JPH08264108A - 電界電子放出素子、この電界電子放出素子を用いた電子放出源および平面ディスプレイ装置、電界電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電界電子放出素子、この電界電子放出素子を用いた電子放出源および平面ディスプレイ装置、電界電子放出素子の製造方法

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JPH08264108A
JPH08264108A JP6608095A JP6608095A JPH08264108A JP H08264108 A JPH08264108 A JP H08264108A JP 6608095 A JP6608095 A JP 6608095A JP 6608095 A JP6608095 A JP 6608095A JP H08264108 A JPH08264108 A JP H08264108A
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emission device
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field electron
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善昭 赤間
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/312Cold cathodes having an electric field perpendicular to the surface thereof
    • H01J2201/3125Metal-insulator-Metal [MIM] emission type cathodes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子放出効率が高く、製造の容易な電界電子
放出素子を提供する。 【構成】 電界が印加されることで量子力学的トンネリ
ング現象に基づき電子を放出するエミッタ電極と、この
エミッタ電極に積層された絶縁膜6と、この絶縁膜6に
積層され上記エミッタ電極に電界を印加する電子引出電
極としての導電膜7を備えたMIM型の電界電子放出素
子であって、上記エミッタ電極は導電性基板2の表面に
成膜され先端部が尖鋭化されてなる複数の柱状結晶3か
らなる柱状結晶集合体4である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、真空マイク
ロエレクトロニクス技術を利用した電界電子放出素子、
この電界電子放出素子を応用した電子放出源および平面
ディスプレイ装置、および電界放出素子および平面ディ
スプレイ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体微細加工技術の進歩に伴
い、ミクロンサイズの微小真空管の開発が進められてい
る。その目的は、電子輸送媒体としての真空を見直し、
固体素子に駆逐された真空管が持っていた欠点を克服し
た超高速で耐環境性に優れた電界電子放出素子を開発す
ることにある。
【0003】近年研究が進められている電界電子放出素
子としては、代表的なものとしてスピント型(グレイ
型)や平面型、あるいはMIM型(Metal-Insurate-Met
al)等が知られている。
【0004】スピント型や平面型の電界電子放出素子
は、先端が尖鋭化されてなるエミッタ電極を有し、近接
するゲ−ト電極から上記エミッタ電極の先端に電界を印
加することでこのエミッタ電極から電子を引き出す(放
出させる)ものである。
【0005】一方、MIM型の電界電子放出素子は、エ
ミッタ電極となる導電体の表面に絶縁膜と導電膜とを薄
く積層したタイプであり、上記エミッタ電極の表面に上
記導電膜から強い電界を印加することで、量子力学的ト
ンネリング現象を利用して電子を引き出すものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した電
界電子放出素子の開発が意味あるものになるかどうか
は、電界電子放出素子の動作電圧をどれだけ下げられる
かにかかっている。このためには、上記電界電子放出素
子のエミッタ電極の電子放出効率(エミッション電流の
密度)を向上させる必要がある。
【0007】また、この電界電子放出素子は、電子線描
画装置や平面ディスプレイの電子放出源として適用する
ことが考えられている。このためには、上記電子を面状
にかつ高密度に放出できることが好ましい。
【0008】上記スピント型や平面型においては、上記
エミッタ電極を角錐や円錐形としたり(スピント型)、
楔型とする(平面型)ことで、その先端部を尖鋭化し、
電子放出効率の向上を図っている。しかし、このエミッ
タ電極の先端部の形状精度はマスクパタ−ンニングを行
うステッパ等の解像度に依存するため、尖鋭化および高
密度化には一定の限界がある。
【0009】一方、上記MIM型の電子放出素子につい
ては、上述した尖鋭化を行う必要がない。また、上述し
たスピント型では上記エミッタ電極を高密度に形成しな
ければ電子を面状に放出することができなかったが、こ
のMIM型ではこのような形成密度に関係なく電子(電
子ビ−ム)を面状に放出することができる利点がある。
また、エミッタ電極の尖鋭化を行わなくても良いのでそ
の作成が非常に容易で歩留まりが高い。
【0010】しかし、このMIM型の電界電子放出素子
の電子放出効率を向上させるには、上記絶縁膜の厚さを
できるだけ薄くしてエミッタ電極の表面と導電膜との距
離(ギャップ)を小さくする必要がある。
【0011】この絶縁膜の厚さを薄くできないときに
は、電子放出効率が低くなってしまうため、上記導電膜
と上記エミッタ電極との間に高い電位差を生じさせなけ
ればならず、動作電圧が高くなってしまう。
【0012】このような不都合を避けるには、上記絶縁
膜を例えば100オングストロム以下にしなければなら
ないが、この絶縁膜には格子欠陥の一つも許されないた
め、その形成は非常に困難であるということがある。
