JPH08264139A - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JPH08264139A
JPH08264139A JP6246295A JP6246295A JPH08264139A JP H08264139 A JPH08264139 A JP H08264139A JP 6246295 A JP6246295 A JP 6246295A JP 6246295 A JP6246295 A JP 6246295A JP H08264139 A JPH08264139 A JP H08264139A
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JP
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cathode
target
ray
rays
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JP6246295A
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Inventor
Kenji Suzuki
賢次 鈴木
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用的な量のX線を放射することのできる小
型のX線発生装置を提供する。 【構成】 カソード1はガラス基板2上に形成された導
電層3,およびこの導電層3上に10μmピッチ程度で
1次元アレイ状に配置された円錐状突起部4によって構
成されている。この突起部4は半導体微細加工によって
形成されている。突起部4の頭部近傍周辺には絶縁層5
を介してゲート電極6が設けられており、このゲート電
極6は突起部4の頭部近傍に形成される電界を制御す
る。ターゲット7は突起部4から放出された電子を受け
てX線を放射する。突起部4およびターゲット7間の距
離は0.5〜1mm程度に設定されている。気密容器8
はこれらカソード1,ゲート電極6およびターゲット7
を真空状態に保っており、この気密容器8にはX線を透
過するX線窓9が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気入力に応じてX線
を発生させるX線発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、X線管のカソード(陰極)材料に
は、タングステンや酸化物が代表的に用いられている。
この材料が用いられるカソードは、加熱されて電子を放
出する熱陰極型のカソードとして使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の熱陰極型のカソード材料を用いたX線管では、X線
の発生位置を一次元,二次元に自由自在に変化させるた
めに、カソードを一次元または二次元アレイ状に配置す
ると、カソード面積が大きくなって装置構成が大型化し
てしまう。また、小型化のためにカソード相互間の設置
距離を短くすると、装置温度が上昇するため、熱設計が
困難になった。また、この熱陰極型X線管では、カソー
ドを加熱するためのヒーターおよびこのカソードヒータ
ーを駆動する低電圧回路が必要とされ、構成要素を多く
必要とすることからも、小型化を図ることは困難であっ
た。また、電子放出構造をブラウン管型構造としたX線
発生装置は、電子ビームを偏向することにより、X線発
生位置を一次元,二次元に自由自在に変化させることが
できるが、ブラウン管自体の小型化を図ることが困難で
あるため、熱陰極型X線管と同様にコンパクトな構造に
することは難しかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、半導体微細加工によ
り一次元または二次元アレイ状に配置された突起部を有
する電子放出陰極と、この突起部近傍に形成される電界
を制御する制御電極と、電子放出陰極から放出された電
子を受けてX線を放射するターゲットと、このターゲッ
トから放射されるX線を透過する窓を有し上記電子放出
陰極,制御電極およびターゲットを真空状態に保つ気密
容器とを備え、X線発生装置を構成した。
【0005】また、上記電子放出陰極およびターゲット
間の距離を1mm以下に設定してX線発生装置を構成し
た。
【0006】
【作用】電子を放出する突起部を備えた電子放出陰極は
半導体微細加工によって形成され、X線発生装置の陰極
