JPH0826754A - ガラス製品の成形方法および成形装置 - Google Patents

ガラス製品の成形方法および成形装置

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JPH0826754A
JPH0826754A JP16656594A JP16656594A JPH0826754A JP H0826754 A JPH0826754 A JP H0826754A JP 16656594 A JP16656594 A JP 16656594A JP 16656594 A JP16656594 A JP 16656594A JP H0826754 A JPH0826754 A JP H0826754A
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molten glass
bar
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molten
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JP16656594A
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Yasushi Motai
康 馬渡
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AGC Techno Glass Co Ltd
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Toshiba Glass Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/26Transporting of glass tubes or rods
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/04Forming tubes or rods by drawing from stationary or rotating tools or from forming nozzles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/02Other methods of shaping glass by casting molten glass, e.g. injection moulding

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形中の溶融ガラスから揮発成分が揮発する
のを極力抑え、かつ、均一に急速に冷却しながらガラス
製品を成形する。 【構成】 溶融ガラス32を搬送バー33によって形成され
るガラス成形部37の閉空間に充填して揮発成分の揮発を
防止し、かつ、冷却・固化するとともに搬送バー33の振
動によって搬送して成形することにより、揮発成分の揮
発による成形品39の組成変化や光学的不良の発生を減少
できるとともに成形品39の寸法精度の向上を図ることが
できる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスの成形に係り、
特に、ガラスを成形する際に、溶融ガラス内の揮発成分
の揮発を防止して連続的にガラスを成形するガラスの成
形方法および成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、棒状あるいは板状のガラスの成形
方法として、図13(a)に示すダンナー方式によるガ
ラス丸棒あるいはガラス管成形方法、図13(b)に示
す一対のローラによる板ガラス成形方法、図13(c)
に示すローラとエンドレスコンベアによる板ガラス成形
方法、あるいは図13(d)に示すフロート法による板
ガラス成形方法などがあり、以下、図13(a)乃至図
13(d)を参照し、それぞれの成形方法について説明
する。
【0003】(1)ダンナー方式によるガラス管あるい
はガラス棒成形方法 図13(a)において、1 はガラスを溶融して溶融ガラ
ス2 を収容する溶融炉で、この溶融炉1 に対して傾斜し
て回転自在に設置されているスリーブ3 に溶融炉1 から
流出した溶融ガラス2 は回転しているスリーブ3 に巻き
付き、重力によってその上面から下方に移動し、スリー
ブ3 の先端に達した溶融ガラス2 は水平に設置されてい
る、例えば一対のローラからなる管引機4 によって回転
しながら矢印方向に引張られ、冷却・固化される。この
引張り成形の際、スリーブ2 に外挿固定されているブロ
ーパイプ5 からブローエアーAが供給されることによ
り、溶融ガラス2 は管状のガラス管6 に成形される。こ
のように引張り成形されたガラス管6 は管引機4 から排
出され、排出後、所定の長さに切断されて、成形品7が
完成される。なお、ブローパイプ5 からのブローエアー
Aの供給を停止して引張り成形を行なうと、ガラス管6
ではなく、中実のガラス棒が成形される。
【0004】(2)一対のローラによる板ガラス成形方
法 図13(b)において、溶融炉1 から流出する溶融ガラ
ス2 はそれぞれ対向し逆方向に回転している一対のロー
ラ8,8 で挾持され、ローラ8,8 の間隙によって定められ
る所定の厚さの板ガラス9 に成形される。ローラ8,8 に
挾持され所定の板厚に成形された板ガラス9 は、ローラ
8,8 から搬出後、一対のローラ10,10 に搬送ベルト11が
掛渡されているエンドレスコンベア12によって搬送され
ながら大気によって冷却・固化される。エンドレスコン
ベア12から排出された板ガラス9は所定の長さに切断さ
