JPH08271639A - 粒子の微小軸合わせ装置、検出器、および粒子の検出方法、ならびに軸合わせ装置の製造方法および使用 - Google Patents

粒子の微小軸合わせ装置、検出器、および粒子の検出方法、ならびに軸合わせ装置の製造方法および使用

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JPH08271639A
JPH08271639A JP8047733A JP4773396A JPH08271639A JP H08271639 A JPH08271639 A JP H08271639A JP 8047733 A JP8047733 A JP 8047733A JP 4773396 A JP4773396 A JP 4773396A JP H08271639 A JPH08271639 A JP H08271639A
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JP
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micro
particle
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JP8047733A
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English (en)
Inventor
Christian Ngo
クリスチャン・ニョ
Thierry Pochet
ティエリー・ポシェ
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Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Original Assignee
Commissariat a lEnergie Atomique CEA
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/02Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating using diaphragms, collimators
    • G21K1/025Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating using diaphragms, collimators using multiple collimators, e.g. Bucky screens; other devices for eliminating undesired or dispersed radiation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の中性子束の測定においては、フラグメ
ントの角度分布により定量性が妨害されていた。特に、
低エネルギ領域においては、バックグラウンドノイズの
影響を分離することが困難であった。 【解決手段】 入射粒子の微小軸合わせ装置であって、
微小孔18の配列を備えて構成され、微小孔18は、数
μmから数mmの範囲の厚さの絶縁性シート15に、約
1μmの直径でもって、ランダムに開けられ、かつ、平
行に揃えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子の微小軸合わ
せ装置、検出器、および粒子の検出方法に関するもので
あり、また、軸合わせ装置の製造および使用に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】中性子は、中性の粒子である。中性子
は、従来の検出器では直接的には検出することができな
い。なぜなら、従来の検出器は、検出されるべき粒子が
通過する際に生成される電荷を集めることにより機能す
るものであるからである。中性子の検出には、1つある
いはそれ以上の荷電粒子を生成することにより、中性子
の存在を知らせるコンバータが必要である。電荷集積原
理により作動する検出器においては、荷電粒子が、中性
子の存在を検出することを可能とする。
【0003】本発明は、半導体検出器あるいはガスに基
づいた検出器を利用した熱中性子のパルス的な検出に関