部は極めて小さく形成される。
【0007】また、電子放出陰極およびターゲット間の
距離が1mm以下に設定されると、突起部から放射され
る電子ビームの広がりが抑えられる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例による一次元アレイ
タイプのX線管の概略構造を示す斜視図であり、図2は
このX線管におけるX線発生部を拡大して示した断面図
である。
【0009】カソード(FEA)1は電子放出陰極であ
り、このカソード1はガラス基板2上に形成された導電
層3,およびこの導電層3上に10μmピッチ程度で1
次元アレイ状に配置された円錐状突起部4によって構成
されている。この突起部4は半導体微細加工によって形
成されている。突起部4の頭部近傍周辺には絶縁層5を
介してゲート電極6が設けられており、このゲート電極
6は突起部4の頭部近傍に形成される電界を制御する。
ターゲット7は例えばアルミニウム,タングステン,チ
タンなどの薄膜で形成され、突起部4から放出された電
子を受けてX線を放射する。アレイ状に配置された突起
部4およびターゲット7間の距離は0.5〜1mm程度
に設定されるが、これら間に図示しないガラス板やセラ
ミック製ボール等が挟持されることにより、突起部4お
よびターゲット7間は数百μmの間隔に正確に設定され
る。気密容器8はこれらカソード1,ゲート電極6およ
びターゲット7を真空状態に保っている。この気密容器
8にはX線を透過するX線窓9が形成されている。この
X線窓9は例えばBeやアモルファスカーボン等の材料
によって形成される。
【0010】このような構造において、ゲート電極6に
は数10[V]程度のゲート電圧が印加され、ターゲッ
ト7のターゲット電圧は3〜20[kV]の電圧範囲に
設定される。この電圧印加により円錐状突起部4の頭部
周辺に形成される電界によって電子eが真空中へ放出さ
れる。この電子eはターゲット7に衝突し、ターゲット
7はX線を放射する。このターゲット7から放射される
X線は窓9から容器外へ出射される。突起部4から放出
される電子eはゲート電極6に印加するゲート電圧によ
って自由に制御される。従って、このゲート電圧に情報
を入力することにより、電気入力情報をX線情報に変換
することができる。
【0011】また、カソード1を構成する突起部4とタ
ーゲット7との間の距離が短いほど、突起部4から放射
される電子ビームの広がりは小さくなり、多次元化した
場合のX線の放出点を小さくすることができる。このた
め、これら間の距離は上記したように1mm以下が望ま
しい。また、必要とされる放射X線の波長が短い場合に
は、カソード1およびターゲット7間への印加電圧を高
くする必要があるため、カソード1およびターゲット7
間の距離によってはその耐圧が問題になる。この耐圧を
向上させるため、カソード1およびターゲット7間の距
離を長くする場合には、図3に示すようにゲート電極6
上に絶縁層11を介してガイド電極10を設けることに
よって突起部4から放射される電子ビームの広がりを抑
えることができる。なお、同図において図2と同一部分
には同一符号を付してその説明は省略する。しかし、印
加電圧が10[kV]程度ではこの距離を1mm程度に
することにより、ガイド電極10を設ける必要はなく、
実用的な放出点の大きさを得ることができる。
【0012】また、図4に示すように、気密容器8のX
線窓9にコリメータ11を密着して設けることにより、
出射されたX線はコリメートされ、さらに、高精細なX
線像を得ることが可能になる。また、このコリメータ1
1の代わりにキャピラリー等を用いることもできる。
【0013】上記の本実施例によるX線管によれば、電
子を放出する突起部4を備えたカソード1は半導体微細
加工によって形成され、X線管の陰極部は極めて小さく
形成される。このため、小型のX線菅が実現される。
【0014】二次元のX線像を得るには、上記実施例の
ような一次元アレイタイプのX線発生装置に機械的スキ
ャンを加えて一次元X線管を水平方向に移動させるか、
または次の2次元アレイタイプのX線管が用いられる。
【0015】図5は、本発明の第2の実施例によるX線
発生装置である二次元アレイタイプのX線管を示す斜視
図である。なお、同図において、図1と同一または相当
する部分には同一符号を用いている。
【0016】カソード1は、ガラス基板2上にY方向に
形成された陰極ストリップライン3aと、この陰極スト
リップライン3a上に半導体微細加工によって形成され
