JPH0826794B2 - 可変圧縮比エンジン - Google Patents

可変圧縮比エンジン

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JPH0826794B2
JPH0826794B2 JP1823287A JP1823287A JPH0826794B2 JP H0826794 B2 JPH0826794 B2 JP H0826794B2 JP 1823287 A JP1823287 A JP 1823287A JP 1823287 A JP1823287 A JP 1823287A JP H0826794 B2 JPH0826794 B2 JP H0826794B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、二種類の燃料を相互に切換えて供給する二
元燃料エンジンであって、特に供給する燃料に応じて圧
縮比を設定することのできる可変圧縮比エンジンに関す
る。
従来の技術 近年、石油に対する代替エネルギー源として天然ガス
が見直され、これを自動車用燃料として活用しようとい
う動きが特に天然ガス産出国で活発化している。天然ガ
スは沸点の低いメタンを主成分としており、このため、
従来から自動車用燃料として一部で使用されているLPG
(液化石油ガス)のように常温下で液体貯蔵することが
困難であり、通常、圧縮天然ガス(Compressed Natural
Gas:略してCNGともいう)として、気相状態でボンベ内
に充填して車両に搭載するようにしている。
これらCNG等のガス燃料は、車両用燃料として普及し
ているガソリン及び軽油等の液体燃料(以下「ガソリン
燃料」で代表することがある)に比べてその供給体制が
必ずしも十分に整っていない。このため、一般に車両用
エンジンの主燃料としてガス燃料を使用する場合には、
液体燃料を補助燃料として備え、ガス燃料の欠乏時に液
体燃料に切換えたり、その他所望により相互に切換えて
使用できるようにしている。
上記二元燃料を切換えて使用する場合、一般にガス燃
料と液体燃料の最適圧縮比が異なるので、使用燃料に応
じて適宜圧縮比を切換えるのが望ましい。使用燃料に応
じて圧縮比を切換えるようにしたエンジンの例として
は、エンジンに供給する燃料を手動により切換えると同
時に、エンジンの圧縮比を可変するようにしたものが提
案されている(特開昭59−101560号,特願昭61−212699
号)。
発明が解決しようとする問題点 しかし、従来の二元燃料エンジンでは、使用燃料の切
換が手動式の切換スイッチによるものであったため、運
転中に使用中の主燃料の残量を常に注意している必要が
あり、残量が少なくなったとき、適宜運転者が切換スイ
ッチを操作し他の補助燃料に切換えた後再び運転を再開
するということになり、非常に不便であり、また、走行
中に主燃料の残量が少ないのに気付かずにそのまま走行
し続けると、燃料切れにより車両が失速し、後続車との
車間距離が急に減少する等の問題を有していた。
本発明はこのような事情に鑑みて創作されたものであ
り、その目的は、主燃料の実質的な全量消費後に、円滑
に補助燃料へ自動的に切換え、燃料の切換過渡時にもエ
ンジン出力の低下を招くことのないようにすることにあ
る。
問題点を解決するための手段 上述した従来技術の問題点は、その機能ブロック図が
第1図に示されるような可変圧縮比エンジンにより解決
される。即ち、このエンジンは、相対的に高圧縮比で使
用される主燃料と相対的に低圧縮比で使用される補助燃
料とをそれぞれに適した圧縮比で選択的にエンジンに供
給するようにした可変圧縮比エンジンであって、主燃料
の燃料圧力を検出しその圧力状態に応じた信号を出力す
る主燃料圧力検出手段1と、該検出手段からの信号に基
いて主燃料の燃料圧力が所定値以下であると判断したと
きにエンジンの圧縮比を変更する圧縮比可変手段2と、
圧縮比の切換の時点から所定時間経過後に供給燃料を主
燃料から補助燃料に自動的に切換える供給燃料切換手段
3とを具備して構成される。
本発明の望ましい実施態様によれば、前記所定時間
は、エンジン圧縮比の切換に要する時間に応じて設定さ
れる。
作用 本発明の可変圧縮比エンジンにあっては、主燃料圧力
