JPH08270910A - リターン式ノズルバーナ装置 - Google Patents

リターン式ノズルバーナ装置

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JPH08270910A
JPH08270910A JP9797995A JP9797995A JPH08270910A JP H08270910 A JPH08270910 A JP H08270910A JP 9797995 A JP9797995 A JP 9797995A JP 9797995 A JP9797995 A JP 9797995A JP H08270910 A JPH08270910 A JP H08270910A
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Hiroki Hasegawa
宏樹 長谷川
Masaaki Matsuda
昌明 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消火時にリターン式ノズルの戻り管路に発生
する残圧の圧抜きを、専用の圧抜き弁を用いることな
く、また圧抜きに長時間を要することなく行えるリター
ン式ノズルバーナ装置の提供を目的とする。 【構成】 噴霧した燃料の一部を戻り管路21に戻すこと
で噴霧流量を調節できるリターン式ノズル20と、石油タ
ンク22からノズル20へ石油を供給するための石油供給管
路23と、該管路23に設けられる第1ポンプ26と第2ポン
プ24と、第1ポンプ26と第2ポンプ24との間の石油供給
管路23に設けられる流量制御弁25とを有し、戻り管路21
の戻り端を第1ポンプ26と流量制御弁25との間の石油供
給管路23に接続したリターン式ノズルバーナ装置であっ
て、燃焼停止信号を受けると先ず流量制御弁25を一旦所
定の低開口度まで絞り込み、その後に流量制御弁25を閉
止し、また第1ポンプ26や第2ポンプ24も停止する制御
部80を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、噴霧燃料の一部を噴霧
することなく戻り管路に戻すことができるリターン式ノ
ズルを備えたバーナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に、この種リターン式ノズルバーナ
装置の従来例を示す。1は石油燃料を噴霧すると共に燃
料の一部を戻り管路に戻すようにすることで噴霧流量を
調整することができるリターン式ノズルで、石油タンク
2から、石油供給管路3を、電磁ポンプ等からなる第2
ポンプ4により一定圧に加圧されて送られてきた石油
が、流量制御弁5により所定量に調節され、更に第1ポ
ンプ6によってリターン式ノズル1に入り、噴霧され
る。一部は戻り管路7に戻されて、再び第1ポンプ6の
吸い込み側に戻る。8は戻り管路7内の油がリターン式
ノズル1に逆流するのを防止する逆止弁で、9はアキュ
ムレータである。上記のリターン式ノズルバーナ装置に
おいては、戻り管路7を流れる油の圧力変動を抑えるた
めにアキュムレータ9を戻り管路7に配置するようにし
ている。しかしこのアキュムレータ9を戻り管路7に配
置すると、バーナの消火時に戻り管路7からの油が逆流
してリターン式ノズル1から後ダレが生じる問題があ
る。そしてこの後ダレを防止するために逆止弁8等を戻
り管路7に配すると、今度は消火時に戻り管路7に大き
な残圧が発生したり、残圧変動が大きくなる等の問題が
生じる。残圧が大きくなる場合には、次回の運転開始の
際(着火の際)にノズル1から噴霧される噴霧流量が大
となって良好な緩点火が困難となる問題があった。この
ため従来は更に前記残圧を除くため、石油供給管路3の
第2ポンプ4を迂回するバイパスAに専用の圧抜き弁B
を設け、これによって消火時に第2ポンプ4の吐出側に
生じている戻り圧を圧抜き弁Bを介して第2ポンプ4の
吸い込み側に放出するようにしていた。また別の方法と
して、第2ポンプ4を内圧リーク式のポンプとし、これ
によって消火時に第2ポンプ4の吐出側に生じた戻り圧
(残圧)を第2ポンプ4の吸引側に放出させるようにし
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来のリ
