JPH08268785A - 緻密なアルミナ質耐火物の製造方法 - Google Patents
緻密なアルミナ質耐火物の製造方法Info
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- JPH08268785A JPH08268785A JP7098018A JP9801895A JPH08268785A JP H08268785 A JPH08268785 A JP H08268785A JP 7098018 A JP7098018 A JP 7098018A JP 9801895 A JP9801895 A JP 9801895A JP H08268785 A JPH08268785 A JP H08268785A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 緻密なアルミナ質耐火物を短時間で効率よく
製造することができるアルミナ質耐火物の製造方法を提
供すること。 【構成】 アルミナ系原料を用いて得られるシリカ含有
量:5重量%以下で見掛気孔率:18〜30%の耐火物を母
材とし、該母材の一表面に、単位面積当たり0.01〜0.15
g/cm2のシリカ系ガラス層を介して、アルミニウムを接
触させた状態で酸素含有雰囲気中900〜1230℃で加熱
し、前記母材中にアルミニウムを反応浸透させて緻密な
アルミナ質耐火物を製造する方法。 【効果】 得られた緻密なアルミナ質耐火物は、優れた
組織、強度、耐食性及び耐摩耗性を有するので、これら
の特性が要求される部位、例えばスライドプレ−ト、出
銑鋼スリ−ブ等に好適に使用することができる。
製造することができるアルミナ質耐火物の製造方法を提
供すること。 【構成】 アルミナ系原料を用いて得られるシリカ含有
量:5重量%以下で見掛気孔率:18〜30%の耐火物を母
材とし、該母材の一表面に、単位面積当たり0.01〜0.15
g/cm2のシリカ系ガラス層を介して、アルミニウムを接
触させた状態で酸素含有雰囲気中900〜1230℃で加熱
し、前記母材中にアルミニウムを反応浸透させて緻密な
アルミナ質耐火物を製造する方法。 【効果】 得られた緻密なアルミナ質耐火物は、優れた
組織、強度、耐食性及び耐摩耗性を有するので、これら
の特性が要求される部位、例えばスライドプレ−ト、出
銑鋼スリ−ブ等に好適に使用することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緻密なアルミナ質耐火
物の製造方法に関し、特に緻密なアルミナ質耐火物を短
時間で効率よく製造することができる該アルミナ質耐火
物の製造方法に関する。
物の製造方法に関し、特に緻密なアルミナ質耐火物を短
時間で効率よく製造することができる該アルミナ質耐火
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスを緻密化する方法として
は、従来より (1) 成形圧や焼成温度を高くしたり、成形にラバ−プレ
ス(CIP)を用いる方法 (2) HIPを用いて加圧焼成する方法 (3) 焼結促進剤を添加する方法 (4) セラミックス成形体に液体金属塩又はタ−ル等を含
浸し、加熱処理によって該成形体中の気孔を滅する方法 (5) セラミックスプレフォ−ム又は充填材の気孔に金属
を酸化させながら充填する方法(特公平3−75508号公
報、特開昭63−30376号公報、特開昭63−170256号公報
参照) (6) ムライト含有セラミックス中に、アルミニウムを酸
化させながら反応浸透させる方法(特開平6−135766号公
報参照) が知られている。
は、従来より (1) 成形圧や焼成温度を高くしたり、成形にラバ−プレ
ス(CIP)を用いる方法 (2) HIPを用いて加圧焼成する方法 (3) 焼結促進剤を添加する方法 (4) セラミックス成形体に液体金属塩又はタ−ル等を含
浸し、加熱処理によって該成形体中の気孔を滅する方法 (5) セラミックスプレフォ−ム又は充填材の気孔に金属
を酸化させながら充填する方法(特公平3−75508号公
報、特開昭63−30376号公報、特開昭63−170256号公報
参照) (6) ムライト含有セラミックス中に、アルミニウムを酸
化させながら反応浸透させる方法(特開平6−135766号公
報参照) が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法のうち(1)
〜(4)の方法は、後に詳記する本発明とは全く異なる方
法であって、出発原料を微粉砕する必要があったり、大
型の装置を要するものである。
〜(4)の方法は、後に詳記する本発明とは全く異なる方
法であって、出発原料を微粉砕する必要があったり、大
型の装置を要するものである。
【0004】前記従来法(5)の技術は、高度に緻密化で
き、高温使用も可能であるが、緻密体を製造する速度が
極めて遅く、長時間の加熱を要し、製造効率が悪いとい
う欠点があった。一方、前記従来法(6)の技術では、上
記従来法(5)と同様、緻密体の製造が可能であるが、製
造の条件によっては反応浸透性が大きく変化し、安定し
た製品が得られ難いという欠点があった。
き、高温使用も可能であるが、緻密体を製造する速度が
極めて遅く、長時間の加熱を要し、製造効率が悪いとい
う欠点があった。一方、前記従来法(6)の技術では、上
記従来法(5)と同様、緻密体の製造が可能であるが、製
造の条件によっては反応浸透性が大きく変化し、安定し
た製品が得られ難いという欠点があった。
【0005】このような緻密体を耐火物として使用する
場合、ある程度大型品とする必要があり、その製造効率
が問題となるが、前記従来法(5)で大型品を製造しよう
とすると、より一層長時間の加熱を必要とし、製造効率
が極端に悪く、また、前記従来法(6)によっても安定し
た大型品が得られないという問題点を有している。
場合、ある程度大型品とする必要があり、その製造効率
が問題となるが、前記従来法(5)で大型品を製造しよう
とすると、より一層長時間の加熱を必要とし、製造効率
が極端に悪く、また、前記従来法(6)によっても安定し
た大型品が得られないという問題点を有している。
【0006】本発明者等は、耐火物の気孔中にアルミニ