するものである。熱中性子の検出は、重要な問題であ
り、特に、原子炉の作動の観測に際しては重要な問題で
ある。このパルス的な検出は、コンバータにおけるエネ
ルギ損失、および検出器における荷電粒子の到達角度と
関連した問題をもたらす。
【0004】熱中性子の荷電粒子への変換は、大きな断
面積を有するいくつかの核反応により引き起こすことが
できる。以降においては、最も広く利用されている反応
を参照する。しかしながら、本発明は、例えば熱中性子
あるいは類似物から、荷電粒子を生成するいかなる核反
応とも関連している。 10B + n → 4He + 7Li +2310keV 熱中性子に対するこの反応の断面積は、3900barns
である。 3He + n → 1H + 3H +764keV 熱中性子に対するこの反応の断面積は、特に大きなもの
であり、5400barns である。ヘリウムは、気体であ
るので、コンバータは、圧力が高いときには、ワイヤに
より支持された2枚の薄いシート間に閉じ込められなけ
ればならない。ヘリウムは、 3Heの濃度を高めたもの
を使用しなければならない。なぜなら、通常の同位体組
成におけるこの同位体の比率は、わずか0.1%である
からである。 235U + n → F1 + F2 + xn +194MeV 熱中性子に関する断面積は、相対的に小さい(580 b
arns)けれども、放出されるエネルギが非常に大きく、
また、フラグメントが重い。このことは、フラグメント
を10ないし20μmのプラスチックにより容易に遮蔽
し得ることを意味している。通常のウランにおいては、
235Uの含有量は、わずか0.7%であることを指摘し
ておく。
【0005】以下においては、本発明を説明するため
に、最初の反応(10B+n → 4He+7Li)について
説明する。しかしながら、本発明は、ここでは詳細に説
明しないすべての他の反応に対して適用可能である。
【0006】図1に概略的に示す装置は、半導体検出器
10である。半導体検出器10は、例えば、結晶シリコ
ンあるいはアモルファスシリコンであり、その上には、
コンバーター11をなす10Bの薄膜コーティングが既に
形成されている。10Bによる熱中性子の大きな捕獲断面
積により、中性子束を2つの荷電フラグメントに変換す
ることが可能とされる。この場合、2つの荷電フラグメ
ントとは、1.47MeVの 4Heと、0.84MeV
7Liとであり、これらは、互いに180゜をなす向
きに放出される(図においては、2つのフラグメント
は、F1およびF2で示されている)。10B中における
4He(ヘリウム)および 7Li(リチウム)の飛程
は、3.6μmを超えることはない。したがって、薄膜
の膜厚を3.6μmより大きくすると、全く役に立たず
無意味である。なぜなら、フラグメントは、もはや検出
器に到達することができなくなり、ホウ素の膜中に留ま
ることになるからである。
【0007】熱中性子の捕獲は、大きな断面積により支
配されたランダムなプロセスである。2つのフラグメン
トF1、F2は、互いに180゜をなす向きに放出され
る。これは、これら2つのフラグメントF1、F2のう
ちの一方のみが、半導体検出器を含む側の半空間内に放
出されることを意味している。したがって、最もうまい
方法は、放出される2つのフラグメントのうちの一方の
みを、検出器が検出し得ることである。2つのフラグメ
ントが放出される角度分布は、10Bと中性子とにより形
成される系の質量中心の参照フレーム内において等方的
である。熱中性子の小さな運動エネルギ(1/40e
V)を考慮すると、前出の参照フレームは、実験室の参
照フレームと一致する。これは、2つのフラグメント
が、互いに180゜をなす向きに放出されるからであ
る。検出器に到達するフラグメントの放出角度は、ラン
ダムな特性(検出器に対して直交して入射する場合を9
0゜としたときに、0〜180゜にわたった特性)を示
すこととなる。コンバーター内におけるフラグメントの
放出位置は、また、ランダムな特性を示すこととなり、
この状況は、図2に概略的に示されている。
【0008】パルス的な操作の場合には、熱中性子は、
半導体検出器内において、0あるいは180゜に近い角
度でのフラグメントの放出に対応した非常に小さな値か
ら、検出器の入射面に対して90゜に近い角度での放出
