JPH0575079B2 - - Google Patents
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- JPH0575079B2 JPH0575079B2 JP60126109A JP12610985A JPH0575079B2 JP H0575079 B2 JPH0575079 B2 JP H0575079B2 JP 60126109 A JP60126109 A JP 60126109A JP 12610985 A JP12610985 A JP 12610985A JP H0575079 B2 JPH0575079 B2 JP H0575079B2
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G21—NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
- G21C—NUCLEAR REACTORS
- G21C15/00—Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
- G21C15/02—Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices
-
- G—PHYSICS
- G21—NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
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-
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、燃料支持金具及び原子炉に係り、沸
騰水型原子炉に適用するのに好適な燃料支持金具
及び原子炉に関するものである。 〔発明の背景〕 沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器の炉心で蒸
気を発生し、この蒸気をタービンに供給してい
る。 沸騰水型原子炉では、炉心内を蒸気のボイドが
上昇するために、核熱水力安定性を向上させるこ
とが検討されている。特開昭57−52897号公報の
第5図は、沸騰水型原子炉における核熱水力安定
性を向上させる一構成を示している。その構成を
以下に説明する。沸騰水型原子炉は、原子炉圧力
容器内に設けられた下部炉心支持板に燃料支持金
具を設置し、燃料集合体の下端部を燃料支持金具
内に設けられた冷却水通路の上部開口内に挿入
し、燃料集合体を燃料支持金具にて支えている。
燃料支持金具内の冷却水通路の入口部に、丸い1
つの開口を有するオリフイスが取付けられてい
る。燃料集合体が配置された炉心のボイド量を測
定し、そのボイド量に応じてオリフイスしやへい
板を操作してオリフイスの開口面積を調節する。
核熱水力不安定が生じると燃料集合体内のボイド
量が増加するので、ボイド量が所定量以上になつ
た場合てオリフイスしやへい板を下降させること
によつてオリフイスの開口面積を増加して一時的
に流量を増加させ、ボイド量の増加を防止する。
これによつて核熱水力不安定が解消される。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、可動部を用いることなく、流
動不安定を防止できかつ原子炉の設備利用率を向
上できる原子炉を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明の特徴は、原子炉容器と、前記原子炉容
器内に設けられた複数の燃料支持金具と、上端部
に燃料支持部を、この燃料支持部よりも下方で内
部に空間をそれぞれ有し、前記燃料支持金具に支
持された下部タイプレート、及び前記下部タイプ
レートの燃料支持部に下端部が保持された複数の
燃料棒を有する複数の燃料集合体とを備え、 前記燃料支持金具が、内部に前記空間に連絡さ
れる第1冷却材流路を有する本体、及び前記第1
冷却材流路の入口部に配置されて前記本体に設置
され内部にスロート部が形成され前記第1冷却材
流路に冷却材を導く複数の第2冷却材流路を有す
る抵抗装置とを備え、 各々の前記第2冷却材流路の流路断面積が、前
記スロート部から上流側及び下流側に向つてそれ
ぞれ連続して増大しており、 前記第2冷却材流路の側面が、前記スロート部
の上流からその下流にわたつて角部のない連続し
た面で構成され、 前記第1冷却材流路の横断面方向において、前
記スロート部の幅が、前記スロート部の位置での
隣接した前記第2冷却材流路間の幅よりも狭くな
つている、 原子炉にある。 〔発明の実施例〕 本発明は、従来の沸騰水型原子炉の不安定現象
を検討し、その結果に基づいてなされたものであ
る。その検討内容を以下に説明する。 沸騰水型原子炉の不安定現象は、第10図にお
いて曲線Uより上方の領域にて生じる。すなわ
ち、不安定現象は、炉心を通過する冷却水の流量
(以下、炉心流量という)が少なくて原子炉出力
の高い領域にて生じる。第10図においてA点と
B点を結ぶ曲線(実線)は、炉心流量が自然循環
で供給される状態で制御棒を操作した場合の原子
炉出力の変化を示している。B点とC点を結ぶ直
線は、制御棒の炉心への挿入度を一定に保持して
炉心流量を変えた場合の原子炉出力の変化を示し
ている。この場合は、再循環ポンプにより強制的
に冷却水が炉心に供給されている。第10図は破
線の特性は、再循環ポンプによつて定格の20%の
炉心流量が供給されている場合の原子炉出力変化
を示す。定格状態(100%原子炉出力)であるC
点は、不安定領域から十分離れているため、安定
余裕は確保されている。しかし、曲線ABの自然
循環状態(炉心で発生したボイドの浮力で冷却水
が循環する状態)は、不安定領域に近いので、安
定性余裕が小さい。 従来の沸騰水型原子炉では、自然循環状態での
安定性余裕を増すために、第11図に示すように
燃料集合体の下端部を支持している燃料支持金具
3の冷却水入口にオリフイス4を設けている。自
然循環状態でのオリフイス4の効果を第12図に
示す。第12図の横軸はオリフイス4の流動抵抗
を示すオリフイス係数、その縦軸は安定性の指標
である減幅比を示している。減幅比は、第13図
に示すように、隣りあう正弦波の振幅の比
(X2/X0)であり、流量等の変動減衰率を表わ
す。(X2/X0>1)の式を満足している第13
図Aの状態は、流動が不安定な状態を示してい
る。また(X2/X0>1)の式を満足している第
13図Bの状態は、流動が不安定な状態を示して
いる。この減幅比により、オリフイス4の効果を
検討すると、第12図に示すように、オリフイス
係数が増す(オリフイス4による流動抵抗が増加
する)と安定性が向上する。安定性が問題となる
のは、第14図Bに破線で示すように減幅比が
1.0に近づく自然循環状態、特に第10図のB点
の近傍である。従来の燃料支持金具3のオリフイ
ス4は、第14図Cの破線の如く炉心流量の増大
に伴つて原子炉出力が変化しても第14図Aの破
線の如くオリフイス係数が一定である。このよう
なオリフイス係数を有するオリフイス4では、前
述した第14図Bの破線のように減幅比が変化す
る。従来の燃料支持金具3に用いられたオリフイ
ス4としては、自然循環状態での不安定状態を回
避することを前提にして定めたオリフイス係数を
有するオリフイスを用いていた。このオリフイス
係数は、第14図Aに破線で示すように常に一定
である。 発明者等は、可動部を用いないで炉心流量が少
ない冷却水の自然循環時には圧力損失が大きくな
るとともに炉心流量が多い時には圧力損失が小さ
くなる機構を燃料支持金具内に設けることによつ
て、炉心流量が少ない時(自然循環時)における
不安定状態の防止及び炉心流量による原子炉出力
の制御範囲の増大が図れることに着目し、前述の
機構の具体的な構造を見い出すべき種々の検討及
び実験を行つた。その検討及び実験によつて第1
5図に示す開口形状を有するオリフイス5が、上
記の条件を満足することがわかつた。 オリフイス5は、リング6内に3本の丸棒7を
相互間に間隙8を設けて並行に配列し、丸棒7の
両端をリング6に取付けたものであり、間隙8を
矢印FL方向に冷却材が流れる。間隙8、すなわ
ち冷却材流路の矢印下L方向における断面形状
は、最も幅の狭いスロート部8Aより上流側では
流れ方向に断面積が徐々に減少し、スロート部8
Aより下流側では流れ方向に断面積が徐々に増加
