JPH08266577A

JPH08266577A - 火傷治療装置

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Publication number: JPH08266577A
Application number: JP8053437A
Authority: JP
Inventors: Sung Kee Jo; 誠奇趙
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-03-09
Filing date: 1996-03-11
Publication date: 1996-10-15
Anticipated expiration: 2016-03-11
Also published as: EP0730854A3; KR0140912B1; JP2847061B2; EP0730854A2; KR960033410A; US5776048A

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】相互に機能的ないしは構造的に複合化し、簡
潔ないしは簡便な構造に再構成させて装置の信頼性を極
大化した火傷治療装置を提供する。【解決手段】長方形の支持台１０は中空の上部フレー
ム１１及び左，右フレーム１２，１２と下部支持板１３
で連結されて移動可能に構成され、両フレームの間に離
間させて設置された固定バー３８の間に隔バー４３を設
ける。ベッド２０は、ベッド駆動機１８と連結され、ベ
ッドガイド機構２１によって昇降作動する。密閉キャッ
プ３０と浴槽４０は、ベッド２０の上、下部において密
閉キャップ駆動機１７、浴槽駆動機１９と夫々連結さ
れ、密閉キャップガイド機構２３、浴槽ガイド機構２２
によって昇降作動してベッド２０をカプセルのように密
閉または開放する。密閉キャップ３０には移動可能であ
って空気を浄化し適正な温度，湿度に処理供給すると共
に、水を浄化して患部に必要な適正状態に処理供給する
空気・水処理供給機５０が連結される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、火傷患者の治療装
置に関するものであって、特に火傷患者の治療に必須的
に必要とされる設備を１つの装置に複合化および集約化
して、小型、軽量化し簡潔性または簡便性を追求した構
造に構成され、設置空間の確保、使用の便利性および効
率性を極大化し、製造が容易となり低廉な価格で提供さ
れ得るので信頼性が確保される火傷治療装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に火傷患者の治療においては、皮
膚損傷により露出された毛細血管を通じて細菌感染乃至
は毒性のものとの接触によって病状が悪化するのを防止
するために、良圧状態の無菌隔離室（Pressured clean
isolation)が必須であり、このような無菌隔離室は次の
要件が具備されていなければならない。

【０００３】空気清浄装置（Air cleaning system)
の具備。無菌隔離室の空気中に細菌性粉塵は勿論、いかなる毒性
のガスも含まれてはならない。このように高単位清浄度
を満たすためには、０．１μｍまでの微粒子を補集し得
るベパフィルター（Vepa Filter : Very High Efficien
cy Air Filter)を通過した清浄空気を供給しなければな
らないし、換気量も最小５／ｈ程度が要求される。そし
て、このような隔離室に外気の流入を防ぐためには室圧
（Room Pressure)は、外圧より１〜２気圧程度高く維持
されなければならないし、かかる役割を為す装置とし
て、高性能無騒音の送風機（bower)および排風機(Venti
lator)が設置されなければならない。暖房装置（Room warming system)の具備。火傷治療は、患者の着物を全部脱いだ状態で行われるた
め、体温を充分に保温させ得る暖房装置が要求され、隔
離室により適正に調整した暖房温度を一定に維持するた
めの自動制御装置を伴わなければならない。冷房装置（Room cooling system)の具備。夏節期あるいは体温降下が必要であるときは冷房装置が
必要となり、このような冷房装置も、隔離室により適正
に調整した冷房温度を一定に維持させる自動制御装置を
備えていなければならない。加湿装置（huminidity controller)の具備。隔離室の空気が余り乾燥すれば患部の水分蒸発過多現象
により、新たに出来る弱い皮膚をたやすく亀裂させるか
収縮させるようになる。従って、そのための加湿装置も
また隔離室によって適正に調整した湿度を一定に維持さ
せる自動制御装置を伴わなければならない。蓐瘡防止用寝床(anti-sorebed)施設の具備。火傷治療は比較的長期間を要し、患部を寝床に当てて過
ごさなければならない患者の場合、患部が蓐瘡（永い寝
床の生活により皮膚接触部位が化膿する現象）となる虞
がある。このような蓐瘡の防止のためには、例えば空気
敷布団（cari-mattress)を初め、旋回寝台（circle be
d) 等が必要とされる。浴槽（bathing tank) 施設の具備。患部の血液循環を円滑にするための水マッサージ兼押し
つけられたガーゼ等の異物質を除去するために、随時に
温水浴を加えるようになる。従って、このような浴槽施
設もまた適正に調整した水温を一定に維持させる自動制
御機が伴わなければならない。

