JPH08264849A - 超伝導素子の製造方法 - Google Patents

超伝導素子の製造方法

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JPH08264849A
JPH08264849A JP7307242A JP30724295A JPH08264849A JP H08264849 A JPH08264849 A JP H08264849A JP 7307242 A JP7307242 A JP 7307242A JP 30724295 A JP30724295 A JP 30724295A JP H08264849 A JPH08264849 A JP H08264849A
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紘一 水野
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
Kiyotaka Wasa
清孝 和佐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】任意の位置に、所定の臨界電流値を持つジョセ
フソン接合を有する超伝導素子を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】基板1上に形成された金属酸化物薄膜を、
フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によ
り、ブリッジ部3に相当する部分をエッチングして膜厚
を薄くした後、酸素雰囲気中にて結晶化温度以上の温度
で熱処理を施して、前記金属酸化物薄膜を前記金属酸化
物超伝導薄膜2とすることにより、前記ブリッジ部3に
相当する部分に結晶粒界のバウンダリィジャンクション
を形成する。この超伝導素子は膜厚の薄くなったブリッ
ジ部3の超伝導特性が2つのバンク部4a、4bを通し
て外部から観測される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超伝導体を用いた超
伝導素子の製造方法に関するもので、特に酸化物超伝導
体を用いた超伝導素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超伝導体として、2元系化合物と
して窒化ニオブ(NbN)やA15型ゲルマニウムニオブ
(Nb3 Ge)などが知られていた。またこれらの材料
を用いたジョセフソン素子も数多く研究されてきた。こ
れらの材料の超伝導移転温度はたかだか24°Kであっ
た。一方、ペロブスカイト系3元化合物は、さらに高い
移転温度が期待され、Ba−La−Cu−O系の高温超
伝導体が提案された[J.G.Bendorz and
K.A.Muller,ツァイトシュリフトフュア
フィジーク(Zeitshrift fur phys
ik B)−Condensed Matter 6
4, 189−193(1986)]。
【0003】さらに、Y−Ba−Cu−O系がより高温
の超伝導体であることが最近提案された[M.K.Wu
等、 フィジカル レビュー レターズ(Physic
alReview Letters)Vol.58,
No9, 908−910(1987)]。
【0004】Y−Ba−Cu−O系の材料の超伝導機構
の詳細は明らかではないが、移転温度が液体窒素温度以
上に高くなる可能性があり、高温超伝導体として従来の
2元系化合物より、より有望な特性が期待される。
【0005】また、極最近ではBi−Sr−Ca−Cu
−O系やTl−Ba−Ca−Cu−O系の100°Kを
越える臨界温度を有する高温超伝導体も発見されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
酸化物高温超伝導薄膜を用いて超伝導素子を実用化する
場合に、コヒーレンス長が数ナノメートルと極めて短い
点が、膜の不均一性、結晶粒界等を反影して極めて作製
困難な主たる原因となっていた。これは、弱結合のジョ
セフソン素子を作製する場合に、弱結合部のブリッジ長
をコヒーレンス長程度の寸法にする必要があり、実際に
はこの様なナノブリッジ構造は酸化物では作製困難であ
り実現されていない。また、結晶粒界結合を用いたスト
リップ状のジョセフソン素子は提案されているが、素子
寸法が大きく、精度良く所定の位置にジョセフソン接合
を作製することは困難とされている。