し、間隙8を形成する両側の壁面(丸棒7の表
面)が角部のない連続した面になつている。丸棒
7の軸方向における間隙8の形状、特にスロート
部8Aの形状は、対向する一対の丸棒7の側面の
軸方向形状によつて定まる細長いものになつてい
る。オリフイス5の流動特性は、第16図に示す
実験装置9を用いて得られた。実験装置9の概略
構造を説明する。実験装置9は、水が充填された
タンク10、ポンプ11、流量調節弁12及び試
験体14を配管15にて接続している。配管15
の一端は、タンク10上で開放している。ポンプ
11は、モータ12にて駆動される。第15図に
示すオリフイス5は、試験体14内に設置されて
いる。試験体14内に供給される水の流量及び温
度は、流量計16及び温度計17によつて測定さ
れる。試験体14の上流側と下流側との間の差圧
は、差圧計18によつて測定される。 オリフイス5の流動試験は、ポンプ11を駆動
してタンク10内の水を配管15を通して試験体
14内のオリフイス5に供給する。供給する水の
流量は、流量調節弁12によつて制御する。 この実験によつて得られた流量、差圧及び温度
の測定データを整理したところ、第17図の特性
が得られた。第17図の横軸はレイノズル数Re、
縦軸はオリフイス係数Kprを示している。オリフ
イス5のオリフイス係数Kprは、沸騰水型原子炉
の自然循環状態(第10図のB点)に対応する
Re=13×104付近で約77となり、沸騰水型原子炉
の原子炉出力100%(第10図のC点)に対応す
るRe=45×104で約60になる。第10図のC点で
のオリフイス係数Kprは、第10図のB点でのそ
れよりも約22%低下する。このため、C点での圧
力損失は、B点のそれよりも約22%低下する。オ
リフイス5のオリフイス係数Kprは、Reが13×104
〜30×104の範囲で約77とほぼ一定であり、Reが
30×104を越えるとゆるやかに減少する。Re=30
×104の点は、第10図において炉心流量が約60
%の時に対応する。 このように複数の丸棒を取付けたオリフイス5
は、可動部を有していなく、しかも流量の増加に
よつてオリフイス係数が減少する(すなわち、流
量増加によつて圧力損失が低下する)機能を有し
ている。 第17図に示す特性が生じる理由を第18図及
び第19図に基づいて説明する。第18図は、第
17図の自然循環状態のRe=13×104でのオリフ
イス5の隣接している丸棒7の間における水の流
動状態を示している。水は、矢印FLの方向に流
れている。この場合、各々の丸棒7の表面に沿つ
て形成される境界層は、層流境界層になつてい
る。はく離点は、境界層が丸棒7の表面から剥れ
る位置であり、丸棒7の軸心を通る垂線よりも流
れの上流側に形成される。はく離領域は、はく離
点の下流側に形成される。丸棒7の下流側に形成
されるはく離領域内の圧力は、丸棒の上流側での
境界層のはく離がない領域の圧力よりも低くな
る。従つて、隣接している丸棒7の相互間に形成
される間隙8の上流側と下流側で圧力差が生じ、
間隙8の上流側とその下流側との間で圧力損失が
生じる。第19図は、第17図のC点のRe=45
×104でのオリフイス5の隣接している丸棒7の
間における水の流動状態を示している。この場
合、各々の丸棒7の表面に沿つて形成される境界
層は、乱流境界層になつている。はく離点は、丸
棒7の軸心を通る垂線よりも流れる下流側に形成
される。はく離点の下流側に形成されるはく離領
域は、第18図の場合に比べて減少する。従つ
て、流れ方向において丸棒7の後方に形される低
圧力領域(はく離領域)が第18図の場合に比べ
て減少し、間隙8の上流側と下流側との間の圧力
差も小さくなる。第19図における間隙8の上流
側と下流側との間での圧力損失は、第18図にお
けるその圧力損失よりも減少する。 第18図及び第19図に示すように、丸棒7よ
りも下流側の領域においてはく離領域の広さに増
減が生じるためには、丸棒7の下流側に、丸棒7
間から流出する冷却材流を妨げることのない空間
すなわち冷却水通路22が存在すること、冷却材
の流れ方向FLに垂直な冷却水通路22横断面方
向において、スロート8Aの幅W1が、スロート
部8Aの位置での隣接した間隙8間の幅、すなわ
ち低抗体(例えば、丸棒7)の幅W2よりも狭く
なつていることも必要である。 丸棒7の表面に沿つて形成される境界層内の流
動は、間隙8の流速の増大、すなわち間隙8での
レイノルズ数Reの増大によつて層流から乱流に
変化する。丸棒7の表面に沿つて形成される境界
層の層流境界層から乱流境界層への変化は、第1
7図でいえばオリフイス係数Kprが77から遷移し
始める点、すなわちRe≒33×104の点で生じる。
この33×104のレイノルズ数を臨界レイノルズ数
Recという。Re<Recの領域では丸棒7の境界層
が層流境界層であつて間隙8の上流側と下流側の
間の圧力損失は大きく、Re<Recの領域では境界
層が乱流境界層であつて間隙8の上流側と下流側
の間の圧力損失は小さくなる。 オリフイス5のオリフイス係数は、傾向として
第14図Aの実線に示すように炉心流量の増加に
よつてオリフイス係数が減少する(オリフイス係
数がB点の自然循環状態より下がると仮定)。こ
のようなオリフイス係数の減少によつてオリフイ
ス5の減幅比は、第14図Bに示すように従来の
オリフイス4よりも増加する。しかし、その増加
割合は小さく、オリフイス5の減幅比が1.0を越
えることはない。 オリフイス5の丸棒7の代りに第20図に示す
ような断面形状を有する棒7A〜7Cを、第20
図A〜Fのように組合せてリング6に取付けても
よい。これらの各オリフイスに対しても、オリフ
イス5と同様な流動実験を行つた。この結果、こ
れらのオリフイスにおいても、棒7A〜7Cの表
面に沿つて形成される境界層が、オリフイス5と
同様にRe<Recでは層流境界層になり、Re<Rec
では乱流境界層になる。臨界レイノルズ数Recは、
第20図A〜Fにおいてそれぞれ異なつている。
これらの各棒の組合せに対して、水は矢印FLの
方向に流した。第20図Aは、断面が楕円である
棒7Aを、楕円の長軸が矢印FL方向に対して垂
直方向になるように配置している。第20図B
は、棒7Aを楕円の長軸が矢印FL方向になるよ
うに配置している。第20図Cは、断面が正方形
である棒7Bを、正方形の一辺が矢印FL方向に
なるように配置している。第20図Dは、棒7B
を正方形の一辺が矢印FL方向に対して45°傾斜す
るように配置している。第20図Eは、断面が正
三角形の棒7Cを、断面の1つのコーナ部が上流
側に向くように配置している。第20図Fは、棒
7Cを、断面の1つのコーナ部が下流側に向くよ
うに配置している。棒7B及び7Cは、断面の各
コーナ部が角ではなく任意の曲率をもつた滑らか
な曲面になつている。 第15図及び第20図A〜Fに示す棒、すなわ
ち抵抗体の間に形成される冷却材流路の側壁(抵
抗体の側面)は、第18図及び第19図に示すよ
うにはく離点がスロート部8Aの上流側から下流
側に移動するように、流体の流れ方向に角部のな
い連続した滑らかな面によつて形成されている。
上記冷却材流路の側壁に流体の流れ方向に角部が
形成されていると、その角部にはく離点が生じ、
しかも流速に増大してもはく離点はその角部より
下流側に移動しなくなる。このため、第17図に
示す特性、すなわち、Re>Recの領域で圧力損失
が低下するという現象が得られない。 抵抗体(第15図,第20図A〜Fに示す棒)
の断面形状及び寸法を変えることによつて遷移す
る冷却材流量を、また抵抗体により絞られた流路
面積により圧力損失を調節することができる。抵
抗体の間に形成されるスロート部8Aの幅W1は、
冷却材の流れ方向FLに垂直な方向での抵抗体の
幅W2よりも狭くなつている。 このように検討結果により、発明者等は、抵抗
装置(例えば前述のオリフイス5)は、複数の第
2冷却材流路を有し、これらの第2冷却材流路
(スロート部を有する)の流路断面積がスロート
部から上流側及び下流側に向つてそれぞれ連続し
て増大しており、第2冷却材流路の側面を、はく
離点がスロート部の上流側とその下流側との間で
移動可能に、スロート部の上流からその下流にわ
たつて角部のない連続した面で構成しており、こ
のような抵抗装置を、下部タイプレートの燃料支
持部より下方で下部タイプレート内に存在する空
間に連絡される燃料支持金具内の第1冷却材流路
の入口部に、設け、更に、この第1冷却材流路の
横断面方向において、抵抗装置のスロート部の幅
