉は、ベンチュリ型の流れ
抵抗要素における広がり部が、多段型に断面積を広げた
形状であることを特徴とする。
【0020】請求項3記載の発明に係る流れ抵抗要素を
備えた原子炉は、原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有
効発熱部入口の間の流路に、第1のくびれ部の出口部に
第2のくびれ部と入口から出口に向かって広まっている
ディフューザを形成して流量によって圧力損失特性が変
化する流れ抵抗要素を設けたことを特徴とする。請求項
4記載の発明に係る流れ抵抗要素を備えた原子炉は、ノ
ズル型狭まり部の下流に出口部とディフューザを形成し
た流れ抵抗要素を設けたことを特徴とする。
【0021】請求項5記載の発明に係る流れ抵抗要素を
備えた原子炉は、前記原子炉の冷却材入口と燃料集合体
の有効発熱部入口の間の流路に設けた流れ抵抗要素が、
複数の流れ抵抗要素を束ねて配列した複合体であること
を特徴とする。請求項6記載の発明に係る流れ抵抗要素
を備えた原子炉は、原子炉の冷却材入口と燃料集合体の
有効発熱部入口の間の流路に、複数の流路に分割された
多数の管状からなる流れ抵抗要素を設けたことを特徴と
する。
【0022】請求項7記載の発明に係る流れ抵抗要素を
備えた原子炉は、原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有
効発熱部入口の間の流路に、冷却材の流れにより作動し
て低流量条件で流路の開口面積が小、高流量条件で大と
なる可動部を備えた流れ抵抗要素を設けたことを特徴と
する。請求項8記載の発明に係る流れ抵抗要素を備えた
原子炉は、流れ抵抗要素における可動部が、冷却材の流
れ方向と直角より小さい角度の斜面が形成されて流量の
増加により可動部が上方へ移動して流路面積が増加する
ことを特徴とする。
【0023】請求項9記載の発明に係る流れ抵抗要素を
備えた原子炉は、流れ抵抗要素の可動部に圧力貫通孔を
あけたことを特徴とする。請求項10記載の発明に係る流
れ抵抗要素を備えた原子炉は、流れ抵抗要素が流路内の
上部に開口と鉛直方向の逆円錐管を設けると共に、この
逆円錐管内に上下に移動自在な抵抗体を配置して、流路
内の流量の増加により抵抗体が上方へ移動して流路面積
が増加することを特徴とする。
【0024】請求項11記載の発明に係る流れ抵抗要素を
備えた原子炉は、流れ抵抗要素が流路に開口部をあけた
流れ方向と直角より小さな角度に設けた斜堰と、この斜
堰に密着して流量の増加により斜堰より離隔する可動プ
レートとからなることを特徴とする。請求項12記載の発
明に係る流れ抵抗要素を備えた原子炉は、原子炉の冷却
材入口と燃料集合体の有効発熱部入口の間の流路に、ベ
ンチュリ形状の流路内に旋回流を引き起こす旋回フィン
備えた流れ抵抗要素を設けたことを特徴とする。
【0025】請求項13記載の発明に係る流れ抵抗要素を
備えた原子炉は、原子炉の冷却材入口と燃料集合体の入
口の間の流路において、曲がり管の下流に堰を設けて流
量によって圧力損失特性が変化する流れ抵抗要素を設け
たことを特徴とする。請求項14記載の発明に係る流れ抵
抗要素を備えた燃料集合体は、流れ抵抗要素を有効発熱
部入口の下部タイプレートに設けたことを特徴とする。
【0026】
【作用】請求項1記載の発明は、原子炉の冷却材入口に
流入した冷却材は、安定性が運転限界となる低流量の場
合に、ベンチュリ型の流れ抵抗要素のくびれ部において
減圧沸騰となり、発生した気泡により流れが閉塞される
ことから、低流量の場合で安定性余裕に係る流量変動が
抑制されるので安定性が高い。請求項2記載の発明は、
低流量のために流量振動による逆流が生じようとして
も、流れ抵抗要素における多段の広がり部が逆流抵抗が
大きいため、流量振動が抑制されるので安定性が良い。
【0027】請求項3記載の発明は、高流量の場合には
流れ抵抗要素の第1のくびれ部で上昇した圧力が、出口
部において緩和され、その以降も圧力損失はほとんど生
じない。しかるに低流量の場合は、広がり部の入口で縮
流となるために圧力損失が増すことから、流量変動が抑
制されて安定性が高い。請求項4記載の発明では、低流
量の場合に流れ抵抗要素の入口の狭まり部がノズル形状
で、逆流抵抗が大きいために流量振動が速やかに収束さ
れるので、低流量における安定性が良い。
【0028】請求項5記載の発明では、流れ抵抗要素を
複数束ねて複合体とすることにより、冷却材流路の管壁
の長さが増して、摩擦による圧力損失が大きく得られ
る。したがって、低流量時の流量変動安定化と共に、所
定の圧力損失を得るための流れ抵抗要素は、その長さの
短縮が可能であることから小形化が容易となる。
【0029】請求項6記載の発明では、分割された多数
の管状からなる流れ抵抗要素の圧力損失は、低流量域に
比べて高流量域で小さいことから、低流量時における流
量振動は抑制されるので安定性が向上する。また、冷却
材に異物が混入した場合には流れ抵抗要素にて捕捉され
る。
【0030】請求項7記載の発明は、高流量時には流体
の流速により可動部が押上げられて、流路の開口面積が
大きくなるので流れ抵抗が低下するが、低流量時では流
れ抵抗要素の可動部が下降して流路の開口面積が小さい
ために、流れ抵抗が高いことから流量振動が速やかに収
束されるので安定性が良い。
【0031】請求項8記載の発明は、流れ抵抗要素の可
動部に衝突した流体の流速により加わる圧力は、可動部
斜面が流体の流入方向と直角より小さい角度であるため
に、この斜面角度により得られる垂直分力により可動部
を上方へ移動させる。したがって、可動部は流体の流量
に応じて上下し、低流量時には流れ抵抗を大きく、また
高流量時には流れ抵抗を小さく自動的に調節する。
【0032】請求項9記載の発明は、流体の流速により
上下移動する流れ抵抗要素の可動部においては、圧力貫
通孔を通じて流路と可動部の背部の空間との圧力差をな
くして可動部の移動を容易とすると共に、流速の急激な
変動に際してはダンピング効果を奏する。