【0007】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、任意の位置に、所定の臨界電流値を持つジョセフソ
ン接合を有する超伝導素子を製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の超伝導素子の製造方法は、基板上に形成さ
れた金属酸化物薄膜を、フォトリソグラフィ技術及びド
ライエッチング技術により、ブリッジ部に相当する部分
をエッチングして膜厚を薄くした後、酸素雰囲気中にて
結晶化温度以上の温度で熱処理を施して、前記金属酸化
物薄膜を前記金属酸化物超伝導薄膜とすることにより、
前記ブリッジ部に相当する部分に結晶粒界のバウンダリ
ィジャンクションを形成して作製することを特徴とす
る。
【0009】本発明方法によれば、基板上に形成された
金属酸化物超伝導薄膜から成る2つのバンク部と、前記
金属酸化物超伝導薄膜と同一組成を含む材料から成る薄
膜で、かつ、前記バンク部の膜厚よりも薄いブリッジ部
により結晶粒界でバウンダリィジャンクションを形成
し、前記2つのバンク部が電気的に接続された構造を有
する超伝導素子を得ることができる。
【0010】本発明方法においては、金属酸化物超伝導
薄膜の材料が、銅元素を含む金属酸化物超伝導体である
こと、または銅元素を含む金属酸化物超伝導体が、A−
B−Cu−O複合化合物である場合も含まれる。
【0011】ここにAは、Sc、Y、LaおよびLa系
列元素(原子番号57〜71、但し57、61、62を
除く)のうち少なくとも1種、Bは、Ba、Srなどの
IIa族元素のうちの少なくとも1種、かつA、B元素と
Cu元素の濃度は、0.5≦(A+B)/Cu≦2.5
である。
【0012】また、銅元素を含む金属酸化物超伝導体
が、Biを含み、かつ、PbまたはSr、CaなどのII
a族元素のうち少なくとも1種の元素を含む場合も含
み、また、銅元素を含む金属酸化物超伝導体が、Tlを
含み、かつ、Pbまたは、Ba、CaなどのIIa族元素
のうち少なくとも1種の元素を含む場合も同様に含まれ
る。
【0013】更には、金属酸化物超伝導薄膜の材料が、
BaおよびBiを含む複合酸化物超伝導体である場合も
含まれる。本発明の超伝導素子の製造方法として、基板
上に形成された金属酸化物超伝導薄膜に、フォトリソグ
ラフィ技術でブリッジ部に相当する上部を除く部分にエ
ッチングマスクを形成した後、不活性ガスイオンを照射
して前記ブリッジ部に相当する部分の前記金属酸化物超
伝導薄膜をエッチングしてブリッジ部の結晶粒界でバウ
ンダリィジャンクションを形成した後、前記エッチング
マスクを除去して作製する。または、基板上に形成され
た金属酸化物薄膜を、フォトリソグラフィ技術およびド
ライエッチング技術のいずれかにより、ブリッジ部に相
当する部分をエッチングして膜厚を薄くし結晶粒界でバ
ウンダリィジャンクションを形成した後、酸素雰囲気中
にて熱処理を施して、前記金属酸化物薄膜を金属酸化物
超伝導薄膜とすることにより作製する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明方法によれば、金属酸化物
薄膜をフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術
とによりエッチングをしてブリッジ部を形成するのは、
水に弱い金属酸化物を損傷から防ぐためである。またそ
の後、酸素中で熱処理することにより、金属酸化物薄膜
が超伝導を示す結晶構造へと変化し、加工時のダメージ
の除去の作用が認められる。また、より高温での酸素中
での熱処理では、金属酸化物超伝導薄膜の結晶粒の成長
がみられ、薄くなったブリッジ部に、選択的に結晶粒界
を形成させる作用が認められた。従って本発明の製造方
法では、ダメージの少ない結晶粒界接合をフォトプロセ
スと、ドライエッチング技術とにより任意の位置に精度
良く形成できる働きをするのである。
【0015】本発明方法において、2つの金属酸化物超
伝導薄膜から成る超伝導電極となるバンク部に接続され
た、それらより膜厚の薄いブリッジ部を形成すると、膜
厚の薄い分、電流密度が大きくなり、弱結合部となる。
また、所定の場所に精度よく形成することのできるブリ
ッジ部に含まれる結晶粒界がジョセフソン接合となり、
外部の系から観測されるものとなり、任意の位置に、精
度良く、かつ再現性良くジョセフソン接合を作りこむこ