を、スロート部の位置での隣接した第2冷却材流
路間の幅よりも狭くすればよいとの結論に達し
た。このような条件を満足する本発明の実施例を
以下に述べる。 沸騰水型原子炉に適用した本発明の好適な一実
施例を以下に説明する。 本実施例の燃料支持金具20は、第1図及び第
2図に示すように、内部に4つの出口開口部2
4、及びこれらにそれぞれ連絡される冷却水通路
22を有する金具本体21と、冷却水通路22の
入口開口部23に取付けられたオリフイス25と
を有している。 前述のオリフイス25は、抵抗装置である。オ
リフイス25は、第3図に示すようにリング26
に断面が円である7本の丸棒(円管でもよい)2
7を互いに間隔をおいて並行に取付けたものであ
る。隣接する丸棒27相互間には、冷却水流路と
なる間隙28が形成されている。8Aは、間隙2
8の幅が最も狭くなるスロート部である。本実施
例の間隙28は、スロート部8Aより上流側及び
下流側に向つて断面積が徐々に増大しており、角
部のない連続した面で構成される1対の側壁(隣
接している丸棒27の側面)にて画定されてい
る。オリフイス25は、そのような間隙28を複
数有している。丸棒27は、抵抗部材である。こ
の抵抗部材は、冷却水の流れ方向に直角な方向に
寸法が流れ方向(FL)の下流に向つて連続して
増加して最大寸法に達した後に連続して減少する
断面形状を有している。金具本体21は、その中
央部で軸心方向に貫通する十字状の貫通孔29を
有している。この貫通孔29は、図示されていな
いが制御棒が挿入される孔である。各冷却水通路
22は、貫通孔29の周囲に配置される。 燃料集合体37は、下部タイプレート38の下
端部が冷却水通路22の出口開口部24に挿入さ
れることによつて燃料支持金具3で保持される。 第4図は、燃料支持金具20を設置した沸騰水
型原子炉の実施例を示している。 沸騰水型原子炉30は、燃料支持金具3、原子
炉圧力容器31、炉心下部支持板33及び燃料集
合体45を有している。炉心シユラウド32が、
原子炉圧力容器31内に配置されて原子炉圧力容
器31に取付けられている。ジエツトポンプ35
が、原子炉圧力容器31と炉心シユラウド32と
の間に設置される。炉心下部支持板33は、炉心
シユラウド32の下端部に取付けられ、しかも炉
心シユラウド32内に配置される。複数の燃料支
持金具20が、炉心下部支持板33を貫通して炉
心下部支持板33に設置される。 炉心シユラウド32内に配置された多数の燃料
集合体37は、第1図に示すようにその下部タイ
プレート38を燃料支持金具20の冷却水通路2
2の出口開口部24に挿入することによつて支持
されている。第1図は第4図の部を局部的に拡
大したものである。燃料集合体37の上端部は、
炉心シユラウド32内に設置された上部格子板3
4にて支持される。炉心シユラウド32内の燃料
集合体37が配置された部分が、炉心である。下
部プレナム36が、原子炉圧力容器31内で炉心
下部支持板33より下方に形成される。この下部
プレナム36内には、多数の制御棒案内管39が
設置される。制御棒駆動装置ハウジング40は、
制御棒案内管39の下端に接合され、原子炉圧力
容器31を貫通してその下方に延びている。制御
棒41は、制御棒案内管41内を上下方向に移動
し、燃料支持金具20の貫通孔29を介して炉心
内の燃料集合体37間に出し入れされる。制御棒
41は、制御棒駆動装置ハウジング40内に設置
されている制御棒駆動装置(図示せず)にて操作
される。 沸騰水型原子炉30の起動は、以下のようにし
て行われる。制御棒41を炉心から引抜いて臨界
状態になつた沸騰水型原子炉30は、さらに制御
棒41を引抜きながら昇温昇圧運動を行う。この
時、炉心には冷却水が供給される。この冷却水の
供給は、再循環ポンプ(図示せず)を駆動して冷
却水をノズルからジエツトポンプ35内に噴出す
ることによつて行われる。噴出された冷却水は、
原子炉圧力容器31と炉心シユラウド32間にあ
る冷却水をジエツトポンプ35内に吸込む。ジエ
ツトポンプ35から吐出された冷却水は、下部プ
レナム36内に流入し、燃料支持金具20の冷却
水通路22内に流入し、出口開口部24よりオリ
フイス25を介して燃料集合体37に供給され
る。冷却水は、オリフイス25を通過する際、間
隙28を通る。 原子炉圧力容器31内の圧力及び温度が所定値
(約70Kg/cm2及び約280℃)になると、再循環ポン
プから吐出される冷却水流量が20%ポンプ運転状
態の流量に保持されて制御棒41が炉心より引抜
かれる。この時、原子炉出力は、第10図の破線
で示す特性に沿つて上昇する。原子炉出力がD点
に達した時に制御棒41の引抜き操作を停止す
る。原子炉出力がD点を越える領域で制御棒41
の引抜きを行なつた場合には、燃料集合体37内
の燃料棒が、ペレツト対被覆管の機械的相互干渉
により破損する危険性がある。原子炉出力をD点
より高い状態にまで上昇させる場合には、原子炉
出力粗調整用制御手段である制御棒41を停止し
た状態のまま保持して動かさず、代りに炉心に供
給する冷却水流量(炉心流量)を増加することに
よつて行う。炉心流量の増加は、再循環ポンプの
回転数を増大させることによつて達成できる。再
循環ポンプは、原子炉出力微調整用制御手段であ
る。炉心流量の増加によつて原子炉出力は、第1
0図に示す直線BCに沿つてD点よりC点まで上
昇する。原子炉出力がC点に達すると、炉心流量
の増加は、停止される。燃料が消費されるに伴つ
て原子炉出力は、100%より低下する。これを補
償して原子炉出力を100%に保持するために、炉
心流量が増加される。炉心流量の増加による原子
炉出力の補償は、再循環ポンプの容量との関係で
限界がある。この限界に達した場合には、炉心流
量を下げて原子炉出力をD点以下に下げ、制御棒
41の引抜き操作にて原子炉出力をD点まで上げ
る。以下、直線BCに沿つて前述したようにC点
まで原子炉出力を上昇させる。 オリフイス25も、オリフイス5と同様に間隙
28のレイノルズ数が増加すると第17図に示す
ようにオリフイス係数Kprが減少する。オリフイ
ス25の臨界レイノイズ数Rec(オリフイス係数
Kprの遷移開始点)は、40×104である。オリフイ
ス25の間隙28は、Re<40×104の領域で第1
8図に示すような層流境界層が形成され、Re>
40×104の領域で第19図に示すような乱流境界
層が形成される。なお、オリフイス25の丸棒2
7の直径Dは0.735cmであり、7本の丸棒27が
設けられている。リング26に取付けられた丸棒
27の全投影面積Apbは89.3cm2及び丸棒27間に
形成される間隙28の全投影面積AFは13.2cm2であ
つて、リング26の内側の面積は102.5cm2(Apb+
AF)であり,リング26の内径は6.6cmである。 沸騰水型原子炉30においては、炉心流量が増
えてレイノイズ数Recが臨界レイノルズ数Recを越
えると、オリフイス25の圧力損失が減少し始め
る。原子炉出力が100%の時点(第10図のC点)
での圧力損失は、D点の時点での圧力損失よりも
約22%減少する。このため、本実施例では、第1
0図のC点において再循環ポンプから吐出される
冷却水流量は、オリフイス25の圧力損失が減少
する分だけ、従来燃料支持金具3及び燃料集合体
37を用いた従来の沸騰水型原子炉における第1
0図のC点において再循環ポンプから吐出される
冷却水流量よりも減少する。本実施例における再
循環ポンプの容量は、従来の沸騰水型原子炉にお
けるその容量に等しい。従つて、本実施例は、第
10図のC点の状態になつた後における炉心流量
の増加量が従来よりも多くなる。すなわち、本実
施例では、炉心流量を第14図Cの破線L1の如
く従来よりも多くすることができる。これは、オ
リフイス25の下流側に冷却水通路22が形成さ
れているので、オリフイス25を通過する冷却水
の増加によつてオリフイス25の下流側の冷却水
通路22で、前述したようにはく離領域の広さが
減少する現象が生じるからである。このため、本
実施例では、燃料消費による原子炉出力低下の補
償を炉心流量の増加によつて実施できる場合、す
なわち原子炉出力微調整用制御手段を用いた炉心
流量による原子炉出力の制御範囲を、従来よりも
増加できる。これは原子炉出力をD点より下げて
制御棒41の引抜き操作を行う回数の著しい低減
につながり、本実施例における原子炉の設備利用
率を従来のそれよりも著しく高くすることができ
る。 原子炉出力が100%で運転されている時に、も