ウムを酸化させながら反応浸透させて緻密化する方法に
ついて研究を重ねた結果、従来法にみられなかった非常
に短時間でアルミナ系耐火物を緻密化できる方法を見い
だし、本発明を完成したものである。
ウムを酸化させながら反応浸透させて緻密化する方法に
ついて研究を重ねた結果、従来法にみられなかった非常
に短時間でアルミナ系耐火物を緻密化できる方法を見い
だし、本発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明は、前記従来の欠点、問題点
を解消することを目的とし、特に強度、耐食性、耐摩耗
性などが要求される部材等の用途に適した緻密なアルミ
ナ質耐火物を短時間で効率よく製造することができる方
法を提供することを目的とする。また、本発明は、大型
品であっても、従来法に比し短時間で効率よく製造でき
る緻密なアルミナ質耐火物の製造方法を提供することを
目的とする。
を解消することを目的とし、特に強度、耐食性、耐摩耗
性などが要求される部材等の用途に適した緻密なアルミ
ナ質耐火物を短時間で効率よく製造することができる方
法を提供することを目的とする。また、本発明は、大型
品であっても、従来法に比し短時間で効率よく製造でき
る緻密なアルミナ質耐火物の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ系耐
火物を母材とし、この母材表面に、シリカ系ガラス層を
介して、アルミニウムを接触させ、所定の条件下で加熱
することを特徴とし、これにより前記した従来の欠点、
問題点を解消し、前記した目的とする緻密なアルミナ質
耐火物の製造方法を提供するものである。
火物を母材とし、この母材表面に、シリカ系ガラス層を
介して、アルミニウムを接触させ、所定の条件下で加熱
することを特徴とし、これにより前記した従来の欠点、
問題点を解消し、前記した目的とする緻密なアルミナ質
耐火物の製造方法を提供するものである。
【0009】即ち、本発明は、「アルミナ系原料を用い
て得られるシリカ含有量:5重量%以下で見掛気孔率:1
8〜30%の耐火物を母材とし、該母材の一表面に、単位
面積当たり0.01〜0.15g/cm2のシリカ系ガラス層を介し
て、アルミニウムを接触させた状態で酸素含有雰囲気中
900〜1230℃で加熱し、前記母材中にアルミニウムを反
応浸透させることを特徴とする緻密なアルミナ質耐火物
の製造方法。」を要旨とし、そして、前記母材がアルミ
ナ系原料を焼成して得られた耐火物からなることを本発
明の好ましい実施態様とするものである。
て得られるシリカ含有量:5重量%以下で見掛気孔率:1
8〜30%の耐火物を母材とし、該母材の一表面に、単位
面積当たり0.01〜0.15g/cm2のシリカ系ガラス層を介し
て、アルミニウムを接触させた状態で酸素含有雰囲気中
900〜1230℃で加熱し、前記母材中にアルミニウムを反
応浸透させることを特徴とする緻密なアルミナ質耐火物
の製造方法。」を要旨とし、そして、前記母材がアルミ
ナ系原料を焼成して得られた耐火物からなることを本発
明の好ましい実施態様とするものである。
【0010】以下、本発明に係る緻密なアルミナ質耐火
物の製造方法について詳細に説明するが、本発明におけ
る“アルミニウムの反応浸透”とは、母材中の気孔にア
ルミニウムが浸透すると同時に、そのアルミニウムの一
部が雰囲気中の酸素や母材とアルミニウムとの間に介在
するシリカ系ガラス層のシリカ系物質と反応して、アル
ミニウム酸化物を形成することを意味し、これにより母
材は、アルミニウム及びアルミニウム酸化物によって気
孔が埋められ緻密化するものである。このようにアルミ
ニウムの浸透に伴いアルミニウム酸化物が随時形成され
るので、本明細書で便宜上“アルミニウムの反応浸透”
という表現を用いることとする。
物の製造方法について詳細に説明するが、本発明におけ
る“アルミニウムの反応浸透”とは、母材中の気孔にア
ルミニウムが浸透すると同時に、そのアルミニウムの一
部が雰囲気中の酸素や母材とアルミニウムとの間に介在
するシリカ系ガラス層のシリカ系物質と反応して、アル
ミニウム酸化物を形成することを意味し、これにより母
材は、アルミニウム及びアルミニウム酸化物によって気
孔が埋められ緻密化するものである。このようにアルミ
ニウムの浸透に伴いアルミニウム酸化物が随時形成され
るので、本明細書で便宜上“アルミニウムの反応浸透”
という表現を用いることとする。
【0011】本発明に用いるアルミナ系原料としては、
特に限定するものではないが、電融アルミナ,焼結アル
ミナ,仮焼アルミナ,ボ−キサイト,合成ムライト,シ
リマナイト,ばん土けつ岩などを使用することができ
る。
特に限定するものではないが、電融アルミナ,焼結アル
ミナ,仮焼アルミナ,ボ−キサイト,合成ムライト,シ
リマナイト,ばん土けつ岩などを使用することができ
る。
【0012】また、上記アルミナ系原料に、混合成分と
して、各種の酸化物,炭化物,窒化物などを、焼結促進
材や強度付与などの目的で、母材重量に対し10%以下配
合することもでき、これらの混合成分を配合したアルミ
ナ系原料の使用も本発明に包含されるものである。これ
らの混合成分(添加剤)を例示すると、クリストバライ
ト,マグネシア,スピネル,ジルコニア,酸化クロム,
粘土類,炭化珪素,炭化ほう素,窒化珪素などを挙げる
ことができる。
して、各種の酸化物,炭化物,窒化物などを、焼結促進
材や強度付与などの目的で、母材重量に対し10%以下配
合することもでき、これらの混合成分を配合したアルミ
ナ系原料の使用も本発明に包含されるものである。これ
らの混合成分(添加剤)を例示すると、クリストバライ
ト,マグネシア,スピネル,ジルコニア,酸化クロム,
粘土類,炭化珪素,炭化ほう素,窒化珪素などを挙げる
ことができる。
【0013】本発明は、上記のようなアルミナ系原料
(又はこの原料に上記のような添加剤を配合したもの)を
用いて製造されたアルミナ系耐火物を母材とするもので
あるが、この母材中のシリカの割合は、5wt%以下にす
べきである。その理由は、シリカ量が5wt%を超える
と、母材の単位面積当りの反応生成物の量が多くなり過
ぎ、アルミニウムの浸透通路が小さくなって浸透速度が
低下したり、緻密化した部分に亀裂が生じたりするから
である。
(又はこの原料に上記のような添加剤を配合したもの)を
用いて製造されたアルミナ系耐火物を母材とするもので
あるが、この母材中のシリカの割合は、5wt%以下にす
べきである。その理由は、シリカ量が5wt%を超える
と、母材の単位面積当りの反応生成物の量が多くなり過
ぎ、アルミニウムの浸透通路が小さくなって浸透速度が
低下したり、緻密化した部分に亀裂が生じたりするから
である。
【0014】また、シリカとアルミニウムとの反応に
よりシリカが還元され、金属シリコンが析出するが、シ
リカ量が多いと(5wt%を超えると)、析出する金属シリ
コン量も多くなり、高温で使用する場合に耐食性が低下
する等の問題が生じる。さらに、母材中のシリカ量が
多いと、母材側面等への余分な生成が多くなり、この余
分に生成した部分を反応浸透させた後に取り除く工程
(加工工程)を必要とし、製造効率を低下させる等の問題
が生じるためである。
よりシリカが還元され、金属シリコンが析出するが、シ
リカ量が多いと(5wt%を超えると)、析出する金属シリ
コン量も多くなり、高温で使用する場合に耐食性が低下
する等の問題が生じる。さらに、母材中のシリカ量が
多いと、母材側面等への余分な生成が多くなり、この余
分に生成した部分を反応浸透させた後に取り除く工程
(加工工程)を必要とし、製造効率を低下させる等の問題
が生じるためである。
【0015】上記の理由を図1に基づいて更に説明す
る。なお、図1は母材にアルミニウムを反応浸透させる
その前後の試料の各切断面を模式的に示す図であって、
(A)は反応浸透前の試料、(B)は反応浸透後の試料を示
す図である。図中、1はアルミニウム、2はシリカ系ガ
ラス層、3は耐火物母材、4は緻密化した耐火物、5は
余分に生成した部分を示す。
る。なお、図1は母材にアルミニウムを反応浸透させる
その前後の試料の各切断面を模式的に示す図であって、
(A)は反応浸透前の試料、(B)は反応浸透後の試料を示
す図である。図中、1はアルミニウム、2はシリカ系ガ
ラス層、3は耐火物母材、4は緻密化した耐火物、5は
余分に生成した部分を示す。
【0016】図1(A)に示す耐火物母材3中にシリカ成
分が多い場合、この母材3を本発明にしたがって酸素含
有雰囲気中で900〜1230℃で加熱し、アルミニウム1を
反応浸透させると、図1(B)に示すように、緻密化した
耐火物4の側面等に余分に生成した部分5が多くなる。
この場合、上記の余分に生成した部分5に対して、後工
程で取り除く加工工程を必要とし、製造効率を低下させ
る等の問題が生じる。
分が多い場合、この母材3を本発明にしたがって酸素含
有雰囲気中で900〜1230℃で加熱し、アルミニウム1を
反応浸透させると、図1(B)に示すように、緻密化した
耐火物4の側面等に余分に生成した部分5が多くなる。
この場合、上記の余分に生成した部分5に対して、後工
程で取り除く加工工程を必要とし、製造効率を低下させ
る等の問題が生じる。
【0017】以上のように本発明において、アルミナ系
原料を用いて製造された耐火物を母材とするものである
が、この母材中のシリカ成分の量は、上記〜の理由
からその上限を5wt%とする必要がある。
原料を用いて製造された耐火物を母材とするものである
が、この母材中のシリカ成分の量は、上記〜の理由
からその上限を5wt%とする必要がある。
【0018】次に、アルミナ系耐火物からなる母材の製
造法について説明すると、本発明において、アルミナ系
原料の粒度配合は、採用する成形法に適した粒度構成に
調製したものを任意に使用することができる。母材製造
のための成形法としては、本発明で特に限定されるもの
ではなく、例えば金型プレス成形、ラバ−プレス(等方
静水圧プレス)、押出し成形、鋳込み成形、スリップキ
ャスト、射出成形などの方法を任意に用いることができ
る。
造法について説明すると、本発明において、アルミナ系
原料の粒度配合は、採用する成形法に適した粒度構成に
調製したものを任意に使用することができる。母材製造
のための成形法としては、本発明で特に限定されるもの
ではなく、例えば金型プレス成形、ラバ−プレス(等方
静水圧プレス)、押出し成形、鋳込み成形、スリップキ
ャスト、射出成形などの方法を任意に用いることができ
る。
【0019】本発明に用いる耐火物母材としては、特に
限定するものではないが、アルミナ系原料の成形体を焼
成した“焼成体”を使用するのが好ましい。不焼成の母
材を使用しても、アルミニウムの反応浸透は可能である
が、このような不焼成の母材を使用した場合、浸透した
部分があまり緻密化せず、強度がやや小さかったり、不
均一な浸透になったり、亀裂が生じる場合などがある。
限定するものではないが、アルミナ系原料の成形体を焼
成した“焼成体”を使用するのが好ましい。不焼成の母
材を使用しても、アルミニウムの反応浸透は可能である
が、このような不焼成の母材を使用した場合、浸透した
部分があまり緻密化せず、強度がやや小さかったり、不
均一な浸透になったり、亀裂が生じる場合などがある。
【0020】これに対して、アルミナ系原料の成形体を
焼成した母材の場合は、上記のような問題が生じないの
で、本発明に用いる耐火物母材としては、焼成されたも
のを使用するのが好ましい。なお、この焼成温度や焼成
時間は、用いる原料に応じ任意であるが、通常800〜180
0℃で1時間〜数時間焼成することが好ましい。
焼成した母材の場合は、上記のような問題が生じないの
で、本発明に用いる耐火物母材としては、焼成されたも
のを使用するのが好ましい。なお、この焼成温度や焼成
時間は、用いる原料に応じ任意であるが、通常800〜180
0℃で1時間〜数時間焼成することが好ましい。
【0021】本発明に用いる耐火物母材としては、見掛
気孔率が18〜30%になるように調整することが必要であ
る。その理由は、母材の見掛気孔率は、アルミニウムの
反応浸透の速度や均一性に大きな影響を与えるからであ
る。これを図2に基づいて説明する。
気孔率が18〜30%になるように調整することが必要であ
る。その理由は、母材の見掛気孔率は、アルミニウムの
反応浸透の速度や均一性に大きな影響を与えるからであ
る。これを図2に基づいて説明する。
【0022】図2は、切断面において、元の母材の面積
に対する緻密化した部分の割合(面積率)と母材の見掛気
孔率の関係を示したグラフである。具体的には、焼結ア
ルミナにボ−ルクレ−を1wt%又は3wt%混合し、後記表
1の粒度配合〜に調製し、各配合物を60MPa又は120
MPaの圧力で金型成形し、1500℃又は1760℃で3時間焼成
したものを耐火物母材とし、後記実施例1と同様な条件
で反応浸透させた。この場合の切断面における緻密化し
た部分の面積率に及ぼす母材の見掛気孔率の影響を示し
たグラフである。
に対する緻密化した部分の割合(面積率)と母材の見掛気
孔率の関係を示したグラフである。具体的には、焼結ア
ルミナにボ−ルクレ−を1wt%又は3wt%混合し、後記表
1の粒度配合〜に調製し、各配合物を60MPa又は120
MPaの圧力で金型成形し、1500℃又は1760℃で3時間焼成
したものを耐火物母材とし、後記実施例1と同様な条件
で反応浸透させた。この場合の切断面における緻密化し
た部分の面積率に及ぼす母材の見掛気孔率の影響を示し
たグラフである。
【0023】図2から明らかなように母材の見掛気孔率
が18%未満では、この母材中へのアルミニウムの反応浸
透速度が急激に低下する。一方、30%を超えると、この
反応浸透により得られた母材が十分に緻密化しないこと
があるので好ましくない。また、母材の見掛気孔率が18
%未満又は30%を超える場合では、反応浸透が不均一に
なりやすいので好ましくない。
が18%未満では、この母材中へのアルミニウムの反応浸
透速度が急激に低下する。一方、30%を超えると、この
反応浸透により得られた母材が十分に緻密化しないこと
があるので好ましくない。また、母材の見掛気孔率が18
%未満又は30%を超える場合では、反応浸透が不均一に
なりやすいので好ましくない。
【0024】本発明は、上記したアルミナ系耐火物を母
材とし、この母材表面に、シリカ系ガラスからなる層を
介して、アルミニウムを接触させ、所定の条件下で加熱
することを特徴とするが、本発明において、このシリカ
系ガラス層は、母材及びアルミニウムの両者に接触させ
るように配置する必要があり、母材とアルミニウムとの
間に挟まれるように配置すべきである。これを前掲の図
1(A)[アルミニウムの反応浸透前の試料の配置を模式
的に示した図]を参照して説明すると、シリカ系ガラス
層2は、アルミニウム1と耐火物母材3との間に挟まれ
るように配置し、アルミニウム1及び耐火物母材3の両
者に接触させるように配置する。
材とし、この母材表面に、シリカ系ガラスからなる層を
介して、アルミニウムを接触させ、所定の条件下で加熱
することを特徴とするが、本発明において、このシリカ
系ガラス層は、母材及びアルミニウムの両者に接触させ
るように配置する必要があり、母材とアルミニウムとの
間に挟まれるように配置すべきである。これを前掲の図
1(A)[アルミニウムの反応浸透前の試料の配置を模式
的に示した図]を参照して説明すると、シリカ系ガラス
層2は、アルミニウム1と耐火物母材3との間に挟まれ
るように配置し、アルミニウム1及び耐火物母材3の両
者に接触させるように配置する。
【0025】本発明において、シリカ系ガラスとして
は、粉末や板状のものを任意に使用することができる。
例えば、シリカ系ガラス粉を用い、これを耐火物母材表
面に塗布することができ、あるいは、シリカ系ガラス薄
板を用い、この薄板をアルミニウムと耐火物母材との間
に配置することもできる。
は、粉末や板状のものを任意に使用することができる。
例えば、シリカ系ガラス粉を用い、これを耐火物母材表
面に塗布することができ、あるいは、シリカ系ガラス薄
板を用い、この薄板をアルミニウムと耐火物母材との間
に配置することもできる。
【0026】また、シリカ系ガラスの種類についても、
特に制限するものではないが、反応浸透温度(900〜1230
℃)において、ある程度粘度が低下し(例えば105poise以
下に低下し)、母材中に浸透するものでなければならな
い。このようなシリカ系ガラスを例示すれば、石英ガラ
ス,パイレックスガラス,ソ−ダライムガラス,珪酸ソ
−ダガラス,硼珪酸ガラス,アルミノ珪酸系ガラスなど
を挙げることができる。
特に制限するものではないが、反応浸透温度(900〜1230
℃)において、ある程度粘度が低下し(例えば105poise以
下に低下し)、母材中に浸透するものでなければならな
い。このようなシリカ系ガラスを例示すれば、石英ガラ
ス,パイレックスガラス,ソ−ダライムガラス,珪酸ソ
−ダガラス,硼珪酸ガラス,アルミノ珪酸系ガラスなど
を挙げることができる。
【0027】本発明において、シリカ系ガラスが反応浸
透温度で低粘度化し、母材中に浸透すると同時にアルミ
ニウムと連続的に反応する。その際、シリカ系ガラスは
反応誘発剤としての役割を果たし、アルミニウムは母材
中の結晶質のシリカ系物質や雰囲気中の酸素とも反応
し、短時間で耐火物母材を緻密化することが可能とな
る。
透温度で低粘度化し、母材中に浸透すると同時にアルミ
ニウムと連続的に反応する。その際、シリカ系ガラスは
反応誘発剤としての役割を果たし、アルミニウムは母材
中の結晶質のシリカ系物質や雰囲気中の酸素とも反応
し、短時間で耐火物母材を緻密化することが可能とな
る。
【0028】本発明において、シリカ系ガラスの量は、
母材の表面積当たり0.01〜0.15g/cm2の範囲にする必要
がある。その理由は、シリカ系ガラスが0.01g/cm2より
少ないと、反応浸透が不均一になったり、浸透厚みが薄
いため、本発明で目的とする緻密な耐火物が得られ難い
からであり、一方、0.15g/cm2より多くなると、母材と
アルミニウムの間に隙間が生じたりして良好な反応浸透
が生じないからである。
母材の表面積当たり0.01〜0.15g/cm2の範囲にする必要
がある。その理由は、シリカ系ガラスが0.01g/cm2より
少ないと、反応浸透が不均一になったり、浸透厚みが薄
いため、本発明で目的とする緻密な耐火物が得られ難い
からであり、一方、0.15g/cm2より多くなると、母材と
アルミニウムの間に隙間が生じたりして良好な反応浸透
が生じないからである。
【0029】本発明において、アルミニウムは、シリカ
系ガラスに接触させる必要があり、この接触面から、順
次アルミニウムの反応浸透が進行する。なお、アルミニ
ウムの形状は任意であり、例えば粉末、板状体又は塊状
体等を用いることができるが、いずれの形状において
も、シリカ系ガラスに接触するように静置する必要があ
る。
系ガラスに接触させる必要があり、この接触面から、順
次アルミニウムの反応浸透が進行する。なお、アルミニ
ウムの形状は任意であり、例えば粉末、板状体又は塊状
体等を用いることができるが、いずれの形状において
も、シリカ系ガラスに接触するように静置する必要があ
る。
【0030】本発明において、母材中にアルミニウムを
反応浸透させる際の加熱条件としては、酸素含有雰囲気
で900℃〜1230℃で加熱する必要がある。この加熱条件
について、図3に基づいて説明する。図3は、反応浸透
時の加熱温度と浸透厚みとの関係を示す図であって、具
体的には、電融アルミナ原料にボ−ルクレ−を0.5wt%
混合し、後記表1のに示す粒度配合に調整し、後記実
施例1と同様な方法で母材を作成した。そして、この母
材上面にパイレックスガラス粉(ガラスA)を塗布したも
の、ソ−ダライムガラス粉(ガラスB)を塗布したものの
それぞれに、後記実施例1と同条件で作製したアルミニ
ウム成形体を載せ、酸素雰囲気中で加熱した。この場合
の加熱温度と浸透厚みとの関係を示した図である。
反応浸透させる際の加熱条件としては、酸素含有雰囲気
で900℃〜1230℃で加熱する必要がある。この加熱条件
について、図3に基づいて説明する。図3は、反応浸透
時の加熱温度と浸透厚みとの関係を示す図であって、具
体的には、電融アルミナ原料にボ−ルクレ−を0.5wt%
混合し、後記表1のに示す粒度配合に調整し、後記実
施例1と同様な方法で母材を作成した。そして、この母
材上面にパイレックスガラス粉(ガラスA)を塗布したも
の、ソ−ダライムガラス粉(ガラスB)を塗布したものの
それぞれに、後記実施例1と同条件で作製したアルミニ
ウム成形体を載せ、酸素雰囲気中で加熱した。この場合
の加熱温度と浸透厚みとの関係を示した図である。
【0031】図3から明らかなように、ガラスA(パイ
レックスガラス粉)を用いた場合では1100℃〜1200℃の
範囲で、また、ガラスB(ソ−ダライムガラス粉)を用い
た場合では950℃〜1200℃の範囲で、それぞれ良好な反
応浸透が生じることが認められた。なお、反応浸透が生
じる温度は、シリカ系ガラスの粘性に影響されると思わ
れる。
レックスガラス粉)を用いた場合では1100℃〜1200℃の
範囲で、また、ガラスB(ソ−ダライムガラス粉)を用い
た場合では950℃〜1200℃の範囲で、それぞれ良好な反
応浸透が生じることが認められた。なお、反応浸透が生
じる温度は、シリカ系ガラスの粘性に影響されると思わ
れる。
【0032】反応浸透時の雰囲気については、酸素が存
在しない場合、緻密化するためのアルミニウム酸化物が
生成されず、一方、酸素含有率が高い雰囲気ほどアルミ
ニウム酸化物の生成量が多く、反応浸透量が多くなる。
そのため、本発明では、できるだけ酸素含有率が高い雰
囲気、例えば50%以上が好ましく、より好ましくは80%
以上である。
在しない場合、緻密化するためのアルミニウム酸化物が
生成されず、一方、酸素含有率が高い雰囲気ほどアルミ
ニウム酸化物の生成量が多く、反応浸透量が多くなる。
そのため、本発明では、できるだけ酸素含有率が高い雰
囲気、例えば50%以上が好ましく、より好ましくは80%
以上である。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例、比較例及び従来例を
挙げ、本発明をより詳細に説明するが、ここで、以下の
実施例及び比較例で使用する母材製造用配合物の粒度に
ついて、まとめて表1に示す。
挙げ、本発明をより詳細に説明するが、ここで、以下の
実施例及び比較例で使用する母材製造用配合物の粒度に
ついて、まとめて表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例1)表1の「粒度配合」の焼結
アルミナ原料を用い、80MPaで幅100mm、厚み50mm、長さ
160mmの形状に金型成形した後、1760℃で3時間焼成して
耐火れんが母材とした。この母材中のシリカ量は0.02wt
%、見掛気孔率は21.7%であった。
アルミナ原料を用い、80MPaで幅100mm、厚み50mm、長さ
160mmの形状に金型成形した後、1760℃で3時間焼成して
耐火れんが母材とした。この母材中のシリカ量は0.02wt
%、見掛気孔率は21.7%であった。
【0036】この母材にパイレックスガラス粉末を0.05
g/cm2塗布し、さらにその上部に幅100mm、厚み25mm、
長さ160mmの形状に100MPaで形成したアルミニウム粉末
成形体を載せ、酸素雰囲気中1150℃で3時間加熱し、そ
の後冷却した。冷却後、長さ方向に二分し、切断面から
反応浸透により緻密化した部分の厚み(mm)を測定し、ま
た、緻密化した耐火物の見掛気孔率(%)も測定した。そ
の結果、緻密化した部分の厚みは45mmであり、見掛気孔
率は2.1%であった。
g/cm2塗布し、さらにその上部に幅100mm、厚み25mm、
長さ160mmの形状に100MPaで形成したアルミニウム粉末
成形体を載せ、酸素雰囲気中1150℃で3時間加熱し、そ
の後冷却した。冷却後、長さ方向に二分し、切断面から
反応浸透により緻密化した部分の厚み(mm)を測定し、ま
た、緻密化した耐火物の見掛気孔率(%)も測定した。そ
の結果、緻密化した部分の厚みは45mmであり、見掛気孔
率は2.1%であった。
【0037】(実施例2)電融アルミナ原料にクリスト
バライトを2wt%混合し、表1の「粒度配合」とした
配合物を作製し、前記実施例1と同様の方法で母材を製
造した。母材中のシリカ量は2wt%、見掛気孔率は19.3
%であった。この母材に前記実施例1と同じガラスを0.
02g/cm2塗布し、同一条件で反応浸透させた結果、緻密
化した部分の厚みは34mmであり、見掛気孔率は1.3%で
あった。
バライトを2wt%混合し、表1の「粒度配合」とした
配合物を作製し、前記実施例1と同様の方法で母材を製
造した。母材中のシリカ量は2wt%、見掛気孔率は19.3
%であった。この母材に前記実施例1と同じガラスを0.
02g/cm2塗布し、同一条件で反応浸透させた結果、緻密
化した部分の厚みは34mmであり、見掛気孔率は1.3%で
あった。
【0038】(実施例3)焼結アルミナ30wt%、予め焼
成された白ボ−キサイト70wt%を混合し、表1の「粒度
配合」に調製した。これを60MPaで幅85mm、厚み35m
m、長さ110mmの形状に成形した後、1600℃で5時間焼成
して耐火物母材とした。この母材のシリカ量は4.2%で
あり、見掛気孔率は18.5%であった。
成された白ボ−キサイト70wt%を混合し、表1の「粒度
配合」に調製した。これを60MPaで幅85mm、厚み35m
m、長さ110mmの形状に成形した後、1600℃で5時間焼成
して耐火物母材とした。この母材のシリカ量は4.2%で
あり、見掛気孔率は18.5%であった。
【0039】この母材の表面に0.05g/cm2に相当するソ
−ダライムガラス薄板を載せ、さらにその上に幅85mm、
厚み20mm、長さ110mmの形状に100MPaで成形したアルミ
ニウム粉末成形体を載せ、酸素雰囲気中950℃で3時間加
熱した。その結果、母材の上部27mmが緻密化し、その見
掛気孔率は1.0%であった。また、耐火物母材の曲げ強
度は28MPaであるが、緻密化した耐火物は160MPaであっ
た。
−ダライムガラス薄板を載せ、さらにその上に幅85mm、
厚み20mm、長さ110mmの形状に100MPaで成形したアルミ
ニウム粉末成形体を載せ、酸素雰囲気中950℃で3時間加
熱した。その結果、母材の上部27mmが緻密化し、その見
掛気孔率は1.0%であった。また、耐火物母材の曲げ強
度は28MPaであるが、緻密化した耐火物は160MPaであっ
た。
【0040】(実施例4)焼結アルミナ95wt%、マグネ
シア5wt%を混合し、表1の「粒度配合」に調製し、6
0MPaの圧力で幅100mm、厚み45mm、長さ160mmの形状に成
形した後、1600℃で3時間焼成して耐火物母材とした。
この母材中のシリカ量は0.02wt%であり、見掛気孔率は
27.5%であった。
シア5wt%を混合し、表1の「粒度配合」に調製し、6
0MPaの圧力で幅100mm、厚み45mm、長さ160mmの形状に成
形した後、1600℃で3時間焼成して耐火物母材とした。
この母材中のシリカ量は0.02wt%であり、見掛気孔率は
27.5%であった。
【0041】この母材の上にパイレックスガラス粉末を
0.12g/cm2塗布し、さらにその上部に幅100mm、厚み20m
m、長さ160mmの形状に成形したアルミニウム粉末成形体
を載せ、酸素70%、窒素30%の混合ガス雰囲気中1200℃
で3時間加熱した。その結果、上部32mmが緻密化した耐
火物に変化し、その部分の見掛気孔率は2.6%であっ
た。また、生成相は、アルミナ、スピネル、アルミニウ
ム及び微量なシリコンが検出された。
0.12g/cm2塗布し、さらにその上部に幅100mm、厚み20m
m、長さ160mmの形状に成形したアルミニウム粉末成形体
を載せ、酸素70%、窒素30%の混合ガス雰囲気中1200℃
で3時間加熱した。その結果、上部32mmが緻密化した耐
火物に変化し、その部分の見掛気孔率は2.6%であっ
た。また、生成相は、アルミナ、スピネル、アルミニウ
ム及び微量なシリコンが検出された。
【0042】(実施例5)焼結アルミナ80wt%と仮焼ア
ルミナ20wt%を混合し、表1の「粒度配合」とした配
合物に珪酸ソ−ダガラス5wt%、水8wt%添加し、流動性
のある混練物とした。この混練物を内径120mm、高さ50m
mの円筒状の鋳型に鋳込み、成形した。この成形体を110
℃で乾燥後、1300℃で5時間焼成して母材とした。この
母材中のシリカ量は1.5wt%、見掛気孔率は19.6%であ
った。
ルミナ20wt%を混合し、表1の「粒度配合」とした配
合物に珪酸ソ−ダガラス5wt%、水8wt%添加し、流動性
のある混練物とした。この混練物を内径120mm、高さ50m
mの円筒状の鋳型に鋳込み、成形した。この成形体を110
℃で乾燥後、1300℃で5時間焼成して母材とした。この
母材中のシリカ量は1.5wt%、見掛気孔率は19.6%であ
った。
【0043】この母材の上面にパイレックスガラス粉末
を0.07g/cm2塗布し、その上部に直径120mm、高さ20mm
の円筒状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲気中
1150℃で3時間加熱した。その結果、アルミニウムとの
接触面より38mmが緻密化した耐火物に変化し、その部分
の見掛気孔率は1.2%であった。
を0.07g/cm2塗布し、その上部に直径120mm、高さ20mm
の円筒状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲気中
1150℃で3時間加熱した。その結果、アルミニウムとの
接触面より38mmが緻密化した耐火物に変化し、その部分
の見掛気孔率は1.2%であった。
【0044】(実施例6)電融アルミナ96wt%、酸化ク
ロム3wt%、ボ−ルクレ−1wt%を混合し、表1の「粒度
配合」とした配合物を100MPaの圧力で幅85mm、厚み45
mm、長さ110mmの形状に成形した後、1760℃で3時間焼成
したものを母材とした。この母材中のシリカ量は0.6wt
%、見掛気孔率は24.2%であった。
ロム3wt%、ボ−ルクレ−1wt%を混合し、表1の「粒度
配合」とした配合物を100MPaの圧力で幅85mm、厚み45
mm、長さ110mmの形状に成形した後、1760℃で3時間焼成
したものを母材とした。この母材中のシリカ量は0.6wt
%、見掛気孔率は24.2%であった。
【0045】この母材の上面に珪酸ソ−ダガラス粉を0.
05g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚み20mm、長さ11
0mmの形状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲気
中1100℃で3時間加熱した。その結果、上部37mmが緻密
化した耐火物に変化し、その部分の見掛気孔率は1.9%
であった。
05g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚み20mm、長さ11
0mmの形状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲気
中1100℃で3時間加熱した。その結果、上部37mmが緻密
化した耐火物に変化し、その部分の見掛気孔率は1.9%
であった。
【0046】(実施例7)焼結アルミナ90wt%、炭化珪
素5wt%、窒化珪素4wt%、フリット1wt%を混合し、表
1の「粒度配合」とした配合物を、80MPaの圧力で幅8
5mm、厚み45mm、長さ110mmの形状に成形した後、1650℃
で3時間還元焼成したものを母材とした。母材中のシリ
カ量は0.8wt%、見掛気孔率は22.2%であった。
素5wt%、窒化珪素4wt%、フリット1wt%を混合し、表
1の「粒度配合」とした配合物を、80MPaの圧力で幅8
5mm、厚み45mm、長さ110mmの形状に成形した後、1650℃
で3時間還元焼成したものを母材とした。母材中のシリ
カ量は0.8wt%、見掛気孔率は22.2%であった。
【0047】この母材の上面にソ−ダライムガラス粉を
0.05g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚み20mm、長さ
110mmの形状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲
気中1050℃で3時間加熱した。その結果、上部40mmが緻
密化した耐火物に変化し、その部分の見掛気孔率は2.1
%であった。
0.05g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚み20mm、長さ
110mmの形状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲
気中1050℃で3時間加熱した。その結果、上部40mmが緻
密化した耐火物に変化し、その部分の見掛気孔率は2.1
%であった。
【0048】(比較例1)焼結アルミナ90wt%とクリス
トラバライト10wt%を混合し、表1の「粒度配合」に
調製し、60MPaの圧力で幅85mm、厚み45mm、長さ110mmの
形状に成形した後、1600℃で3時間焼成したものを母材
とした。母材中のシリカ量は10wt%、見掛気孔率は19.4
%であった。
トラバライト10wt%を混合し、表1の「粒度配合」に
調製し、60MPaの圧力で幅85mm、厚み45mm、長さ110mmの
形状に成形した後、1600℃で3時間焼成したものを母材
とした。母材中のシリカ量は10wt%、見掛気孔率は19.4
%であった。
【0049】この母材の上面にパイレックスガラスを0.
05g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚み20mm、長さ11
0mmの形状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲気
中1150℃で3時間加熱した。その結果、母材の上部9mmし
か緻密化されておらず、前掲の図1(B)に示すような母
材側面等への余分な生成量が多く、製造効率が悪かっ
た。この原因は、母材中のシリカ量が過剰であったため
と考えられる。
05g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚み20mm、長さ11
0mmの形状に成形したアルミニウムを載せ、酸素雰囲気
中1150℃で3時間加熱した。その結果、母材の上部9mmし
か緻密化されておらず、前掲の図1(B)に示すような母
材側面等への余分な生成量が多く、製造効率が悪かっ
た。この原因は、母材中のシリカ量が過剰であったため
と考えられる。
【0050】(比較例2)焼結アルミナ97wt%、ボ−ル
クレ−3wt%混合し、表1の「粒度配合」に調製し
た。これを比較例1と同様な形状に100MPaの圧力でCIP
成形し、1650℃で3時間焼成して母材とした。この母材
のシリカ量は1.7wt%であり、見掛気孔率は15.4%であ
った。この母材上面にソ−ダライムガラス粉を0.08g/c
m2塗布し、さらにその上部に幅85mm、厚み20mm、長さ11
0mmの形状に成形したアルミニウム成形体を載せ、酸素
雰囲気中1000℃で3時間加熱した。その結果、緻密化し
た部分の厚みは8mmであり、不均一な生成であった。生
成量の低下及び不均一な生成は、母材の見掛気孔率が低
かったことが原因と考えられる。
クレ−3wt%混合し、表1の「粒度配合」に調製し
た。これを比較例1と同様な形状に100MPaの圧力でCIP
成形し、1650℃で3時間焼成して母材とした。この母材
のシリカ量は1.7wt%であり、見掛気孔率は15.4%であ
った。この母材上面にソ−ダライムガラス粉を0.08g/c
m2塗布し、さらにその上部に幅85mm、厚み20mm、長さ11
0mmの形状に成形したアルミニウム成形体を載せ、酸素
雰囲気中1000℃で3時間加熱した。その結果、緻密化し
た部分の厚みは8mmであり、不均一な生成であった。生
成量の低下及び不均一な生成は、母材の見掛気孔率が低
かったことが原因と考えられる。
【0051】(比較例3)電融アルミナ原料95wt%、酸
化クロム3wt%、ボ−ルクレ−2wt%を混合し、表1の
「粒度配合」に調製した。これを60MPaの圧力で幅100
mm、厚み40m、長さ160mmに成形し、1760℃で3時間焼成
したものを母材とした。この母材のシリカ量は1.2wt%
であり、見掛気孔率は18.3%であった。この母材上面に
パイレックスガラス粉を0.2g/cm2塗布し、その上部に
幅100mm、厚み20mm、長さ160mmの形状に100MPaで成形し
たアルミニウム成形体を載せ、酸素雰囲気中1150℃で3
時間加熱した。その結果、緻密化した部分は15mmであ
り、不均一であった。母材とアルミニウム成形体との間
に隙間を生じた部分があり、これが原因と考えられる。
化クロム3wt%、ボ−ルクレ−2wt%を混合し、表1の
「粒度配合」に調製した。これを60MPaの圧力で幅100
mm、厚み40m、長さ160mmに成形し、1760℃で3時間焼成
したものを母材とした。この母材のシリカ量は1.2wt%
であり、見掛気孔率は18.3%であった。この母材上面に
パイレックスガラス粉を0.2g/cm2塗布し、その上部に
幅100mm、厚み20mm、長さ160mmの形状に100MPaで成形し
たアルミニウム成形体を載せ、酸素雰囲気中1150℃で3
時間加熱した。その結果、緻密化した部分は15mmであ
り、不均一であった。母材とアルミニウム成形体との間
に隙間を生じた部分があり、これが原因と考えられる。
【0052】(比較例4)表1の「粒度配合」の焼結
アルミナ原料を用い、60MPaの圧力で幅85mm、厚み40m
m、長さ110mmに成形し、1300℃で3時間焼成したものを
母材とした。この母材中のシリカ量は0.02wt%であり、
見掛気孔率は32.2%であった。この母材上面に珪酸ソ−
ダガラス粉を0.1g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚
み20mm、長さ110mmの形状に50MPaの圧力で成形したアル
