JPH08267217A - 多孔質強化焼結体およびその製造方法、この多孔質強化焼結体を用いた複合材料およびその製造方法 - Google Patents

多孔質強化焼結体およびその製造方法、この多孔質強化焼結体を用いた複合材料およびその製造方法

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JPH08267217A
JPH08267217A JP10017695A JP10017695A JPH08267217A JP H08267217 A JPH08267217 A JP H08267217A JP 10017695 A JP10017695 A JP 10017695A JP 10017695 A JP10017695 A JP 10017695A JP H08267217 A JPH08267217 A JP H08267217A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度に優れた多孔質強化焼結体およびその製
造方法、および高温特性に優れた複合材料およびその製
造方法を提供する。 【構成】 体積率が85%以下の多孔質の焼結体からな
る多孔質強化焼結体であって、該多孔質強化焼結体の基
部をなす骨格部(純鉄粉1)と、該骨格部の表面または
/および前記骨格部の細孔の内表面に結合した粒状また
は繊維状の物質からなる強化部(SiC粒子2)とから
なり、該強化部の前記骨格部に結合した部分の少なくと
も一部が拡散接合されて拡散接合部4となっている多孔
質強化焼結体およびその製造方法、この多孔質強化焼結
体と該多孔質強化焼結体に充填された軽合金マトリック
ス(アルミニウム合金3)とからなる複合材料およびそ
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質強化焼結体およ
びその製造方法、この多孔質強化焼結体を用いた複合材
料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、材料の軽量化へのニーズが高ま
り、軽合金を強化材で強化した金属基複合材料(MM
C)が注目されている。特に、航空機材料あるいは自動
車用材料として注目されている。
【0003】アルミニウムやマグネシウム等の軽合金を
マトリックスとした金属基複合材料は、高温環境下にお
いて使用する場合には、従来の金属基複合材料(複合
材)では満足する特性が得られないという問題があっ
た。
【0004】これら問題を解決するためには、強化材と
して多孔質金属焼結体を用いることは有効である。これ
は、セラミックス粒子や繊維を強化材とした場合に比べ
て、強化材の体積率(Vf )を大きくする(Vf =40
%〜85%)ことが容易であり、しかも安価で被削性に
優れている。また、鉄系合金を鋳包む場合に比べて、多
孔質金属焼結体を用いた複合材では、複合材とマトリッ
クスとして用いた軽合金との境界の健全な状態を保つこ
とが可能である。
【0005】例えば、鉄からなる多孔質体の細孔の表層
部分が酸化鉄または水酸化鉄で被覆されてなり、必要に
応じて前記多孔質体に鉄以外の金属,グラファイト,シ
リコン,セラミックスなどの物質を含有させた鉄系多孔
質強化材、および、該鉄系多孔質強化材に鉄より融点が
低い非鉄金属を充填して得た複合体(特開平3−189
063号)が提案されている。これより、耐蝕、耐摩
耗、耐熱、耐疲労、耐クリープなどの特性に優れ、シリ
ンダブロック、ピストン、シリンダヘッド、エンジンマ
ウントなどの材料として極めて有用な複合体を得ること
ができるとしている。
【0006】また、従来の他の改良技術として、高温強
度を要求される部位を、強化材および該強化材に充填さ
れた軽合金マトリックスより構成した複合型軽合金部材
において、前記強化材として、気孔率10〜90%、気
孔の平均直径0.5〜100μmの耐熱性連続気孔型多孔
質体を用いた複合型軽合金部材(特開昭63−3129
47号)が提案されている。これにより、高強度を要求
される部位を前記のように特定された耐熱性多孔質体お
よびそれに充填された軽合金マトリックスよりなる複合
部によって構成するので、前記部位の耐久性を向上させ
ることができるとしている。
【0007】また、従来の他の改良技術として、ニッケ
ル,コバルト,クロム,モリブデン,マンガン,タング
ステンよりなる群から選択された1種以上と鉄とからな
る合金の粉末を多孔質状に焼結してなる多孔質金属強化
材、多孔質鉄焼結体の内表面をニッケル,コバルト,ク
ロム,モリブデン,マンガン,タングステンよりなる群
から選択された1種以上の金属または合金で被覆した多
孔質金属強化材、および、これら多孔質金属強化材に融
点が鉄より低い非鉄金属を充填してなる複合体(特開平
3−189066号)が提案されている。これより、耐
摩耗性、耐蝕性、耐熱性、耐クリープ性、耐疲労性など
の特性に優れ、シリンダブロックライナー、ピストン、
シリンダヘッド、エンジンマウントなど機械の摺動部分
用の材料として極めて有用な複合体を得ることができる
としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−189063号に記載の鉄系多孔質強化材は、さら
に材料の使用環境が厳しくなるにつれて、満足する特性
が得られなくなってきている。特に、マトリックスとな
る軽合金の軟化が著しい高温域では、特性が不十分であ
る。この高温域での複合体の特性は、強化材の特性、強
化材が多孔質強化焼結体の場合には、焼結体の強度、接
合強度に大きく依存する。この鉄系多孔質強化材では、
多孔質体に鉄以外の金属,グラファイト,シリコン,セ
ラミックスなどの物質を含有させた鉄系多孔質強化材を
開示しているが、単純に上記物質を加えたのみでは、マ
トリックスの軟化とともに容易に移動、脱落してしま
い、強化材としてほとんど作用しないという問題を有し
ている。
【0009】また、特開昭63−312947号に開示
された耐熱性連続気孔型多孔質体を用いた複合型軽合金
部材は、上記鉄系多孔質強化材と同様に、マトリックス
となる軽合金の軟化が著しい高温域では特性が不十分で
あるという問題を有している。耐熱性連続気孔型多孔質
体のような比較的気孔率が大きい(焼結体の体積率が小
さい)ものでは、強化材等を添加することなく大きな焼
結体強度を得ることは難しい。また、焼結条件によって
焼結強度を向上させるためには、焼結温度を上げたり、
焼結時間を長くすることが必要であり、コスト高になる
という問題を有している。
【0010】また、特開平3−189066号に開示さ
れた多孔質金属強化材、およびこれに融点が鉄より低い
非鉄金属を充填してなる複合体は、上記鉄系多孔質強化
材と同様に、マトリックスとなる軽合金の軟化が著しい
高温域では特性が不十分であるという問題を有してい
る。体積率が85%以下の多孔質体では、焼結の生じる
粉末の接触部位が小さく、また、ニッケル,コバルト,
クロム,モリブデン,マンガン,タングステン等の金属
の拡散は比較的遅いので、鉄とこれらの金属による焼結
では十分な焼結強度が得られず、複合体の大きな特性の
向上ができないという問題を有している。
【0011】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0012】(発明の目的)本発明の目的は、強度に優
れた多孔質強化焼結体およびその製造方法を提供する。
本発明の他の目的は、高温特性に優れた複合材料および
その製造方法を提供する。
【0013】本発明者らは、上述の従来技術の問題に対
して、以下のことに着眼した。すなわち、まず、軽合金
をマトリックスとした複合材を高温環境下で使用する
と、マトリックス強度の著しい低下により、強化材の特
性が十分に発揮されなくなる。これを解決する方法とし
て、粒子や短繊維等の個々の強化材を強固に結合させて
構造体とした強化材を用いる方法があるが、従来の多孔
質金属焼結体を用いた複合材では、低Vf (体積率)で
あるために強化材の接合強度が小さく、優れた高温特性
の複合材を得ることはできない。そこで、さらに別の1
種以上の強化材を加え、多孔質金属焼結体を形成して強
度を向上させるとともに、多孔質焼結体を複合化させる
ことによって高温特性のより優れた複合材を得ることに
着眼した。
【0014】ところで、マトリックス強度の低下が著し
い高温下での複合体の特性は、多孔質強化焼結体の特性
に大きく依存する。従来の多孔質金属焼結体を用いた複
合体では、焼結体の体積率や合金元素、気孔の大きさ等
のみに着目しており、複合体の強化材としての焼結体の
強度や、結合状態等についてはほとんど検討されていな
い。また、従来の多孔質金属焼結体を用いた複合体で
は、焼結体の焼結強度を大きくするために焼結温度を高
くしたり、焼結時間を長くしなければならず、コスト高
になってしまうという欠点がある。また、多孔質金属焼
結体と接合していない強化材は、マトリックスの軟化に
よってその特性を発揮することができない。
【0015】そこで、拡散が比較的容易な強化材を加
え、骨格となる粒子あるいは繊維と強化材とを比較的低
い焼結温度、短い焼結時間で拡散接合させることによ
り、大きな焼結強度を得ることができることを見いだし
た。また、強化材は、多孔質金属焼結体に接合するか、
または焼結体の一部を構成することによって、マトリッ
クスの軟化に伴う流動、脱落を防止することができ、十
分にその特性を発揮できることを見いだした。また、拡
散した元素が骨格となる粒子、繊維と化合物等を形成す
るような強化材を用いることにより、粒子や繊維の強化
となり、焼結体の特性を向上させることを見いだした。
また、このような高強度の多孔質強化焼結体を強化材と
して用いることにより、高温下での優れた特性を有する
複合体が得られることを見いだし、本発明を成すにいた
った。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本発明の多孔質強化焼結体は、体積
率が85%以下の多孔質の焼結体からなる多孔質強化焼
結体であって、該多孔質強化焼結体の基部をなす骨格部
と、該骨格部の表面または/および前記骨格部の細孔の