【0013】この発明は、このような事情に鑑みて成さ
れたもので、MIM型の利点を十分に生かせ、かつ電子
放出効率が高くて動作電圧を低くできる電界電子放出素
子を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、電界が与
えられることで量子力学的トンネリング現象に基づき電
子を放出するエミッタ電極と、このエミッタ電極に積層
された絶縁膜と、この絶縁膜に積層され上記エミッタ電
極に電界を与える電子引出電極とを備えた電界電子放出
素子において、上記エミッタ電極は導電体の表面に成膜
された複数の柱状結晶からなる柱状結晶集合体であるこ
とを特徴とする電界電子放出素子である。
【0015】なお、ここで導電体とは、金属等の他、S
i基板をも含む意味である。第2の手段は、第1の手段
の電界電子放出素子において、上記柱状結晶集合体の各
柱状結晶は、先端部を尖鋭化され、この先端部から電子
を放出するものであることを特徴とする電界電子放出素
子である。
【0016】第3の手段は、第2の手段の電界電子放出
素子において、上記絶縁膜は上記各柱状結晶の尖鋭化さ
れた先端部の表面に略均一の厚さで形成され、上記電子
引出電極はこの絶縁膜の表面に略均一の厚さで被着され
た導電性の膜であることを特徴とする電界電子放出素子
である。
【0017】第4の手段は、第2の手段の電界電子放出
素子において、上記柱状結晶集合体は、導電体の表面に
CVD(Chemical vapor deposition )の手段により成
膜されたものであることを特徴とする電界電子放出素子
である。
【0018】第5の手段は、第4の手段の電界電子放出
素子において、上記柱状結晶はβ−タングステン(W)
を含むことを特徴とする電界電子放出素子である。第6
の手段は、第2の手段の電界電子放出素子において、上
記導電体の表面には、絶縁層が設けられ、この絶縁層に
は、上記導電体の表面を露出させる貫通孔が設けられ、
上記柱状結晶集合体は、この貫通孔内に露出する導電体
の表面に成膜されていることを特徴とする電界電子放出
素子である。
【0019】第7の手段は、第2の手段の電界電子放出
素子において、上記エミッタ電極から放出された電子を
受けるアノ−ド電極を有することを特徴とする電界電子
放出素子である。
【0020】第8の手段は、第7の手段の電界電子放出
素子において、上記アノ−ド電極は、透明導電膜を有
し、この透明導電膜の上記電子引出電極側の面には上記
エミッタ電極から放出された電子を受けることで発光す
る蛍光体が設けられていることを特徴とする電界電子放
出素子である。
【0021】第9の手段は、第2、第6、あるいは第7
の手段の電界電子放出素子を集積してなることを特徴と
する電界放出源である。第10の手段は、第2あるいは
第6の手段の電界電子放出素子を基板上にマトリックス
状に配設してなる電子放出源と、この電子放出源に対向
配置され、上記電子放出源から放出された電子を受ける
ことで発光表示を行う表示部とを有することを特徴とす
る平面ディスプレイ装置である。
【0022】第11の手段は、第10の手段の平面ディ
スプレイ装置において、上記表示部は、透明板部材と、
この透明板部材の上記電子放出源側に対向する面に設け
られた透明導電膜と、この透明導電膜に設けられた蛍光
体とを有することを特徴とする平面ディスプレイ装置で
ある。
【0023】第12の手段は、第11の手段の平面ディ
スプレイ装置において、上記電子放出源は、導電体を複
数の帯状に分割し、電子引出電極を上記導電体と直交す
る複数の帯状に分割し、上記帯状の導電膜、帯状の電子
引出電極のいずれか一方をアドレスライン、他方をデ−
タラインとすることで、その交わる箇所に設けられたエ
ミッタ電極から電子を放出させることを特徴とする平面
ディスプレイ装置である。
【0024】第13の手段は、第11の手段の平面ディ
スプレイ装置において、上記透明導電膜を複数の帯状に
分割し、各帯状の透明導電膜に印加する電圧を制御する
ことで発光範囲を制御することを特徴とする平面ディス
プレイ装置である。
【0025】第14の手段は、電界が与えられることで
量子力学トンネリング効果に基づき電子を放出するエミ
ッタ電極と、このエミッタ電極に積層された絶縁膜と、
この絶縁膜に積層され上記エミッタ電極に電界を与える
電子引出電極とを備えた電界電子放出素子の製造方法に
おいて、導電体の表面に柱状結晶集合体を成膜し、先端
部が針状に尖鋭化された柱状結晶からなるエミッタ電極
を形成する工程と、上記柱状結晶集合体の表面に絶縁膜
を形成する工程と、上記絶縁膜の表面に導電性の膜を形
成し、電子引出電極を形成する工程とを有することを特
徴とする電界電子放出素子の製造方法である。
【0026】第15の手段は、電界が与えられることで
量子力学トンネリング効果に基づき電子を放出するエミ
ッタ電極と、このエミッタ電極に積層された絶縁膜と、
この絶縁膜に積層され上記エミッタ電極に電界を与える
電子引出電極とを備えた電界電子放出素子の製造方法に
おいて、導電体の表面に絶縁層を形成する工程と、この
絶縁層の所定の部位をエッチング除去し、上記導電体の
表面を露出させる貫通孔を形成する工程と、上記貫通孔
内に露出した導電体の表面に柱状結晶集合体を成膜し、
先端部が針状に尖鋭化された柱状結晶からなるエミッタ
電極を形成する工程と、上記柱状結晶集合体の表面に絶
縁膜を形成する工程と、上記絶縁膜の表面に導電性の膜
を形成し、電子引出電極を形成する工程とを有すること
を特徴とする電界電子放出素子の製造方法である。
【0027】第16の手段は、第14あるいは第15の
手段の電界電子放出素子の製造方法において、エミッタ
電極を形成する工程は、上記導電体を含む部材を反応チ
ャンバ内に収容して120℃〜500℃に保ち、チャン
バ内にWF6 とSiH4 の2種類の反応ガスを導入し反
応させ、上記導電体の表面にβ−タングステンを含む柱
状結晶集合体を成膜することを特徴とする電界電子放出
素子の製造方法である。
【0028】第17の手段は、第16の手段の電界電子
放出素子の製造方法において、上記柱状結晶集合体の表
面に絶縁膜を形成する工程は、反応チャンバ内に酸素ガ
スを導入し、上記柱状結晶集合体の表面に絶縁性の金属