【0033】請求項10記載の発明は、流量の増加に伴う
流速の上昇により、流れ抵抗要素における抵抗体を押し
上げる。これにより、逆円錐管を介する別の流路が形成
されて流路面積が増加するので、流れ抵抗が低流量時に
は大きく、高流量時には小さく自動的に調節する。
【0034】請求項11記載の発明は、低流量時は可動プ
レートが斜堰の開口部を塞いでいるが、流量の増加に伴
って斜堰より離隔するにより、斜堰における開口面積が
増加する。したがって、流れ抵抗は低流量時には大き
く、高流量時には小さく、しかも自動的に調節される。
【0035】請求項12記載の発明は、ベンチュリ形状の
流れ抵抗要素において、高流量時に流路内面にて発生し
易い流体の境界層における剥離は、旋回フィンが引き起
こす旋回流により抑制される。このために圧力損失が低
減するので、高流量時の流れ抵抗が小さい。
【0036】請求項13記載の発明は、高流量時の流体
は、流れ抵抗要素の曲がり管において遠心力が与えら
れ、堰の上部において流速が早いことから流路内での圧
力損失は小さい。しかるに低流量時においては、流速が
平均化されるので堰による圧力損失が大きくなる。請求
項14記載の発明は、流れ抵抗要素を燃料集合体の下部タ
イプレートに込み込むことにより、炉心における冷却材
の流路に流れ抵抗要素を容易に配置することができると
共に、炉心組み立てや流れ抵抗要素の保全が容易に行え
る。
【0037】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分には同
一符号を付して詳細な説明を省略する。第1実施例は、
図1の構成図で(a)の単体斜視図、及び図1(b)の
複合体下面図と、図2の要部拡大縦断面図に示すよう
に、燃料集合体5の下部タイプレート9と燃料支持金具
10の炉心入口11の間は冷却材の流路となっている。
【0038】この流路内に、流れ抵抗要素13として入口
部14から初め細まり次に広がるくびれ部15のベンチュリ
形状と、広がり部(ディフューザ)16、さらに出口部17
が形成され、これを複数束ねて配列した流れ抵抗要素の
複合体18としたものを設けて構成している。
【0039】次に上記構成による作用について説明す
る。燃料支持金具10の入口部である炉心入口11を通過し
た原子炉圧力容器2内の冷却材の流れは、矢印で示すよ
うに流れ抵抗要素の複合体18における流れ抵抗要素13を
通過して、燃料集合体5の入口である下部タイプレート
9へ流入する。
【0040】図1(b)に示すように、冷却材流路は流
れ抵抗要素の複合体18が複数の流れ抵抗要素13に分割さ
れた構造であることから、摩擦圧力損失は流路断面の管
壁の長さ(ぬれぶち長さ)に比例して増すが、各流路直
径をくびれ部15で細くしたため回復距離が短くなり、流
れ抵抗要素13の長さを短くできる利点がある。
【0041】各流路を通過する冷却材の流れは、安定性
余裕が小さくなる低流量条件では二相部差圧変化δ(Δ
P2φ)に対して、くびれ部15において冷却材の飽和温
度に達して減圧沸騰が生じる。これにより気泡が生じる
と、臨界流となる条件が著しく緩和するため、比較的小
さな流速で流れが閉塞して最大流量に達し、それ以上増
加しなくなる。そのため、差圧変化フィードバックが抑
制され、安定性が向上する。
【0042】各流れ抵抗要素13は、図3(a)の模式図
に示すように入口14の点Aより始めは細まり、このくび
れ部15の点Bと、その後にほぼ直線的な広がり部16の点
C及び出口部17の点Dのように形成されている。この単
相部流路では点Aにつづき、始め細まり次に広がるくび
れ部15の点Bを有する流れ抵抗要素13を設けられたこと
により、くびれ部の点Bでは図3(b)の流速分布特性
図に示すように、流れが加速されて圧力エネルギーが運
動エネルギーに変換される。
【0043】そのために静圧は、概念的に図3(c)の
静圧分布特性図に示すように、点Aから点Bに向かって
下流側に進むに従い、従来の図示しない直管に比べて大
きな勾配で減少して点Bにて最小となる。また、くびれ
部15の点Bから出口の点D側に向かう広がり部16では、
小さな角度で広がる管となっているため、流れは徐々に
減速されて、運動エネルギーが圧力エネルギーに変換さ
れる。このために、静圧分布はくびれ部15の点Bから下
流側に向かって回復する。
【0044】図4(a)の模式図と、図4(b)の温度
分布特性図及び図4(c)の流速分布特性図に示すよう
に、少数の燃料集合体5の冷却チャンネルでは、入口流
量変化や出力変化などで、二相部差圧ΔP2φがδ(Δ
P2φ)だけ変化すると、他の冷却チャンネルで規定さ
れる炉心差圧一定の条件により、次の式(2) で表わすよ
うに前記の冷却チャンネルの単相部の差圧ΔP1φが−
δ(ΔP2φ)だけ変化する。 δ(ΔP2φ)+δ(ΔP1φ)=0 …(2)
【0045】この差圧変化δ(ΔP1φ)により、点B
における圧力が低下し、図4(b)に示す冷却材温度T
f が、飽和温度Tsat に達する減圧沸騰が生じて二相流
流れとなる。また、液相中に僅かでも気泡が生じると圧
力変化の密度波伝播速度は、気泡による圧縮性のために
著しく低下するので点Bで臨界流となり易くなる。
【0046】なお、臨界流になれば、差圧変化が増して
も、それ以上流量は増加しない。このために差圧変動の
フィードバックは、この流れの閉塞現象により小さくな
り、入口流量の変動が抑制される。
【0047】以上の図4(a)〜(c)に示すように、
くびれ部15の点Bで臨界流となる条件では、図4(d)
の入口流量特性図に示すように、本第1実施例の実線を
従来の点線と比較すると、臨界流とならない場合に比べ
て、差圧フィードバックによる流量増加幅δWinの変化
が抑制される。
【0048】また、差圧フィードバックが速やかに減衰
するため、流動安定性は向上する。この結果、図5の比
較特性図に示すように、本第1実施例の実線と従来の点
線で示す安定性は、高流量条件の通常運転時では流動安
定性が確保されているため、差圧フィードバックによる