に対応した最大値にまで強度が変化する信号を与える。
パルス強度のこのような変化は、連続的である。そし
て、小さな測定値については、中性子に基づく信号を、
検出器のバックグラウンドノイズに基づく信号から分離
することは困難である。これは、前記検出器が、例えば
アモルファスシリコンのようなフィルムから形成されて
いる場合には、重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半空間内に放出される
フラグメントの放出角度に関する前記記載を定量的に表
現するために(この場合、エネルギ損失の問題は無視さ
れている)、図3に、検出器の直交方向に対して角度θ
をもって放出されるフラグメントの割合を示す。ここ
で、θ=0は、検出器の入射面に対して垂直な放出に対
応しており、一方、θ=90゜は、検出器の入射面に対
して平行な放出に対応している。コンバーター内におい
て放出されたいくつかのフラグメントは、検出器内に適
切な信号を与えることがわかる。しかしながら、結果的
なエネルギスペクトルは、上述のように、0から最大値
にわたって変化する。コンバーター内におけるエネルギ
損失が考慮されれば、前記効果は強調され、観測される
スペクトルは、図4に示す形態を有することになる。し
たがって、いかなる定量的な測定もが、前記効果により
大きく妨害されている。特に、低エネルギ領域において
は、低エネルギフラグメントによるスペクトルへの寄与
を、検出器あるいは電子部品回りからのバックグラウン
ドノイズによるスペクトルへの寄与から分離すること
は、困難である。電流による操作が使用されたとき、す
なわち、高中性子束に対しては、この効果を平均的に考
慮した検出器による注意深い検出が可能である。この場
合には、平均の中性子束を測定することができる。パル
ス的な操作に関しては、これができない。したがって、
図4に示すように、カウント率(dn/de)は、検出
される物質の運動エネルギが増加するときには大きくか
つ連続的に増加する。そして、電子的なスレッシュホー
ルドは、大きなエラーにつながる。というのは、外部状
況に依存するからである。スレッシュホールドが少し変
化すると、カウント率が大きく変化することになる。ア
ドバンスドシグナルプロセッシング法(advancedsignal
processing method)により、信号の分離を推測する
ことも、また、困難である。というのは、それらは、す
べて同じタイプであるからである。
【0010】本発明は、これら欠点を除去することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、入射粒子の微
小軸合わせ装置に関するものであって、微小孔の配列を
備えて構成され、微小孔は、数μmから数mmの範囲の
厚さの絶縁性シートに、約1μmの直径でもって、ラン
ダムに開けられ、かつ、平行に揃えられている。
【0012】絶縁性シートは、プラスチックから、例え
ば、ポリカーボネート、カプトン、あるいはポリイミド
からなることが有利である。絶縁性シートは、また、劈
開されたマイカとすることもできる。より一般的には、
絶縁性シートは、大きなイオンの衝突によりレイテント
トレースあるいはトラックを形成し得る材料から構成す
ることができる。孔の密度は、108/cm2以下であ
る。
【0013】本発明は、また、粒子検出器に関するもの
であって、荷電粒子の生成を可能とする粒子のコンバー
ターと、微小軸合わせ器の配列と、荷電粒子の検出器と
を具備してなり、微小軸合わせ器は、各々が数μmから
数mmの範囲の厚さの絶縁性シートに、約1μmの直径
でもって、ランダムに開けられ、かつ、揃えられてい
る。
【0014】コンバーターにおける捕獲断面積あるいは
変換断面積は、絶縁性シートの捕獲断面積あるいは変換
断面積を超えることが有利である。例示された実施形態
においては、コンバーターは、ホウ素層を備えている。
荷電粒子の検出器は、単結晶半導体、多結晶半導体、あ
るいはアモルファス半導体、または、ガス検出器であ
る。粒子は、熱中性子、中性子、あるいはフォトンとす
ることができる。
【0015】本発明は、また、粒子の検出方法に関する
ものであって、粒子検出器における前記装置を、粒子を
電気的に帯電したフラグメントへと変換するための層
と、荷電粒子の検出器との間に配置する。検出されるべ
