JPH08270459A - ガスタービン設備及びガスタービン設備運転方法 - Google Patents

ガスタービン設備及びガスタービン設備運転方法

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JPH08270459A
JPH08270459A JP7277395A JP7277395A JPH08270459A JP H08270459 A JPH08270459 A JP H08270459A JP 7277395 A JP7277395 A JP 7277395A JP 7277395 A JP7277395 A JP 7277395A JP H08270459 A JPH08270459 A JP H08270459A
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JP
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cooling
working fluid
compressor
steam
gas turbine
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Application number
JP7277395A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Kitsuka
宣明 木塚
Kazuhiko Kawaike
和彦 川池
Manabu Matsumoto
学 松本
Takashi Ikeguchi
隆 池口
Shunichi Anzai
俊一 安斎
Eitaro Murata
英太郎 村田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01KSTEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
    • F01K23/00Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids
    • F01K23/02Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids the engine cycles being thermally coupled
    • F01K23/06Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids the engine cycles being thermally coupled combustion heat from one cycle heating the fluid in another cycle
    • F01K23/10Plants characterised by more than one engine delivering power external to the plant, the engines being driven by different fluids the engine cycles being thermally coupled combustion heat from one cycle heating the fluid in another cycle with exhaust fluid of one cycle heating the fluid in another cycle

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Abstract

(57)【要約】 【目的】信頼性の高いガスタービン冷却システムを有す
る蒸気冷却ガスタービンを備えたガスタービン設備を提
供する。 【構成】本発明は、ガスタービン設備における蒸気冷却
ガスタービンのロータ及び動翼の冷却作動流体供給系統
に冷却手段を設け、冷却媒体の温度制御を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービン設備に関
し、特に、ガスタービンの運転状況に応じ、冷媒として
ガスタービン作動流体と蒸気とを切換えて冷却するター
ビン翼を搭載するガスタービンを備えたガスタービン設
備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン設備におけるガスタービン
は、一般にガスタービンに直結された圧縮機により高圧
力の圧縮された作動流体を発生させ、そしてこの作動流
体に燃料を加え燃焼させ、高温高圧のガスを得てタービ
ンを駆動するように構成されている。またこのタービン
の回転エネルギーは、例えばタービンに結合されている
発電機により電気エネルギーに変換される。
【0003】当然のことながら消費される燃料に対して
得られる発生動力はできるだけ多い方が望ましく、ガス
タービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサ
イクルの性能及び効率向上に期待が寄せられている。そ
のコンバインドサイクルの性能及び効率向上を図るに
は、ガスタービンの作動流体のより一層の高温高圧化が
必要である。
【0004】現状の作動流体である空気を用いてタービ
ン翼を冷却する空気冷却のガスタービンにおいては、材
料の耐熱温度の制限等を考慮すると高温化も限界に近
く、さらなる効率向上には冷却媒体の変更及び冷却方式
の改善が必要である。
【0005】従来、冷却媒体に蒸気を用いたガスタービ
ンと蒸気タービンとを組み合わせたコンバインドサイク
ルの例として、特開平5−163960 号公報がある。これに
よれば、ガスタービンの作動流体の温度を一層高温とし
ても、蒸気で積極的に冷却し、その蒸気を回収して蒸気
タービンの駆動に用いることにより熱エネルギーを回収
でき、高い効率と高い信頼性をもつコンバインドプラン
トを提供できるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】蒸気冷却ガスタービン
より構成されるコンバインドプラントは、前述したよう
に、効率向上の上では有効なものであるが、ここで、そ
れによって得られる利点の他に新たに発生する問題点に
も対処する必要がある。この種のガスタービンは運転起
動時に、ガスタービンの排気ガスによってボイラーで蒸
気が発生し、必要量の蒸気が確保できるまでは圧縮機ま
たは燃焼器室から抽気した作動流体で冷却する必要があ
る。また、蒸気が冷却流路内で凝縮し水となり冷却の不