圧力低下は小さく、気泡発生による臨界流条件の緩和や
流れの閉塞条件には達することはない。
【0049】炉心入口部での圧力損失の流量依存性は、
図6の比較特性図に示すように、本第1実施例の実線と
従来の点線とを比較すると、入口流量が安定状態では、
くびれ部15及び広がり部16による圧力エネルギーと運動
エネルギーの変換は、静圧低下のほとんどを回復するこ
とができる。
【0050】したがって、本第1実施例の流れ抵抗要素
13によれば、従来の入口オリフィス12に比べて、圧力損
失は流量の全範囲で減少し、特に、高流量範囲でその低
下幅は拡大する。このように、低流量条件における安定
性余裕の向上と、高流量条件での圧力損失の減少によっ
て、流量制御幅は図7の特性図に示すように、従来の点
線に比べて、本第1実施例の実線では増加している。
【0051】なお、公知技術として文献(Nigmatulin,
B.I., NuclearEngineering&Design,vol.139) には、並
列チャンネル流路の分岐部入口にベンチュリ型の流路を
設けることで、熱水力安定性限界が緩和することを数値
解析により開示されているが、この文献では、単一チャ
ンネル当り1ケのベンチュリ型の流路としている。しか
し、この1ケのベンチュリ型の流路では、くびれ部の流
路直径に比例する広がり部の助走距離が必要なため、流
路を長く設けなければならない。
【0052】しかしながら、本第1実施例では、単一チ
ャンネル流路内に複数のベンチュリ型流路の流れ抵抗要
素13による流れ抵抗要素の複合体18を設けて、各流れ抵
抗要素13のくびれ部15の流路直径を小さくしたり、広が
り部16の角度を適切に設定している。
【0053】そのため、広がり部16を短くすることがで
き、分岐部入口の設置場所の自由度が大きくなる点に特
徴がある。また、本流れ抵抗要素13あるいは複合体18
は、燃料集合体5の下部タイプレート9に取り付けて
も、上記と同様の作用と効果が得られるものである。
【0054】なお、前記文献は並列チャンネル流路の熱
水力安定性に対する安定性向上に関するものであり、本
第1実施例では、沸騰水型原子炉の炉心6における核的
特性と熱水力安定性とを結合した核熱水力安定性に対す
る安定性向上に対するものである点が異なっている。
【0055】第2実施例は、図8の縦断面図に示すよう
に流れ抵抗要素における流路長さを短くする場合のもの
で、流れ抵抗要素19は、流れに従って狭まり部20と、く
びれ部21及び広がり部22を設けているが、この広がり部
22を多段の広がり部22a,22b,22cにして、出口側の
流路面積を大きく構成している。この構成による作用と
しては、不安定領域において万一流量振動が成長して逆
流が生じようとしても、多段の広がり部22a〜22cにお
ける逆流抵抗が大きいために、流量変動が抑制されて速
やかに収束するという特徴がある。
【0056】第3実施例は、図9の縦断面図に示すよう
に、流れ抵抗要素23は矢印で示すように冷却材の流れに
従って、第1のくびれ部24と出口部25、さらに第2のく
びれ部26と広がり部27を形成した構成としている。上記
構成による作用について説明する。冷却材は矢印で示す
ように、図示しない炉心6の下部に位置する下部プレナ
ムから、流れ抵抗要素23に流入して燃料集合体5へ導か
れる。
【0057】なお、第1のくびれ部24に流入する際の入
口形状を、流線と同一の曲率をもった曲面形状とするこ
とで、縮流損失を生じないようにできる。また、下流に
設けた広がり部27は、第1のくびれ部24の出口径と同程
度または、やや広い直径として燃料集合体5の下部タイ
プレート9の上流側に設置する。
【0058】上記の単相流部で第1のくびれ部24の下流
部に広がり部23(ディフューザ)を設けた場合には、従
来の入口オリフィス12だけの場合に比べて、次のような
作用及び効果が得られる。図10(a)の模式図と、図10
(b)の静圧分布特性図は高流量条件の場合を示すもの
で、流れ抵抗要素23において高流量の場合は、出口部25
において圧力上昇は緩やかとなるため、摩擦圧力損失以
外の圧力損失はほとんどなくなる。このために、圧量損
失は直管相当の値より余り増えない。
【0059】しかしながら低流量条件での静圧は、図11
(a)の模式図、及び図11(b)の静圧分布特性図に示
すように、出口部25と広がり部27との間の第2のくびれ
部26で、圧力回復が生じて逆流域となる。また、広がり
部27の入口で縮流となるため、従来の入口オリフィス12
だけの場合に比べて圧力損失が著しく増加する。したが
って、本第3実施例の流れ抵抗要素23によれば、高流量
条件では流れ抵抗が小さく、低流量条件では大きな流れ
抵抗となる。これにより、安定性余裕が小さくなる低流
量条件では安定性が向上する。
【0060】本第3実施例と従来との安定性の比較結果
は、図12の比較特性図に示すように、従来の点線に比べ
て本第3実施例の実線では、安定性に対する配慮のいら
ない高流量条件で流れ抵抗が低下するため、圧力損失の
増加が小さくなる。また炉心入口部での圧力損失の流量
依存性は、図13の比較特性図に示すように、本第3実施
例の実線は従来の点線に比べて、第1のくびれ部24と下
流に位置した広がり部27との間で流れの剥離が顕著にな
る低流量条件では、従来の入口オリフィス12のみの場合
と同程度の圧力損失を生じる。
【0061】しかし、高流量条件では第1のくびれ部24
と下流に位置した広がり部27の間で流れの剥離が生じ難
くなるため、特に、高流量範囲では従来に比べて圧力損
失は減少する。このように、低流量条件での安定性余裕
の向上と、高流量条件における圧力損失の減少によっ
て、流量制御幅は図14の比較特性図に示すように、従来
の点線に比べて本第3実施例の実線は増加する。したが
って、流量制御幅の最大流量を増加させることができ
る。また、定格流量を実現するための再循環ポンプの動
力が少なくてすむ効果もある。
【0062】第4実施例は、図15の縦断面図に示すよう