れて、板ガラス12の成形品13が完成される。
【0005】(3)ローラとエンドレスコンベアによる
板ガラス成形方法 図13(c)において、溶融炉1 から溶融ガラス2 を一
対のローラ14,14 に複数の搬送ベルト15が掛渡されてい
るエンドレスコンベア16上に流出し、流出した溶融ガラ
ス2 をエンドレスコンベア16とこのエンドレスコンベア
16の上方に配設されているローラ17によって挾持し、エ
ンドレスコンベア16とローラ17との間隙により定められ
る所定の厚さの板ガラス18に成形する。所定の板厚に成
形された板ガラス18はエンドレスコンベア16によって搬
送されながら大気によって冷却・固化される。エンドレ
スコンベア16から排出された板ガラス18は所定の長さに
切断されて、板ガラス18の成形品19が完成される。
【0006】(4)フロート法による板ガラス成形方法 図13(d)において、溶融炉1 から流出した溶融ガラ
ス2 は、加熱槽20に収容され高温に加熱されている、例
えば、金属スズなどの高温液体21上に浮上させた状態で
供給され、高温液体21上で板ガラス22に成形される。高
温液体21上で成形された板ガラス22は適宜手段によって
加熱槽20外に取り出され、取り出された板ガラス22は複
数の搬送ローラ23,23 によって搬送されながら大気によ
って冷却・固化される。搬送ローラ23,23 から排出され
た板ガラス22は所定の長さに切断されて、板ガラス22の
成形品23が完成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た四方式の成形方法には以下のような欠点がある。
【0008】すなわち、図13(a)に示すダンナー方
式による成形方法おいては、スリーブ3 に巻き付いた溶
融ガラス2 および管引機4 までの固化途中の高温のガラ
ス管6 は、大気に接している状態で成形されるため、溶
融ガラス2 および高温のガラス管6 中の、例えば弗素化
合物や硼素化合物などの揮発成分の揮発防止のための対
策が講じられておらず、揮発成分が揮発してしまい、成
形品7 の組成が変化してしまうことや均一な屈折率など
を維持できない光学的不良が発生するという問題があ
る。また、スリーブ3 の回転による成形方法であるた
め、成形品の断面形状が円形(ガラス管6 あるいは中実
のガラス棒)に限定されるという問題がある。さらに
は、成形品7 の外形寸法やガラス管6 の肉厚を高精度に
成形するためには、ガラス管6 の温度分布、管引機4 の
引張り速度などの制御を複雑な制御システムで間断なく
行なう必要があるという問題がある。
【0009】また、図13(b)に示す成形方法におい
ては、一対のローラ8,8 により挾持されている表面以外
の流出した溶融ガラス2 および固化途中の高温の板ガラ
ス9は大気に接しているために、溶融ガラス2 および高
温の板ガラス9 中の揮発成分の揮発防止のための対策が
講じられておらず、ダンナー方式と同様に、揮発成分が
揮発してしまうという問題がある。また、一対のローラ
8,8 に挾持されている時間が冷却作用の大部分を占める
ので、板厚が厚い板ガラス9 の中央部まで冷却するため
には、冷却用のローラ対を複数設けるか、あるいはロー
ラ8,8 の冷却能力を向上させることが必要となるが、前
者は機構が複雑となり、また、後者は板ガラス9 に永久
歪が残り後工程における破損の原因となるという問題が
ある。
【0010】また、図13(c)に示す成形方法におい
ては、上記一対のローラ8,8 による板ガラス9 の成形方
法と同様の問題があるとともに、エンドレスコンベア16
を構成する複数の搬送ベルト15が溶融ガラス2 によって
熱膨張したときに、搬送ベルト15間に隙間が発生しない
ように設定されているにもかかわらず、溶融ガラス2の
溶融温度などの成形条件の変動に伴ない、搬送ベルト15
間に隙間が発生する場合があり、この場合には、柔らか
い溶融ガラス2 が搬送ベルト15間に発生する隙間には入
り込んで板ガラス18の表面に凸起が発生してしまうとい
う問題がある。また、一般に、ローラ14,14 に冷却用液
体を流して冷却することは容易であるが、搬送ベルト15
に冷却用液体を流して冷却することは構造的に困難であ
り、成形される板ガラス18の温度制御が困難であるとい
う問題がある。
【0011】また、図13(d)に示すフロート法によ
る成形方法においては、高温液体21上に溶融ガラス2 を
浮上させて板ガラス22を成形する方法であるので、板ガ
ラス22の下面と高温液体21との間に化学反応が発生し、
また、板ガラス22の上面は大気と接しているので揮発成
分の揮発を防止できず、揮発成分が揮発してしまうとい
う問題がある。また、高温液体21が接しているために、
成形された板ガラス22を冷却する能力が弱いことと、板
ガラス22の永久歪を少なくするためには、板ガラス22の
板厚方向の温度分布を緩やかにする必要があることか
ら、必然的に冷却時間を長くすることが必要となり、成
形装置の長さが長くなって成形装置が大型化してしまう
という問題がある。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、成形中の溶融ガラスから揮発成分が揮発するのを極
力抑え、かつ、均一に急速に冷却しながら成形するガラ
ス製品の成形方法および成形装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、冷却機構が形成され振動自在な複数の搬
送バーによりその長手方向に形成される閉空間に溶融ガ
ラスを流出して上記閉空間を溶融ガラスで充填し、この
充填された溶融ガラスを上記搬送バーにより揮発成分の
揮発を防止しかつ冷却・固化するとともに、上記搬送バ