【０００４】以上において、考察したように火傷の治療
のためには種々の設備の火傷治療ユニットが要求され
る。このような火傷治療に必須の様々な設備と運用は、
先進国では既に実施されているが、我が国の場合、殆ど
の総合病院では基礎的な治療機器さえも備えられていな
いのが現状である。最近、我が国の火傷患者の発生率
は、燃料ガスの増加と産業災害等の理由で、毎年１７〜
２０％の増加傾向を見せており、このような増加比率は
他の国と比較すると大変高い。しかしながら、このよう
な火傷患者の増加比率に比べて、火傷治療設備が微弱な
我が国では、死亡率において先進国より約３〜４倍程度
と高く、特に治療過程において７３％程度が敗血症に起
因しており、患者の治療期間も先進国の場合に比べて平
均３０％も長いので、患者の苦痛と治療費用を倍加させ
ている。このような先進国と我が国の隔差等の主な原因
は、先進国等は殆どの病院に上記の如き火傷治療に必要
な本格的な火傷治療ユニットが運用されているものの、
我が国の場合は上記の如く基礎的な治療設備ないし装備
等さえ備えていない実情である。

【０００５】このような我が国の火傷治療のための設備
の貧弱さの要因は、一般的に成人病患者の場合とは対象
的に火傷患者は殆ど経済的に恵まれない部類に属し、そ
の相当数が入院費問題で早期退院を望む程度であるの
で、高い医療収益を期待することができない。また、上
記の火傷治療ユニットは、建築の基礎段階から計画ない
し施工が行われなければならないし、その設備のうち、
多くの部分が中央供給システムにならなければならない
ため、異動や新設，増設に制約が多く、これのために必
要とされる設備投資およびその運用費用が莫大であるた
め、我が国の病院においてさえも本格的な火傷治療ユニ
ットの設置を忌避している主な原因となっている。従っ
て、上記の如き火傷治療ユニットの機能を行い得るとと
もに、低廉な費用で容易に設置し効率的に運用し得る火
傷治療装置が切実に要求されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き従来の火傷治療ユニットの設備及び運用に伴う莫
大な資本投資の不都合を克服しながらも、我が国の実情
に最も適合し得る火傷治療技術に力点を置いて開発され
たものであって、隔離室の機能を普遍的な患者用寝台程
度の大きさにカプセル化させて、時間と空間の拘束を受
けることなく、何時、何処でも必要に従って簡単に備え
ることができ、また移動させることができるようにする
ことにより利用の簡便性と便利性を求得しながら、設備
投資および運用費用を極小化した火傷治療装置を提供す
ることにある。さらに本発明の目的は、空気浄化装置機
能において、暖房装置機能、加湿装置機能等隔離室に伴
う付帯装置機能と蓐瘡防止用寝床、浴槽、水マッサージ
機等、火傷治療用装置機能を小型、軽量化するととも
に、これをカプセル化された隔離室に連繋して相互に機
能的ないしは構造的に複合化し、簡潔性ないしは簡便性
のある構造に再構成させて装置の信頼性を極大化した火
傷治療装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の火傷治療装置は、患者用寝台の大きさにベ
ッドを構成し、上記ベッドを構成する固定バーの間に隔
バーを設け、これを駆動機によって昇降作動するように
して昇降時に上記固定バーと高さ偏差による患者の皮膚
の接触場所を変えて蓐瘡を防ぐように構成し、上記ベッ
ドの上部および下部には密閉キャップと浴槽がそれぞれ
の駆動機により昇降作動するようにして、上記ベッドを
密閉させることによってカプセル化された隔離室を具現
するとともに上記密閉キャップには患者に対して供給さ
れる空気および水を浄化し適正温度、適正湿度に処理し
て供給するための空気・水処理供給機が連結設置される
ように構成した点に特徴がある。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
を詳細に説明する。

【０００９】図１は、本発明に係る火傷治療装置を示す
全体斜視図である。図２は、本発明に係る火傷治療装置
を示す断面構成図であって、密閉キャップの昇降作動状
態が示されている。図３は、本発明に係る火傷治療装置
を示す断面構成図であって、浴槽の昇降作動状態が示さ
れている。図４は、本発明に係る火傷治療装置を構成す
るベッドのみを抜粋して示す拡大図である。図５は、本
発明に係る火傷治療装置を構成するベッドにおいてバー
の結合構造を示す要部斜視図である。図６（Ａ）（Ｂ）
は、本発明に係る火傷治療装置を構成する密閉キャッ
プ、浴槽ベッドのガイド機構を抜粋して示す正面構成図
及び側面構成図である。図７（Ａ）（Ｂ）は、本発明に
係る火傷治療装置におけるベッド駆動機の正面構成図及
び平面構成図である。図８（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は、本発
明に係る火傷治療装置における密閉キャップ及び浴槽駆
動機の正面構成図及び平面構成図である。図９は、本発
明に係る火傷治療装置における空気・水処理供給機の構
成図である。図１０は、本発明に係る火傷治療装置の別
の実施例を示す図である。図１１は、本発明に係る火傷
治療装置のさらに別の実施例を示す図である。