内表面に結合した粒状または繊維状の物質からなる強化
部とからなり、該強化部の前記骨格部に結合した部分の
少なくとも一部が拡散接合されてなることを特徴とす
る。
【0017】(第2発明の構成)本発明の多孔質強化焼
結体の製造方法は、多孔質強化焼結体の基部を形成する
粒状または繊維状の物質からなる基部形成物質と,該基
部形成物質中への拡散が可能な粒状または繊維状の物質
からなる強化部形成物質とを混合する原料物質混合工程
と、該原料物質混合工程において得られた混合物を,体
積率が85%以下の多孔質体となるように成形する成形
工程と、該成形工程において得られた成形体を焼結し
て,多孔質強化焼結体の基部をなす骨格部と,該骨格部
の表面または/および前記骨格部の細孔の内表面に結合
した粒状または繊維状の物質からなる強化部とからな
り,該強化部の前記骨格部に結合した部分の少なくとも
一部が拡散接合されてなる多孔質強化焼結体とする多孔
質強化焼結体形成工程と、からなることを特徴とする。
【0018】(第3発明の構成)本発明の複合材料は、
少なくとも高温強度を要求される部位が,多孔質強化焼
結体と該多孔質強化焼結体に充填された軽合金マトリッ
クスとからなる複合材料であって、前記多孔質強化焼結
体が,体積率が85%以下の多孔質の焼結体からなる多
孔質強化焼結体であって、該多孔質強化焼結体の基部を
なす骨格部と、該骨格部の表面または/および前記骨格
部の細孔の表面に結合した粒状または繊維状の物質から
なる強化部とからなり、該強化部の前記骨格部に結合し
た部分の少なくとも一部が拡散接合されてなる焼結体で
あることを特徴とする。
【0019】(第4発明の構成)本発明の複合材料の製
造方法は、体積率が85%以下の多孔質の焼結体からな
る多孔質強化焼結体であって,該多孔質強化焼結体の基
部をなす骨格部と,該骨格部の表面または/および前記
骨格部の細孔の表面に結合した粒状または繊維状の物質
からなる強化部とからなり,該強化部の前記骨格部に結
合した部分の少なくとも一部が拡散接合されてなる多孔
質強化焼結体を準備する工程と、該多孔質強化焼結体
に,複合材料のマトリックスとなる軽合金の溶湯を注湯
し複合材料を作製する複合材料作製工程と、からなるこ
とを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明の多孔質強化焼結体およびその製造方
法、複合材料およびその製造方法が優れた効果を発揮す
るメカニズムについては、未だ必ずしも明らかではない
が、次のように考えられる。
【0021】(第1発明の作用)本発明の多孔質強化焼
結体は、多孔質強化焼結体の基部をなす骨格部と、該骨
格部の表面または/および前記骨格部の細孔の内表面に
結合した粒状または繊維状の物質からなる強化部とから
なり、体積率が85%以下である。ここで、粒状または
繊維状の強化材を結合させることにより、多孔質強化焼
結体の焼結面積が増大して焼結強度が大きくなり、骨格
部の構造強度が大きくなる。また、強化材を加えること
により、焼結体が多孔質複合強化焼結体となり、優れた
特性を発揮することが可能となる。
【0022】ここで、本発明の多孔質強化焼結体は、体
積率が85%以下である。この体積率が85%を超える
場合には、これを用いた複合材料において、多孔質強化
焼結体によって強化された部分とそうではない部分との
境界の健全性を保つことが困難になるという問題があ
る。また、この多孔質強化焼結体の強化部の前記骨格部
に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合されてな
る。これにより、焼結体から強化材が脱落するのが防止
され、強化材の特性が十分に発揮される。さらに、この
多孔質強化焼結体を用いた複合材を摩擦摩耗部で使用し
た場合には、強化材の脱落による相手および自己攻撃性
が低減される。また、焼結体骨格部の細孔に比べて、同
等のまたはそれ以下の大きさの強化材を用いた場合に
は、強化材が十分に接合していないと、ハンドリング中
に強化材の集積や表面近傍の強化材の脱落が生じるが、
拡散接合により、強化材の移動が起こらず、ハンドリン
グが容易となる。また、拡散により、焼結体の骨格部を
構成する物質に固溶強化や析出強化が生じて、骨格部の
構造強度が向上する。
【0023】以上により、本発明の多孔質強化焼結体
は、優れた強度を有しているものと考えられる。
【0024】(第2発明の作用)本発明の多孔質強化焼
結体の製造方法は、先ず、原料物質混合工程において、
多孔質強化焼結体の基部を形成する粒状または繊維状の
物質からなる基部形成物質と、該基部形成物質中への拡
散が可能な粒状または/および繊維状の物質からなる強
化部形成物質とを混合する。次に、成形工程において、
前記該原料物質混合工程より得られた混合物を、体積率
が85%以下の多孔質体となるように成形する。次に、
多孔質強化焼結体形成工程において、前記成形工程より
得られた成形体を焼結する。これにより、多孔質強化焼
結体の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面または/お