ターン式ノズルバーナ装置では、第2ポンプ4にバイパ
スAと専用の圧抜き弁Bを設ける必要があることから、
部品コストが高くつくという欠点があった。また第2ポ
ンプ4に内圧リーク式のポンプを用いた場合には、圧抜
きに要する時間が長くなる欠点があった。
【0004】そこで本発明は、上記従来の装置における
欠点を解消し、消火時にリターン式ノズルの戻り管路に
発生する残圧の圧抜きを、専用の圧抜き弁を用いること
なく、また圧抜きに長時間を要することなく行うことが
できるリターン式ノズルバーナ装置の提供を目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のリターン式ノズルバーナ装置は、石油燃料
を噴霧すると共に燃料の一部を戻り管路に戻すようにす
ることで噴霧流量を調節することができるリターン式ノ
ズルと、石油タンクから前記リターン式ノズルへ石油を
供給するための石油供給管路と、該石油供給管路の前記
リターン式ノズルに近い側に設けられる第1ポンプと石
油供給管路の前記石油タンクに近い側に設けられる第2
ポンプと、前記第1ポンプと第2ポンプとの間の石油供
給管路に設けられる流量制御弁とを有し、前記戻り管路
の戻り端を前記第1ポンプと流量制御弁との間の前記石
油供給管路に接続したリターン式ノズルバーナ装置であ
って、燃焼停止信号を受けると先ず前記流量制御弁を一
旦所定の低開口度まで絞り込み、その後において前記流
量制御弁を閉止し、また前記第1ポンプや第2ポンプも
停止する制御部を設けたことを第1の特徴としている。
また本発明のリターン式ノズルバーナ装置は、上記第1
の特徴に加えて、燃焼停止信号を受けると先ず前記流量
制御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経
過後に流量制御弁を閉止すると共に同時に第1ポンプと
第2ポンプを停止する制御部を設けたことを第2の特徴
としている。また本発明のリターン式ノズルバーナ装置
は、上記第2の特徴に加えて、第2ポンプとして内圧リ
ーク式のポンプを採用し、且つ流量制御弁の閉止、第1
ポンプ、第2ポンプの停止による消火動作を行った後、
一定の待機時間を持って前記流量制御弁だけを更に一定
時間だけ全開状態とする制御部を設けたことを第3の特
徴としている。また本発明のリターン式ノズルバーナ装
置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼停止信号を受ける
と先ず前記流量制御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込
み、一定時間経過後に流量制御弁を閉止すると共に第2
ポンプを停止し、更に一定時間遅れて第1ポンプを停止
する制御部を設けたことを第4の特徴としている。また
本発明のリターン式ノズルバーナ装置は、上記第1の特
徴に加えて、燃焼停止信号を受けると先ず前記流量制御
弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経過後
に第2ポンプを停止し、更に一定時間遅れて流量制御弁
を閉止すると共に第1ポンプを停止する制御部を設けた
ことを第5の特徴としている。また本発明のリターン式
ノズルバーナ装置は、上記第1〜5の何れかに記載の特
徴に加えて、燃焼停止信号を受けた後、流量制御弁を所
定の低開口度まで絞り込む際には、送風ファンによる送
風量も前記流量制御弁の絞り込まれた開口度に対応する
所定の送風量まで低下させる制御部を設けたことを第6
の特徴としている。また本発明のリターン式ノズルバー
ナ装置は、上記第6の特徴に加えて、送風ファンは、流
量制御弁の絞り込み後、第2ポンプの停止と流量制御弁
の閉止を行う際に同時に停止させることを第7の特徴と
している。また本発明のリターン式ノズルバーナ装置
は、上記第6の特徴に加えて、送風ファンは、流量制御
弁の絞り込み後、第2ポンプの停止と流量制御弁の閉止
を行った後、第1ポンプを停止させる際に同時に停止さ
せることを第8の特徴としている。また本発明のリター
ン式ノズルバーナ装置は、上記第8の特徴に加えて、送
風ファンは、第2ポンプの停止から第1ポンプの停止ま
での間は送風量を徐々に低下させることを第9の特徴と
している。
【0006】