き粒子は、熱中性子、中性子、あるいはフォトンとする
ことができる。本発明は、また、他の中性粒子、例え
ば、集合体(aggregates)あるいは原子に適用可能であ
る。この方法は、パルス的なカウントモードにおいて、
微小軸合わせ装置を適用し、荷電粒子の検出器において
集められた信号に対して処理を施すことなしに達成され
る。
【0016】本発明は、また、空間中に大きな立体角で
もって放出される他の粒子を検出することに使用される
ことを意図したものである。この目的のためには、孔を
通り抜けないものについては、微小軸合わせ器の配列に
より阻止され得る運動エネルギであることが必要であ
る。この観点からは、本発明の装置は、装置の表面に対
して実質的に垂直に到達する粒子の通過のみを許容する
ものであり、方向性フィルタとして機能している。この
場合のフィルタリングは、また、カウント率の大きな減
衰を伴っている。なぜなら、粒子の一部だけが選別され
るからである。この観点からは、装置は、また、カウン
ト率の減衰器として機能している。
【0017】本発明は、また、微小軸合わせ装置を製造
する方法に関するものであって、プラスチックシート
に、大きなイオンのビームを衝突させる工程を具備して
いる。大きなイオンは、少なくともクリプトンの質量を
有する放出体であることが有利である。粒子束は、粒子
数が約5×107個/cm2である。変形例においては、
この製造方法は、リソグラフィーを使用した製造工程を
具備している。
【0018】微小軸合わせ器の配列は、(大きなイオン
の衝突により、あるいは、リソグラフィーにより、)多
量に生成され、それらにより、粒子が電荷を帯びている
かどうか(イオン、原子等)にかかわらず、粒子の軸合
わせが可能とされている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、従来の半導体検出器を示
す図である。図2は、図1内に示すコンバーターにおけ
るフラグメントの放出位置を示す図である。図3は、図
1の検出器に対する直交方向から角度θをもって放射さ
れるフラグメントの割合を示す図である。図4は、図1
に示す検出器を使用した場合に観測されるスペクトルを
概略的に示す図である。図5は、本発明の検出器を分解
して示す図である。
【0020】本発明においては、中性子のコンバーター
16からのフラグメントの軸合わせを行う目的で、絶縁
性シート15に形成された孔を利用することを提案して
いる。この場合、孔は、ランダムに開けられており、か
つ、同じ向きに揃えられている。絶縁性シート15は、
例えば、劈開されたマイカ、あるいは、プラスチックか
らなるものである。前記目的を達成するために、シート
15は、図5に分解図で示すように、コンバーター層1
6と検出器17の入射面との間に配置されている。この
シートに形成されている孔18は、約1μmである。シ
ート15の厚さは、コンバーターにより放出されるフラ
グメントの性質およびエネルギの関数として、数μmか
ら数mmの範囲の中から選択される。よって、熱中性子
に対して提案された方法は、また、任意の粒子のコンバ
ーターに対して応用することができる。この場合、任意
の粒子のコンバーターの捕獲断面積あるいは変換断面積
は、プラスチックシートのそれよりも大きいものとされ
ている。約1μmの孔を有するプラスチックシートは、
2つの機能を有している。1つは、微小孔により入射粒
子の軸合わせを行うことができることである。検出器に
対して実質的に垂直に放出された粒子だけが、孔を通り
抜ける。ある程度までは、孔の深さにより、前記開口角
を変化させることができる。孔が開けられたシートの第
2の機能は、微小孔内に正確に入射しない粒子を吸収す
ることである。これにより、微小孔により限定された角
度を超える入射角度をもって放出されたフラグメントを
除去することができる。シートを挟むことにより、図4
に示すエネルギスペクトルから高エネルギ部分を抽出す
ることになる。よって、測定が正確になされ、熱中性子
束が測定される。
【0021】したがって、この軸合わせ装置は、入射荷
電粒子に対する方向選択器として機能する。微小孔を通
過する粒子の数は、割合として、入射粒子のうちの一部
である。よって、装置は、また、カウント率減衰機能を
有している。
【0022】入射粒子の方向を選択するために、1つあ
るいは複数の軸合わせ器を使用することは、明らかに新
