JPH08269360A - 着色用カーボンブラック及びその製造法 - Google Patents

着色用カーボンブラック及びその製造法

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JPH08269360A
JPH08269360A JP7905095A JP7905095A JPH08269360A JP H08269360 A JPH08269360 A JP H08269360A JP 7905095 A JP7905095 A JP 7905095A JP 7905095 A JP7905095 A JP 7905095A JP H08269360 A JPH08269360 A JP H08269360A
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JP
Japan
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carbon black
oil
air
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fuel oil
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JP7905095A
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English (en)
Inventor
Masayuki Hisai
政幸 久井
Masaru Tobinaga
勝 飛永
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性及び黒色度等の特性の優れたカーボン
ブラックを得る。 【構成】 着色力 110〜140% 窒素吸着比表面積 80〜120m2 /g DBP吸油量 60〜90ml/100g UV吸光度 0.15以下 を有するカーボンブラック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】着色用カーボンブラックはインキ
塗料トナー樹脂着色等に幅広く使用されている。中でも
トナーについては、近年使用原材料の安全性に関する要
求が高まっており、インキ、塗料樹脂着色用とは異な
り、カーボンブラック中に含まれる芳香族炭化水素量の
低減が求められている。
【0002】
【従来の技術】近年、カーボンブラックはトナー用黒色
顔料として使用されている。かかる用途に用いられるカ
ーボンブラックは従来から十分な黒色度が必要であり、
カーボンブラックのコロイダル特性の中で、窒素吸着比
表面積、DBP吸油量、着色力などを選定することによ
り、対応されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トナー
用途に用いられるためには、十分な黒色度の他に、安全
性が要求される。例えば、カーボンブラック中の極微量
の芳香族炭化水素に関し各国で各種溶剤抽出液につい
て、管理基準が定められている。これらカーボンブラッ
クに含有される芳香族炭化水素の中には、例えば3,4
ベンゾピレンのように、発ガン性が指摘されるものがあ
り、トナー用途では安全性の問題を生ずるためである。
これに対し各芳香族炭化水素成分の定量や必要な製造条
件については充分に明らかであるとはいえず、カーボン
ブラック中の芳香族炭化水素は、原料油の未分解生成物
であること、及び定性的には、トルエン着色透過度の高
いものは、芳香族炭化水素類は少ないと推定されること
はあるものの、このトルエン着色透過度からはトナー用
で要求されるカーボンブラック中の芳香族炭化水素を定
量することができず、従って安全性についての要求に充
分対応することはできなかった。このため、トナー用と
して安全性の高い、即ち芳香族炭化水素含有量を低減さ
せたカーボンブラックを製造することが待望されてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、カーボンブラ
ックのトルエン抽出液の特定波長における紫外線吸光度
(以降UV吸光度と略す)を一定値以下に下げることに
より、カーボンブラックに吸着した芳香族炭化水素、特
にこれらの1つである3,4ベンゾピレン量を下げうる
ことを見い出し、本発明に到達した。これにより、安全
性が高く、しかもトナーとして用いた場合の黒色度等の
特性も充分発現しうるカーボンブラックを製造すること
が可能となり、上記課題を解決するに至った。
【0005】すなわち本発明は、着色力110〜140
%、窒素吸着比表面積80〜120m2 /g、DBP吸
油量60〜90ml/100g、UV吸光度0.15以
下であるカーボンブラックにある。カーボンブラックの
諸特性がこれらの数値範囲内であれば、トナー用途とし
た場合の物性が望ましいものであり、また3,4ベンゾ
ピレン等の芳香族炭化水素量を抑えることができる。
尚、これらの諸特性は、公知の方法、例えばASTM
D3265−88等に準拠して測定することができる。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。一般に、
カーボンブラックは例えば図1に示すような横型炉を用
い空気、燃料油とともに中心部へ接線方向に2ケ所から
導入燃焼させ、高温雰囲気を形成し、原料油を炉の中心
部へ軸方向に導入することにより製造する。1は空気及
び燃料油供給バーナー、2は原料油供給バーナー、3は
反応部、4は燃焼部である。この場合、高温雰囲気、す
なわち図1でいえば反応部の状態、原料油の噴霧条件、
反応停止水等の条件を制御することで、カーボンブラッ
クの品質を制御することができる。
【0007】例えば、常温〜800℃、好ましくは40
0〜650℃の温度に予熱した空気の流量(Nm3
h)と燃料油(kg/h)の比を空気(Nm3 /h)/
燃料油(kg/h)=14〜22、好ましくは16〜2
0の範囲に設定して高温雰囲気を形成させ、原料油の噴
霧圧を3kg/cm2 以上で反応炉内へ導入することに
より本発明のカーボンブラックを得る。この際の高温雰
囲気下の温度は、1600〜1800℃、好ましくは1
700〜1800℃である。また反応停止水の条件とし
てはファーネス式横型製造炉で一般に採用されるよう
に、絞り部からの任意の位置で水量を3000kg/h
以下に設定すればよい。
【0008】この際、原料油噴霧位置を炉の絞り部より
遠ざける事、反応停止水の位置を炉の絞り部から遠ざけ
る事及び反応停止水量を下げる事等により原料油がカー
ボンブラックに熱分解する高温雰囲気をより広く形成さ
せる事及びそこをカーボンブラックが通過する時間を長
くさせる事により、所望のカーボンブラックを得ること
ができる。
【0009】高温雰囲気での滞留時間は、好ましくは5
0ms以上、より好ましくは55ms以上である。以上
述べた条件を適宜選択し本発明のカーボンブラックを製
造することができるが、本発明のカーボンブラックは、
いずれの方法により得られるものであっても、着色力等
の数値が上述した範囲となるものであればよい。一般に
原料油は上述の高温雰囲気下でカーボンブラックへ熱分
解するが一部は燃焼し、その他の未反応生成物は、芳香
族炭化水素類としてカーボンブラック表面に吸着するも
のと考えられる。
【0010】本発明者のカーボンブラックは、このよう
な芳香族炭化水素が少なく、中でも3,4−ベンゾピレ
ンの含有量を下げることができるものである。例えば本
発明のカーボンブラックは3,4−ベンゾピレンを1p
pb以下の含有量にまで抑えることができる。更に、本
発明のカーボンブラックは安全性と同時にトナー化して
も従来と遜色なく供することができるものである。以下
に実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り実施例の記述に限
定されるものではない。
【0012】実施例1 図1に示す様な反応室に絞り部を有するファーネス式横
型製造炉を用い、450℃に予熱した空気6000Nm
3 /hと燃料油340kg/hを導入燃焼させる。この
時空気(Nm3 /h)/燃料油(kg/h)の比は1
7.6である。次いで炭酸カリウム20ppmを含むク
レオソート油(C/H=14.7,BMCI=158)
を炉の中心部より噴霧圧5kg/cm2 以上で噴霧させ
て、1500〜1700℃の高温雰囲気下で71ms滞
留させて熱分解させ、反応停止水量=800kg/hで
カーボンブラックを得た。得られたカーボンブラックの
UV吸光度、3,4−ベンゾピレン量、着色力等の物性
を表−1に示す。各物性の試験方法は以下の通りであ
る。
【0013】試験方法 (1)着色力 ASTM D3265−88に準拠 (2)窒素吸着比表面積(SN2 ) ASTM D30
37−88に準拠 (3)DBP吸油量 ASTM D2414−88に準
拠 (4)UV吸光度 試料を恒温乾燥器(105±2℃)中で1時間乾燥
し、デシケーター中で室温まで冷却する。
【0014】 100ml共栓付き三角フラスコに試
料3.00gを秤り採る。 試料の入った三角フラスコ中へトルエンを30ml
加え、フラスコの栓をし、直ちに60秒間、手で激しく
振とうする。 105℃で乾燥しておいた濾紙で濾過する。(濾紙
はJIS P3801に規定された2種を用いる。) 濾液の吸光度を測定する。 吸光度は、試料を使用しないで〜項の操作を実施
(ブランクテスト)したもので、0−100%チェック
した後、濾液をフローセルにいれ、吸光度を測定する。 吸光度を0.001まで読み取る。 分光光度計の測定波長336mμの吸光度を測定する。
(使用機器“日立 U−1100”) 吸光度の記録は0.01までとする。
【0015】(5)トルエン着色透過度 ASTM D
1618−83に準拠 3,4ベンゾピレンの測定 カーボンブラックをベンゼン−エタノール混液で抽出し
ヘキサン−ジメチルスルホキシド分配、アルミナカラム
クロマトグラフィー及びアセチルセルロース薄層クロマ
トグラフィーによりクリーンアップを行ったのち、高速
液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【0016】実施例2 高温雰囲気下での滞留時間を57msとした以外は実施
例1と同様の操作によりカーボンブラックを得た。結果
を表−1に示す。
【0017】比較例1,2 高温雰囲気の滞留時間を短くした以外は実施例1と同様
の操作を行った。得られたカーボンブラックのUV吸光
度等の特性を表−1に示す。UV吸光度が0.15を超
えるものは、3,4ベンゾピレンが1ppbを越え高レ
ベルであることがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明のカーボンブラックは、芳香族炭
化水素量が抑えられ、中でも3,4ベンゾピレンを1p
pb以下とすることができ、トナー化しても性能は従来
品と遜色はなく、安全性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いることができる横型炉の一例
【符号の説明】
1 空気及び燃料油供給バーナー 2 原料油供給バーナー 3 反応部 4 燃焼部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色力 110〜140% 窒素吸着比表面積 80〜120m2 /g DBP吸油量 60〜90ml/100g UV吸光度 0.15以下 であるカーボンブラック。
  2. 【請求項2】 3,4ベンゾピレン含有量が1ppb以
    下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンブラ
    ック。
  3. 【請求項3】 3,4ベンゾピレンの含有量が0.05
    ppb以下であることを特徴とする請求項2記載のカー
    ボンブラック。
  4. 【請求項4】 燃料油と空気による燃焼で形成される燃
    焼雰囲気中に原料油を噴霧で連続的に供給し、原料油の
    熱分解によりカーボンブラックを製造する方法におい
    て、400〜650℃の温度に予熱された空気の流量と
    燃料油との比が空気(Nm3 /h)/燃料油(kg/
    h)=14〜22の範囲であり、原料油の噴霧圧が3k
    g/cm3 以上であり、原料油の高温雰囲気下の滞留時
    間が50ms以上であることを特徴とする請求項1記載
    のカーボンブラックの製造法。
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