JP4599504B2 - X線用コリメータ、その製法、x線検出装置及びx線入射場所の決定方法 - Google Patents

X線用コリメータ、その製法、x線検出装置及びx線入射場所の決定方法 Download PDF

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Description

この発明は、X線用のコリメータ、このX線用のコリメータ及びCCD(電荷結合デバイス)を用いてX線を検出する装置、及びCCD画素内のX線入射信号応答分布を正確に測定することのできるX線入射場所の決定方法に関する。
X線天文学では、人工衛星に搭載されたX線検出装置で観測が行なわれており、その装置のセンサーとしてX線用CCDの開発が近年進められている。
X線用のCCDセンサーは10μm角程度の小さい画素が2次元に多数並んだ撮像素子であるが、その応答は素子内でもむらが存在するため、応答の位置依存性やエネルギー依存性を決めることが重要である。その目的で、画素サイズよりも細いX線ビームを局所的に照射する目的のX線マルチコリメータ(メッシュ)が必要不可欠となっている。
従来は、このメッシュに金箔のコリメータが用いられてきた(非特許文献1)。しかし、金箔のコリメータは厚くて10μm程度、穴の径は小さくても2〜3μm程度が現在のところ技術的な限界である。これは、現在開発が行われている高解像度かつ高エネルギーX線用のCCDには穴の径が大き過ぎ、また厚みも不足で、エネルギーが10keV以上のX線では透けるためにコリメータの役をなさない。
種々の絶縁性の固体は一般に、重イオンなどの放射線の入射を、エッチング処理により飛跡孔として検出できることが知られている。飛跡孔の生成過程の原理は次の通りである: 固体に重イオンが入射すると、その軌道に沿って直径約10nm程度の潜在的な放射線損傷が半永久的に残る。この損傷部分は適当なエッチング液により周囲よりも速く溶解され、可視サイズの円錐状の飛跡孔に成長する。入射粒子の軌道上で溶ける速さと、損傷の無い周辺部が溶ける速さの比は感度または応答と呼ばれ、軌道近傍に限った放射線損傷の単調増加関数で近似的に表される。また、エッチング過程の簡単な幾何学的考察から、飛跡孔の円錐の半頂角との間には一定の関係があり、円錐の傾きは、粒子の入射角と一致することが容易に導かれる。
入射粒子が平板状の固体を貫通した場合には、円錐状の飛跡孔は固体の両面で成長するので、エッチングを十分に進めれば2つの飛跡孔はやがて繋がって貫通孔を生ずる。
この性質を利用して、実際にポリカーボネート系のプラスチックであるCR−39が、高感度でユニークな放射線モニタとして産業的に用いられている他、様々なプラスチックが研究されてきており、特殊なフィルターへの応用などが考えられている。
一方、ガラスについては、バリウムリン酸ガラスの一種であるBP−1というガラスが1988年に米国カリフォルニア大学バークレー校のグループにより開発され(非特許文献2)、宇宙物理学や原子物理学、原子核物理学の研究において重イオンの検出に用いられてきた。
BP−1は、Pが65wt%、BaOが25wt%、NaOが5wt%、SiOが5wt%という成分比を持つ特殊なガラスで、感度の高さはCR−39には及ばないものの、ガラスの中では著しく感度が高く、飛跡形状のばらつきが少なく、粒子弁別能も高いという優れた特長がある。熱や真空など使用環境の影響も受けにくく安定であることから、人工衛星による宇宙線観測などの基礎科学を中心に、UCB及び関係する一部の研究者の間でのみ利用されてきた。しかし、現在のところ、この基礎科学以外には殆ど用いられておらず、新たな応用は未開拓のままである。
一方、X線入射場所の決定方法に関しては、一般的に、図1に示すように、画素サイズよりも十分小さい直径数μm〜数百μmの微細孔を開けたX線遮蔽板(コリメータ)を2次元ピクセル型検出器の直前に置き、コリメータを介してX線が検出器に入射するように設置し、検出器をX−Yステージ等の二次元平面で移動可能な制御台に乗せた構成が用いられる。この検出器においては、ある地点での信号を記録した後に、検出器を微小距離移動させて固定し、同様の信号検出を行い、この測定を繰り返すことで、X線入射位置を一画素内でスキャンニングして、出力信号の変化を測定し、ある画素からの出力信号がX線の入射位置に依って変化する様子を実測することができる。