規なことではない。軸合わせ器は、通常、孔開けにより
あるいは機械加工により形成される。この方法は、巨視
的な寸法を有する軸合わせ器を製造するには、完全であ
る。しかしながら、これは、約1μmの寸法の程度にま
で応用することはできない。本発明は、検出器の分野で
は通常使用されない方法によるそのような軸合わせ器の
製造を提案するものである。したがって、それらを適切
な運動エネルギを有する大きなイオンのビームにより製
造することが課題となる。各々の大きなイオンは、ドリ
ルとして機能し、材料中に欠陥を生成する。そしてこの
ような欠陥が、化学的な処理により微視的な寸法での孔
へと変換される。
【0023】プラスチック(ポリカーボネート、カプト
ン、ポリイミド等)からなるシートにランダムに配置さ
れた微小孔を形成するために、最も単純な方法は、プラ
スチックシートに、加速器からの、あるいは、例えば
252Cfのような分裂フラグメント源からの大きなイオ
ンのビームを照射することである。材料中での大きなイ
オンの減速は、入射イオンの運動エネルギが1核子につ
き約0.1MeVよりも小さいときには、原子核の減速
に引き続いて起こる、電荷を生成する電子の減速を伴っ
て始まる。絶縁性材料中および付加的な半導体材料中に
おける減速の際には、イオンは、直径が約10nmであ
るレイテントトレース(latent trace)あるいはトラッ
ク(latent track)を作り出す。このレイテントトレー
スの周囲には、大きなイオンの減速の際に分離する電子
(デルタ電子)の放出により引き起こされるハロー(ha
lo)が形成されることになる。ハローの直径は、約1μ
mである。レイテントトレースを化学的に処理すること
により、約1μmの直径の孔が得られる。
【0024】従来のリソグラフィー法と比較して、大き
なイオンの興味深い点は、大きなイオンの各々がレイテ
ントトレースを作り出すことにあり、レイテントトレー
スは、幾何形状が揃っており、化学的な処理の後には、
約1μmの孔を得ることを可能とする。イオンが大きい
ほど、材料中でのイオンの飛跡は、より直線的となり、
また、よく揃ったものとなる。実用上は、少なくともク
リプトンの質量を有する投射物により孔を作る必要があ
る。エッチングにおける大きなイオンの使用は、フォト
ンあるいは電子の使用とは、大きく異なっている。すな
わち、フォトンあるいは電子を使用する場合には、レイ
テントトレースの形成には、複数の電子あるいは粒子の
関与が要求される。よって、フォトン(可視光、紫外
光、X線、あるいは、γ線)の場合には、マスクが必要
である。電子に対しては、電子が電荷を帯びていること
から、それらの制御を予想することができる。限られた
厚さまでに対しては、従来のリソグラフィーにより、秩
序だてて配置された孔を作ることができる。しかしなが
ら、大きな厚さが要求された場合、あるいは、孔の分布
をランダムにすることを要求された場合になってしまっ
たときには、大きなイオンがより適している。
【0025】シート内に作り出され得る孔の数は、入射
束に依存している。典型的には、108 個/cm2 の孔
の密度が、超えることのできない最大値である。これ
は、粒子加速器の能力よりも小さいものである。そのよ
うな孔の密度であると、孔数に孔の1つあたりの面積を
積算したものとして定義される有孔率は、0.785で
ある。この大きな値は、重なりあっている孔を有する確
率がゼロではないことを意味している。しかしながら、
これは、小さな欠点でしかなく、たとえいくつかの孔が
重なりあっていたとしても、孔は、鉛直に近いフラグメ
ントに対してなおある角度を形成する。粒子数が例えば
5×107 個/cm2 のような、より少ない束は、この
重なり確率を大きく減少させ、有孔率は、0.4に留ま
る。
【0026】孔の深さは、入射イオンのエネルギとサイ
ズに依存する。核子あたり約1MeVの運動エネルギレ
ベルに対しては、深さは、約10μmとなる。大きなイ
オンを利用することの利点は、大きなエネルギ動力学を
有し得ることであり、それによって、孔の深さを制御し
得ることである。その場合でも、コストは、なお適切な
レベルに維持される。
【0027】次に、これら微小軸合わせ器の開口角、お
よび、検出時における効率について説明する。孔の直径
を1μm、深さを10μmと仮定する。開口角は、5.