均一や回転不安定性や蒸気中の不純物堆積を防ぐために
あらかじめ前記作動流体で過熱乾燥する。また停止時に
冷却流路内の蒸気を除去し乾燥させるために停止動作後
半は前記作動流体で冷却される。従って、起動動作途中
と停止動作途中に冷却媒体をそれぞれ作動流体から蒸気
へ、蒸気から作動流体へと切換える。蒸気冷却をする場
合、蒸気の温度は乾き蒸気を維持できる温度で低い方が
望ましい。圧力比が15以上の高圧力比になると圧縮機
吐出の作動流体の温度は供給蒸気の温度より高くなる傾
向にある。従って、冷却媒体と作動流体から蒸気に切換
えるとその温度差及び作動流体と蒸気の物性値の差異に
よりガスタービンの構造体に熱的な影響を及ぼす。その
第一は、冷却媒体を作動流体から蒸気に切換えるとまた
はその逆の場合において、前述の理由により、被冷却体
であるタービンロータ及び冷却翼に熱衝撃や急激な熱変
形を生じる原因となり、ロータのバランス変化によるロ
ータ軸振動の発生や冷却翼の寿命低下などの支障をきた
す結果となる。第二は、動翼の先端とその外周側の静止
体であるシュラウドとの間の間隙であるチップクリアラ
ンスの変化である、通常このチップクリアランスは、動
翼の先端の漏れ損失となるため、タービン性能に及ぼす
影響が大きく極力小さい方が性能上望ましい。一方、こ
の隙間が小さすぎると動翼先端がシュラウドに接触して
破壊する(ラビング)原因となるため、ラビングを起こ
さないよう起動,負荷運転,停止時の運転状態でマージ
ンを見込んだ最小隙間を保つよう初期のクリアランスが
決定される。しかしながら、冷却媒体を作動流体から蒸
気またはその逆に切換えると温度や物性値の差によりチ
ップクリアランスが大きく変化し、最適な設計に困難を
きたす可能性がある。
【0007】本発明は、これらの熱衝撃や熱変形の発生
やチップクリアランスの変化に伴なうラビングの問題を
解決するものであり、その目的とするところは、蒸気冷
却ガスタービンにおいても、高性能かつ信頼性の高いロ
ータ及び動翼冷却構造を有するガスタービン設備を提供
するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン設
備は、作動流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体
に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器から
の燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、
少なくとも動翼を冷却する冷却系統とを有するガスター
ビン設備であり、その冷却系統は圧縮機あるいは別置の
圧縮機で昇圧した作動流体を動翼に供給する作動流体冷
却系統と、蒸気を動翼に供給する蒸気冷却系統とを有
し、作動流体の冷却系統に、冷却媒体を冷却する冷却手
段を有するようにしたものである。
【0009】また、本発明のガスタービン設備は、作動
流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体に燃料を加
え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器からの燃焼ガス
を用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、少なくとも
動翼を冷却する冷却系統とを有するガスタービン設備で
あり、その冷却系統は圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇
圧した作動流体を動翼に供給する作動流体冷却系統と、
蒸気を動翼に供給する蒸気冷却系統とを有し、作動流体
冷却系統と蒸気冷却系統とが共通する部分に、冷却媒体
を冷却する冷却手段を有するようにしたものである。
【0010】さらに、本発明のガスタービン設備は、作
動流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体に燃料を
加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器からの燃焼ガ
スを用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、静翼と動
翼を冷却する冷却系統とを有するガスタービン設備であ
り、その冷却系統は圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇圧
した作動流体を動翼に供給する作動流体冷却系統と、蒸
気を静翼に供給し、静翼を冷却した後、動翼に再度供給
する蒸気冷却系統とを有し、作動流体冷却系統と蒸気冷
却系統とが共通する部分に、冷却媒体を冷却する冷却手
段を有するようにしたものである。
【0011】また、本発明のガスタービン設備は、動翼
に供給した蒸気を排熱回収ボイラあるいは蒸気タービン
あるいは復水器に回収する蒸気系統を有する。
【0012】また、本発明のガスタービン設備の運転方
法は、作動流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体
に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器から
の燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、
少なくとも動翼を冷却する冷却系統とを有するガスター
ビン設備において、ガスタービン起動時に、圧縮機ある
いは別置の圧縮機で昇圧した作動流体を冷却手段を用い
て冷却し、動翼に冷却手段により冷却された作動流体を
供給し、動翼を冷却する、しかる後に、作動流体に換え
て、蒸気を動翼に供給し、動翼を冷却するようにしてい
る。
【0013】また、本発明のガスタービン設備の運転方
法は、作動流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体
に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器から
の燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、
少なくとも動翼を冷却する冷却系統とを有するガスター
ビン設備において、ガスタービン停止時に、蒸気を動翼
に供給し、動翼を冷却する、しかる後に、蒸気に換え
て、圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇圧した作動流体を
