JPH08267426A - セラミックスグリーンシートおよびその製造方法 - Google Patents
セラミックスグリーンシートおよびその製造方法Info
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- JPH08267426A JPH08267426A JP7010795A JP7010795A JPH08267426A JP H08267426 A JPH08267426 A JP H08267426A JP 7010795 A JP7010795 A JP 7010795A JP 7010795 A JP7010795 A JP 7010795A JP H08267426 A JPH08267426 A JP H08267426A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 セラミックススラリーの持つ見掛けの粘度差
によるセラミックスグリーンシートの厚みの差やばらつ
きが生じることを防止し、且つセラミックスグリーンシ
ートの両面の厚みの差やばらつき等の少ないことを特徴
としている。 【構成】 キャリアフィルムをセラミックス槽中のセラ
ミックススラリーに浸漬して引き上げる際に、スラリー
槽中の引き上げロールの形状を、スラリーの流動域を増
加させる形状にして、スラリーからキャリアフィルムを
引き上げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリー
からセラミックスグリーンシートを形成することを特徴
としている。
によるセラミックスグリーンシートの厚みの差やばらつ
きが生じることを防止し、且つセラミックスグリーンシ
ートの両面の厚みの差やばらつき等の少ないことを特徴
としている。 【構成】 キャリアフィルムをセラミックス槽中のセラ
ミックススラリーに浸漬して引き上げる際に、スラリー
槽中の引き上げロールの形状を、スラリーの流動域を増
加させる形状にして、スラリーからキャリアフィルムを
引き上げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリー
からセラミックスグリーンシートを形成することを特徴
としている。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は各種電子部品の製造に
使用されるセラミックスグリーンシートおよびこの様な
セラミックスグリーンシートの製造方法に関するもので
ある。
使用されるセラミックスグリーンシートおよびこの様な
セラミックスグリーンシートの製造方法に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】従来、セラミックスグリーンシートの製
造方法としては、例えば図面の図１に示される様に、ロ
ール状に巻かれたキャリアフィルム２の片面上にセラミ
ックスグリーンシート材料のスラリー１０をブレード１
１によって一定の厚さに調整して付着させ、キャリアフ
ィルム２の片面に付着したスラリーを乾燥ゾーン６にお
いて乾燥して、次いで、キャリアフィルム７からスラリ
ーを剥離して巻取ロール９により巻き取ってセラミック
スグリーンシート８を得るようにしたドクターブレード
法が提案されている。
造方法としては、例えば図面の図１に示される様に、ロ
ール状に巻かれたキャリアフィルム２の片面上にセラミ
ックスグリーンシート材料のスラリー１０をブレード１
１によって一定の厚さに調整して付着させ、キャリアフ
ィルム２の片面に付着したスラリーを乾燥ゾーン６にお
いて乾燥して、次いで、キャリアフィルム７からスラリ
ーを剥離して巻取ロール９により巻き取ってセラミック
スグリーンシート８を得るようにしたドクターブレード
法が提案されている。
【０００３】また、セラミックスグリーンシートの別の
製造方法として、引き上げ法が知られており、この引き
上げ法は、上述のドクターブレード法がキャリアフィル
ムを水平方向に移動して行うのに対して、キャリアフィ
ルムをセラミックススラリー中に浸漬して垂直方向に引
き上げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリーを
乾燥して、キャリアフィルムから剥離してセラミックス
グリーンシートを形成する方法である。
製造方法として、引き上げ法が知られており、この引き
上げ法は、上述のドクターブレード法がキャリアフィル
ムを水平方向に移動して行うのに対して、キャリアフィ
ルムをセラミックススラリー中に浸漬して垂直方向に引