【００１０】図１において、本発明に係る火傷治療装置
は、中空の上部フレーム１１と左，右フレーム１２，１
２と下部支持板１３とで連結された長方形の支持台１０
と、上記支持台１０の左，右フレーム１２，１２内側に
収容される普遍的な患者用寝台の大きさのベッド２０
と、上記ベッド２０の上部に相当する上記支持台１０の
左，右フレーム１２，１２を昇降移動する密閉キャップ
３０、及びベッド２０の下部に相当する浴槽４０と、空
気を浄化して適正温度、適正湿度に処理し上記密閉キャ
ップ３０にジャバラ管Ｆ−１，Ｆ−２を介して供給する
とともに水を浄化して適正状態に供給し得る空気・水処
理供給機５０と、から大別構成される。図２或いは図３
において、上記左，右フレーム１２，１２の上段内部に
は、３段に段差構成されたガイドロール１４，１４が回
動可能に支持され、左側のガイドロール１４と右側のガ
イドロール１４との間に有する上記上部フレーム１１内
部には、密閉キャップ駆動機１７、ベッド駆動機１８、
浴槽駆動機１９が夫々左右に適当な間隔を置き互いに上
下に段差を設けて配置されていて、上記下部支持板１３
と左，右フレーム１２，１２の内部にはそれぞれガイド
棒１５，１５が図６（Ａ）（Ｂ）に図示されるように立
設されていて、ベッドガイド機構２１、浴槽ガイド機構
２２、密閉キャップガイド機構２３が、連結杆２４の両
端に固定されたスライディングブロック２５，２５に上
下移動可能に遊設され、上記各連結杆２４には、上下方
向に互いに重ならないように左右にずらして設けたガイ
ドブラケット２６が固定され、該ガイドブラケット２６
夫々に対して上記ガイドロール１４，１４と密閉キャッ
プ駆動機１７、或いは上記ガイドロール１４，１４とベ
ッド駆動機１８、或いは上記ガイドロール１４，１４と
浴槽駆動機１９を経由して設けられたワイヤーロープ
Ｗ．Ｒが連結されるように構成されている。このとき、
上記支持台１０の左，右フレーム１２，１２の内側面に
は、ガイド長孔１２ａが穿孔されていて、上記各ガイド
機構２１，２２，２３のスライディングブロック２５，
２５，２５に、連結ロッド２５ａ，２５ａ，２５ａが上
記ガイド長孔１２ａ内を該スライディングブロック２
５，２５，２５が上下移動可能に夫々突設される。

【００１１】上記ベッド駆動機１８は、図７（Ａ）
（Ｂ）に示されるように、駆動モーターＭのウオームシ
ャフトＭ−１に噛合して駆動されるウオームホイール２
７は、中心軸２７ａが一体結合されていて、該中心軸２
７ａが上記上部フレーム１１に固定された前後両方の軸
受板２８によって回動自在に枢支され、さらに上記中心
軸２７ａの両端には偏心連結杆２９ａ，２９ｂを構成す
る連動ホイール２９，２９が固定結合されていて上記偏
心連結杆２９ａ，２９ｂには上記ベッドガイド機構２１
に連結されたワイヤーロープＷ．Ｒの一端が連結され
る。上記密閉キャップ駆動機１７と浴槽駆動機１９は、
図８に示されるように、駆動モーターＭのウオームシャ
フトＭ−１に噛み合わされるウオームホイール３１が、
両方に区画された巻取りドラム３２，３２を一側に固定
し上記上部フレーム１１に固定された前後両方の軸受板
３３によって、中心軸３１ａを介して枢支されていてワ
イヤーロープＷ．Ｒを巻取るように、或いは解くように
構成されている。このとき、上記密閉キャップ駆動機１
７と浴槽駆動機１９の巻取りドラム３２，３２は、図８
ｃに示すように、ワイヤーロープＷ．Ｒの巻取りに伴う
相互干渉を排除するように巻取りドラム３２，３２を相
互に離間させて構成される。上記支持台１０を構成する
下部支持板１３の上部には、図２，３に示されるよう
に、上部が開放された長方形の保護支持キャップ３４が
固定設置され、上記保護支持キャップ３４の下部の四隅
には、移動用キャスター３５が固定設置される。