【作用】上記本発明の第1の特徴によれば、制御部が燃
焼停止信号を受け取ることで、先ず流量制御弁が一旦、
所定の低開口度まで絞り込まれる。これによって流量制
御弁の前方にある第1ポンプの吸い込み側及びリターン
式ノズルからの戻り管路内の圧力を、消火動作前に一定
の低圧力に調整して保持することができる。このため、
その後に消火動作、即ち流量制御弁を閉止し、また前記
第1ポンプや第2ポンプを停止する動作が行われても、
前記第1ポンプの吸い込み側及びリターン式ノズルから
の戻り管路内の残圧が比較的低圧力で且つバラツキの少
ない安定したものとなる。よって次回の運転開始時にお
ける着火動作においても、低圧力の下で安定して緩点火
を行うことができる。また、消火完了後の圧抜きを特に
行わなくても残圧を減ずることができるので、専用の圧
抜き弁が不要となり、コストの低減となる。また内圧リ
ーク式のポンプを用いることがないので、圧抜きに要す
る時間も長くならない。上記本発明の第2の特徴によれ
ば、上記第1の特徴による作用に加えて、制御部が燃焼
停止信号を受け取ることで、先ず流量制御弁が一旦、所
定の低開口度まで絞り込まれる。これによって前記流量
制御弁の前方にある第1ポンプの吸い込み側及びリター
ン式ノズルからの戻り管路内の圧力を一定の低圧力に調
整して保持することができる。そして更に、一定時間後
に流量制御弁が閉止され、また第1ポンプと第2ポンプ
が停止されることで、その一定時間を予め適当な時間に
設定することにより、前記流量制御弁の低開口度状態で
の保持時間を適当な時間にすることができ、これによっ
て消火完了後における第1ポンプの吸い込み側及びリタ
ーン式ノズルからの戻り管路内の残圧を低圧力で且つ次
回の運転での着火に好ましい圧力に調整することができ
る。上記本発明の第3の特徴によれば、上記第2の特徴
による作用に加えて、制御部により流量制御弁が閉止さ
れ、また第1ポンプと第2ポンプが停止されることによ
って消火動作が行われた後、一定の待機時間を持って前
記流量制御弁が更に一定時間だけ全開状態とされる。待
機時間を持つことによってその間に流量制御弁と第2ポ
ンプとの間に生じた残圧が適当に内圧リーク式の第2ポ
ンプを通って逃がされ、戻り管路内の残圧よりも低くな
る。よってその後に流量制御弁を開放することによっ
て、戻り管路内の残圧が流量制御弁を通って第2ポンプ
側へ開放され、全体がより低い残圧に平均化される。ま
た内圧リーク式の第2ポンプだけに頼っていた従来の圧
抜きに対して、十分に短時間での残圧の開放ができる。
なお、待機時間を経ることなく流量制御弁を開放する場
合には、流量制御弁と第2ポンプとの間に生じた高圧の
残圧が戻り管路側へ逆流する恐れがある。上記本発明の
第4の特徴によれば、上記第1の特徴による作用に加え
て、燃焼停止信号による消火動作において、先ず流量制
御弁が絞られることによって戻り管路内や第1ポンプの
吸い込み側の残圧が低くなると共に、その後のポンプの
停止においても第1ポンプの停止が流量制御弁や第2ポ
ンプの停止よりも一定時間遅れて停止されることになる
ので、結果として戻り管路内や第1ポンプの吸い込み側
に生じる残圧を一層低い状態にコントロールすることが
できる。また本発明の第5の特徴によれば、上記第1の
特徴による作用に加えて、燃焼停止信号による消火動作
において、先ず流量制御弁が絞られることによって戻り
管路内や第1ポンプの吸い込み側の残圧が低くなると共
に、その後の消火動作においても第2ポンプが停止され
後一定時間は引き続き第1ポンプが駆動し流量制御弁が
開放状態に維持されるので、その間に第2ポンプの吐出
側や戻り管路内の燃料が流量制御弁、第1ポンプを経て
リターン式ノズルから噴霧開放される。これによって消
火完了後における管路内の残圧を一層低く安定させるこ
とができる。また本発明の第6の特徴によれば、上記第
1〜5の何れかの特徴による作用に加えて、消火動作に
おいて先ず行われる流量制御弁の低開口度への絞り込み
に対応して、送風ファンによる送風量も前記絞り込まれ
た開口度に対応する所定の送風量まで低下せられるの
で、燃焼が定常状態から燃料絞り込み状態に移行しても
引き続き適当な空燃比が保たれ、良好な燃焼状態が保持
される。また本発明の第7の特徴によれば、上記第6の