よび前記骨格部の細孔の内表面に結合した粒状または繊
維状の物質からなる強化部とからなり、該強化部の前記
骨格部に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合され
てなる多孔質強化焼結体が容易に得られる。
【0025】以上により、本発明の製造方法により、優
れた強度を有する多孔質強化焼結体が容易に得られるも
のと考えられる。
【0026】(第3発明の作用)本第3発明の複合材料
は、少なくとも高温強度を要求される部位が、多孔質強
化焼結体と該多孔質強化焼結体に充填された軽合金マト
リックスとからなる複合材料である。この複合材料は、
多孔質強化焼結体が、体積率が85%以下の多孔質の焼
結体からなる多孔質強化焼結体であり、該多孔質強化焼
結体の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面または/お
よび前記骨格部の細孔の表面に結合した粒状または繊維
状の物質からなる強化部とからなり、該強化部の前記骨
格部に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合されて
なる。これにより、前記多孔質強化焼結体は優れた構造
強度を有しているので、これを強化材とすることによ
り、高温下でマトリックスが軟化しても優れた特性を維
持することができる。すなわち、マトリックスが軟化す
る高温下では、複合材の強度は強化材強度に依存する。
しかし、微細な個々の強化材がマトリックスと一体にな
るとその特性を発現することができない。本発明で用い
た多孔質強化焼結体は、該焼結体の基部に結合した強化
材が拡散接合により強固に結合されて強化部を形成し、
かつ前記焼結体自身が優れた構造強度を有している。従
って、この多孔質強化焼結体を有する複合材料は、高温
下でマトリックスが軟化しても、多孔質強化焼結体の強
化部を構成する強化材の特性を十分に発揮させることが
できる。
【0027】以上により、本発明の複合材料は、高温特
性に優れているものと考えられる。
【0028】(第4発明の作用)本第4発明の複合材料
の製造方法は、先ず、体積率が85%以下の多孔質の焼
結体からなる多孔質強化焼結体であって、該多孔質強化
焼結体の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面または/
および前記骨格部の細孔の表面に結合した粒状または繊
維状の物質からなる強化部とからなり、該強化部の前記
骨格部に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合され
てなる多孔質強化焼結体を準備する(多孔質強化焼結体
準備工程)。次に、前記多孔質強化焼結体準備工程にお
いて得られた多孔質強化焼結体に、複合材料のマトリッ
クスとなる軽合金の溶湯を注湯し複合材料を作製する
(複合材料作製工程)。これより、多孔質強化焼結体は
構造強度に優れているので、鋳造時の焼結体の破壊や変
形を防止することが容易となる。加えて、溶湯に大きな
圧力を加えて鋳造しても、焼結体の破壊や変形を防ぐこ
とが可能であるので、多孔質強化焼結体を用いた複合材
料での複雑な部品やニアネットシェイプ成形が可能とな
る。また、マトリックスとなる軽合金が多孔質強化焼結
体中に含浸されて複合材料を形成するので、多孔質強化
焼結体によって強化された部分とそうではない部分との
境界を連続的に保つことができる。
【0029】以上、本発明の複合材料の製造方法によ
り、高温特性に優れた複合材料を容易に製造することが
できるものと考えられる。
【0030】
【発明の効果】
(第1発明の効果)本発明の多孔質強化焼結体は、強度
特性に優れている。また、強化部を構成する粒子または
繊維状の物質からなる強化材により、低Vf でも強固な
結合をしており、また、強化部が骨格部に拡散接合して
いるので強化材の脱落が起こらず、ハンドリングが容易
である。
【0031】(第2発明の効果)本発明の製造方法によ
り、強度特性に優れた多孔質強化焼結体を容易に得るこ
とができる。また、強化部の拡散接合により高強度化で
きるので、低温、短時間でも従来のものよりも高い焼結
強度を得ることができ、製造コストの低減を図ることが
できる。
【0032】(第3発明の効果)本発明の複合材料は、
高温特性に優れている。また、骨格部に拡散接合した強
化材によって、高温下でも強化材の特性を十分に発揮す
ることができる。
【0033】(第4発明の効果)本発明の製造方法によ
り、高温特性に優れた複合材料を容易に得ることができ
る。また、構造強度の優れた多孔質強化焼結体を用いる
ことによって、大きな圧力を加えても鋳造時の焼結体の
破壊や変形を防止することができる。これより、より複
雑な部品やニアネットシェイプ成形を可能にすることが
できる。
【0034】
【実施例】以下に、前記第1発明〜第4発明をさらに具
体的にした発明(具体例)、限定した発明、その他の発
明などについて説明する。
【0035】(多孔質強化焼結体)本発明の多孔質強化
焼結体において、骨格部は、多孔質強化焼結体の基部を