酸化膜を形成するものであることを特徴とする電界電子
放出素子の製造方法である。
【0029】
【作用】第1、第2の手段によれば、MIM(金属−絶
縁−金属)型の電界電子放出素子において、エミッタ電
極を、尖鋭化された先端部から電子を放出できる柱状結
晶が高密度に設けられてなる柱状結晶集合体として形成
することができる。したがって、エミッタ電極に対する
電界集中度が向上し、電子放出効率が良くなる。
【0030】また第3の手段のように、電子引出電極を
上記柱状結晶の尖鋭化された先端部の形状に沿って形成
することで、さらに、電界集中度を向上させることがで
きる。
【0031】第4、第5の手段のように、上記先端部が
尖鋭化された柱状結晶の集合体は、一定の条件の下、C
VD法やスパッタ法を用いてβ−W(β態のタングステ
ン)を含む柱状結晶を成長させることで形成できる。
【0032】第6の手段によれば、導電体上に貫通孔を
有する絶縁層を設けることで、エミッタ電極を設ける範
囲を区画することができる。この貫通孔は、円形や正方
形等任意の形状とすることができる。
【0033】第7の手段によれば、柱状結晶集合体によ
り構成されたエミッタ電極を有する3極管を得ることが
できる。また、第8の手段によれば、3極管のアノ−ド
電極に蛍光体を設けることで、放出された電子により蛍
光体を発光させることができる。この際、電子放出効率
が高いので、低い電力で高い輝度を得ることができる。
【0034】第9の手段によれば、柱状結晶集合体をエ
ミッタ電極とするMIM型あるいはSIM型の電界電子
放出素子を集積化した電子放出源を得られ、電子は、上
記絶縁層に設けられた貫通孔内に設けられたエミッタ電
極から放出されることとなる。
【0035】このような形状によれば、上記貫通孔内の
みにCVDで選択的にエミッタ電極を形成することがで
きるので、製造が非常に容易である。第10〜第13の
手段によれば、柱状結晶集合体により構成されたエミッ
タ電極を有するMIM型の電界放出源を平面ディスプレ
イに適用することが可能であり、この場合、より低い電
圧で必要な表示を行わせることができる。
【0036】第14の手段によれば、成膜技術のみで、
基板上に柱状結晶からなる結晶集合体を設け、先端部が
尖鋭化されたエミッタ電極を形成できるから、電子放出
効率の高いMIM型の電子放出素子の製造を容易に行え
る。
【0037】第15の手段によれば、導電体上にまず貫
通孔を有する絶縁層を設けることで、この貫通孔内のみ
に上記エミッタ電極を選択的に成膜することができる。
したがって、導電体上の複数箇所にエミッタ電極を作成
する場合、エミッタ電極の配置が非常に容易になる。
【0038】なお、柱状結晶集合体は、第16の手段に
示す条件の下で容易に形成することができ、この方法の
下では、上記貫通孔以外の場所に上記柱状結晶集合体が
成膜されることはない。さらに、第17の手段を用いる
ことで、柱状結晶集合体の表面に薄くかつ均一な厚さの
絶縁膜を容易に形成することができる。
【0039】
【実施例】以下、この本発明の実施例を図1〜図10に
基づいて説明する。まず、この発明の第1の実施例を図
1〜図5を参照して説明する。図1および図2は、この
発明の第1の実施例を示す電界電子放出素子1の概略構
成図である。
【0040】図中2で示すのは導電性の基板(導電体)
であり、この基板2上には上端部が針状に尖鋭化された
多数の微細柱状結晶3からなる柱状結晶集合体4が成膜
されている。また、この柱状結晶集合体4の周囲の基板
2上には絶縁層5が形成されている。そして、この柱状
結晶集合体4および絶縁層5の上には、絶縁膜6および
導電膜7がこの順に積層されている。
【0041】上記基板2の材質としては、金属や半導体
であるSi(シリコンウエハ)が採用される。柱状結晶
集合体4は、例えば、後述するようにCVD(Chemical
Vapor Deposition )により成膜されたタングステン結
晶の集合体であり、このCVDを所定の条件の下で行う
ことで、上端部が尖鋭化されてなる上記柱状結晶3を基
板2の表面に対して垂直に成長させたものである。この
ような柱状結晶3は例えばβ−W(β態のタングステ
ン)を含む。
【0042】また、上記絶縁層5としては例えばSiO
2 、絶縁膜6の材質としては、例えばタングステンの熱
酸化膜、また、上記導電膜7としては一般の導電性を有
する金属、例えばCuやAl等を採用することができ
る。
【0043】次に、この電界電子放出素子1の動作につ
いて説明する。上記柱状結晶集合体4は導電性を有し、
上記基板2と導通している。したがって、例えば、上記
基板2に負の電圧を与え、上記導電膜7に正の電圧を与
えることによって上記柱状結晶集合体4と上記導電膜7
との間に電位差を生じさせると、上記導電膜7から、上
記絶縁膜6の膜厚によって確保されるギャップを介して
上記柱状結晶集合体4に電界が印加される。
【0044】印加された電界は各柱状結晶3の針状の上
端部に集中する。このことで、量子力学的トンネリング
現象に基づき、各柱状結晶3の上端部から絶縁膜6中に
電子(e- )が引き出される。つまり、各柱状結晶3
(柱状結晶集合体4)がエミッタ電極として作用し、上
記導電膜7が電子引出電極として作用することとなる。
【0045】引き出された電子(−e)は、図1に示す
ように、薄い絶縁膜6および導電膜7を透過してこの電
界電子放出素子1の上方の真空中に放出される。このと
き、この電界電子放出素子1の対向位置に電圧を印加し
たアノ−ド電極(図示しない)を配置しておけば、放出
された電子は、このアノ−ド電極に引き寄せられること
となる。
【0046】なお、この電界電子放出素子1は、金属
(タングステン:柱状結晶集合体4)− 絶縁体6(タ
ングステンの酸化膜) −金属(導電膜7)の積層構造
をなすいわゆるMIM型(Metal-Insulater-Metal )の
電子放出素子である。また、高密度に密集した多数の微
細な柱状結晶3から電子が放出されるので、面状電子ビ
−ム放出源として機能することとなる。
【0047】つぎに、この電子放出素子1の製造方法を
図3を参照して説明する。まず、図3(a)に示すよう
に、上記基板2上に絶縁層5を形成する。この絶縁層5