特徴による作用に加えて、送風ファンは、流量制御弁の
絞り込みに伴って送風量を低減され、更に第2ポンプの
停止と流量制御弁の閉止とがなされる際に同時に停止さ
れる。これによって適当な空燃比が消火に至るまで確実
に保持される。また本発明の第8の特徴によれば、上記
第6の特徴による作用に加えて、送風ファンは、流量制
御弁の絞り込みに伴って送風量が低減された後、第2ポ
ンプの停止と流量制御弁の閉止がなされ、更に第1ポン
プが停止されるまで送風が続けられる。これによって良
好な空燃比の確保が最終的な第1ポンプの停止に至るま
で確保される。また本発明の第9の特徴によれば、上記
第8の特徴による作用に加えて、流量制御弁の絞り込み
に伴って送風量を低減すると共に、その低減した送風フ
ァンの送風量を、第2ポンプの停止から第1ポンプの停
止までの間は更に徐々に低下させるようにしたので、消
火完了へ向かって徐々に燃焼力が低減する残炎的燃焼に
対応した送風を行うことができ、炎を最後まで十分に保
持して、リターン式ノズル内等に未燃ガスが残ったり、
煤が発生するのを抑制することができる。
【0007】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係るリターン式ノズルバーナ装置を備え
た給湯設備の全体概略構成図、図2は図1のバーナ装置
部の簡略構成図、図3は本発明の第1実施例を説明する
タイムチャート、図4は本発明の第2実施例を説明する
タイムチャート、図5は本発明の第3実施例を説明する
タイムチャート、図6は本発明の第4実施例を説明する
タイムチャートである。
【0008】図1に沿って本発明のリターン式ノズルバ
ーナ装置を備えた給湯設備の説明をする。燃焼缶体10に
対して石油バーナ装置のリターン式ノズル20が内部に臨
まされている。そしてリターン式ノズル20の周囲から、
送風ファン70によって送風された燃焼用空気が燃焼缶体
10内に吹き込まれるようになされている。前記燃焼缶体
10の上部には熱交換器40が配置され、該熱交換器40に対
して入水管41と出湯管42が接続されている。入水管41に
は水量センサ43が設けられている。この熱交換器40や入
水管41、出湯管42によって、温水が供給できる給湯器に
なっている。50は点火器、60は炎検出器である。また全
体の制御はマイコン内蔵の制御部80によってなされる。
【0009】図2も参照して、前記リターン式ノズル20
は、石油燃料を燃焼缶体10内に噴霧すると共に燃料の一
部を戻り管路21に戻すことで、噴霧流量を調節すること
ができるようになされている。石油タンク22から、石油
供給管路23を、電磁ポンプである送油用の第2ポンプ24
で一定圧に加圧されて送られた石油は、流量制御弁25に
より制御された流量とされ、定差圧ポンプである第1ポ
ンプ26に送られ、該第1ポンプ26からリターン式ノズル
20に入り、噴霧される。一部は第1の定圧リリーフ逆止
弁27を通って戻り管路21に入り、更に第2の定圧リリー
フ逆止弁28を通って、戻り管路21の戻り端から再び前記
第1ポンプ26の吸い込み側の石油供給管路23に戻り、第
1ポンプ26に入る。前記戻り管路21の戻り端は前記第1
ポンプ26と流量制御弁25との間の前記石油供給管路23に
接続されている。29、30はアキュムレータである。前記
石油供給管路23のアキュムレータ29は、第2ポンプ24か
ら流量制御弁25を流れてくる石油の脈動流動を適当に緩
和する役割を果たす。同様にアキュムレータ29、30は運
転開始初期における圧力の急激な変化を緩和する役割を
果たす。前記第2の定圧リリーフ逆止弁28は、石油供給
管路23側から戻り管路21へ圧力が加わった場合に閉止す
ると共に、戻り管路21側から石油供給管路23側へ一定以
上の圧力が加わった場合には通路を開放するようにされ
ている。
【0010】次に図2、図3を参照して、本発明の第1
の実施例を説明する。本実施例では、制御部80による制
御構成として、燃焼停止信号が入ると、消火動作に入る
前に、先ず、流量制御弁25を一旦所定の低開口度まで絞
り込み、一定時間経過後に流量制御弁25を閉止し、同時
に第2ポンプ24と第1ポンプ26とを停止する構成として
いる。前記流量制御弁25が所定の低開口度に絞り込まれ
て調整され、第1ポンプ26と第2ポンプ24とが停止さ