ーの振動により上記閉空間に沿って搬送させてガラス製
品に成形することを特徴とする。
【0014】また、本発明のガラス製品の成形方法は、
閉空間に沿って搬送している固化途中の溶融ガラスを切
断もしくは打抜くことを特徴とする。
【0015】また、本発明は、溶融ガラスを収容する溶
融炉と、この溶融炉から流出する溶融ガラスを一時的に
蓄える溶融ガラス溜まり部と、冷却機構が形成された複
数の搬送バーと、これら搬送バーに所定の振動を加える
振動手段と、上記複数の搬送バーを所定角度で対向させ
ることにより形成され上記溶融ガラス溜まり部と連通し
て溶融ガラスが充填される閉空間からなり、溶融ガラス
を上記搬送バーにより揮発成分の揮発を防止しかつ冷却
・固化するとともに上記振動手段が上記搬送バーに加え
る振動によって上記閉空間に充填されている溶融ガラス
を上記閉空間に沿って搬送してガラス製品に成形するガ
ラス成形部とを具備したことを特徴とする。
【0016】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融炉と溶融ガラス溜まり部との間の溶融ガラスの流出
経路に溶融ガラスをカバーするカバー手段を設けたこと
を特徴とする。
【0017】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部を搬送バーに一体的に形成したこと
を特徴とする。
【0018】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部と搬送バーを別体に形成したことを
特徴とする。
【0019】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
搬送バーはスライド可能な嵌め合い部を有する内側搬送
バーと外側搬送バーに分割されることを特徴とする。
【0020】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
ガラス成形部の閉空間に沿って搬送している固化途中の
溶融ガラスを切断する機構もしくは打抜く機構を付加し
たことを特徴とする。
【0021】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部からガラス成形部の閉空間の溶融ガ
ラス流入端側に配設されたコアピンを具備したことを特
徴とする。
【0022】
【作用】本発明のガラス製品の成形方法および成形装置
は上記のように構成したので、溶融ガラスを搬送バーに
よって形成されるガラス成形部の閉空間に充填して揮発
成分の揮発を防止しかつ冷却・固化するとともに搬送バ
ーの振動によって搬送して成形することにより、揮発成
分の揮発によるガラス製品の組成変化や光学的不良の発
生が減少されるとともにガラス製品の寸法精度の向上が
図れる。
【0023】本発明のガラス製品の成形方法および成形
装置は、閉空間に沿って搬送している固化途中の溶融ガ
ラスを切断もしくは打抜いて成形するので、後工程の簡
素化が図れる。
【0024】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融炉と溶融ガラス溜まり部との間の溶融ガラスの流出
経路に溶融ガラスをカバーするカバー手段を設けたの
で、溶融炉から溶融ガラス溜まり部に溶融ガラスを供給
する段階で揮発成分の揮発が防止され、ガラス製品の組
成変化や光学的不良の発生をより一層減少できる。
【0025】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部を搬送バーに一体的に形成したの
で、装置の構成が単純化される。
【0026】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部と搬送バーを別体に形成したので、
溶融ガラス溜まり部を振動させる必要がなくなり、大型
のガラス製品の成形が可能となる。
【0027】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
搬送バーはスライド可能な嵌め合い部を有する内側搬送
バーと外側搬送バーに分割されるので、搬送バー内部の
熱膨張の差によるそりの変形がスライド可能な嵌め合い
部で吸収され、ガラス成形部の閉空間の形状を一定に維
持することができる。
【0028】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部からガラス成形部の閉空間の溶融ガ
ラス流入端側に配設されたコアピンを具備したので、中
空のガラス製品の成形も可能となる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0030】図1は本発明の一実施例のガラス製品の成
形装置の概略を示す図(図1(a)は正面図、図1
(b)は側面図、図1(c)は平面図、図1(d)はB
−B断面図、および図1(e)は一方の搬送バーの動作
例を示す図)、図2は溶融ガラスのレベル制御の概念を
示す図、および図3は溶融ガラスの温度制御の概念を示
す図である。
【0031】上記図において、31はガラスを溶融し、溶
融ガラス32を収容する、例えばルツボ方式の溶融炉で、
この溶融炉31の底部に設けられている吐出口31a から溶
融ガラス32は複数本の搬送バー33(図示の例では2本)
によって形成される溶融ガラス溜まり部34に流出され、
溶融ガラス溜まり部34に一時的に蓄えられる。また、搬
送バー33は凹部が形成されている面同士を対向させて、
搬送バー33に振動を加える振動装置35を介して架台36に
保持・固定されている。
【0032】搬送バー33に形成されている凹部同士を対