は例えば熱酸化やスパッタ、CVDなどで形成する。つ
いで、この絶縁層5上にレジスト9を塗布し、パタ−ン
ニングを行う。このレジスト9のパタ−ンは、上記柱状
結晶集合体4を形成する領域に合わせて例えば円形や正
方形等、任意の形状にすることができる。ついで、この
レジスト9をマスクとしてRIE等の異方性エッチング
を施すと、図3(b)に示すように、上記絶縁層5に貫
通孔10が形成される。
【0048】次に、上記レジスト9を洗浄除去した後、
図3(c)に示すように、この貫通孔10内に露出した
上記基板2の表面に前記柱状結晶集合体4を成膜する。
この成膜は、前述したように、例えばCVDを用いて行
う。
【0049】すなわち、図示しない減圧チャンバ内に上
記基板2を保持し、この減圧チャンバ内の環境温度(基
板周辺温度)を120℃〜500℃、好ましくは約32
0℃に設定する。
【0050】ついで、このチャンバ内にWF6 (tungst
en hexafluoride )とSiH4 (silane)の2種類の反
応ガスを導入し反応させる。この2種類の反応ガスの流
量比は1:1に制御される。
【0051】このことで、上記基板2の表面にはタング
ステン(W)が成膜されていく。なお、上記絶縁膜5上
には自由電子が存在しないので、成膜は成されない。し
たがって、上記貫通孔10内のみに選択的に上記柱状結
晶集合体4を形成することができる。
【0052】上述した環境の下で成長するタングステン
の各結晶は、β−W(β態のタングステン)を含み、上
記基板2の表面から略垂直な柱状(柱状結晶3)に成長
していくことが確かめられている。そして、各柱状結晶
3の上端部は針状に尖る。
【0053】また、上記柱状結晶3の形成密度は、成膜
条件の設定次第で設定可能であるが、この実施例の条件
の下では、形成ピッチ0.1μm〜0.5μmと非常に
緻密に形成することができる。
【0054】さらに、上記柱状結晶集合体4の高さは、
上記CVDの時間を調節することで設定可能である。こ
の実施例では、上記絶縁層5の上端面より若干突出する
程度の高さに設定する。
【0055】このようにして上記柱状結晶集合体4が形
成されたならば、次に、上記チャンバ内を例えば300
〜400℃の範囲内の任意の温度環境に保ち、微量の酸
素(真空度:数mTorr)を導入する。このことで、
同図(d)に示すように、上記柱状結晶集合体4の表面
には厚さ100オングストロ−ム以下の薄いタングステ
ン酸化膜からなる絶縁膜6が形成される。
【0056】この絶縁膜6は、各柱状結晶3の尖鋭化さ
れた上端部の表面に略均一な厚さで被着される。したが
ってこの絶縁膜6は、柱状結晶3の上端部の形状に合わ
せて凹凸状に形成される。
【0057】次に、最終工程として、例えばスパッタリ
ングで、上記絶縁層5および絶縁膜6の表面に薄い導電
膜7を被着する。このことで、同図(e)に示す電界電
子放出素子1が完成する。
【0058】なお、図4は、上記柱状結晶3の上端部付
近を拡大して示す図である。上記柱状結晶3の上端部
は、CVDで形成された時点で図4(a)に示すように
すでに尖っており、上記絶縁膜6と導電膜7は同図
(b)に示すようにこの尖った部分の形状に合わせて被
着される。
【0059】そして、この絶縁膜6と導電膜7の形成を
終え、上記電界電子放出素子1を常温に戻した後は、残
留応力の影響で同図(c)に示すように上記柱状結晶3
の上端部の側面は内側に凹むように変形し、最上端部の
尖鋭度がより高くなることが確かめられている。
【0060】以上述べた電界電子放出素子1によれば、
従来のMIM型の電界電子放出素子と比較して以下に説
明する効果を得ることができる。すなわち、従来のMI
M型の電界電子放出素子は、エミッタ電極として表面が
略平坦に形成された導電体を用い、この導電体の表面に
絶縁膜および導電膜(電子引出電極)を積層することで
形成されていた。
【0061】そして、上記導電膜とエミッタ電極との間
に電位差を生じさせ、エミッタ電極に対して、上記導電
膜から上記絶縁膜により区画されるギャップを介して電
圧を印加することで、量子力学的トンネリング現象によ
りこのエミッタ電極から電子を引き出していた。このこ
とで、従来のMIM型電界電子放出素子は面状電子ビ−
ム放出源として機能していた。
【0062】ところで、電界電子放出素子においては、
電子放出効率(エミッション電流の密度)は、エミッタ
電極と電子引き出し電極(導電膜)との距離や、上記エ
ミッタ電極への電界集中度(尖鋭度)等の幾何学的な量
に依存して決まり、エミッタ電極と電子引出電極の距離
が小さい程、また、上記エミッタ電極の尖鋭度が高い程
大きくなる。
【0063】上述した従来のMIM型では、面状電子ビ
−ム放出源として機能させるためにエミッタ電極の表面
が略平坦に形成されているので、その電子放出効率は、
上記絶縁膜の厚さによって決まる。このため、上記絶縁
膜をできるだけ薄くする必要があった。しかし、この絶
縁膜には格子欠陥の1つも許されないので、その薄膜化
は非常に困難であった。
【0064】これに対して、この発明では、CVD等の
成膜技術により先端が微細に尖鋭化された柱状結晶3の
集合体4が得られることに着目し、これをMIM型電界
電子放出素子のエミッタ電極として採用するようにし
た。このことで、以下の効果を得ることができる。
【0065】第1に、電界集中度が向上するので、絶縁
膜をそれ程薄くしなくとも電子放出効率を向上させるこ
とができる。すなわち、従来のMIM型では、上記エミ
ッタ電極の表面が略平坦であるので電界集中の効果を得
ることができなかったが、この発明では、エミッタ電極
を微細でかつ上端部が針状に尖鋭化されてなる柱状結晶
3の集合体4とすることができるので、各柱状結晶3の
先端部に電界を集中させることができる。
【0066】また、上記電子引出電極となる導電膜7
は、上記各柱状結晶3の尖鋭化された上端部に沿うよう
に形成されるのでさらに電界の集中度が高まる。この理
由を図5を参照して説明する。
【0067】すなわち、上記導電膜7の形状を図5
(a)〜(c)に示すように3種類に変化させて電界集
中度を比較する。各々の形状について等電位分布を考え
ると、図に示す等電位線のようになる。電界集中係数
は、上端部付近でこの等電位線が急峻な程大きくなる。