き上げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリーを
乾燥して、キャリアフィルムから剥離してセラミックス
グリーンシートを形成する方法である。
【０００４】一般に、セラミックススラリーは、セラミ
ックス粉末、ＰＶＡや酢酸ビニル等のバインダー、分散
剤、消泡剤、活性剤、水もしくはトルエン、エタノール
等の有機溶剤から構成されており、また、キャリアフィ
ルムにはポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムが
使用されている。
ックス粉末、ＰＶＡや酢酸ビニル等のバインダー、分散
剤、消泡剤、活性剤、水もしくはトルエン、エタノール
等の有機溶剤から構成されており、また、キャリアフィ
ルムにはポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムが
使用されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】この様な従来の方法、
特に引き上げ法によるセラミックスグリーンシートの成
形においては、キャリアフィルムの両面に対してスラリ
ーが付着してセラミックスグリーンシートが形成される
が、キャリアフィルム両面のセラミックスグリーンシー
トの厚みに差が生じたり、同じ面においてもばらつきが
大きく、不良品の発生率が高い等の問題点が見られる。
特に引き上げ法によるセラミックスグリーンシートの成
形においては、キャリアフィルムの両面に対してスラリ
ーが付着してセラミックスグリーンシートが形成される
が、キャリアフィルム両面のセラミックスグリーンシー
トの厚みに差が生じたり、同じ面においてもばらつきが
大きく、不良品の発生率が高い等の問題点が見られる。
【０００６】本発明者は、この様な点に鑑み研究の結
果、この原因がキャリアフィルムによってスラリーが引
き上げられる際に、キャリアフィルム両面に接している
スラリーの粘度差に在ることを見出した。すなわち、セ
ラミックスグリーンシートの原料であるセラミックスス
ラリーがチキソトロピックな流動性を持つ非ニュートン
流体で有ることによる、スラリーの見掛け粘度の差であ
ることが判明した。
果、この原因がキャリアフィルムによってスラリーが引
き上げられる際に、キャリアフィルム両面に接している
スラリーの粘度差に在ることを見出した。すなわち、セ
ラミックスグリーンシートの原料であるセラミックスス
ラリーがチキソトロピックな流動性を持つ非ニュートン
流体で有ることによる、スラリーの見掛け粘度の差であ
ることが判明した。
【０００７】従って、この発明の目的は、この様な従来
における問題点を解決するために、セラミックススラリ
ーの持つ見掛けの粘度差によるセラミックスグリーンシ
ートの厚みの差やばらつきが生じることを防止すると共
に、セラミックスグリーンシートの両面の厚みの差やば
らつき等の少ないセラミックスグリーンシートと、この
様なセラミックスグリーンシートを製造する方法を提供
することにある。
における問題点を解決するために、セラミックススラリ
ーの持つ見掛けの粘度差によるセラミックスグリーンシ
ートの厚みの差やばらつきが生じることを防止すると共
に、セラミックスグリーンシートの両面の厚みの差やば
らつき等の少ないセラミックスグリーンシートと、この
様なセラミックスグリーンシートを製造する方法を提供
することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明に依れば、セラミックスグリーンシート
は、キャリアフィルムをセラミックス槽中のセラミック
ススラリーに浸漬して引き上げる際に、スラリー槽中の
引き上げロールの形状を、スラリーの流動域を増加させ
る形状にして、スラリーからキャリアフィルムを引き上
げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリーから形
成することを特徴としている。
めに、この発明に依れば、セラミックスグリーンシート
は、キャリアフィルムをセラミックス槽中のセラミック
ススラリーに浸漬して引き上げる際に、スラリー槽中の
引き上げロールの形状を、スラリーの流動域を増加させ
る形状にして、スラリーからキャリアフィルムを引き上
げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリーから形
成することを特徴としている。
【０００９】また、この発明に依れば、セラミックスグ
リーンシートの製造方法は、キャリアフィルムをセラミ
ックススラリー中に浸漬し、引き上げ、キャリアフィル
ム両面に付着したスラリーを乾燥して、キャリアフィル