検出手段1により主燃料(例えばCNG)の燃料圧力が所
定値以下であると判断されたときは、その信号を圧縮比
可変手段2に伝え先ずエンジンの圧縮比を変更(例え
ば、低く)する。また、供給燃料切換手段3は圧縮比切
換の時点から所定時間経過後にエンジンに供給する燃料
を主燃料供給から補助燃料(例えばガソリン燃料)供給
手段に自動的に切換える。この結果、低圧縮比下で使用
されるべき補助燃料が高圧縮比下でエンジンに供給され
ることがなくなる。従って、燃料が実質的に全量消費さ
れつくした後に、パワーの低下を招くことなく、自動的
にかつ円滑に燃料が切換えられる。
実 施 例 以下、本発明の望ましい実施例を図面にもとづいて詳
細に説明する。
第2図を参照すると、本発明の適用される可変圧縮比
エンジンの全体構成が示されており、この場合、燃料と
しては、ボンベ50内に150〜200kg/cm2の圧力で充填され
るCNG(主燃料)とガソリンタンク51内のガソリン(補
助燃料)とが用いられる。52はボンベ弁である。ボンベ
50内の高圧CNGは、高圧配管53介してレギュレータ54に
送られ、ここで2段階乃至3段階で大気圧近くまで減圧
された後に、低圧配管55を介して、ミキサー56に設けら
れたアクチュエータ57に供給され吸入空気と混合され
る。ミキサー56は、エンジンの吸気通路58に形成されて
いる。アクチュエータ57は、CNG制御回路59から線57aを
介して送られてくる信号により、その内部に形成される
図示しないガス通路の開度が設定され、CN燃料の供給量
を調節する。60はレギュレータ54と一体的に設けられる
燃料遮断弁であり、具体的には高圧配管53とレギュレー
タ54間に介挿されている。この遮断弁60は例えばソレノ
イド等を用いて構成される電磁弁からなり、線60aを介
して送られるCNG制御回路59からの信号により開閉制御
される。61は高圧配管53に連通するボンベ内圧センサで
あり、燃料ゲージ62に接続されている。
一方、ガソリンタンク51内のガソリン燃料は、ガソリ
ンタンク51内に設けられた図示しない燃料ポンプによ
り、配管63及びこの途中に設けられた図示しないフィル
タを介して、所定の圧力でインジェクタ64に圧送され
る。インジェクタ64は、実際には各気筒毎に設けられて
おり、線64aを介してガソリン燃料制御回路65から送り
込まれる電気的な駆動パルスに応じて開閉制御され、所
定圧力で送られる加圧ガソリン燃料を吸気弁10近傍へ間
欠的に噴射する。66は線64aに接続される燃料警告手段
であり、この警告手段66は、例えばランプ等を用いて構
成され、インジェクタ64が動作しているとき、つまり、
ガソリン燃料に切換わっているときに点灯してCNGが無
くなったことを運転者に知らしめる。
エアークリーナ67を介して吸入された吸入空気は、そ
の流量を吸気通路58に設けられ図示しないアクセルペダ
ルに連動するスロットル弁68によって制御される。吸気
通路58のスロットル弁68下流側には、導管69を介して吸
気管圧力センサ70が設けられ、このセンサは、吸気通路
58内の負圧に応じて発生する電圧信号を、線70a,bを介
してCNG制御回路59及びガソリン燃料制御回路65に送り
込む。
71はエンジンの点火ディストリビュータであって、ク
ランク軸が所定角度回転する毎にパルス信号を出力し、
このパルス信号は、線71a,bを介してCNG制御回路59及び
ガソリン燃料制御回路65に送り込まれる。
ミキサー56内でCNGを混合され、あるいはインジェク
タ64によりガソリン燃料を噴射されてなる混合気は、エ
ンジンの燃料室9内で燃焼し、燃焼した後の排気ガス
は、排気通路8及びこの途中に設けられる図示しない触
媒コンバータを介して大気中に排出される。排気通路8
には、排気ガス中の酸素濃度に応じて出力を発生する、
即ち空燃比が理論空燃比に対してリーン側にあるかリッ
チ側にあるかに応じて互いに異なる2値の出力電圧を発
生するO2センサ72が設けられており、このセンサの出力
は、線72a,bを介してCNG制御回路59及びガソリン燃料制
御回路65に送り込まれる。
36は、後述する圧縮比切換制御機構(油圧制御)にお
ける油の流れ方向を制御する圧縮比切換弁であり、L端
子あるいはH端子に選択的にバッテリ電圧を印加するこ