2次元ピクセル型検出器の中で、十μm程度の微小画素が数百万個並ぶCCDにおいて、測定効率を大幅に向上させるために、微細孔を周期的に多数開けたマルチコリメータ(メッシュ)を用いて、検出器を動かすことなく一画素内の様々な個所をコリメートすることを実現する手法が開発された(特許文献1、2)。
この技術の概念図を図2(1)に示す。X線はメッシュの微細孔を通過した場合にしか検出器に到達しないので、X線入射位置は微細孔の径2μmまで小さくできる。更に、周期的に配置した微細孔と周期的に並んだCCDピクセルとの回転角θを微小に設けることで、各々の微細孔がコリメートする画素内領域が逐次変化していくので、全画素からのデータを用いることで、画素内の様々な領域にコリメートした場合の出力信号を調べることができる(2次元スキャンニング)。また、回転角θにより2種類の量子化された周期構造の相関に特徴的なモアレパターンが生じるため、得られたモアレパターンを利用して、実際の回転角、0.001程度のシリコンと金属の熱膨張率の違いに依る周期の差をパラメタライズし、メッシュ金属平面上の全ての微細孔(格子点)の位置を決めることができる。
従来は、このメッシュとして金箔のコリメータが用いられてきた(特許文献1、2)。しかし、金箔のコリメータは厚くて10μm程度、穴の径は小さくても2〜3μm程度が現在のところ技術的な限界であるため、現在開発が行われている高解像度かつ高エネルギーX線用のCCDには穴の径が大き過ぎ、また厚みも不足で、エネルギーが10 keV以上のX線では透けるためにコリメータの役をなさない。
特開平11−311679 特開平10−260260 J. Hiraga, Ph.D thesis, Osaka University (2002) S.-C. Wang et al., Nucl. Instrum. and Meth., B35 (1988) 43.
現在のX線天文学における標準的な検出器であるX線CCDは、X線光子を直接検出でき、撮像と同時に優れたエネルギー分解能を併せ持つ優れた検出器である。しかし、更に10keV以上の硬X線の撮像分光が可能なCCDを開発するためには、検出器素子内部での信号生成過程を詳細に把握することが、宇宙X線に対する精密な応答を決定する上で非常に重要になる。
X線用のCCDセンサーは10μm角程度の小さい画素が2次元に多数並んだ撮像素子であるが、その応答は画素内で決して一様ではない。画素という単位でしか信号を取得できないCCDにとって、ある画素からの出力信号はX線の画素内入射位置に依存して変化する。これは、X線光子がCCDに入射した際に生成される信号電荷群が有限の広がりを持つことに起因するものであり、電荷群の広がり、形状を実測するためには、X線の入射位置をCCDの画素サイズより高い精度で制御することが必要である。
本発明は、穴径が約10nm〜10μm、厚みが約100μm以上であるX線用のコリメータを提供し、微細な画素が2次元周期的に並ぶX線ピクセル検出器(CCD等)において、X線入射位置をミクロン〜ナノスケール(画素サイズの1/10−1/100)の高精度で制御し、一画素内の様々領域における信号応答分布を実測(2次元スキャンニング)する方法及びその装置を提供する。
発明者は、固体飛跡検出器として用いられている、バリウムリン酸ガラスの一種であるBP−1について、重粒子の飛跡貫通孔を利用すれば、従来の金箔のコリメータの欠点を解決した新しいコリメータを製作できると考えた。
BP−1はガラスであるため、母材の厚みを数mm厚と十分厚くすることはたやすい。また、X線を吸収するには原子番号の大きな素材が有利であるが、BP−1中には原子番号が56のバリウムが約25wt%と多く含まれているため、実用上十分高いX線吸収能が見込まれる。
さらに、重粒子の飛跡貫通孔の形状は、過去の電子顕微鏡での観察により、数10nmサイズまで原理的に十分に高い精度で断面が真円で、かつ、入射重粒子の軌道の直線精度で真っ直ぐに形成されることがわかった。
本発明者らは、この軌道をエッチングすることによって貫通孔形成させ、この貫通孔を有するBP−1板がコリメータとして利用できることを見出し、本発明を完成させた。