冷却手段を用いて冷却し、動翼に冷却手段により冷却さ
れた作動流体を供給し、動翼を冷却するようにしてい
る。
【0014】また、本発明のガスタービン設備の運転方
法は、作動流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体
に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器から
の燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、
静翼と動翼を冷却する冷却系統を有するガスタービン設
備において、ガスタービン起動時に、圧縮機あるいは別
置の圧縮機で昇圧した作動流体を冷却手段を用いて冷却
し、動翼に冷却手段により冷却された作動流体を供給
し、動翼を冷却する、しかる後に、作動流体に換えて、
蒸気を一度、静翼に供給し、静翼を冷却した後回収し、
冷却手段により冷却し、再度動翼に供給し、動翼を冷却
するようにしている。
【0015】また、本発明のガスタービン設備の運転方
法は、作動流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体
に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器から
の燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、
静翼と動翼を冷却する冷却系統を有するガスタービン設
備において、ガスタービン停止時に、蒸気を静翼に一度
供給し、静翼を冷却した後回収し、冷却手段により冷却
し、再度動翼に供給し、動翼を冷却する、しかる後に、
圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇圧した作動流体を冷却
手段を用いて冷却し、動翼に冷却手段により冷却された
作動流体を供給し、動翼を冷却するようにしている。
【0016】また、本発明のガスタービン設備は、作動
流体を圧縮する圧縮機と、圧縮機の作動流体に燃料を加
え燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器からの燃焼ガス
を用い駆動し、静翼と動翼とを有しており、静翼と動翼
とを冷却する冷却系統とを有するガスタービン設備であ
り、その冷却系統は圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇圧
した作動流体を動翼に供給する作動流体冷却系統と、蒸
気を動翼に供給する蒸気冷却系統とを有し、蒸気冷却系
統に、冷却媒体を冷却する冷却手段を有するようにした
ものである。
【0017】
【作用】本発明では、ガスタービン設備における蒸気冷
却ガスタービンにおいて、タービン動翼の冷却の作動流
体供給系統に冷却手段を設けることによって、作動流体
を冷却媒体として用いた場合の冷却能力を蒸気を冷却媒
体として用いた場合と同等にすることができ、冷却媒体
が作動流体から蒸気へあるいは蒸気から作動流体へとそ
れぞれ冷却能力が異なるものに切換えた場合、被冷却体
に生じる熱衝撃及び熱変形を緩和することができる。ま
た、チップクリアランスも負荷運転時にクリアランスを
極力小さくかつラビングも生じないように設定すること
が可能となる。
【0018】また、動翼の空気供給系統と蒸気供給系統
の共通する部分に冷却手段を設けた場合にも、同様に、
冷却媒体の温度を制御でき、それぞれ冷却媒体が作動流
体から蒸気へあるいは蒸気から作動流体へとそれぞれ冷
却能力が異なるものに切換わっても、その際、被冷却体
に生じる熱衝撃及び熱変形を緩和することができる。さ
らに、静翼に供給した蒸気は高温となるが動翼の冷却に
十分な圧力を備えており、蒸気を静翼に供給,冷却した
後回収し、前記冷却手段により冷却し、動翼に再度供給
することにより、冷却媒体として有効に再利用できる冷
却系統を構成することが可能となる。
【0019】さらにまた、動翼に供給した蒸気は回収す
ることにより排熱回収ボイラあるいは蒸気タービンある
いは復水器に戻され、コンバインドサイクルにおいて損
失とならない。
【0020】さらにまた、動翼の蒸気供給系統に冷却手
段を設けた場合には、蒸気による冷却が十分でない場合
に、蒸気を減温して被冷却体に供給することにより、冷
却を強化することができる。
【0021】
【実施例】以下図に示した実施例に基づいて本発明を詳
細に説明する。図1には本発明を実施した蒸気冷却ガス
タービンと蒸気タービンとが組み合わされたコンバイン
ドサイクルのシステムが示されている。ガスタービンの
作動流体として空気を使用した例を示す。図1におい
て、1は空気を圧縮する圧縮機、2は圧縮機1により圧
縮された高圧空気に燃料を加え燃焼し、高温高圧のガス
を生成する燃焼器、3は静翼と動翼を備えているガスタ
ービンのタービンであり、51は蒸気タービン系の高圧
蒸気タービン、52は蒸気タービン系の中圧蒸気タービ
ン、53は蒸気タービン系の低圧蒸気タービン、81は
復水器、82は給水ポンプ、60は排熱回収ボイラ、7
はガスタービン及び蒸気タービンによって駆動される発
電機である。
【0022】前記排熱回収ボイラは、低圧エコノマイザ
64と、低圧ドラム61と、低圧蒸気器65と、中圧エ
コノマイザ66と、中圧ドラム62と、中圧蒸発器67
と、高圧エコノマイザ68と、高圧ドラム63と、高圧
蒸発器69と、過熱器70と、再熱器71と、中圧加圧
ポンプ72と、高圧加圧ポンプ73とを備えている。本
コンバインドサイクルのシステムの動作について説明す
る。圧縮機1により圧縮された高圧空気は、燃焼器2に
供給され燃料とともに燃焼する。この燃焼により発生し
た高温高圧のガスはガスタービンのタービン3を回転駆
動し、その動力により圧縮機1及び発電機7が回転させ
られる。
【0023】前記ガスタービンのタービン3を出た燃焼
ガスは、排熱回収ボイラ60に供給される。一方、排熱
回収ボイラには復水器81から送られた給水が給水ポン
プ82により昇圧され、低圧エコノマイザ64に供給さ
れる。この低圧エコノマイザ64では、出口の給水を低
圧ドラム61に送る一方、中圧加圧ポンプ72により昇
圧し、低圧エコノマイザ64に再循環させたり、中圧エ
コノマイザ66を通じて中圧ドラム62に送る。さら
に、低圧エコノマイザ64の出口の給水は、高圧加圧ポ
ンプ73により昇圧され、高圧エコノマイザ68を通じ
て高圧ドラム63に送られる。そして、高圧ドラム63
に送られた給水は、高圧ドラム63に接続された高圧蒸
発器69で蒸発し、その蒸気は過熱され、蒸気タービン