れ、且つ流量制御弁25が閉止した時点においては、第1
ポンプ26と第2ポンプ24との間の石油供給管路23には石
油が封じ込められた状態で残留し、相当の残圧(P1
2 )を有している。また戻り管路21内の残圧P5 も同
様である。しかしながら前記流量制御弁25の開口度を所
定の低開口度まで絞ることで、第1ポンプ26の残圧P2
と戻り管路21内の残圧P5 は次回の運転時における初期
圧力状態として好ましい圧力まで低減される。初期圧力
状態を適当な定圧力にすることは、着火(点火)時にお
ける良好な噴霧状態を確保して、良好な緩点火を行うた
めに重要である。前記所定の低開口度は実験的に決める
ことができる。また、送風ファン70については、定常燃
焼状態における送風量から、燃焼停止信号により流量制
御弁25を一旦所定の低開口度まで絞り込む際に、その絞
り込まれた低開口度に対応する所定の送風量まで低下さ
せるようにしている。そして一定時間経過後に流量制御
弁25を閉止し、また第2ポンプ24と第1ポンプ26とを停
止する際に、送風ファン70も停止するようにしている。
流量制御弁25の絞り込みに併せて送風ファン70の送風量
を所定の送風量まで低下させることで、燃焼の空燃比が
引き続き良好に保持せられ、良好な燃焼が引き続けられ
る。
【0011】次に図2、図4を参照して、本発明の第2
の実施例を説明する。本実施例では、前記第1の実施例
において、第2ポンプ24を内圧リーク式のポンプとし、
且つ制御部80の制御構成として、流量制御弁25の閉止と
第2ポンプ24、第1ポンプ26の停止による消火動作を行
った後、一定の待機時間を持って流量制御弁25だけを更
に一定時間だけ全開状態とするようにしている。待機時
間を持つことによってその間に流量制御弁25と第2ポン
プ24との間に生じた残圧P1 が適当に内圧リーク式の第
2ポンプ24を通って逃がされ、戻り管路21内や第1ポン
プ26の吸い込み側の残圧P2 よりも低くなる。よってそ
の後に流量制御弁25を開放することによって、戻り管路
21内の残圧P5 や第1ポンプ26の吸い込み側の残圧P2
が流量制御弁25を通って第2ポンプ24側へ開放され、管
路21、23内の全体がより低い残圧に平均化される。また
内圧リーク式の第2ポンプ24だけに圧抜きを頼っていた
従来の長時間の圧抜きに対して、十分に短時間での残圧
の開放ができる。なお、待機時間を経ることなく、直に
流量制御弁25を開放する場合には、流量制御弁25と第2
ポンプ24との間に生じた高圧の残圧P1 が戻り管路21側
へ逆流する恐れがある。
【0012】次に図2、図5を参照して、本発明の第3
の実施例を説明する。本実施例では、制御部80による制
御構成として、燃焼停止信号が入ると、消火動作に入る
前に、先ず、流量制御弁25を一旦所定の低開口度まで絞
り込み、一定時間経過後に第2ポンプ24を停止すると共
に流量制御弁25を閉止し、第1ポンプ26については更に
一定時間遅れて停止する構成としている。流量制御弁25
が所定の低開口度まで絞られ、且つ一定時間後に流量制
御弁25の閉止と第2ポンプ24の停止がなされた時点で
は、第1ポンプ26と第2ポンプ24との間の石油供給管路
23には石油が封じ込められた状態で残留し、相当の残留
圧(P1 、P2 )を有している。また戻り管路21内の残
圧P5 も同様である。本実施例では流量制御弁25の閉止
と第2ポンプ24の停止がなされた後も一定時間引き続き
第1ポンプ26が駆動するので、第1ポンプ26の吸い込み
側(図2の符号D)の残留石油はリターン式ノズル20か
ら噴霧放出されるので、残圧P2 は減少する。よって戻
り管路21の残圧P5 も前記残圧P2 と同じ圧まで減少さ
せることができ、次回の運転時における初期圧力状態と
して好ましい安定した低圧力に調節して保持することが
できる。初期圧力状態を適当な定圧力にすることは、着
火(点火)時における良好な噴霧状態を確保して、良好
な緩点火を行うために重要である。前記所定の低開口
度、及び一定時間はそれぞれ実験的に適当な値を予め決
めることができる。また、本実施例での送風ファン70に
ついては、定常燃焼状態における送風量から、燃焼停止
信号により流量制御弁25を一旦所定の低開口度まで絞り
込む際に、その絞り込まれた低開口度に対応する所定の