に流れ抵抗要素28は、広がり部27と出口部25の前段に流
れ抵抗として、ノズル型の狭まり部29を設けて構成して
いる。この構成による作用としては、不安定領域で万一
流量振動が成長して逆流が生じようとしても、逆流抵抗
が大きいために流量変動が抑制されて、速やかに収束さ
れる特徴がある。
【0063】第5実施例は、流れ抵抗要素として多数に
分割した流路を形成したもので、図16(a)の斜視図に
示す流れ抵抗要素30は、複数の細管30aを束ねて構成し
たもので、冷却材の流路を多数に細く分割している。ま
た図16(b)の斜視図に示す流れ抵抗要素31は、複数の
仕切り板31aにより細い四角形の多数の流路を形成した
構成としている。なお、この多数の流路は六角形として
も良い。さらに、この流れ抵抗要素30,31は、図17の要
部拡大縦断面図に示すように燃料支持金具10内、あるい
は燃料集合体5の下部タイプレート9に設置する。
【0064】この構成による作用は、分割流路の1つ当
たりのレイノルズ数(以下Re数と呼ぶ)を減少させる
ことができる。この分割流路によりRe数を10の4乗程
度、細管30aの直径で数mm程度(0.1mm〜5mm程度)に下
げることにより、図18の特性図に示すように、圧力損失
係数が低流量で高く、定格流量付近で小さくすることが
可能である。
【0065】自然循環流量(25%流量)において、Re
数を10の4乗とした場合の分割流路の圧力損失係数fを
1とした場合に、滑らかな管摩擦係数の式としてよく用
いられる下記のブラジウスの式(3) により表される。 f=0.3164Re-0.25 …(3)
【0066】これによれば、定格流量時の圧損係数は
0.7程度となり、実際には流れ抵抗要素30,31の前後で
も圧力損失が生じるので効果は減じられてしまう。しか
し、このように高流量では低圧力損失であり、低流量で
は高圧力損失を呈する流体抵抗要素である。また、Re
数を10の2乗程度に下げることができれば非常に効果的
であるが、分割流路が非常に小さくなるので現実的では
ない。
【0067】この流れ抵抗要素30,31における他の効果
として、万一、冷却材にルースパーツなどの異物が混入
した場合にも、燃料集合体5の手前に設けた流れ抵抗要
素30,31により、異物が捕獲されるので炉心6の内部へ
の進入を阻止することができる。さらに、複数の流路に
分割された多数の管状部分により流路を分割しているた
め、分割流路1つ当たりの流路が狭まり、壁の影響を受
けやすくなる。
【0068】通常、流れに対する流路の管摩擦圧力損失
係数は、上記図18の特性図のように示され、横軸は下記
の式(4) で定義される無次元数Re数である。ここで、
νは動粘性係数、Dは代表長さ(流路直径など)、vは
流速を表す。 Re=Dv/ν …(4)
【0069】すなわち、Re数が同じであれば、同一流
路中の流れに対する圧力損失係数は同じと考えられる。
図18で示すようにRe数が小さいほど、Re数増加に対
する圧力損失係数の低減幅が大きく、本発明で期待され
る圧力損失特性に近くなることがわかる。
【0070】したがって、本第5実施例の多数の流路に
分割された流れ抵抗要素30,31では、代表長さDを小さ
くすることにより、Re数を小さい側にシフトさせるこ
とができ、これにより、Re数に対する圧力損失係数の
感度が大きい領域を用いることにより、高流量条件にお
ける圧力損失係数は減少させることができる。
【0071】第6実施例は、流量条件により流路面積を
自動的に変化させる機構のもので、図19(a)の側断面
図と、図19(b)の斜視断面図及び図19(c)の可動部
斜視図に示す。この流れ抵抗要素32は、フランジ付管状
のボディ33の内部に、上下に移動自在な可動部34を設け
ている。また、この可動部34で冷却材の流れに向かう面
には、流れ方向と直角より小さい角度の斜面34aが形成
されていると共に、圧力導入孔35をあけて構成されてい
る。
【0072】次に上記構成による作用について説明す
る。冷却材は矢印で示す方向に流れ、可動部34の斜面34
aに流体が衝突することにより、斜面34aと直角な方向
に次の式(5) で表わされる流体力Fが作用する。ここ
で、Aは斜面の流れに垂直方向の面積で、ρは水の密
度、vは速度を表わす。 F=Aρv …(5)
【0073】この流体力Fは可動部34を重力に抗して上
方に移動させる力で、この流体力Fの垂直分力が可動部
34を駆動する。この可動部34は低流量域では最下端に位
置しているが、流量が増加して流速が早くなると上昇し
て、フランジ付管状のボディ33における流路である開口
部の面積が広げられる。可動部34を上方に移動させる前
記駆動力は、流速が早くなるほど増加し、可動部34を上
方へと移動させて開口面積が増加する。
【0074】この開口面積が増えると流速は減速するた
めに、開口部における圧力損失が小さくなる。したがっ
て、従来の固定された開口を有する上記入口オリフィス
12と比較して、高流量域での圧力損失を小さくすること
ができる。なお、斜面34aは平面とせずに流速に対する
可動部34の移動位置、及びその位置における圧力損失の
特性を適切に得るためなどに曲面に形成してもよい。
【0075】この流れ抵抗要素32を燃料支持金具10と燃
料集合体5の下部タイプレート9との間、あるいは下部
タイプレート9で冷却材の流路に設置することにより、
定格運転付近の高流量条件では流れ抵抗が小さく、ま
た、安定性が運転限界となる低流量条件では流れ抵抗が
大となり、安定性余裕を増大する効果を生じる。
【0076】また可動部34においては、その先端部で冷
却材の流速が周囲に比べて増加して静圧が低下する。し
たがって、この圧力低下を利用し、先端部分に細い圧力
導入孔35をあけることにより、可動部34の移動に伴い可
動部34の上方にできる空間36との圧力を均一にして、可
動部34を上部に押し上げる作用を補助している。なお、
この構成では流量の増加に見合って流れ抵抗が円滑に低
下させることができるので、低流量条件での安定性余裕
の向上と、高流量条件における圧力損失の減少によっ