【００１２】上記保護支持キャップ３４の上部開放端
は、図３に示されるように、浴槽４０の折曲縁部４０ａ
によって形成された底部の凹溝部４０ｂに着座され得る
ように構成されていて、さらに上記左右の折曲縁部４０
ａには、上記浴槽ガイド機構２２のスライディングブロ
ック２５に突設されている連結ロッド２５ａが連結固定
される。上記ベッド２０は、上記浴槽４０の下部面を貫
通して上記保護支持キャップ３４の下方内面に、左右に
対向するように固定棒３６，３６が立設されていて、さ
らに固定棒３６，３６の上部は、固定横杆３７と連結固
定されている。上記固定横杆３７には一定間隔だけ離間
された固定バー３８を多数設けることによってベッド面
が形成される。上記固定バー３８の各間には、上記固定
バー３８によって形成されるベッド面よりも低い高さ
に、隔バー４３が固定横杆４２の上部に固定される。そ
して、上記固定横杆４２は、上記保護支持キャップ３４
の内側下部に設けられていて、作動板３９の上部に左右
に対向するように立設される作動棒４１，４１と連結固
定される。また、上記作動板３９は、左右に固定突起３
９ａが突設されていて、上記保護支持キャップ３４の左
右に穿孔されるガイド溝３４ａを貫通してベッドガイド
機構２１を構成するスライディングブロック２５の連結
ロッド２５ａと連結固定される。このとき、上記固定バ
ー３８および隔バー４３は、図５に図示されたとおり支
持板４４に上部面が湾曲面に形成された分離杆４５が組
み合わせ可能に構成されていて、必要に応じて上記分離
杆４５を分離し洗浄・消毒して再度組み合わせて使用す
るようになっている。

【００１３】上記密閉キャップ３０は、図２，３に示さ
れるように、上記浴槽４０の折曲縁部４０ａの上部面と
同一の大きさの縁部３０ａが形成され、さらに密閉パッ
ド３０ｂが固定されていて、外から内部を容易に見られ
るように透視窓３０ｃが設けられ、さらに上記左右の縁
部３０ａは、上記密閉キャップガイド機構２３を構成す
るスライディングブロック２５の連結ロッド２５ａと連
結固定される。このとき、上記密閉キャップ３０の上部
一側には、ジャバラ管Ｆ−１の一端が連通可能に設置さ
れ、上記ジャバラ管Ｆ−１の他端は上記支持台１０の左
フレーム１２の内部に設けられる連結管４６と外側で連
通可能に設けられ、上記連結管４６の他端は上記空気・
水処理供給機５０と連結されたジャバラ管Ｆ−２と連通
可能に設けられる。上記空気・水処理供給機５０は、図
９に示されるように、移動キャスター３５によって移動
可能なハウジング５１の上部に、吐出口５１ａを構成し
て上記ジャバラ管の一端（Ｆ−２）と連結されるが、上
記ハウジング５１は、吐出口５１ａ側に外側空気を給気
する送風機５２と上記送風機５２から給気される空気を
段階別に濾過させる１，２次濾過器５３，５４と上記
１，２次濾過器を経る過程において空気を加温するヒー
ター５５と、外部空気を適正湿度に浄化供給する加湿器
５６が備えられるとともに、一側に水の供給を受ける給
水口５７が設けられ、該給水口ラインに給水される水を
段階別に浄水処理する１，２，３次フィルター５８，５
９，６０と、上記浄水された水を加温させる加温器６１
と、上記加温器６１で加温された水を適正水温に調整す
る混合バルブ６２と、上記適正水温の水を適正サイクル
に調整してシャワー器６４に供給するマッサージサイク
ラー６３が備えられる一方、患者の治療に必要な体感
性、人体安定性、及び殺菌性を有する酸性水を貯蔵供給
する酸性水タンク６５が加圧ポンプ６６に連結されてい
て、該加圧ポンプ６６は、上記３次フィルター６０によ
って浄化された水の供給ラインに連結されるように構成
される。

【００１４】図面中、未説明符号４７は、排水孔を、４
８は気密維持リングを、Ｃ．Ｂは制御パネルを図示した
ものである。このように構成された本発明の作用及び効
果を詳細に説明すれば次のとおりである。先ず、図２に
例示されたとおり、制御パネルＣ．Ｂを操作して密閉さ
れたベッド２０上部の密閉キャップ３０を密閉キャップ
駆動機１７によって上昇させてベッド２０を開放させ
る。この作動機構を詳細に考察すれば、図８に図示され
たとおり、上記密閉キャップ駆動機１７を構成する駆動
モーターＭが作動してウオームシャフトＭ−１が回転
し、これに噛み合わされたウオームホイール３１が中心
軸３１ａを回転させて巻取りドラム３２を回転させる。
このような作動機構によって、上記巻取りドラム３２に
巻取りされたワイヤーロープＷ．Ｒの両端と連結された
左，右の密閉キャップガイド機構２３，２３のスライド
ブロック２５，２５が、上記支持台１０の左，右フレー
ム１２，１２に立設されたガイド棒１５，１５に沿って
上昇移動しながら上記スライディングブロック２５，２
５の連結ロッド２５ａ，２５ａを上昇させ、この連結ロ
ッド２５ａ，２５ａに連結されている縁部３０ａと一体
的に繋がっている密閉キャップ３０が同時に上昇され
る。このように密閉キャップ３０が上昇してカプセルが
開放された状態で、上記ベッド２０の上部ベッド面に患
者を横たえさせ、上記密閉キャップ駆動機１７の駆動モ
ーター（Ｍ）の逆回転作動によって、上記した手順とは
逆の流れにより、密閉キャップ３０は下降して、上記ベ
ッド２０の下部に設けられた浴槽４０の折曲縁部４０ａ
の上部面と、縁部３０ａの密閉パッド３０ｂが当接し、
上記ベッド２０は、カプセル化された隔離室を構成す
る。