ムから剥離してセラミックスグリーンシートを得るセラ
ミックスグリーンシートの製造方法において、スラリー
槽中でのスラリーの流動性が一様であることを特徴とし
ている。
リーンシートの製造方法は、キャリアフィルムをセラミ
ックススラリー中に浸漬し、引き上げ、キャリアフィル
ム両面に付着したスラリーを乾燥して、キャリアフィル
ムから剥離してセラミックスグリーンシートを得るセラ
ミックスグリーンシートの製造方法において、スラリー
槽中でのスラリーの流動性が一様であることを特徴とし
ている。
【００１０】
【作用】引き上げ法によって形成されるキャリアフィル
ムの両面のセラミックスグリーンシートのグリーンシー
ト厚みの差や同一面内での厚みのばらつきは、グリーン
シートの原料と成るセラミックススラリーのスラリー槽
中での粘度差、つまりキャリアフィルムによってスラリ
ーを引き上げる際に両面に接しているスラリーの粘度差
が原因と成っている。また、この様な現象はセラミック
ス粉末、バインダー、溶剤を混合、分散したものから成
るスラリーのチキソトロピックな流動性のためである。
ムの両面のセラミックスグリーンシートのグリーンシー
ト厚みの差や同一面内での厚みのばらつきは、グリーン
シートの原料と成るセラミックススラリーのスラリー槽
中での粘度差、つまりキャリアフィルムによってスラリ
ーを引き上げる際に両面に接しているスラリーの粘度差
が原因と成っている。また、この様な現象はセラミック
ス粉末、バインダー、溶剤を混合、分散したものから成
るスラリーのチキソトロピックな流動性のためである。
【００１１】この様なチキソトロピックな性質を示すセ
ラミックススラリーはスラリー槽中で滞留して経時変化
によって見掛け粘度が変化して、キャリアフィルムに接
するスラリーがキャリアフィルムおよび引き上げロール
に包囲されて滞留するスラリーとその外側に滞留するス
ラリーでは場所によって粘度の差を示す。この様に変化
したスラリーを引き上げて乾燥して得たセラミックスグ
リーンシートは各面による厚みの差が見られる。
ラミックススラリーはスラリー槽中で滞留して経時変化
によって見掛け粘度が変化して、キャリアフィルムに接
するスラリーがキャリアフィルムおよび引き上げロール
に包囲されて滞留するスラリーとその外側に滞留するス
ラリーでは場所によって粘度の差を示す。この様に変化
したスラリーを引き上げて乾燥して得たセラミックスグ
リーンシートは各面による厚みの差が見られる。
【００１２】この発明においては、スラリー槽中での引
き上げロールの形状を最小限の接液面積にし、スラリー
の流動域を増加し、スラリー槽中でのセラミックススラ
リーの流動性増加を促すことによって見掛け粘度の変化
を防ぎ、場所による粘度差を無くしてキャリアフィルム
に接するセラミックススラリーを一様な粘度にすること
によって、引き上げられて乾燥して得られるセラミック
スグリーンシートの厚みの差やばらつきを大幅に低減で
きるものである。
き上げロールの形状を最小限の接液面積にし、スラリー
の流動域を増加し、スラリー槽中でのセラミックススラ
リーの流動性増加を促すことによって見掛け粘度の変化
を防ぎ、場所による粘度差を無くしてキャリアフィルム
に接するセラミックススラリーを一様な粘度にすること
によって、引き上げられて乾燥して得られるセラミック
スグリーンシートの厚みの差やばらつきを大幅に低減で
きるものである。
【００１３】この発明の他の目的や特徴および利点は以
下の添付図面に沿っての、この発明の推奨実施例に就い
ての詳細な説明から明らかになろう。
下の添付図面に沿っての、この発明の推奨実施例に就い
ての詳細な説明から明らかになろう。
【００１４】
【実施例】図面の図２はこの発明のセラミックスグリー
ンシートを製造するための引き上げ成形機の一実施例を
示す概略図である。図示される様に、ロール状のキャリ
アフィルム原反１に巻かれたキャリアフィルム２を移送
用ローラ３を介してスラリー槽４内のセラミックススラ
リー１０の中に浸漬して、引き上げロール５を介して垂
直方向に引き上げる。次いで、引き上げられたキャリア
フィルムの両面に付着したセラミックススラリーは乾燥
用ヒーター６において乾燥した後に、キャリアフィルム
７から剥離してセラミックスグリーン８と成り、巻き取
りロール９によって夫々巻き取られる。尚、引き上げロ
ール５は、後述する様に支持プレート１２により支持さ
れている。
ンシートを製造するための引き上げ成形機の一実施例を
示す概略図である。図示される様に、ロール状のキャリ
アフィルム原反１に巻かれたキャリアフィルム２を移送
用ローラ３を介してスラリー槽４内のセラミックススラ