向させることによって形成される閉空間が溶融ガラス32
を凹部の形状に成形するガラス成形部37となり、このガ
ラス成形部37は溶融炉31側の搬送バー33の一方の端部側
に形成されている溶融ガラス溜まり部34と連通して、そ
の閉空間内に溶融ガラス32が充填される。また、ガラス
成形部37の閉空間内に充填された溶融ガラス32を冷却し
固化するための冷却水を流す流路38が搬送バー33の側壁
と凹部との間に適宜間隔を設けて複数形成されている。
また、搬送バー33には振動装置35により、搬送バー33の
長手方向Xと搬送バー33が対向している方向Yの2次元
の方向の振動が加えられ、このため搬送バー33間には振
動が加わっても問題ない程度の間隙Dが必要となるが、
ガラス成形部37に充填される溶融ガラス32が漏れない程
度の間隙D、例えば0.5mm程度の間隙Dを設ければ
十分であって、特に問題はない。
【0033】搬送バー33にX方向とY方向の2次元の方
向の振動が振動装置35によって加えられることにより、
溶融ガラス32はガラス成形部37においてその閉空間の形
状に成形されて成形部37内を搬送される。すなわち、搬
送バー33にX方向とY方向の2次元の方向の振動が加え
られると、まず、振動の閉じる方向の動きにより、搬送
バー33はガラス成形部37の閉空間に充填されている溶融
ガラス32をY方向の振動で挾持し、X方向の振動で搬出
端側(図面の右端側)に溶融ガラス32を搬送する。そし
て、逆方向(振動の開く方向で戻る方向)の動きで、搬
送バー33は溶融ガラス32の挾持を解除して溶融ガラス32
を解放し、溶融ガラス32の搬送を中止して元の位置に戻
る。上記動作を繰返して行うことにより、溶融ガラス32
は成形・搬送される。つまり、大気から遮断された状態
で、溶融ガラス32は搬送バー33によってガラス成形部37
においてその閉空間の形状に成形され、流路38に流れる
冷却水によって冷却・固化されながら、ガラス成形部37
内を搬送される。この成形の際、振動する搬送バー33が
溶融ガラス32を挾持するときに、溶融ガラス32は搬送バ
ー33に形成されている流路38を流れる冷却水によって冷
却されるとともに振動する搬送バー33によって鍛造加工
され、寸法精度良く成形される。そして、ガラス成形部
37から成形品39として排出され、排出後、成形品39は切
断装置(不図示)により所定の長さに切断される。
【0034】図1(b)における左方(図1(c)にお
ける上方)の一方の搬送バー33の動作例として図1
(e)に(1)、(2)、および(3)の3動作軌跡を
示しているが、搬送バー33を駆動する振動装置35の駆動
方式によってそれぞれの動作軌跡が相違している。
(1)は振動装置35をリンク機構あるいは圧電素子によ
って構成したときの駆動方式による動作軌跡、(2)は
振動フィーダによって構成したときの駆動方式による動
作軌跡、および(3)は偏心カムによって構成したとき
の駆動方式による動作軌跡をそれぞれ示している。要
は、一対の搬送バー33によって、ガラス成形部37に充填
されている溶融ガラス32を挾持して搬送という動作と、
溶融ガラス32を解放して元の位置に戻るという動作がサ
イクル動作として得られる駆動方式であればよい。な
お、搬送バー33が4本以上で、動作する対が2対以上設
けられている場合には、サイクル動作の位相をずらすこ
とによってより滑らかな成形・搬送を行うことが可能と
なる。
【0035】ところで、吐出口31a から溶融ガラス溜ま
り部34に流出される溶融ガラス32の流出量とガラス成形
部37内で搬送バー33が搬送する溶融ガラス32の搬送量が
同一であれば、レベル制御装置41による溶融ガラス32の
液面制御は不要であるが、溶融ガラスの流出量と搬送量
が同一になることが継続して持続されることは、溶融炉
31内の溶融ガラス32のレベル低下による流出量の低下な
どが発生するため、現実には有り得ない。また、溶融ガ
ラス溜まり部34における溶融ガラス32のレベル低下はガ
ラス成形部37に充填される溶融ガラス32の充填量不足と
なって成形品39の形状不良の原因となり、また、溶融ガ
ラス32のレベルが上昇し過ぎると、溶融ガラス32が溶融
ガラス溜まり部34から溢れ出てしまい、成形作業を持続
できなくなるという問題が発生する。
【0036】そこで、溶融ガラス溜まり部34にはガラス
溶融装置31の吐出口31a から流出され蓄えられる溶融ガ
ラス32の液面を検出するレベルセンサ40が配設されてい
る。レベルセンサ40は、例えば、溶融ガラス32の導電性
を利用した静電容量式で構成され、両電極40a,40b 間に
流れる電流量によって溶融ガラス32の液面レベルを検出
する。このレベルセンサ40によって検出された検出レベ
ル信号はレベル制御装置41に出力され、レベル制御装置
41は入力された検出レベル信号に基づいて、搬送バー33
に振動を加える振動装置35、および吐出口31a に配設さ
れ、溶融ガラス32を加熱して流出量を調節する加熱装置
31b を制御する。すなわち、レベル制御装置41は溶融ガ
ラス32のレベルの高低に応じてガラス形成部37において
安定した成形が行なわれるように、振動装置35を制御し
て振動装置35が搬送バー33に加える振動の振幅の大小あ
るいは振動数の増減を調節し、あるいは、加熱装置31b
を制御して吐出口31a から溶融ガラス溜まり部34に流出
される溶融ガラス32の流出量を調節する。なお、レベル
センサ40を静電容量式で構成したが、これに限ることは
なく、例えば、光学式、電磁誘導式、あるいは白金線シ
ョート式などで構成するようにしてもよい。
【0037】また、一般に、ガラス成形においては、ガ
ラス製品にひびやクラックなどの外観不良が発生しない
ように、成形時の厳密な温度管理を必要としている。