【００１５】このとき、上記密閉キャップ３０の上部に
連結されていてカプセル内と連通するジャバラ管Ｆ−１
と連通するように連結された連結管４６およびジャバラ
管Ｆ−２によって、さらに連通するように連結された空
気・水処理供給機５０の作動によって、上記カプセル化
されたベッド２０の患者には、適正温度、適正湿度で浄
化処理された空気が供給され、浴槽４０の下部に形成さ
れる排水孔４７から排水されて無菌隔離室を具現するこ
とができるし、このような空気の供給によって細菌感染
および毒性のものとの接触が無くなり、火傷患者の最も
大きな死亡要因である敗血症が排除されて治療に大変好
都合となる。なお、火傷治療は、長期間の治療を要する
ので、患部を寝床に当てて過ごさなければならない患者
の場合、蓐瘡（床擦れ）が発生しやすい。従って、本発
明は、上記ベッド２０を構成する固定バー３８を一定間
隔づつ離間させて設置し、同時にこれらの間に隔バー４
３を上記固定バー３８が形成するベッド面よりも低く設
け、かつこれらの間にも隙間を置いて上記空気・水処理
供給機５０で処理供給される空気によって通風が容易に
なるようにし、上記隔バー４３を昇降移動するようにし
て、上記隔バー４３の上昇時には上記固定バー３８が構
成するベッド面より高いベッド面を形成させて、患者の
皮膚の接触面を変えるようにして蓐瘡を最大限に防ぐよ
うにしている。このような作動関係を考察すると、図３
に図示されるように、制御パネルＣ．Ｂを操作してベッ
ド駆動機構１８を作動させ、ベッド駆動機構１８の駆動
モーターＭを作動してウオームシャフトＭ−１に噛み合
わされたウオームホイール２７を回転させて中心軸２７
ａを回転させる。この時、上記中心軸２７ａの両端に固
定結合された連動ホイール２９，２９が同時に回転し、
上記連動ホイール２９，２９に偏心固定された偏心連結
杆２９ａ，２９ｂも回転して、上記両方の偏心連結杆２
９ａ，２９ｂに一端が連結されたワイヤーロープＷ．Ｒ
が左、右両方同時に上方へ引っ張られる。

【００１６】このようなワイヤーロープＷ．Ｒが上方へ
引っ張られることによって、前述の密閉キャップガイド
機構２３と同様に、ベッドガイド機構２１を作動させ
る。即ち、上記ベッドガイド機構２１は、スライディン
グブロック２５の連結ロッド２５ａに連結された作動板
３９が上昇しながら一体的に連動して、上記作動板３９
上部の作動棒４１、固定横杆４２、及び隔バー４３を上
昇移動させて、上記固定バー３８が構成するベッド面よ
り高く上昇して上記固定バー３８が接触していた皮膚と
は異なる他の皮膚を支える。このような状態で上記隔バ
ー４３を下降すれば、再び上記ベッド駆動機構１８が作
動して元の状態に戻ることによって、上記隔バー４３が
接触していた患者の皮膚とは異なる他の皮膚が固定バー
３８によって支えるようにすることもできる。このよう
なベッド２０の作動は、患者の状態に応じ、その時間と
回数は通常は制御パネルＣ．Ｂによって間欠的に行なう
ことは当然可能である。また、火傷患者は、患部の損傷
された細胞組織の再生を促進させるためには血液循環を
円滑にするために水マッサージ療法を併行させて行わな
ければならない。

【００１７】本発明は、患者が浴槽内に入らないでベッ
ド２０に横たわった状態で水浴ないしはマッサージを受
けられるようにすることにより、治療の能率を極大化す
ることができるようになっており、このような作動関係
を考察すれば、図３に図示されたように、制御パネル
Ｃ．Ｂを操作して、上記したとおり密閉キャップ駆動機
１７により密閉キャップ３０を上昇させてベッド２０を
開放し、上記密閉キャップ駆動機１７と同様に、浴槽駆
動機１９を作動させるようにする。このような浴槽駆動
機１９の作動は、駆動モーターＭが作動してウオームシ
ャフトＭ−１が回転してウオームホイール３１を回転さ
せ、ついで巻取りドラム３２によるワイヤーロープの巻
取りによって、浴槽ガイド機構２２のスライディングブ
ロック２５が上昇移動し、同時に上記スライディングブ
ロック２５の連結ロード２５ａと連結する折曲縁部４０
ａに連結固定された浴槽４０が上昇移動して上記ベッド
２０によって形成されたベッド面より上昇するようにな
る。このような状態から空気・水処理供給機５０を作
動し、給水口５７を通じて引き入れられた水を段階的に
フィルター５８，５９，６０を経て浄水した後、加温器
６１で加温し、混合バルブ６２で適正水温に調整し、か
つマッサージサイクラー６３で適正サイクルに調整して
シャワー器６４を介して患部に適用させる。そして患者
の状態に応じて必要な酸性水の使用にあたっては、酸性
水タンク６５から加圧ポンプ６６を経て加温器６１、混
合バルブ６２、マッサージサイクラー６３、シャワー器
６４を介して酸性水を供給させて、患者の状態に応じて
適切に運用することができる。