【0068】したがって、図5(c)に示すように、上
記導電膜7が柱状結晶3の先端部を覆うように形成され
ている場合(この発明)において電界集中度が最も高く
なることが分かる。
【0069】また、前述したように、上記絶縁膜6に生
じる残留応力の関係で、上記針状の上端部は側面がえぐ
れたような形状になり(図4(c)参照)、より尖鋭度
が増す。したがって、上記等電位線はより急峻となるの
で電界集中度が高くなる。
【0070】このように電界集中度を高めることができ
るので、絶縁膜6の膜厚をそれ程薄くしなくとも電子放
出効率を向上させることができる。したがって、低い動
作電圧であっても電子を放出することができる効果があ
る。
【0071】また、上述したβ−Wを含む柱状結晶集合
体4では、各柱状結晶3の先端部の間隔が0.1μm以
下と非常に微小である。このため、電子放出の密度が高
く、面状電子ビ−ム放出源として十分に機能する。
【0072】第2に、この電界電子放出素子の製造は非
常に容易である。この発明によれば、尖鋭化された微細
な柱状結晶3(エミッタ電極)を高密度に形成すること
ができ、面状電子ビ−ム放出源として作用する電界電子
放出素子を得ることができるが、その製造は非常に容易
である。
【0073】すなわち、従来、スピント型や平面型のよ
うに尖鋭化されたエミッタ電極を有する電界電子放出素
子が存在していたが、それらは複雑な尖鋭化工程を経る
ことによって作成されていた。また、エミッタ電極の形
成密度が、パタ−ンニングの解像度の限界によって制限
され高密化することができないので、MIM型のような
面状電子放出源として用いることができないということ
があった。
【0074】しかし、この発明の電界電子放出素子によ
れば、成膜工程のみで、上述したように微細に尖鋭化さ
れ高密度に集積されたエミッタ電極を得ることができ
る。したがって、尖鋭化のための複雑な工程が不要であ
り、かつ高解像度の装置を用いなくとも良い。したがっ
て、容易に上述した電子放出効率の高い電界電子放出素
子1を得ることができる。
【0075】なお、上述したようにパタ−ンニングの解
像度が要求されないので、半導体製造プロセスに用いら
れる高解像度の装置でなくとも、既存のLCD(液晶デ
ィスプレイ)の製造プロセスに用いられる比較的低解像
度の装置を使用することができる。よって、より安価な
製造設備で性能の高い電界電子放出素子を製造すること
ができる。
【0076】第4に、上記柱状結晶3は、CVDによ
り、自由電子が存在する物質(実施例では基板2)の上
にのみ選択的に形成することができるので、絶縁層5の
パタ−ンニングを変更するのみで、上記エミッタ電極を
基板2上の任意の領域に形成することが可能である。こ
のため、多数の電界電子放出素子を一枚の基板上にアレ
イ状に集積する場合、その製造が容易になる。
【0077】なお、この第1の実施例においては、柱状
結晶28を第1の導電膜に堆積させるためにCVDが行
われているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、CVDに代えて例えばスパッタリングを採用しても
よい。
【0078】また、柱状結晶3としてβ−Wを含む材質
を採用しているが、柱状結晶3が得られれば材質は限定
しない。例えば、柱状結晶3の材質としてAlを採用す
ることも可能である。この場合も柱状結晶を堆積させる
ためにCVDやスパッタリングを採用できる。
【0079】さらに、この実施例では反応性ガスの流量
比を1:1に設定しているが、所望の柱状結晶を得られ
れば、反応性ガスの流量比を任意に設定してよい。ま
た、チャンバ内の環境温度も変更可能である。
【0080】次に、この発明の第2の実施例を図6およ
び図7を参照して説明する。なお、上記第1の実施例と
同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳
しい説明は省略する。
【0081】この第2の実施例の電界電子放出素子は、
図6に示すようなもので、上記第1の実施例と異なり基
板2´上にベ−ス電極10を設けたものである。すなわ
ち、基板2´としてガラス等の絶縁材料を採用した場合
には、上記柱状結晶集合体4に対する給電を行うため
に、このようなベ−ス電極10を下地(導電体)として
設ける必要がある。
【0082】このベ−ス電極10を含む電界電子放出素
子の製造方法を図7に示す。まず、図7(a)に示すよ
うに、上記基板2´(例えばガラス基板)上にベ−ス電
極10を形成する。
【0083】このベ−ス電極10の形成は、上記基板2
´の表面に対してAlやCu等の金属をスパッタリング
等で被着した後、この金属膜をエッチングに正方形や円
形等の任意の形状に形成する。このことでベ−ス電極1
0を得ることができる。
【0084】ついで、図7(b)〜(f)に示すように
上記第1の実施例(図3(a)〜(e))と同様の製造
工程を経ることによって図6に示した電界電子放出素子
1´を得ることができる。
【0085】このような構成によれば、上記ベ−ス電極
10と上記柱状結晶集合体4が導通しているので、上記
ベ−ス電極10と上記導電膜7(電子引出電極)との間
に電位差を与えることで、上記柱状結晶集合体4の各柱
状結晶3の上端部から電子を放出させることができる。
したがって上記第1の実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0086】以上述べた第1、第2の実施例では、1つ
の電界電子放出素子について説明したが、この電界電子
放出素子を実際に用いる場合には、シリコンウエハやガ
ラス板等の一枚の基板上に多数の電界電子放出素子を集
積して用いる。また、必要に応じてアノ−ド電極を対向
配置し、三極管として用いる。
【0087】このようなMIM型電界電子放出素子の用
途としては、種々のものが考えられるが、例えば、平面
ディスプレイ装置に適用した例を第3の実施例として次
に説明する。
【0088】この平面ディスプレイ装置は、図8に示す
ようなものであり、第2の実施例の電子放出素子1´を
集積してなる電子放出源13と、この電子放出源13か
ら放出された電子を受けて発光表示を行う表示部14と
からなる。