とにより、それぞれ低圧縮比(例えば9.3)あるいは高
圧縮比(例えば12.5)に設定可能なものである。バッテ
リ73は、イグニッションスイッチ74を介してCNG制御回
路59及びガソリン燃料制御回路65に接続されると共に、
リレー75の一方のスイッチング端子に接続され、更に高
圧配管53に設けられる圧力スイッチ76を介してリレー75
のコイル端子及び燃料切換弁36のH端子に接続されてい
る。リレー75の他方のスイッチング端子は燃料切換弁36
のL端子に接続されている。主燃料圧力検出手段として
の圧力スイッチ76は、例えばCNGのボンベ内圧力が7kg/c
m2を超えたときにオンとなり、同圧力以下のときにオフ
となるような周知のものである。圧縮比切換弁36が高圧
縮比にセットされているか低圧縮比にセットされている
かを示す例えば電圧信号は、線36a,bを介してCNG制御回
路59及びガソリン燃料制御回路65に入力される。
第3図は、ガソリン燃料制御回路65の一例を表すブロ
ック図である。
吸気管圧力センサ70からの電圧信号及びO2センサ72か
らの電圧信号は、アナログマルチプレクサ機能を有する
アナログ−デジタル(A/D)変換器80に送り込まれ、中
央演算処理ユニット(CPU)82からの指示に応じて順次
2進信号に変換される。
ディストリビュータ71からのクランク角所定角度毎の
パルス信号は、入力インターフェイス回路(I/O回路)8
4内に設けられる周知の速度信号形成回路に送り込ま
れ、これによりエンジンの回転速度を表す2進信号が形
成される。また、このパルス信号は、他の所定角度毎の
パルス信号と共に、燃料噴射パルス幅演算のための割込
み要求信号、燃料噴射開始信号、及び気筒判別信号等の
形成にも利用される。
圧縮比切換弁36からの信号は、同じくI/O回路84の所
定ビット位置に送り込まれ、インジェクタ64の作動開始
のための割込み要求信号の形成等に利用される。
出力インターフェイス回路(I/O回路)86内には、レ
ジスタ等を含む周知の燃料噴射制御回路が設けられてお
り、このI/O回路86は、CPU82から送り込まれる噴射パル
ス幅に関する2進のデータからそのパルス幅を有する噴
射パルス信号を形成する。この噴射パルス信号は、図示
しない駆動回路を介して4つのインジェクタ64に順次あ
るいは同時に送り込まれ、これらを付勢する。これによ
り、噴射パルス信号のパルス幅に応じた量の燃料が噴射
させられることとなる。
A/D変換器80、I/O回路84及び86は、マイクロコンピュ
ータの主要構成要素であるCPU82、ランダムアクセスメ
モリ(RAM)88、及びリードオンリメモリ(ROM)90に共
通バス92を介して接続されており、このバス92を介して
データ及び命令の転送等が行なわれる。
ROM90内には、メイン処理ルーチンプログラム、圧縮
比が切換わってから燃料噴射を開始するまでの所定時間
をカウントダウンするためのプログラム、燃料噴射パル
ス幅演算用の割込み処理ルーチンプログラム、各種補正
係数演算用の割込み処理ルーチンプログラム、及びその
他のプログラム、更にそれらの演算処理に必要な種々の
データがあらかじめ記憶されている。
一方、第4図は、CNG制御回路59の一例を表すブロッ
ク図である。この場合、A/D変換器80′、CPU82′、I/O
回路84′並びに86′、RAM88′、及びROM90′等のハード
ウェアは、基本的な作用及び構成が第3図に示したガソ
リン燃料制御回路65のハードウェアに準じているので、
その説明を省略する。
ガソリン燃料制御回路65及びCNG制御回路59として
は、術した構成と異なる種々の構成のものが適用でき
る。例えばI/O回路84,84′内に速度信号形成回路を設け
ることなく、所定クランク角毎にのパルス信号をCPU82,
82′が受け取り、ソフトウェアで速度信号を形成するよ
うに構成することも可能である。
第5図乃至第9図は、本発明エンジンに適用される圧
縮比切換制御機構の望ましい実施例を示すものである。
11はシリンダライナで、12は摺動自在に設けられるピ
ストンであり、その外周にはピストンリング13が設けら
れている。14はピストン12に装着されたピストンピン
で、スナップリング15により止められている。16はピス
トンピン14とクランクシャフト17を連結するコネクティ
ングロッドで、18はクランクシャフト17のクランクピ
ン、19はそのジャーナルである。20,21はジャーナル19
の軸受で、20′,21′がその軸受メタルである。22,23は
コネクティングロッド16のビッグエンドで、22′,23′
はその軸受メタルである。また、24はコネクティングロ
ッド16のスモールエンドである。
コネクティングロッド16のスモールエンド24とピスト
ンピン14との間には、偏心ベアリング25が設けられてい
る。この偏心ベアリング25は、ロックピン26によって固
定され、高圧縮比を維持するようになっている。24′,2
5′はスモールエンド24及び偏心ベアリング25の内側に
打込んだプッシュで、両部材の回転を円滑にする。
第8図に示す30は潤滑油をためる油だめで、内部の油
31は、オイルストレーナ32を通り、オイルポンプ34によ
り圧送される。33はリターンパイプ、35はオイルフィル
タである。
第9図に示す36は、フィルタ35からの油を、低圧縮比
用メインギャラリ37と高圧縮比用メインギャラリ38とに
流れ方向を切換える切換弁である。この切換弁36は、第
9図(イ),(ロ)に示すように、オイルポンプ34,オ
イルフィルタ35からの通路と、低圧縮比用メインギャラ
リ37,高圧縮比用メインギャラリ38に通ずる通路とへの
ポートを有しており、両メインギャラリ37,38への通路
を択一的に、ピストン36aを電磁石36bで作動させて選択
できるようになっている。第9図(ハ),(ニ)は、ロ
ータリピストン36cを電磁石36dによって回転させてメイ
ンギャラリ37,38に向かう通路を択一的に選択するもの
で、このような切換弁36を用いてもよい。
39,40は、ジャーナル19、軸受20,21、及びメタル2
0′,21′に設けられた油溝で、メタル20′,21′のみに
設けられてもよい。このうち油溝39は低圧縮比用メイン
ギャラリ37から油が供給され、油溝40には高圧縮比用メ
インギャラリ38から油が供給される。上記の油溝39,40
は互いに独立しており、クランクシャフト17の内部に設
けた油通路41により、コネクティングロッド16のビッグ
エンド22,23とその軸受メタル22′,23′の周囲に設けた
油溝42とに連通され得る。尚、油溝42は軸受メタル2
2′,23′のみに設けられてもよい。
コネクティングロッド16内には、油通路43が形成され
ていて、油溝42に結合されている。油通路43の上端部に
は、絞り油通路44が設けられており、この絞り油通路44
は、ロックピン26の上下運動のストロークを決める役割
と偏心ベアリング25のロックピン孔46からロックピン26
が抜ける速度をコントロールする。また、その上方のロ
ックピン固定室45は、ロックピン26の動きを、油を導い
てその非圧縮性を利用して止め、偏心ベアリング25から
のロックピンの抜けを防いでいる。47は、偏心ベアリン
グ25,ピストンピン14の潤滑のための注油穴である。
油溝39,40,42及び油通路41の関係はつぎのとおりであ
る。即ち、油溝40,油通路41,油溝42が結合している期間
は、クランクシャフト17によってピストン12が下がり、
ロックピン26がその慣性力で下向きに力を受けている間
で、油圧で油がこれらの油溝及び油通路40,41,42と、油
溝43,絞り油通路44を介してロックピン固定室45内に連
続的に入り、ロックピン26の下がりを油の非圧縮性を利
用して防ぐ。一方、油溝39,油通路41が結合している期
間は、油溝42と結合していないため、ロックピン26に油
圧が作用せず、ロックピン26は偏心ベアリング25のロッ
クピン穴46から抜けてしまうのを許すようになる。
次に、この圧縮比切換制御機構の動作について説明す
る。先ずCNGモードで高圧縮比(例えば12.5)が要求さ
れると、切換弁36が作動して第9図に示す状態となる。
油だめ31の油はストレーナ32,オイルポンプ34,オイルフ
ィルタ35を介して切換弁36に送られ、このときの切換弁
36は、油を高圧縮比用メインギャラリ38へと送る。そこ
から油は油溝40に供給される。この油は、クランクシャ
フト17のジャーナル19部の潤滑を行なう一方、クランク