た円錐状突起部4から構成されている。この突起部4は
陰極ストリップライン3a上に積層された絶縁層5の開
口部に約10μm間隔で二次元アレイ状に配置されてい
る。この絶縁層5上にはゲートストリップライン6aが
X方向に形成されており、このゲートストリップライン
6aは電圧印加に応じて各突起部4の頭部周辺に電界を
形成する。陰極ストリップライン3aとゲートストリッ
プライン6aとは絶縁層5によって電気的に分離されて
いる。突起部4から放射された電子ビーム21はタング
ステン薄膜からなるターゲット7に衝突してX線を発生
する。カソード1,ゲートストリップライン6aおよび
ターゲット7は、上記第1実施例と同様に気密容器の内
部に真空封止されており、ターゲット7に生じたX線は
Beやアモルファスカーボン等からなるX線窓9を介し
て気密容器の外部へ放出される。
【0017】陰極ストリップライン3aとゲートストリ
ップライン6aとが交差するブロック部分には16〜1
00個の円錐状突起部4が半導体微細加工によって形成
されているが、この1ブロックに形成される突起部4の
個数は、必要とするエミッション電流とX線放出点の大
きさとによって定められる。
【0018】図6(a)は上記の二次元アレイタイプ電
子管の側断面図であり、同図(b)はこの電子管の縦断
面図である。
【0019】電界放射型カソードアレイ41は図5に示
したガラス基板2上に形成されたカソード1およびゲー
トストリップライン6a等からなり、セラミックベース
42上に設けられている。また、電界放射型カソードア
レイ41の近傍にはターゲット7が形成されており、セ
ラミック製気密容器8の天部にはX線放射窓9が形成さ
れている。また、セラミックベース42は金属フランジ
43上にロー付けされており、また、金属フランジ4
3,セラミック製気密容器8および放射窓9の相互間も
ロー付けされて固着されている。カソードアレイ41に
はリード44を介して外部から電気信号が入力される。
【0020】このような構造において、各突起部4から
放出される電子ビーム21の放出制御は、マトリックス
状に組まれたゲートストリップライン6aと陰極ストリ
ップライン3aへの電圧印加を制御することにより行わ
れる。例えば、ゲートストリップライン6aに印加する
ゲート電圧を100[V]にすると、突起部4の頭部先
端には7×107 [V/cm]という強い電界が形成さ
れ、電子が放出される。また、電子放出の二次元的制御
はマトリックス駆動によって行われる。
【0021】また、図7に示すように、nチャネルFE
T31を上記のカソードアレイとモノリシックに集積化
することによっても、放出電子ビームを制御することが
可能である。ここで、上述した電子放射カソード1は、
突起部(エミッタ)4,ゲート電極6およびターゲット
7で記述されている。また、FET31はTFTなどの
能動素子で構成してもよい。このような駆動構造によれ
ば、個々のカソードアレイ直下に組み込んだFET31
のゲートに1〜2[V]のゲート電圧を加えることによ
り、突起部4から放射される電子ビームを個々またはブ
ロック単位で安定して制御することが可能になる。
【0022】図8は、図7に示したFET駆動構造を有
する本実施例による二次元アレイタイプX線管の放射電
流特性を示すグラフである。同グラフの横軸はFETゲ
ート電圧VFET [V],縦軸はエミッション電流I
A [μA]を示している。このX線管は1ブロックに1
0×10の100個の円錐状突起部4を有するSi電界
放出型カソードアレイであり、陰極ストリップライン3
aとゲートストリップライン6aとの間には80[V]
のバイアス電圧VGBが印加されている。
【0023】図9は上記のFET駆動構造を有するX線
管において、1ブロックに100×100の10000
個の突起部4が形成された場合の放射電流特性を示すグ
ラフである。同グラフの横軸は陰極ストリップライン3
aおよびゲートストリップライン6a間に印加されるバ
イアス電圧VGB,縦軸はエミッション電流IA [μA]
を示している。この特性グラフはバイアス電圧VGBおよ
びエミッション電流I A の各ピーク値でプロットされて
おり、バイアス電圧VGBはデューティ50%の方形波で
あり、周波数は100[Hz]である。
【0024】これらグラフから、100(10×10)
個あたり1〜2[μA]のエミッション電流を放射でき
ることが分かる。10[μm]ピッチで突起部4が並ん
でいるとすると、1個のブロック(100個)は100