系の高圧蒸気タービン51に供給され、高圧蒸気タービ
ン51で動力を発生し、発電機7を駆動する。高圧蒸気
タービン51で仕事をした後の蒸気は、再熱器71に供
給される。再熱器71ではその入口で、中圧ドラム62
に接続された中圧蒸発器67で、蒸発された蒸気を混合
する。再熱器71で再熱された蒸気は、蒸気タービン系
の中圧蒸気タービン52に供給され、中圧蒸気タービン
52で動力を発生し、発電機7を駆動する。この中圧蒸
気タービン52で動力を発生した後の蒸気は、蒸気ター
ビン系の低圧蒸気タービン53に供給される。この低圧
蒸気タービン53には、低圧ドラム61に接続された低
圧蒸発器65で蒸発された蒸気も供給され、低圧蒸気タ
ービン53ではこれらの蒸気により動力を発生し、発電
機7を駆動する。前記低圧蒸気タービン53で動力を発
生した蒸気は、復水器81に送られ、復水器81で凝縮
する。
【0024】前記ガスタービンのタービン3の内部の高
温部には、高圧蒸気タービン51の出口蒸気が配管22
を通して送り込まれ、冷却用蒸気として使用される。冷
却を終えた蒸気は配管29を通して回収され、排熱回収
ボイラ60内の再熱器71に供給される。
【0025】ここで、このコンバインドサイクルにおけ
る蒸気冷却ガスタービンは、運転起動時に蒸気が確保さ
れるまでは空気で冷却する必要があるのと、蒸気が冷却
流路内で凝縮し、湿り蒸気となるのを防ぐためにあらか
じめ空気で過熱される。また停止時に冷却流路内の蒸気
を除去し、乾燥させるために停止動作後半は空気で冷却
される。その前記作動流体で冷却される場合には、圧縮
機1から抽気された空気が配管21を通り、冷却装置4
0で冷却された後、タービン3の高温部を冷却する。冷
却を終えた空気は配管26を通して大気に解放される。
【0026】このガスタービンの冷却システムについて
さらに詳細に示したものを図2に示す。図において、1
は圧縮機、2は燃焼器、3は静翼5と動翼6を備えてい
るガスタービンのタービン、4は動翼6を装着するロー
タである。さらに、21は圧縮機1からの空気抽気配管
でその途中には冷却媒体冷却装置40が装備される、2
2は蒸気供給配管で、切換え弁10を介して静翼5への
冷却媒体供給配管23へ、また切換え弁11を介してロ
ータ4及び動翼6への冷却媒体供給配管25に接続され
る。一方配管30は静翼5の冷却媒体回収配管で切換え
弁12を介して排熱回収ボイラへの配管29と大気解放
の配管26に接続される。配管27は冷却媒体回収配管
で切換え弁13を介して排熱回収ボイラーへの配管29
と大気解放の配管28に接続される。
【0027】このように構成されているガスタービンに
ついて起動から定格運転さらには停止に至るまでの動作
について説明する。まず全ての場合において基本動作
は、圧縮機1により空気を圧縮し高圧作動流体を生成
し、燃焼器2に供給して燃料とともに燃焼し、この燃焼
により発生した高温高圧のガスをガスタービンのタービ
ン3に送りタービン3を回転駆動するというものであ
る。ここで、便宜上ガスタービンの運転状態を次の4つ
の過程に分ける。第1過程はガスタービンを起動し定格
回転数無負荷運転までの状態、第2過程は定格回転状態
で徐々に負荷をかけ定格負荷運転に至るまでの状態、第
3過程は定格回転定格負荷運転の状態、第4過程は定格
回転無負荷運転状態から停止に至るまでの状態である。
【0028】第1過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は空気抽気配管21の方に、切換え弁12は大
気解放配管26の方に、切換え弁13は大気解放配管2
8の方に切換えられている。圧縮機1より配管21によ
って引き出された空気は、冷却装置40により減温さ
れ、配管24によって静翼5に供給され冷却を終えた
後、配管30によって回収され、配管26により大気解
放される。一方配管21から供給される空気は、冷却装
置40により減温されロータ4と動翼6に供給され、冷
却を終えた後、配管27により回収され配管28から大
気解放される。
【0029】第2過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は蒸気配管22の方に、切換え弁12は作動流
体除去までは大気解放配管26にその後は排熱回収ボイ
ラへの配管29の方に、切換え弁13は作動流体除去ま
では大気解放配管28にその後は排熱回収ボイラーへの
配管29に切り換えられる。この過程では冷却媒体は蒸
気に切換わる。配管22から配管24の方に蒸気が供給
され静翼5を冷却の後、配管30により回収された蒸気
は、空気が完全に除去されるまでは大気解放配管26へ
その後は配管29により排熱回収ボイラへ戻される。一
方配管22から配管25の方に供給された蒸気は、ロー
タ4と動翼6に供給され冷却を終えた後、配管27によ
り回収され、空気が完全に除去されるまでは大気解放配
管28へその後は配管29により排熱回収ボイラーへ戻
される。
【0030】第3過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は蒸気配管22の方に、切換え弁12及び切換
え弁13は排熱回収ボイラーへの配管29に切換えられ
る。この過程では、第2過程同様、配管22から配管2
4の方に蒸気が供給され静翼5を冷却の後、配管30に
より回収された蒸気は、配管29により排熱回収ボイラ
ーへ戻される。一方、配管22から配管25の方に供給
された蒸気は、ロータ4と動翼6に供給され冷却を終え
た後、配管27により回収され、配管29により排熱回
収ボイラーへ戻される。
【0031】第4過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は作動流体抽気配管21の方に、切換え弁12
と切換え弁13は冷却流路内の蒸気を除去するためにそ
れぞれ大気解放配管26と28に切換えられる。この過
程では、第1過程と同様に配管24には配管21より空
気が導かれ、冷却装置40により減温され、静翼5に供
給し冷却後、配管30により回収され、配管26により
大気に解放される。一方、配管21から供給された空気
は冷却装置40により減温され、配管25に導かれ、ロ
ータ4と動翼6に供給され冷却を終えた後、配管27に
より回収され、配管28から大気解放される。
【0032】一般に、ガスタービンの圧縮機から抽気さ
れるタービン冷却用空気の温度は圧力比にもよるが、本
例のように作動流体が空気の場合約400〜500℃で
あり、一方高圧蒸気タービン出口から供給される冷却用
蒸気は約250〜350℃である。さらに、空気と蒸気
の物性値の差から空気よりも蒸気の方が冷却能力が高
い。従って、上記のように空気の供給温度の方が高いよ
うな場合には、空気と蒸気との間に、一層冷却能力にお
いて差を生じることとなる。このような2つの冷却媒体
を切換えたときに被冷却体が受ける熱衝撃及びそれによ
って引き起こされる熱変形はガスタービンの運転におい
て重大な問題となる。特に被冷却体が回転体であるよう
な場合には、その熱衝撃及び熱変形によりアンバランス
を生じ、回転が不安定となり、ガスタービン運転が困難
となってしまう可能性も有り得る。しかし、このような
冷却媒体2つを切り換える場合においても本発明の冷却
システムを用いれば、空気温度を冷却媒体冷却装置40
により蒸気の供給温度と同等以下に減温して冷却媒体と
しての冷却能力を高め、蒸気のもつ冷却能力により近づ
けた状態で、ロータ4及び動翼6に供給するように制御
し、蒸気と切換えた際に被冷却体であるロータ4及び動
翼6に生じる熱衝撃及び熱変形を和らげることができ
る。結果として、熱衝撃及び熱変形により発生するるロ
ータ4の回転アンバランス振動及び動翼6の熱衝撃によ
る熱疲労を防止し、円滑な運転が可能である。さらに、
本実施例においては、静翼に供給される冷却空気も同時
に減温制御されるため、冷却媒体切換え時に静翼に生じ
る熱衝撃及び熱変形も緩和でき、静翼の信頼性向上にも
貢献するものである。
【0033】また、ガスタービンのロータ4及び動翼6
は熱膨張と回転による遠心応力により回転半径方向に伸
びが生じる。図3はガスタービンにおけるタービンの燃
焼ガス流路断面図であり、5は静翼、6は動翼である。
ここで、燃焼ガス流路を構成する外周側ケーシングまた
はシュラウド90と動翼6の先端91の隙間は、チップ
クリアランス92と呼ばれる。チップクリアランス92
は、タービンの性能上できる限り小さい方が望ましい
が、ラビング回避のため、起動から全ての運転状態にお
いて、マージンを見込んで設定された最小値を下回らな
いように設計される。以上のことから従来の空気冷却ガ
スタービンにおいては、一般にチップクリアランス92
は、起動時において、最初は、ロータ4及び動翼6の熱
膨張と回転による遠心応力による伸びが支配的で減少し
最小値をとり、その後静止体であるシュラウド90の熱
膨張による伸びにより値が若干増加する傾向があった。
一方、蒸気冷却ガスタービンにおいては、前に示したよ
うに起動時及び停止時に冷却媒体がそれぞれ空気から蒸
気へ、蒸気から空気へと切換わる。今、図4に蒸気冷却
ガスタービンの運転時のチップクリアランスについて、
本発明を実施して冷却空気を減温してロータ及び動翼に
供給する場合と、冷却空気を減温しないでロータ及び動
翼に供給する場合の2つの場合を比較し説明したものを
示す。横軸はガスタービンの運転状態、縦軸はチップク
リアランス比である。ここで、縦軸のチップクリアラン
ス比は、冷却空気を減温しない場合のタービン停止時
で、常温における値を1.0 とし、0はチップクリアラ
ンスが0の状態であり、その2つを基準とした比をとっ
ている。横軸のガスタービン運転状態は、タービン回転
数が0から100%に至るまでの領域と、タービン回転
数が100%の状態すなわち定格回転数で負荷が0から
100%に至るまでの領域とに大略分類でき、前者の領
域においては空気で冷却され、後者の領域では蒸気で冷
却される。ここで、冷却空気を減温しない場合のチップ
クリアランスについて、ガスタービン起動時から定格負
荷運転に至るまでの挙動を説明すると、最初空気冷却の
時、その値はロータ及び動翼の遠心応力と熱伸びにより
減少していき、ラビング回避の最小隙間に達する、その
後、冷却媒体が空気から蒸気に切換えられ、蒸気の方が
空気よりも冷却能力が非常に大きいことから、それまで
の空気冷却によるロータ及び動翼の熱伸び量は大きく減
少していき、チップクリアランスとしては大きく増加し
ていき、結果として定格負荷運転時にチップクリアラン
スが、ラビング回避の最小隙間より必要以上に大きくな
ってしまうということがわかる。一方、本発明を実施し
て冷却空気を減温して供給する場合には、空気の冷却能
力を高めているため、空気冷却の時のロータ及び動翼の
熱伸び量を抑えることができ、停止時のチップクリアラ
ンスは、冷却空気を減温しない場合と比べて小さく設定
できる。この場合のチップクリアランスについて、ガス
タービン起動時から定格負荷運転に至るまでの挙動につ
いて説明すれば、空気冷却の時、その値はロータ及び動
翼の動翼の遠心応力と熱伸びにより減少するが、冷却空
気を減温しない場合と比べて、その熱伸び量は低く抑え
られて、ラビング回避の最小隙間に達する、その後、冷
却媒体が空気から蒸気に切換えられるが、この場合空気
と蒸気の冷却能力の差は小さくされているため、ロータ
及び動翼の熱伸び量はほとんど変化しないで、定格負荷
運転に達する、シュラウドの熱伸びとの差もあって、チ
ップクリアランスは若干増加するものの、ほとんどラビ
ング回避の最小隙間に近いところで、定格負荷運転がで
きるということがわかる。従って、蒸気冷却ガスタービ
ンで本発明を実施すれば、チップクリアランスを定格負
荷運転時において小さくできかつ途中の運転状態でラビ
ングの問題のない信頼性の高いガスタービンを提供でき
るものである。
【0034】次に本発明の他の実施例を図5に示す。図
において、1は圧縮機、2は燃焼器、3は静翼5と動翼
6を備えているガスタービンのタービン、4は動翼6を
装着するロータである。さらに、21は圧縮機1からの
冷却用空気抽気配管、22は蒸気供給配管で、切換え弁
10を介して静翼5への冷却媒体供給配管23へ、また
切換え弁11を介して動翼6への冷却媒体供給配管25
に接続される。一方配管30は静翼5の冷却媒体回収配
管で切換え弁12を介して排熱回収ボイラへの配管29
と大気解放の配管26に接続される。配管25の途中に
は冷却媒体冷却装置40が装備され、動翼6及びロータ
4に冷却媒体を供給する。配管27は冷却媒体回収配管
で切換え弁13を介して排熱回収ボイラーへの配管29
と大気解放の配管28に接続される。
【0035】このように構成されているガスタービンの
動作は図2で示したものと同じであり、同様に、ガスタ
ービンの運転状態を4つの過程に分けて説明する。
【0036】第1過程において、切換え弁10及び切り
換え弁11は空気配管21の方に、切換え弁12は大気
解放配管26の方に、切換え弁13は大気解放配管28
の方に切換えられている。圧縮機1より配管21によっ
て引き出された冷却空気は、配管24によって静翼5に
供給され冷却を終えた後、配管30によって回収され、
配管26により大気解放される。一方配管21から供給
される冷却空気は、配管25に設けられた冷却装置40
により減温されロータ4と動翼6に供給され、冷却を終
えた後、配管27により回収され配管28から大気解放
される。
【0037】第2過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は蒸気配管22の方に、切換え弁12は空気除
去までは大気解放配管26にその後は排熱回収ボイラへ
の配管29の方に、切換え弁13は空気除去までは大気
解放配管28にその後は排熱回収ボイラーへの配管29
に切り換えられる。この過程では冷却媒体は蒸気に切換
わる。配管22から配管24の方に蒸気が供給され静翼
5を冷却の後、配管30により回収された蒸気は、空気
が完全に除去されるまでは大気解放配管26へその後は
配管29により排熱回収ボイラーへ戻される。一方配管
22から配管25の方に供給された蒸気は、ロータ4と
動翼6に供給され冷却を終えた後、配管27により回収
され、空気が完全に除去されるまでは大気解放配管28
へその後は配管29により排熱回収ボイラーへ戻され
る。
【0038】第3過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は蒸気配管22の方に、切換え弁12及び切換
え弁13は排熱回収ボイラーへの配管29に切換えられ
る。この過程では、第2過程同様配管22から配管24
の方に蒸気が供給され静翼5を冷却の後、配管30によ
り回収された蒸気は、配管29により排熱回収ボイラー
へ戻される。一方、配管22から配管25の方に供給さ
れた蒸気は、ロータ4と動翼6に供給され冷却を終えた
後、配管27により回収され、配管29により排熱回収
ボイラーへ戻される。
【0039】第4過程において、切換え弁10及び切換
え弁11は空気配管21の方に、切換え弁12と切換え
弁13は冷却流路内の蒸気を除去するためにそれぞれ大
気解放配管26と28に切換えられる。この過程では、
第1過程と同様に配管24には配管21より冷却空気が
導かれ静翼5を冷却後、配管30により回収され、配管
26により大気に解放される。一方、配管21から供給
された冷却空気は配管25に設けられた冷却装置40に
より減温され、ロータ4と動翼6に供給され冷却を終え
た後、配管27により回収され、配管28から大気解放
される。
【0040】本実施例においては、冷却媒体冷却装置4
0は、冷却空気と蒸気が共通する配管25に設けてある
が、冷却空気温度を制御することによって、冷却媒体切
換えによるロータ4及び動翼6が受ける熱衝撃及び熱変
形を緩和する効果は前に示した実施例と同様である。ま
た、前記実施例と同様に、チップクリアランスに関して
も、冷却媒体の温度制御により、定格負荷運転時におい
て小さくする設計が可能である。さらに、本実施例の場
合、蒸気の温度制御も可能なため、蒸気冷却運転時のチ
ップクリアランスに不具合が生じ、ラビング回避の最小
隙間を越えてしまった場合にも、蒸気を冷却装置40で
減温して蒸気の冷却能力を強化してロータ4及び動翼6
に供給し、ロータ4及び動翼6の熱伸びを減少させ、ラ
ビング回避の最小隙間を確保し、信頼性の高い運転を実
現できる。
【0041】次に本発明のさらに他の実施例を図6に示
す。図において、1は圧縮機、2は燃焼器、3は静翼5
と動翼6を備えているガスタービンのタービン、4は動
翼6を装着するロータである。さらに、21は圧縮機1
からの冷却用空気抽気配管、22は排熱回収ボイラーか
らの蒸気供給配管で、切換え弁10を介して静翼5への
冷却媒体供給配管23に接続される。配管23は配管2
1から分岐し動翼6への冷却媒体供給配管25に開閉弁
15を介して接続する冷却空気の配管で、一方配管30
は静翼5の冷却媒体回収配管で切換え弁12を介して配
管25と大気解放の配管26に接続される。配管25の
途中には冷却媒体冷却装置40が装備され、動翼6及び
ロータ4に冷却媒体を供給する。配管27は冷却媒体回
収配管で切換え弁13を介して排熱回収ボイラーへの配
管29と大気解放の配管28に接続される。
【0042】このように構成されているガスタービンの
動作は図2及び図5で示したものと同じであり、同様
に、ガスタービンの運転状態を4つの過程に分けて説明
する。第1過程において、切換え弁10は空気配管21
の方に、開閉弁15は開の状態に、切換え弁12は大気
解放配管26の方に、切換え弁13は大気解放配管28
の方に切換えられている。圧縮機1より配管21によっ
て引き出された冷却空気は、配管24によって静翼5に
供給され冷却を終えた後、配管28によって回収され、
配管26により大気解放される。一方配管21から配管
23に分岐された冷却空気は、配管25に設けられた冷
却装置40により減温されロータ4と動翼6に供給さ
れ、冷却を終えた後、配管27により回収され配管28
から大気解放される。
【0043】第2過程において、切換え弁10は蒸気配
管22の方に、開閉弁15は閉の状態に、切換え弁12
は供給配管25の方に、切換え弁13は空気除去までは
大気解放配管28にその後は排熱回収ボイラーへの配管
29に切換えられる。この過程では冷却媒体は蒸気に切
換わる。配管22から配管24の方に蒸気が供給され静
翼5を冷却の後、配管30により回収された蒸気は、配
管25に設けられた冷却装置40で減温されて、ロータ
4と動翼6に供給され、冷却を終えた後、配管27によ
り回収され、空気が完全に除去されるまでは大気解放配
管28へその後は配管29により排熱回収ボイラーへ戻
される。
【0044】第3過程において、切換え弁10は蒸気配
管22の方に、開閉弁15は閉の状態に、切換え弁12
は供給配管25の方に、切換え弁13は排熱回収ボイラ
ーへの配管29に切換えられる。この過程では、第2過
程同様、配管22から配管24の方に蒸気が供給され静
翼5を冷却の後、配管30により回収された蒸気は配管
25に設けられた冷却装置40で減温されて、ロータ4
と動翼6に供給され、冷却を終えた後、配管27により
回収され、排配管29により排熱回収ボイラーへ戻され
る。
【0045】第4過程において、切換え弁10は空気配
管21の方に、開閉弁11は開の状態に、切換え弁12
と切換え弁13は冷却流路内の蒸気を除去するためにそ
れぞれ大気解放配管26と28に切換えられる。この過
程では、第1過程と同様に配管24には配管21より冷
却空気が導かれ静翼5を冷却後、配管30により回収さ
れ、配管26により大気に解放される。一方、配管23
により導かれた冷却空気は配管25に設けられた冷却装
置40により減温され、ロータ4と動翼6に供給され、