し再循環ポンプがトリツプした場合は、炉心流量
が減少して炉心内に冷却水は自然循環状態にな
る。炉心流量の減少に伴つて原子炉出力は、第1
0図の直線BCに沿つて低下し、B点の出力まで
低下する。このように炉心流量が自然循環状態の
流量となると、オリフイス25の間隙28内の流
動状態は第18図に示すように、オリフイス25
のオリフイス係数Kprは増加する。従つて、本実
施例では、炉心流量が自然循環状態で不安定にな
る現象を防止できる。これは、オリフイス25の
下流側に冷却水通路22を形成することにより、
オリフイス25を通過する冷却水流量の減少が、
オリフイス25の下流側の冷却水通路22でのは
く離領域の広さを増加させる現象が生じさせるか
らである。 以上のように、可動部をまつたく有していない
オリフイス25を用いて、本実施例は、低流量時
における不安定の防止及び原子炉の設備利用率の
向上を図ることができる。 本実施例では、複数の丸棒27を並列に配置し
ているので境界層のはく離条件が間隙28を流れ
る冷却水の流速で決定され、オリフイス25より
上流側、すなわち下部プレナム36内の条件に左
右されない。また、本実施例では、燃料支持金具
20の冷却水通路22の入口開口部23に複数の
丸棒27を配置して複数の間隙28を有している
ので、下部プレナム36から間隙28内に流入す
る冷却水の流れ方向が強制的に矯正されて、冷却
水通路22内での渦の発生が少なくなる。これ
も、流動不安定防止の一因となつている。特に、
下部プレナム36内の冷却水は、下部プレナム3
6内に林立している多数の制御棒案内管39の間
を通つて燃料支持金具20まで到達するので、そ
の間において制御棒案内管39により流れが著し
く乱される。従つて、冷却水は、あらゆる方向か
ら燃料支持金具20の冷却水流通孔22内に流入
する。オリフイス25は、複数の丸棒27によつ
て複数の間隙28が形成されているので、冷却水
流通孔22内で著しく乱れている冷却水流を特定
方向の流れに矯正する作用が極めて大きい。 オリフイス25は、第1図に示す位置だけでな
く、燃料支持金具の冷却水通路22内であればど
こに設置してもよい。 第4図の沸騰水型原子炉の実施例において、沸
騰水型原子炉の所定条件を満足するオリフイス2
5の構造を種々検討した。沸騰水型原子炉の所定
条件を満足するオリフイス25の仕様例として表
1に示すものが得られた。これは、オリフイス2
5のリング26の内径が6.2cmの例である。燃料
集合体の流路面積は、下部タイプレート38より
上方で燃料棒47が存在するチヤンネルボツクス
内の冷却水流路の横断面積である。また、圧力損
失係数が低下する冷却水流量は、第17図のRp
点の冷却水流量である。
騰水型原子炉に適用するのに好適な燃料支持金具
及び原子炉に関するものである。 〔発明の背景〕 沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器の炉心で蒸
気を発生し、この蒸気をタービンに供給してい
る。 沸騰水型原子炉では、炉心内を蒸気のボイドが
上昇するために、核熱水力安定性を向上させるこ
とが検討されている。特開昭57−52897号公報の
第5図は、沸騰水型原子炉における核熱水力安定
性を向上させる一構成を示している。その構成を
以下に説明する。沸騰水型原子炉は、原子炉圧力
容器内に設けられた下部炉心支持板に燃料支持金
具を設置し、燃料集合体の下端部を燃料支持金具
内に設けられた冷却水通路の上部開口内に挿入
し、燃料集合体を燃料支持金具にて支えている。
燃料支持金具内の冷却水通路の入口部に、丸い1
つの開口を有するオリフイスが取付けられてい
る。燃料集合体が配置された炉心のボイド量を測
定し、そのボイド量に応じてオリフイスしやへい
板を操作してオリフイスの開口面積を調節する。
核熱水力不安定が生じると燃料集合体内のボイド
量が増加するので、ボイド量が所定量以上になつ
た場合てオリフイスしやへい板を下降させること
によつてオリフイスの開口面積を増加して一時的
に流量を増加させ、ボイド量の増加を防止する。
これによつて核熱水力不安定が解消される。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、可動部を用いることなく、流
動不安定を防止できかつ原子炉の設備利用率を向
上できる原子炉を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明の特徴は、原子炉容器と、前記原子炉容
器内に設けられた複数の燃料支持金具と、上端部
に燃料支持部を、この燃料支持部よりも下方で内
部に空間をそれぞれ有し、前記燃料支持金具に支
持された下部タイプレート、及び前記下部タイプ
レートの燃料支持部に下端部が保持された複数の
燃料棒を有する複数の燃料集合体とを備え、 前記燃料支持金具が、内部に前記空間に連絡さ
れる第1冷却材流路を有する本体、及び前記第1
冷却材流路の入口部に配置されて前記本体に設置
され内部にスロート部が形成され前記第1冷却材
流路に冷却材を導く複数の第2冷却材流路を有す
る抵抗装置とを備え、 各々の前記第2冷却材流路の流路断面積が、前
記スロート部から上流側及び下流側に向つてそれ
ぞれ連続して増大しており、 前記第2冷却材流路の側面が、前記スロート部
の上流からその下流にわたつて角部のない連続し
た面で構成され、 前記第1冷却材流路の横断面方向において、前
記スロート部の幅が、前記スロート部の位置での
隣接した前記第2冷却材流路間の幅よりも狭くな
つている、 原子炉にある。 〔発明の実施例〕 本発明は、従来の沸騰水型原子炉の不安定現象
を検討し、その結果に基づいてなされたものであ
る。その検討内容を以下に説明する。 沸騰水型原子炉の不安定現象は、第10図にお
いて曲線Uより上方の領域にて生じる。すなわ
ち、不安定現象は、炉心を通過する冷却水の流量
(以下、炉心流量という)が少なくて原子炉出力
の高い領域にて生じる。第10図においてA点と
B点を結ぶ曲線(実線)は、炉心流量が自然循環
で供給される状態で制御棒を操作した場合の原子
炉出力の変化を示している。B点とC点を結ぶ直
線は、制御棒の炉心への挿入度を一定に保持して
炉心流量を変えた場合の原子炉出力の変化を示し
ている。この場合は、再循環ポンプにより強制的
に冷却水が炉心に供給されている。第10図は破
線の特性は、再循環ポンプによつて定格の20%の
炉心流量が供給されている場合の原子炉出力変化
を示す。定格状態(100%原子炉出力)であるC
点は、不安定領域から十分離れているため、安定
余裕は確保されている。しかし、曲線ABの自然
循環状態(炉心で発生したボイドの浮力で冷却水
が循環する状態)は、不安定領域に近いので、安
定性余裕が小さい。 従来の沸騰水型原子炉では、自然循環状態での
安定性余裕を増すために、第11図に示すように
燃料集合体の下端部を支持している燃料支持金具
3の冷却水入口にオリフイス4を設けている。自
然循環状態でのオリフイス4の効果を第12図に
示す。第12図の横軸はオリフイス4の流動抵抗
を示すオリフイス係数、その縦軸は安定性の指標
である減幅比を示している。減幅比は、第13図
に示すように、隣りあう正弦波の振幅の比
(X2/X0)であり、流量等の変動減衰率を表わ
す。(X2/X0>1)の式を満足している第13
図Aの状態は、流動が不安定な状態を示してい
る。また(X2/X0>1)の式を満足している第
13図Bの状態は、流動が不安定な状態を示して
いる。この減幅比により、オリフイス4の効果を
検討すると、第12図に示すように、オリフイス
係数が増す(オリフイス4による流動抵抗が増加
する)と安定性が向上する。安定性が問題となる
のは、第14図Bに破線で示すように減幅比が
1.0に近づく自然循環状態、特に第10図のB点
の近傍である。従来の燃料支持金具3のオリフイ
ス4は、第14図Cの破線の如く炉心流量の増大
に伴つて原子炉出力が変化しても第14図Aの破
線の如くオリフイス係数が一定である。このよう
なオリフイス係数を有するオリフイス4では、前
述した第14図Bの破線のように減幅比が変化す
る。従来の燃料支持金具3に用いられたオリフイ
ス4としては、自然循環状態での不安定状態を回
避することを前提にして定めたオリフイス係数を
有するオリフイスを用いていた。このオリフイス
係数は、第14図Aに破線で示すように常に一定
である。 発明者等は、可動部を用いないで炉心流量が少