とが可能となる。またブリッジ部の膜厚を制御すること
により素子の臨界電流値を調整できるという作用があ
る。
【0016】金属酸化物超伝導薄膜の材料としては銅を
含む金属酸化物超伝導体で、A−B−Cu−O複合化合
物または、Biを含み、かつ、PbまたはIIa族元素の
うち少なくとも1種の元素を含む材料または、Tlを含
み、かつ、PbまたはIIa族元素を含む材料のものでも
同様な作用がみられる。また、金属酸化物超伝導薄膜の
材料として、BaおよびBiを含む複合酸化物超伝導体
においても同様な作用が得られる。
【0017】なお参考までに応用例を示すと、金属酸化
物超伝導薄膜をエッチングマスクを用いAr等の不活性
ガスイオンの照射によりブリッジに相当する部分だけ膜
厚を薄くしてブリッジ部の結晶粒界でバウンダリィジャ
ンクションを形成する方法は、任意の位置に精度良くブ
リッジが形成できるのみならず、ブリッジ部の寸法を短
くすることを可能とするものである。また、従来は、イ
オンの照射によって金属超伝導薄膜にダメージを与えて
超伝導特性を損なうものと考えられていたが、本発明者
等が詳細に検討した結果、不活性ガスの場合にはダメー
ジを受ける層は表層のほんの一部にしかすぎないことが
判り、Ar等の不活性ガスイオン照射によるブリッジ部
の形成は、弱結合接合形成にも極めて有効な手段である
ことを見い出した。また、ブリッジ部に含まれる結晶粒
界が不活性ガスイオンの照射により選択的にエッチング
され、粒界接合特性が顕著に観測される場合もあった。
【0018】
【実施例】図1は本発明の超伝導素子の一実施例を示す
斜視図、図2は図1の断面図である。
【0019】本実施例の超伝導素子は、基板1上に金属
酸化物超伝導薄膜2よりなる2つのバンク部4a、4b
が、金属酸化物薄膜2と同一組成を含む材料からなるブ
リッジ部3により接続された構造を有している。ブリッ
ジ部3の膜厚はバンク部4の膜厚よりも薄くなってい
る。本実施例の超伝導素子は膜厚の薄くなったブリッジ
部3の超伝導特性が2つのバンク部4a、4bを通して
外部から観測されることを目的とした装置である。従っ
て、ジョセフソン接合がブリッジ部3の内側に形成され
るので、任意の場所に接合を再現性良く形成することが
可能となる。
【0020】次に具体的な実施例を、本発明の超伝導素
子の製造方法とともに説明する。 (参考例1)図3は本発明の超伝導素子の製造方法の一
応用例を示すプロセス図である。まず、MgO(10
0)面基板1上に金属酸化物超伝導薄膜2として、Gd
Ba2Cu3y薄膜を堆積した(図3(a))。堆積は
ターゲットにGdBa2Cu4.5yを用い、RFプレー
ナ・マグネトロン・スパッタ法により、アルゴンと酸素
の混合ガス雰囲気中で行った。基板温度は600℃であ
り、膜厚は0.5μmであった。次に、フォトリソグラ
フィ技術とアルゴンイオンミリングにより素子の横方向
のパターン加工を行った後、金属酸化物超伝導薄膜2上
に、フォトリソグラフィ技術により長さ1μmのブリッ
ジ相当部分6のみを除いてエッチングマスク5を形成し
た(図3(b))。エッチングマスク5の材料としては
ネガレジストを用い0.8μm厚とした。これをArイ
オン照射によりエッチングを行ない、ブリッジ部3を形
成した(図3(c))。Arイオン照射は、カウフマン
型イオン源を用い、ガス圧1×10-4Torr、加速電
圧500〜1KVで行った。エッチング速度は、GBC
O薄膜で約25nm/minネガレジストで約30nm
/minであった。ブリッジ部3のエッチング膜厚は
0.3μmとした。その後、エッチングマスク5の残り
を、酸素プラズマによるアッシングにより除去し、バン
ク部4の露出を行ない超伝導素子を作製した(図3
(d))。酸素圧は1Torrとした。
【0021】図5には試作した超伝導素子電流電圧特性
を示す。図5に示す様な弱結合特性が確認された。ま
た、ブリッジ部3(図2)の膜厚が薄くなるにつれ、素
子の臨界電流値は低くなり、膜厚により臨界電流制御が
可能なことを確認した。図6には、ブリッジ部3の膜厚
0.15μmの超伝導素子に、f=4.8GHzのマイ
クロ波を照射した時の電流電圧特性を示す。図6に示す
様に、ΔV=f・h/e(hはプランクの定数6.63
×10-34 J.s、eは電荷素量1.60×10
-19 C)で与えられる約20μV間隔の電圧ステップ
(シャピロステップ)が観測され、ジョセフソン接合が
形成されていることを確認した。ただし、前記において