更に、従来のマルチコリメータは、微細孔が既知の周期で開いていたので、モアレパターンのユニットセルの大きさと傾きからメッシュとCCDとのアライメントを決めることができたが(特許文献1、2)、本発明のコリメータを用いて、その各々の微細孔がCCD一画素内のどこに配置されたかを正確に知ることにより、ランダムに微細孔が分布したマルチコリメータをCCD画素内詳細診断に活用することができる。そのため、まずマルチコリメータ上の全ての微細孔の二次元位置情報を高速顕微鏡装置を用いてデータベース化しておき、これと独立にX線CCDで得られたX線画像と相関処理を行うことにより全ての微細孔の検出器上での位置を決定し、X線の入射位置をCCDの画素サイズより高い精度で測定することを可能とした。
即ち、本発明は、略厚さ方向に、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴を少なくとも一つ有する厚さが100μm以上の板からなり、材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであるX線用コリメータである。
更に、本発明は、材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであり、厚さが100μm以上である板に垂直方向に重イオンビームを照射し、照射された板をエッチングすることから成る、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴を少なくとも一つ有するX線用コリメータの製法である。
また、本発明は、材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであり、合計の厚さが100μm以上である複数枚の板に垂直方向に重イオンビームを照射し、照射された複数の板を個別にエッチングし、エッチング後の複数の板を、穴を同軸にして重ねることから成る、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴を少なくとも一つ有するX線用コリメータの製法である。
更に、この発明は、X線ビームを検知するCCD及びその直前に配置されたコリメータから成るX線検出装置であって、該コリメータが、略厚さ方向に、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴(微細孔)を多数有する厚さが100μm以上の板からなり、材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであって、該貫通穴が入射X線ビームに平行となるように配置されたX線検出装置である。
また、この発明は、このX線検出装置を用いてX線の入射場所を決定する方法であって、予め前記コリメータ上の全ての微細孔の二次元位置情報をデータベース化する段階、前記X線検出装置でX線を検出する段階、及び該微細孔の二次元位置情報と前記CCDで得られたX線画像との相関処理を行う段階から成るX線入射場所の決定方法である。




本発明のX線検出装置は、X線入射位置をμm〜nmスケール(画素サイズの1/10〜1/100)の高精度で制御し、一画素内の様々な領域における信号応答分布を実測(2次元スキャンニング)することが可能である。
本発明のX線検出装置を用いることにより、CCD表面に実装された電極等の不感層による検出効率の画素内非一様性の検証や、入射X線光子によりCCD内部で生成される電荷群の広がり形状の実測が可能である。
X線用コリメータとは、X線に対してその流束を一部遮ることで指向性を持った流束を得るための道具をいう。
本発明で用いるコリメータの材質は、BaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであり、対象とする放射線を遮蔽し、入射粒子の軌道上で溶ける速さと、損傷の無い周辺部が溶ける速さに差がある。このガラスについては、BP−1というガラスが1988年に米国カリフォルニア大学バークレー校(UCB)のグループにより開発され(S.-C. Wang et al., Nucl. Instrum. and Meth., B35 (1988) 43.)、宇宙物理学や原子物理学、原子核物理学の研究において重イオンの検出に用いられてきた。
BP−1は、Pが65 wt%、BaOが25 wt%、NaOが5 wt%、SiOが5 wt%という成分比を持つ特殊なガラスで、ガラスの中では著しく感度が高く、飛跡形状のばらつきが少なく、粒子弁別能も高いという優れた特長がある。熱や真空など使用環境の影響も受けにくく安定であることから、いままで人工衛星による宇宙線観測等の基礎科学を中心に、UCB及び関係する一部の研究者の間でのみ利用されてきた。