ない冷却水の自然循環時には圧力損失が大きくな
るとともに炉心流量が多い時には圧力損失が小さ
くなる機構を燃料支持金具内に設けることによつ
て、炉心流量が少ない時(自然循環時)における
不安定状態の防止及び炉心流量による原子炉出力
の制御範囲の増大が図れることに着目し、前述の
機構の具体的な構造を見い出すべき種々の検討及
び実験を行つた。その検討及び実験によつて第1
5図に示す開口形状を有するオリフイス5が、上
記の条件を満足することがわかつた。 オリフイス5は、リング6内に3本の丸棒7を
相互間に間隙8を設けて並行に配列し、丸棒7の
両端をリング6に取付けたものであり、間隙8を
矢印FL方向に冷却材が流れる。間隙8、すなわ
ち冷却材流路の矢印下L方向における断面形状
は、最も幅の狭いスロート部8Aより上流側では
流れ方向に断面積が徐々に減少し、スロート部8
Aより下流側では流れ方向に断面積が徐々に増加
し、間隙8を形成する両側の壁面(丸棒7の表
面)が角部のない連続した面になつている。丸棒
7の軸方向における間隙8の形状、特にスロート
部8Aの形状は、対向する一対の丸棒7の側面の
軸方向形状によつて定まる細長いものになつてい
る。オリフイス5の流動特性は、第16図に示す
実験装置9を用いて得られた。実験装置9の概略
構造を説明する。実験装置9は、水が充填された
タンク10、ポンプ11、流量調節弁12及び試
験体14を配管15にて接続している。配管15
の一端は、タンク10上で開放している。ポンプ
11は、モータ12にて駆動される。第15図に
示すオリフイス5は、試験体14内に設置されて
いる。試験体14内に供給される水の流量及び温
度は、流量計16及び温度計17によつて測定さ
れる。試験体14の上流側と下流側との間の差圧
は、差圧計18によつて測定される。 オリフイス5の流動試験は、ポンプ11を駆動
してタンク10内の水を配管15を通して試験体
14内のオリフイス5に供給する。供給する水の
流量は、流量調節弁12によつて制御する。 この実験によつて得られた流量、差圧及び温度
の測定データを整理したところ、第17図の特性
が得られた。第17図の横軸はレイノズル数Re、
縦軸はオリフイス係数Kprを示している。オリフ
イス5のオリフイス係数Kprは、沸騰水型原子炉
の自然循環状態(第10図のB点)に対応する
Re=13×104付近で約77となり、沸騰水型原子炉
の原子炉出力100%(第10図のC点)に対応す
るRe=45×104で約60になる。第10図のC点で
のオリフイス係数Kprは、第10図のB点でのそ
れよりも約22%低下する。このため、C点での圧
力損失は、B点のそれよりも約22%低下する。オ
リフイス5のオリフイス係数Kprは、Reが13×104
〜30×104の範囲で約77とほぼ一定であり、Reが
30×104を越えるとゆるやかに減少する。Re=30
×104の点は、第10図において炉心流量が約60
%の時に対応する。 このように複数の丸棒を取付けたオリフイス5
は、可動部を有していなく、しかも流量の増加に
よつてオリフイス係数が減少する(すなわち、流
量増加によつて圧力損失が低下する)機能を有し
ている。 第17図に示す特性が生じる理由を第18図及
び第19図に基づいて説明する。第18図は、第
17図の自然循環状態のRe=13×104でのオリフ
イス5の隣接している丸棒7の間における水の流
動状態を示している。水は、矢印FLの方向に流
れている。この場合、各々の丸棒7の表面に沿つ
て形成される境界層は、層流境界層になつてい
る。はく離点は、境界層が丸棒7の表面から剥れ
る位置であり、丸棒7の軸心を通る垂線よりも流
れの上流側に形成される。はく離領域は、はく離
点の下流側に形成される。丸棒7の下流側に形成
されるはく離領域内の圧力は、丸棒の上流側での
境界層のはく離がない領域の圧力よりも低くな
る。従つて、隣接している丸棒7の相互間に形成
される間隙8の上流側と下流側で圧力差が生じ、
間隙8の上流側とその下流側との間で圧力損失が
生じる。第19図は、第17図のC点のRe=45
×104でのオリフイス5の隣接している丸棒7の
間における水の流動状態を示している。この場
合、各々の丸棒7の表面に沿つて形成される境界
層は、乱流境界層になつている。はく離点は、丸
棒7の軸心を通る垂線よりも流れる下流側に形成
される。はく離点の下流側に形成されるはく離領
域は、第18図の場合に比べて減少する。従つ
て、流れ方向において丸棒7の後方に形される低
圧力領域(はく離領域)が第18図の場合に比べ
て減少し、間隙8の上流側と下流側との間の圧力
差も小さくなる。第19図における間隙8の上流
側と下流側との間での圧力損失は、第18図にお
けるその圧力損失よりも減少する。 第18図及び第19図に示すように、丸棒7よ
りも下流側の領域においてはく離領域の広さに増
減が生じるためには、丸棒7の下流側に、丸棒7
間から流出する冷却材流を妨げることのない空間
すなわち冷却水通路22が存在すること、冷却材
の流れ方向FLに垂直な冷却水通路22横断面方
向において、スロート8Aの幅W1が、スロート
部8Aの位置での隣接した間隙8間の幅、すなわ
ち低抗体(例えば、丸棒7)の幅W2よりも狭く
なつていることも必要である。 丸棒7の表面に沿つて形成される境界層内の流
動は、間隙8の流速の増大、すなわち間隙8での
レイノルズ数Reの増大によつて層流から乱流に
変化する。丸棒7の表面に沿つて形成される境界
層の層流境界層から乱流境界層への変化は、第1
7図でいえばオリフイス係数Kprが77から遷移し
始める点、すなわちRe≒33×104の点で生じる。
この33×104のレイノルズ数を臨界レイノルズ数
Recという。Re<Recの領域では丸棒7の境界層
が層流境界層であつて間隙8の上流側と下流側の
間の圧力損失は大きく、Re<Recの領域では境界
層が乱流境界層であつて間隙8の上流側と下流側
の間の圧力損失は小さくなる。 オリフイス5のオリフイス係数は、傾向として
第14図Aの実線に示すように炉心流量の増加に
よつてオリフイス係数が減少する(オリフイス係
数がB点の自然循環状態より下がると仮定)。こ
のようなオリフイス係数の減少によつてオリフイ
ス5の減幅比は、第14図Bに示すように従来の
オリフイス4よりも増加する。しかし、その増加
割合は小さく、オリフイス5の減幅比が1.0を越
えることはない。 オリフイス5の丸棒7の代りに第20図に示す
ような断面形状を有する棒7A〜7Cを、第20
図A〜Fのように組合せてリング6に取付けても
よい。これらの各オリフイスに対しても、オリフ
イス5と同様な流動実験を行つた。この結果、こ
れらのオリフイスにおいても、棒7A〜7Cの表
面に沿つて形成される境界層が、オリフイス5と
同様にRe<Recでは層流境界層になり、Re<Rec
では乱流境界層になる。臨界レイノルズ数Recは、
第20図A〜Fにおいてそれぞれ異なつている。
これらの各棒の組合せに対して、水は矢印FLの
方向に流した。第20図Aは、断面が楕円である
棒7Aを、楕円の長軸が矢印FL方向に対して垂
直方向になるように配置している。第20図B
は、棒7Aを楕円の長軸が矢印FL方向になるよ
うに配置している。第20図Cは、断面が正方形
である棒7Bを、正方形の一辺が矢印FL方向に
なるように配置している。第20図Dは、棒7B
を正方形の一辺が矢印FL方向に対して45°傾斜す
るように配置している。第20図Eは、断面が正
三角形の棒7Cを、断面の1つのコーナ部が上流
側に向くように配置している。第20図Fは、棒
7Cを、断面の1つのコーナ部が下流側に向くよ
うに配置している。棒7B及び7Cは、断面の各
コーナ部が角ではなく任意の曲率をもつた滑らか
な曲面になつている。 第15図及び第20図A〜Fに示す棒、すなわ
ち抵抗体の間に形成される冷却材流路の側壁(抵
抗体の側面)は、第18図及び第19図に示すよ
うにはく離点がスロート部8Aの上流側から下流
側に移動するように、流体の流れ方向に角部のな
い連続した滑らかな面によつて形成されている。
上記冷却材流路の側壁に流体の流れ方向に角部が
形成されていると、その角部にはく離点が生じ、
しかも流速に増大してもはく離点はその角部より
下流側に移動しなくなる。このため、第17図に
示す特性、すなわち、Re>Recの領域で圧力損失
が低下するという現象が得られない。 抵抗体(第15図,第20図A〜Fに示す棒)
の断面形状及び寸法を変えることによつて遷移す
る冷却材流量を、また抵抗体により絞られた流路