なすもので、粒状または繊維状の金属(両者の混合物を
含む)からなる。この金属としては、具体的には、鉄、
銅、ニッケル、コバルト、マンガン、およびこれらの合
金など焼結が可能であり、しかもマトリックスとして用
いる軽合金より融点の高い金属および合金が挙げられ
る。この中でも、鉄、銅およびこれらの合金が好適であ
る。これらの金属または合金を用いれば、焼結性、軽合
金との複合化の容易性の点から、高温でも優れた機械的
性質を有する多孔質強化焼結体、およびこれを用いた複
合材料が得られやすいという利点がある。
【0036】強化部は、前記骨格部の表面または/およ
び前記骨格部の細孔の内表面に結合した粒状または繊維
状の物質(強化材)からなり、該強化部の前記骨格部に
結合した部分の少なくとも一部が拡散接合されてなる。
この強化材は、セラミックス、金属間化合物、金属等が
適用でき、基部をなす金属中への拡散が比較的に容易な
元素を少なくとも1種以上含む粒状または繊維状の物質
(両者の混合物を含む)の、少なくとも一種以上からな
ることが好ましい。
【0037】また、強化材は、基部をなす金属との境界
に粗大で脆弱な金属間化合物を形成しない強化材が好ま
しい。粗大で脆弱な化合物が形成されると、該化合物の
破壊により、多孔質強化焼結体の強度向上は小さくな
る。
【0038】強化材は、基部をなす金属が鉄および鉄合
金の場合は、炭化物または窒化物などが好ましい。特
に、鉄合金粉に、炭化珪素や窒化珪素を強化材として加
えた場合、これらが分解して生じた炭素、窒素は鉄中に
侵入型の固溶をするため、拡散が極めて容易であり、加
えて珪素も鉄中に拡散するため、強固な拡散結合が得ら
れるので、好ましい。
【0039】強化材の含有量は、基部をなす金属に対し
て同量以下であることが好ましい。これにより、基部と
なる金属中への強化材の拡散が十分となる。
【0040】強化材の大きさは、基部を構成する金属の
大きさに対して同等以下であり、1μm以上であること
が好ましい。該大きさが1μm未満の場合には、短時間
の焼結によっても拡散により消失する虞があり、また焼
結条件の制御が難しい。また、粗大な強化材は、強化材
の分散状態が悪くなり、しかも接合面積が小さくなり十
分な高温特性が得られにくくなる。この強化材の大きさ
は、5〜200μmの範囲内であることがより好まし
い。
【0041】強化部は、該強化部の前記骨格部に結合し
た部分の少なくとも一部が拡散接合されてなるが、この
拡散に寄与する強化材の量が、1〜25重量%であるこ
とが好ましい。この量が1重量%未満の場合、十分な接
合強度が得られない虞がある。また、25重量%を超え
ると、拡散量が多すぎて強化材の特性が減少し、しかも
拡散による脆性化合物等の生成により、特性の低下を生
じる虞がある。
【0042】本発明の多孔質強化焼結体は、体積率が4
0%以上85%以下の多孔質の焼結体からなる多孔質強
化焼結体であって、該多孔質強化焼結体の基部をなす骨
格部と、該骨格部の表面または/および前記骨格部の細
孔の内表面に結合した粒状または繊維状の物質からなる
強化部とからなり、該強化部の前記骨格部に結合した部
分の少なくとも一部が拡散接合されてなることが好まし
い。ここで、前記焼結体の体積率を40%以上とするこ
とにより、特別な方法を用いなくても容易に構造体(骨
格構造)を有する焼結体を形成し得るので好ましい。
【0043】(多孔質強化焼結体の製造方法)原料物質
混合工程において、多孔質強化焼結体の基部を形成する
粒状または繊維状の金属物質(両者の混合物を含む)か
らなる基部形成物質と、該基部形成物質中への拡散が可
能な粒状または繊維状の強化材物質(両者の混合物を含
む)からなる強化部形成物質とを混合する。このとき、
基部を形成する金属物質は、できるだけ大きさの揃った
ものであることが好ましい。これにより、空隙の大きさ
が比較的均一になり、多孔質強化焼結体を用いて複合材
料を作製した時に強化材の分散状態が均一になる。ま
た、前記物質の大きさが揃ったもののほうが低Vfの焼
結体を作り易い。前記金属物質の形状としては、通常の
焼結が行いにくいような硬質・球状の粉末でも、適用で
きる。これは、金属粉末同士の焼結が小さくても、強化
材を介して金属粉末同士を結合させることが可能であ
り、これにより十分な焼結強度が得られる。
【0044】強化部を構成する強化材物質は、強化材の
大きさが基部を構成する金属の大きさに対して同等以下
であり、1μm以上であることが好ましい。該大きさが
1μm未満の場合には、短時間の焼結によっても拡散に
より消失する虞があり、また焼結条件の制御が難しい。
また、粗大な強化材は、強化材の分散状態が悪くなり、
しかも接合面積が小さくなり十分な高温特性が得られに
くくなる。この強化材の大きさは、5〜200μmの範
囲内であることがより好ましい。
【0045】成形工程において、前記原料物質混合工程
において得られた混合物を、成形して体積率が85%以
下の多孔質成形体を得る。このとき、成形は、混合物を
必要な形状の型に自然に流し込んだ状態、またはこれを
加圧して所定のVf となるようにした状態とする。