ミニウム成形体を載せ、酸素雰囲気中1100℃で3時間加
熱した。その結果、不均一に23mm浸透層が生成したが、
見掛気孔率は9.2%であり、あまり緻密化されなかっ
た。見掛気孔率が大きすぎることが原因と考えられる。
アルミナ原料を用い、60MPaの圧力で幅85mm、厚み40m
m、長さ110mmに成形し、1300℃で3時間焼成したものを
母材とした。この母材中のシリカ量は0.02wt%であり、
見掛気孔率は32.2%であった。この母材上面に珪酸ソ−
ダガラス粉を0.1g/cm2塗布し、その上部に幅85mm、厚
み20mm、長さ110mmの形状に50MPaの圧力で成形したアル
ミニウム成形体を載せ、酸素雰囲気中1100℃で3時間加
熱した。その結果、不均一に23mm浸透層が生成したが、
見掛気孔率は9.2%であり、あまり緻密化されなかっ
た。見掛気孔率が大きすぎることが原因と考えられる。
【0053】(比較例5)前記実施例1と同じ条件で製
造した耐火物母材上面に、ソ−ダライムガラス粉を0.00
7g/cm2塗布し、その上部に幅100mm、厚み25mm、長さ16
0mmの形状に100MPaの圧力で成形したアルミニウム成形
体を載せ、酸素雰囲気中1100℃で3時間加熱した。その
結果、浸透層は6mmしか生成しなかった。シリカ系ガラ
スの量が少なすぎたことが原因と考えられる。
造した耐火物母材上面に、ソ−ダライムガラス粉を0.00
7g/cm2塗布し、その上部に幅100mm、厚み25mm、長さ16
0mmの形状に100MPaの圧力で成形したアルミニウム成形
体を載せ、酸素雰囲気中1100℃で3時間加熱した。その
結果、浸透層は6mmしか生成しなかった。シリカ系ガラ
スの量が少なすぎたことが原因と考えられる。
【0054】(従来例)前記従来法(5)に掲示した特開
昭63−30376号公報、特開昭63−170256号公報及び特開
平3−75508号公報に記載の方法において、アルミニウム
の酸化を用いて緻密化させる場合、最低18時間の保持時
間を要する。例えば、特開昭63−30376号公報に記載の
実施例1では、厚さ4.8mmのプレフォ−ムを緻密化させ
るのに1000℃で66時間、同公報に記載の実施例3では、
厚さ44mmのプレフォ−ムを緻密化させるのに1000℃で14
4時間保持しており、製造に長時間を要していることが
明らかである。
昭63−30376号公報、特開昭63−170256号公報及び特開
平3−75508号公報に記載の方法において、アルミニウム
の酸化を用いて緻密化させる場合、最低18時間の保持時
間を要する。例えば、特開昭63−30376号公報に記載の
実施例1では、厚さ4.8mmのプレフォ−ムを緻密化させ
るのに1000℃で66時間、同公報に記載の実施例3では、
厚さ44mmのプレフォ−ムを緻密化させるのに1000℃で14
4時間保持しており、製造に長時間を要していることが
明らかである。
【0055】ここで、前記実施例1〜7、比較例1〜5
で使用した母材及び緻密化した耐火物の緻密化部分厚(m
m)、見掛気孔率(%)をまとめて表2、表3に示す。
で使用した母材及び緻密化した耐火物の緻密化部分厚(m
m)、見掛気孔率(%)をまとめて表2、表3に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、アルミ
ナ系原料を用いて得られるシリカ含有量:5重量%以下
で見掛気孔率:18〜30%の耐火物を母材とし、該母材の
一表面に、単位面積当たり0.01〜0.15g/cm2のシリカ系
ガラス層を介して、アルミニウムを接触させた状態で酸
素含有雰囲気中900〜1230℃で加熱し、前記母材中にア
ルミニウムを反応浸透させることを特徴とするものであ
り、これによって短時間で効率よく、緻密なアルミナ系
耐火物が得られる効果が生じる。そして、本発明により
製造した緻密なアルミナ系耐火物は、優れた組織、強
度、耐食性、耐摩耗性等が要求される部位、例えばスラ
イドプレ−ト、出銑鋼スリ−ブ等に好適である。
ナ系原料を用いて得られるシリカ含有量:5重量%以下
で見掛気孔率:18〜30%の耐火物を母材とし、該母材の
一表面に、単位面積当たり0.01〜0.15g/cm2のシリカ系
ガラス層を介して、アルミニウムを接触させた状態で酸
素含有雰囲気中900〜1230℃で加熱し、前記母材中にア
ルミニウムを反応浸透させることを特徴とするものであ
り、これによって短時間で効率よく、緻密なアルミナ系
耐火物が得られる効果が生じる。そして、本発明により
製造した緻密なアルミナ系耐火物は、優れた組織、強
度、耐食性、耐摩耗性等が要求される部位、例えばスラ
イドプレ−ト、出銑鋼スリ−ブ等に好適である。
【図1】母材にアルミニウムを反応浸透させるその前後
の試料の各切断面を模式的に示す図であって、(A)は反
応浸透前の試料、(B)は反応浸透後の試料を示す図。
の試料の各切断面を模式的に示す図であって、(A)は反
応浸透前の試料、(B)は反応浸透後の試料を示す図。
【図2】切断面において、元の母材の面積に対する緻密
化した部分の割合(面積率)と母材の見掛気孔率の関係を
示す図。
化した部分の割合(面積率)と母材の見掛気孔率の関係を
示す図。
【図3】加熱温度と浸透厚みとの関係を示す図。
1 アルミニウム 2 シリカ系ガラス層 3 耐火物母材 4 緻密化した耐火物 5 余分に生成した部分
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミナ系原料を用いて得られるシリカ
含有量:5重量%以下で見掛気孔率:18〜30%の耐火物
を母材とし、該母材の一表面に、単位面積当たり0.01〜
0.15g/cm2のシリカ系ガラス層を介して、アルミニウム
を接触させた状態で酸素含有雰囲気中900〜1230℃で加
熱し、前記母材中にアルミニウムを反応浸透させること
を特徴とする緻密なアルミナ質耐火物の製造方法。 - 【請求項2】 前記母材が、アルミナ系原料を焼成して
得られた耐火物からなることを特徴とする請求項1記載
の緻密なアルミナ質耐火物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7098018A JPH08268785A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 緻密なアルミナ質耐火物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7098018A JPH08268785A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 緻密なアルミナ質耐火物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08268785A true JPH08268785A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=14208120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7098018A Pending JPH08268785A (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 緻密なアルミナ質耐火物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08268785A (ja) |
-
1995
- 1995-03-30 JP JP7098018A patent/JPH08268785A/ja active Pending
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