リー１０の中に浸漬して、引き上げロール５を介して垂
直方向に引き上げる。次いで、引き上げられたキャリア
フィルムの両面に付着したセラミックススラリーは乾燥
用ヒーター６において乾燥した後に、キャリアフィルム
７から剥離してセラミックスグリーン８と成り、巻き取
りロール９によって夫々巻き取られる。尚、引き上げロ
ール５は、後述する様に支持プレート１２により支持さ
れている。
【００１５】図面の図３は、この発明に依る引き上げ成
形機の引き上げロールの第１の実施例の概要図で、引き
上げロール５は一対の垂直な支持プレート１２と、これ
ら支持プレート１２の下端の間に支持プレート１２によ
って支持されたキャリアフィルム搬送用のロール部１３
とから成り、図２に示される様に、セラミックススラリ
ー１０を収容したスラリー槽４中でキャリアフィルム２
を浸漬して搬送するための治具である。従って、キャリ
アフィルム２は、セラミックススラリー１０を収容した
スラリー槽４内に上方から浸漬され、次いでロール部１
３で反対方向に折り返し反転されてて上方に引き上げら
れる。また、引き上げロール５の支持プレート１２は、
図３のＡ、Ｂに示される様に、ロール部１３を取付支持
する部分の近傍の横断面が図示の如く支持プレート１２
の両側部分を切除したり、或は開口部を設けたりして縮
減されており、これによって支持プレート１２の接液面
積を減少してスラリー槽４中のセラミックススラリー１
０の流動域を増大して流動性を良好にしている。
形機の引き上げロールの第１の実施例の概要図で、引き
上げロール５は一対の垂直な支持プレート１２と、これ
ら支持プレート１２の下端の間に支持プレート１２によ
って支持されたキャリアフィルム搬送用のロール部１３
とから成り、図２に示される様に、セラミックススラリ
ー１０を収容したスラリー槽４中でキャリアフィルム２
を浸漬して搬送するための治具である。従って、キャリ
アフィルム２は、セラミックススラリー１０を収容した
スラリー槽４内に上方から浸漬され、次いでロール部１
３で反対方向に折り返し反転されてて上方に引き上げら
れる。また、引き上げロール５の支持プレート１２は、
図３のＡ、Ｂに示される様に、ロール部１３を取付支持
する部分の近傍の横断面が図示の如く支持プレート１２
の両側部分を切除したり、或は開口部を設けたりして縮
減されており、これによって支持プレート１２の接液面
積を減少してスラリー槽４中のセラミックススラリー１
０の流動域を増大して流動性を良好にしている。
【００１６】図面の図７は、この発明による引き上げ成
形機の引き上げロールをスラリー槽中に浸漬した状態の
模式図で、図４の従来の引き上げロールの形状と比較
し、図３に示される様な引き上げロール５を用いて、引
き上げロール５の両端の支持プレート１２の接液面積を
減少させているためにスラリー槽４中のセラミックスス
ラリー１０の流動域を増加させることが出来、引き上げ
ロール５とキャリアフィルムに囲まれている領域１０ａ
と、この領域１０ａの外側の領域１０ｂでのセラミック
ススラリー１０の流動が妨げなく行われてチキソトロピ
ックな流動性を持つセラミックススラリー１０は、静置
下で見られる、見掛け粘度の変化を防ぐことが可能とな
り、引き上げられたキャリアフィルム２上のセラミック
ススラリーは、各面で厚さの差が見られず、一定の膜厚
さのセラミックスグリーンシートを得ることが出来る。
形機の引き上げロールをスラリー槽中に浸漬した状態の
模式図で、図４の従来の引き上げロールの形状と比較
し、図３に示される様な引き上げロール５を用いて、引
き上げロール５の両端の支持プレート１２の接液面積を
減少させているためにスラリー槽４中のセラミックスス
ラリー１０の流動域を増加させることが出来、引き上げ
ロール５とキャリアフィルムに囲まれている領域１０ａ
と、この領域１０ａの外側の領域１０ｂでのセラミック
ススラリー１０の流動が妨げなく行われてチキソトロピ
ックな流動性を持つセラミックススラリー１０は、静置
下で見られる、見掛け粘度の変化を防ぐことが可能とな
り、引き上げられたキャリアフィルム２上のセラミック
ススラリーは、各面で厚さの差が見られず、一定の膜厚
さのセラミックスグリーンシートを得ることが出来る。
【００１７】また、図面の図５には、この発明の製造方
法を実施するための第２の実施例が示されており、この
第２の実施例では引き上げロール５のロール部１３の両
端の支持プレート１２を排除してロール部１３を直接に
スラリー槽４中に取付けて、引き上げロール５とスラリ
ー槽４との一体化を図っている。この様なロール部１３
とスラリー槽４との一体化によって引き上げロール５の
両端の支持プレート１２部分でのセラミックススラリー
