JPH08264386A - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサの製造方法

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JPH08264386A
JPH08264386A JP8867595A JP8867595A JPH08264386A JP H08264386 A JPH08264386 A JP H08264386A JP 8867595 A JP8867595 A JP 8867595A JP 8867595 A JP8867595 A JP 8867595A JP H08264386 A JPH08264386 A JP H08264386A
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紀一郎 荒井
Mitsugi Yamamoto
貢 山本
Takashi Masui
貴史 増井
Naoki Sakura
直樹 佐倉
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 所定の大きさに切断した陽極箔と陰極箔とに
各々陽極用リード2及び陰極用リード3を接続し、前記
陽極箔と前記陰極箔とを電解紙を介して積層し巻回して
コンデンサ素子1を形成する電解コンデンサ11の製造
方法において、化成処理をしていない陽極用リード2を
陽極箔に接続することを特徴とする電解コンデンサ11
の製造方法。 【効果】 陽極箔に接続する陽極用リードに化成処理を
していない箔を用いているために、電解コンデンサに過
電圧がかかった場合に、陽極用リードの箇所で短絡し易
く、その蓋が割れたり飛んだりし、さらに燃焼したりす
るのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサの製造
方法に関し、特に大形の乾式アルミ電解コンデンサ等の
電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】乾式アルミ電解コンデンサ等の電解コン
デンサは、アルミ等のエッチング箔を所定の電圧で化成
した陽極箔と、エッチング箔からなる陰極箔とを電解紙
を介して積層し巻回して形成したコンデンサ素子を利用
する。このコンデンサ素子の陽極箔は、例えば、500
〜1000mm巾のエッチング箔を化成して化成膜を形成
し、その後、焼成処理やリン酸処理をし、所定の巾と長
さに切断して形成する。そしてこの陽極箔には陽極用リ
ードをコールドウェル等により接続し一端をコンデンサ
素子の端面から引き出している。陽極用リードは、短絡
を防止するために、箔を陽極箔の化成電圧よりも高い電
圧で化成処理し、さらに焼成処理やリン酸処理等を行な
い形成する。また、陰極箔には陰極用リードをコールド
ウェル等により接続し、その一端を陽極用リードと同一
方向にコンデンサ素子の端面から引き出している。陰極
用リードは、箔を化成処理をしない状態のまま、あるい
は数V程度の低電圧で化成した後、加熱処理をして形成
する。これによって、電解コンデンサを使用中に、含浸
した電解液と反応する作用を抑制し、ガス発生を軽減し
ている。そしてコンデンサ素子は電解液を含浸した後、
金属製ケースに収納する。収納後、蓋をケースに取り付
けて密閉している。この蓋には端子を貫通して設け、陽
極用リード及び陰極用リードを端子に接続している。
【0003】なお、ケースに蓋を取り付けて密閉した
後、高温雰囲気中で電圧を印加して(以下エージング処
理という)陽極箔表面に形成した化成膜を修復するとと
もに、陽極箔の切断面に化成膜を形成する。
【0004】上記の構成からなる電解コンデンサは、例
えば高圧回路に使用する場合、2個を直列に接続して耐
圧を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、2個を直列に
接続した場合、どちらか一方がコンデンサとしての機能
を失ない短絡状態になると、他方の正常な電解コンデン
サに定格電圧の1.5倍〜2倍の過電圧が印加される。
そのため正常な方の電解コンデンサも漏れ電流が増大
し、異常に発熱して耐圧が降下し、短絡不良となる。
【0006】ところで、陽極箔は、表面には化成処理に
より形成した化成膜を設けているため耐圧が高いが、切
断面にはエージング処理の際に化成膜が形成されている
だけであり、この部分の耐圧が低くなっている。そのた
め、短絡不良は、ほとんどこの切断面で起こり、短絡電
流が切断面に集中して爆発するという形態を採る。そし
てこの爆発の圧力により、短絡箇所が蓋側にある場合に
は蓋が飛び、また、ケースの底面側にある場合にはコン
デンサ素子全体が飛び出しかつ燃焼してしまうという欠
点がある。
【0007】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、陽
極箔の切断面での短絡不良を防止し、蓋やコンデンサ素
子が飛び燃焼するのを防止できる電解コンデンサの製造
方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、所定の大きさに切断した陽極箔と陰極
箔とに各々陽極用リード及び陰極用リードを接続し、前
記陽極箔と前記陰極箔とを電解紙を介して積層し巻回し
てコンデンサ素子を形成する電解コンデンサの製造方法
において、化成処理をしていない陽極用リードを陽極箔
に接続することを特徴とする電解コンデンサの製造方法
を提供するものである。
【0009】なお、陽極箔に接続する陽極用リードに
は、化成処理をしない箔を用いるが、この未化成の箔に
純水ボイル処理等の処理をした箔を用いてもよい。
【0010】
【作用】陽極用リードの表面及び陽極箔の切断面とも、
エージング処理の際に化成膜が形成される。しかし、前