図3(1)に、本発明のコリメータの断面の模式図を示す。形状を見やすくするために、横軸に対して縦軸を詰めてある。例えば、1mm厚のBP−1ガラスに、核子当たり100MeVのエネルギーでXeビームを照射し、適切な化学エッチングを施して貫通孔を生じさせることができる。この図から分かるように、貫通部分の断面は「つづみ」型に成長し、コリメータに利用することができる。
このコリメータの厚さは100μm以上であり、貫通穴の最狭部の穴径は10nm〜10μm、好ましくは10nm〜1μmである。
具体的にコリメータを製作する手順は以下の通りである。
(1)材料板の準備
BP−1などの材料板を平板などの必要な形状に切断し、表面の研摩を行なう。この板の厚さは、1μm〜100mm、好ましくは1μm〜5mmである。この厚さにより、効果的にX線を遮断できる。材質は、BaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであり、好ましくはBP−1である。原子番号がなるべく大きな元素が含まれていることが望ましい。
(2)重イオンビーム照射
放射線医学総合研究所などで利用できる、Xeなどの重イオンビームを材料板に照射する。ビームのエネルギーは、板を突き抜けるだけの飛程を持ち、同時に一定以上の十分な放射線損傷を材料板に与えるものであればよい。BP−1の場合は、Feビームはエネルギーによらず不十分で、Xeの80MeV/nのビームなどが必要である。
以下の重イオンビームが好ましい。
・重イオンの種類:
陽子(原子番号=1)〜ウランイオン(原子番号=92)、好ましくは、キセノンイオン(原子番号=54)〜ウランイオン(原子番号=92)
・重イオンのビームエネルギー:
核子当たり1MeV〜核子当たり100GeV、好ましくは、核子当たり50MeV〜核子当たり1GeV
・照射角度: コリメートする放射線ビームの方向に沿った角度
・照射密度: 0.01個/cm〜10個/cm、好ましくは0.1個/cm〜10個/cm
(3)エッチング処理
HBF、HF、NaOHなどの濃溶液での十分な撹拌を施しながらの化学処理など、エッチングを行なう。エッチング処理は両表面のピットが内部で繋がるまで行なう。繋がった時点以降に更にどれほど処理を継続するかで貫通部分のサイズが決定される。
好ましいエッチングの条件は以下のとおりである。
水酸化アルカリ溶液(水酸化ナトリウム溶液など)
含フッ素強酸(フッ化水素酸、テトラフルオロホウ酸、好ましくはテトラフルオロホウ酸)
・エッチング液の濃度: 0.01%〜100%、好ましくは50%程度
・エッチング温度: −10℃〜200℃、好ましくは50℃付近
(4)基板の洗浄
・基板を洗浄液で洗浄し、エッチング液や副生物を完全に洗い流す。
なお、以上の説明は貫通穴を形成する例について説明したが、コリメータの用途によっては、穴が完全に貫通していなくても良い場合がある。即ち、板の両面から中心部に向け略厚さ方向にかつ同軸的に穴を有し、板の中心部において両方の穴が付き合わされる部分に未貫通部を有していてもよい。未貫通部分の厚さが薄ければ、実質的にX線を透過するため、穴が形成されていない部分のX線透過性との差でコリメータとして作用する。
また十分な厚みのコリメータが必要な場合には、図3(2)に示すように、複数枚の板を重ねた積層構造をとる。この場合、重ねた状態でビーム照射を行ない、化学エッチングは個別に適切な程度に行なう。これを後で元の位置に重ねれば、1枚板で製作する場合に比べて内部のテーパーを実質的に減らすことが可能である。
図4に本発明のコリメータの使用例を挙げる。
本発明のX線検出装置はX線ビームを検知するCCD及びその直前(CCDとX線源との間)に配置されたコリメータから成る。このCCDは2次元ピクセル型検出器であってもよい。
2次元ピクセル型検出器は、ほぼ同型(一般的には正方形)の検出器を2次元に複数並べたもので、並べられた検出器一つ一つをピクセル或は画素と呼ぶ。取得した信号がどのピクセルから得たものであるかを特定できるので、X線が入射したピクセルを知ることができる。故に、入射X線の位置情報を得ることが可能で、X線による「撮像」ができる。ただし、ピクセル単位でしか位置情報は得られないので、位置分解能はピクセルサイズとなる。