１０への接液が皆無となり、図８に示す様に大幅なセラ
ミックススラリー１０の流動域の増加が可能となる。従
って、流動域が増加したスラリー槽４中のセラミックス
スラリー１０は、キャリアフィルム２に囲まれた部分の
セラミックススラリーの流動１０ａとその外側のセラミ
ックススラリーの流動域１０ｂにおける移動が比較的自
由に成って流動性が増長され、見掛け粘度の変化を妨げ
ることが出来、引き上げられたキャリアフィルム２上の
セラミックススラリーは各面で厚さの差が見られず、一
定の膜厚さのセラミックスグリーンシートを得ることが
出来る。
法を実施するための第２の実施例が示されており、この
第２の実施例では引き上げロール５のロール部１３の両
端の支持プレート１２を排除してロール部１３を直接に
スラリー槽４中に取付けて、引き上げロール５とスラリ
ー槽４との一体化を図っている。この様なロール部１３
とスラリー槽４との一体化によって引き上げロール５の
両端の支持プレート１２部分でのセラミックススラリー
１０への接液が皆無となり、図８に示す様に大幅なセラ
ミックススラリー１０の流動域の増加が可能となる。従
って、流動域が増加したスラリー槽４中のセラミックス
スラリー１０は、キャリアフィルム２に囲まれた部分の
セラミックススラリーの流動１０ａとその外側のセラミ
ックススラリーの流動域１０ｂにおける移動が比較的自
由に成って流動性が増長され、見掛け粘度の変化を妨げ
ることが出来、引き上げられたキャリアフィルム２上の
セラミックススラリーは各面で厚さの差が見られず、一
定の膜厚さのセラミックスグリーンシートを得ることが
出来る。
【００１８】実施例に依るセラミックスグリーンシート
の成形では、セラミックス粉末としてチタン酸ジルコン
酸鉛系の材料を用いた。先ず、この材料の仮焼粉末を約
０.７μｍまで媒体撹拌ミルで粉砕し、併せて、バイン
ダー、分散剤、消泡剤、活性剤、水等を加え、良く混
合、分散し原料となるセラミックススラリーとした。こ
のスラリーを真空脱泡機で真空脱泡した後、大気圧に戻
してスラリー槽に移し、スラリー槽の温度変化を防ぐた
めに一定温度で冷却を行い、引き上げ成形を行った。ま
た、キャリアフィルムとしてポリプロピレンフィルムを
用いた。
の成形では、セラミックス粉末としてチタン酸ジルコン
酸鉛系の材料を用いた。先ず、この材料の仮焼粉末を約
０.７μｍまで媒体撹拌ミルで粉砕し、併せて、バイン
ダー、分散剤、消泡剤、活性剤、水等を加え、良く混
合、分散し原料となるセラミックススラリーとした。こ
のスラリーを真空脱泡機で真空脱泡した後、大気圧に戻
してスラリー槽に移し、スラリー槽の温度変化を防ぐた
めに一定温度で冷却を行い、引き上げ成形を行った。ま
た、キャリアフィルムとしてポリプロピレンフィルムを
用いた。
【００１９】また、この発明の実施例と、従来の引き上
げ機に使用する引き上げロールを使用して作成したセラ
ミックスグリーンシートの膜厚を比較してみると、この
発明の実施例の場合にはセラミックスグリーンシートの
両面の平均値の差が最大１μｍで、同一面でのばらつき
が±０.５μｍであったのに対して、従来の方法で形成
されたセラミックスグリーンシートの膜厚は両面の平均
値の差が最大３μｍ、同一面でのばらつきが±２μｍで
あった。尚、セラミックスグリーンシートの厚みの測定
は最小単位０.１μｍまで測定することが出来るマイク
ロメータで測定した。
げ機に使用する引き上げロールを使用して作成したセラ
ミックスグリーンシートの膜厚を比較してみると、この
発明の実施例の場合にはセラミックスグリーンシートの
両面の平均値の差が最大１μｍで、同一面でのばらつき
が±０.５μｍであったのに対して、従来の方法で形成
されたセラミックスグリーンシートの膜厚は両面の平均
値の差が最大３μｍ、同一面でのばらつきが±２μｍで
あった。尚、セラミックスグリーンシートの厚みの測定
は最小単位０.１μｍまで測定することが出来るマイク
ロメータで測定した。
【００２０】
【発明の効果】上述のこの発明の実施例から明らかな様
に、この発明に依れば、引き上げ成形法によりセラミッ
クスグリーンシートを成形する際に、スラリー槽内に設
けられたセラミックススラリー中にキャリアフィルムを
浸漬し、乾燥ゾーンに搬送する引き上げロールの形状を
変更して接液面積を少なくすることによってスラリー槽
中のセラミックススラリーの流動域を増加し、見掛け粘
度の変化を妨げることによって、キャリアフィルムに接
するセラミックススラリーの粘度を一定に保つことが出
来、形成されるセラミックスグリーンシートの厚みの両
面の差や同一面での厚さのばらつきを大幅に低減して均