【００１８】従って、従来の火傷治療ユニットのよう
な、広範囲な付帯設備が不要で、カプセル化されたベッ
ド２０に楽に横たわった状態で水浴ないしは水マッサー
ジ療法を行なうことができるので、治療効率を極大化す
ることができる。さらに固定バー３８および隔バー４３
は、支持杆４４と、上記支持杆４４に組立・分離可能な
分離杆４５と、から構成され、上記支持杆４４から分離
して洗浄および消毒を行なうことによって衛生処理を可
能にし、かつ上記分離杆４５は、上部が湾曲面に形成さ
れるように構成されていて、患部との圧迫感を最小化さ
せてある。さらに、火傷患者は水分の放出が甚だしいの
で、治療時に随時に患者の体重をチェックすることは必
須条件である。従って、本発明では、図１０に図示され
たように、上記ベッド２０を構成する隔バー４３の配設
基板である作動板３９の下部の支持板７１に体重計７０
を連結固定し、上記支持板７１は、前述の駆動機および
ガイド機構それぞれと同様な技術構成で別途に構成し
て、これによる連繋的な昇降動作によって、上記体重計
７０が上記作動板３９を支えて上記ベッド２０を構成す
る隔バー４３に横たわった状態で患者の体重をチェック
することができるように構成することができる。また別
の実施例としては、図１１に図示されたとおり、上記体
重計７０の下部の油・空圧シリンダー７２の作動によっ
て、上記体重計７０が上記作動板３９を支えるようにし
て体重をチェックすることができる。このように本発明
は、集約化された装置全体を支える支持台１０と補助手
段である空気・水処理供給機５０の下部に、移動キャス
ター３５，３５が設けてあるので、必要に応じ適宜移動
させて使用することが可能となり空間の有効活用が極大
化される。

【００１９】以上、詳しく考察したとおり、既存の火傷
治療に必須的な無菌隔離室の築造物でなければならない
という概念を変えて、普遍的な患者用寝台の大きさを備
えていて、火傷患者の治療に必要な装置の集約化による
設備全体の縮小化、および運用費用の節約化を可能に
し、使用状況や設置空間の必要に応じて適宜移動させて
使用の便宜性を高めるとともに上記集約化された装置に
必須的な空気浄化機能、冷暖房機能、加湿機能、浴槽機
能等の種々の付帯装置機能を密集小型化して、装置の信
頼性を確保し、ベッドの独自な構成により患部圧迫に因
る血液循環障害（蓐瘡）を最大限に防止できるので、装
置の信頼性がより一層確保される等、大変有用な火傷治
療装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る火傷治療装置を示す全体斜視図で
ある。

【図２】本発明に係る火傷治療装置を示す断面構成図で
あって、併せて密閉キャップの昇降動作を示す説明図で
ある。

【図３】本発明に係る火傷治療装置を示す断面構成図で
あって、併せて浴槽の昇降動作を示す説明図である。

【図４】本発明に係る火傷治療装置を構成するベッドを
示す抜粋構成図である。

【図５】本発明に係る火傷治療装置を構成するベッドに
おけるバーの全体構造を示す抜粋斜視図である。

【図６】（Ａ）（Ｂ）は、本発明に係る火傷治療装置を
構成する密閉キャップ、浴槽、及びベッドのガイド機構
の抜粋側面図および抜粋正面図である。

【図７】（Ａ）（Ｂ）は、本発明に係る火傷治療装置に
おけるベッド駆動機の抜粋正面図および抜粋平面図であ
る。

【図８】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は、本発明に係る火傷治療
装置における密閉キャップ駆動機、及び浴槽駆動機の抜
粋正面図および抜粋平面図である。