CCDは、薄型微小シリコン半導体検出器を2次元に多数並べた2次元ピクセル型検出器である。ピクセルサイズは、10〜100μm四角、ビクセル数は数万個〜数百万個である。1画素(ピクセル)は、3〜4種類の電極で覆われており、各電極は互いにオーバーラップし、一画素内表面は非常に複雑な構造を持つ。一枚のシリコンウェハに紫外線露光等で、ピクセルに切り分ける製造プロセスから、CCD一素子の中で、ピクセル毎の検出性能のバラツキは非常に小さい。
従来の金箔のコリメータは厚くて10μm程度、穴の径は小さくても2−3μm程度が現在のところ技術的な限界である。これは、高解像度かつ高エネルギーX線用のCCDには穴の径が大き過ぎ、また厚みも不足で、エネルギーが10keV以上のX線では透けるためにコリメータの役をなさない。コリメータとして役に立つエネルギーの上限は、コリメータの孔の開口率と母材のX線透過率で決まり、従来の金属メッシュの場合X線の透過率が10−4以下という条件に相当する。
図5に様々な母材のX線透過率を示す。銅、金と比較してBP−1ガラス製のマルチコリメータが20keVに至る高エネルギーX線まで十分に役に立つことが分かる。
本発明のX線検出装置の測定の様子を図2(2)に示す。即ち、X線ビームに対し垂直にCCDを配置する。CCDの受光面直前、CCD受光面と平行にコリメータガラスを適当に設置する。コリメータを介してX線をCCDで撮像する。CCDの画像はランダムにX線事象を検出したものに成る。これと、予め高速顕微鏡等で取得したコリメータの各微細孔の2次元位置情報のパターン照合を行い、CCD平面におけるコリメータ平面のアライメントを決める。パターンサーチの手法は、例えばもっとも原始的には、高速顕微鏡で検知したコリメータの位置情報をテンプレートパターンとし、CCDデータ画像をデータパターンとして、パターン同士の距離値の最小を求めるやり方がある。コリメータの各微細孔をCCD受光面に投影した平面をパラメタライズしたいので、座標変換に伴うパラメータ、基底ベクトルの拡大率、回転角θ、オフセットが決めるべきパラメータとなる。
以下、X線入射場所の決定方法を説明する。
まず高速顕微鏡装置などを用いて全ての微細孔の二次元位置情報をデータベース化する。得られたM(微細孔の数)の各点pi=(pixtemp, piytemp)の集合をPとし、テンプレートパターンと呼ぶ。各点の座標値はデータベース化を行う際に定義される任意の平面直交座標系(xtemp, ytemp)に従い、これをテンプレート座標系と呼ぶ(図6)。
次に、検出された「X線事象」をCCDデータから認定するためにはまず、その信号出力が事象閾値(Thevent)を超える画素を選択する。X線光子により発生する信号電荷は有限の広がりを持つため、信号電荷が一画素には収まりきらず、隣接する画素に漏れ込む場合が有る。そこで、選択画素を中心とした周辺8画素の信号出力を調べ、中心画素出力が局所極大(周辺より大きい)であれば、その画素を「X線事象画素」とする。当然ながら、X線事象の画素位置はCCD座標系に於いて整数値となる。局所極大画素と周辺8画素を含めた9画素からの信号出力の重心位置を計算する。
ここで、X線事象画素qi0は点qGiの整数部Int(qGi)となる。また、j=0−8はX線事象画素とその周辺8画素を示しており、画素指定番号は図7に示すとおりとする。
このように求めたN個のX線事象各々の点qi=(qixccd,qiyccd)の集合をQとし、データパターンと呼ぶ。各点の座標値はCCDの画素位置に相当するので、この平面直交系(Xccd,Yccd)をCCD座標系と呼ぶ。
テンプレート座標系とCCD座標系の変換は、5つのパラメータη=(α,β,θ,px0,py0)を用いて拡大・回転移動+平行移動を示す以下の式で表せる。
これを一つの変換行列で表記するため、便宜上、変換されるベクトルの次数を増やし、
を利用して、
と表す。この5つのパラメータで決まる変換行列をT(η)とする。
ここで、α,βはX,Y軸それぞれの単位ベクトルの拡大率、θは回転角、px0,py0は、テンプレート座標原点のCCD座標系に於けるオフセットである。
CCD座標系でのPを下式で表す。
ここで各要素は下式で与えられる。