一厚さにすることが出来、工業的に活用された場合に、
極めて厳しい品質規格に耐える製品に対して製造効率の
大幅な向上と成り、工業的に非常に有用である。
に、この発明に依れば、引き上げ成形法によりセラミッ
クスグリーンシートを成形する際に、スラリー槽内に設
けられたセラミックススラリー中にキャリアフィルムを
浸漬し、乾燥ゾーンに搬送する引き上げロールの形状を
変更して接液面積を少なくすることによってスラリー槽
中のセラミックススラリーの流動域を増加し、見掛け粘
度の変化を妨げることによって、キャリアフィルムに接
するセラミックススラリーの粘度を一定に保つことが出
来、形成されるセラミックスグリーンシートの厚みの両
面の差や同一面での厚さのばらつきを大幅に低減して均
一厚さにすることが出来、工業的に活用された場合に、
極めて厳しい品質規格に耐える製品に対して製造効率の
大幅な向上と成り、工業的に非常に有用である。
【００２１】尚、この発明の実施例では、一例として、
引き上げロールの形状を実施例で示した図の様にし、こ
の発明の効果を達成しているが、セラミックススラリー
への接液面積が従来例に比べて少なくして流動性を向上
することが出来れば、引き上げロールの形状が異なって
いても、何等この発明の効果に問題はない。また、この
発明において使用するキャリアフィルムとしては、ポリ
プロピレン、ポリエチレン等の各種有機フィルムが使用
でき、セラミックススラリーとしてはチタン酸ジルコン
酸鉛系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸バリ
ウム系、酸化チタン系等の各種セラミックス原料と各種
有機バインダーが好適に使用できると共に、これらの組
み合わせも何等限定されるものではない。
引き上げロールの形状を実施例で示した図の様にし、こ
の発明の効果を達成しているが、セラミックススラリー
への接液面積が従来例に比べて少なくして流動性を向上
することが出来れば、引き上げロールの形状が異なって
いても、何等この発明の効果に問題はない。また、この
発明において使用するキャリアフィルムとしては、ポリ
プロピレン、ポリエチレン等の各種有機フィルムが使用
でき、セラミックススラリーとしてはチタン酸ジルコン
酸鉛系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸バリ
ウム系、酸化チタン系等の各種セラミックス原料と各種
有機バインダーが好適に使用できると共に、これらの組
み合わせも何等限定されるものではない。
【図１】従来のセラミックスグリーンシートを製造する
１つの方法であるドクターブレード装置の概要図であ
る。
１つの方法であるドクターブレード装置の概要図であ
る。
【図２】この発明のセラミックスグリーンシートを製造
する方法を実施するための引き上げ成形機の概要図であ
る。
する方法を実施するための引き上げ成形機の概要図であ
る。
【図３】この発明のセラミックスグリーンシートを製造
する方法を実施するための第１の実施例における引き上
げロールの概要図で、Ａは第１の例を、Ｂは変形例を示
している。
する方法を実施するための第１の実施例における引き上
げロールの概要図で、Ａは第１の例を、Ｂは変形例を示
している。
【図４】従来の製造方法に使用される引き上げロールの
概要図である。
概要図である。
【図５】この発明のセラミックスグリーンシートを製造
する方法を実施するための第２の実施例における引き上
げロールの概要図である。
する方法を実施するための第２の実施例における引き上
げロールの概要図である。
【図６】従来の引き上げロールを使用した、引き上げる
際のスラリー層を、Ａが上面から見て、Ｂが前面から見
たスラリーの流動域を示した模式図である。
際のスラリー層を、Ａが上面から見て、Ｂが前面から見
たスラリーの流動域を示した模式図である。
【図７】この発明の図３の実施例の引き上げロールを使
用した、引き上げる際のスラリー層を、Ａが上面から見
て、Ｂが前面から見たスラリーの流動域を示した模式図
である。
用した、引き上げる際のスラリー層を、Ａが上面から見
て、Ｂが前面から見たスラリーの流動域を示した模式図
である。
【図８】この発明の図５の実施例の引き上げロールを使
用した、引き上げる際のスラリー層を、Ａが上面から見
て、Ｂが前面から見たスラリーの流動域を示した模式図
である。
用した、引き上げる際のスラリー層を、Ａが上面から見
て、Ｂが前面から見たスラリーの流動域を示した模式図
である。