[μm]×100[μm]のセグメントになる。従っ
て、電流密度は100〜200[μA/mm2 ]とな
る。この電流密度は従来のX線管、例えば特願平1−3
9628号に示されたX線管における30[μA/mm
2 ]の電流密度よりも高く、実用的なX線を放出させる
のに十分な電流密度であると言える。なお、この特願平
1−39628号には、単体では不安定なターゲット材
料元素、例えばカルシウム,マグネシウム,バリウム等
の安定な化合物、例えばそれらのフッ化物や酸化物等か
らターゲット膜を形成し、このターゲット膜をX線透過
性の基体上に形成してターゲットを構成したX線管が開
示されている。
【0025】また、図10は、上記した第2実施例によ
るX線管において、W蒸着膜からなるターゲット7に8
[kV]のターゲット電圧を印加し、7.85×10-3
ステラジアンの立体角に得られる出射X線の線量率を測
定した結果を示すグラフである。同グラフの横軸はター
ゲット電流[μA],縦軸はX線量率[R/h]を示し
ている。なお、X線の検出器には電離箱型サーベイメー
タを用いた。同グラフから、上述したターゲット電流が
得られれば、実用に十分なX線量が得られることが理解
される。
【0026】上記の第2実施例による二次元アレイタイ
プのX線管においても、電子を放出する突起部4を備え
たカソード1は半導体微細加工によって形成されるた
め、二次元X線管の陰極部は極めて小さく形成される。
このため、小型の二次元X線菅が実現される。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子を放出する突起部を備えた電子放出陰極は半導体微細
加工によって形成され、X線発生装置の陰極部は極めて
小さく形成される。このため、本発明によれば、小型で
コンパクトなX線発生装置を実現することが可能にな
る。
【0028】また、電子放出陰極およびターゲット間の
距離が1mm以下に設定されると、突起部から放射され
る電子ビームの広がりが抑えられる。このため、X線の
放出点の大きさを抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による一次元アレイタイ
プのX線管の概略構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示すX線管のX線発生部の断面図であ
る。
【図3】図2に示すX線発生部の変形例を示す断面図で
ある。
【図4】図1に示すX線管にコリメータを装着した図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例による二次元アレイタイ
プX線管のX線発生部の概略構造を示す斜視図である。
【図6】図5に示すX線発生部を備えた第2実施例によ
るX線管の概略構成を示す図である。
【図7】図5に示すX線発生部の駆動構成の他の例を示
す回路図である。
【図8】第2実施例によるX線管の放射電流特性を示す
第1のグラフである。
【図9】第2実施例によるX線管の放射電流特性を示す
第2のグラフである。
【図10】第2実施例によるX線管のターゲット電流の
変化に対するX線量率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…カソード、2…ガラス基板、3…導電層、4…円錐
状突起部、5,11…絶縁層、6…ゲート電極、7…タ
ーゲット、8…気密容器、9…X線放射窓。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体微細加工により一次元または二次
    元アレイ状に配置された突起部を有する電子放出陰極
    と、この突起部近傍に形成される電界を制御する制御電
    極と、前記電子放出陰極から放出された電子を受けてX
    線を放射するターゲットと、このターゲットから放射さ
    れるX線を透過する窓を有し前記電子放出陰極,前記制
    御電極および前記ターゲットを真空状態に保つ気密容器
    とを備えて構成されるX線発生装置。
  2. 【請求項2】 前記電子放出陰極および前記ターゲット
    間の距離が1mm以下に設定されていることを特徴とす
    る請求項1記載のX線発生装置。
JP6246295A 1995-03-22 1995-03-22 X線発生装置 Pending JPH08264139A (ja)

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