て、流量制御幅の最大流量を増加させることができる。
【0077】さらに、可動部34が移動する時に、圧力導
入孔35を通じてフランジ付管状のボディ33内と空間36と
の間を流体が移動するため、可動部34に対する急激な負
荷変動時におけるダンピング効果が得られて、可動部34
の急速な繰返しによる振動と、これによる流れ抵抗の変
動が抑制される。
【0078】この流れ抵抗要素32のように流路内の一部
に狭まり要素があると、下記の式(6) に示すように、そ
の部分で圧力損失ΔPが生じる。 ΔP=K・G2 /(2ρg) …(6)
【0079】ここで、Kは圧力損失係数、Gは上流側の
単位流路面積当りの質量流量、ρは水の密度、gは重力
加速度である。ただし、狭まり流路の圧力損失係数K
は、狭まり要素の流路面積が上流側の流路面積に比べて
小さければより大きくなる傾向があり、また流路の形状
にも依存する。
【0080】一例として、図20の模式図に示すような上
流側流路面積A1 、及び下流側流路面積A2 の急縮小流
路の場合には、圧力損失係数Kは狭まり部37の有効流路
面積Acに依存し、次の式(7) で与えられる。 K=(A2 /Ac−1)2 …(7)
【0081】ここで、上流側の流路面積に比べて、狭ま
り部37の流路面積A2 が1/2になっている場合の有効
流路面積Acは、実際の流路面積の約2/3であること
が実験的に確かめられている(文献、機械学会刊行、管
路・ダクトの流動抵抗)。このように、上流側の流路面
積A1 に対する狭まり部37の流路面積の割合を変化させ
ることによって、冷却材の流れに対する抵抗を変化させ
ることができる。したがって、冷却材の流れ自身の駆動
力を利用して動作する可動部34を設けた流れ抵抗要素32
によれば、流路の開口面積が低流量条件では小さく、ま
た高流量条件で大となる。
【0082】第7実施例は、前記第6実施例と同様に流
量条件により流路面積を自動的に変化させるもので、図
21(a)の側断面図と図21(b)の斜視断面図に示すよ
うに、流れ抵抗要素38は、フランジ付管状のボディ39内
に上下移動自在で、流れ方向と直角より小さい角度の斜
面40aを形成した可動部40を、ガイド軸41及び止め管42
で支持して構成している。
【0083】上記構成による作用は、上記第6実施例に
示したものとほぼ同様で、種々の流量条件による流体が
衝突した斜面40aに発生する駆動力により、可動部40が
ガイド軸41に沿って上下動し、これにより、フランジ付
管状のボディ39内の開口面積が変化する。
【0084】なお、フランジ付管状のボディ39内におけ
る流れの圧力は、外部の圧力より高く、その圧力差は流
速に応じて増加する。この圧力差は可動部40の上下移動
を補助することができる。また図21(c)及び図21
(d)の模式図は、それぞれ、低流量時及び高流量時の
可動部40の位置と開口状態を示したものである。
【0085】低流量時の図21(c)では、可動部40が下
降していて開口面積が狭い。しかし、高流量時の図21
(d)では、可動部40が上昇するために、広く開口して
いる。したがって、低流量条件での流れ抵抗は高く、ま
た、高流量条件では流れ抵抗が低くなる特性を呈する。
【0086】第8実施例は、前記第6実施例と同様の作
用と効果が得られるもので、図22(a)の切断正面図
と、図22(b)の斜視断面図及び図22(c)の側断面図
に示すように、流れ抵抗要素43は、フランジ付管状のボ
ディ44の上部にピン45を中心として細矢印で示すように
回動する2つの扉46a,46bを設けている。また、それ
ぞれの扉46a,46bに形成された斜面46cは、流れ方向
と直角より小さい角度でなり、流体が衝突すると、その
流速に見合って矢印で示す駆動力が発生して、その重力
に抗して扉46a,46bが左右に開く構成としている。
【0087】この構成による作用として、低流量時では
2つの扉46a,46bは閉じていて、フランジ付管状のボ
ディ44内に形成される開口面積は狭く、したがって流れ
抵抗は高い。しかしながら、流量が増すと2つの扉46
a,46bは、互いに離隔することから、これに伴い開口
面積が増加して流れ抵抗が低下する。
【0088】第9実施例は、前記第6実施例とほぼ同様
の作用と効果が得られるものであり、図23(a)の側断
面図に示すように、燃料支持金具10の炉心入口11に設け
る流れ抵抗要素47は、フランジ付円筒状のボディ48の正
面に流路孔48aと、上部に流路孔48bを開けて、内部に
逆円錐管49を設ける。また、この逆円錐管49の中には上
下に移動自在なボール状の抵抗体50を、リング状の突起
51aが付いたガイド軸51で支持して設けて構成してい
る。
【0089】上記構成による作用として、低流量の場合
には、図23(b)の断面図に示すように、抵抗体50は逆
円錐管49の下部に降下していて、逆円錐管49の流路孔49
aに密着しており、流体は主として流路孔48aから矢印
で示すように流れる。したがって、この時の流れ抵抗要
素47における流れ抵抗は高い。
【0090】図23(c)の断面図は中流量時を示す。こ
の場合に流体により流路孔49aに加わる圧力が、流路孔
48aにおける圧力との差で抵抗体50を持ち上げるまで増
加すると、抵抗体50は逆円錐管49の下部より若干上昇す
る。これにより流体は、前記流路孔48aに加えて流路孔
49aと流路孔48bを通って、矢印で示す外部への流れが
発生することから、前記低流量の場合に比べて流れ抵抗
は低下する。
【0091】さらに高流量時では、図23(d)の断面図
に示すように、抵抗体50は上端まで上昇して、流路面積
が増加することから、前記流路孔48aに加えて流路孔49
aと流路孔48bを通って矢印で示す外部への流量が増大
して流れ抵抗が低下する。すなわち、低流量では圧力損
失が大きく、高流量では流路面積が増加することにより
圧力損失が低減できる。なお、流路孔48aは必ずしも設
けなくても良い。
【0092】また、ガイド軸51に取り付けたリング状の