通常ΔVは、ΔV=f・h/(2e)の式で示されるの
で、図6ではf=9.67GHzのマイクロ波を照射し
た時の電流電圧特性を示す。
【0022】(実施例1)次に本発明の超伝導素子の製
造方法の一実施例を図4のプロセス図を用いて説明す
る。基板1としてMgO(100)面を用い、その上に
Bi−Sr−Ca−Cu−Oの金属酸化物薄膜12をR
Fマグネトロンスパッタ法で約0.6μm堆積させた
(図4(a))。アルゴンと酸素混合雰囲気中で基板温
度200℃で堆積した金属酸化物薄膜12の組成はB
i:Sr:Ca:Cu=1:1:1:2であった。この
薄膜12は表面が平坦であったが、4.2°Kまで冷却
しても超伝導性は示さなかった。
【0023】次に、フォトプロセスとスパッタエッチン
グにより素子の横方向パターンを(バンク部等の形状)
形成した後、フォトプロセスとCF4 反応性イオンエッ
チングによりSiO2 エッチングマスク15を金属酸化
物12表面上に形成した(図4(b))。エッチングマ
スク15は厚み0.5μmで、ブリッジ相当部分6は幅
2μmにわたって除去された構造とした。次にこれをア
ルゴンイオン17を照射してエッチングを行いブリッジ
部3の膜厚を0.3μmとした(図4(c))。次に、
CF4 反応性エッチングによりエッチングマスク15を
除去した(図4(d))。最後にこれを酸素雰囲気中
で、890℃で20分、870℃で5時間熱処理を行な
い金属酸化物超伝導薄膜2を形成して超伝導素子を作製
した(図4(e))。作製した試料はSEM観察による
と結晶粒が数十μmの岩板状であり、結晶粒界13がブ
リッジ部3中に1〜2個再現性良く含まれていることを
確認した。この現象のメカニズムは詳細には不明である
が、おそらく、バンク部4とブリッジ部3の金属酸化物
薄膜12の膜厚の差による段差が結晶成長に影響を与え
て結晶粒界13がブリッジ部3にできるのではないかと
考えられる。作製した超伝導素子は、図5及び図6に示
すのと同様な特性を示し、良好なジョセフソン接合がで
きていることを確認した。すなわち、図5に示す様な弱
結合特性が確認された。また、ブリッジ部3の膜厚が薄
くなるにつれ、素子の臨界電流値は低くなり、膜厚によ
り臨界電流制御が可能なことを確認した。図6には、ブ
リッジ部3の膜厚0.15μmの超伝導素子に、f=
9.67GHzのマイクロ波を照射した時の電流電圧特
性を示す。図6に示す様に、ΔV=f・h/(2e)
(前記式中、hはプランクの定数6.63×10
-34 J.s、eは電荷素量1.60×10-19 C)で与
えられる約20μV間隔の電圧ステップ(シャピロステ
ップ)が観測され、ジョセフソン接合が形成されている
ことを確認した。この接合は、結晶粒界13によるもの
と考えられる。
【0024】なお、上記実施例の説明では、基板1にM
gO(100)面を用いたが、これに限定するものでは
ない。また、金属酸化物超伝導薄膜2として、Gd−B
a−Cu−O薄膜とBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜を
例にあげたが、これに限定するものではない。例えば、
銅元素を含む金属酸化物超伝導体で、A−B−Cu−O
複合化合物(ここにAはSc、Y、LaおよびLa系列
元素(原子番号57〜71、但し57、61、62を除
く)のうち少なくとも1種で、BはBa、Sr等のIIa
族元素のうちの少なくとも1種でかつ、A、B元素とC
u元素の濃度は0.5≦(A+B)/Cu≦2.5)、
Bi2 Sr2 CuOy、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu
−O超伝導体等の超伝導体、Tl−Ba−Cu−O、T
l−Ba−Ca−Cu−O、またはTl−Pb−Ba−
Ca−Cu−O等のTlを含みかつ、PbまたはBa、
CaなどのIIa族元素のうち少なくとも1種の元素を含
む超伝導体でも同様な効果が得られた。更には、Ba−
Pb−Bi−O、Ba−K−Bi−O、Ba−Rb−B
i−O等のBaおよびBiを含む複合酸化物超伝導体で
も同様な効果が得られることを本発明者らは確認してい
る。
【0025】また、本発明の超伝導素子の製造方法の実
施例の説明において、イオン照射に用いる不活性ガスイ
オン7のイオンとしてアルゴンを用いたが、これに限定
するものではなく不活性ガスであれば何であっても良
い。またエッチングマスク5としてネガレジストを用い