【図９】本発明に係る火傷治療装置を構成する空気・水
処理供給機の構成図である。

【図１０】本発明に係る火傷治療装置の別の実施例を示
す図である。

【図１１】本発明に係る火傷治療装置のさらに別の実施
例を示す図である。

【符号の説明】

１０支持台１１上部フレーム１２左，右フレーム１３下部支持板１４ガイドロール１５ガイド棒１７密閉キャップ駆動機１８ベッド駆動機１９浴槽駆動機２０ベッド２１ベッドガイド機構２２浴槽ガイド機構２３密閉キャップガイド機構２４連結杆２５スライディングブロック２５ａ連結ロッド２６ガイドブラケット２７ウオームホイール２７ａ中心軸２８軸受板２９連動ホイール２９ａ偏心連結杆２９ｂ偏心連結杆３０密閉キャップ３０ａ縁部３０ｂ密閉パッド３０ｃ透視窓３１ウオームホイール３１ａ中心軸３２巻取りドラム３３軸受板３４保護支持キャップ３４ａガイド溝３５移動用キャスター３６固定棒３７固定横杆３８固定バー３９作動板３９ａ固定突起４０浴槽４０ａ折曲縁部４０ｂ凹溝部４１作動棒４２固定横杆４３隔バー４４支持杆４５分離杆４６連結管４７排水孔４８気密維持リング５０空気・水処理供給機５１ハウジング５１ａ吐出口５２送風機５３１次濾過器５４２次濾過器５５ヒーター５６加湿器５７給水口５８１次フイルター５９２次フイルター６０３次フイルター６１加温器６２混合バルブ６３マッサージサイクラー６４シャワー器６５酸性水タンク６６加圧ポンプ７０体重計７１支持板７２油・空圧シリンダーＭ駆動モーターＭ−１ウオームシャフトＣ．Ｂ制御パネルＦ−１ジャバラ管Ｆ−２ジャバラ管Ｗ．Ｒワイヤーロープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中空の上部フレーム１１及び左，右フレ
ーム１２，１２と下部支持板１３で連結されて移動可能
に構成された長方形の支持台１０と、上記支持台１０の
左，右フレーム１２，１２の間に収容され、一定間隔だ
け離間させて設置された固定バー３８の間に隔バー４３
を設け、上記上部フレーム１１に設けられるベッド駆動
機１８と連結され、上記左，右フレーム１２，１２に設
けられたベッドガイド機構２１によって昇降作動して上
記固定バー３８が形成するベッド面と高さ偏差による患
部と接触を異にするベッド２０と、上記ベッド２０の上部および下部において上記上部フレ
ーム１１に設けられた密閉キャップ駆動機１７、浴槽駆
動機１９とそれぞれ連結され、上記左，右フレーム１
２，１２に設けられた密閉キャップガイド機構２３、浴
槽ガイド機構２２によって昇降作動して上記ベッド２０
をカプセルのように密閉または開放する密閉キャップ３
０と浴槽４０と、から構成され、上記密閉キャップ３０
には移動可能であって空気を浄化し適正温度，適正湿度
に処理供給すると共に、水を浄化して患部に必要な適正
状態に処理供給する空気・水処理供給機５０が連結され
て構成されることを特徴とする火傷治療装置。
【請求項２】上記支持台１０は、左，右フレーム１
２，１２の上段内部に３段に段差構成されたガイドロー
ル１４，１４が回動可能に支持され、上記ガイドロール
１４，１４の間の上記上部フレーム１１内部に密閉キャ
ップ駆動機１７、ベッド駆動機１８、浴槽駆動機１９
が、これらの設置位置が左右水平方向に相互に重ならな
いように上下にずらして設け、上記下部支持板１３と
左，右フレーム１２，１２の内部には、それぞれ前後平
行にガイド棒１５，１５が立設され、上記ベッドガイド
機構２１、浴槽ガイド機構２２、密閉キャップガイド機
構２３それぞれが連結固定されている連結杆２４の両端
に固定されたスライディングブロック２５，２５が、上
記ガイド棒１５，１５に上下移動可能に遊設され、上記
各連結杆２４には上下垂直方向に互いに重ならないよう
に左右にずらすようにしてガイドブラケット２６が固定
されていて、該ガイドブラケットに、上記ガイドロール
１４，１４および密閉キャップ駆動機１７、或いは上記
ガイドロール１４，１４およびベッド駆動機１８、或い
は上記ガイドロール１４，１４および浴槽駆動機１９、
を経由して設置されるワイヤロープＷ．Ｒと相互に連結
させて構成されることを特徴とする請求項１に記載の火
傷治療装置。
【請求項３】上記支持台１０の左，右フレーム１２，
１２内側には、ガイド長孔１２ａが少なくとも２つ平行
に並んで且つ左右対向するように穿孔され、該ガイド長
孔に上記ガイド機構２１，２２，２３それぞれのスライ
ディングブロック２５に突設された連結ロッド２５ａが
挿入されて、該スライディングブロック２５の上下移動
に一体的に連動して、上記ベッド２０と上記密閉キャッ
プ３０と上記浴槽４０が、上下移動可能に構成されるこ
とを特徴とする請求項１または２に記載の火傷治療装
置。