突起51aは、抵抗体50の過度の移動を制限している。ま
た、抵抗体50とガイド軸51との空間では抵抗体50が上下
に移動する際に、内部の水がリング状突起51aの周囲を
通って、移動しなければならない。
【0093】したがって、抵抗体50とリング状突起51a
との隙間を小さく設定することにより、流路孔48bへ流
れる流体は緩やかとなり、これによる抵抗体50は流れの
急峻な変動に対してダンピング作動となる。また、この
抵抗体50の形状はボール状である必要はなく、円盤状、
円筒状、円錐状などでも良く、その重量と共に流量に応
じて適切な流れ抵抗を生ずる機能が得らることができ
る。。
【0094】第10実施例は、前記第6実施例とほぼ同様
の作用と効果が得るもので、図24(a)の低流量時の正
面図と図24(b)の側断面図、及び図24(c)の高流量
時の正面図と図24(d)の側断面図に示す。流れ抵抗要
素52は、流路53内に流れ方向と直角より小さい角度で開
口部54aをあけた斜堰54が設けてあり、この斜堰54には
開口部54aは密着する可動プレート55が、ピン56を介し
てガイドプレート57の長孔58によって離隔自在に取付け
られて構成されている。
【0095】上記構成による作用としては、低流量の場
合は図24(b)に示すように、流体が矢印の方向で可動
プレート55に衝突するが、この時の低い流量では発生し
た駆動力は、可動プレート55を上方へ押し上げる力が不
足し、流体は可動プレート55の下部における狭く開いた
開口部54aを通過して流れる。また、高流量の場合は図
24(d)に示すように、流体の圧力により押されて可動
プレート55は、細矢印で示す方向に長孔58に沿って移動
して斜堰54より離隔する。
【0096】これにより、図24(c)に示すように開口
部54aが大きく開くので、流体は矢印のように広がった
開口部54aを流れることに加え、斜堰54と可動プレート
55の隙間を流れる流路が新たに形成される。このため、
流量が増加するほど流路が大きくなり、高流量域での圧
力損失が低減できれる。
【0097】第11実施例は、流れの抵抗が流路壁近傍の
境界層により制御できることや、流体の流れの断面内で
の流速分布が、場所によって異なることを利用して、定
格運転付近の高流量条件では流れ抵抗が小さく、安定性
が運転限界となる低流量条件では流れ抵抗が大となり安
定性余裕を増大させるものである。
【0098】図25の模式図に示すように流れ抵抗要素59
は、図2に示す燃料支持金具10の炉心入口11に設けて、
初めは細くなり、次に広がるくびれ部60を有するベンチ
ュリ型流路で、このベンチュリ型流路の内面に旋回流を
引き起こす旋回フィン61,62を取付けて構成する。
【0099】この構成による作用としては、従来よりベ
ンチュリ型流路の場合に、くびれ部60より広がり部63及
び後段に行くにしたがって流速が低下するため、くびれ
部60及び広がり部63それぞれの最終部分60a,63aにお
いて境界層の剥離が生じ、これが圧力損失の原因となっ
ていた。
【0100】しかしながら、流れ抵抗要素59内を矢印方
向に流れる流体は、くびれ部60及び広がり部63におい
て、流れ抵抗要素59としての旋回フィン61,62により旋
回流となるために、前記境界層における剥離がなくな
る。これにより、高流量域における圧力損失を低減する
ことができる。
【0101】本第11実施例では、ベンチュリ型流路の内
面に流れ抵抗要素59として、旋回流を引き起こす旋回フ
ィン61,62を取付けることにより境界層の剥離を制御し
ている。なお、文献(機械学会論文集58巻 556号、1992
-12 、38ページ)では、流路面積が変化して圧力損失が
増大する場合に、流れに旋回流を生じさせることにより
流体は壁面に押し付けられ、境界層の剥離が抑制されて
圧力損失が減少することが開示されており、本手法は有
効であることが確かめられている。
【0102】また図26の特性図は、本第11実施例の実線
で示す旋回フィン61,62がある場合と、従来の点線で示
す旋回フィン61,62がない場合の流れの抵抗係数CD
と、Re数との関係を示している。なお図26には、原子
炉定格運転時と自然循環時のRe数も示しているが、旋
回フィン61,62がない場合(点線)にはほぼ一定の抵抗
係数を示すのに対して、本第11実施例の旋回フィン61,
62がある場合(実線)には、高流量域である原子炉定格
運転時において、抵抗係数CD が減少することを示して
いる。
【0103】これにより、流れ抵抗が流路壁近傍の境界
層により制御できることや、流れの断面内の流速分布が
場所によって異なることを利用して、定格運転付近の高
流量条件では流れ抵抗が小さく、また、安定性が運転限
界となる低流量条件では流れ抵抗が大となり安定性余裕
を増大する作用を生じる。すなわち、管路の圧力損失係
数は、Re数が高くなると共に速度境界層厚さが薄くな
るため単調に減少するが、高Re数では境界層の剥離が
生じてエネルギー損失が増すため、圧力損失係数は余り
下がらなくなる特徴がある。
【0104】そこで、流路内に旋回フィン61,62などを
設けることにより、旋回流を生じさせると遠心力の作用
で管壁に流体が押し付けられるために、境界層の剥離が
抑制される。したがって、この旋回流の作用で圧力損失
係数が低下し、高Re数領域において、より流れ抵抗の
少ない流れ抵抗要素59を実現できることができる。
【0105】第12実施例は、図27(a)の断面図と、図
27(b)の高流量時の流速分布特性図、及び図27(c)
の低流量時の流速分布特性図に示すように、流れ抵抗要
素64は、燃料支持金具10の炉心入口11に堰65を設け、そ
の上流側に曲がり管66を接続して構成されている。
【0106】この構成による作用は、原子炉の定格運転
状態では、図27(b)に示すように曲がり管66を流れる
冷却材の流量は、例えば約60t/h と大きいために、冷却
材は曲がり管66において遠心力が与えられて、堰56にお
ける上部の流速が大きく、下部が小さい流速分布を示