【0046】焼結工程において、前記成形工程において
得られた成形体を焼結する。この焼結は、通常の金属の
焼結条件の範囲内で、しかも、強化材の拡散が十分に起
こり得る条件で行う。強化材の拡散の制御は、温度、時
間、雰囲気を制御して行う。強化材の拡散を利用して焼
結を行うので、通常の焼結条件よりも、低温、短時間の
十分な焼結強度を得ることができる。
【0047】(複合材料)
【0048】本発明の好適な複合材料は、少なくとも高
温強度を要求される部位が、多孔質強化焼結体と該多孔
質強化焼結体に充填されたアルミニウムやマグネシウム
等の軽合金マトリックスとからなる複合材料であって、
前記多孔質強化焼結体の体積率が40〜85%であり、
該多孔質強化焼結体が、基部をなす骨格部と該骨格部の
表面または/および前記骨格部の細孔の表面に結合した
粒状または繊維状の強化材物質からなる強化部とからな
り、該強化部の前記骨格部に結合した部分の少なくとも
一部が拡散接合されてなる焼結体であることを特徴とす
る。この複合材料は、軽合金マトリックスの強度低下が
著しい高温条件下においても優れた特性を維持すること
ができる。すなわち、本発明の複合材料は、骨格構造が
強化材によりより強固になっており、しかも骨格を構成
する金属の特性が向上している多孔質強化焼結体を用い
ているからである。また、強化材も骨格構造の中に取り
込まれているので、マトリックスの強度低下により強化
材が脱落することがなく、その特性を十分に発揮するこ
とができる。また、鋳ぐるみ等で問題とされる軽合金部
分と複合体との境界を連続的に保つことができる。
【0049】(複合材料の製造方法)多孔質強化焼結体
を準備する工程は、前記多孔質強化焼結体の製造方法と
同様である。
【0050】複合材料作製工程においては、前記多孔質
強化焼結体に、複合材料のマトリックスとなる軽合金の
溶湯を注湯し複合材料を作製する。この工程では、多孔
質強化焼結体の強度が十分に確保されているので、従来
のものよりも高加圧で溶湯を含浸しても、焼結体の割れ
や損傷は生じない。このため、より複雑な部品やニアネ
ットシェイプ成形が可能となる。また、溶湯や金型、焼
結体の予熱温度等を下げることができる。また、複合化
は、低温、短時間で行うことが好ましい。これにより、
焼結体と軽合金マトリックスとの反応による特性の低下
を防止することができる。
【0051】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0052】第1実施例 純鉄粉(75〜45μm)と、該純鉄粉に対して10重
量%のSiC粒子(平均粒径20μm)とを混合機にて
十分に混合した。混合粉を長さ10mm、幅55mmの金型
に収め、1.5トン/cm2 で加圧して高さ約10mm、Vf
(体積率)約60%の成形体とした。これを、真空焼結
炉で1100℃、30分焼結した。焼結後、炉冷して本
実施例にかかる多孔質強化焼結体を得た。得られた焼結
体を700℃で20分、窒素雰囲気中で予熱後、高圧鋳
造金型に配置して、700℃のアルミニウム合金溶湯
(JIS AC8A)を注ぎ、すみやかに加圧(加圧力88MP
a、加圧速度3mm/s)して複合化し、本実施例にかか
る複合材料を得た(試料番号1)。
【0053】得られた複合材料の断面の金属組織の観察
を、光学顕微鏡で行った(倍率:400倍)。その結果
を、図1に示す。図1より、本実施例の複合材料は、純
鉄粉1、SiC粒子2、アルミニウム合金3、反応接合
部(拡散接合部)4より構成されており、鉄同士は焼結
により結合しており、鉄粉表面のSiC粒子はその接触
部において拡散接合していることが分かる。
【0054】(比較例1)比較のために、多孔質金属焼
結体の原料として前記実施例と同様の純鉄粉を用いた他
は、前記実施例と同様にして、先ず多孔質金属焼結体を
作製し、次いでアルミニウム合金溶湯(JIS AC8A)を注
湯して比較用複合材料を得た(試料番号:C1)。
【0055】(比較例2)比較のために、多孔質金属体
の原料として前記実施例と同様の純鉄粉とSiC粒子を
用い、加圧して圧粉体からなる比較用多孔質金属体を得
た。次いで、前記実施例と同様にして、得られた比較用
多孔質金属体にアルミニウム合金溶湯(JIS AC8A)を注
湯して比較用複合材料を得た(試料番号:C2)。
【0056】(性能評価試験1)得られた本実施例の複
合材料、比較用複合材料(試料番号:C1、C2)の性
能評価試験を、引張試験により行った。試験温度は、室
温と300℃とした。その結果を、図2に示す。図2よ
り、本実施例の複合材料は、室温および300℃の何れ
においても、優れた引張強さを示していることが分か
る。これに対して、比較例1の純鉄分のみからなる比較
用多孔質金属焼結体を用いた場合には、室温および30
0℃の何れにおいても、本実施例より強度特性が悪いこ
とが分かる。また、比較例2の純鉄粉とSiC粒子の圧
粉体からなる比較用多孔質金属体を用いた場合には、室
温強度は本実施例より若干低い程度の強度特性が得られ
ているが、300℃では本実施例の約半分の強度特性し