１ キャリアフィルム原反ロール ２ キャリアフィルム ３ 移送ロール ４ スラリー槽 ５ 引き上げロール ６ 乾燥用ヒーター ７ キャリアフィルム ８ セラミックスグリーンシート ９ 巻取ロール １０ セラミックススラリー １１ 厚さ調整ブレード １２ 引き上げロールの支持プレート １３ 引き上げロールのロール部
Claims (4)
- 【請求項１】 キャリアフィルムをスラリー槽中のセラ
ミックススラリーに浸漬して引き上げる際に、スラリー
槽中の引き上げロールの形状を、スラリーの流動域を増
加させる形状にして、スラリーからキャリアフィルムを
引き上げてキャリアフィルムの両面に付着したスラリー
から形成することを特徴とするセラミックスグリーンシ
ート。 - 【請求項２】 スラリー槽中の引き上げロールの形状を
出来る限り少ない接液面積にすることを特徴とする請求
項１記載のセラミックスグリーンシート。 - 【請求項３】 キャリアフィルムをスラリー槽中のセラ
ミックススラリーに浸漬し、引き上げ、キャリアフィル
ム両面に付着したスラリーを乾燥して、キャリアフィル
ムから剥離してセラミックスグリーンシートを得るセラ
ミックスグリーンシートの製造方法において、スラリー
槽中でのスラリーの流動性が一様であることを特徴とす
るセラミックスグリーンシートの製造方法。 - 【請求項４】 スラリー槽中の引き上げロールのスラリ
ーへの接液面積を出来る限り少なくしてスラリー槽内で
のスラリーの流動域を増加させることによって、スラリ
ー槽内のスラリーの流動性が一様にされることを特徴と
する請求項３記載のセラミックスグリーンシートの製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7010795A JPH08267426A (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | セラミックスグリーンシートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7010795A JPH08267426A (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | セラミックスグリーンシートおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08267426A true JPH08267426A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=13421996
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7010795A Pending JPH08267426A (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | セラミックスグリーンシートおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08267426A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014171247A1 (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-23 | 旭硝子株式会社 | 曲げ試験方法、シート物の製造方法、曲げ試験装置、脆性シート、素子付き脆性シート、および電子デバイス |
-
1995
- 1995-03-28 JP JP7010795A patent/JPH08267426A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014171247A1 (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-23 | 旭硝子株式会社 | 曲げ試験方法、シート物の製造方法、曲げ試験装置、脆性シート、素子付き脆性シート、および電子デバイス |
| CN105143848A (zh) * | 2013-04-15 | 2015-12-09 | 旭硝子株式会社 | 弯曲试验方法、片状件的制造方法、弯曲试验装置、脆性片、带元件的脆性片以及电子器件 |
| JPWO2014171247A1 (ja) * | 2013-04-15 | 2017-02-23 | 旭硝子株式会社 | 曲げ試験方法、シート物の製造方法、曲げ試験装置、脆性シート、素子付き脆性シート、および電子デバイス |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
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