面積により圧力損失を調節することができる。抵
抗体の間に形成されるスロート部8Aの幅W1は、
冷却材の流れ方向FLに垂直な方向での抵抗体の
幅W2よりも狭くなつている。 このように検討結果により、発明者等は、抵抗
装置(例えば前述のオリフイス5)は、複数の第
2冷却材流路を有し、これらの第2冷却材流路
(スロート部を有する)の流路断面積がスロート
部から上流側及び下流側に向つてそれぞれ連続し
て増大しており、第2冷却材流路の側面を、はく
離点がスロート部の上流側とその下流側との間で
移動可能に、スロート部の上流からその下流にわ
たつて角部のない連続した面で構成しており、こ
のような抵抗装置を、下部タイプレートの燃料支
持部より下方で下部タイプレート内に存在する空
間に連絡される燃料支持金具内の第1冷却材流路
の入口部に、設け、更に、この第1冷却材流路の
横断面方向において、抵抗装置のスロート部の幅
を、スロート部の位置での隣接した第2冷却材流
路間の幅よりも狭くすればよいとの結論に達し
た。このような条件を満足する本発明の実施例を
以下に述べる。 沸騰水型原子炉に適用した本発明の好適な一実
施例を以下に説明する。 本実施例の燃料支持金具20は、第1図及び第
2図に示すように、内部に4つの出口開口部2
4、及びこれらにそれぞれ連絡される冷却水通路
22を有する金具本体21と、冷却水通路22の
入口開口部23に取付けられたオリフイス25と
を有している。 前述のオリフイス25は、抵抗装置である。オ
リフイス25は、第3図に示すようにリング26
に断面が円である7本の丸棒(円管でもよい)2
7を互いに間隔をおいて並行に取付けたものであ
る。隣接する丸棒27相互間には、冷却水流路と
なる間隙28が形成されている。8Aは、間隙2
8の幅が最も狭くなるスロート部である。本実施
例の間隙28は、スロート部8Aより上流側及び
下流側に向つて断面積が徐々に増大しており、角
部のない連続した面で構成される1対の側壁(隣
接している丸棒27の側面)にて画定されてい
る。オリフイス25は、そのような間隙28を複
数有している。丸棒27は、抵抗部材である。こ
の抵抗部材は、冷却水の流れ方向に直角な方向に
寸法が流れ方向(FL)の下流に向つて連続して
増加して最大寸法に達した後に連続して減少する
断面形状を有している。金具本体21は、その中
央部で軸心方向に貫通する十字状の貫通孔29を
有している。この貫通孔29は、図示されていな
いが制御棒が挿入される孔である。各冷却水通路
22は、貫通孔29の周囲に配置される。 燃料集合体37は、下部タイプレート38の下
端部が冷却水通路22の出口開口部24に挿入さ
れることによつて燃料支持金具3で保持される。 第4図は、燃料支持金具20を設置した沸騰水
型原子炉の実施例を示している。 沸騰水型原子炉30は、燃料支持金具3、原子
炉圧力容器31、炉心下部支持板33及び燃料集
合体45を有している。炉心シユラウド32が、
原子炉圧力容器31内に配置されて原子炉圧力容
器31に取付けられている。ジエツトポンプ35
が、原子炉圧力容器31と炉心シユラウド32と
の間に設置される。炉心下部支持板33は、炉心
シユラウド32の下端部に取付けられ、しかも炉
心シユラウド32内に配置される。複数の燃料支
持金具20が、炉心下部支持板33を貫通して炉
心下部支持板33に設置される。 炉心シユラウド32内に配置された多数の燃料
集合体37は、第1図に示すようにその下部タイ
プレート38を燃料支持金具20の冷却水通路2
2の出口開口部24に挿入することによつて支持
されている。第1図は第4図の部を局部的に拡
大したものである。燃料集合体37の上端部は、
炉心シユラウド32内に設置された上部格子板3
4にて支持される。炉心シユラウド32内の燃料
集合体37が配置された部分が、炉心である。下
部プレナム36が、原子炉圧力容器31内で炉心
下部支持板33より下方に形成される。この下部
プレナム36内には、多数の制御棒案内管39が
設置される。制御棒駆動装置ハウジング40は、
制御棒案内管39の下端に接合され、原子炉圧力
容器31を貫通してその下方に延びている。制御
棒41は、制御棒案内管41内を上下方向に移動
し、燃料支持金具20の貫通孔29を介して炉心
内の燃料集合体37間に出し入れされる。制御棒
41は、制御棒駆動装置ハウジング40内に設置
されている制御棒駆動装置(図示せず)にて操作
される。 沸騰水型原子炉30の起動は、以下のようにし
て行われる。制御棒41を炉心から引抜いて臨界
状態になつた沸騰水型原子炉30は、さらに制御
棒41を引抜きながら昇温昇圧運動を行う。この
時、炉心には冷却水が供給される。この冷却水の
供給は、再循環ポンプ(図示せず)を駆動して冷
却水をノズルからジエツトポンプ35内に噴出す
ることによつて行われる。噴出された冷却水は、
原子炉圧力容器31と炉心シユラウド32間にあ
る冷却水をジエツトポンプ35内に吸込む。ジエ
ツトポンプ35から吐出された冷却水は、下部プ
レナム36内に流入し、燃料支持金具20の冷却
水通路22内に流入し、出口開口部24よりオリ
フイス25を介して燃料集合体37に供給され
る。冷却水は、オリフイス25を通過する際、間
隙28を通る。 原子炉圧力容器31内の圧力及び温度が所定値
(約70Kg/cm2及び約280℃)になると、再循環ポン
プから吐出される冷却水流量が20%ポンプ運転状
態の流量に保持されて制御棒41が炉心より引抜
かれる。この時、原子炉出力は、第10図の破線
で示す特性に沿つて上昇する。原子炉出力がD点
に達した時に制御棒41の引抜き操作を停止す
る。原子炉出力がD点を越える領域で制御棒41
の引抜きを行なつた場合には、燃料集合体37内
の燃料棒が、ペレツト対被覆管の機械的相互干渉
により破損する危険性がある。原子炉出力をD点
より高い状態にまで上昇させる場合には、原子炉
出力粗調整用制御手段である制御棒41を停止し
た状態のまま保持して動かさず、代りに炉心に供
給する冷却水流量(炉心流量)を増加することに
よつて行う。炉心流量の増加は、再循環ポンプの
回転数を増大させることによつて達成できる。再
循環ポンプは、原子炉出力微調整用制御手段であ
る。炉心流量の増加によつて原子炉出力は、第1
0図に示す直線BCに沿つてD点よりC点まで上
昇する。原子炉出力がC点に達すると、炉心流量
の増加は、停止される。燃料が消費されるに伴つ
て原子炉出力は、100%より低下する。これを補
償して原子炉出力を100%に保持するために、炉
心流量が増加される。炉心流量の増加による原子
炉出力の補償は、再循環ポンプの容量との関係で
限界がある。この限界に達した場合には、炉心流
量を下げて原子炉出力をD点以下に下げ、制御棒
41の引抜き操作にて原子炉出力をD点まで上げ
る。以下、直線BCに沿つて前述したようにC点
まで原子炉出力を上昇させる。 オリフイス25も、オリフイス5と同様に間隙
28のレイノルズ数が増加すると第17図に示す
ようにオリフイス係数Kprが減少する。オリフイ
ス25の臨界レイノイズ数Rec(オリフイス係数
Kprの遷移開始点)は、40×104である。オリフイ
ス25の間隙28は、Re<40×104の領域で第1
8図に示すような層流境界層が形成され、Re>
40×104の領域で第19図に示すような乱流境界
層が形成される。なお、オリフイス25の丸棒2
7の直径Dは0.735cmであり、7本の丸棒27が
設けられている。リング26に取付けられた丸棒
27の全投影面積Apbは89.3cm2及び丸棒27間に
形成される間隙28の全投影面積AFは13.2cm2であ
つて、リング26の内側の面積は102.5cm2(Apb+
AF)であり,リング26の内径は6.6cmである。 沸騰水型原子炉30においては、炉心流量が増
えてレイノイズ数Recが臨界レイノルズ数Recを越
えると、オリフイス25の圧力損失が減少し始め
る。原子炉出力が100%の時点(第10図のC点)
での圧力損失は、D点の時点での圧力損失よりも
約22%減少する。このため、本実施例では、第1
0図のC点において再循環ポンプから吐出される
冷却水流量は、オリフイス25の圧力損失が減少
する分だけ、従来燃料支持金具3及び燃料集合体
37を用いた従来の沸騰水型原子炉における第1
0図のC点において再循環ポンプから吐出される
冷却水流量よりも減少する。本実施例における再
循環ポンプの容量は、従来の沸騰水型原子炉にお
けるその容量に等しい。従つて、本実施例は、第