【請求項４】上記ベッド駆動機構１８は、駆動モータ
ーＭのウオームシャフトＭ−１に噛み合い駆動されるウ
オームホイール２７の中心軸２７ａが、該ウオームホイ
ール２７を介した両側に設けられた軸受板２８，２８に
よって回動可能に支持されていて、上記中心軸２７ａの
両端には偏心連結杆２９ａ，２９ｂを構成する連動ホイ
ール２９，２９が固定結合され、上記偏心連結杆２９
ａ，２９ｂにベッドガイド機構２１に連結されたワイヤ
ロープＷ．Ｒをそれぞれ連結するように構成されること
を特徴とする請求項１または２に記載の火傷治療装置。
【請求項５】上記密閉キャップ駆動機１７または浴槽
駆動機１９は、駆動モーターＭと連結されるウオームシ
ャフトＭ−１に噛み合わされるウオームホイール３１の
一側に、両側で巻取りできるように中央で区画された巻
取りドラム３２を固定し、ウオームホイール３１の中心
軸３１ａが上記巻取りドラム３２と上記ウオームホイー
ル３１を介する両側で軸受板３３，３３によって回動可
能に支持されていて、上記浴槽ガイド機構２２、上記密
閉キャップガイド機構２３それぞれと連結されるワイヤ
ーロープＷ．Ｒを巻取り、または解くように構成される
ことを特徴とする請求項１または２に記載の火傷治療装
置。
【請求項６】上記支持台１０の下部支持板１３は、上
部に横断面長方形で下端閉塞筒状の保護支持キャップ３
４が固定設置され、下部に移動用キャスター３５が固定
設置されていて、上記浴槽４０が、上記保護支持キャッ
プ３４の上部開放端の折曲縁部４０ａによって形成され
た凹溝部４０ａに着座されるとともに、左，右に形成さ
れた折曲縁部４０ａに，上記浴槽ガイド機構２２のスラ
イディングブロック２５に突設された連結ロッド２５ａ
が連結固定されることを特徴とする請求項１に記載の火
傷治療装置。
【請求項７】上記ベッド２０は、上記浴槽４０の下部
面を貫通して上記保護支持キャップ３４の内側下面に左
右に互いに対向するように固定棒３６，３６が立設さ
れ、該固定棒３６，３６の左右上部に固定横杆３７が連
結固定されていて、上記固定横杆３７には一定間隔づつ
離間された上記固定バー３８が多数設けられてベッド面
を構成するとともに、上記固定バー３８それぞれの間に
は上記固定バー３８によって形成されるベッド面より低
い位置に上記隔バー４３が固定横杆４２の上部に固定設
置され、上記固定横杆４２は上記保護支持キャップ３４
内下部に設けられる作動板３４上部の左右に対向されて
立設される作動棒４１，４１と連結固定され、上記作動
板３９の両端には固定突起３９ａを突設し、該固定突起
３９ａが上記保護支持キャップ３４の左右両方に穿孔さ
れるガイド溝３４ａ，３４ａを貫通して、ベッドガイド
機構２１を構成するスライディングブロック２５の連結
ロッド２５ａと連結固定されて構成されることを特徴と
する請求項１または６に記載の火傷治療装置。
【請求項８】上記固定バー３８または隔バー４３は、
支持杆４４に対し分離杆４５が組立・分離可能になるよ
うに構成されることを特徴とする請求項７に記載の火傷
治療装置。
【請求項９】上記空気・水処理供給機５０は、上記密
閉キャップ３０の上部一側に連結されるジャバラ管Ｆ−
１と連結された上記支持台１０の右フレーム１２の内側
に設けられる連結管４６とハウジング５１上部に形成さ
れる吐出口５１ａに連結されたジャバラ管Ｆ−２と連結
され、上記ハウジング５１は移動キャスター３５によっ
て移動可能に構成され、上記吐出口５１ａ側に外部空気
を給気する送風機５２と、上記送風機５２から給気され
る空気を段階別に濾過させる１，２次濾過器５３，５４
と、上記１，２次濾過器５３，５４を経る過程で空気を
加温するヒーター５５と、外部空気を適正湿度に浄化供
給する加湿器５６と、が備えられると共に、一側に水の
供給を受ける給水口５７が設けられ、該給水口ラインに
給水される水を段階別に浄化処理する１，２，３次フィ
ルター５８，５９，６０と、上記浄化された水を加温さ
せる加湿器６１と、上記加温器６１で加温された水を適
正水温に調整する混合バルブ６２と、上記適正水温の水
を適正サイクルでシャワー器６２へ調整供給するマッサ
ージサイクラー６３と、が具備される一方、患者治療に
必要な体感性、人体安全性、殺菌性を有する酸性水を貯
蔵供給する酸性水タンク６５が加圧ポンプ６６と連結さ
れ、上記加圧ポンプ６６は、上記３次フィルター６０で
浄化された水の供給ラインに連結されて構成されること
を特徴とする請求項１または２に記載の火傷治療装置。
【請求項１０】上記ベッド２０は、上記作動板３９の
昇降作動により患者の体重をチェックし得るように上記
作動板３９下部に体重計７０を設けるように構成される
ことを特徴とする請求項１または７に記載の火傷治療装
置。