【0089】この電子放出源13は、次のようにして作
成される。まず、基板2上に形成されたベ−ス電極11
を、エッチングによってx方向に隣合う多数の帯状のベ
−ス電極11aに分割する。このことでアドレスライン
が作成される。
【0090】ついで、上記基板2上に絶縁層5を被着
し、各帯状のベ−ス電極11a上に所定の間隔で前記貫
通孔10を設ける。この後、前述したCVDを施すこと
で、この貫通孔10内に露出した上記ベ−ス電極11a
上に上記柱状結晶集合体4を成膜する。
【0091】このことで、エミッタ電極として機能する
柱状結晶集合体4が基板2上にマトリックス状に配設さ
れる。なお、CVDを利用した場合、上記ベ−ス電極1
1aが露出していない箇所(貫通孔10以外の箇所)に
は上記柱状結晶集合体4は形成されない。
【0092】次に、チャンバ内に微量の酸素を供給する
ことで、上記柱状結晶集合体4のの表面にタングステン
酸化膜からなる絶縁膜6(図8には図示しない)を形成
する。ついで、この絶縁膜6および上記絶縁層5の表面
に全体に亘って導電膜7を被着した後、この導電膜7を
エッチング等により、上記ベ−ス電極11aと直交する
多数の帯状の導電膜7aに分割する。このことで、デ−
タラインが作成される。
【0093】以上の工程により、多数の電界電子放出素
子1´をマトリックス状に集積してなる電子放出源13
を得ることができる。一方、上記表示部14は、透明基
板(石英ガラス等)15と、この透明基板15の上記電
子放出源側の表面に被着された透明導電膜16(アノ−
ド電極)と、この透明導電膜16の表面に被着された多
色発光蛍光体17とからなる。
【0094】ここでは、上記透明導電膜16として、例
えばITO(Indium Tin Oxide)膜を用いている。この
ITO膜は、酸化錫をド−プした酸化インジウム膜であ
り、導電性と透光性を有する膜である。
【0095】また、上記多色発光蛍光体17は、低加速
電子線用の蛍光体であり、例えばZnO:Znが利用さ
れる。この表示部14と上記電子放出源13は、図示し
ない縁部で互いに接合される。この接合は、例えば真空
雰囲気中で静電接合を利用して行われ、上記表示部14
と電子放出源13とによって挟まれた空間は真空に保た
れる。
【0096】このように構成された平面ディスプレイ装
置では、上記各電界電子放出素子1´が、この平面ディ
スプレイ装置の1画素を構成する。そして、この平面デ
ィスプレイ装置では、駆動方法としてTFTを利用した
アクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイ装置と
同様の方法を採用することができる。
【0097】すなわち、上記ベ−ス電極11aによって
構成されるアドレスラインと導電膜7aによって構成さ
れるデ−タラインは、それぞれ駆動ドライバ18、19
に接続されている。
【0098】そして、この駆動ドライバ18、19を作
動させ、任意のアドレスラインとデ−タラインとを選択
して電圧を印加することによって各ラインが交わる箇所
に設けられた電界電子放出素子1´から電子を放出させ
る。
【0099】このとき、上記表示部14に設けられた上
記透明導電膜16に対して上記導電膜7aに与えた電圧
より高い電圧を与えておくと、放出された電子は略10
0パ−セント上記透明導電膜16に引き寄せられ、この
透明導電膜16の表面に被着された蛍光体17に衝突す
る。このことで、上記蛍光体17を発光させることがで
きる。
【0100】このような平面ディスプレイ装置によれ
ば、以下に説明する効果を得ることができる。第1に、
低い動作電圧であっても良好に作動する平面ディスプレ
イ装置を得ることができる。
【0101】すなわち、この発明の電界電子放出素子1
´は、電子放出効率の非常に高い面状電子ビ−ム放出源
である。このため、この電界電子放出素子を高密度に集
積して平面ディスプレイ装置の電子放出源13を構成す
れば、低い動作電圧であっても良好に作動する平面ディ
スプレイ装置を得ることができる。
【0102】また、この発明では、前述したように、柱
状結晶集合体4の結晶の形を利用することで尖鋭化の図
られたエミッタ電極を得ているので、その形成が容易で
あり、欠陥も少ない。このため、平面ディスプレイ装置
の製造の歩留まりを向上させることも可能である。
【0103】第2に、平面ディスプレイ装置の各画素を
非常に緻密に配置することができる効果がある。すなわ
ち、この平面ディスプレイ装置では、各画素を構成する
電界電子放出素子1´どうしを接近させても、各電界電
子放出素子1´間の距離がエミッタ電極(柱状結晶集合
体4の先端部)と電子引出電極(導電膜7a)間の距離
よりも少しでも大きければ影響はない。
【0104】この発明のMIM型電界電子放出素子の場
合には、上記エミッタ電極(4)と電子引出電極(7
a)の距離は、上記絶縁膜6の膜厚によって定まり、こ
の膜厚は100オングストロ−ム以下と非常に薄い。し
かも、各エミッタ電極の先端部は尖鋭化が成されている
ので電界集中度が非常に高い。
【0105】このため、電界電子放出素子1´どうしの
間隔を非常に小さくして画素を緻密に配置し、前述した
ように上記電子放出源13側にアドレスラインとデ−タ
ラインを形成してもクロスト−ク等の問題は生じない。
次に、第4の実施例の平面ディスプレイ装置について、
図9を参照して説明する。
【0106】この第4の実施例の平面ディスプレイ装置
は、電子放出源に用いる電界電子放出素子として、第1
の実施例の電界電子放出素子1を用いると共に、デ−タ
ラインを表示部側に設けたものである。
【0107】すなわち、この平面ディスプレイ装置の電
子放出源13´は、基板2に導電材料(シリコンウエハ
等)を用いる。そして、この基板2上に絶縁層5を設
け、この絶縁層5にマトリックス状に上記貫通孔10を
設けた後、この貫通孔10内に露出した上記基板2の表
面にエミッタ電極として作用する柱状結晶集合体4をC
VDにて成膜する。
【0108】ついで、この柱状結晶集合体4の表面に熱
酸化膜による絶縁膜6を設けた後、この電子放出源13
´の全面に亘って導電膜7を被着する。ついで、この導
電膜7をエッチングによって複数の帯状導電膜7a´に