【0038】そこで、搬送バー33に、搬送バー33で形成
されたガラス成形部37内に充填されて成形・搬送される
溶融ガラス32の温度を制御するために、図3(a)に示
すように、例えば熱電対式からなる複数の温度センサ42
が適宜位置(図示の例では、ガラス成形部37の入口、中
央部、および出口の3箇所)に配設されている。温度セ
ンサ42で検出された検出温度信号は温度制御装置43に出
力され、温度制御装置43は入力された検出温度信号に基
づいて、ガラス成形部37における温度分布が温度制御装
置43内の記憶装置に格納されている、例えば図3(c)
に示すような冷却曲線44になるようにガラス成形部37に
おける温度を制御する。すなわち、温度制御装置43は検
出温度信号と冷却曲線44とを比較して、水量制御弁45の
開閉を調節することにより、搬送バー33に形成されてい
る複数の流路38に流れるそれぞれの冷却水46の流量を制
御し、ガラス成形部37における温度分布が冷却曲線44に
なるようにする。なお、ガラス成形部37を冷却する冷却
流体を冷却水46としたが、冷却水46に限ることはなく、
圧縮空気などであってもよい。また、温度センサ42は熱
電対式に限ることはなく、サーミスタ式、あるいは放射
温度計式などで構成するようにしてもよい。
【0039】次に、上記構成のガラス製品の成形装置に
よるガラス製品の成型方法について説明する。
【0040】溶融炉31の吐出口31a から溶融ガラス32が
流出され、溶融ガラス溜まり部34に溶融ガラス32が一時
的に蓄えられる。溶融ガラス溜まり部34に蓄えられた溶
融ガラス32は搬送バー33によって形成されるガラス成形
部37の閉空間に充填される。振動装置35によって2次元
方向の振動が搬送バー33に加えられることにより、一対
の搬送バー33によってガラス成形部37に充填されている
溶融ガラス32を挾持して搬送という動作と、溶融ガラス
32を解放して搬送バー33が元の位置に戻るという動作が
繰り返して行なわれ、溶融ガラス32がガラス成形部37の
閉空間の形状に成形、つまり断面形状が中実の形状に成
形されるとともに搬送される。この溶融ガラス32を成形
・搬送するガラス成形部37において、搬送バー33に複数
形成されている流路38に冷却水46が供給されて、溶融ガ
ラス32は冷却・固化される。そして、ガラス成形部37か
ら成形品39として排出され、排出後、成形品39は切断装
置によって所定の長さに切断される。
【0041】また、上記した成形工程において、レベル
制御装置41による溶融ガラス32の液面制御と温度制御装
置43による溶融ガラス32の温度制御が行なわれる。
【0042】すなわち、レベル制御装置41は、溶融ガラ
ス溜まり部34に配設されているレベルセンサ40から出力
される検出レベル信号に基づいて、溶融ガラス32のレベ
ルの高低に応じてガラス形成部37において安定した成形
が行なわれるように、振動装置35を制御して振動装置35
が搬送バー33に加える振動の振幅の大小あるいは振動数
の増減を調節して搬送バー33による挾持力と搬送速度を
調節し、あるいは、加熱装置31b を制御して吐出口31a
から溶融ガラス溜まり部34に流出される溶融ガラス32の
流出量を調節する。このレベル制御装置41のレベル制御
によって、溶融ガラス溜まり部34における溶融ガラス32
のレベルが成形作業に適正なレベルに維持され、形状不
良のない成形品39が成形されるとともに成形作業が安定
して持続される。なお、レベル制御装置41のレベル制御
は搬送バー33を振動させる振動装置35の制御と加熱装置
31b のいずれか一方だけでもよいし、または、両方の制
御を併用するようにしてもよい。
【0043】また、温度制御装置43は、搬送バー33に配
設されている複数の温度センサ42によって検出された検
出温度信号と図3(a)に示されている所定の冷却曲線
とを比較して、水量制御弁44の開閉を調節することによ
り、搬送バー33に形成されている複数の流路38に流れる
それぞれの冷却水46の流量を制御する。この温度制御装
置43の温度制御によって、ガラス成形部37における温度
分布が所定の冷却曲線44に維持され、外観不良のない成
形品39が成形される。
【0044】上記実施例によれば、溶融ガラス32が搬送
バー33によって形成されるガラス成形部37の閉空間に充
填されて成形され、さらに、冷却・固化されることによ
り、溶融ガラス32に含有されている弗素化合物や硼素化
合物などの揮発成分の揮発を防止でき、揮発成分の揮発
による成形品39の組成変化や光学的不良の発生を減少で
き、高歩留まりで成形することができる。
【0045】また、複数の搬送バー33の種々の組合わせ
によりガラス成形部37の断面形状を変更できるので、種
々の形状の中実の成形品39を成形することができる。
【0046】また、振動する複数の搬送バー33が溶融ガ
ラス32を挾持するときに、溶融ガラス32は搬送バー33に
よって冷却されるとともに鍛造加工されるので、寸法精
度の良い成形品39を成形することができ、複雑な制御シ
ステムが不要となる。
【0047】また、溶融ガラス溜まり部34における溶融
ガラス32の液面をレベルセンサ40によって検出してレベ
ル制御部41が搬送バー33による搬送速度および/または
溶融ガラス32の吐出時温度を制御することにより、吐出
流量が一定でないるつぼ形式のガラス溶融装置31を使用
しているときであっても、溶融ガラス32の液面を一定に
維持することができ、上記と同様の作用効果を奏する。
【0048】また、搬送バー33に複数の冷却水46用の流
路38を形成するとともに複数の温度センサ42を配設した
ことにより、ガラス成形部37の出口温度は勿論のこと、