す。したがって、ほとんどの冷却材は堰65の上部を流れ
るために、堰65により受ける流れ抵抗は小さい。
【0107】一方、自然循環時などの低流量域では、曲
がり管66に流入する流量が定格運転状態の約1/3とな
るので、曲がり管66において生じる遠心力は小さく、流
速分布は図27(c)に示すようにほぼ平坦となり、堰65
による流れ抵抗の増加が大きくなる。
【0108】このように、流量の変化により曲がり管66
において冷却材に生じる遠心力の作用で、堰65の上流側
における流速分布が変化するため、堰65による流れ抵抗
増加の効果が変化する。したがって、流れ抵抗要素64に
よれば高流量域で流れ抵抗が小さく、低流量域では流れ
抵抗が大きくなる。また、曲がり管66内で流速分布が内
側が遅く、外側が遠心力の作用により速くなることを利
用して、曲がり管66内で出口の内側に堰56のような流れ
抵抗要素を設ける構成としても、上記第12実施例と同様
な作用及び効果が得られる。
【0109】なお、上記した各実施例では、各流れ抵抗
要素を主に燃料支持金具10と燃料集合体5の下部タイプ
レート9との間の流路に配置した場合を例に説明した
が、燃料集合体5の下部タイプレート9に取り付けて
も、上記各実施例と同様の作用と効果が得られるもので
ある。
【0110】
【発明の効果】以上本発明によれば、原子炉または燃料
集合体における安定性が向上すると共に、定格運転時の
冷却材高流量条件において流れ抵抗が小さくできるた
め、所定の再循環ポンプ容量で、より大きな炉心流量を
確保することができる。また、これ以外に燃料集合体入
口の流路径が小さくなるために、炉心外から混入した比
較的大きなルースパーツなどの炉心侵入を防止するの
で、安全性と原子炉運転の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は単体斜視図、(b)は流れ抵抗要素複合体の下
面図。
【図2】本発明に係る第1実施例の燃料支持金具部の拡
大縦断面図。
【図3】本発明に係る第1実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は模式図、(b)は流速分布特性図、(c)は静
圧分布特性図。
【図4】本発明に係る第1実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は模式図、(b)は温度分布特性図、(c)は流
速分布特性図、(d)は入口流量特性図。
【図5】本発明に係る第1実施例の流量安定性比較特性
図。
【図6】本発明に係る第1実施例の圧力損失比較特性
図。
【図7】本発明に係る第1実施例の流量制御幅比較特性
図。
【図8】本発明に係る第2実施例の流れ抵抗要素の縦断
面図。
【図9】本発明に係る第3実施例の流れ抵抗要素の縦断
面図。
【図10】本発明に係る第3実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は模式図、(b)は高流量時の静圧分布特性図。
【図11】本発明に係る第3実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は模式図、(b)は低流量時の静圧分布特性図。
【図12】本発明に係る第3実施例の流量安定性比較特
性図。
【図13】本発明に係る第3実施例の圧力損失比較特性
図。
【図14】本発明に係る第3実施例の流量制御幅比較特
性図。
【図15】本発明に係る第4実施例の流れ抵抗要素の縦
断面図。
【図16】本発明に係る第5実施例の流れ抵抗要素の斜
視図。
【図17】本発明に係る第5実施例の燃料支持金具部の
拡大縦断面図。
【図18】本発明に係る第5実施例の圧力損失係数特性
図。
【図19】本発明に係る第6実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は側断面図、(b)は斜視断面図、(c)は可動
部の斜視図。
【図20】本発明に係る第6実施例の流れ抵抗要素の模
式図。
【図21】本発明に係る第7実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は側断面図、(b)は斜視断面図、(c)は低流
量時の模式図、(d)は高流量時の模式図。
【図22】本発明に係る第8実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は切断正面図、(b)は斜視断面図、(c)は側
断面図。
【図23】本発明に係る第9実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は側断面図、(b)は低流量時の抵抗体断面図、
(c)は中流量時の抵抗体断面図、(d)は高流量時の
抵抗体断面図。
【図24】本発明に係る第10実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は低流量時の正面図、(b)は低流量時の側断面
図、(c)は高流量時の正面図、(d)は高流量時の側
断面図。
【図25】本発明に係る第11実施例の流れ抵抗要素の模
式図。
【図26】本発明に係る第11実施例の抵抗係数特性図。
【図27】本発明に係る第12実施例の流れ抵抗要素で、
(a)は模式図、(b)は高流量時の流速分布特性図、
(c)は低流量時の流速分布特性図。
【図28】原子炉の一部切断斜視図。
【図29】原子炉の流量・出力特性図。
【図30】従来の燃料支持金具部で、(a)は拡大断面
図、(b)は燃料支持金具の斜視図。
【図31】従来の入口オリフィスにおける減幅比特性
図。
【図32】減幅比で(a)は安定時の特性図、(b)は
不安定時の特性図。
【符号の説明】
1…原子炉、2…原子炉圧力容器、3…炉心支持板、4
…上部格子板、5…燃料集合体、6…炉心、7…再循環
出口、8…再循環入口、9…下部タイプレート、10…燃
料支持金具、11…炉心入口、12…入口オリフィス、13,
19,23,28,30,31,32,38,43,47,52,59,64…流
れ抵抗要素、14…入口部、15,21,24,60…くびれ部、