分割する。このことで、アドレスラインを形成する。
【0109】すなわち、上記第3の実施例でデ−タライ
ンとして用いていた上記導電膜7aをこの実施例ではア
ドレスラインとして用いるものである。一方、上記表示
部14´としては、石英ガラスからなる透明基板15の
電子放出源13´側の表面に、ITOからなる透明導電
膜16を被着する。ついで、この透明導電膜16を上記
電子放出源13´の帯状導電膜7a´と直交する複数の
帯状透明導電膜16aに分割する。このことでデ−タラ
インを形成する。
【0110】ついで、この表示部の表面全体に亘って多
色表示可能な蛍光体17を被着する。このことで、表示
部14´が完成する。この後、上記第3の実施例と同様
に、上記表示部14´と上記電子放出源13´とを所定
の隙間を存して接着する。この接着は、例えば、真空雰
囲気中での静電接合にて行う。
【0111】このことで、この第4の実施例の平面ディ
スプレイ装置が完成する。この平面ディスプレイ装置で
は、上記電子放出源13´の導電膜7a´からなるアド
レスラインと上記表示部14´の透明導電膜16aから
なるデ−タラインとに、それぞれ駆動ドライバ18、1
9を接続し、例えば、単純マトリックス方式の液晶ディ
スプレイ装置と同様の方法で駆動するようにする。
【0112】このとき、上記基板2に対しては電圧を加
えず、grandとしておけば、上記基板2と上記導電
膜7aとの電圧差によって、任意の上記電界電子放出素
子1から電子が放出されることになる。また、放出され
た電子は、電圧の印加されたデ−タライン(16a)に
引き寄せられ収束する。このことによって、所望位置の
蛍光体17を発光させることができ、表示部14´に必
要な表示を行わせることができる。
【0113】このような構成によれば、上記第3の実施
例と略同様の効果を得ることができる他、上記表示部1
4´側にデ−タラインを設けることによって、発散する
電子ビ−ムを収束させることができ、発光箇所をより有
効に制御することができる利点がある。
【0114】次に、第5の実施例の平面ディスプレイ装
置について、図10を参照して説明する。この第5の実
施例の平面ディスプレイ装置は、第4の実施例の平面デ
ィスプレイ装置と同様に、電子放出源に用いる電界電子
放出素子として、第1の実施例の電界電子放出素子1を
用いると共に、デ−タラインを表示部側に設けたもので
ある。
【0115】ただし、この平面ディスプレイ装置1に設
けられる電界電子放出素子1は、上記第4の実施例の平
面ディスプレイ装置の製造工程において、上記絶縁膜5
に設ける貫通孔の形状を円形ではなく帯状として形成し
たものである。したがって、この実施例における電界電
子放出素子1は、図10に示すように、アドレスライン
(導電膜7a)に沿って直線状に形成されたものとな
る。
【0116】このような構成であっても、上記第4の実
施例と略同様の効果を得ることができる。なお、この発
明は、上記第1〜第5の実施例に限定されるものではな
く、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能であ
る。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の電界電
子放出素子は、MIM型(金属−絶縁膜−金属)の電界
電子放出素子において、エミッタ電極として柱状結晶集
合体を用いたものである。
【0118】このような構成によれば、製造が容易で電
子放出効率の高い面状電子ビ−ム放出源を提供すること
ができる。したがって、この電界電子放出素子を集積し
て平面ディスプレイ装置を構成することによって、低い
動作電圧で良好な表示を行える装置を得ることができる
効果がある。
【0119】また、この発明の電界電子放出素子の製造
方法によれば、上記エミッタ電極の形成を、成膜技術で
のみで行え、しかも同時に上記先端部の尖鋭化も行え
る。したがって、上述した電子放出効率の高い電界電子
放出素子を容易に製造することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す概略構成図。
【図2】同じく、斜視図。
【図3】同じく、製造工程を示す工程図。
【図4】同じく、エミッタ電極の先端部を拡大して示す
概略構成図。
【図5】同じく、電界の集中度を説明するための説明
図。
【図6】この発明の第2の実施例を示す概略構成図。
【図7】同じく、製造工程を示す工程図。
【図8】この発明の第3の実施例を示す平面ディスプレ
イ装置。
【図9】この発明の第4の実施例を示す平面ディスプレ
イ装置。
【図10】この発明の第5の実施例を示す平面ディスプ
レイ装置。
【符号の説明】
1(1´)…電界電子放出素子、2…基板(導電体)、
2´…基板、3…柱状結晶(エミッタ電極)、4…柱状
結晶集合体、5…絶縁層、6…絶縁膜、7…導電膜(電
子引出電極)、7a…導電膜(デ−タライン)、7a´
…導電膜(アドレスライン)、10…貫通孔、11…ベ
−ス電極(導電体)、13…電子放出源、14…表示
部、15…透明基板(透明板部材)、16…透明導電
膜、16a…透明導電膜(デ−タライン)、17…蛍光
体。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界が与えられることで量子力学的トン
    ネリング現象に基づき電子を放出するエミッタ電極と、
    このエミッタ電極に積層された絶縁膜と、この絶縁膜に
    積層され上記エミッタ電極に電界を与える電子引出電極
    とを備えた電界電子放出素子において、 上記エミッタ電極は導電体の表面に成膜された複数の柱
    状結晶からなる柱状結晶集合体であることを特徴とする
    電界電子放出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記柱状結晶集合体の各柱状結晶は、先端部を尖鋭化さ
    れ、この先端部から電子を放出するものであることを特
    徴とする電界電子放出素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記絶縁膜は、上記各柱状結晶の尖鋭化された先端部の
    表面に略均一の厚さで形成され上記電子引出電極は、こ