送風量まで低下させるようにしている。その後、流量制
御弁25の閉止と第2ポンプ24の停止から、第1ポンプ26
の停止までの間は送風ファン70の送風量を更に徐々に低
下させ、第1ポンプ26の停止と共に停止するようにして
いる。第2ポンプ24の停止から第1ポンプ26の停止まで
の間は送風ファン70の送風量を更に徐々に低下させるよ
うにしたので、消火完了へ向かって徐々に燃焼力が低減
する残炎的燃焼に対応した送風を行うことができ、炎を
最後まで十分に保持して、リターン式ノズル20内等に未
燃ガスが残ったり、煤が発生するのを抑制することがで
きる。
【0013】図2、図6を参照して、本発明の第4の実
施例を説明する。本実施例では、制御部80による制御構
成として、燃焼停止信号を受けると先ず前記流量制御弁
25を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経過後
に第2ポンプ24を停止し、更に一定時間遅れて流量制御
弁25を閉止すると共に第1ポンプ26を停止するようにし
ている。この場合、流量制御弁25を絞った後、第2ポン
プ24を停止した時点においては、第1ポンプ26と第2ポ
ンプ24との間の石油供給管路23には石油が封じ込められ
た状態で残留し、相当の残圧(P1 、P2 )を有してい
る。また戻り管路21内の残圧P5 も同様である。そして
第2ポンプ24の停止後も流量制御弁25と第1ポンプ26と
を一定時間だけ駆動させることで、第1ポンプ26と第2
ポンプ24との間の残留石油はリターン式ノズル20より噴
霧されるので、残圧(P1 、P2 )は減少する。これに
よって、第1ポンプ26と第2ポンプ24との間の残圧(P
1 ≒P2 )と戻り管路21内の残圧P5 は次回の運転時に
おける初期圧力状態として、緩点火に好ましい安定した
低圧に調整して保持することができる。前記各一定時間
は実験的に予め決めておくことができる。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなり、請求項1
に記載のリターン式ノズルバーナ装置によれば、燃焼停
止信号を受けると前記流量制御弁を一旦所定の低開口度
まで絞り込み、その後において前記流量制御弁を閉止
し、また前記第1ポンプや第2ポンプも停止する制御部
を設けたので、これによって流量制御弁の前方にある第
1ポンプの吸い込み側及びリターン式ノズルからの戻り
管路内の残圧を安定した低圧力に調整して保持すること
ができる。よってまた次回の運転開始時における着火時
の噴霧圧力を変動の少ない安定した且つ低圧力とし、良
好な緩点火を行うことができると共に、着火音や煤や臭
いがでる等の残圧による悪影響を防止して、安定な着火
を行うことができる。また請求項2に記載のリターン式
ノズルバーナ装置によれば、上記請求項1に記載の構成
による効果に加えて、燃焼停止信号を受けると先ず流量
制御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経
過後に流量制御弁を閉止すると共に同時に第1ポンプと
第2ポンプを停止する制御部を設けたので、これによっ
て流量制御弁の前方にある第1ポンプの吸い込み側及び
リターン式ノズルからの戻り管路内の残圧を安定した低
圧力に調整して保持することができると共に、流量制御
弁の閉止及び第1ポンプ、第2ポンプの停止までの一定
時間を予め適当な時間に設定することにより、流量制御
弁の低開口度状態での保持時間を適当な時間にすること
ができ、これによって消火完了後における第1ポンプの
吸い込み側及びリターン式ノズルからの戻り管路内の残
圧を低圧力で且つ次回の運転での着火に好ましい圧力に
確実に調整することができる。また請求項3に記載のリ
ターン式ノズルバーナ装置によれば、上記請求項2に記
載の構成による効果に加えて、第2ポンプとして内圧リ
ーク式のポンプを採用し、且つ流量制御弁の閉止、第1
ポンプ、第2ポンプの停止による消火動作を行った後、
一定の待機時間を持って流量制御弁だけを更に一定時間
だけ全開状態とする制御部を設けたので、流量制御弁と
第2ポンプとの間に生じた残圧を内圧リーク式の第2ポ
ンプにより、待機時間中に、戻り管路内の残圧よりも低
くすることができ、よってその後の流量制御弁の開放に
よって、戻り管路内の残圧を流量制御弁を経て低圧の第