成形途中部の温度も温度制御部43によって制御可能とな
り、永久歪みの少ない成形品39を成形することができ
る。
【0049】また、溶融ガラス溜まり部34を搬送バー33
に一体的に形成したので、成形装置の構成を単純化する
ことができる。
【0050】次に、上記実施例の他の実施例について図
4乃至図12を参照し説明する。
【0051】図4は溶融炉31と溶融ガラス溜まり部34と
の間の溶融ガラス32の流出経路に溶融ガラス32をカバー
する手段を設けた他の実施例を示す図で、固定された溶
融炉31の吐出口31a と振動する溶融ガラス溜まり部34周
辺の搬送バー33との間に図4(a)に示すジャバラ式カ
バー51あるいは図4(b)に示すラビリンスシール式カ
バー52を設け、吐出口31a と溶融ガラス溜まり部34との
間の溶融ガラス32から揮発成分が揮発することを防止す
る構成である。このように、ジャバラ式カバー51あるい
はラビリンスシール式カバー52を設けることにより、溶
融炉31から溶融ガラス溜まり部34に溶融ガラス32を供給
する段階で揮発成分の揮発が防止され、成形品39の組成
変化や光学的不良の発生をより一層減少できる。
【0052】図5は溶融ガラス溜まり部53を搬送バー33
から分離した他の実施例を示す図で、この溶融ガラス溜
まり部53は、溶融ガラス32を蓄える穴状の蓄積部53a
と、溶融ガラスたまり部53を搬送バー33に連動させたと
きに、蓄積部53a と搬送バー33によって形成されるガラ
ス成形部37の閉空間とを段差なく連通する連通孔53b と
から構成され、特に、溶融ガラス溜まり部53が大きいた
め、搬送バー33と一緒に振動させ難いときに適用され
る。このように、溶融ガラス溜まり部53と搬送バー33を
別体に形成することにより、溶融ガラス溜まり部53を振
動させる必要がなくなり、大型の成形品39を成形するこ
とが可能となる。
【0053】図6は搬送バー33を分割した他の実施例を
示す図で、搬送バー33を下面が広くなっている内側搬送
バー33a とこれに連結する外側搬送バー33b とに分割し
て、内側搬送バー33a の下面の広がっている部分でダグ
テールなどのスライド可能な嵌め合い部33c を形成して
連結する構成である。このように構成することにより、
搬送バー33のガラス成形部37側は高温となって、冷却水
46が流れる流路38側は低温となることに起因する搬送バ
ー33内部の温度分布の発生に伴なう熱膨張の差によるそ
りの変形がスライド可能な嵌め合い部33c で吸収され
る。この結果、そりの変形の発生が防止され、ガラス成
形部37の閉空間の形状を入り口側から出口側まで一定に
維持することができる。
【0054】図7は上記実施例の成形工程に2次加工工
程を組込んだ他の実施例を示す図で、図7(a)は切断
工程を組込んだ工程を示す図、および図7(b)は打抜
き工程を組込んだ工程を示す図である。
【0055】図7(a)に示す切断工程では、搬送バー
33にガラス成形部37で中実状に成形された溶融ガラス32
を切断するカッター54を挿入する間隙55を形成し、図示
しない駆動装置によってカッター54を保持して間隙55に
沿って前後に往復動させて、成形途中の溶融ガラス32を
切断し成形途中で切断された成形品39a を製作する。成
形途中の溶融ガラス32を切断したとき、搬送バー33によ
って挾持される厚みは上記実施例と同一であるので、搬
送バー33によって同様に冷却・搬送される。
【0056】また、図7(b)に示す打抜き工程では、
一方の搬送バー33にポンチ孔56を形成するとともにこの
ポンチ孔56に対向して他方の搬送バー33に打抜き孔57を
形成し、ポンチ孔56に設置されたポンチ58と打抜き孔57
により打抜かれた成形品39bを製作する。打抜かれた孔
が形成されているガラス成形部37で成形された溶融ガラ
ス32はそのまま搬送バー33により搬送され、冷却・固化
される。
【0057】なお、両工程ともに、ガラス成形部37で成
形された溶融ガラス32が十分に固化していない状態で切
断あるいは打抜きを行なうことが可能である。
【0058】このように、閉空間に沿って搬送している
固化途中の溶融ガラス32を切断もしくは打抜いて成形す
ることができることにより、後工程において切断工程も
しくは打抜工程が不要となり、後工程のの簡素化が図る
ことができる。
【0059】上記実施例および他の実施例はいずれも中
実の成形品39,39a,39bを成形するものであったが、図8
に中空の成形品を成形する他の実施例を示す。
【0060】同図に示すように、溶融ガラス溜まり部34
が形成されている搬送バー33の溶融ガラス32流入端側
に、搬送バー33によって形成されるガラス成形部37の閉
空間より小さい形状の挿入孔59を溶融ガラス溜まり部34
およびガラス成形部37に連通させて形成し、この挿入孔
59から冷却水孔60が形成されたコアピン61を挿入するこ
とにより、コアピン61で中空部を形成するとともに冷却
水孔60を流れる冷却水62で冷却しながら、溶融ガラス32
を中空の成形品39d に成形する。この成形の際には、コ
アピン61に振動を与えて成形してももよいし、あるいは
振動を与えないで成形してもよく、成形品39d の大きさ
や溶融ガラス32の粘度などの成形状況に応じて適宜選択
可能である。なお、コアピン61は複数本設置可能であ
る。
【0061】このように、溶融ガラス溜まり部34からガ
ラス成形部37の閉空間の溶融ガラス32流入端側にコアピ
ン61を配設することにより、中空の成形品39d の成形も
可能となる。
【0062】上記実施例および他の実施例はいずれも搬
送バー33を2本使用した断面形状が板状の中実あるいは
中空の成形品39,39a,39b,39dを成形するものであった