か得られていないことが分かる。
【0057】(性能評価試験2)なお、上記第1実施例
で得られた多孔質強化焼結体、比較例1で得られた多孔
質金属焼結体、比較例2で得られた多孔質金属体の強度
評価試験を、室温における抗折試験により行った。その
結果を、図2に併せて示す。図2より、本実施例の多孔
質強化焼結体の抗折力は、比較例1の比較用多孔質金属
焼結体や比較例2で得られた比較用多孔質金属体に比べ
て、大変大きいことが分かる。また、抗折力は、300
℃の複合材料の引張強度に対応していることが分かる。
【0058】第2実施例 前記第1実施例と同様にして、純鉄粉とこの純鉄粉に対
して10重量%のSiC粒子(平均粒径20μm)とを
混合し、加圧して成形体を得た。その後、焼結、炉冷し
て本実施例にかかる多孔質強化焼結体を得た。これを、
真空焼結炉で、1000℃〜1150℃で、30分〜1
0時間焼結し、その後炉冷し、焼結体中のSiC粒子の
残存量が異なる多孔質強化焼結体を得た。得られた焼結
体、を700℃で20分、窒素雰囲気中で予熱後、高圧
鋳造金型に配置して、700℃のアルミニウム合金溶湯
(JIS AC8A)を注ぎ、すみやかに加圧(加圧力88MP
a、加圧速度3mm/s)して複合化し、本実施例にかか
る複合材料を得た。
【0059】(性能評価試験3)得られた複合材料の性
能評価試験を、引張試験により行った。試験温度は、3
00℃とした。その結果を、図3に示す。また、ピン−
ディスク型摩耗試験を行った。相手材には、ステンレス
鋼(JIS:SUS 440) を用いた。その結果を、図3に示
す。図3より、SiCの拡散接合が生じることによっ
て、引張強度は急激に増加するが、拡散量が多くなり、
SiC粒子の残存量が低下すると引張強度は低下した。
これは、特性の優れたSiC粒子の減少と、SiC粒子
と鉄粉の接合部分で形成された脆弱な化合物の粗大化に
よるものと考えられる。摩耗量は、SiC粒子の残存量
に対してあまり大きく変化しないが、SiC粒子の残存
量が低下するとやや増加した。これより、加えた強化材
の特性を十分に引き出すには、強化材の拡散量は全体の
1〜25重量%程度とすることが好ましいことが分か
る。
【0060】第3実施例 高合金鋼粉(JIS SKD61:20〜150μm)と、該高合
金鋼粉に対して5重量%のSiC粒子(平均粒径20μ
m)を加えたものを、それぞれ混合機にて十分に混合し
た。混合粉を長さ10mm、幅55mmの金型に収め、1.8
トン/cm2 で加圧して高さ約10mm、Vf (体積率)約
65%の成形体とした。これを、真空焼結炉で1100
℃、1時間焼結した。焼結後、100℃/分となるよう
に窒素ガスで冷却して本実施例にかかる多孔質強化焼結
体を得た。得られた焼結体を700℃で20分、窒素雰
囲気中で予熱後、高圧鋳造金型に配置して、700℃の
アルミニウム合金溶湯(JIS AC8A)を注ぎ、すみやかに
加圧(加圧力88MPa、加圧速度3mm/s)して複合
化し、本実施例にかかる複合材料を得た(試料番号3:
60%SKD61 粉+5%SiC/AC8A)。
【0061】(比較例3)比較のために、前記第3実施
例のSiC粒子(平均粒径20μm)に代えてAl2
3 粒子(平均粒径25μm)を加えた以外は、前記第3
実施例と同様にして、混合、加圧、焼結して比較用多孔
質金属焼結体を得、アルミニウム合金溶湯注湯して複合
化し、比較用複合材料を得た(試料番号:C3、60%SK
D61 粉+5%Al2 3 /AC8A)。
【0062】(性能評価試験4)得られた複合材料およ
び比較用複合材料の性能評価試験を、ピン−ディスク型
摩耗試験により行った。雰囲気は250℃アルゴンガス
雰囲気とし、相手材にはステンレス鋼(JIS: SUS 440)
を用いた。その結果を、図4に示す。図4より、SiC
粒子を用いたものは非常によい摩耗状態を示しているこ
とが分かる。これに対して比較用複合材料の場合には、
相手材および複合材料に大きな摩耗痕が生じていること
が分かる。これは、SiCは焼結時に高合金鋼粉中に拡
散接合するが、Al2 3 は高合金鋼粉に接合しないた
めである。本実施例の多孔質強化焼結体は優れた構造強
度を有しており、加えて強化材として加えた硬質のSi
C粒子の特性が十分に発現されているが、比較用多孔質
金属焼結体の場合には強化材のAl2 3 粒子がマトリ
ックスの軟化につれて脱落し、強化材の特性を発現する
ことができなかったためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例により得られた複合材料の断面の金
属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:400倍)であ
る。
【図2】第1実施例により得られた複合材料、比較例1
および比較例2により得られた比較用複合材料の引張試
験結果、さらに第1実施例により得られた多孔質金属焼
結体、比較例1により得られた比較用多孔質金属焼結体
および比較例2により得られた比較用多孔質金属体の抗
折試験結果を示す線図である。
【図3】第2実施例により得られた複合材料の性能評価