コリメータのX線透過率が十分低い場合、CCDで検出されるX線は全てコリメータの微細孔を通過してきたX線であるとみなしてよい。言い換えるとQの各要素はPの要素の内の一つに対応するはずで、QとPとの要素の対応数が最も多くなるようなηが求めるべきコリメータとCCDとのアライメントを決める。尤もらしさの尺度としてはユークリッド距離二乗を用いる。すなわち、あるパラメータセットηに対して(数8)を計算し、Qの各々の要素に対して最も近いPの要素pminの距離の二乗の総和D(η)を識別関数とし、その最小値を与えるη0が求めるべきアライメントパラメータである。
パラメータが決まれば、下式から、CCD平面上での微細孔の位置が精密に求まる。
これを整数部(Int)と小数部(Frac)にわけ、小数部分が微細孔のCCD画素内での高精度位置となる。
この手法により、全ての微細孔のCCD一画素内での位置が分かり、X線入射位置と信号応答との関係を詳細に調べることができる。ランダムマルチコリメータを用いた装置の概念図を図2(2)に示す。
実際に、乱数を発生させて生成した疑似テンプレートパターンを用意し、予めアライメントパラメータη=(0.998, 0.998, 0.80, 0.0, 0.0)を定め、テンプレートパターンに記憶された微細孔が対応するCCDが画素にのみ事象が生成するようなシミュレーションを行った。画素数500×500、20,000個の微細孔がランダムに分布した場合を模擬している。シミュレーションにより得られたCCD画像は図8に示す通りまばらにX線事象を示す黒い点が点在するだけである(一部を拡大して表示)。この画像データをデータパターンとし、上記の手法により識別関数を計算し、2個のパラメータ、α,θに対する依存性を示したものが図9である。識別関数の最小値が一意に決まり、その値が予め定めた値と一致していることが確認できる。
本発明のX線検出装置の一例を図10に示す。ピクセル型検出器の直前又は直上にBP−1ガラス製マルチコリメータを配置する。平行X線ビームを照射し、CCDはコリメータを介してX線を検出する。実際は平行X線ビームを作るため、X線発生装置から水平に発生するX線ビームをコリメータを通してCCDに照射する。各微細孔は検出器一画素のどこかの領域をコリメートする。各々のコリメータに対応する画素の出力信号を一画素内の領域分布に焼き直すことで、X線の入射位置の画素内変化に伴う信号出力の変化を2次元的に調べることができる。微細孔の数密度はビーム強度で制御でき、数万個/cm程度である。この場合、一画素内を数万サンプリングで2次元スキャンニングしたことと等価の結果を得られる。ただし、ランダムに微細孔が分布しているので、隣り合う微細孔同士の距離がピクセルのサイズより小さい場合、一画素にコリメートする領域が複数生じてしまい、検出器の画素毎の情報からはどの微細孔に入った事象か判別できないので、こういった事象は捨てる。
少量のBP−1サンプルに放射線医学総合研究所にて重イオン加速器のXeビームを約80−100MeV/核子で照射し、高エネルギー加速器研究機構にて濃HBF液(濃度約49%、温度約50℃)を用いて約4日間の化学エッチング処理を行なった。その後基板を流水で24時間水洗した。これにより、微細な飛跡貫通孔の生成を実際に確認した。その写真を図11に示す。
図11の写真は、その典型的な貫通孔のひとつについて、ガラスの端面で横から撮影した数枚の写真をつないだものである。上下方向の板の厚みは約1,300μm、斜め矢印が示した最も細い「くびれ」の部分の内直径はφ1μm程度、表面の口径はφ20μm程度で、おおよそ計算通りであった。
(1)本発明のコリメータは超微細なX線用コリメータに利用できる。
・一般のX線検出器で、10KeV以上のX線に対する位置分解能の測定を伴う性能試験用。
・放射光について、10KeV以上のX線ビームを細く絞り、半導体製造技術などの種々のナノテクノロジーへ応用が可能である。
(2)更に本発明のコリメータは重イオンコリメータに利用できる。
・X線に対するコリメータ以外に、X線以外の重イオンビーム(α線等)のコリメータとしても使用できる。放射線医学総合研究所のマイクロビーム(α粒子、ビームエネルギーは約5MeV、ビーム径約φ10〜20μm)などの低エネルギー荷電粒子ビームは、BP−1などの固体中の飛程が数十μmと短いので、本コリメータを用いれば同ビームをさらに細く絞ることが可能であると思われる。これにより、細胞内の、より局所的な照射実験などが可能になり、結果的に生物・医学における研究の促進や、将来的には新しい治療技術に結びつくことも考えられる。