10図のC点の状態になつた後における炉心流量
の増加量が従来よりも多くなる。すなわち、本実
施例では、炉心流量を第14図Cの破線L1の如
く従来よりも多くすることができる。これは、オ
リフイス25の下流側に冷却水通路22が形成さ
れているので、オリフイス25を通過する冷却水
の増加によつてオリフイス25の下流側の冷却水
通路22で、前述したようにはく離領域の広さが
減少する現象が生じるからである。このため、本
実施例では、燃料消費による原子炉出力低下の補
償を炉心流量の増加によつて実施できる場合、す
なわち原子炉出力微調整用制御手段を用いた炉心
流量による原子炉出力の制御範囲を、従来よりも
増加できる。これは原子炉出力をD点より下げて
制御棒41の引抜き操作を行う回数の著しい低減
につながり、本実施例における原子炉の設備利用
率を従来のそれよりも著しく高くすることができ
る。 原子炉出力が100%で運転されている時に、も
し再循環ポンプがトリツプした場合は、炉心流量
が減少して炉心内に冷却水は自然循環状態にな
る。炉心流量の減少に伴つて原子炉出力は、第1
0図の直線BCに沿つて低下し、B点の出力まで
低下する。このように炉心流量が自然循環状態の
流量となると、オリフイス25の間隙28内の流
動状態は第18図に示すように、オリフイス25
のオリフイス係数Kprは増加する。従つて、本実
施例では、炉心流量が自然循環状態で不安定にな
る現象を防止できる。これは、オリフイス25の
下流側に冷却水通路22を形成することにより、
オリフイス25を通過する冷却水流量の減少が、
オリフイス25の下流側の冷却水通路22でのは
く離領域の広さを増加させる現象が生じさせるか
らである。 以上のように、可動部をまつたく有していない
オリフイス25を用いて、本実施例は、低流量時
における不安定の防止及び原子炉の設備利用率の
向上を図ることができる。 本実施例では、複数の丸棒27を並列に配置し
ているので境界層のはく離条件が間隙28を流れ
る冷却水の流速で決定され、オリフイス25より
上流側、すなわち下部プレナム36内の条件に左
右されない。また、本実施例では、燃料支持金具
20の冷却水通路22の入口開口部23に複数の
丸棒27を配置して複数の間隙28を有している
ので、下部プレナム36から間隙28内に流入す
る冷却水の流れ方向が強制的に矯正されて、冷却
水通路22内での渦の発生が少なくなる。これ
も、流動不安定防止の一因となつている。特に、
下部プレナム36内の冷却水は、下部プレナム3
6内に林立している多数の制御棒案内管39の間
を通つて燃料支持金具20まで到達するので、そ
の間において制御棒案内管39により流れが著し
く乱される。従つて、冷却水は、あらゆる方向か
ら燃料支持金具20の冷却水流通孔22内に流入
する。オリフイス25は、複数の丸棒27によつ
て複数の間隙28が形成されているので、冷却水
流通孔22内で著しく乱れている冷却水流を特定
方向の流れに矯正する作用が極めて大きい。 オリフイス25は、第1図に示す位置だけでな
く、燃料支持金具の冷却水通路22内であればど
こに設置してもよい。 第4図の沸騰水型原子炉の実施例において、沸
騰水型原子炉の所定条件を満足するオリフイス2
5の構造を種々検討した。沸騰水型原子炉の所定
条件を満足するオリフイス25の仕様例として表
1に示すものが得られた。これは、オリフイス2
5のリング26の内径が6.2cmの例である。燃料
集合体の流路面積は、下部タイプレート38より
上方で燃料棒47が存在するチヤンネルボツクス
内の冷却水流路の横断面積である。また、圧力損
失係数が低下する冷却水流量は、第17図のRp
点の冷却水流量である。
本発明のよれば、損傷の危険性のある可動部を
有しない抵抗装置を用いて、炉心に供給される冷
却材の低流量状態での流動不安定を防止できる。
また、炉心流量の調整による原子炉出力の制御範
囲が増大するので、原子炉の設備利用率を向上で
きる。
有しない抵抗装置を用いて、炉心に供給される冷
却材の低流量状態での流動不安定を防止できる。
また、炉心流量の調整による原子炉出力の制御範
囲が増大するので、原子炉の設備利用率を向上で
きる。
第1図は第4図の部を拡大したものであつて
本発明の好適な一実施例である燃料支持金具の縦
断面図、第2図は第1図の燃料支持金具の斜視
図、第3図Aは第1図に示すオリフイスの正面
図、第3図Bは第3図AのX1−X1断面図、第4
図は第1図の燃料支持金具を適用した沸騰水型原
子炉の実施例の局部縦断面図、第5図A,第7図
A,第8図A及び第9図Aはオリフイスの他の実
施例の正面図、第5図Bは第5図AのX2−X2断
面図、第6図は抵抗体の他の実施例の縦断面図、
第7図Bは第7図AのX3−X3断面図、第8図B
は第8図AのX4−X4断面図、第9図Bは第9図
AのX5−X5断面図、第10図は炉心流量と原子
炉出力との関係を示す特性図、第11図は従来の
燃料支持金具の局部縦断面図、第12図はオリフ
イス係数と減幅比との関係を示す特性図、第13
図は減幅比の概念を示す説明図、第14図は炉心
流量に対するオリフイス係数、減幅比及び原子炉
出力の変化を示す特性図、第15図Aは本発明に
用いるオリフイスの試験体の正面図、第15図B
は第15図AのVI−VI断面図、第16図は第1
5図に示すオリフイスの流動実験を行う実験装置
の構造図、第17図は第15図のオリフイスに対
する流動実験結果に基づくオリフイス係数の変化
に示す特性図、第18図は第15図のオリフイス
の間隙におけるRe<Recの領域での流動状態を示
す説明図、第19図は第15図のオリフイスの間
隙におけるRe>Recの領域での流動状態を示す説
明図、第20図は流動実験を行つた他の抵抗体の
断面である。 3,20……燃料支持金具、21……冷却水通
路、25……オリフイス、27……丸棒、28…
…間隙、30……沸騰水型原子炉、31……原子
炉圧力容器、32……炉心シユラウド、33……
炉心下部支持板、37……燃料集合体。
本発明の好適な一実施例である燃料支持金具の縦
断面図、第2図は第1図の燃料支持金具の斜視
図、第3図Aは第1図に示すオリフイスの正面
図、第3図Bは第3図AのX1−X1断面図、第4
図は第1図の燃料支持金具を適用した沸騰水型原
子炉の実施例の局部縦断面図、第5図A,第7図
A,第8図A及び第9図Aはオリフイスの他の実
施例の正面図、第5図Bは第5図AのX2−X2断
面図、第6図は抵抗体の他の実施例の縦断面図、
第7図Bは第7図AのX3−X3断面図、第8図B
は第8図AのX4−X4断面図、第9図Bは第9図
AのX5−X5断面図、第10図は炉心流量と原子
炉出力との関係を示す特性図、第11図は従来の
燃料支持金具の局部縦断面図、第12図はオリフ
イス係数と減幅比との関係を示す特性図、第13
図は減幅比の概念を示す説明図、第14図は炉心
流量に対するオリフイス係数、減幅比及び原子炉
出力の変化を示す特性図、第15図Aは本発明に
用いるオリフイスの試験体の正面図、第15図B
は第15図AのVI−VI断面図、第16図は第1
5図に示すオリフイスの流動実験を行う実験装置
の構造図、第17図は第15図のオリフイスに対
する流動実験結果に基づくオリフイス係数の変化
に示す特性図、第18図は第15図のオリフイス
の間隙におけるRe<Recの領域での流動状態を示
す説明図、第19図は第15図のオリフイスの間
隙におけるRe>Recの領域での流動状態を示す説
明図、第20図は流動実験を行つた他の抵抗体の
断面である。 3,20……燃料支持金具、21……冷却水通
路、25……オリフイス、27……丸棒、28…
…間隙、30……沸騰水型原子炉、31……原子
炉圧力容器、32……炉心シユラウド、33……
炉心下部支持板、37……燃料集合体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 原子炉容器と、前記原子炉容器内に設けられ
た複数の燃料支持金具と、上端部に燃料支持部
を、かつこの燃料支持部よりも下方で内部に空間
を、それぞれ有し、前記燃料支持金具に支持され
た下部タイプレート、及び前記燃料支持部に下端
部が保持され前記燃料支持部よりも上方に向かつ
て延びた複数の燃料棒を有する複数の燃料集合体
とを備え、 前記燃料支持金具が、内部に前記空間に連絡さ
れる第1冷却材流路を有する本体、及び前記第1
冷却材流路の入口部に配置されて前記本体に設置
され内部にスロート部が形成され前記第1冷却材
流路に冷却材を導く複数の第2冷却材流路を有す