試験結果を示す線図で、引張試験結果および摩耗試験結
果を示す線図である。
【図4】第3実施例により得られた複合材料、および比
較例3により得られた比較用複合材料の摩耗試験結果を
示す線図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 純鉄粉 2 ・・・ SiC粒子 3 ・・・ アルミニウム合金 4 ・・・ 反応接合部(拡散接合部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 実 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 梶川 義明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 藤根 学 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体積率が85%以下の多孔質の焼結体か
    らなる多孔質強化焼結体であって、該多孔質強化焼結体
    の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面または/および
    前記骨格部の細孔の内表面に結合した粒状または繊維状
    の物質からなる強化部とからなり、該強化部の前記骨格
    部に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合されてな
    ることを特徴とする多孔質強化焼結体。
  2. 【請求項2】 多孔質強化焼結体の基部を形成する粒状
    または繊維状の物質からなる基部形成物質と、該基部形
    成物質中への拡散が可能な粒状または繊維状の物質から
    なる強化部形成物質とを混合する原料物質混合工程と、 該原料物質混合工程において得られた混合物を、体積率
    が85%以下の多孔質体となるように成形する成形工程
    と、 該成形工程において得られた成形体を焼結して、多孔質
    強化焼結体の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面また
    は/および前記骨格部の細孔の内表面に結合した粒状ま
    たは繊維状の物質からなる強化部とからなり、該強化部
    の前記骨格部に結合した部分の少なくとも一部が拡散接
    合されてなる多孔質強化焼結体とする多孔質強化焼結体
    形成工程と、からなることを特徴とする多孔質強化焼結
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも高温強度を要求される部位
    が、多孔質強化焼結体と該多孔質強化焼結体に充填され
    た軽合金マトリックスとからなる複合材料であって、 前記多孔質強化焼結体が、体積率が85%以下の多孔質
    の焼結体からなる多孔質強化焼結体であって、該多孔質
    強化焼結体の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面また
    は/および前記骨格部の細孔の表面に結合した粒状また
    は繊維状の物質からなる強化部とからなり、該強化部の
    前記骨格部に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合
    されてなる焼結体であることを特徴とする複合材料。
  4. 【請求項4】 体積率が85%以下の多孔質の焼結体か
    らなる多孔質強化焼結体であって、該多孔質強化焼結体
    の基部をなす骨格部と、該骨格部の表面または/および
    前記骨格部の細孔の表面に結合した粒状または繊維状の
    物質からなる強化部とからなり、該強化部の前記骨格部
    に結合した部分の少なくとも一部が拡散接合されてなる
    多孔質強化焼結体を準備する工程と、 該多孔質強化焼結体に、複合材料のマトリックスとなる
    軽合金の溶湯を注湯し複合材料を作製する複合材料作製
    工程と、からなることを特徴とする複合材料の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505495A (ja) * 2007-11-30 2011-02-24 セリン イ 多孔性軽量鉄及びその製造方法
US20190210103A1 (en) * 2016-06-07 2019-07-11 Eos Gmbh Electro Optical Systems Powder mixture for use in the manufacture of a three-dimensional object by means of an additive manufacturing method
WO2023136101A1 (ja) * 2022-01-14 2023-07-20 アドバンスコンポジット株式会社 金属基複合材料の製造方法

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