2ポンプ側へ開放することができ、内圧リーク式の第2
ポンプだけに頼っていた従来の圧抜きに比べて充分に短
時間での圧抜きを行うことができる。また請求項4に記
載のリターン式ノズルバーナ装置によれば、上記請求項
1に記載の構成による効果に加えて、流量制御弁の閉止
と第2ポンプの停止後、更に一定時間遅れて第1ポンプ
を停止する制御部を設けたので、流量制御弁が絞られる
ことによって戻り管路内や第1ポンプの吸い込み側に残
留した石油燃料を更に一定時間リターン式ノズルから排
出することができ、結果として戻り管路内や第1ポンプ
の吸い込み側に生じる残圧を一層低い状態にコントロー
ルすることができる。また請求項5に記載のリターン式
ノズルバーナ装置によれば、上記請求項1に記載の構成
による効果に加えて、燃焼停止信号を受けると先ず流量
制御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経
過後に第2ポンプを停止し、更に一定時間遅れて流量制
御弁を閉止すると共に第1ポンプを停止する制御部を設
けたので、第2ポンプが停止されることによって戻り管
路内や第1ポンプと第2ポンプとの間に残留した石油
を、引き続き一定時間、リターン式ノズルから噴霧排出
することができ、結果として戻り管路内や第1ポンプの
吸い込み側に生じる残圧を一層低い状態にコントロール
することができる。また請求項6に記載のリターン式ノ
ズルバーナ装置によれば、上記請求項1〜5の何れかに
記載の構成による効果に加えて、燃焼停止信号を受けた
後、流量制御弁を所定の低開口度まで絞り込む際には、
送風ファンによる送風量も流量制御弁の絞り込まれた開
口度に対応する所定の送風量まで低下させる制御部を設
けたので、流量制御弁の低開口度への絞り込みに対応し
て送風ファンによる送風量の送風量を低下させることが
でき、燃焼が定常状態から燃料絞り込み状態に移行して
も引き続き適当な空燃比を保って、良好な燃焼を行うこ
とができる。また請求項7に記載のリターン式ノズルバ
ーナ装置によれば、上記請求項6に記載の構成による効
果に加えて、送風ファンは、流量制御弁の絞り込み後、
第2ポンプの停止と流量制御弁の閉止を行う際に同時に
停止させるので、流量制御弁の絞り込みに伴って送風フ
ァンによる送風量も低減することができると共に第2ポ
ンプの停止と流量制御弁の閉止とがなされる際に同時に
停止させることができる。これによって適当な空燃比が
消火に至るまで確実に保持することができる。また請求
項8に記載のリターン式ノズルバーナ装置によれば、上
記請求項6に記載の構成による効果に加えて、送風ファ
ンは、流量制御弁の絞り込みに伴って送風量が低減され
た後、第2ポンプの停止と流量制御弁の閉止がなされた
後も第1ポンプが停止されるまで送風を続けるので、こ
れによって良好な空燃比の確保が最終的な消火に至るま
で確保される。また請求項9に記載のリターン式ノズル
バーナ装置によれば、上記請求項8に記載の構成による
効果に加えて、送風ファンは、第2ポンプの停止から第
1ポンプの停止までの間は送風量を徐々に低下させるの
で、流量制御弁の絞り込みによって低減した送風量を、
更に第2ポンプの停止から第1ポンプの停止まで間、消
火完了へ向かって徐々に低減する残火的燃焼に対応した
送風を行うことができ、炎を最後まで十分に保持して、
リターン式ノズル内等に未燃ガスが残ったり、煤が発生
するのを確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリターン式ノズルバーナ装置を備
えた給湯設備の全体概略構成図である。
【図2】図1のバーナ装置部の簡略構成図である。
【図3】本発明の第1実施例を説明するタイムチャート
である。
【図4】本発明の第2実施例を説明するタイムチャート
である。
【図5】本発明の第3実施例を説明するタイムチャート
である。
【図6】本発明の第4実施例を説明するタイムチャート
である。
【図7】従来のリターン式ノズルバーナ装置の簡略構成
図である。
【符号の説明】
10 燃焼缶体 20 リターン式ノズル 21 戻り管路 22 石油タンク 23 石油供給管路 24 第2ポンプ 25 流量制御弁 26 第1ポンプ 70 送風ファン 80 制御部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油燃料を噴霧すると共に燃料の一部を