る抵抗装置とを備え、 各々の前記第2冷却材流路の流路断面積が、前
記スロート部から上流側及び下流側に向つてそれ
ぞれ連続して増大しており、 前記第2冷却材流路の側面が、前記スロート部
の上流からその下流にわたつて角部のない連続し
た面で構成され、 前記第1冷却材流路の横断面方向において、前
記スロート部の幅が、前記スロート部の位置での
隣接した前記第2冷却材流路間の幅よりも狭くな
つている ことを特徴とした原子炉。 2 前記抵抗装置が複数の抵抗部材を有してお
り、各々の前記第2冷却材流路が隣接している前
記抵抗部材の相互間に形成され、前記第2冷却材
流路の側面が前記抵抗部材の表面である特許請求
の範囲第1項記載の原子炉。 3 前記抵抗装置に設けられた前記抵抗部材が丸
棒である特許請求の範囲第2項記載の原子炉。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60126109A JPS61284696A (ja) | 1985-06-12 | 1985-06-12 | 原子炉 |
EP86107939A EP0205162B1 (en) | 1985-06-12 | 1986-06-11 | Reactor fuel assembly and nuclear reactor |
DE8686107939T DE3662572D1 (en) | 1985-06-12 | 1986-06-11 | Reactor fuel assembly and nuclear reactor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60126109A JPS61284696A (ja) | 1985-06-12 | 1985-06-12 | 原子炉 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63244145A Division JPH0646226B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | 燃料集合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61284696A JPS61284696A (ja) | 1986-12-15 |
JPH0575079B2 true JPH0575079B2 (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=14926844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60126109A Granted JPS61284696A (ja) | 1985-06-12 | 1985-06-12 | 原子炉 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0205162B1 (ja) |
JP (1) | JPS61284696A (ja) |
DE (1) | DE3662572D1 (ja) |
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JPS6438691A (en) * | 1987-08-05 | 1989-02-08 | Nippon Atomic Ind Group Co | Support metal fitting of center part |
US5071617A (en) * | 1989-12-11 | 1991-12-10 | Combustion Engineering, Inc. | Reduced flow resistance cast lower end fitting |
JP2520181B2 (ja) * | 1990-03-15 | 1996-07-31 | 株式会社日立製作所 | 燃料集合体及び原子炉の炉心並びに下部タイプレ―ト |
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US5183627A (en) * | 1991-11-27 | 1993-02-02 | General Electric Company | Nuclear reactor with low-level core coolant intake |
US5481577A (en) * | 1994-06-30 | 1996-01-02 | Siemens Power Corporation | Boiling water reactor fuel assembly filter |
TW557450B (en) * | 2001-07-16 | 2003-10-11 | Toshiba Corp | Fuel supporting attachment, fuel inlet mechanism, and fuel assembly |
JP2008157972A (ja) * | 2002-04-01 | 2008-07-10 | Toshiba Corp | 冷却材炉心入口構造 |
US7822165B2 (en) * | 2004-01-05 | 2010-10-26 | Westinghouse Electric Co Llc | Nuclear fuel assembly debris filter bottom nozzle |
Citations (3)
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JPS57127882A (en) * | 1981-02-02 | 1982-08-09 | Hitachi Ltd | Orifice for highly stabilizing bwr |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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SE419006B (sv) * | 1979-10-30 | 1981-07-06 | Asea Atom Ab | Kokarreaktor med diffusor i brenslepatroner |
JPS55143594U (ja) * | 1980-03-28 | 1980-10-15 | ||
SE424930B (sv) * | 1980-12-30 | 1982-08-16 | Asea Atom Ab | Brenslepatron med utbytbart stryporgan |
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-
1985
- 1985-06-12 JP JP60126109A patent/JPS61284696A/ja active Granted
-
1986
- 1986-06-11 EP EP86107939A patent/EP0205162B1/en not_active Expired
- 1986-06-11 DE DE8686107939T patent/DE3662572D1/de not_active Expired
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5419080A (en) * | 1977-07-13 | 1979-02-13 | Toshiba Corp | Nuclear fuel supporting metal fitting |
JPS57127882A (en) * | 1981-02-02 | 1982-08-09 | Hitachi Ltd | Orifice for highly stabilizing bwr |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE3662572D1 (en) | 1989-04-27 |
JPS61284696A (ja) | 1986-12-15 |
EP0205162B1 (en) | 1989-03-22 |
EP0205162A2 (en) | 1986-12-17 |
EP0205162A3 (en) | 1987-10-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |