JPH08269572A - 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH08269572A
JPH08269572A JP7070180A JP7018095A JPH08269572A JP H08269572 A JPH08269572 A JP H08269572A JP 7070180 A JP7070180 A JP 7070180A JP 7018095 A JP7018095 A JP 7018095A JP H08269572 A JPH08269572 A JP H08269572A
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magnetic flux
flux density
steel sheet
annealing
grain
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JP7070180A
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Nobunori Fujii
宣憲 藤井
Isao Iwanaga
功 岩永
Maremizu Ishibashi
希瑞 石橋
Kunihide Takashima
邦秀 高嶋
Hisakazu Kitagawa
久和 北河
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変圧器等に用いられる高磁束密度一方向性電
磁鋼板の磁束密度を極限まで高め、極低鉄損の製品を安
定的に製造することを目的とする。 【構成】 AlNを主インヒビターとし強圧下率を特徴
とする一方向性電磁鋼板の製造にあたり、Biを0.0
005〜0.05%含有し、2次再結晶仕上げ焼鈍時に
1次再結晶領域と2次再結晶領域との境界部位の鋼板に
0.5℃/cm以上の従来より低温度勾配を与えながら2
次再結晶焼鈍を施す。 【効果】 鋼板素材中にBiを添加含有させた一方向性
電磁鋼板の製造にあたり、磁束密度B8 が1.96T以
上の極めて高い磁束密度の製品が従来より安定的に得ら
れ、従来の温度勾配焼鈍法より極めて安価に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主にトランス鉄心に用い
られる、{110}<001>方位すなわちゴス方位を
高度に発達させた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、軟磁性材料として
主にトランスその他の電気機器の鉄心材料に使用されて
いるもので、磁気特性としては励磁特性と鉄損特性が良
好でなくてはならない。この励磁特性を表す指標とし
て、通常は磁束密度B8 (磁場の強さ800 A/mにおけ
る磁束密度)が用いられ、鉄損特性を表す指標として、
17/50 (50Hzで1.7Tまで磁化させたときの単位
重量あたりの鉄損)が用いられる。
【0003】一方向性電磁鋼板は、製造工程の最終段階
の900℃以上の温度での仕上焼鈍工程で2次再結晶を
起こさせ、鋼板面に{110}面、圧延方向に<001
>軸をもったいわゆるゴス組織を発達させることによっ
て得られている。そのなかでも、磁束密度B8 が1.8
8T以上の優れた励磁特性をもつものは高磁束密度一方
向性電磁鋼板とよばれている。高磁束密度電磁鋼板の代
表的製造方法としては、特公昭40−15644号公
報、特公昭51−13469号公報等があげられる。
【0004】現在世界的規模で生産されている高磁束密
度一方向性電磁鋼板は、上記2特許を基本として生産さ
れていると言える。しかし上記特許に基づく製品の磁束
密度B8 は1.88Tから高々1.95T程度であり、
3%Si鋼の飽和磁束密度2.03Tの95%程度の値
を示しているに過ぎない。そして、近年省エネルギー、
省資源への社会的要求は益々厳しくなり、一方向性電磁
鋼板の鉄損低減、磁化特性改善への要求も熾烈になって
きている。
【0005】一方、一般的には、磁束密度B8 が高くな
るとともに製品の結晶粒が大きくなる傾向があり、B8
をある程度大きくしても180°磁区巾が大きくなるた
めに渦電流損が増大し、冶金学的にはこれ以上の鉄損改
善の期待が望まれない。この観点から技術的な鉄損低減
化の手法としてレーザー照射等の磁区制御技術が特公昭
58−5968号公報、特公昭57−2252号公報等
により確立され、これに伴い更なる高磁束密度を有する
素材が鉄損低減への条件として期待されてきている。
【0006】これに対して、本出願人は特公昭57−5
0295号公報等で温度勾配焼鈍法を、また特公昭62
−007252号公報等でその焼鈍装置を提案した。こ
の方法で、初めて安定して磁束密度B8 が1.95T以
上の製品が得られるようになったが、この方法で工場サ
イズのコイルフォームで実施する場合、コイル一端から
加熱し、反対端部は温度勾配をつけるため冷却するとい
う、非常に大きな熱エネルギー的損失を伴うため、工業
生産としては大きな問題をはらんでいた。
【0007】そこで本発明者らは、一方向性電磁鋼板の
溶鋼中にBiを含有させることにより、工業的手段によ
り磁束密度を従来の高磁束密度一方向性電磁鋼板レベル
から超高磁束密度一方向性電磁鋼板レベルまで高める方
法を特開平6−8814号公報、特開平6−88173
号公報等で提案した。この方法により初めて磁束密度B
8 が1.96Tを超える超高磁束密度一方向性電磁鋼板
が工場規模で比較的安定に生産できるようになった。
【0008】この方法により初めて超高磁束密度電磁鋼
板が工場規模で比較的安定に生産できるようになった
が、その後本発明者らがコイル内の磁化特性と製造条件
を精査したところ、場合によっては問題点があることが
判明した。すなわち、2次再結晶焼鈍の昇温に温度分布
が比較的均一な部分、例えばコイル内部では安定して超
高磁束密度が得られにくいことが判明した。そこで、こ
の超高磁束密度一方向性電磁鋼板をより安定に低コスト
で製造する方法の確立が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を回避し、極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向
性電磁鋼板を極めて安定に製造することを可能にするこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とする処
は、以下のとおりである。重量比で、Si:2.5〜
4.0%、酸可溶性Al:0.015〜0.045%、
N:0.0030〜0.0150%、を基本成分とし、
残部はFeおよび不可避的不純物からなる溶鋼を鋳造
し、熱間圧延し、65〜95%の最終強冷延を含む1回
あるいは中間焼鈍を介入する2回以上の冷間圧延を行い
最終板厚とし、次いで1次再結晶・脱炭焼鈍および2次
再結晶仕上焼鈍を行う工程からなる一方向性電磁鋼板の
製造方法において、Bi:0.0005〜0.05%を
含有し、1次再結晶領域と2次再結晶領域との境界部位
の鋼板に0.5℃/cm以上の温度勾配を与えながら2次
再結晶仕上焼鈍することを特徴とする超高磁束密度一方
向性電磁鋼板の製造方法。
【0011】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者ら
は、特開平6−8814号公報、特開平6−88173
公報等に示しているとおり、実験室での実験により、窒
化アルミニウムを主インヒビターとする一方向性電磁鋼
板用の素材に、Biを添加含有せしめることにより、現
在市販されている高磁束密度電磁鋼板のB8 =1.93
T程度をはるかに超える1.95T以上、2Tにおよぶ
超高磁束密度一方向性電磁鋼板を得た。その後、鋼板の
磁束密度B8 が1.95T以上のいわゆる超高磁束密度
一方向性電磁鋼板を工業規模で安定に製造すべくコイル
フォームでの工場試験を実施したが、コイル位置別に磁
化特性のバラツキが認められた。
【0012】そこでこの問題点を解決すべく、ボックス
タイプの仕上焼鈍中におけるコイル位置別温度履歴と磁
化特性の関係を詳細に調査した結果、昇温中に温度勾配
がある例えばコイル端部等の部分では、Bi添加珪素鋼
特有の巨大結晶粒が観察され磁束密度B8 も2Tにおよ
ぶものがあるが、昇温中に比較的温度勾配が無く温度分
布が均一なコイル内部の部分では、結晶粒が小さく磁束
密度B8 もバラツキが大きく1.95T以下のものも多
く認められた。
【0013】この原因を仕上焼鈍中の温度勾配の影響で
あると推定し、実験室で種々の検討を重ねた、その結
果、Biを添加した超高磁束密度一方向性電磁鋼板は従
来の窒化アルミニウムを主インヒビターとする高磁束密
度一方向性電磁鋼板に比較して極めて温度勾配の影響を
受けやすいことが判明した。すなわち、Bi添加により
超高磁束密度一方向性電磁鋼板を工業規模で安定して製
造する方法として、仕上焼鈍中の温度勾配を0.5℃/
cm以上に規制する必要があることを見いだした。以下に
本発明に至った実験結果について説明する。
【0014】本発明者らは、Bi添加による2次再結晶
仕上焼鈍中の温度勾配の影響を定量的に把握するため次
の実験を行った。C:0.05%、Si:3.25%、
Mn:0.10%、S:0.007%、P:0.025
%、酸可溶性Al:0.029%、N:0.007%、
Cr:0.12%を含有する珪素鋼を溶製し,Bi含有
量を0、0.0011、0.0345、0.0534%
とし、それぞれ鋳片に分注鋳造後、1150℃に加熱
し、抽出後直ちに2.3mm板厚まで熱延し、熱延後水冷
し550℃で保定した。その後熱延板を1120℃の温
度で30秒引き続き900℃で90秒焼鈍し、750℃
まで空冷後80℃の水中に急冷した。
【0015】次いで酸洗し0.23mmまで途中で250
℃での時効処理を5回はさんで冷延した。引き続き1次
再結晶平均粒径が21〜25μmになるように脱炭・1
次再結晶焼鈍を行い、引き続いてNH3 雰囲気でN含有
量が200ppm になるよう窒化焼鈍を行った。MgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布後、2次再結晶仕上焼鈍
を行った。
【0016】圧延直角方向に0〜6℃/cmの温度勾配を
0.5℃/cm間隔で付与しながら1200℃まで15℃
/hrで昇温し、引き続いて1200℃で20時間の純化
焼鈍を行った。2次再結晶仕上焼鈍の温度勾配量と得ら
れた鋼板の磁束密度B8 との関係を図1に示す。
【0017】図1で明らかなように、Biを添加してい
ないものについては、温度勾配が2℃/cmから磁束密度
向上の効果が現れ、4℃/cm以上でB8 で1.99T程
度の超高磁束密度が得られた。これに対し、Bi添加材
は温度勾配が5℃/cmから効果が現れ、2℃/cm以上で
磁束密度B8 が2.0Tの超高磁束密度電磁鋼板が得ら
れる。
【0018】本発明者らはこの原因のメカニズムを説明
するに至っていないが、Bi添加により仕上焼鈍中にお
けるAlNを含むインヒビター挙動に影響を与え、温度
勾配の影響が受けやすくなったものと推定している。一
方、このように僅かな温度勾配を与えることで超高磁束
密度が得られることは、上述の特公昭57−50295
号公報で記載される温度勾配焼鈍法のコスト上の欠点を
補う意味でも重要である。
【0019】さらに本発明者らは、鋼中のAl含有量の
必要量を把握するため次の実験を行った。C:0.02
%、Si:3.0%、Mn:0.07%、S:0.03
%、N:0.004%、Bi:0.01%を基本成分と
し酸可溶性Alを0.003〜0.065%まで変化さ
せた珪素鋼を溶製し、それぞれ鋳片に分注鋳造後、12
50℃に加熱し、抽出後直ちに2.3mm板厚まで熱延
し、熱延後水冷し550℃で保定した。その後熱延板を
950℃の温度で2分間焼鈍し、100℃の水中に急冷
した。次いで酸洗後0.23mmまで冷延した。引き続き
1次再結晶平均粒径が21〜25μmになるように脱炭
・1次再結晶焼鈍を行い、引き続いてNH3 雰囲気でN
含有量が50〜150ppm になるよう窒化焼鈍を行っ
た。
【0020】そしてAl2 3 を主成分とする焼鈍分離
剤を塗布後、2次再結晶仕上焼鈍を行った。圧延方向に
温度勾配を0、0.5、2.0℃/cmで付与しながら1
200℃まで15℃/hrで昇温し、引き続いて1200
℃で20時間の純化焼鈍を行った。各温度勾配における
鋼中Al含有量と得られた鋼板の磁束密度B8 との関係
を図2に示す。
【0021】図2から次のことが判る。まず、2次再結
晶に必要な鋼中Al量は0.015〜0.045%の範
囲であり、それより低くても高くても2次再結晶は起こ
らなかった。また、Bi添加を行いこの範囲にAl含有
量を調整すれば、0.5℃/cm以上の低温度勾配で磁束
密度B8 が1.96T以上の超高磁束密度一方向性電磁
鋼板が得られる。
【0022】本発明は従来の温度勾配焼鈍法とBi添加
法による超高磁束密度一方向性電磁鋼板製造方法の単な
る組み合わせでなく、前記のコスト上の欠点と後者の安
定性の欠点を極めて効果的に解決する方法を提供するも
のである。
【0023】次に、本発明に必要な構成要素とその限定
理由について述べる。本発明において、素材が含有する
成分は、重量比でSi:2.5〜4.0%、酸可溶性A
l:0.015〜0.045%、N:0.0030〜
0.0150%、残部Fe及び不可避的不純物であり、
これらを必須成分としてそれ以外は限定しない。Si
は、2.5%未満では製品の渦電流損が増大し、また
4.0%超では常温での冷延が困難になり、いずれも好
ましくない。
【0024】酸可溶性AlはAlNを形成し、高磁束密
度一方向性電磁鋼板製造のための主インヒビター構成元
素である。図2から明らかなように、0.015%未満
では量的に不足し、インヒビター強度が不足する。一
方、0.045%超ではAlNが粗大化し、結果として
インヒビター強度を低下させるので2次再結晶が起こら
なくなる。
【0025】素材に含有するNはSi、Al等の窒化物
を形成し、低温スラブを前提とする場合特に1次再結晶
のインヒビターとして影響する。N含有量は1次再結晶
粒径を制御する観点から工程の熱履歴や必要な1次焼鈍
温度から決定される。一方、高温スラブ加熱により前段
階でAlNを微細分散させる場合は2次再結晶焼鈍の雰
囲気条件等を考慮する必要がある。0.0030%未満
では脱窒のため溶製段階のコストアップとなり、0.0
150%超ではブリスターと呼ばれる欠陥が発生するの
で0.0030〜0.0150%の範囲とした。
【0026】その他のインヒビター構成元素として、M
n、S、Se、V、B、Nb、Sn、Cu、Ti、Z
r、Ta、Mo、Sn等を複合して添加することができ
る。Biは低温度勾配2次再結晶焼鈍法で安定して超高
磁束密度を得るための必要元素であり、添加含有量は、
0.0005〜0.05%の範囲が有効である。0.0
005%未満では効果がわずかであり、また0.05%
超では磁束密度向上の効果が飽和するとともに熱延板の
端部に割れが発生するので上限を0.05%に限定す
る。
【0027】次に、製造プロセス条件について説明す
る。上記のごとく成分を調整した超高磁束密度一方向性
電磁鋼板用素材は通常の如何なる溶解法、造塊法を用い
た場合でも本発明の素材とすることが出来る。次いでこ
の電磁鋼板用素材は通常の熱間圧延により熱延コイルに
圧延される。
【0028】引き続いて1ステージの冷間圧延または中
間焼鈍を含む複数ステージの冷間圧延によって最終板厚
とするが、磁束密度が高い一方向性電磁鋼板を得ること
から最終冷延の圧延率(1ステージの冷間圧延の場合は
その圧延率)は65〜95%の強圧下が好ましい。最終
圧延以外のステージの圧延率は特に規定しなくてもよ
い。また、AlNを強化するため、最終冷延前に焼鈍お
よび冷却を行ってもよい。
【0029】最終製品厚に圧延した冷延板は、0.5℃
/cm以上の温度勾配を付与しながら1次再結晶焼鈍を兼
ねた脱炭焼鈍が施される。脱炭焼鈍の条件は特に規定し
ないが、好ましくは700〜900℃の温度範囲で30
秒〜30分間湿潤な水素または水素と窒素の混合雰囲気
で行うのが良い。脱炭焼鈍温度は主に最適な1次再結晶
粒径を得る観点から決定される。
【0030】また、2次再結晶に作用するAlNインヒ
ビターを強化するため、1次再結晶から2次再結晶開始
の間のいずれかにNH3 雰囲気中焼鈍等を用いて窒化し
てもよい。また、脱炭焼鈍後の鋼板表面には、2次再結
晶焼鈍における焼き付きを防止する一方、グラス皮膜生
成のため通常のMgOを主成分とする焼鈍分離剤や、グ
ラス皮膜のない鏡面材製造のため特開平5−15636
2号公報等に記載するAl2 3 等を塗布してもよい。
【0031】続いて、脱炭焼鈍板に対して1次再結晶領
域と2次再結晶領域との境界部位の鋼板に0.5℃/cm
以上の温度勾配を与えながら2次再結晶仕上げ焼鈍を施
すことを必須条件とする。図1から明らかなように、B
iを添加し、Al量を適正に制御することによって、磁
束密度B8 が1.96T以上の安定した超高磁束密度一
方向性電磁鋼板が得られる。温度勾配を付与する方向は
鋼板面内のどの方向でもよい。
【0032】本発明者らが実験した結果では、圧延方向
が最も超高磁束密度が得られやすかった。温度勾配2次
再結晶仕上焼鈍法については特公昭62−007252
号公報等に記載する装置を用いることが好ましい。本発
明は従来より低温度勾配で効果を発揮するのでエネルギ
ー損失が少なく、コストダウンの効果が大きい。また、
従来の焼鈍設備でも、操業方法を工夫することにより、
0.5℃/cm以上の温度勾配を付与することは比較的可
能である。
【0033】引き続き余分の焼鈍分離剤を除去後、コイ
ル巻きぐせ等を矯正するための連続張力焼鈍を行い、同
時に絶縁皮膜を塗布、焼き付けする。更に、必要に応じ
てレーザー照射等の磁区細分化処理を施す。本発明は2
次再結晶粒径を大きく制御するものであるため、鉄損特
性を改善する意味から磁区細分化処理は有効である。磁
区細分化の方法は特に限定する必要はない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)C:0.04%、Si:3.2%、Mn:
0.11%、Se:0.01%、酸可溶性Al:0.0
26%、N:0.007%、を基本成分としBiを0%
と0.03%の2水準の珪素鋼を溶製し、それぞれ鋳片
に分注鋳造後、1200℃に加熱し、抽出後直ちに2.
3mm板厚まで熱延し、熱延後室温まで水冷した。その
後、酸洗し0.30mmまで冷延した。引き続き870℃
で2分の脱炭・1次再結晶焼鈍を行い、引き続いてNH
3 雰囲気でN含有量が150ppm になるように窒化焼鈍
を行った、そしてAl2 3 を主成分とする焼鈍分離剤
を塗布後、2次再結晶仕上焼鈍を行った。
【0035】圧延方向に温度勾配を1.5℃/cmで付与
しながら1200℃まで25℃/hrで昇温し、引き続い
て1200℃で10時間の純化焼鈍を行った。得られた
鋼板の磁束密度B8 の平均は、Biが0%の材料で1.
901T、Biが0.03%の材料で1.976Tであ
った。
【0036】(実施例2)C:0.08%、Si:3.
0%、Mn:0.07%、S:0.025%、N:0.
007%、Bi:0.02%を基本成分とし酸可溶性A
lを0.01%、0.03%、0.05%の3水準の珪
素鋼を溶製し、それぞれ鋳片に分注鋳造後、1350℃
に加熱し、抽出後直ちに2.6mm板厚まで熱延し、熱延
後100℃水冷し550℃で保定した。その後、105
0℃で2分間の焼鈍をし直ちに100℃水冷を行った。
酸洗し0.35mmまで途中で250℃での時効処理を5
回挟んで冷延した。
【0037】引き続き850℃で3分の脱炭・1次再結
晶焼鈍を行い、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
後、2次再結晶仕上焼鈍を行った。圧延方向に温度勾配
を2.0℃/cmで付与しながら1200℃まで35℃/
hrで昇温し、引き続いて1200℃で20時間の純化焼
鈍を行った。得られた鋼板の磁束密度B8 の平均は、A
lが0.01%の材料で1.752T、Alが0.03
%の材料で1.982T、Alが0.05%の材料で
1.823Tであった。
【0038】(実施例3)C:0.05%、Si:3.
25%、Mn:0.10%、S:0.007%、P:
0.025%、酸可溶性Al:0.029%、N:0.
007%、Bi:0.007%、Cr:0.12%を含
有する珪素鋼を溶製し,スラブに鋳造後、1150℃に
加熱し、抽出後直ちに2.3mm板厚まで熱延し、熱延後
水冷し550℃で巻き取った。その後熱延板を1120
℃の温度で30秒900℃で90秒焼鈍し、750℃ま
で空冷後80℃の水中に急冷した。次いで酸洗後0.2
3mmまで5パスの圧延をし200℃以上で5分以上の時
効処理を行った。引き続き脱炭・1次再結晶焼鈍を85
0℃で2分行い、引き続いてNH3 雰囲気でN含有量が
200ppm になるよう窒化焼鈍を行った。
【0039】MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布後
の5Tコイルを、ボックスタイプで上部に加熱装置、下
部に冷却装置をもった焼鈍炉2次再結晶仕上焼鈍を行っ
た。圧延直角方向に1.0℃/cmの温度勾配を付与しな
がら1200℃まで15℃/hrで昇温し、引き続いて1
200℃で75時間の純化焼鈍を行った。得られたコイ
ルの5箇所でサンプリングし、測定したエプスタイン値
の磁束密度B8 は1.987Tであった。
【0040】
【発明の効果】本発明のBi添加、低温度勾配法による
超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造法は、極めて安定
的に超高磁束密度の製品が安価に得られるとともに磁区
細分化処理後の鉄損特性も極めて優れており、工業的に
非常に価値が高いものと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】各Bi含有量における温度勾配と磁束密度B8
の関係を示す図表。
【図2】Bi添加したときの、各温度勾配付与条件にお
けるAl含有量と磁束密度B8の関係を示す図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高嶋 邦秀 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 北河 久和 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 Si:2.5〜4.0%、 酸可溶性Al:0.015〜0.045%、 N :0.0030〜0.0150%、を基本成分と
    し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる溶鋼を鋳
    造し、熱間圧延し、65〜95%の最終強冷延を含む1
    回あるいは中間焼鈍を介入する2回以上の冷間圧延を行
    い最終板厚とし、次いで1次再結晶・脱炭焼鈍および2
    次再結晶仕上焼鈍を行う工程からなる一方向性電磁鋼板
    の製造方法において、Bi:0.0005〜0.05%
    を含有し、1次再結晶領域と2次再結晶領域との境界部
    位の鋼板に0.5℃/cm以上の温度勾配を与えながら2
    次再結晶仕上焼鈍をすることを特徴とする超高磁束密度
    一方向性電磁鋼板の製造方法。
JP7070180A 1995-03-28 1995-03-28 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 Withdrawn JPH08269572A (ja)

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JP2011174102A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Jfe Steel Corp S及びTi含有量の少ない高Si鋼の溶製方法

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