が、図9乃至図12に2本以上の搬送バー33を用いて種
々の断面形状に成形品を成形する他の実施例を示す。
【0063】図9において、図9(a)は上記実施例で
示した2本の搬送バー33を断面板状のガラス成形部37が
形成されるように対向配置した例、図9(b)は4本の
搬送バー33を断面板状のガラス成形部37が形成されるよ
うに配置した例、図9(c)は4本の搬送バー33を断面
長方形のガラス成形部37が形成されるように配置した
例、図9(d)は3本の搬送バー33を断面三角形のガラ
ス成形部37が形成されるように配置した例、および図9
(e)は3本の搬送バー33を断面円形のガラス成形部37
が形成されるように配置した例をそれぞれ示している。
【0064】図10は成形品39の断面形状を示す図で、
図9に示した搬送バー33の配置で成形される成形品39の
断面形状を図9のそれぞれの配置に対応させて、それぞ
れ図10(a)〜(e)に示している。
【0065】また、図11は1個のコアピン61を搬送バ
ー33に設けて成形された中空の成形品39d の断面形状を
示す図で、図9に示した搬送バー33の配置で成形される
中空の成形品39d の断面形状を図9のそれぞれの配置に
対応させて、それぞれ図11(a)〜(e)に示してい
る。
【0066】また、図12は複数(2〜4)個のコアピ
ン61を搬送バー33に設けて成形された中空の成形品39d
の断面形状を示す図で、図9に示した搬送バー33の配置
で成形される中空の成形品39d の断面形状を図9のそれ
ぞれの配置に対応させて、それぞれ図12(a)〜
(e)に示している。
【0067】このように、複数の搬送バー33の種々の組
合わせによりガラス成形部37の断面形状を変更できるの
で、種々の形状の中実の成形品39を成形することができ
るとともに、コアピン61を併用することにより、種々の
形状の中空の成形品39d も成形することができる。
【0068】なお、上記実施例あるいは他の実施例で
は、搬送バー33の設置に必要な搬送バー33間の間隙Dは
直線状としたが、これに限ることはなく、例えば溶融ガ
ラス32の粘度が低いため凸起が発生して問題があるとき
には、間隙Dの形状を搬送バー33の長手方向にジグザグ
に形成してもよく、このように形成することにより凸起
の発生を防止することができる。
【0069】また、本発明は上記実施例あるいは他の実
施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において、種々変形可能なことは勿論である。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガラス製
品の成形方法および成形装置によれば、溶融ガラスを搬
送バーによって形成されるガラス成形部の閉空間に充填
して揮発成分の揮発を防止しかつ冷却・固化するととも
に搬送バーの振動によって搬送して成形することによ
り、揮発成分の揮発によるガラス製品の組成変化や光学
的不良の発生を減少できるとともにガラス製品の寸法精
度の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0071】また、本発明のガラス製品の成形方法およ
び成形装置は、閉空間に沿って搬送している固化途中の
溶融ガラスを切断もしくは打抜いて成形するので、後工
程の簡素化を図ることができる。
【0072】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融炉と溶融ガラス溜まり部との間の溶融ガラスの流出
経路に溶融ガラスをカバーするカバー手段を設けたの
で、溶融炉から溶融ガラス溜まり部に溶融ガラスを供給
する段階で揮発成分の揮発を防止でき、ガラス製品の組
成変化や光学的不良の発生をより一層減少できる。
【0073】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部を搬送バーに一体的に形成したの
で、装置の構成を単純化することができる。
【0074】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部と搬送バーを別体に形成したので、
溶融ガラス溜まり部を振動させる必要がなくなり、大型
のガラス製品の成形が可能となる。
【0075】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
搬送バーはスライド可能な嵌め合い部を有する内側搬送
バーと外側搬送バーに分割されるので、搬送バー内部の
熱膨張の差によるそりの変形がスライド可能な嵌め合い
部で吸収され、ガラス成形部の閉空間の形状を一定に維
持することができる。
【0076】また、本発明のガラス製品の成形装置は、
溶融ガラス溜まり部からガラス成形部の閉空間の溶融ガ
ラス流入端側に配設されたコアピンを具備したので、中
空のガラス製品の成形も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガラス製品の成形装置の概
略を示す図で、図1(a)は正面図、図1(b)は側面
図、図1(c)は平面図、図1(d)はB−B断面図、
および図1(e)は一方の搬送バーの動作例を示す図で
ある。
【図2】溶融ガラスのレベル制御の概念を示す図であ
る。
【図3】溶融ガラスの温度制御の概念を示す図で、図3
(a)は温度センサの配置を示す図、図3(b)は温度
制御システムを示す図、および図3(c)は冷却曲線を
示す図である。
【図4】溶融炉と溶融ガラス溜まり部との間に設けたカ
バー手段を示す他の実施例の図で、図4(a)はジャバ
ラ式カバーを示す図、および図4(b)はラビリンスシ
ール式カバーを示す図である。
【図5】搬送バーから分離した溶融ガラス溜まり部を示