シャフト17内の油通路41がこの油溝と導通している間、
クランクピン18の潤滑を行なう他、油溝42,43,絞り油通
路44を介してロックピン固定油室45に入る。
エンジン回転中、ピストン12の慣性力で偏心ベアリン
グ25が回転し、吸入上死点付近でその内部にもつロック
ピン穴46を下側にもつことと、ロックピン26がもつ上向
きの慣性力とによって、ロックピン26がロックピン穴46
に入り、偏心ベアリング25の動きが止まり、高圧縮比と
なる。この状態が第6図(イ)の状態である。そして、
クランクシャフト17が回転し、ピストン12が下死点付近
になると、逆にロックピン26は下向きの力を慣性力とし
て受ける。もしもこのときロックピン固定油室45に油が
ないと、第6図(ロ)のようにロックピン26は下にさが
り低圧縮比となるが、この期間には前述の如く、ロック
ピン固定油室45に油が満たされ、第6図(ハ)のように
高圧縮比が維持される。
一方、ガソリン燃料モードが選択され低圧縮比(例え
ば9.3)が要求されると、切換弁36は第9図に示す状態
と反対の状態となり、低圧縮比用メインギャラリ37へ油
を流すようになる。このため、油溝39に入った油は、ジ
ャーナル19の潤滑を行なう一方、第7図に示すように、
油溝39と油通路41が結合している間クランクピン18の潤
滑を行なう。また、それと同時に、吸気上死点付近でロ
ックピン固定油室45に油を供給するが、他死点付近で
は、高圧縮の場合とは逆に、ロックピン固定油室45に油
が供給されないため、ロックピン26は第7図(ロ)に示
すように下向きの慣性力でロックピン穴46から抜けてし
まい、その結果、吸気行程だけが長い(圧縮上死点付近
では燃焼室内圧がピストン12の慣性力に打勝ち、ロック
ピン26が抜けた状態が維持される)低圧縮比が維持され
る。
次に、上述した可変圧縮比エンジンの動作を各部分の
関連に基いて説明する。
先ず、CNGモード、即ちCNGがボンベ50内に充分な圧力
で充填されており圧力スイッチ76がオンで且つリレー75
がオフであるときには、CNG制御回路59が機能し、吸気
管圧力センサ70からの吸気管圧力に関するデータ及びデ
ィストリビュータ71からのエンジン回転速度データに基
き、これらのデータをパラメータとしてROM90′内に記
憶されているアクチュエータ57の基本開度が読み出され
る。この基本開度は、他の種々のセンサからの信号に応
じて都度補正され、補正された開度となるようにアクチ
ュエータが駆動される。この種の処理ルーチンは、一般
的なガソリン燃料噴射型エンジンの制御と同様の思想に
より構成することが可能であるのでその説明を省略す
る。点火時期は、吸気管圧力センサ70の信号とディスト
リビュータ71内に内蔵されたクランク角センサから得ら
れるエンジン回転数を基に、CNG制御回路59内のプログ
ラムにあらかじめ記憶された2次元マップからその時の
エンジン負荷に最適な基本点火時期が求められ、更にエ
ンジン冷却水温による補正が加えられてイグナイタへ点
火指示が出されることにより決定される。
次に、ボンベ50内のCNG圧力が減少し、圧力スイッチ7
6の設定値(例えば7kg/cm2)を下回ると、同スイッチは
オフとなり、リレー75のコイルへの通電が遮断されて同
リレースイッチング端子間がオンとなる。しかして、切
換弁36のH端子への通電が遮断されL端子への通電が開
始されて、エンジンの圧縮比は、前述した圧縮比切換制
御機構における油圧動作及びロックピン26の移動等に起
因する遅延時間を要して高圧縮比から低圧縮比に切換わ
る。これら一連の動作は、第10図に示されるフローチャ
ートのステップ101乃至103に対応している。ステップ10
4以降は、CNG制御回路59及びガソリン燃料制御回路65を
構成するマイクロコンピュータの指示に従っている。ス
テップ104では、切換弁36からの圧縮比切換信号を受け
て、例えばガソリン燃料制御回路65にプログラムされた
タイマーのカウントダウンが開始される。このカウント
ダウンは、ステップ106で所定時間T(例えば5.0秒)が
経過するまで継続される(ステップ105)。所定時間T
は、前述した圧縮比切換動作に要する遅延時間より十分
大きく設定されていることが望ましい。ステップ106で