冷却を終えた後、配管27により回収され、配管28か
ら大気解放される。
【0046】本実施例においても、前記2つの実施例と
同様に、冷却装置40により冷却媒体の温度を制御する
ことによって、冷却媒体切換えにより、ロータ4及び動
翼6が受ける熱衝撃及び熱変形を緩和することができ
る。また、一度、静翼5に供給した蒸気は高温となる
が、動翼6の冷却には十分な圧力を備えており、冷却装
置40により冷却減温することによって、ロータ4及び
動翼6への冷却媒体として有効に利用することができ
る。さらに、前記2つの実施例同様に、チップクリアラ
ンスに関しても、冷却媒体の温度制御により、定格負荷
運転時において小さくする設計が可能である。さらにま
た、本実施例の場合、図5に示した実施例同様、蒸気の
温度制御も可能なため、蒸気冷却運転時のチップクリア
ランスに不具合が生じ、ラビング回避の最小隙間を越え
てしまった場合にも、蒸気を冷却装置40で減温して蒸
気の冷却能力を強化してロータ4及び動翼6に供給し、
ロータ4及び動翼6の熱伸びを減少させ、ラビング回避
の最小隙間を確保し、信頼性の高い運転を実現できる。
【0047】図1に示した実施例については、蒸気供給
配管22に冷却媒体冷却装置を設けることにより、蒸気
温度を制御可能とすれば、蒸気冷却運転時のチップクリ
アランスに不具合が生じ、ラビング回避の最小隙間を越
えてしまった場合にも、図5及び図6の実施例同様に、
蒸気を冷却装置で減温して蒸気の冷却能力を強化してロ
ータ4及び動翼6に供給し、ロータ4及び動翼6の熱伸
びを減少させ、ラビング回避の最小隙間を確保し、信頼
性の高い運転を実現できる。
【0048】図5及び図6に示した実施例については、
静翼に冷却媒体を供給する配管25に冷却媒体冷却装置
を設けることにより、冷却空気の温度を制御し、図2の
実施例同様に、冷却媒体切換え時に静翼に生じる熱衝撃
及び熱変形を緩和し、信頼性を向上できる。
【0049】本発明のガスタービン設備において、蒸気
冷却ガスタービンに供給される蒸気は、圧力及び温度の
条件を満たせばコンバインドサイクルのシステム上いず
れから供給しても特に制限を与えるものではなく表1に
示すような供給側と回収側との組み合わせが考えられ
る。
【0050】
【表1】
【0051】供給側を高圧蒸発器あるいは高圧蒸気ター
ビン出口とした場合には回収側として再熱器あるいは中
圧蒸気タービンが考えられ、供給側を中圧蒸発器とした
場合には回収側として再熱器あるいは低圧蒸気タービン
が考えられる。
【0052】また、本発明の実施例では、作動流体とし
て空気を用いた例を示してきたが、作動流体として、ヘ
リウム,二酸化炭素,蒸気等を用いても同様の効果が得
られるものである。
【0053】さらにまた、本発明の実施例では、タービ
ンの作動流体冷却媒体をタービンと同一ガスタービンの
圧縮機によって昇圧した場合の例を示したが、この作動
流体は別のガスタービンの圧縮機または圧縮機単体によ
り供給してもよい。
【0054】いずれの場合においても本発明のタービン
冷却システムを用いれば、信頼性の高いガスタービンを
備えたガスタービン設備を提供できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明は、蒸気
冷却ガスタービンを備えたガスタービン設備において、
ガスタービンのロータ及び動翼の冷却媒体供給流路に冷
却媒体を冷却する装置を設け、冷却媒体の温度制御を可
能としたことから、起動動作時及び停止動作時の冷却媒
体切換えにより、ロータ及び動翼が受ける熱衝撃及びそ
れによる熱変形は緩和され、アンバランスの発生に基づ
く回転不安定や熱疲労による冷却翼の寿命低下を防止
し、また動翼のラビングを回避することのできる信頼性
の高いガスタービン設備を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン設備の実施例を示すコン
バインドサイクルシステム図である。
【図2】本発明のガスタービン設備の実施例を示すガス
タービン冷却系統システム図である。
【図3】ガスタービンにおけるチップクリアランス説明
図である。
【図4】本発明のガスタービン設備におけるガスタービ
ン動翼のチップクリアランス比較図である。
【図5】本発明のガスタービン設備の他の実施例を示す
ガスタービン冷却系統システム図である。
【図6】本発明のガスタービン設備の他の実施例を示す
ガスタービン冷却系統システム図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…燃焼器、3…タービン、4…ロータ、
5…静翼、6…動翼、7…発電機、10,11,12,
13…切換え弁、15…開閉弁、21…冷却空気抽気配
管、22…蒸気供給配管、23…空気配管、24…静翼
冷却媒体供給配管、25…動翼冷却媒体供給配管、26
…大気解放配管、27…動翼冷却媒体回収配管、28…
大気解放配管、29…蒸気回収配管、30…静翼冷却媒
体回収配管、40…冷却媒体冷却装置、51…高圧蒸気
タービン、52…中圧蒸気タービン、53…低圧蒸気タ
ービン、60…排熱回収ボイラ、61…排熱回収ボイラ
の低圧ドラム、62…同中圧ドラム、63…同高圧ドラ
ム、64…同低圧エコノマイザ、65…同低圧蒸発器、
66…同中圧エコノマイザ、67…同中圧蒸発器、68
…同高圧エコノマイザ、69…同高圧蒸発器、70…同
過熱器、71…同再熱器、72…同中圧加圧ポンプ、7
3…同高圧加圧ポンプ、81…復水器、82…給水ポン
プ、90…シュラウド、91…動翼の先端、92…チッ
プクリアランス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01K 23/10 F01K 23/10 C F02C 6/18 F02C 6/18 A 7/18 7/18 A F22B 1/18 7526−3L F22B 1/18 E (72)発明者 池口 隆 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 安斎 俊一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 村田 英太郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、少なくとも前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有するガスタービン設備において、 前記冷却系統は、前記圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇
    圧した作動流体を前記動翼に供給する作動流体冷却系統
    と、蒸気を前記動翼に供給する蒸気冷却系統とを有し、
    前記作動流体冷却系統に、冷却媒体を冷却する冷却手段
    を有することを特徴とするガスタービン設備。
  2. 【請求項2】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、少なくとも前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有するガスタービン設備において、 前記冷却系統は、前記圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇
    圧した作動流体を前記動翼に供給する作動流体冷却系統
    と、蒸気を前記動翼に供給する蒸気冷却系統とを有し、
    前記作動流体冷却系統と前記蒸気冷却系統とが共通する
    部分に、冷却媒体を冷却する冷却手段を有することを特
    徴とするガスタービン設備。
  3. 【請求項3】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、前記静翼と動翼を冷却する冷却系
    統とを有するガスタービン設備において、 前記冷却系統は、前記圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇
    圧した作動流体を前記動翼に供給する作動流体冷却系統
    と、蒸気を前記静翼に供給し、静翼を冷却した後、前記
    動翼に再度供給する蒸気冷却系統とを有し、前記作動流
    体冷却系統と前記蒸気冷却系統とが共通する部分に、冷
    却媒体を冷却する冷却手段を有することを特徴とするガ
    スタービン設備。
  4. 【請求項4】請求項1記載のガスタービン設備におい
    て、前記動翼に供給した蒸気を排熱回収ボイラあるいは
    蒸気タービンあるいは復水器に回収する蒸気系統を有す
    ることを特徴とするガスタービン設備。
  5. 【請求項5】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、少なくとも前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有する請求項1記載のガスタービン設備にお
    いて、 ガスタービン起動時に、前記圧縮機あるいは別置の圧縮
    機で昇圧した作動流体を前記冷却手段を用いて冷却し、
    前記動翼に前記冷却手段により冷却された作動流体を供
    給し、前記動翼を冷却する、しかる後に、前記作動流体
    に換えて、蒸気を前記動翼に供給し、前記動翼を冷却す
    るようにしたことを特徴とするガスタービン設備の運転
    方法。
  6. 【請求項6】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、少なくとも前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有する請求項1のガスタービン設備におい
    て、 ガスタービン停止時に、蒸気を前記動翼に供給し、前記
    動翼を冷却する、しかる後に、前記蒸気に換えて、前記
    圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇圧した作動流体を前記
    冷却手段を用いて冷却し、前記動翼に前記冷却手段によ
    り冷却された作動流体を供給し、前記動翼を冷却するよ
    うにしたことを特徴とするガスタービン設備の運転方
    法。
  7. 【請求項7】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、前記静翼と前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有する請求項3のガスタービン設備におい
    て、 ガスタービン起動時に、前記圧縮機あるいは別置の圧縮
    機で昇圧した作動流体を前記冷却手段を用いて冷却し、
    前記動翼に前記冷却手段により冷却された作動流体を供
    給し、前記動翼を冷却する、しかる後に、前記作動流体
    に換えて、蒸気を一度、前記静翼に供給し、前記静翼を
    冷却した後回収し、前記冷却手段により冷却し、再度前
    記動翼に供給し、前記動翼を冷却するようにしたことを
    特徴とするガスタービン設備の運転方法。
  8. 【請求項8】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、前記静翼と前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有する請求項3のガスタービン設備におい
    て、 ガスタービン停止時に、蒸気を前記静翼に一度供給し、
    前記静翼を冷却した後回収し、前記冷却手段により冷却
    し、再度前記動翼に供給し、前記動翼を冷却する、しか
    る後に、前記圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇圧した作
    動流体を前記冷却手段を用いて冷却し、前記動翼に前記
    冷却手段により冷却された作動流体を供給し、前記動翼
    を冷却するようにしたことを特徴とするガスタービン設
    備の運転方法。
  9. 【請求項9】作動流体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機
    の作動流体に燃料を加え燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスを用い駆動し、静翼と動翼と
    を有するタービンと、少なくとも前記動翼を冷却する冷
    却系統とを有するガスタービン設備において、 前記冷却系統は、前記圧縮機あるいは別置の圧縮機で昇
    圧した作動流体を前記動翼に供給する作動流体冷却系統
    と、蒸気を前記動翼に供給する蒸気冷却系統とを有し、
    前記蒸気冷却系統に、冷却媒体を冷却する冷却手段を有
    することを特徴とするガスタービン設備。
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Cited By (5)

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