16,22,22a,22b,22c,27,63…広がり部、17,25
…出口部、18…流れ抵抗要素の複合体、20,29,37…狭
まり部、26…第2のくびれ部、30a…細管、31a…仕切
板、33,39,44…フランジ付管状のボディ、34,40…可
動部、34a,40a,46c…斜面、35…圧力導入孔、36…
空間、41,51…ガイド軸、42…止め管、45,56…ピン、
46a,46b…扉、48…フランジ付円筒状のボディ、48
a,48b,49a…流路孔、49…逆円錐管、50…抵抗体、
51a…リング状突起、53…流路、54…斜堰、54a…開口
部、55…可動プレート、57…ガイドプレート、58…長
孔、61,62…旋回フィン、60a,63a…最終部分、65…
堰、66…曲がり管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 師岡 慎一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有効
    発熱部入口の間の流路に、初め細くなり次に広がるくび
    れ部が形成されたベンチュリ型で内部で臨界流が生じる
    流れ抵抗要素を設けたことを特徴とする原子炉。
  2. 【請求項2】 前記ベンチュリ型の流れ抵抗要素におけ
    る広がり部が、多段型に断面積を広げた形状であること
    を特徴とする請求項1記載の原子炉。
  3. 【請求項3】 原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有効
    発熱部入口の間の流路に、第1のくびれ部の出口部に第
    2のくびれ部と入口から出口に向かって広まっているデ
    ィフューザを形成して流量によって圧力損失特性が変化
    する流れ抵抗要素を設けたことを特徴とする原子炉。
  4. 【請求項4】 ノズル型狭まり部の下流に出口部とディ
    フューザを形成した流れ抵抗要素を設けたことを特徴と
    する請求項3記載の原子炉。
  5. 【請求項5】 前記原子炉の冷却材入口と燃料集合体の
    有効発熱部入口の間の流路に設けた流れ抵抗要素が、複
    数の流れ抵抗要素を束ねて配列した複合体であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4記載の原子炉。
  6. 【請求項6】 原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有効
    発熱部入口の間の流路に、複数の流路に分割された多数
    の管状からなる流れ抵抗要素を設けたことを特徴とする
    原子炉。
  7. 【請求項7】 原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有効
    発熱部入口の間の流路に、冷却材の流れにより作動して
    低流量条件で流路の開口面積が小、高流量条件で大とな
    る可動部を備えた流れ抵抗要素を設けたことを特徴とす
    る原子炉。
  8. 【請求項8】 前記流れ抵抗要素における可動部が、冷
    却材の流れ方向と直角より小さい角度の斜面が形成され
    て流量の増加により可動部が上方へ移動して流路面積が
    増加することを特徴とする請求項6記載の原子炉。
  9. 【請求項9】 前記流れ抵抗要素の可動部に圧力貫通孔
    をあけたことを特徴とする請求項8記載の原子炉。
  10. 【請求項10】 前記流れ抵抗要素が、流路内の上部に
    開口と鉛直方向の逆円錐管を設けると共にこの逆円錐管
    内に上下に移動自在な抵抗体を配置して、流路内の流量
    の増加により抵抗体が上方へ移動して流路面積が増加す
    ることを特徴とする請求項7記載の原子炉。
  11. 【請求項11】 前記流れ抵抗要素が、流路に開口部を
    あけた流れ方向と直角より小さな角度に設けた斜堰と、
    この斜堰に密着して流量の増加により斜堰より離隔する
    可動プレートとからなることを特徴とする請求項7記載
    の原子炉。
  12. 【請求項12】 原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有
    効発熱部入口の間の流路に、ベンチュリ形状の流路内に
    旋回流を引き起こす旋回フィン備えた流れ抵抗要素を設
    けたことを特徴とする原子炉。
  13. 【請求項13】 原子炉の冷却材入口と燃料集合体の有
    効発熱部入口の間の流路に、曲がり管の下流に堰を設け
    て流量によって圧力損失特性が変化する流れ抵抗要素を
    設けたことを特徴とする原子炉。
  14. 【請求項14】 前記流れ抵抗要素を燃料集合体の下部
    タイプレートに設けたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項13記載の燃料集合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012177692A (ja) * 2011-02-14 2012-09-13 Global Nuclear Fuel Americas Llc 燃料アセンブリ用デブリ排除及び保持装置
CN109065194A (zh) * 2018-07-20 2018-12-21 中广核研究院有限公司 一种新型堆芯入口流量分配装置
JP2019502136A (ja) * 2015-12-07 2019-01-24 ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシーGe−Hitachi Nuclear Energy Americas, Llc マルチループの金属冷却原子炉システムにおける逆流防止のための配管の改良

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