ナノサイズの正確なコリメータを製作するには、機械的な加工を用いることは非常に手間がかかるか、もしくは非常に困難なものと考えられる。これに対し、重粒子照射と化学エッチングを併せた本技術は、原理的に精度の高さを保証するものである点で本質的に優れていると考えられる。
二次元ピクセル型X線検出器に対する一般的なコリメータ試験手法を示す図である。 マルチコリメータを用いたX線検出方法を示す図である。(1)は従来のX線検出方法を示し、(2)は本発明のX線検出方法を示す。 BP−1板の貫通穴の断面の模式図を示す図である。(1)は一枚、(2)は数枚重ねたものを示す。 本発明のコリメータの使用例を示す図である。 様々な母材のX線透過率を示すを示す図である。縦軸は透過率、横軸は入射線のエネルギーを示す。 テンプレート座標系とCCD座標系との相対位置関係を示す図である。 X線事象の重心位置を計算する際の画素配置の定義を示す図である。 シミュレーションにより得られたCCDデータを示す図である。。ランダムマルチコリメータ上の微細孔を通過したX線事象の分布で、黒い小さい四角が一画素の大きさに対応している。 識別関数のパラメータ依存性を示す図である。縦軸は拡大率(α)、横軸は回転角(θ)を示す。この図はパラメータ決定の一意性を示している。 X線検出装置の一例を示す図である。 実施例1で作成したBP−1板の貫通穴の断面を示す図である。

Claims (8)

  1. 略厚さ方向に、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴を少なくとも一つ有する厚さが100μm以上の板からなり、材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであるX線用コリメータ。
  2. 前記バリウムリン酸ガラスがBP−1(成分:P 65wt%,BaO 25wt%,NaO 5wt%,SiO 5wt%)である請求項1に記載のX線用コリメータ。
  3. 材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであり、厚さが100μm以上である板に垂直方向に重イオンビームを照射し、照射された板をエッチングすることから成る、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴を少なくとも一つ有するX線用コリメータの製法。
  4. 材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであり、合計の厚さが100μm以上である複数枚の板に垂直方向に重イオンビームを照射し、照射された複数の板を個別にエッチングし、エッチング後の複数の板を、穴を同軸にして重ねることから成る、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴を少なくとも一つ有するX線用コリメータの製法。
  5. 前記バリウムリン酸ガラスがBP−1(成分:P 65wt%,BaO 25wt%,Na O 5wt%,SiO 5wt%)である請求項3又は4に記載の製法。
  6. X線ビームを検知するCCD及びその直前に配置されたコリメータから成るX線検出装置であって、該コリメータが、略厚さ方向に、最狭部の穴径が10nm〜10μmの貫通穴(微細孔)を多数有する厚さが100μm以上の板からなり、材質がBaOの含量が15〜30wt%であるバリウムリン酸ガラスであって、該貫通穴が入射X線ビームに平行となるように配置されたX線検出装置。
  7. 前記バリウムリン酸ガラスがBP−1(成分:P 65wt%,BaO 25wt%,NaO 5wt%,SiO 5wt%)である請求項に記載のX線検出装置。
  8. 請求項又はに記載のX線検出装置を用いてX線の入射場所を決定する方法であって、予め前記コリメータ上の全ての微細孔の二次元位置情報をデータベース化する段階、前記X線検出装置でX線を検出する段階、及び該微細孔の二次元位置情報と前記CCDで得られたX線画像との相関処理を行う段階から成るX線入射場所の決定方法。
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