者の方が後者よりも短絡し易い状態であることがわかっ
た。そのため、電解コンデンサに過電圧を加えると、陽
極箔の切断面でよりも陽極用リードの表面で短絡する。
そしてこの短絡箇所はほとんどコンデンサ素子の内部で
ある。従って、この短絡箇所で爆発が起っても、この爆
発による爆風は蓋やケースの底に至るまでに弱くなる。
それ故、蓋やコンデンサ素子が飛ぶのを防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、実施例は定格400V、5600μFの電解コン
デンサを製造する場合について説明する。先ず、陽極箔
は厚さ100μmのアルミ箔を処理して製造する。すな
わち、このアルミ箔を直流エッチング法によって粗面化
する。粗面化後、純水中でボイルする。ボイル後、ホウ
酸の化成液中において、600Vの化成電圧をかけて化
成し、化成膜を形成する。化成処理後、安定化するため
に、リン酸処理をし、ついで温度550℃で焼成処理を
する。焼成処理後、巾120mm、長さ8000mmの大き
さに切断して陽極箔とする。
【0012】また、陽極用リードには化成処理をしない
厚さ150μm、巾10mm、長さ160mmのアルミ箔を
用いる。そしてこの陽極用リードの100mmの長さの部
分を陽極箔に2000mmおきに4枚、コールドウェルに
より接続する。
【0013】陰極箔は、厚さ20μmのアルミ箔を20
0μF/cm2 になるように粗面化し、その後、リン酸処
理をする。リン酸処理後、巾120mm、長さ8300mm
の大きさに切断する。
【0014】陰極用リードは、アルミ箔を長さ150μ
m、巾1000mmに圧延し、次いで焼なまし、500mm
の巾に切断した後、さらに巾10mmの大きさに切断して
製造する。そしてこの陰極用リードを陰極箔に2000
mm間隔で4枚をコールドウェルにより接続する。
【0015】電解紙としては厚さ90μmのクラフト紙
を用いる。そしてこの電解紙を介して陽極箔と陰極箔と
を積層して巻回し、コンデンサ素子を形成する。コンデ
ンサ素子を形成後、有機酸系の電解液を含浸する。
【0016】電解液を含浸後、図1に示す通り、コンデ
ンサ素子1から引き出した陽極用リード2及び陰極用リ
ード3を、各々蓋4に貫通して設けた陽極端子5及び陰
極端子6に接続する。接続後、予じめ硬化前の固定剤7
を底の方に充填したケース8にコンデンサ素子1を収納
する。収納後、固定剤7を硬化するとともに、蓋4をケ
ース8の端に取り付けて、ケース8を密閉する。なお、
蓋4には防爆弁9が取り付けられている。ケース8を密
閉後、温度85℃の雰囲気中に放置して425Vの電圧
を加えてエージング処理をする。エージング処理後、ケ
ース8に絶縁性のチューブ10を被覆する。
【0017】次に、上記の実施例の方法によって製造し
た電解コンデンサ11について、従来の方法によって製
造したものとともに、650Vの過電圧をかけた場合の
短絡不良を測定した。
【0018】なお、従来の製造方法は、陽極用リードと
してアルミ箔を650V以上の陽極箔の化成電圧よりも
高い電圧で化成処理し、その後に温度550℃で加熱処
理し、かつリン酸処理を行ない、さらに650Vの電圧
で再化処理をして化成膜を形成したものを用いる以外
は、前記実施例と同一とする。また、試料数は、実施例
および従来例とも各々10個とする。
【0019】各試料に過電圧をかけた結果、実施例は、
9個が陽極用リードの表面で短絡し、1個が陽極箔の切
断箇所で短絡したが、蓋が飛んだり燃焼したりする不良
は0個であった。これに対して、従来例では10個とも
陽極箔の切断箇所で短絡した。そのため、3個が蓋が割
れ、また2個がコンデンサ素子が飛び出し不良品となっ
た。
【0020】
【発明の効果】以上の通り、本発明の製造方法によれ
ば、陽極箔に接続する陽極用リードに化成処理をしてい
ない箔を用いているために、過電圧がかかった場合に陽
極用リードの箇所で短絡し易く、蓋が割れたり飛んだり
し、燃焼する不良を防止できる電解コンデンサが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の方法により製造した電解コン
デンサの断面図を示す。
【符号の説明】
1…コンデンサ素子、 2…陽極用リード、 3…陰極
用リード、11…電解コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐倉 直樹 栃木県芳賀郡二宮町大字久下田1065番地 日立エーアイシー株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の大きさに切断した陽極箔と陰極箔
    とに各々陽極用リード及び陰極用リードを接続し、前記
    陽極箔と前記陰極箔とを電解紙を介して積層し巻回して
    コンデンサ素子を形成する電解コンデンサの製造方法に
    おいて、化成処理をしていない陽極用リードを陽極箔に
    接続することを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106409536A (zh) * 2016-12-02 2017-02-15 深圳市兴诚捷精密设备有限公司 电容制作装置及电容制作方法
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CN106971848A (zh) * 2017-04-05 2017-07-21 东莞市承兴电子有限公司 铝电解电容器的制备方法
CN108899208A (zh) * 2018-06-28 2018-11-27 常州华威电子有限公司 一种超低阻抗的缩体贴片电解电容器及其制备方法

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