たが、これに限定するものではなく、不活性ガスイオン
照射によるエッチングの際のマスク効果があれば何であ
っても良い。
【0026】また、本発明である超伝導素子の第2の製
造方法の実施例の説明において、ブリッジ相当部分6の
エッチングにアルゴンイオン17を照射して行ったが、
これに限定するものではなく、塩素を用いた反応性イオ
ンエッチング等、ドライエッチングであれば同様な効果
が得られることを本発明者は確認している。またエッチ
ングマスク15にSiO2 を用いたが、ドライエッチン
グ用マスクとして使用できるものであれば何であっても
良い。従って、エッチングマスク15の除去の方法も何
であっても良いのは言うまでもない。
【0027】また金属酸化物薄膜12は超伝導を示さな
い例を述べたが、別に超伝導を示しても良いのは明らか
である。なお、本発明の超伝導素子の両製造方法の実施
例の説明において、ブリッジ部3をエッチング形成する
以前に、バンク部4等の素子の横方向パターン加工を行
う様に説明したが、これに限定する訳ではなく、この順
序が逆になっても同様な効果が得られるのは自明での事
である。
【0028】
【発明の効果】本発明の超伝導素子の実施に於いて、従
来困難とされていた任意の位置に、所定の臨界電流値を
有するジョセフソン接合を有する超伝導素子を容易に作
製することが可能となり、その実用的価値は大きい。
【0029】本発明の超伝導素子の製造方法の実施に於
いて、不活性ガスイオン照射によるエッチングを用いる
ために、ミクロン〜サブミクロンの短い接合形成が容易
に作製可能であり、また、追加エッチングすることが可
能であるために臨界電流値を下方に調整することが可能
となり、工業的価値は大なるものがある。
【0030】また本発明の他の超伝導素子の製造方法の
実施に於いて、金属酸化物薄膜を加工後に熱処理を施し
て超伝導薄膜化することにより、加工ダメージの改復ま
たは防止が出来、従来、微細加工の困難とされていた平
坦な表面の得にくい金属酸化物薄膜にも、所定の場所に
選択的に微細なジョセフソン接合を形成することが可能
となり、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超伝導素子の一実施例を示す斜視
図。
【図2】 同、図1の断面図。
【図3】 本発明の超伝導素子の応用例の製造方法の一
例を示すプロセス工程断面図。
【図4】 本発明の超伝導素子の製造方法の一例を示す
プロセス工程断面図。
【図5】 本発明の一実施例と応用例で得られた超伝導
素子の電流電圧特性を示す図。
【図6】 本発明の一実施例と応用例で得られた超伝導
素子にマイクロ波を照射した時の電流電圧特性を示す
図。
【符号の説明】
1 基板 2 金属酸化物超伝導薄膜 3 ブリッジ部 4a,4b バンク部 5,15 エッチングマスク 6 ブリッジ相当部分 7 不活性ガスイオン 12 金属酸化物薄膜 13 結晶粒界 17 アルゴンイオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 和佐 清孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された金属酸化物薄膜を、
    フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術に
    より、ブリッジ部に相当する部分をエッチングして膜厚
    を薄くした後、酸素雰囲気中にて結晶化温度以上の温度
    で熱処理を施して、前記金属酸化物薄膜を前記金属酸化
    物超伝導薄膜とすることにより、前記ブリッジ部に相当
    する部分に結晶粒界のバウンダリィジャンクションを形
    成して作製することを特徴とする超伝導素子の製造方
    法。
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JPS6431477A (en) * 1987-07-28 1989-02-01 Agency Ind Science Techn Finely working method for superconductor
JPH01217980A (ja) * 1988-02-26 1989-08-31 Nippon Cement Co Ltd ブリッジ型粒界ジョセフソン素子

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