7゜であり、これは、立体角では、0.03srに対応
するものであって、全空間の0.25%に対応してい
る。この狭い開口は、コンバーターと検出器とが微小軸
合わせ器を介して隔離されていない場合と比較して、カ
ウント率を大きく低減させる。しかしながら、検出され
る粒子は、完全に正体の知れたものであり、バックグラ
ウンドノイズからは、分離されている。この狭い開口角
は、また、パルスモードにおいて、微小軸合わせ器がな
い場合と比較して、ずっと大量の束を測定し得るという
利点も有している。すなわち、中間状況下での中性子束
(10-6〜109 個/cm2 /sの中性子数)の測定を
行い得るという利点を有している。この場合、軸合わせ
装置は、また、減衰機能を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の半導体検出器を示す図である。
【図2】図1内に示すコンバーターにおけるフラグメン
トの放出位置を示す図である。
【図3】図1の検出器に対する直交方向から角度θをも
って放射されるフラグメントの割合を示す図である。
【図4】図1に示す検出器を使用した場合に観測される
スペクトルを概略的に示す図である。
【図5】本発明の検出器の分解斜視図である。
【符号の説明】
15 絶縁性シート 16 コンバーター 17 検出器 18 孔(微小孔)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射粒子の微小軸合わせ装置であって、 微小孔の配列を備えて構成され、該微小孔は、数μmか
    ら数mmの範囲の厚さの絶縁性シートに、約1μmの直
    径でもって、ランダムに開けられ、かつ、平行に揃えら
    れていることを特徴とする粒子の微小軸合わせ装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性シートは、大きなイオンの衝
    突によりレイテントトレースを形成し得る材料からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の微小軸合わせ装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性シートは、プラスチックから
    なることを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性シートは、ポリカーボネー
    ト、カプトン、あるいはポリイミドからなることを特徴
    とする請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性シートは、劈開されたマイカ
    からなることを特徴とする請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記孔の密度は、108/cm2以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】 荷電粒子の生成を可能とする粒子のコン
    バーターと、微小軸合わせ器の配列と、荷電粒子の検出
    器とを具備してなり、 前記微小軸合わせ器は、各々が数μmから数mmの範囲
    の厚さの絶縁性シートに、約1μmの直径でもって、ラ
    ンダムに開けられ、かつ、平行に揃えられていることを
    特徴とする粒子検出器。
  8. 【請求項8】 前記コンバーターにおける捕獲断面積あ
    るいは変換断面積が、前記絶縁性シートの捕獲断面積あ
    るいは変換断面積よりも大きいことを特徴とする請求項
    7記載の検出器。
  9. 【請求項9】 前記コンバーターが、ホウ素層を備える
    ことを特徴とする請求項7記載の検出器。
  10. 【請求項10】 前記荷電粒子の検出器が、単結晶半導
    体、多結晶半導体、あるいはアモルファス半導体、また
    は、ガス検出器であることを特徴とする請求項7記載の
    検出器。
  11. 【請求項11】 前記粒子が、熱中性子、中性子、ある
    いはフォトンであることを特徴とする請求項7記載の検
    出器。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の微小軸合わせ装置を、
    粒子を電気的に帯電したフラグメントへと変換するため
    の層と、荷電粒子の検出器との間に配置することを特徴
    とする粒子の検出方法。
  13. 【請求項13】 前記粒子が、熱中性子、中性子、ある
    いはフォトンであることを特徴とする請求項12記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 パルス的なカウントモードにおいて、
    前記微小軸合わせ装置を利用し、前記荷電粒子の検出器
    において集められた信号に対して処理を施すことをしな
    いことを特徴とする請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の入射粒子の微小軸合わ
    せ装置を製造する方法であって、 プラスチックシートに、大きなイオンのビームを衝突さ
    せる工程を具備することを特徴とする軸合わせ装置の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 前記大きなイオンは、少なくともクリ
    プトンの質量を有する放出体であることを特徴とする請
    求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記粒子束は、粒子数が約5×107
    個/cm2であることを特徴とする請求項15記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の入射粒子の微小軸合わ
    せ装置を製造する方法であって、 リソグラフィーを使用した製造工程を具備することを特
    徴とする軸合わせ装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記大きなイオンの衝突により、ある
    いは、リソグラフィーにより、微小軸合わせ器の配列が
    多量に生成され、それらにより、粒子が電荷を帯びてい
    るかどうかにかかわらず、粒子の軸合わせが可能とされ
    ていることを特徴とする請求項15記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記大きなイオンの衝突により、ある
    いは、リソグラフィーにより、微小軸合わせ器の配列が
    多量に生成され、それらにより、粒子が電荷を帯びてい
    るかどうかにかかわらず、粒子の軸合わせが可能とされ
    ていることを特徴とする請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の微小軸合わせ器の配列
    の、異なる入射角度を有する粒子の選別器(方向性フィ
    ルター)としての使用。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の微小軸合わせ器の配列
    の、入射ビームの減衰器としての使用。
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