    戻り管路に戻すようにすることで噴霧流量を調節するこ
    とができるリターン式ノズルと、石油タンクから前記リ
    ターン式ノズルへ石油を供給するための石油供給管路
    と、該石油供給管路の前記リターン式ノズルに近い側に
    設けられる第1ポンプと石油供給管路の前記石油タンク
    に近い側に設けられる第2ポンプと、前記第1ポンプと
    第2ポンプとの間の石油供給管路に設けられる流量制御
    弁とを有し、前記戻り管路の戻り端を前記第1ポンプと
    流量制御弁との間の前記石油供給管路に接続したリター
    ン式ノズルバーナ装置であって、燃焼停止信号を受ける
    と先ず前記流量制御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込
    み、その後において前記流量制御弁を閉止し、また前記
    第1ポンプや第2ポンプも停止する制御部を設けたこと
    を特徴とするリターン式ノズルバーナ装置。
  2. 【請求項2】 燃焼停止信号を受けると先ず前記流量制
    御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経過
    後に流量制御弁を閉止すると共に同時に第1ポンプと第
    2ポンプを停止する制御部を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載のリターン式ノズルバーナ装置。
  3. 【請求項3】 第2ポンプとして内圧リーク式のポンプ
    を採用し、且つ流量制御弁の閉止、第1ポンプ、第2ポ
    ンプの停止による消火動作を行った後、一定の待機時間
    を持って前記流量制御弁だけを更に一定時間だけ全開状
    態とする制御部を設けたことを特徴とする請求項2に記
    載のリターン式ノズルバーナ装置。
  4. 【請求項4】 燃焼停止信号を受けると先ず前記流量制
    御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経過
    後に流量制御弁を閉止すると共に第2ポンプを停止し、
    更に一定時間遅れて第1ポンプを停止する制御部を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載のリターン式ノズル
    バーナ装置。
  5. 【請求項5】 燃焼停止信号を受けると先ず前記流量制
    御弁を一旦所定の低開口度まで絞り込み、一定時間経過
    後に第2ポンプを停止し、更に一定時間遅れて流量制御
    弁を閉止すると共に第1ポンプを停止する制御部を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載のリターン式ノズル
    バーナ装置。
  6. 【請求項6】 燃焼停止信号を受けた後、流量制御弁を
    所定の低開口度まで絞り込む際には、送風ファンによる
    送風量も前記流量制御弁の絞り込まれた開口度に対応す
    る所定の送風量まで低下させる制御部を設けたことを特
    徴とする請求項1〜5の何れかに記載のリターン式ノズ
    ルバーナ装置。
  7. 【請求項7】 送風ファンは、流量制御弁の絞り込み
    後、第2ポンプの停止と流量制御弁の閉止を行う際に同
    時に停止させることを特徴とする請求項6に記載のリタ
    ーン式ノズルバーナ装置。
  8. 【請求項8】 送風ファンは、流量制御弁の絞り込み
    後、第2ポンプの停止と流量制御弁の閉止を行った後、
    第1ポンプを停止させる際に同時に停止させることを特
    徴とする請求項6に記載のリターン式ノズルバーナ装
    置。
  9. 【請求項9】 送風ファンは、第2ポンプの停止から第
    1ポンプの停止までの間は送風量を徐々に低下させるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のリターン式ノズルバー
    ナ装置。
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