所定時間Tが経過したと判断されると、ステップ107で
遮断弁60を閉じる。そのあとステップ108でインジェク
タ64の動作を開始して、ガソリン燃料モードとなる。
最後に、ガソリン燃料モードにあるときには、ガソリ
ン燃料制御回路65が機能し、吸気管圧力センサ70からの
吸気管負圧に関するデータ及びディストリビュータ71か
らのエンジン回転速度データに基き、基本燃料噴射量が
算出される。基本燃料噴射量は、演算によらずに吸気管
負圧に関するデータ及び回転速度デートをパラメータと
してROM90にあらかじめ記憶させておいてもよい。この
基本燃料噴射量は、他の種々のセンサからの信号に応じ
て都度補正され、補正された燃料噴射量に応じて形成さ
れる燃料噴射パルスによりインジェクタ64が駆動され
る。この種の処理ルーチンは周知であるので、その説明
を省略する。点火時期はCNGモードと同じくガソリン燃
料制御回路65よりイグナイタへ点火指示が出されること
により成し遂げられる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の可変圧縮比エンジンに
あっては、燃料切換の際の圧縮比切換に要する遅延時間
を見越した所定時間を待って、主燃料の供給を停止する
と共に、補助燃料の供給を開始するようにしているの
で、圧縮比切換直後に補助燃料が高圧縮比で使用される
ことが阻止され、この結果ノッキングが発生することが
防止され、エンジンの寿命が向上するという効果を奏す
る。
また、主燃料が実質的に全量消費されてかる補助燃料
に切換わるので、主燃料を余すことなく有効に使用され
るので航続距離が増大する。
尚、本発明を適用できる二元燃料の組合わせとして
は、CNGとガソリンの組合わせの他に、LPGとガソリン、
CNGとLPG、及びメタノールとガソリンの組合わせ等を挙
げることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の基本構成を示す機能ブロック図、 第2図は、本発明の適用される可変圧縮比エンジンの一
実施例を示すシステム構成図、 第3図は、第2図に示したガソリン燃料制御回路の一実
施例を示すブロック図、 第4図は、第2図に示したCNG制御回路の一実施例を示
すブロック図、 第5図(イ)は、本発明に適用される圧縮比切換制御機
構の実施例における油の経路を示す断面図、 第5図(ロ)は、第5図(イ)のA−A線断面図、 第6図(イ)は、同機構における上死点近傍でのロック
ピンによるロック時の断面図、 第6図(ロ)は、同機構における下死点でのロックピン
のロック解除時の断面図、 第6図(ハ)は、同下死点でのロックピンによるロック
時の断面図、 第7図(イ),(ロ),(ハ)は、油溝の相対位置図、 第8図は、同機構に用いる切換弁の制御系の実施例を示
す系統図、 第9図(イ)は、同切換弁の一実施例を示す断面図、第
9図(ロ)は、同切換弁の他の実施例を示す断面図、 第9図(ハ),(ニ)は、同切換弁の更に他の実施例を
示す断面図、 第10図は、本発明実施例の制御動作を示すフローチャー
ト図である。 25……偏心ベアリング、26……ロックピン、 36……切換弁、39,40,42……油溝、 41,43……油通路、54……レギュレータ、 59……CNG制御回路、 65……ガソリン燃料制御回路、 75……リレー、76……圧力スイッチ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に高圧縮比で使用される主燃料と相
    対的に低圧縮比で使用される補助燃料とをそれぞれに適
    した圧縮比て選択的にエンジンに供給するようにした可
    変圧縮比エンジンにおいて、 主燃料の燃料圧力を検出しその圧力状態に応じた信号を
    出力する主燃料圧力検出手段と、 該検出手段からの信号に基いて主燃料の燃料圧力が所定
    値以下であると判断したときにエンジンの圧縮比を変更
    する圧縮比可変手段と、 圧縮比の変更の時点から所定時間経過後に供給燃料を主
    燃料から補助燃料に切換える供給燃料切換手段とを具備
    してなることを特徴とする可変圧縮比エンジン。
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