    の絶縁膜の表面に略均一の厚さで被着された導電性の膜
    であることを特徴とする電界電子放出素子。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記柱状結晶集合体は、導電体の表面にCVD(Chemic
    al vapor deposition )の手段により成膜されたもので
    あることを特徴とする電界電子放出素子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記柱状結晶はβ−タングステン(W)を含むことを特
    徴とする電界電子放出素子。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記導電体の表面には、絶縁層が設けられ、 この絶縁層には、上記導電体の表面を露出させる貫通孔
    が設けられ、 上記柱状結晶集合体は、この貫通孔内に露出する導電体
    の表面に成膜されていることを特徴とする電界電子放出
    素子。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記エミッタ電極から放出された電子を受けるアノ−ド
    電極を有することを特徴とする電界電子放出素子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記アノ−ド電極は、透明導電膜を有し、 この透明導電膜の上記電子引出電極側の面には上記エミ
    ッタ電極から放出された電子を受けることで発光する蛍
    光体が設けられていることを特徴とする電界電子放出素
    子。
  9. 【請求項9】 請求項2、請求項6あるいは請求項7に
    記載の電界電子放出素子を集積してなることを特徴とす
    る電界放出源。
  10. 【請求項10】 請求項2あるいは請求項6記載の電界
    電子放出素子を基板上にマトリックス状に配設してなる
    電子放出源と、 この電子放出源に対向配置され、上記電子放出源から放
    出された電子を受けることで発光表示を行う表示部とを
    有することを特徴とする平面ディスプレイ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の平面ディスプレイ装
    置において、 上記表示部は、 透明板部材と、 この透明板部材の上記電子放出源側に対向する面に設け
    られた透明導電膜と、 この透明導電膜に設けられた蛍光体とを有することを特
    徴とする平面ディスプレイ装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の平面ディスプレイ装
    置において、 上記電子放出源は、 導電体を複数の帯状に分割し、 電子引出電極を上記導電体と直交する複数の帯状に分割
    し、 上記帯状の導電体、帯状の電子引出電極のいずれか一方
    をアドレスライン、他方をデ−タラインとすることで、
    その交わる箇所に設けられたエミッタ電極から電子を放
    出させることを特徴とする平面ディスプレイ装置。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の平面ディスプレイ装
    置において、 上記透明導電膜を複数の帯状に分割し、 各帯状の透明導電膜に印加する電圧を制御することで発
    光範囲を制御することを特徴とする平面ディスプレイ装
    置。
  14. 【請求項14】 電界が与えられることで量子力学トン
    ネリング効果に基づき電子を放出するエミッタ電極と、
    このエミッタ電極に積層された絶縁膜と、この絶縁膜に
    積層され上記エミッタ電極に電界を与える電子引出電極
    とを備えた電界電子放出素子の製造方法において、 導電体上に柱状結晶集合体を成膜し、先端部が針状に尖
    鋭化された柱状結晶からなるエミッタ電極を形成する工
    程と、 上記柱状結晶集合体の表面に絶縁膜を形成する工程と、 上記絶縁膜の表面に導電性の膜を形成し、電子引出電極
    を形成する工程とを有することを特徴とする電界電子放
    出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 電界が与えられることで量子力学トン
    ネリング効果に基づき電子を放出するエミッタ電極と、
    このエミッタ電極に積層された絶縁膜と、この絶縁膜に
    積層され上記エミッタ電極に電界を与える電子引出電極
    とを備えた電界電子放出素子の製造方法において、 導電体の表面に絶縁層を形成する工程と、 この絶縁層の所定の部位を除去し、上記導電体の表面を
    露出させる貫通孔を形成する工程と、 上記貫通孔内に露出した導電体の表面に柱状結晶集合体
    を成膜し、先端部が針状に尖鋭化された柱状結晶からな
    るエミッタ電極を形成する工程と、 上記柱状結晶集合体の表面に絶縁膜を形成する工程と、 上記絶縁膜の表面に導電性の膜を形成し、電子引出電極
    を形成する工程とを有することを特徴とする電界電子放
    出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14あるいは請求項15記載の
    電界電子放出素子の製造方法において、 エミッタ電極を形成する工程は、 上記導電体を含む部材を反応チャンバ内に収容して12
    0℃〜500℃に保ち、 チャンバ内にWF6 とSiH4 の2種類の反応ガスを導
    入し反応させ、 上記導電体の表面にβ−Wを含む柱状結晶集合体を成膜
    することを特徴とする電界電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の電界電子放出素子の
    製造方法において、 上記柱状結晶集合体の表面に絶縁膜を形成する工程は、 反応チャンバ内に酸素ガスを導入し、上記柱状結晶集合
    体の表面に絶縁性の金属酸化膜を形成するものであるこ
    とを特徴とする電界電子放出素子の製造方法。
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