す他の実施例の図で、図5(a)は平面図、および図5
(b)は断面図である。
【図6】搬送バーを分割した他の実施例を示す断面図で
ある。
【図7】2次加工工程を組込んだ他の実施例を示す図
で、図7(a)は切断工程を組込んだ工程を示す図、お
よび図7(b)は打抜き工程を組込んだ工程を示す図で
ある。
【図8】中空の成形品を成形する他の実施例を示すで、
図8(a)は平面断面図、および図8(b)は側面断面
図である。
【図9】中実のガラス製品の成形時の搬送バーの配置を
示す図で、図9(a)は上記実施例で示した2本の搬送
バー33を断面板状のガラス成形部37が形成されるように
対向配置した図、図9(b)は4本の搬送バー33を断面
板状のガラス成形部37が形成されるように配置した図、
図9(c)は4本の搬送バー33を断面長方形のガラス成
形部37が形成されるように配置した図、図9(d)は3
本の搬送バー33を断面三角形のガラス成形部37が形成さ
れるように配置した図、および図9(e)は3本の搬送
バー33を断面円形のガラス成形部37が形成されるように
配置した図をそれぞれ示している。
【図10】中実の成形品39断面形状を示す図で、図9に
示した搬送バーの配置で成形される中実の成形品の断面
形状を図9のそれぞれの配置に対応させて、それぞれ図
10(a)〜(e)に示している。
【図11】1個のコアピンを設けて成形された中空の成
形品の断面形状を示す図で、図9に示した搬送バーの配
置で成形される中空の成形品の断面形状を図9のそれぞ
れの配置に対応させて、それぞれ図11(a)〜(e)
に示している。
【図12】複数個のコアピンを設けて成形された中空の
成形品の断面形状を示す図で、図9に示した搬送バーの
配置で成形される中空の成形品の断面形状を図9のそれ
ぞれの配置に対応させて、それぞれ図12(a)〜
(e)に示している。
【図13】従来の成形方法の概略構成を示す図で、図1
3(a)はダンナー方式による成形方法を示す図、図1
3(b)は一対のローラによる成形方法を示す図、図1
3(c)はローラとエンドレスコンベアによる成形方法
を示す図、および図13(d)はフロート法による成形
方法を示す図ある。
【符号の説明】
31…溶融炉 32…溶融ガラス 33…搬送バー 33a …内側搬送バー 33b …外側搬送バー 33c …嵌め合い部 34…溶融ガラス溜まり部 35…振動装置 37…ガラス成形部 38…流路(冷却機構) 39…成形品(ガラス製品) 39d …中空の成形品(ガラス製品) 51…ジャバラ式カバー(カバー手段) 52…ラビリンスシール式カバー(カバー手段) 53…溶融ガラス溜まり部 54…カッター(切断する機構) 58…ポンチ(打抜く機構) 61…コアピン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却機構が形成され振動自在な複数の搬
    送バーによりその長手方向に形成される閉空間に溶融ガ
    ラスを流出して上記閉空間を溶融ガラスで充填し、この
    充填された溶融ガラスを上記搬送バーにより揮発成分の
    揮発を防止しかつ冷却・固化するとともに、上記搬送バ
    ーの振動により上記閉空間に沿って搬送させてガラス製
    品に成形することを特徴とするガラス製品の成形方法。
  2. 【請求項2】 閉空間に沿って搬送している固化途中の
    溶融ガラスを切断もしくは打抜くことを特徴とする請求
    項1記載のガラス製品の成形方法。
  3. 【請求項3】 溶融ガラスを収容する溶融炉と、この溶
    融炉から流出する溶融ガラスを一時的に蓄える溶融ガラ
    ス溜まり部と、冷却機構が形成された複数の搬送バー
    と、これら搬送バーに所定の振動を加える振動手段と、
    上記複数の搬送バーを所定角度で対向させることにより
    形成され上記溶融ガラス溜まり部と連通して溶融ガラス
    が充填される閉空間からなり、溶融ガラスを上記搬送バ
    ーにより揮発成分の揮発を防止しかつ冷却・固化すると
    ともに上記振動手段が上記搬送バーに加える振動によっ
    て上記閉空間に充填されている溶融ガラスを上記閉空間
    に沿って搬送してガラス製品に成形するガラス成形部と
    を具備したことを特徴とするガラス製品の成形装置。
  4. 【請求項4】 溶融炉と溶融ガラス溜まり部との間の溶
    融ガラスの流出経路に溶融ガラスをカバーするカバー手
    段を設けたことを特徴とする請求項3記載のガラス製品
    の成形装置。
  5. 【請求項5】 溶融ガラス溜まり部を搬送バーに一体的
    に形成したことを特徴とする請求項3あるいは4記載の
    ガラス製品の成形装置。
  6. 【請求項6】 溶融ガラス溜まり部と搬送バーを別体に
    形成したことを特徴とする請求項3あるいは4記載のガ
    ラス製品の成形装置。
  7. 【請求項7】 搬送バーはスライド可能な嵌め合い部を
    有する内側搬送バーと外側搬送バーに分割されることを
    特徴とする請求項3あるいは4記載のガラス製品の成形
    装置。
  8. 【請求項8】 ガラス成形部の閉空間に沿って搬送して
    いる固化途中の溶融ガラスを切断する機構もしくは打抜
    く機構を付加したことを特徴とする請求項3あるいは4
    記載のガラス製品の成形装置。
  9. 【請求項9】 溶融ガラス溜まり部からガラス成形部の
    閉空間の溶融ガラス流入端側に配設されたコアピンを具
    備したことを特徴とする請求項3あるいは4記載のガラ
    ス製品の成形装置。
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